JP2004259847A - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の耐圧仕様を持つMOSトランジスタを簡単な工程で容易に混載できる効果を有する半導体装置とその製造方法とを得ること。
【解決手段】高耐圧MOSトランジスタ61と低耐圧MOSトランジスタ62とを同一基板に備え、前記高耐圧MOSトランジスタ61と素子分離絶縁膜11との間の半導体層3に第1の境界領域被膜21aを設け、前記低耐圧MOSトランジスタ62と素子分離絶縁膜11との間の半導体層3に第2の境界領域被膜21bを設け、前記第1の境界領域被膜21aと前記第2の境界領域被膜21bとの膜厚をほぼ等しくし、幅を異ならせることを特徴とする半導体装置とその製造方法。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐圧が異なる複数のMOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタを設けた半導体装置およびその製造方法に関し、特に絶縁基板上の半導体層に形成されたMOS型電界効果トランジスタを含む半導体装置およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
絶縁基板上の半導体層に形成するMOSトランジスタとしては、SOI(Silicon On Insulator)基板に設けるSOI―MOSトランジスタが知られており、まず、この従来のSOI−MOSトランジスタの構成について、図15および図16を用いて説明する。図16はそのMOSトランジスタの一例を示す平面図であり、図15は、図16のY−Y´線に沿う断面図である。
【0003】
[リークの発生理由:図15、図16]
このMOSトランジスタは、図15に示すように、支持基板1と埋め込み絶縁膜2と半導体層3とを有してなるSOI基板4を用いている。そして、SOI基板4の半導体層3にゲート絶縁膜5とゲート電極6とを設け、MOSトランジスタを構成している。
【0004】
このようなSOI基板4を用いたMOSトランジスタは、半導体層3の周囲の素子分離絶縁膜11との境界である素子分離領域端と、この素子分離領域端上に形成するゲート電極6とにより、図15に示す寄生MOS領域10が形成される。
【0005】
この寄生MOS領域10では、半導体層3の上部からの電界と、半導体層3の側壁近傍に形成されるMOS構造からの電界とが加わり、通常のチャネル領域12よりも低電界で電流経路であるチャネルが形成され、リーク電流が発生する。このリーク電流は、MOSトランジスタの電気特性を悪化させる要因である。
【0006】
[第1の従来例:図17]
このリーク電流を防ぐためには、図17に示すように、寄生MOS領域10の半導体層3の不純物濃度を高くし、寄生MOSトランジスタのしきい値電圧を高くして、寄生MOSトランジスタによるリーク電流を抑制する方法が知られている。
【0007】
具体的には、寄生MOS領域10の半導体層3へチャネル領域12に形成するチャネル不純物層14より、高濃度であるフィールドドープ層13を形成することにより、寄生MOSトランジスタのしきい値電圧を高くしている。
【0008】
図17で説明したフィールドドープ層13によるリーク電流の抑制方法は、本発明の目的とする耐圧が異なる複数のMOSトランジスタを設ける場合においては、製造工程が増えるという問題が発生する。すなわち、例えば低耐圧のPチャネル型MOSトランジスタとNチャネル型MOSトランジスタとを設け、さらに高耐圧のPチャネル型MOSトランジスタとNチャネル型MOSトランジスタとを設けると、少なくともこれら耐圧とチャネルとが異なる4つのMOSトランジスタに対して、それぞれ最適化したフィールドドープ層13を設ける必要があるからである。
【0009】
さらに、チャネル領域のチャネル不純物層14より高濃度であるフィールドドープ層13を設けると、このフィールドドープ層13を設けた部分のゲート電極6下部でのドレイン高濃度層との接合部分では、高濃度不純物同士の接合となるため耐圧が低下する問題が生じ、高耐圧MOSトランジスタを形成するのが難しくなるという問題も生じる。
【0010】
このように、高耐圧設計が難しくなるとともに、半導体装置の製造プロセスが長くなるということは、半導体装置のコストアップに繋がることはもとより、工程数の増加とともに、工程の複雑化が進み、各工程での歩留り低下要因が増加することとなる。
【0011】
[第2の従来例:図18]
これらの問題を鑑みてフィールドドープ層13を設ける方法以外に境界領域被膜を設ける方法がある。(例えば特許文献1参照)
【0012】
【特許文献1】
特許第2807448号公報(第12−15頁、第4図)
【0013】
特許文献1に示した従来の技術は、放射線照射後の寄生MOSトランジスタによるリーク電流を抑制する方法であって、境界領域被膜を設けることにより、寄生MOSトランジスタのしきい値を高くする。
【0014】
この境界領域被膜を設ける方法は、図18を用いて説明する。図18は、境界領域被膜21を設けた半導体装置を示す断面図である。半導体層3と素子分離絶縁膜11との境界にゲート絶縁膜5より膜厚が厚い絶縁膜からなる境界領域被膜21を設け、寄生MOS領域10の寄生MOSトランジスタのしきい値電圧を高くして、寄生MOSトランジスタによるリーク電流を抑制する方法である。
【0015】
特許文献1に示す従来の技術は、放射線照射後の寄生MOSトランジスタによるリーク電流を抑制する方法は示されている。しかしながら、耐圧が異なる複数のMOSトランジスタを設ける場合においては、この方法では課題が大きいことが判明した。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
この課題について、図19および図20を用いて説明する。図19は、高耐圧MOSトランジスタと低耐圧MOSトランジスタとを搭載した半導体装置の一例を示す平面図であり、図20は、境界領域被膜21の幅を水準とした場合の高耐圧MOSトランジスタおよび低耐圧MOSトランジスタのリーク電流の変化を示す特性図である。
【0017】
図19の平面図に示すように、高耐圧MOSトランジスタ61と低耐圧MOSトランジスタ62とを同一SOI基板上4に設ける場合、半導体層3の膜厚は、高耐圧MOSトランジスタ61の耐圧設計に合わせて、低耐圧MOSトランジスタ62のみを形成する場合と比較し、厚くする必要がある。これは、チャネル領域の電位固定とソース,ドレイン領域での電界を緩和すること、および電流密度を低下させるために必要な構造である。
【0018】
このように、半導体層3の膜厚を厚くする必要があるため、図15と図17および図18で示した従来の技術のように、素子分離絶縁膜11の形成方法を半導体層3の選択酸化法により行うのは難しくなる問題が生じる。
【0019】
さらに、境界領域被膜は、ゲート絶縁膜より厚くすることにより、寄生MOSトランジスタのしきい値電圧をチャネル部分より高くでき、リーク電流抑制効果がある。このため、工程数を少なくし、半導体装置の製造負荷を少なくするという本発明の目的から、図19に示す高耐圧MOSトランジスタ61と低耐圧MOSトランジスタ62とに設ける境界領域被膜21は、高耐圧MOSトランジスタ61を構成するゲート絶縁膜より厚い膜厚とし、かつ低耐圧MOSトランジスタ62の境界領域被膜21と同一の膜厚として使用する。
【0020】
この場合、図20に示した特性図の課題が新たに明らかとなった。この課題について図20を用いて説明する。図20は、横軸に素子分離絶縁膜と半導体層との境界からの距離を示す。すなわち、図19の平面図に示す境界領域被膜の幅Z1を示し、縦軸にその幅に対する高耐圧MOSトランジスタと低耐圧MOSトランジスタの各リーク電流値を示している。
【0021】
図20に示すように、高耐圧MOSトランジスタの場合(図中、実線と黒四角で示す)には、境界領域被膜を1.2μm以上とすることにより寄生MOSトランジスタによるリーク電流が低減できる。低耐圧MOSトランジスタの場合(図中、破線と白三角で示す)には、1.0μmから1.6μmの間でのみリーク電流の抑制効果があり、境界領域被膜が長い場合にも問題であることが明らかとなった。
【0022】
この低耐圧MOSトランジスタのリーク電流は、境界領域被膜の幅が0.8μm以下と短い場合には、前記高耐圧MOSトランジスタと同様に、寄生MOSトランジスタによるリーク電流が発生してしまう。
【0023】
さらに、境界領域被膜の幅が1.8μm以上と長い場合には、前記高耐圧MOSトランジスタと同一膜厚の境界領域被膜としているため、ゲート電圧でカットオフできないチャネル領域が形成され、ゲート電圧に依存しないリーク電流が発生する課題があることが判明した。
【0024】
以上の説明で明らかなように、本発明の目的とする耐圧が異なる複数のMOSトランジスタを設ける場合には、従来の技術で示した境界領域被膜を設ける方法においても、高耐圧MOSトランジスタと低耐圧MOSトランジスタとで、それぞれの境界領域被膜の幅を最適化しないとリーク電流が発生するという課題がある。
【0025】
[発明の目的]
この発明の目的は、このような問題点を解決するためになされたものであって、工程を単純化し、かつ耐圧が異なる複数のMOSトランジスタを同一基板上に備える半導体装置および製造方法を提供することにある。
【0026】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の要旨は、次のような半導体装置とその製造方法を提供する。
この発明による半導体装置は、第1のMOSトランジスタと第2のMOSトランジスタとを同一基板上に備える半導体装置であって、素子分離絶縁膜は、第1のMOSトランジスタと第2のMOSトランジスタとを分離し、第1のMOSトランジスタと素子分離絶縁膜との間の半導体層に第1の境界領域被膜を設けるとともに、第2のMOSトランジスタと素子分離絶縁膜との間の半導体層に第2の境界領域被膜を設け、第1の境界領域被膜の膜厚と第2の境界領域被膜の膜厚とをほぼ等しくし、第1の境界領域被膜の幅と第2の境界領域被膜の幅とを異なるように構成する。
【0027】
この発明による半導体装置は、第1のMOSトランジスタと第2のMOSトランジスタとが形成される同一基板をSOI基板とする。
【0028】
この発明による半導体装置は、第1のMOSトランジスタが高耐圧MOSトランジスタであり、第2のMOSトランジスタが低耐圧MOSトランジスタで構成する。
【0029】
この発明による半導体装置は、第1の境界領域被膜は、素子分離絶縁膜と第1のMOSトランジスタとの界面から半導体層側へ1.2μm以上設け、第2の境界領域被膜は、素子分離絶縁膜と第2のMOSトランジスタとの界面から半導体層側へ1.0から1.6μmの間で設ける。
【0030】
この発明による半導体装置の製造方法は、基板上に素子領域を形成する工程と、第1のMOSトランジスタを形成する半導体層と第2のMOSトランジスタを形成する半導体層とに境界領域被膜を形成する工程と、第1のMOSトランジスタと第2のMOSトランジスタとを形成する各半導体層に第1の境界領域被膜と第2の境界領域被膜とをそれぞれ形成する工程と、各半導体層のチャネル形成領域に第1のMOSトランジスタに用いる第1のゲート絶縁膜を形成する工程と、第2のMOSトランジスタを形成する半導体層の第1のゲート絶縁膜を除去する工程と、第2のMOSトランジスタの半導体層に第2のゲート絶縁膜を形成する工程と、ゲート電極を形成し、高濃度不純物層を形成する工程と、層間絶縁膜を形成し、第1のMOSトランジスタと第2のMOSトランジスタとをそれぞれ接続する配線を形成する工程とを有する。
【0031】
この発明による半導体装置の製造方法は、基板は支持基板と埋め込み絶縁膜と半導体層とを有するSOI基板であり、SOI基板の半導体層にパッド酸化膜とシリコン窒化膜とを形成する工程と、素子形成領域以外のシリコン窒化膜とパッド酸化膜とを除去する工程と、露呈した半導体層の一部を残すように除去する工程と、素子領域以外の一部半導体層を残した半導体層が、素子分離絶縁膜として埋め込み絶縁膜に接するように選択酸化する工程とを有する。
【0032】
[作用]
本発明の半導体装置は、境界領域被膜の幅を高耐圧MOSトランジスタと低耐圧MOSトランジスタとで最適化することにより、境界領域被膜の膜厚を高耐圧MOSトランジスタと低耐圧MOSトランジスタとで同一とすることが可能であり、同一基板上に高耐圧MOSトランジスタと低耐圧MOSトランジスタとを単純な工程で容易に混載することが可能となる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いてこの発明による半導体装置の構造およびその製造方法の最適な形態を詳細に説明する。
【0034】
[この発明による半導体装置の実施形態:図1、図2]
この発明による半導体装置の実施例を、図1および図2を用いて説明する。図2はこの発明による半導体装置の実施例の平面構造を示す平面図であり、図1はそのX−X´線に沿う断面図である。この発明による半導体装置は図1に示すように、支持基板1と埋め込み絶縁膜2と島状の半導体層3とを有するSOI基板4を使用する。
【0035】
このSOI基板4上に、高耐圧MOSトランジスタ61と低耐圧MOSトランジスタ62とを設けている。高耐圧MOSトランジスタ61は、半導体層3と第1のゲート絶縁膜51とゲート電極6とからMOS構造を構成する。低耐圧MOSトランジスタ62は、高耐圧MOSトランジスタ61と同一膜厚である半導体層3と第1のゲート絶縁膜51より膜厚が薄い第2のゲート絶縁膜52とゲート電極6とからMOS構造を構成する。
【0036】
この高耐圧MOSトランジスタ61と低耐圧MOSトランジスタ62とは、素子分離絶縁膜11によって完全に絶縁分離する。各MOSトランジスタは、層間絶縁膜7に設けたコンタクトホール8から配線9により外部と接続する。
【0037】
高耐圧MOSトランジスタ61と低耐圧MOSトランジスタ62との半導体層3上面の素子分離絶縁膜11との界面には、第1のゲート絶縁膜51より膜厚が厚い第1の境界領域被膜21aと、第2の境界領域被膜21bとを設け、この第1の境界領域被膜21aの幅W1と第2の境界領域被膜21bの幅W2とは、高耐圧MOSトランジスタ61と低耐圧MOSトランジスタ62とでは異なった幅とする。
【0038】
この高耐圧MOSトランジスタ61に設ける第1の境界領域被膜21aの幅W1は、設計上の半導体層3と素子分離絶縁膜11との界面からチャネル内部への距離を1.2μm以上とし、低耐圧MOSトランジスタ62に設ける第2の境界領域被膜21bの幅W2は、1.0から1.6μmとしている。
【0039】
次に、この実施例の半導体装置の平面構造について、図2を用いて説明する。図2は上述した半導体装置の平面パターン形状を示す平面図であり、前述した第1の境界領域被膜21aと第2の境界領域被膜21bとの平面形状を斜線にて示している。この図2に示すように、この半導体装置は、SOI基板4を用いて設ける複数の島状の半導体層3を、素子分離絶縁膜11によって完全に絶縁分離している。
【0040】
斜線で示す第1の境界領域被膜21aの幅W1と第2の境界領域被膜21bの幅W2とは、高耐圧MOSトランジスタ61と低耐圧MOSトランジスタ62とでは異なる構成とする。
【0041】
高耐圧MOSトランジスタ61は、半導体層3に設けた高耐圧ドレイン31の領域と高耐圧ソース32と高耐圧バルク33とから高濃度拡散層を形成し、各高濃度拡散層およびゲート電極6に形成したコンタクトホール8を介して配線9により外部と接続する。
【0042】
同様に、低耐圧MOSトランジスタ62は、半導体層3に設けた低耐圧ドレイン34の領域と低耐圧ソース35と低耐圧バルク36とから高濃度拡散層を形成し、各高濃度拡散層およびゲート電極6に形成したコンタクトホール8を介して配線9により外部と接続する。
【0043】
このような構成とすることにより、高耐圧MOSトランジスタでは、境界領域被膜の幅が1.2μm以上あるため、寄生MOSトランジスタによるリーク電流を抑制でき、さらに、低耐圧MOSトランジスタでは、境界領域被膜の幅が1.0μmから1.6μmとしているため、0.8μm以下で生じる寄生MOSトランジスタによるリーク電流を抑制できる。かつ1.8μm以上で生じるゲート電圧によりカットオフできないチャネル領域の形成を抑え、ゲート電圧に依存しないリーク電流を抑制するという、従来にはない効果が得られる。
【0044】
[製造方法の第1の実施形態:図1、図2および図3から図14]
次に、この発明による半導体装置の製造方法の実施例を説明する。その製造方法の第1の実施形態として、図1および図2に示した半導体装置を作製するための製造方法を、図3から図14に示す各製造工程における半導体装置の断面図と先に使用した図1および図2も用いて説明する。図3から図14において、図1および図2と対応する部分には同一の符号を付与している。
【0045】
図1および図2に示した半導体装置を作製するには、図3に示すように、シリコンからなる支持基板1上に、膜厚1000nmの二酸化シリコンからなる埋め込み絶縁膜2と膜厚1000nmのシリコンによる導電型がN型の半導体層3とを積層して、いわゆるSOI基板4を使用する。
【0046】
このように、1000nmの比較的厚い半導体層3を用いることにより、高耐圧MOSトランジスタの作製を容易にしている。すなわち、SOI構造でウェルの電位を固定することが可能であるとともに、電流密度を低減するために厚い半導体層3を用いている。
【0047】
次に、図4に示すように、半導体層3を酸化雰囲気で酸化処理して、酸化シリコンからなるパッド酸化膜22を20nmの厚さで形成する。このパッド酸化膜22の膜厚は半導体層3に比べ薄膜であるが、図4では、便宜上パッド酸化膜22の厚さを厚くして描いている。このパッド酸化膜22を形成するための酸化処理は、酸素雰囲気中で、温度900℃、時間25分の条件で行なう。
【0048】
その後、ジクロルシラン(SiHCl)とアンモニア(NH)とを反応ガスとして用いる化学気相成長法により、膜厚が150nmのシリコン窒化膜23をこのSOI基板4上のパッド酸化膜22上の全面に形成する。そして、このシリコン窒化膜23上の全面に感光性樹脂を回転塗布法により塗布し、所定のフォトマスクを用いて露光処理と現像処理とを行って、図4に示す感光性樹脂71が半導体層3のチャネル形成領域に残存するようにパターニングする。
【0049】
ついで、この感光性樹脂71をエッチングマスクに用いて、図5に示すように、シリコン窒化膜23とパッド酸化膜22とをエッチングする。このエッチングは、反応性イオンエッチング装置を用い、六フッ化イオウ(SF)と三フッ化メタン(CHF)とヘリウム(He)との混合ガスをエッチングガスとして用いて行なう。
【0050】
つぎに、この感光性樹脂71をエッチングマスクに用いて、半導体層3を600nm程度エッチングする。この半導体層3のシリコンエッチングは、反応性イオンエッチング装置を用い、塩素(Cl)と四フッ化炭素(CF)との混合ガスをエッチングガスとして用いて行なう。
【0051】
その後、この感光性樹脂71を除去し、シリコン窒化膜23を耐酸化膜マスクとして酸化する、いわゆる選択酸化(LOCOS)処理により、図6に示すように、素子分離絶縁膜11を900nmの厚さで形成する。この選択酸化は、水蒸気雰囲気中で、温度1000℃、時間200分の条件で行なう。
そして、耐酸化膜マスクとして用いたシリコン窒化膜23を加熱したリン酸で除去し、つづいて、パッド酸化膜22も除去する。これにより、半導体層3が素子分離絶縁膜11と埋め込み絶縁膜2により完全に絶縁分離される構造となる。
【0052】
詳しくは、前述のように半導体層3のエッチングで、半導体層3を400nm程度残すようにエッチング形成しているため、選択酸化処理により、この半導体層3が酸化され、形成した素子分離絶縁膜11が埋め込み絶縁膜2に接するように形成する。
これにより、半導体層3が比較的厚い膜厚1000nmであるにも係わらず絶縁膜により完全に絶縁分離された構造が得られる。この工程は、半導体層3のエッチング量を変えると、選択酸化膜の横方向酸化量が変わるために重要な工程である。
【0053】
さらに、この製造方法で素子分離絶縁膜を形成すると、SOIで用いられるメサ分離と比較し、半導体層3と素子分離絶縁膜11との段差を小さく抑えることができ、ゲート電極材料の被覆性を良くし、半導体層3が厚い場合に問題となるゲート電極加工時の段差部分でのエッチング残りも防ぐことが可能である。
【0054】
次に、図7に示すように、感光性樹脂72を高耐圧MOSトランジスタ61の半導体層3およびその周囲を開口するようにパターニングする。そして、この感光性樹脂72をイオン注入マスクとして、高耐圧MOSトランジスタ61の半導体層3にP型の不純物であるホウ素(B)を導入して、第1のP型ウェル不純物層37を形成する。この第1のP型ウェル不純物層37を形成するためのホウ素のイオン注入量は6.8×1013cm−2程度、イオン注入エネルギーは25KeVの条件で行なう。その後、感光性樹脂72を除去する。
【0055】
次いで、図示は省略するが、再びこのSOI基板4上の全面に感光性樹脂を回転塗布法により塗布し、所定のフォトマスクを用いて露光処理と現像処理とを行って、感光性樹脂を低耐圧MOSトランジスタ62の半導体層3およびその周囲を開口するようにパターニングする。
【0056】
そして、その感光性樹脂をイオン注入用マスクとして、低耐圧MOSトランジスタ62の半導体層3にP型不純物であるホウ素を導入して、第2のP型ウェル不純物層38を形成する。この第2のP型ウェル不純物層38を形成するためのホウ素のイオン注入量は1.7×1013cm−2程度、イオン注入エネルギーは25KeVの条件で行なう。その後、感光性樹脂を除去する。
【0057】
次に、前述した第1のP型ウェル不純物層37および第2のP型ウェル不純物層38にイオン注入したホウ素の活性化のためのアニール処理を行なう。このアニールは、窒素と酸素との混合ガス雰囲気中で、温度1000℃、時間23分の条件で処理し、連続して窒素雰囲気中で、温度1050℃、時間180分の処理で行なう。
【0058】
続いて、高耐圧MOSトランジスタ61の耐圧を向上するために、図2の平面図に示した高耐圧ドレイン31の領域を開口するように感光性樹脂を形成する。そして、この感光性樹脂をイオン注入マスクとして、高耐圧ドレイン31の半導体層3にN型の不純物であるリン(P)を導入して、高耐圧ドレイン31を形成する。
このN型の高耐圧ドレイン31を形成するためのリンのイオン注入量は8.0×1012cm−2程度、イオン注入エネルギーは50KeVで行なう。その後、感光性樹脂を除去する。
【0059】
次に、図8に示すように、半導体層3を酸化処理して酸化シリコンからなる境界領域被膜21a,21bを半導体層3上に200nmの膜厚で形成する。この境界領域被膜21a,21bの形成条件は、水蒸気雰囲気中で、温度900℃、時間23分の条件で行なう。続いて、窒素雰囲気中で、温度1050℃、時間180分の熱処理を行なうことにより、高耐圧ドレイン31の領域を形成したリンを活性化する。
【0060】
次に、SOI基板4上の全面に感光性樹脂を回転塗布法により塗布し、所定のフォトマスクを用いて露光処理と現像処理を行って、図9に示すように、高耐圧MOSトランジスタ61の半導体層3と低耐圧MOSトランジスタ62の半導体層3を開口するように感光性樹脂73を形成する。
【0061】
このとき、高耐圧MOSトランジスタ61の境界領域被膜21aが半導体層3の端部から内側へ1.2μm以上となり、低耐圧MOSトランジスタ62の境界領域被膜21bが半導体層3の端部から内側へ1.0μmとなるように感光性樹脂73を形成する。
【0062】
そして、その感光性樹脂73をエッチングマスクに用いて、境界領域被膜21a,21bをエッチング除去する。この境界領域被膜21a,21bのエッチング処理は、フッ化水素(HF)を用いて行なう。その後、感光性樹脂73を除去する。
【0063】
この工程により、高耐圧MOSトランジスタ61と低耐圧MOSトランジスタ62とで同一膜厚からなり、かつ幅が異なる特徴をもつ第1の境界領域被膜21aと第2の境界領域被膜21bとを形成できる。
【0064】
その後、図10に示すように、半導体層3を酸化処理して酸化シリコンからなる第1のゲート絶縁膜51を120nmの膜厚で形成する。この第1のゲート絶縁膜51の形成条件は、酸素雰囲気中で、温度1000℃、時間235分の条件で行なう。
【0065】
そして、再びこのSOI基板4上の全面に感光性樹脂を回転塗布法により塗布し、所定のフォトマスクを用いて露光処理と現像処理とを行って、図10に示すように、感光性樹脂74を低耐圧MOSトランジスタ62の半導体層3領域が開口し、かつ、半導体層3に形成した第1の境界領域被膜21aと第2の境界領域被膜21bとをエッチングしないように被覆し、さらに高耐圧MOSトランジスタ61の半導体層3は被覆するようにパターニングする。
【0066】
次に、この感光性樹脂74をエッチングマスクに用いて、低耐圧MOSトランジスタ62の半導体層3の上部に形成している第1のゲート絶縁膜51をエッチングし除去する。このエッチングは、フッ化水素(HF)を用いる。その後、感光性樹脂74を除去する。
【0067】
次いで、半導体層3を酸化処理して、図11に示すように、シリコン酸化膜からなる第2のゲート絶縁膜52を18nmの膜厚で形成する。この第2のゲート絶縁膜52の形成条件は、酸素と窒素との混合雰囲気中で、温度1000℃、時間45分の条件で行なう。これにより、低耐圧MOSトランジスタ62領域の半導体層3に第2のゲート絶縁膜52が形成される。この時、第2ゲート絶縁膜52の膜厚が薄いため、その他の絶縁膜の膜厚変化はわずかである。
【0068】
以上の酸化処理工程で、高耐圧MOSトランジスタ61の半導体層3の領域には、高耐圧MOSトランジスタ61用の第1のゲート絶縁膜51と素子分離絶縁膜11から1.2μm半導体層3側まで形成した第1の境界領域被膜21aとが形成される。
また、低耐圧MOSトランジスタ62の半導体層3の領域には、低耐圧MOSトランジスタ62用の第2のゲート絶縁膜52と素子分離絶縁膜11から1.0μm半導体層3側まで形成した高耐圧MOSトランジスタ61領域と同一膜である第2の境界領域被膜21bとが形成される。
【0069】
その後、反応性ガスとしてモノシラン(SiH)を用いる化学気相成長法によって、図12に示すように、多結晶シリコン膜からなるゲート電極材料63を膜厚が350nmになるように、このSOI基板4上の全面に形成する。
【0070】
次に、このゲート電極材料63の全面に感光性樹脂である感光性樹脂を塗布し、所定のフォトマスクを用いて露光処理および現像処理を行って、図12に示すように、高耐圧MOSトランジスタ61と低耐圧MOSトランジスタ62との各ゲート電極を形成する領域に感光性樹脂75を形成する。そして、この感光性樹脂75をマスクとして、六フッ化イオウ(SF)と酸素(O)との混合ガスを用いてドライエッチング法により、多結晶シリコン膜からなるゲート電極材料63をエッチングし、図13に示すゲート電極6を形成する。その後、感光性樹脂75を除去する。
【0071】
次に、図2の平面図に示す第1のPウェル不純物層と第2のPウェル不純物層との電位を固定するための高耐圧バルク33の領域と低耐圧バルク36の領域とに感光性樹脂(図示せず)を形成し、この感光性樹脂をイオン注入用マスクとして使用して、図2の平面図に示す高耐圧MOSトランジスタ61のゲート電極6に整合する領域の半導体層3と、低耐圧MOSトランジスタ62のゲート電極6に整合する領域の半導体層3とに、N型の不純物である砒素(As)を導入する。この工程により、高耐圧ドレイン31と高耐圧ソース32と、低耐圧ドレイン34と低耐圧ソース35との領域の高濃度不純物層を形成する。この高濃度不純物層を形成するための砒素のイオン注入量は3.0×1015cm−2程度、イオン注入エネルギーが70KeVの条件で行なう。その後、感光性樹脂を除去する。
【0072】
次に、図2の平面図に示す高耐圧MOSトランジスタ61の高耐圧バルク33と、低耐圧MOSトランジスタ62の低耐圧バルク36とを開口するように感光性樹脂(図示せず)を形成し、それをイオン注入マスクとして使用して、図2の平面図に示す高耐圧バルク33と低耐圧バルク36との領域にP型の不純物であるホウ素(B)を導入して、P型の高濃度不純物層を形成する。このP型の高濃度不純物層を形成するためのホウ素のイオン注入量は2.5×1015cm−2程度、イオン注入エネルギーが25KeVの条件で行なう。その後、感光性樹脂を除去する。
【0073】
そして図14に示すように、リン(P)とホウ素(B)とを含む二酸化シリコン膜からなる層間絶縁膜7を、化学気相成長法により、このSOI基板4上の全面に膜厚550nm程度に形成する。その後、イオン注入した不純物の活性化と層間絶縁膜7のリフローとを目的とするアニール処理を、窒素雰囲気中で、温度900℃、時間30分の条件で行なう。
【0074】
次に、この層間絶縁膜7上に感光性樹脂を回転塗布法によって塗布し、さらに所定のフォトマスクを用いて露光処理と現像処理とを行なって、図14に示すように各コンタクトホールに対応する開口を有する感光性樹脂76をパターニングする。そして、このパターニングした感光性樹脂76をエッチングマスクとして用いて層間絶縁膜7をエッチングして、各コンタクトホールを形成する。
【0075】
このコンタクトホールのエッチングは、反応性イオンエッチング装置を用い、三フッ化メタン(CHF)と二フッ化メタン(CH)との混合ガスをエッチングガスとして用いて行なう。その後、感光性樹脂76を除去し、スパッタリング装置を用いて、アルミニウムからなる配線材料を、800nm程度の膜厚でコンタクトホール内を含む層間絶縁膜7上の全面に形成する。
【0076】
そして、その配線材料上に感光性樹脂(図示せず)を回転塗布法により塗布し、所定のフォトマスクを用いて露光処理と現像処理とを行なって、図2の平面図に示す各配線9に対応するパターンを有する感光性樹脂をパターニングする。
【0077】
このパターニングした感光性樹脂をエッチングマスクに使用して前記配線材料をエッチングし、各配線9を形成する。この配線9のエッチングは、反応性イオンエッチング装置を用い、エッチングガスとして塩素(Cl)と三塩化ホウ素(BCl)との混合ガスを用いて行なう。この結果、図1に示す断面構造と図2に示す平面構造を持つことができる。
【0078】
[製造方法のその他の実施形態]
前記実施例では、高耐圧MOSトランジスタとして動作電圧30V、低電圧MOSトランジスタとして動作電圧3.3Vの場合を示し、高耐圧MOSトランジスタと低耐圧MOSトランジスタとともにNチャネル型MOSトランジスタについて述べたが、Pチャネル型MOSトランジスタについても導電型が逆になるような構成で形成すれば、同様な効果が得られる。
【0079】
具体的には、第1のNウェル不純物層形成としては、N型不純物であるリン(P)をイオン注入量5.5×1012cm−2程度、イオン注入エネルギーは40KeVの条件で行なう。また、第2のNウェル不純物層形成としては、N型不純物であるリン(P)をイオン注入量2.55×1012cm−2程度、イオン注入エネルギーは40KeVの条件で行なう。さらに、高耐圧ドレインの形成は、P型不純物であるホウ素(B)をイオン注入量1.4×1013cm−2程度、イオン注入エネルギーは50KeVの条件で行なう。これにより、Pチャネル型MOSトランジスタ構成が可能である。
【0080】
さらに、高耐圧MOSトランジスタであるNチャネル型MOSトランジスタとPチャネル型MOSトランジスタと、低耐圧MOSトランジスタであるNチャネル型MOSトランジスタとPチャネル型MOSトランジスタとを同一基板に設ける場合も同様に、同一膜厚の境界領域被膜で同じ効果が得られるため、工程削減効果が極めて高い。
【0081】
前述した実施例では、基板としてSOI基板を用いたが、シリコン窒化膜やアルミナ膜などから構成する埋め込み絶縁膜を有する半導体材料を用いても同様の効果が得られる。
【0082】
[この発明の作用効果に係る説明]
ここで、この発明による半導体装置の作用効果を図20から図23に示す特性図を用いて説明する。
【0083】
図20は、前記したように、高耐圧MOSトランジスタと低耐圧MOSトランジスタとを構成する境界領域被膜の膜厚を同一とした場合の素子分離絶縁膜と半導体層との境界からの境界領域被膜距離、すなわち幅を変化させた場合の高耐圧MOSトランジスタおよび低耐圧MOSトランジスタのリーク電流発生依存性を示した図である。
【0084】
まず、高耐圧MOSトランジスタの場合には、境界領域被膜の幅が1.0μm以下では、リーク電流が増加する。この特性図を図21に示す。図21は、高耐圧MOSトランジスタのゲート電圧とドレイン電流特性との相関を示すグラフであり、横軸は、高耐圧MOSトランジスタのゲート電極に印加するゲート電圧を示し、縦軸はドレイン電圧を30V印加した場合のドレインに流れる電流値を示している。
【0085】
従来例の特性に示すように、境界領域被膜の幅が1.0μm以下では、境界領域被膜が短くなり、半導体層端部での電界が高くなり、寄生MOSトランジスタによるリーク電流いわゆるハンプ電流が発生する。これに対して、本発明で示したように、境界領域被膜を1.2μm以上とすることにより、寄生MOSトランジスタによるリーク電流は抑制できる。
【0086】
次に、低耐圧MOSトランジスタの場合には、境界領域被膜の幅が0.8μm以下および1.8μm以上でリーク電流が増加する。まず、境界領域被膜が0.8μm以下の場合の特性図を図22に示す。図22は、低耐圧MOSトランジスタのゲート電圧とドレイン電流との相関を示すグラフであり、横軸は、低耐圧MOSトランジスタのゲート電極に印加するゲート電圧を示し、縦軸はドレイン電圧を3.3V印加した場合のドレインに流れる電流を示している。
【0087】
従来例の特性に示すように、境界領域被膜の幅が0.8μm以下の場合には、素子分離絶縁膜端部のゲートバーズビーク部分までエッチングが進行し、ゲート電極からの電界が半導体層端部で増加し、寄生MOSトランジスタによるリーク電流いわゆるハンプ電流が発生する。
【0088】
次に、境界領域被膜の幅が1.8μm以上の場合の特性図を図23に示す。図23は、図22と同様に、低耐圧MOSトランジスタのゲート電圧とドレイン電流との相関を示すグラフである。
【0089】
境界領域被膜の幅が1.8μm以上と広い場合には、工程を単純化し、境界領域被膜の膜厚を高耐圧MOSトランジスタと同一としたことにより厚い境界領域被膜がチャネル内部まで伸びるため、ゲート電界でカットオフしきれないゲート電圧に依存しないリーク電流が発生する。これに対して、本発明で示すように境界領域被膜の幅を1.0μmとすることにより、図22に示したリーク電流と図23に示したリーク電流ともに抑制できる。
【0090】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明の半導体装置は、高耐圧MOSトランジスタと低耐圧MOSトランジスタとで同一膜厚の境界領域被膜を構成し、高耐圧MOSトランジスタと低耐圧MOSトランジスタとで境界領域被膜の幅を変えることにより構成している。このため、従来必要であった各MOSトランジスタの寄生MOSトランジスタ対策のためのフィールドドープ層を形成する工程が不要となり、目的とする複数の耐圧を持つMOSトランジスタを簡単な工程で容易に混載できるという効果を有する。
【0091】
さらに、本発明によれば、素子分離端部に生じる寄生MOSトランジスタのしきい値電圧をチャネル領域のしきい値電圧よりも高くできる。その理由は、高耐圧MOSトランジスタと低耐圧MOSトランジスタとともに幅を変えた境界領域被膜による。また、寄生MOSトランジスタ起因のハンプ電流によるリーク電流を防止できる効果を有する。
【0092】
さらにまた、低耐圧MOSトランジスタで問題となる、ゲート電圧に依存しないリーク電流を境界領域被膜の幅を最適化することにより防止できるとともに、境界領域被膜の膜厚を高耐圧MOSトランジスタと同一とすることで工程短縮が可能となる。
【0093】
このように、本発明では、従来の技術で示したように、境界領域被膜の膜厚を耐圧仕様の異なるMOSトランジスタごとに変える必要はない。すなわち、工程を増やすことなく、耐圧の異なる複数のMOSトランジスタの混載が可能となる。
【0094】
さらに、本発明によれば、高耐圧MOSトランジスタを混載するため、半導体層を厚くする必要があるが、半導体層の全膜厚をエッチングすることなく、選択酸化を行なうことにより、従来問題であったゲート電極材料の膜被覆性の問題やゲート電極加工時の段差部分でのエッチング残りの問題をなくすことが可能であるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における半導体装置の構造を示す断面図である。
【図2】本発明の実施形態における半導体装置の構造を示す平面図である。
【図3】本発明の実施形態における半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図4】本発明の実施形態における半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図5】本発明の実施形態における半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図6】本発明の実施形態における半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図7】本発明の実施形態における半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図8】本発明の実施形態における半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図9】本発明の実施形態における半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図10】本発明の実施形態における半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図11】本発明の実施形態における半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図12】本発明の実施形態における半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図13】本発明の実施形態における半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図14】本発明の実施形態における半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図15】従来の技術における半導体装置の構造を示す断面図である。
【図16】従来の技術における半導体装置の構造を示す平面図である。
【図17】従来の技術における半導体装置の構造を示す断面図である。
【図18】従来の技術における半導体装置の構造を示す断面図である。
【図19】従来の技術における半導体装置の構造を示す平面図である。
【図20】本発明における半導体装置の実施形態と従来の技術とにおける、半導体装置の境界領域被膜の距離とMOSトランジスタのリーク電流との相関を示した特性図である。
【図21】本発明における高耐圧MOSトランジスタの実施形態と従来の技術とにおける、半導体装置のゲート電圧とドレイン電流との相関を示した特性図である。
【図22】本発明における低耐圧MOSトランジスタの実施形態と従来の技術とにおける、半導体装置のゲート電圧とドレイン電流との相関を示した特性図である。
【図23】本発明における低耐圧MOSトランジスタの実施形態と従来の技術とにおける、半導体装置のゲート電圧とドレイン電流との相関を示した特性図である。
【符号の説明】
1 支持基板
2 埋め込み絶縁膜
3 半導体層
4 SOI基板
5 ゲート絶縁膜
6 ゲート電極
7 層間絶縁膜
8 コンタクトホール
9 配線
10 寄生MOS領域
11 素子分離絶縁膜
12 チャネル領域
13 フィールドドープ層
14 チャネル不純物層
21 境界領域被膜
21a 第1の境界領域被膜
21b 第2の境界領域被膜
22 パッド酸化膜
23 シリコン窒化膜
31 高耐圧ドレイン
34 低耐圧ドレイン
51 第1のゲート絶縁膜
52 第2のゲート絶縁膜
61 高耐圧MOSトランジスタ
62 低耐圧MOSトランジスタ
63 ゲート電極材料

Claims (6)

  1. 第1のMOSトランジスタと第2のMOSトランジスタとを同一基板上に備える半導体装置であって、
    素子分離絶縁膜は、前記第1のMOSトランジスタと前記第2のMOSトランジスタとを分離し、
    前記第1のMOSトランジスタと前記素子分離絶縁膜との間の半導体層に第1の境界領域被膜を設けるとともに、前記第2のMOSトランジスタと前記素子分離絶縁膜との間の半導体層に第2の境界領域被膜を設け、
    前記第1の境界領域被膜の膜厚と前記第2の境界領域被膜の膜厚とをほぼ等しくし、
    前記第1の境界領域被膜の幅と前記第2の境界領域被膜の幅とを異ならせることを特徴とする半導体装置。
  2. 前記第1のMOSトランジスタと前記第2のMOSトランジスタとが形成される同一基板がSOI基板であることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記第1のMOSトランジスタが高耐圧MOSトランジスタであり、前記第2のMOSトランジスタが低耐圧MOSトランジスタであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の半導体装置。
  4. 前記第1の境界領域被膜は、前記素子分離絶縁膜と前記第1のMOSトランジスタとの界面から前記半導体層側へ1.2μm以上設け、
    前記第2の境界領域被膜は、前記素子分離絶縁膜と前記第2のMOSトランジスタとの界面から前記半導体層側へ1.0から1.6μmの間で設けることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の半導体装置。
  5. 基板上に素子領域を形成する工程と、
    第1のMOSトランジスタを形成する半導体層と第2のMOSトランジスタを形成する半導体層とに境界領域被膜を形成する工程と、
    前記第1のMOSトランジスタと前記第2のMOSトランジスタとを形成する各半導体層に第1の境界領域被膜と第2の境界領域被膜とをそれぞれ形成する工程と、
    各半導体層のチャネル形成領域に前記第1のMOSトランジスタに用いる第1のゲート絶縁膜を形成する工程と、
    前記第2のMOSトランジスタを形成する半導体層の前記第1のゲート絶縁膜を除去する工程と、
    前記第2のMOSトランジスタの半導体層に第2のゲート絶縁膜を形成する工程と、
    ゲート電極を形成し、高濃度不純物層を形成する工程と、
    層間絶縁膜を形成し、前記第1のMOSトランジスタと前記第2のMOSトランジスタとをそれぞれ接続する配線を形成する工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  6. 前記基板は、支持基板と埋め込み絶縁膜と半導体層とを有するSOI基板であり、
    前記SOI基板の前記半導体層にパッド酸化膜とシリコン窒化膜とを形成する工程と、
    前記素子形成領域以外の前記シリコン窒化膜とパッド酸化膜とを除去する工程と、露呈した前記半導体層の一部を残すように除去する工程と、
    前記素子領域以外の一部半導体層を残した前記半導体層が、素子分離絶縁膜として前記埋め込み絶縁膜に接するように選択酸化する工程とを有することを特徴とする請求項5に記載の半導体装置の製造方法。
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