JP2004261922A - 基礎杭接続用のボルト孔穿孔装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】鋳鉄、鋼鉄などの金属製基礎杭1の外周に着脱自在に固定される環体10の外面に、中心軸と直交して貫通する方向に基礎杭の接続用ボルト孔穿孔工具用の係合金具15が設けられ、この金具15に接続用ボルト孔の穿孔工具14が、穿孔軸を金属製基礎杭1の直径方向に向けて着脱自在に取付けられてなる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、基礎杭接続用のボルト孔穿孔装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
建築用の基礎杭として、鋳鉄管や鋼管の先端に螺旋条を形成した回転埋設工法用の基礎杭が知られている(特許文献1)。
【0003】
上記鋳鉄管の基礎杭は管の一端に形成した受口に他の管の挿口を挿入してボルトなどで接続していけば容易に基礎杭を長尺化できるので、深基礎の施工が容易にできる利点を有する。
【0004】
そして、ボルトによる基礎杭の接続には、従来、図6に示すように既に打ち込んだ基礎杭1の地表Gから突き出た挿口2に、新規基礎杭1の受口3を被せるようにして接続し、受口3外面部分に穿孔工具(図示省略)で、図7に示すように直径方向に貫通孔4を穿設し、ここに接続ボルト5を挿入して基礎杭1、1同士を軸方向に接続した上でナット7を締め付けて締結することが行われていた。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−98545号公報、図3、図4
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、管を接続固定するためのボルト孔4は、中心軸1aに正しく直交する方向に穿設する必要があるが、この穿設作業は通常現場作業となるので正しい方向にボルト孔を穿設するのは容易でない問題があった。特に、図6に示したように先端に螺旋条6を有する基礎杭1の場合、回転トルクはボルトを介して伝達されるので、ボルト貫通部分に加わる負荷を均等にするため、ボルト貫通孔は正しく中心を通る直径方向に穿設する必要がある。
【0007】
さらに、複数本のボルトで基礎杭1を接続する場合は、それぞれのボルトから基礎杭の管壁に加えられる外力が全周に渡って均一に分散されるよう、ボルトの貫通軸線が平面視で円周を等分するように穿設されていることが望ましい。
【0008】
この発明は、上記のように正しく中心を通ってボルト孔を穿設し、あるいは平面視で正しく等分された中心角を有して容易に複数のボルト孔を穿設出来る工具を開発することを課題としてなされたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の基礎杭接続用のボルト孔穿孔装置は、鋳鉄、鋼鉄などの金属製基礎杭の外周に着脱自在に固定される環体の外面に、前記基礎杭の中心軸と直交して貫通する方向に接続用ボルト孔の穿孔工具を支持する係合金具が設けられ、該係合金具に接続用ボルト孔の穿孔工具が、穿孔軸を前記金属製基礎杭の直径方向に向けて着脱自在に取付けられてなるものである。
【0010】
従って、この基礎杭接続用のボルト孔穿孔装置によれば、環体を基礎杭の外周に取付け、この環体外周の係合金具に穿孔工具を取り付ければ、穿孔軸が基礎杭の中心軸を通って正しく穿設されるので、施工現場であっても正しくボルト孔が穿設できる。
【0011】
請求項2の基礎杭接続用のボルト孔穿孔装置は、請求項1の基礎杭接続用のボルト孔穿孔装置において、基礎杭の接続用ボルト孔穿孔工具用の係合金具が環体外周に周方向に沿って複数個設けられ、かつ、各係合金具は少なくとも接続用ボルトの直径より大きい距離だけ軸方向に隔たった位置に取り付けられてなるものである。
【0012】
この基礎杭接続用のボルト孔穿孔装置によれば、複数のボルト孔を穿設する場合、係合金具に穿孔工具を取り付けるだけで次々とボルト孔が穿設できる。また、穿孔工具が干渉しなければ二つ以上のボルト孔であっても同時に穿孔も可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、この発明の実施の形態である基礎杭接続用のボルト孔穿孔装置を説明する。
【0014】
図1は、この発明の実施の形態である基礎杭接続用のボルト孔穿孔装置の側面図、図2は同平面図である。
図1において10は、基礎杭1の外周に着脱自在に固定される環体を示し、図3、図5に示すように二つの半割体11、11の一端を蝶番12で連接し、他端にクランプ装置13を設け、図1、図2に示すように基礎杭1の受口3外周に巻きつけて開口部をクランプ装置13でクランプすることにより固定できるようにされている。なお、このクランプ装置13はトグル機構を用いたものが使用され、一方の半割体11の縁に設けた留金具13aに引っ掛けたフック13bの他端を、支点13cで支持されたレバー13dの支点13cより径方向外側位置13eで連接し、レバー13dを矢印方向へ倒すことで二つの半割体11、11が基礎杭1外周に強く巻きつき固定するようにされている。
【0015】
そして、この環体10の外周には、図2、図3に示すように、ボルト孔穿孔工具14の係合金具15が設けられている。
この係合金具15は、環体10の外面に径方向外側に突設された支持板17、17と、この支持板17、17の先端間に二枚の板体21、21が直交するように配置され、板体21、21間の隙間20が、ガイド18の脚部19を受容する嵌合部とされ、このガイド18上に穿孔工具14が取付けられるように構成されている。なお、図示例の場合、係合金具15は、環体10の外周に平面視で中心角が90°をなすよう二箇所に設けられている。
【0016】
なお、このように二箇所以上の複数箇所にわたって係合金具15、15を取り付ける場合、それぞれの係合金具15…は、図1、図4に示すように接続用ボルト5の直径より大きい距離dだけ軸方向に隔たって設けられる。
【0017】
次に、ガイド18は、係合金具15に脚部19を介し、環体10の中心軸16に対し直交姿勢に固定されるようにされ、ガイド18の側面には、ガイド溝22が設けられ、ガイド18の上面からまたぐようにしてガイド溝22にスライダ23が摺嵌され、ガイド18に沿って摺動移動可能にされている。
【0018】
ガイド18の底面にはラック24が設けられ、スライダ23下面に軸支したピニヨン25がラック24に噛み合うようにされ、ハンドル26でピニヨン25を回転操作することによってスライダ23がガイド18に沿って進退するようにされている。
【0019】
このスライダ23に穿孔工具14が取付けられ、先端にホールソー27を取り付けた回転軸28が基礎杭1に直径方向へ向き、ハンドル26の操作によってホールソー27が基礎杭1表面に切り込んでいくようにされている。
【0020】
なお、図中29は穿孔工具14の回転軸28の中間軸受を示し、回転軸の振れをなくすために設けられたものである。
なお、穿孔工具14そのものは、通常使用されているものが使用され、スライダ23上面に適宜手段で固定される。
【0021】
次に、この発明の基礎杭接続用のボルト孔穿孔装置の使用方法について説明する。
図5に示すように、環体10を開き、挿口2に受口3を被せて接続した基礎杭1の外周、図示例の場合は挿口2の外周で受口3の開口端3aに接する位置に、図1に示すように環体10巻きつけクランプ装置13を締付け、固定する。次いで、係合金具15に脚部19を差し込んでガイド18を取付ける。ガイド18には予めスライダ23、及び穿孔工具14が取付けられているので、穿孔工具14の回転軸28の向き、即ちボルト孔の穿孔方向は環体10の中心軸16に対して直交する方向となる。
【0022】
そして、穿孔工具14を駆動し、ハンドル26を操作してホールソー27を基礎杭1の外面に切り込ませていくのである。
このとき、穿孔工具14はガイド18により環体10に対し中心軸方向へ支持され、また環体10は基礎杭1の外周に隙間無く固定されているので、ボルト孔は正しく基礎杭1の中心を通って貫設される。
【0023】
なお、二以上のボルト孔を穿設する場合は、一つのボルト孔穿設後、別の係合金具15にガイド18を取り付けて同様に穿孔する。
このときに穿孔されるボルト孔は、基礎杭1の軸方向に対して、少なくともボルトの直径より大きく離れているので、同時に挿入されるボルトが互いに干渉してしまうことはない。
【0024】
また、二つのガイド18をそれぞれの係合金具15に取り付け同時にボルト孔を穿設することも出来る。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明の基礎杭接続用のボルト孔穿孔装置によれば、ボルト孔を基礎杭外周に穿設する場合、環体とガイドにより穿孔装置は正しく基礎杭の直径方向に支持されるので、現場施工であっても基礎杭に適正なボルト孔を穿設することができ、しかも穿孔中、穿孔工具はガイドによってしっかりと支持されるので穿設されたボルト孔の軸線も狂うことがないなどの効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態である基礎杭接続用のボルト孔穿孔装置の側面図である。
【図2】この発明の実施の形態である基礎杭接続用のボルト孔穿孔装置の平面図である。
【図3】環体の平面図である。
【図4】環体の側面図である。
【図5】開いた状態の環体の平面図である。
【図6】金属管の基礎杭の説明斜視図である。
【図7】金属管の基礎杭の説明断面図である。
【符号の説明】
1 直管
2 挿口
3 受口
4 ボルト孔
5 ボルト
6 螺旋条ボルト
7 ナット
10 環体
11 半割体
12 蝶番
13 クランプ装置
14 ボルト孔穿孔工具
15 係合金具
17 支持板
18 ガイド
19 脚部
20 隙間
21 板体
Claims (2)
- 鋳鉄、鋼鉄などの金属製基礎杭の外周に着脱自在に固定される環体の外面に、前記基礎杭の中心軸と直交して貫通する方向に接続用ボルト孔の穿孔工具を支持する係合金具が設けられ、該係合金具に接続用ボルト孔の穿孔工具が、穿孔軸を前記金属製基礎杭の直径方向に向けて着脱自在に取付けられてなる基礎杭接続用のボルト孔穿孔装置。
- 請求項1の基礎杭接続用のボルト孔穿孔装置において、基礎杭の接続用ボルト孔穿孔工具用の係合金具が環体外周に周方向に沿って複数個設けられ、かつ、各係合金具は少なくとも接続用ボルトの直径より大きい距離だけ軸方向に隔たった位置に取り付けられてなる基礎杭接続用のボルト孔穿孔装置。
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