JP2004260610A - xDSL通信用線路特性改善方法及びそのための終端装置 - Google Patents

xDSL通信用線路特性改善方法及びそのための終端装置 Download PDF

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靖 狄
Yasushi Kida
泰 木田
Masami Ueda
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Abstract

【課題】宅内回線に分岐線路が存在し、しかもその先端部が開放端となっている場合、分岐線路の先端部で信号が反射されるため、この反射波との干渉のために分岐線路の長さにより定まる周波数帯域において宅内配線の信号通過特性に大きな減衰が生じる。
【解決手段】金属製の電話回線を介して、電話帯域の周波数よりも高い所定範囲の周波数でデジタル信号を伝送するxDSL通信用のモデム2が接続された宅内配線の分岐線路4の先端部に、当該分岐線路4のインピーダンスに相当する抵抗値の抵抗10を接続して信号が反射しないようにする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は金属製の電話回線をデジタル通信用線路として利用するいわゆるDSL (Digital Subscriber Line)通信(ADSL, VDSL等)の線路特性改善方法及びそのための終端装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
金属製の電話回線を利用してディジタル信号の伝送を行なうxDSL通信方式が普及している。これは、電話帯域が比較的低い周波数帯域であることに着目し、比較的高い周波数帯域のデジタル信号を金属製の電話回線を利用して伝送する技術である。図10はそのようなxDSL通信方式の電話回線を利用した伝送線路の構成例を示す模式図である。
【0003】
図10において、1は電話局内又は集合住宅の建物内等に設置されているxDSLモデムを示しており、通常の金属製の宅外電話回線30に接続されている。宅外電話回線30は各家庭内又はオフィス内へ宅内配線31により接続されている。2は一般の家庭内又はオフィス内に設置されたxDSLモデムを示しており、宅内配線31に接続されている。また、5は宅内配線31から分岐した分岐線路(ブリッジタップとも称する)4の先端に設けられている電話線接続口を示しており、通常は開放されている。即ち、分岐線路端は通常は開放端となっている。
【0004】
図11は、xDSL通信方式の一例としてのVDSL通信方式で用いる上り帯域及び下り帯域の周波数配置の例を示す説明図である。ここでは、1.1〜3.75MHz,5.2〜8.5MHzを下り帯域に、3.75〜5.2MHz,8.5〜12MHzを上り帯域にそれぞれ使用する。
【0005】
ADSL, VDSL通信方式を含むxDSL通信方式では、通信を開始する際に、上り/下りそれぞれのトーンを使用して、相手側のモデムとの間で、所持する機能及び特殊仕様(オプション)等の伝送条件設定に関する情報を交換し合うハンドシェークを実行する。これにより、実際の通信で使用する通信モード及び特殊仕様を選択して、互いの伝送歩調を整える。
【0006】
xDSL通信方式においては、ハンドシェークに使用するトーンとして、xDSL通信方式で使用する周波数帯域内で、上り/下りそれぞれに3本程度を使用しており、その内の少なくとも1本で送受信出来れば良いようになっている。このように、xDSL通信方式でのハンドシェークでは、xDSLのDMT(Discrete Multi Tone )変調で使用される4.3125kHzの整数倍周波数のトーンを使用するのが一般的であるが、それ以外の周波数を使用しても良い。
【0007】
【非特許文献1】
国際電気通信連合 電気通信標準化部門勧告G.992.1 (Asmmetrical digital subscriber line (ADSL) transceivers)
【非特許文献2】
国際電気通信連合 電気通信標準化部門勧告G.992.2 (Splitterless asymmetric digital subscriber line (ADSL) transceivers)
【非特許文献3】
国際電気通信連合 電気通信標準化部門勧告G.993.1 (Very high speed digital subscriber line foundation)
【非特許文献4】
国際電気通信連合 電気通信標準化部門勧告G.994.1 (Handshake procedures for digital subscriber line (ADSL) transceivers)
【非特許文献5】
国際電気通信連合 電気通信標準化部門勧告G.996.1 (Test procedure for digital subscriber line (DSL) transceivers)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、xDSL用のモデムは主として家庭内に設置されていてインターネット接続等に利用される。しかし、電話回線の宅内配線においては、複数の電話線接続口が設けられている場合が多く、そのような場合には宅内配線に数m乃至数十m程度の分岐線路、即ち分岐線路が存在することになる。特に、xDSLモデムと通常の電話機とを宅内配線に接続している場合には、電話機が接続されている配線が必然的に分岐線路になる。
【0009】
上述のように、宅内回線に分岐線路が存在し、しかもその端部が開放端となっている場合、分岐線路端で信号が反射されるため、この反射波との干渉のために分岐線路の長さにより定まる周波数帯域において宅内配線の信号通過特性に大きな減衰が生じる。このことは電話機が接続されているか否かには拘わらない。図12はそのような分岐線路端が開放されている場合の減衰特性の例を示すグラフである。
【0010】
図12は、300mの宅外線路の先に50mの宅内配線が存在する場合の減衰の周波数特性を示す。パターン0の実線は宅内配線に分岐線路が存在しない場合の周波数特性を示し、パターン1の一点鎖線は宅内配線の35mの位置からxDSLモデムまでが15mで、分岐線路端までが15mの場合の減衰の周波数特性を、パターン2の破線は宅内配線の30mの位置からxDSLモデムまでが20mで、分岐線路端までが20mの場合の減衰の周波数特性をそれぞれ示している。
【0011】
上述の図12のグラフと前述の図11に示したVDSL通信方式で用いる上り帯域及び下り帯域の周波数配置の例とを比較すると、先端が開放状態の分岐線路の存在に起因する周波数帯域の減衰部分とハンドシェークのトーンの周波数帯域とが重なった場合には、ハンドシェークのトーンの送信レベルが減衰するため、通信を確立することができなくなる虞が生じる。
【0012】
また、xDSLの伝送性能は電話回線の線路通過特性と密接に関係しているため、先端が開放状態の分岐線路が存在する場合には特定の減衰帯域において信号の通過特性が劣化して通過信号そのものも、図12に示すように下方に突出する形状で減衰が大になる(以下、このような下方に突出する形状の減衰を突出減衰という)。このため、xDSL信号の伝送速度を低下させる大きな要因となっている。
【0013】
本発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであり、電話帯域そのものには悪影響を与えることなしに、主として家庭内またはオフィス内の宅内配線の分岐線路によるxDSL通信への悪影響、即ちハンドシェーク用トーンへの影響を減少させ、また伝送速度の低下を防止し得るxDSL通信用線路特性改善方法及びそのための終端装置の提供を目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
第1の発明に係るxDSL通信用線路特性改善方法は、金属製の電話回線を介して、電話帯域の周波数よりも高い所定範囲の周波数でデジタル信号を伝送するxDSL通信用のモデムが接続された宅内配線の分岐線路の先端部を、当該分岐線路のインピーダンスに相当する抵抗値の抵抗で終端することを特徴とする。
【0015】
このような第1の発明のxDSL通信用線路特性改善方法では、分岐線路の開放されている先端部が当該分岐線路のインピーダンスに相当する抵抗値の抵抗で終端されることにより、信号の反射が生じない。
【0016】
また第2の発明に係るxDSL通信用線路特性改善方法は、上記第1の発明において、前記抵抗に電話帯域の周波数を除去した信号を入力することを特徴とする。
【0017】
このような第2の発明のxDSL通信用線路特性改善方法では、電話帯域の周波数が除去されて抵抗に入力される。
【0018】
また第3の発明に係るxDSL通信用線路特性改善方法は、上記第1の発明において、前記抵抗に電話帯域の周波数を除去した信号を入力すると共に、xDSL通信用の前記所定範囲の周波数を除去した信号を電話機に入力することを特徴とする。
【0019】
このような第3の発明のxDSL通信用線路特性改善方法では、電話帯域の周波数が除去されて抵抗に入力される一方、xDSL用の所定の周波数の信号が除去されて電話機に入力される。
【0020】
更に第4の発明に係るxDSL通信用線路特性改善方法は、上記第1乃至第3の発明のいずれかにおいて、前記抵抗は抵抗値が固定されていることを特徴とする。
【0021】
このような第4の発明のxDSL通信用線路特性改善方法では、抵抗の抵抗値が所定の値に固定される。
【0022】
また更に第5の発明に係るxDSL通信用線路特性改善方法は、上記第1乃至第3の発明のいずれかにおいて、前記抵抗は抵抗値が可変であることを特徴とする。
【0023】
このような第5の発明のxDSL通信用線路特性改善方法では、抵抗の抵抗値が任意の値に変更される。
【0024】
第6の発明に係るxDSL通信用線路の終端装置は、金属製の電話回線を介して、電話帯域の周波数よりも高い所定範囲の周波数でデジタル信号を伝送するxDSL通信用のモデムが接続された宅内配線の分岐線路の先端部に装着される終端装置であって、当該分岐線路のインピーダンスに相当する抵抗値の抵抗を備えると共に、少なくとも1つの電話線接続のための接続手段を備えることを特徴とする。
【0025】
このような第6の発明の終端装置では、宅内配線の分岐線路の先端部に装着された場合に、分岐線路の開放されている先端部が当該分岐線路のインピーダンスに相当する抵抗値の抵抗で終端されることにより信号の反射が生じない。
【0026】
第7の発明に係る終端装置は、金属製の電話回線を介して、電話帯域の周波数よりも高い所定範囲の周波数でデジタル信号を伝送するxDSL通信用のモデムが接続された宅内配線の分岐線路の先端部に、当該分岐線路のインピーダンスに相当する抵抗値の抵抗を接続したことを特徴とする。
【0027】
このような第7の発明の終端装置では、分岐線路の開放されている先端部が当該分岐線路のインピーダンスに相当する抵抗値の抵抗で終端されることにより信号の反射が生じない。
【0028】
また第8の発明に係る終端装置は、上記第6又は第7の発明において、前記抵抗の前段に電話帯域の周波数の信号を除去するハイパスフィルタを備えたことを特徴とする。
【0029】
このような第8の発明の終端装置では、電話帯域の周波数が除去されて抵抗に入力される。
【0030】
また第9の発明に係る終端装置は、上記第6又は第7の発明において、前記抵抗の前段に電話帯域の周波数の信号を除去するハイパスフィルタを備えると共に、xDSL通信用の前記所定範囲の周波数を除去した信号を電話機に入力するローパスフィルタを備えたことを特徴とする。
【0031】
このような第9の発明の終端装置では、電話帯域の周波数が除去されて抵抗に入力される一方、xDSL用の所定の周波数の信号が除去されて電話機に入力される。
【0032】
また第10の発明に係る終端装置は、上記第6乃至第9の発明のいずれかにおいて、前記抵抗は抵抗値が固定された固定抵抗であることを特徴とする。
【0033】
このような第10の発明の終端装置では、抵抗の抵抗値が所定の値に固定される。
【0034】
また第11の発明に係る終端装置は、上記第6乃至第9の発明のいずれかにおいて、前記抵抗は抵抗値が可変の可変抵抗であることを特徴とする。
【0035】
このような第11の発明の終端装置では、抵抗の抵抗値が任意の値に変更される。
【0036】
また第12の発明に係る終端装置は、上記第6乃至第11の発明のいずれかにおいて、前記分岐線路の先端部である電話線接続口に着脱自在に接続する接続手段を備えたことを特徴とする。
【0037】
このような第12の発明の終端装置では、必要に応じて分岐線路の先端部である電話線接続口に直接接続される。
【0038】
また第13の発明に係る終端装置は、上記第6乃至第11の発明のいずれかにおいて、前記分岐線路の先端部である電話線接続口に着脱自在に接続する接続手段と、該接続手段と接続する配線とを備えたことを特徴とする。
【0039】
このような第13の発明の終端装置では、必要に応じて分岐線路の先端部である電話線接続口に配線を介して接続される。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。図1(a), (b), (c) は本発明のxDSL通信用線路の終端装置の実施の形態を例示する回路図である。
【0041】
本発明に係るxDSL通信用線路特性改善方法は基本的には、分岐線路4の先端部の電話線接続口5を開放状態に放置することなく、図1(a) に示す模式図のように、電話回線のインピーダンスに相当する抵抗値の抵抗10で終端する。なお、実際の終端装置11としては、電話線接続口5に着脱可能なプラグを備えたケース内に抵抗10を内蔵した形態となる。
【0042】
このような図1(a) に示す終端装置11を分岐線路4の開放端である電話線接続口5に接続することにより、分岐線路4の先端部が開放されていることに起因する信号の反射がなくなり、これに伴って伝送路の通過特性に特定の減衰帯域における突出減衰が平準化されるので、ハンドシェーク時の通信確立に失敗することがなくなり、また通信確立後のxDSLのデジタル信号の伝送速度も向上する。
【0043】
図2は上述の図1(a) に示す終端装置11を分岐線路4の開放端である電話線接続口5に接続した場合の線路減衰状態を示すグラフである。具体的には、図1には細線で示す分岐線路端が開放されている場合の線路減衰特性と、太線で示す抵抗10として150Ωの抵抗を備えた終端装置11を接続した場合の線路減衰特性とが示されている。この図2のグラフからは、150Ωの抵抗10で分岐線路4の先端部を終端した場合に分岐線路に起因する突出減衰が平準化されることが理解される。
【0044】
また本発明に係るxDSL通信用線路特性改善方法の第2の実施態様としては、分岐線路4の先端部の電話線接続口5を開放状態に放置することなく抵抗10で終端することは同様であるが、抵抗10の電話線接続口5側にハイパスフィルタ10Hを介装してある。なおこのハイパスフィルタ10Hは、比較的低周波数である電話帯域は通過させずに比較的高周波数であるxDSL信号のみを抵抗10へ通過させるためのものである。なお、実際の終端装置12としては、電話線接続口5に着脱可能なプラグを備えたケース内にハイパスフィルタ10H及び抵抗10を内蔵し、プラグ側にハイパスフィルタ10Hを接続し、このハイパスフィルタ10Hのプラグ側とは逆側に抵抗10を接続して終端した形態となる。
【0045】
図3は上述の図1(b) に示す終端装置12を分岐線路4の開放されている先端部である電話線接続口5に接続した場合の線路減衰状態を示すグラフである。具体的には、図3には細線で示す分岐線路端が開放されている場合の線路減衰特性と、太線で示すハイパスフィルタ10Hと150Ωの抵抗10とを備えた終端装置12を接続した場合の線路減衰特性とが示されている。この図3のグラフからは、ハイパスフィルタ10Hを介して150Ωの抵抗10で分岐線路4の先端部を終端した場合に分岐線路に起因する突出減衰が平準化されることが理解される。
【0046】
このような図1(b) に示す終端装置12を分岐線路4の開放されている先端部である電話線接続口5に接続することにより、分岐線路4の先端部が開放されていることに起因する信号の反射がなくなり、これに伴って伝送路の通過特性に特定の減衰帯域における突出減衰が平準化されるので、ハンドシェーク時の通信確立に失敗することがなくなり、また通信確立後のxDSLのデジタル信号の伝送速度も向上する。
【0047】
また本発明に係るxDSL通信用線路特性改善方法の第3の実施態様は、分岐線路4の先端部の電話線接続口5に電話機を接続する場合に対応する。この場合、分岐線路4の先端部を開放状態に放置することなくハイパスフィルタ10Hを介して抵抗10で終端することは図1(b) に示した例と同様であるが、電話機20を接続するためにハイパスフィルタ10Hの手前で配線を分岐させてxDSL信号を通過させずに電話帯域のみを通過させるローパスフィルタ10Lを介して電話機20と接続する。なお、実際の終端装置13としては、電話線接続口5に装着可能なプラグを備えたケース内で配線を分岐し、その一方の配線には図1(b) に示した構成と同様に、プラグ側にハイパスフィルタ10Hを接続し、このハイパスフィルタ10Hのプラグ側とは逆側に抵抗10を接続して終端し、他方の配線にはローパスフィルタ10Lを接続し、このローパスフィルタ10Lを介して電話機20を接続可能にする。
【0048】
図4は上述の図1(c) に示す終端装置13を分岐線路4の開放されている先端部である電話線接続口5に接続した場合の線路減衰状態を示すグラフである。具体的には、図4には細線で示す分岐線路端が開放されている場合の線路減衰特性と、太線で示すハイパスフィルタ10Hを介して150Ωの抵抗10で終端すると共に、ローパスフィルタ10Lを介して電話機20を接続した終端装置13を接続した場合の線路減衰特性とが示されている。この図4のグラフからは、終端装置13で分岐線路4の先端部を終端した場合に分岐線路に起因する突出減衰が平準化されることが理解される。
【0049】
このような図1(c) に示す終端装置13を分岐線路4の開放されている先端部である電話線接続口5に接続することにより、伝送路の通過特性に分岐線路4の先端部が開放されていることに起因する信号の反射がなくなり、これに伴って伝送路の通過特性に特定の減衰帯域における突出減衰が平準化されるので、ハンドシェーク時の通信確立に失敗することがなくなり、また通信確立後のxDSLのデジタル信号の伝送速度も向上する。
【0050】
ここで、xDSLモデムと電話機との双方を宅内配線に接続して利用する最も一般的な図1(c) に示す終端装置13を使用した場合のxDSL信号の伝送性能の改善例について説明する。
【0051】
図5に示す例のように、宅外配線30が300mで、宅内の分岐線路の分岐までの配線31が40mで、分岐からの分岐線路4が14mで、分岐からxDSLモデム2までの配線が14mである場合に、分岐線路FP3の先端部の電話線接続口5に図1(c) に示す終端装置13を接続し、更に終端装置13には電話機20を接続した。この例で終端装置13が存在しない場合は、xDSL信号は破線にて示すように、電話線接続口5で反射する。
【0052】
この図5に示す構成において、VDSLモデムを宅内のxDSLモデム2として使用した場合、図6の表に示すように、分岐線路先端部の電話線接続口5を開放した状態(1)と、電話線接続口5に図1(c) に示す終端装置13を接続した状態(2)とでは、下り伝送性能が25.4Mbpsから27.7Mbpsに、上り伝送性能が15.6Mbpsから17.5Mbpsにそれぞれ向上した。
【0053】
また図7は上述の(1)の場合の線路通過特性を細線で、同(2)の場合の線路通過特性を太線でそれぞれ示したグラフである。この図7のグラフからは、図1(c) に示した終端装置13で分岐線路端を終端した場合の方が分岐線路に起因する突出減衰が平準化され、全体としては向上していることが理解される。
【0054】
なお、上述の各実施の形態においては、抵抗10はいずれも抵抗値が固定された固定抵抗を使用しているが、抵抗10を可変抵抗とし、xDSL伝送の通信速度を測定する装置又はコンピュータプログラムを利用して最適な抵抗値に設定するようにしてもよい。
【0055】
また、図1(a) 及び(b) に示した終端装置11及び12はいずれも、図8(a) 又は図8(b) に示すような形状に構成することが可能である。即ち、図8(a) に示す形状は、終端装置11, 12のケース11Cに、電話線接続口に挿入して接続するプラグ11Pを固定した構成である。また図8(b) に示す形状は、終端装置11, 12のケース11Cに、電線11Wを介して電話線接続口に挿入して接続するプラグ11Pを接続した構成である。
【0056】
図8(a) に示す形状の終端装置11, 12は、電話線接続口に直接装着してもよい場合のための形状であり、図8(b) に示す形状の終端装置11, 12は、電話線接続口に直接装着した場合にたとえば他の家具等の邪魔になるような場合のための形状である。
【0057】
また、図1(c) に示した終端装置13は、図9(a) 又は図9(b) に示すような形状に構成することが可能である。即ち、図9(a) に示す形状は、終端装置13のケース13Cに、電話線接続口に挿入して接続するプラグ13Pを固定した構成である。また図8(b) に示す形状は、終端装置13のケース13Cに、電線13Wを介して電話線接続口に挿入して接続するプラグ13Pを接続した構成である。なお、終端装置13は電話機20を接続するための終端装置であるので、ケース13Cのプラグ13Pが備えられている背面には電話機20を接続するためのレセプタクル13Rが設けられている。
【0058】
図9(a) に示す形状の終端装置13は、電話線接続口に直接装着してもよい場合のための形状であり、図9(b) に示す形状の終端装置13は、電話線接続口に直接装着した場合にたとえば他の家具等の邪魔になるような場合のための形状である。
【0059】
【発明の効果】
以上に詳述したように、第1の発明のxDSL通信用線路特性改善方法によれば、分岐線路の先端部が開放されている箇所が終端されて信号が反射しくなるので、伝送路の通過特性に特定の減衰帯域における突出減衰が平準化され、ハンドシェーク時の通信確立に失敗することがなくなり、また通信確立後のxDSLのデジタル信号の伝送速度も向上する。
【0060】
また第2の発明のxDSL通信用線路特性改善方法によれば、電話帯域の周波数が除去されて抵抗に入力されるので、電話帯域には悪影響が及ばない。
【0061】
また第3の発明のxDSL通信用線路特性改善方法によれば、電話帯域の周波数が除去されて抵抗に入力されると共に、xDSL用の所定の周波数の信号が除去されて電話機に入力されるので、電話帯域には悪影響が及ばない。
【0062】
更に第4の発明のxDSL通信用線路特性改善方法によれば、抵抗の抵抗値が所定の値に固定されるので、手軽に使用できる。
【0063】
また更に第5の発明のxDSL通信用線路特性改善方法によれば、抵抗の抵抗値が任意の値に変更されるので、適切な抵抗値を設定することが可能になる。
【0064】
更に第6の発明の終端装置によれば、宅内配線の分岐線路の先端部に装着された場合に、分岐線路の開放されている先端部が当該分岐線路のインピーダンスに相当する抵抗値の抵抗で終端されることにより信号の反射が生じないので、伝送路の通過特性に特定の減衰帯域における突出減衰が平準化され、ハンドシェーク時の通信確立に失敗することがなくなり、また通信確立後のxDSLのデジタル信号の伝送速度も向上する。
【0065】
また更に第7の発明の終端装置によれば、分岐線路の先端部が開放されている場合にも終端されて信号が反射しないので、伝送路の通過特性に特定の減衰帯域における突出減衰が平準化され、ハンドシェーク時の通信確立に失敗することがなくなり、また通信確立後のxDSLのデジタル信号の伝送速度も向上する。
【0066】
また第8の発明の終端装置によれば、電話帯域の周波数が除去されて抵抗に入力されるので、電話帯域には悪影響が及ばない。
【0067】
また第9の発明の終端装置によれば、電話帯域の周波数が除去されて抵抗に入力されると共に、xDSL用の所定の周波数の信号が除去されて電話機に入力されるので、電話帯域には悪影響が及ばない。
【0068】
更に第10の発明の終端装置によれば、抵抗の抵抗値が所定の値に固定されるので、手軽に使用できる。
【0069】
また更に第11の発明の終端装置によれば、抵抗の抵抗値が任意の値に変更されるので、適切な抵抗値を設定することが可能になる。
【0070】
更にまた第12の発明の終端装置によれば、必要に応じて分岐線路の先端部である電話線接続口に直接接続されるので、取扱が容易である。
【0071】
また更に第13の発明の終端装置によれば、必要に応じて分岐線路の先端部である電話線接続口に配線を介して接続されるので、他の家具等の邪魔にならないようにすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のxDSL通信用線路の終端装置の実施の形態を例示する回路図である。
【図2】図1(a) に示す終端装置を分岐線路の開放端である電話線接続口に接続した場合の線路減衰状態を示すグラフである。
【図3】図1(b) に示す終端装置を分岐線路の開放端である電話線接続口に接続した場合の線路減衰状態を示すグラフである。
【図4】図1(c) に示す終端装置を分岐線路の開放端である電話線接続口に接続した場合の線路減衰状態を示すグラフである。
【図5】xDSLモデムと電話機との双方を宅内配線に接続して利用する最も一般的な図1(c) に示す終端装置を使用した場合のxDSL信号の伝送性能の改善例について説明するための模式図である。
【図6】図5に示す構成において、VDSLモデムを宅内のxDSLモデムとして使用した場合の伝送性能の向上を示す表である。
【図7】図5に示す構成において、VDSLモデムを宅内のxDSLモデムとして使用した場合の線路通過特性を示すグラフである。
【図8】図1(a) 及び(b) に示した終端装置の具体的な形状を示す模式図である。
【図9】図1(c) に示した終端装置の具体的な形状を示す模式図である。
【図10】xDSL通信方式の電話回線を利用した伝送線路の構成例を示す模式図である。
【図11】xDSL通信方式の一例としてのVDSL通信方式で用いる上り帯域及び下り帯域の周波数配置の例を示す説明図である。
【図12】xDSL通信方式において分岐線路端が開放されている場合の減衰特性の例を示すグラフである。
【符号の説明】
2 xDSLモデム
30 宅外配線
31 宅内配線
4 分岐線路(ブリッジタップ)
5 電話線接続口(分岐線路端)
10 抵抗
10H ハイパスフィルタ
10L ローパスフィルタ
11 終端装置
12 終端装置
13 終端装置

Claims (13)

  1. 金属製の電話回線を介して、電話帯域の周波数よりも高い所定範囲の周波数でデジタル信号を伝送するxDSL通信用のモデムが接続された宅内配線の分岐線路の先端部を、当該分岐線路のインピーダンスに相当する抵抗値の抵抗で終端することを特徴とするxDSL通信用線路特性改善方法。
  2. 前記抵抗に電話帯域の周波数を除去した信号を入力することを特徴とする請求項1に記載のxDSL通信用線路特性改善方法。
  3. 前記抵抗に電話帯域の周波数を除去した信号を入力すると共に、xDSL通信用の前記所定範囲の周波数を除去した信号を電話機に入力することを特徴とする請求項1に記載のxDSL通信用線路特性改善方法。
  4. 前記抵抗は抵抗値が固定されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のxDSL通信用線路特性改善方法。
  5. 前記抵抗は抵抗値が可変であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のxDSL通信用線路特性改善方法。
  6. 金属製の電話回線を介して、電話帯域の周波数よりも高い所定範囲の周波数でデジタル信号を伝送するxDSL通信用のモデムが接続された宅内配線の分岐線路の先端部に装着される終端装置であって、
    当該分岐線路のインピーダンスに相当する抵抗値の抵抗を備えると共に、少なくとも1つの電話線接続のための接続手段を備えることを特徴とする終端装置。
  7. 金属製の電話回線を介して、電話帯域の周波数よりも高い所定範囲の周波数でデジタル信号を伝送するxDSL通信用のモデムが接続された宅内配線の分岐線路の先端部に、当該分岐線路のインピーダンスに相当する抵抗値の抵抗を接続したことを特徴とする終端装置。
  8. 前記抵抗の前段に電話帯域の周波数の信号を除去するハイパスフィルタを備えたことを特徴とする請求項6又は7に記載の終端装置。
  9. 前記抵抗の前段に電話帯域の周波数の信号を除去するハイパスフィルタを備えると共に、xDSL通信用の前記所定範囲の周波数を除去した信号を電話機に入力するローパスフィルタを備えたことを特徴とする請求項6又は7に記載の終端装置。
  10. 前記抵抗は抵抗値が固定された固定抵抗であることを特徴とする請求項6乃至9のいずれかに記載の終端装置。
  11. 前記抵抗は抵抗値が可変の可変抵抗であることを特徴とする請求項6乃至9のいずれかに記載の終端装置。
  12. 前記分岐線路の先端部である電話線接続口に着脱自在に接続する接続手段を備えたことを特徴とする請求項6乃至11のいずれかに記載の終端装置。
  13. 前記分岐線路の先端部である電話線接続口に着脱自在に接続する接続手段と、該接続手段と接続する配線とを備えたことを特徴とする請求項6乃至11のいずれかに記載の終端装置。
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