JP2004261445A - シート張設式マッサージ装置 - Google Patents
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Abstract
【構成】ベッドの上面に張設された、弾性シートでなる膜体(4)を介して、該膜体(4)上面に寝た患者を治療するベッド型のマッサージ装置において、殻体(49)上方の矩形状の開口部(5)に張設固定する膜体(4)を、予め、短手方向より長手方向に余分に引き伸ばして張り付けることを特徴とするシート張設式マッサージ装置である。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、臥姿勢の人体の頚部、体幹及び下肢を、噴流や水圧などにより、膜体を介してマッサージするベッド形状のシート張設式マッサージ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献】特開平8−252293号公報
従来の技術として挙げた上記特許文献には、上部開口、膜体、水槽、ウォーターベッド、シート、吸水口、吐水口、ポンプ、水槽の長手方向に往復移動自在且つ横断方向に首振り自在に配設したノズル等から構成されるウォーターベッド式マッサージ機が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記ウォーターベッド式マッサージ機のシートは、その端部を水槽の上側フランジ部に形成した溝部に一旦折り込み、同溝部にシール用枠を嵌合し、さらに、同シール用枠を、シートと共に、上側フランジ部と外側フレームとにボルトを介して止め板で固定している。
水張り・噴射・実治療下では、シートには患者が乗降し臥位姿勢で横たわり、さらに水槽内のノズルからの噴流水がシートにぶつかり、該シートに大きな負荷が掛かり伸びが発生する。この伸びはその後いくらかの永久ひずみとなってシートに残る。この永久ひずみ(=伸び変形)は、通常使用を繰り返すと次第に伸びが増大し、たるみとなり緩んでくる。特に、ベッドに長方形状に張設されたシートでは、たるみが大きくなると横方向のひだ状の波打ち形状となってシート面に発現し、外観美観が悪く違和感があり、さらにはマッサージ感が悪化することになる。
【0004】
本発明の目的は、上記難点を解決したものであり、膜体の使用期間を長くし耐久性を向上させて、保守経費を低減し、さらにはマッサージ治療感を永らく適正に維持できる、シート張設式マッサージ装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
即ち本発明は、ベッドの上面に張設された、弾性シートでなる膜体(4)を介して、該膜体(4)上面に寝た患者を治療するベッド型のマッサージ装置において、殻体(49)上方の矩形状の開口部(5)に張設固定する膜体(4)を、予め、短手方向より長手方向に余分に引き伸ばして張り付けることを特徴とするシート張設式マッサージ装置である。
又、ベッド型のマッサージ装置を、上面が矩形状に開口した貯留槽(3)の開口部(5)に、弾性シートでなる防水性の膜体(4)を水密状に張設し、密閉した貯留槽(3)内に液体を充満させ、且つ該貯留槽(3)の内部に、貯留した液体を噴射し、膜体(4)上面に寝た患者を刺激する噴射部(8)を配設したウォーターベッド式の水圧マッサージ装置(1)とする。
更に、開口部(5)に伸張して張設される膜体(4)の長手方向の伸長率と短手方向の伸長率の差Sが、Lを膜体(4)の長手方向の固定長、Bを短手方向の固定長として、0.15×(L/B−0.5)≦S≦4.5×(L/B−0.5)の範囲とする。
更に又、弾性シート素材でなる膜体(4)の厚さtを、0.5mm≦t≦5mmの範囲とし、硬さが平均ゴム硬度Aで40度≦A≦70度の範囲とする。
又、膜体(4)を張設して密閉固定する前に、張設固定後所定の伸長差となるよう、予め膜体(4)の所定位置に、装置本体へ固定する為の膜体取付穴(46)を加工し、又は張設の目安となるマーキング(48)を施し、これを目安に位置決めし張設固定する。
【0006】
【作用】
本発明のベッド型のマッサージ装置に張設された膜体4の上面に患者を載せマッサージ治療を施す。
前記マッサージ装置の殻体49の上面に開口された矩形状の開口部5に、長方形の弾性シートでなる防水性の膜体4を予め、短手方向より長手方向に自然長から所定量伸張させて張設する。
【0007】
殻体49上方の開口部5に張設固定した膜体4は、膜体4上面に載置された人体を支持する。
【0008】
マッサージ装置はウォーターベッド式の水圧マッサージ装置1である。殻体49を貯留槽3とし、該貯留槽3に液体を充満させる。貯留槽3の開口部5に膜体4を所定量伸長させて水密状に張設する。
【0009】
貯留槽3の内部に配設した噴射部8は、貯留槽3内の液体を 膜体4の裏面へ上向きに噴射し、膜体4を介して膜体4上面に載置された人体に水圧マッサージを施す。
【0010】
マッサージ装置の開口部6に膜体4を、膜体4の長手方向の伸長率と短手方向の伸長率との差Sが、Lを膜体4の長手方向の固定長、Bを短手方向の固定長として、
0.15×(L/B−0.5)≦S≦4.5×(L/B−0.5)の範囲となるように張設する。
【0011】
膜体4は弾性シート素材で形成され、厚さtを0.5乃至5mmとする。好ましくは0.8乃至3mmである。
膜体4の平均のゴム硬度Aを40乃至70度とする。
【0012】
膜体4を張設して密閉固定する前に、張設固定後所定の伸長差となるよう、予め膜体4の所定位置に、開口部5へ固定する為の膜体取付穴46を加工し、又は張設の目安となるマーキング48を施す。
膜体取付穴46又はマーキング48を目安に位置決めし、開口部5へ膜体4を張設固定する。
【0013】
【実施例】
以下、本発明の実施の形態について、図1乃至図6を用いて説明する。
図1乃至図5に本発明に係るシート張設式マッサージ装置の第1の実施例を示す。
図1はシート張設式マッサージ装置の構造を示す正面垂直断面図、図2はシート張設式マッサージ装置全体の主構成を示す平面図、図3は膜体4を貯留槽3の槽上縁9に張設した状態を示す部分断面図、図4は殻体49に伸張させた膜体4を押さえて固定する膜体枠10の平面図、図5は貯留槽3の槽上縁9へ張設する前の膜体4の平面図である。
【0014】
図1に示すシート張設式マッサージ装置は、ウォーターベッド式の水圧マッサージ装置1である。該装置1の殻体49は、装置台2と貯留槽3とで構成され、貯留槽3の上方開口部5は膜体4で密閉され、貯留槽3内には貯留液6が充満され、貯留槽3の内部には膜体4を介して膜体4上に載置された患者を刺激する噴射部8が配設される。
貯留槽3外の装置台2の内部には、貯留液6を貯留槽3内と噴射部8を経由して循環させるポンプ7が設けられる。
噴射部8は、殻体49に設置される縦移動機構16及び横移動機構18によって貯留槽3内を底壁32にそって縦方向(=前後方向)に移動しながら横方向(=左右方向)にも適宜に移動しながら膜体4の裏面に貯留液6を噴射する。
【0015】
貯留槽2上部の槽上縁9には、臥位人体の載置に対応し、平面視で矩形状の開口部5が形成される。開口部5は上面を膜体4で覆い、槽上縁9で密閉固定した後、貯留槽3内に貯留液6を充満させる。
【0016】
ポンプ7により加圧された貯留液6をノズル部19から膜体4に向かって噴射する噴射部8は、ノズル部19を擁するノズル台20が人体左右に対応して一対に配置され、ギア連動部29により左右に連動する。
具体的には、図2に示すように円盤状の右ノズル台20Aと左ノズル台20Bが左右連動しながら旋回作動してノズル部19A・19Bを横移動させる。
ギア連動部29で連動するノズル台20は回転軸である支持軸17で支持され、該支持軸17は底壁32を走行する車輪23を有する台車部15に載設されている。
ポンプ7で加圧された貯留液6は、吐出口35から可撓ホース36内、支持軸17内を経由してノズル部19より噴射される。
【0017】
殻体49には噴射部8を移動させて治療を行う縦移動機構16と横移動機構18が設けられる。
縦移動機構16は、螺子シャフト構造でなる縦移動軸22を連結し貯留槽3外に設けられた縦移動モータ21を回転駆動させ、縦スライダー26により台車部15を長手方向に往復して移動可能させる。縦移動軸22は軸受け24・25でシール・支持される。
横移動機構18は、スプライン軸構造でなる横移動軸28を連結し貯留槽3外に設けられた横移動モータ27を回転駆動させ、ウォームギア構造のギア連動部29によりノズル台20を旋回させ、ノズル部19を短手方向に横移動させる。横移動軸28は軸受け30・31でシール・支持される。
【0018】
貯留槽3内の貯留液6を循環し噴射部8に加圧液を送るポンプ7は、貯留槽3下の装置台2に設置され、貯留槽3の吸込口33から貯留液6吸入し、加圧して、調整器34で温度調整などを行い吐出口35から噴射部8へ供給する。
ポンプ7の吐出側には分岐弁38が設けられ、ポンプ7により吐出された貯留液6は、適宜分岐弁38によりエア抜き機構39に送液される。
エア抜き機構39は、エア抜きライン41のエア抜き口42より膜体4下面に滞在するエア溜りを吸引し、ガス成分のみを外部に排出し、貯留液6を戻し口40より貯留槽3内に戻す。
【0019】
貯留槽3の開口部5に張設される膜体4は、槽上縁9に載置された膜体4の端部を、膜体枠10で挟んで止め具11で密閉固定される。
膜体枠10は、一体構造または分割一式構造で開口部5とほぼ同形状の枠開口部43が開口され、貯留槽3の全周囲の槽上縁9に被される。その結果、膜体4は弛みなく適度な張りで張設される。
【0020】
張設された膜体4は、患者の乗降や噴射の水圧による負荷により伸びが生じ、わずかな残留ひずみが経時的に永久伸びとなって蓄積され、伸びの大きい部分は膜体4の張りが緩んで、さらにはたるみが発生し、ひどくなると患者の支持具合が悪くなり、さらには長手方向に大きな波打ち皺となって外観不良や治療感不良を起こすことになる。
これらの波打ち皺は、主に膜体4が矩形状に張設されていることによって発現するものであり、本発明の発明者は鋭意検討の結果、膜体を短手方向より長手方向に所定量余分に引っ張って伸ばして張ることにより前記波打ち皺の発現が解消されることを見出した。
【0021】
具体的には、膜体4を予め膜体4の長手方向に自然長から所定量伸張させて、開口部5の全面を覆い、図3に示すように膜体枠10で膜体4を挟んで、止め具11で槽上縁9に密閉固定する。
尚、膜体枠10は、貯留槽3の槽上縁9の全周囲にわたって、膜体4を槽上縁9に押圧し止め具10で止めて密閉固定するものである。
特に、第1実施例において、予め膜体4を所定量伸張させて、矩形状の槽上縁9又は膜体枠10に、止め具11を挿入する穴位置などを目安に、両面テープなどの接着により膜体4を仮止めし、膜体4とのセット状態にしてから、貯留槽3への組付けを行えば、膜体4を均一且つ正確に伸長させて張設することができ、また両者を簡単な作業で組み立てることが出来る。
【0022】
膜体4の張設は、患者の人体を適度な張力で貯留液面上に浮かし、かつ噴射部8の噴射力を安定して且つ十分に人体に伝達させるため、短手方向の張りと長手方向の張りで調整する。
【0023】
経時使用による膜体4の波打ち皺の発現を抑えるためには、長手方向の伸長率を短手方向の伸長率より大きくとることが重要である。通常、短手方向の伸長は、自然長に対し0乃至0.5%程度伸ばして張設するが、長手方向にはさらに伸ばして張設する必要がある。
具体的には、長手方向の伸長率と短手方向の伸長率の差Sが、好ましくは、0.15×(L/B−0.5)≦S≦4.5×(L/B−0.5)の範囲にあり、更に好ましくは、0.3×(L/B−0.5)≦S≦3.0×(L/B−0.5)の範囲とすることである。
【0024】
尚、Lは膜体4の長手方向の固定長(mm)であり、Bは短手方向の固定長(mm)である。
長手方向の伸長率が不十分だと、短手方向と長手方向の残留ひずみ比率から矩形状面での張設状態で縦方向の波打ち皺となって発現し易く、逆に長手方向に伸ばしすぎると張設時のシート張力が大きくなり作業性が悪くなり、また膜体4全体の面張力が大きくなり患者の寝心地や治療感が悪化する。
【0025】
具体例で説明すると、膜体4の短手方向の固定長値が1M、長手方向の固定長値が2Mの場合、長/短比(L/B)は2となり、膜体4の長手方向と短手方向の伸長率差Sを、0.225%≦S≦6.75%の範囲となるよう余分に伸ばして張る。このことにより経時使用による波打ち皺の発現を抑えることが出来る。
そしてさらに好ましくは、0.45%≦S≦4.5%の範囲となるよう余分に伸ばして張ることによりさらに好ましい結果を得ることが出来る。
【0026】
ちなみに、短手方向には、伸ばさず自然長B=B0で張る場合、好ましくは、長手方向に自然長L0が約1874mm乃至1995mmの膜体4をL=2000mmとなるよう伸ばして張ることであり、さらに好ましくはL0が約1913mm乃至1991mmの膜体4をL=2000mmとなるよう伸ばして張ることである。
尚、本具体例において、短手方向の膜体幅は、自然長で設定して張設しているが、膜体4に必要な面張力は貯留液の内部からの盛り上がりと、長手方向に余分に伸張させることで短手方向に発生する収縮力とで得られる。
【0027】
膜体4は、ゴムシートなど薄い弾性シート素材で形成され、好ましくは、厚さを0.5乃至5mmとし、平均ゴム硬度を40乃至70度とする。
厚さが0.5mm未満では必要な柔軟性と十分な素材強度を得るのが難しいばかりではなく、貯留液の噴射音がダイレクトに伝わり不快感が生じことにもなり、厚さが5mmを超えそれ以上厚くなると貯留液6の噴射圧力が膜体4の質量に吸収され治療圧力が弱くなるばかりでなく、膜体4の人体への馴染み(形添え)が悪化し治療感が著しく悪化することになる。
また、膜体4の必要な柔軟性を得る膜体4の硬さは、ゴム硬度40度未満では柔らかくなり過ぎ、人体を保持するのに必要な強度や面張力を得るには分厚いものにしなければならず、分厚いものは高価であるばかりで無く治療感も悪化する。ゴム硬度が70度を超えると硬くなり過ぎ寝心地や治療感が悪いものとなる。
前記した素材、厚さ及び硬度に係る数値は、膜体4に衝突する噴流水圧に対して該膜体4が必要な強度を保持しながら、好適に変形し易い好適な素材や数値である。膜体4には、柔軟性や強度のほか復元性、耐水性など多くの諸物性の要求があり単一素材の構成では無い、2層以上の積層シートや特殊ライニング処理を施した複合シートがより好適に用いられるが、その場合の硬さは、構成厚みを考慮した平均ゴム硬度が適用される。
【0028】
尚、図1中、12は固定部、13はカバー、14は操作部、37は給排弁、図3中、45は接着体である。
【0029】
第1実施例の水圧マッサージ装置1を使用する際は、先ず、貯留槽3に液体を満たし、膜体4上に人体を乗せる。
次に、縦移動機構16を作動させる。この作動によって噴射部8を水圧マッサージ装置1の長手方向に移動させ、噴射部8を人体のマッサージ治療をしたい部位に移動させる。
【0030】
次に、ポンプ7を駆動し、貯留槽3の液体を吸入し加圧し噴射部8に供給する。噴射部8は、供給された水を膜体4の裏面に向けて噴射し、膜体4上の人体に、膜体4を介して刺激を与えマッサージを施す。
尚、噴射部8は一定位置に固定でき、或いは、連続的に水圧マッサージ装置1の短手方向及び/又は長手方向に往復移動させることも可能である。
【0031】
膜体4は、貯留槽3の上面に開口された長方形の開口部5に、予め膜体4の長手方向に自然長から所定量伸張させて張設する。
槽上縁9と膜体枠10とで膜体4を挟み止める。膜体4の長手方向の伸長率と短手方向の伸長率の差Sが、0.15×(L/B−0.5)≦S≦4.5×(L/B−0.5)の範囲となるよう、好ましくは、0.3×(L/B−0.5)≦S≦3.0×(L/B−0.5)の範囲となるように膜体4を開口部5に伸長して張設する。
【0032】
膜体4は、衝突する噴射水によって上方へ押し上げられ更に伸張させられるが、製作時に予め所定量伸長して開口部5へ取り付けている為、年月が経過しても弛みは発現しない。
前記伸長量は、衝突する噴流水圧のエネルギーが膜体4の張力によって減衰しないように考慮し、且つ波打ち変形が残存しないよう考慮した量である。
【0033】
膜体4はゴムシート素材で形成され、厚さを0.5乃至4mmとし、平均ゴム硬度は40乃至70度である。
膜体4は、噴流水圧により容易に変形する。その変形により人体を刺激する。
又、前記変形のエネルギーが膜体4の硬さによって減衰しないように考慮した厚さ、平均ゴム硬度で、当該膜体4は製作されている。
【0034】
図6は本発明の第2実施例を示す膜体4の張設固定構造の図である。膜体4の密閉固定構造以外は第1実施例と同様である。
図6に示す膜体4の固定方法は、槽上縁9の止め溝50に膜体4を差し込んでクサビ47を打ち込んで押さえ、さらに膜体枠10に止め具11を挿入し固定する方法である。
尚、本張設固定構造では取付穴が無いため、第1実施例のように枠取付穴44と膜体取付穴46の位置を基準にして張設伸長量を決めることが出来ないため、別途膜体4の表面に適宜、張設伸長位置の目安となるマーキング48を表示しておく。
【0035】
第2実施例の使用はほぼ第1実施例に準ずるが、膜体4を殻体49に張設固定する前に、伸長設定に合わせて膜体に長方形の線引き等のマーキング48をしておく点で、第1実施例とは異なる。
【0036】
【発明の効果】
本発明は、ベッド型のマッサージ機において、殻体49上方の矩形状の開口部5に、膜体4を予め長手方向に自然長から所定量伸長させて張設するものであるから、使用年月が経過しても波打状の皺の発現が抑制され、膜体4の耐久性を向上でき、その為、短期間で膜体4の張り替えや張り調整の必要がなくなり、メンテナンス労力を軽減でき経費を節減できると共に稼働率も向上し、好都合である。
【0037】
本発明は、マッサージ装置をウォーターベッド式の水圧マッサージ装置1としたものである。
従来のウォーターベッド式の水圧マッサージ装置で、特に伸びやすいソフトな膜体では、2〜3ヶ月程度の短期間でも大きな永久伸びが残り大きな波打形状が残存していた。又、しっかりした硬い膜体では、短期で問題になるような大きな皺は発生しないが、半年から1年程度すると永久伸びによる波打ちが目立ち、膜体の張り直しが必要になっていたが、本発明は噴流水圧によって膜体4がよく変形順応しながらも、永久伸び、波打ち形状が発現せず、永らく正常状態下で水圧マッサージを施すことができ、又、膜体4の張り直しの頻度を減らすことができ、好都合である。
【0038】
本発明は、膜体4の長手方向の伸長率と短手方向の伸長率の差Sが、Lを膜体4の長手方向の固定長、Bを短手方向の固定長として、0.15×(L/B−0.5)≦S≦4.5×(L/B−0.5)の範囲としたものであるから、使用年月が経過しても波打状の皺の発現が抑制され、膜体4の耐久性を向上できる上、膜体4は過度に緊張せず適度の緊張を有しながらも噴流水圧による変形を人体に伝え噴流水圧の減衰を少なくでき、好都合である。
【0039】
本発明に係る膜体4は、弾性シート素材で形成され、厚さを0.5乃至5mmとし、平均ゴム硬度を40乃至70度とされるものであるから、膜体4は適度の緊張下において、厚さ及び平均ゴム硬度の前記数値の軟性が有る故に、噴流水圧により好適に変形し、噴流水圧の減衰を少なくでき、効率のよいマッサージを行なえ、好都合である。
【0040】
本発明は、膜体4を張設して密閉固定する前に、張設固定後所定の伸長差となるよう、予め膜体4の所定位置に、開口部5へ固定する為の膜体取付穴46を加工し、又は張設の目安となるマーキング48を施し、これを目安に位置決めし張設固定するものであるから、膜体4を均一且つ正確に伸長させて張設でき、膜体4の開口部5への張設固定も簡単に行え、好都合である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す正面垂直断面図である。
【図2】本発明の第1実施例を示す平面図である。
【図3】本発明の第1実施例に係る膜体の固定構造を示す部分断面図である。
【図4】本発明の第1実施例に係る膜体枠の平面図である。
【図5】本発明の第1実施例に係る貯留槽の槽上縁へ張設する前の膜体の平面図である。
【図6】本発明の第2実施例に係る膜体の張設固定構造を示す部分断面図である。
【符号の説明】
1 マッサージ装置
3 貯留槽
4 膜体
5 開口部
8 噴射部
10 膜体枠
46 膜体取付穴
48 マーキング
49 殻体
Claims (5)
- ベッドの上面に張設された、弾性シートでなる膜体(4)を介して、該膜体(4)上面に寝た患者を治療するベッド型のマッサージ装置において、殻体(49)上方の矩形状の開口部(5)に張設固定する膜体(4)を、予め、短手方向より長手方向に余分に引き伸ばして張り付けることを特徴とするシート張設式マッサージ装置。
- マッサージ装置は、上面が矩形状に開口した貯留槽(3)の開口部(5)に、弾性シートでなる防水性の膜体(4)を水密状に張設し、密閉した貯留槽(3)内に液体を充満させ、且つ該貯留槽(3)の内部に、貯留した液体を噴射し、膜体(4)上面に寝た患者を刺激する噴射部(8)を配設したウォーターベッド式の水圧マッサージ装置(1)でなることを特徴とする請求項1記載のシート張設式マッサージ装置。
- 開口部(5)に伸長して張設される膜体(4)の長手方向の伸長率と短手方向の伸長率の差Sが、Lを膜体(4)の長手方向の固定長、Bを短手方向の固定長として、
0.15×(L/B−0.5)≦S≦4.5×(L/B−0.5)
の範囲であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のシート張設式マッサージ装置。 - 弾性シート素材でなる膜体(4)の厚さtが、0.5mm≦t≦5mmの範囲で、
硬さが平均ゴム硬度Aで40度≦A≦70度の範囲にあることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のシート張設式マッサージ装置。 - 膜体(4)を張設して密閉固定する前に、張設固定後所定の伸長率差となるよう、予め膜体(4)の所定位置に、開口部(5)へ固定する為の膜体取付穴(46)を加工し、又は張設の目安となるマーキング(48)を施し、これを目安に位置決めし張設固定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のシート張設式マッサージ装置。
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JP2017060801A (ja) * | 2016-11-10 | 2017-03-30 | オージー技研株式会社 | マッサージ装置 |
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