JP2004259324A - 記録装置の動作制御装置および記録装置の動作制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】性能をより活用することのできるように、記録装置の環境変化に応じた動作制御を行う
【解決手段】HDD監視部25は、HDD環境センサ8の出力が表すHDD環境が正常動作保証範囲内にあるかどうかを監視し、HDD環境が正常動作保証範囲外となったならば、HDD5のリードエラーとライトエラーの発生回数を計数し、所定回数を超えたならば、HDD5に対するアクセスを禁止する。HDD監視部25は、HDD環境が正常動作保証範囲内に復帰するのを監視し、正常動作保証範囲内に復帰したならば、HDD5のアクセスの禁止を解除し、HDD環境が正常動作保証範囲内にあるかどうかの監視に戻る。
【選択図】図2
【解決手段】HDD監視部25は、HDD環境センサ8の出力が表すHDD環境が正常動作保証範囲内にあるかどうかを監視し、HDD環境が正常動作保証範囲外となったならば、HDD5のリードエラーとライトエラーの発生回数を計数し、所定回数を超えたならば、HDD5に対するアクセスを禁止する。HDD監視部25は、HDD環境が正常動作保証範囲内に復帰するのを監視し、正常動作保証範囲内に復帰したならば、HDD5のアクセスの禁止を解除し、HDD環境が正常動作保証範囲内にあるかどうかの監視に戻る。
【選択図】図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車載等の厳環境下で使用される、ハードディスクドライブ等の記録装置に対するアクセス動作を記録装置の環境に応じて制御する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
厳環境下で使用される記録装置に対するアクセス動作を環境変化に応じて制御する技術としては、記録装置の温度を監視し、記録装置の温度が予め定めた記録装置の動作保証温度以上となったならば記録装置へのアクセスを禁止すると共に、その後、記録装置の温度が動作保証温度未満の所定の温度以下に復帰したならば、記録装置のアクセス動作を再開することにより、記録装置の異常動作や破損を回避する技術が知られている(たとえば、特開2001−256714号公報)。
【0003】
この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては以下のものがある。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−256714号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の技術によれば、記録装置の温度が、その記録装置と同種(同型番)の記録装置に対して予め定めた動作保証温度以上となったならば、記録装置へのアクセスは無条件に禁止される。
しかしながら、同種の記録装置であっても、記録装置が正常に動作可能な温度範囲は個体差が有り個々に異なる。そして、ある記録装置の動作保証温度範囲は、その記録装置と同種の記録装置の全てが正常に動作可能な狭い範囲に設定されている。
【0006】
すなわち、個々の記録装置についてみれば、動作保証温度以上の温度でも正常に動作可能な記録装置が存在する。したがって、前記従来の技術によって、動作保証温度以上の温度となった時に無条件に記録装置へのアクセスを禁止したのでは、このような記録装置の性能を充分に活用することができなくなってしまう。
【0007】
そこで、本発明は、記録装置の性能をより活用することのできるように、環境変化に記録装置に対するアクセス動作の制御を行うことを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題達成のために、本発明は、情報を記録する記録装置へのアクセス動作を制御する記録装置の動作制御装置として、前記記録装置の環境の状態を検出する検出装置と、前記検出装置が検出した前記環境の状態が、所定の正常環境状態から逸脱した場合に、前記記録装置へのアクセスのエラー発生レベルを監視するエラー監視手段と、前記エラー監視手段が監視しているアクセスのエラーの発生レベルが、所定レベルを超えた場合に、前記記録装置へのアクセスを禁止するアクセス禁止手段とを設けたものである。
【0009】
このような記録装置の動作制御装置によれば、記録装置に対するアクセスの禁止は、ハードディスクドライブなどの記録装置の環境が所定の正常環境状態から逸脱したときに無条件に行うのではなく、リードエラーやライトエラーなどのアクセスエラーの発生レベルが所定レベルを超えて、実際に環境の劣化により記録装置へのアクセスの動作に支障が生じた時点で行う。したがって、個々の記録装置の耐環境性能を最大限に利用することができるようになる。
【0010】
ここで、このような記録装置の動作制御装置においては、前記アクセス禁止手段が、前記アクセスを禁止した後に、前記検出装置が検出した前記環境の状態が、所定の正常環境状態に復帰した場合に、前記アクセスの禁止を解除するようにすることが好ましい。また、この場合には、さらに、前記アクセス禁止手段が前記アクセスを禁止した時点で行われていた前記記録装置へのアクセスを、前記アクセス禁止手段が前記アクセスの禁止を解除した後に再実行するアクセス再実行手段を備えるようにしてもよい。
【0011】
このようにすることにより、環境の劣化に応じて記録装置のアクセスが中断してしまうことの不具合や不便等の程度を小さく押さえることができるようになる。
なお、以上の記録装置の動作制御装置において、前記検出装置が検出する前記記録装置の環境の状態としては、前記記録装置または前記記録装置の周辺の温度や、前記記録装置周辺の湿度や、前記記録装置に加わる振動レベルを用いることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、ハードディスクドライブ(HDD)をオーディオファイルの記録装置として用いる車載オーディオシステムへの適用を例にとり説明する。
図1に、本実施形態に係るオーディオシステムの構成を示す。
図示するように、本実施形態に係るオーディオシステムは、オーディオ処理装置1、表示装置2、入力装置3、スピーカやオーディオアンプ装置などのオーディオ出力装置4、HDD5、CD−AUDIOディスクや、MDなどのデジタルオーディオデータを記録する記録媒体用のドライブ装置であるオーディオ媒体ドライブ6、デジタルオーディオ放送受信機その他の任意のデジタル又はアナログのオーディオ信号出力装置であるオーディオソース7、HDD5の筺体温度を測定する温度センサやHDD5の周辺の湿度を測定する湿度センサやHDD5に加わる振動レベルを検知する加速度センサなどであるHDD環境センサ8とを有している。
【0013】
そして、オーディオ処理装置1は、CPU11、不揮発性の記憶領域を有するメモリ12、表示装置2に接続する表示インタフェース13、オーディオ出力装置4に接続するオーディオ出力インタフェース14、HDD5に接続するHDDインタフェース15、オーディオ媒体ドライブ6に接続するオーディオ媒体ドライブインタフェース(図中では、AMDインタフェース)16、オーディオソース7に接続するオーディオ入力インタフェース17、入力装置3に接続する入力インタフェース18、HDD環境センサ8に接続するセンサインタフェース19、以上の各部を接続するバス20とを備えている。ここで、表示インタフェース13、オーディオ出力インタフェース14、HDDインタフェース15、オーディオ媒体ドライブインタフェース16、オーディオ入力インタフェース17、入力インタフェース18、センサインタフェース19は、各々接続する装置と、オーディオ処理装置1との間との入出力を処理するものである。
【0014】
次に、図2に、このようなオーディオ処理装置1の機能構成を示す。
図示するように、オーディオ処理装置1は、機能的には、オーディオデータを圧縮符号化するエンコーダ27と圧縮符号化されたオーディオデータを復号するデコーダ26とを備えたオーディオデータ処理アプリケーション21、HDD5の動作を制御するHDDドライバ24、オーディオ媒体ドライブ6を制御するオーディオ媒体ドライブドライバ(図中ではAMDドライバ)23、HDD5の環境状態を監視するHDD監視部25、オーディオファイルを記録するファイル記録部28、ファイル記録部28やHDD5やオーディオ媒体ドライブ6にマウントされたオーディオ記録媒体に配置されるオーディオファイルの管理とオーディオファイルのリード/ライトを制御するファイルシステム22とを有する。なお、ファイル記録部28はメモリ12の記憶空間上に形成されるものであり、他部はCPU11がメモリ12の不揮発性の記憶領域に予め記録されているプログラムを実行することによりオーディオ処理装置1上にプロセスとして具現化するものである。なお、ファイル記録部28の記憶空間として、メモリ12の不揮発性の記憶領域を用いることが望ましい。また、ファイルシステム22やHDDドライバ24やオーディオ媒体ドライブドライバ23やHDD監視部25は、オーディオ処理装置1のオペレーティングシステムの一部として、オーディオ処理装置1に実装されるものであってかまわない。
【0015】
このような構成において、オーディオデータ処理アプリケーション21は、ファイルシステム22に要求を発行することによりHDD5やオーディオ媒体ドライブ6からオーディオファイルのオーディオデータを読み出し、必要に応じてデコーダ26で復号してオーディオ出力装置4に出力する処理や、オーディオソース7からオーディオデータを取り込んで必要に応じてデコーダ26で復号して、オーディオ出力装置4に出力する処理を行う。また、ファイルシステム22に要求を発行することによりオーディオ媒体ドライブ6からオーディオファイルのオーディオデータを読み出し必要に応じてエンコーダ27で圧縮符号化してHDD5にオーディオファイルとして格納したり、オーディオソース7からオーディオデータを取り込んで必要に応じてエンコーダ27で圧縮符号化してHDD5にオーディオファイルとして格納する処理を行う。
【0016】
ファイルシステム22は、オーディオデータ処理アプリケーション21の要求に応じて、HDDドライバ24を介したHDD5に対するオーディオファイルのリード/ライトや、オーディオ媒体ドライブドライバ23を介したオーディオ媒体ドライブ6に対するオーディオファイルのリード等の処理を制御する。また、ファイルシステム22は、入力装置3を介したユーザ操作に応じて、HDD5とオーディオ媒体ドライブ6間のオーディオファイルのコピーなどの処理も行う。
なお、オーディオ媒体ドライブドライバ23は、オーディオ媒体ドライブ6に装着されたオーディオ媒体がファイル形式ではなくトラック等としてオーディオデータを記憶しているものである場合に、このようなトラック等をファイルシステム22に対してファイルとしてエミュレートする処理なども行う。
【0017】
以下、このようなオーディオ処理装置1において、HDD5に対するアクセス動作を環境変化に応じて制御する動作について説明する。
この動作は、図3aに手順を示すHDD監視部25が行うHDD監視処理と、図3bに手順を示すファイルシステム22が行うHDDアクセス許可処理によって実現される。
図3aに示すように、HDD監視部25が行うHDD監視処理では、起動すると、まず、エラーカウンタをゼロにリセットし(ステップ302)、その後、HDD環境センサ8の出力が表すHDD環境が正常動作保証範囲内にあるかどうかを判定する(ステップ304)。ここでは、HDD環境センサ8が検出したHDD5の筺体温度が予め定めた(たとえばHDD5の製造者が保証する)HDD5の正常動作が保証される温度範囲から逸脱したか、HDD環境センサ8が検出したHDD5の周辺の湿度の所定の湿度を超過したか、HDD環境センサ8が検出したHDD5に加わる振動レベルが所定の振動レベルを超過した場合に、HDD環境が正常動作保証範囲外にあると判定する。ただし、これらのうちの一つのみ、たとえば、HDD5の筺体温度が、正常動作保証範囲から逸脱したことをもって、HDD環境が正常動作保証範囲内にないと判定するようにしてもよい。
【0018】
そして、HDD環境が正常動作保証範囲内にあれば、ステップ303に戻ってエラーカウンタをリセットする。
一方、HDD環境が正常動作保証範囲外となったならば、HDD5のリードエラーとライトエラーの発生を監視し(ステップ306)、リードエラーかライトエラーといずれかが発生したならば、エラーカウンタを1増加する(ステップ308)。ここで、このリードエラーやライトエラーの発生は、HDDドライバ24又はファイルシステム22において行うECCチェック等のエラーチェック結果から検出するようにしても良い。なお、HDD5がエラー報告機能を備えているものである場合には、このエラー報告に基づいてHDDドライバ24が出力するエラーメッセージに基づいて、リードエラーやライトエラーの発生を検出するようにしても良い。また、リードエラーかライトエラーが発生した場合、ファイルシステム22はエラーが発生したリードまたはエラーをリトライする動作を行う。そして、所定回数以上エラーが続いたならば、リード又はライトの要求元であるオーディオデータ処理アプリケーション21に、HDD5に対するアクセスが失敗した旨を通知する動作を行う。
【0019】
次に、エラーカウンタの値が所定のしきい値Thを超えたかどうかを調べ(ステップ310)、超えていなければステップ306のリードエラーとライトエラーの発生の監視に戻る。一方、エラーカウンタの値が所定のしきい値Thを超えたならば、HDDドライバ24を介してHDD5の動作を停止し(ステップ312)、ファイルシステム22にHDD停止報告を行う(ステップ314)。ただし、HDD及びHDDドライバ24として、HDD5の動作がHDDドライバ24を介して停止できないものを用いる場合などには、HDD監視部25から制御可能な、HDD5への電源供給の遮断回路を設けて、HDD5の動作の停止、稼働を制御するようにしても良い。また、ステップ32のHDD5の動作停止は、これを行わないようにしてもよい。
【0020】
そして、その後、HDD監視部25は、HDD環境センサ8の出力が表すHDD環境が正常動作保証範囲内に復帰するのを待ち(ステップ316)、正常動作保証範囲内に復帰したならば、エラーカウンタをリセットし(ステップ318)、HDDドライバ24や前述したような電源遮断回路を介してHDD5を起動し(ステップ320)、HDD稼働再開報告をファイルシステム22に通知し(ステップ322)、ステップ304のHDD環境が正常動作保証範囲内にあるかどうかの監視に戻る。ただし、ステップ312のHDD5の動作停止を行っていない場合には、ステップ320でHDD5の起動は行う必要がない。
【0021】
一方、図3bに示すように、ファイルシステム22は、起動すると、HDDアクセス制御処理において、まず、HDDアクセス許可設定を行う(ステップ352)。そして、リトライデータが存在するかどうかを調べる(ステップ354)。このリトライデータについては後述する。
【0022】
そして、リトライデータが存在しない場合には、HDD停止報告がHDD監視部25から通知されるのを監視し(ステップ356)、HDD停止報告が通知されたならば、HDDアクセス禁止を設定する(ステップ358)。ここで、ファイルシステム22は、HDDアクセス禁止が設定されている期間は、HDDアクセス許可が設定されるまで、HDD5へのファイルアクセスの要求を受け付けないよう動作する。ただし、ステップ312と320のHDD5の動作停止/起動を行う場合において、ファイルシステム22がHDD5の起動/停止に応じてHDD5を自動的にマウント/アンマウントできるものである場合には、HDDアクセス許可と禁止の設定は行わなくとも良い。
【0023】
次に、ファイルシステム22は、表示装置2を介してユーザにHDD5に対するアクセスが停止したことをユーザに通知する(ステップ360)。また、ここでは、現在行っていたHDD5へのファイルアクセスが、オーディオファイルのコピー又はオーディオデータ処理アプリケーション21からのHDD5への新規オーディオファイルの書き込みであった場合には、HDD5の再稼働時にファイルアクセスをリトライするかどうかの選択もユーザから受け付ける。
【0024】
そして、リトライしないことが選択された場合には(ステップ362)、オーディオデータ処理アプリケーション21にファイルアクセスの失敗を通知して、そのままステップ364に進んで、HDD監視部25からHDD稼働再開報告が通知されるのを待ち、HDD稼働再開報告が通知されたならば、ステップ352に戻って、HDDアクセス許可を設定し、以上の処理を繰り返す。
【0025】
一方、リトライすることが選択された場合には(ステップ362)、現在行っていたHDD5へのファイルアクセスが、HDD5からのオーディオファイルのコピーである場合には、オーディオファイルのコピー元のロケーションとコピー先のロケーションをリトライデータとしてメモリ12の不揮発性の領域に格納する(ステップ374)。一方、現在行っていたHDD5へのファイルアクセスが、HDD5へのオーディオファイルのコピーか、HDD5への新規オーディオファイルの書き込みである場合には、まず、オーディオファイルの書き込み先をHDD5上のローケーションからファイル記録部28の上のローケーションに変更して、そのオーディオファイルの書き込みを行い、書き込みを行ったファイル記録部28の上のロケーションをオーディオファイルのコピー元のロケーション、オーディオファイルを書き込むべきであったHDD5上のロケーションをオーディオファイルのコピー先のロケーションとするリトライデータを、メモリ12の不揮発性の領域に格納する(ステップ374)。ただし、現在行っていたHDD5へのファイルアクセスが、HDD5へのオーディオファイルのコピーである場合には、単に、オーディオファイルのコピー元のロケーションとコピー先のロケーションをリトライデータとしてメモリ12の不揮発性の領域に格納するだけとしても良い。
【0026】
そして、ステップ364に進んで、HDD監視部25からHDD稼働再開報告が通知されるのを待ち、HDD稼働再開報告が通知されたならば、ステップ353に戻って、HDDアクセス許可を設定し、以上の処理を繰り返す。
さて、ステップ354において、リトライデータが存在すると判定された場合、ファイルシステム22は、リトライデータが示すコピー元とコピー先のロケーションにアクセスできるかを調べ(ステップ366)、アクセスできなかった場合(たとえばコピー元やコピー先であるオーディオ記録媒体がオーディオ媒体ドライブ6から外されていた場合)には、リトライ失敗を表示装置2を介してユーザに通知し(ステップ372)、リトライデータを削除し(ステップ370)、ステップ356に進む。一方、リトライデータが示すコピー元とコピー先のロケーションにアクセスできた場合には、そのコピー元のロケーションのオーディオファイルのとコピー先のロケーションへのコピーを行い(ステップ368)、リトライデータを削除した上で(ステップ370)、ステップ356に進む。
【0027】
以上、本発明の実施形態について説明した。
以上のように本実施形態では、HDD5のアクセスを禁止を、HDD環境が所定の正常動作保証範囲から逸脱したときに無条件に行うのではなく、リードエラーやライトエラーの発生など実際に環境の劣化によりHDD5の動作に支障が生じた時点で行う。したがって、個々のHDD5の耐環境性能を最大限に利用することができるようになる。また、HDD5のアクセスを禁止した時点に行っていたアクセスを、HDD環境が正常状態に復帰しHDD5のアクセスの禁止を解除した後に再度行うようにしたので、環境劣化によりHDD5のアクセスが中断することによる不具合や不便等の程度を小さく押さえることができる。
【0028】
ところで、以上では、HDD環境が所定の正常動作保証範囲から逸脱した後にHDD5のリードまたはライトエラーが所定のしきい値となったかどうかを判定し、しきい値以上となったときに、アクセスの禁止の処理を行うするようにしたが、これは、HDD環境が所定の正常動作保証範囲から逸脱した後にHDD5のリードまたはライトエラーの発生頻度を算出し、発生頻度が所定レベル以上となったときに、アクセスの禁止の処理を行うようにしてもよい。また、温度や湿度や振動レベルなどの着目する環境が、正常動作保証範囲外に設定したHDD5にとって、特段に厳しい所定の状況まで達したならば、リードまたはライトエラーの回数や頻度に関わらず、強制的にHDD5のアクセスを禁止する処理を併せて行うようにしても良い。
【0029】
また、以上ではHDD5のアクセス禁止によって中断したHDD5へのファイルアクセスのリトライ(再実行)をファイルシステム22で行うようにしたが、このようなリトライはオーディオデータ処理アプリケーション21側で行うようにしても良い。また、この場合には、単なるオーディオファイルアクセスのリトライのみならず、たとえば、指定されたロケーションからオーディオファイルを読み込んで、圧縮復号化処理や復号化処理を施して、指定されたロケーションにオーディオファイルとして格納したり、オーディオ出力装置4に出力したりするような、HDD5へのファイルアクセスを処理の一部として含むタスクを、リトライの対象として実行するようにしてかまわない。
【0030】
また、以上の実施形態では、HDD5への適用を例にとり示したが、以上の、環境に応じたHDD5のアクセスの禁止/解除やHDD5の停止/起動の技術や、リトライの技術はHDD5に限らず任意の記録装置に同様に適用可能である。
また、同様に、リードやライトの対象がオーディオファイル以外の任意のファイルやデータである場合にも同様に適用することができる。
【0031】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、記録装置の性能をより活用することのできるように、環境に応じた記録装置に対するアクセス動作の制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るオーディオシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係るオーディオ処理装置の機能構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係るハードディスクドライブの環境変化に応じた動作制御の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1:オーディオ処理装置、2:表示装置、3:入力装置、4:オーディオ出力装置、5:HDD、6:オーディオ媒体ドライブ、7:オーディオソース、8:HDD環境センサ、11:CPU、12:メモリ、13:表示インタフェース、14:オーディオ出力インタフェース、15:HDDインタフェース、16:オーディオ媒体ドライブインタフェース、17:オーディオ入力インタフェース、18:入力インタフェース、19:センサインタフェース、20:バス、21:オーディオデータ処理アプリケーション、22:ファイルシステム、23:オーディオ媒体ドライブドライバ、24:HDDドライバ、25:HDD監視部、26:デコーダ、27:エンコーダ、28:ファイル記録部。
【発明の属する技術分野】
本発明は、車載等の厳環境下で使用される、ハードディスクドライブ等の記録装置に対するアクセス動作を記録装置の環境に応じて制御する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
厳環境下で使用される記録装置に対するアクセス動作を環境変化に応じて制御する技術としては、記録装置の温度を監視し、記録装置の温度が予め定めた記録装置の動作保証温度以上となったならば記録装置へのアクセスを禁止すると共に、その後、記録装置の温度が動作保証温度未満の所定の温度以下に復帰したならば、記録装置のアクセス動作を再開することにより、記録装置の異常動作や破損を回避する技術が知られている(たとえば、特開2001−256714号公報)。
【0003】
この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては以下のものがある。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−256714号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の技術によれば、記録装置の温度が、その記録装置と同種(同型番)の記録装置に対して予め定めた動作保証温度以上となったならば、記録装置へのアクセスは無条件に禁止される。
しかしながら、同種の記録装置であっても、記録装置が正常に動作可能な温度範囲は個体差が有り個々に異なる。そして、ある記録装置の動作保証温度範囲は、その記録装置と同種の記録装置の全てが正常に動作可能な狭い範囲に設定されている。
【0006】
すなわち、個々の記録装置についてみれば、動作保証温度以上の温度でも正常に動作可能な記録装置が存在する。したがって、前記従来の技術によって、動作保証温度以上の温度となった時に無条件に記録装置へのアクセスを禁止したのでは、このような記録装置の性能を充分に活用することができなくなってしまう。
【0007】
そこで、本発明は、記録装置の性能をより活用することのできるように、環境変化に記録装置に対するアクセス動作の制御を行うことを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題達成のために、本発明は、情報を記録する記録装置へのアクセス動作を制御する記録装置の動作制御装置として、前記記録装置の環境の状態を検出する検出装置と、前記検出装置が検出した前記環境の状態が、所定の正常環境状態から逸脱した場合に、前記記録装置へのアクセスのエラー発生レベルを監視するエラー監視手段と、前記エラー監視手段が監視しているアクセスのエラーの発生レベルが、所定レベルを超えた場合に、前記記録装置へのアクセスを禁止するアクセス禁止手段とを設けたものである。
【0009】
このような記録装置の動作制御装置によれば、記録装置に対するアクセスの禁止は、ハードディスクドライブなどの記録装置の環境が所定の正常環境状態から逸脱したときに無条件に行うのではなく、リードエラーやライトエラーなどのアクセスエラーの発生レベルが所定レベルを超えて、実際に環境の劣化により記録装置へのアクセスの動作に支障が生じた時点で行う。したがって、個々の記録装置の耐環境性能を最大限に利用することができるようになる。
【0010】
ここで、このような記録装置の動作制御装置においては、前記アクセス禁止手段が、前記アクセスを禁止した後に、前記検出装置が検出した前記環境の状態が、所定の正常環境状態に復帰した場合に、前記アクセスの禁止を解除するようにすることが好ましい。また、この場合には、さらに、前記アクセス禁止手段が前記アクセスを禁止した時点で行われていた前記記録装置へのアクセスを、前記アクセス禁止手段が前記アクセスの禁止を解除した後に再実行するアクセス再実行手段を備えるようにしてもよい。
【0011】
このようにすることにより、環境の劣化に応じて記録装置のアクセスが中断してしまうことの不具合や不便等の程度を小さく押さえることができるようになる。
なお、以上の記録装置の動作制御装置において、前記検出装置が検出する前記記録装置の環境の状態としては、前記記録装置または前記記録装置の周辺の温度や、前記記録装置周辺の湿度や、前記記録装置に加わる振動レベルを用いることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、ハードディスクドライブ(HDD)をオーディオファイルの記録装置として用いる車載オーディオシステムへの適用を例にとり説明する。
図1に、本実施形態に係るオーディオシステムの構成を示す。
図示するように、本実施形態に係るオーディオシステムは、オーディオ処理装置1、表示装置2、入力装置3、スピーカやオーディオアンプ装置などのオーディオ出力装置4、HDD5、CD−AUDIOディスクや、MDなどのデジタルオーディオデータを記録する記録媒体用のドライブ装置であるオーディオ媒体ドライブ6、デジタルオーディオ放送受信機その他の任意のデジタル又はアナログのオーディオ信号出力装置であるオーディオソース7、HDD5の筺体温度を測定する温度センサやHDD5の周辺の湿度を測定する湿度センサやHDD5に加わる振動レベルを検知する加速度センサなどであるHDD環境センサ8とを有している。
【0013】
そして、オーディオ処理装置1は、CPU11、不揮発性の記憶領域を有するメモリ12、表示装置2に接続する表示インタフェース13、オーディオ出力装置4に接続するオーディオ出力インタフェース14、HDD5に接続するHDDインタフェース15、オーディオ媒体ドライブ6に接続するオーディオ媒体ドライブインタフェース(図中では、AMDインタフェース)16、オーディオソース7に接続するオーディオ入力インタフェース17、入力装置3に接続する入力インタフェース18、HDD環境センサ8に接続するセンサインタフェース19、以上の各部を接続するバス20とを備えている。ここで、表示インタフェース13、オーディオ出力インタフェース14、HDDインタフェース15、オーディオ媒体ドライブインタフェース16、オーディオ入力インタフェース17、入力インタフェース18、センサインタフェース19は、各々接続する装置と、オーディオ処理装置1との間との入出力を処理するものである。
【0014】
次に、図2に、このようなオーディオ処理装置1の機能構成を示す。
図示するように、オーディオ処理装置1は、機能的には、オーディオデータを圧縮符号化するエンコーダ27と圧縮符号化されたオーディオデータを復号するデコーダ26とを備えたオーディオデータ処理アプリケーション21、HDD5の動作を制御するHDDドライバ24、オーディオ媒体ドライブ6を制御するオーディオ媒体ドライブドライバ(図中ではAMDドライバ)23、HDD5の環境状態を監視するHDD監視部25、オーディオファイルを記録するファイル記録部28、ファイル記録部28やHDD5やオーディオ媒体ドライブ6にマウントされたオーディオ記録媒体に配置されるオーディオファイルの管理とオーディオファイルのリード/ライトを制御するファイルシステム22とを有する。なお、ファイル記録部28はメモリ12の記憶空間上に形成されるものであり、他部はCPU11がメモリ12の不揮発性の記憶領域に予め記録されているプログラムを実行することによりオーディオ処理装置1上にプロセスとして具現化するものである。なお、ファイル記録部28の記憶空間として、メモリ12の不揮発性の記憶領域を用いることが望ましい。また、ファイルシステム22やHDDドライバ24やオーディオ媒体ドライブドライバ23やHDD監視部25は、オーディオ処理装置1のオペレーティングシステムの一部として、オーディオ処理装置1に実装されるものであってかまわない。
【0015】
このような構成において、オーディオデータ処理アプリケーション21は、ファイルシステム22に要求を発行することによりHDD5やオーディオ媒体ドライブ6からオーディオファイルのオーディオデータを読み出し、必要に応じてデコーダ26で復号してオーディオ出力装置4に出力する処理や、オーディオソース7からオーディオデータを取り込んで必要に応じてデコーダ26で復号して、オーディオ出力装置4に出力する処理を行う。また、ファイルシステム22に要求を発行することによりオーディオ媒体ドライブ6からオーディオファイルのオーディオデータを読み出し必要に応じてエンコーダ27で圧縮符号化してHDD5にオーディオファイルとして格納したり、オーディオソース7からオーディオデータを取り込んで必要に応じてエンコーダ27で圧縮符号化してHDD5にオーディオファイルとして格納する処理を行う。
【0016】
ファイルシステム22は、オーディオデータ処理アプリケーション21の要求に応じて、HDDドライバ24を介したHDD5に対するオーディオファイルのリード/ライトや、オーディオ媒体ドライブドライバ23を介したオーディオ媒体ドライブ6に対するオーディオファイルのリード等の処理を制御する。また、ファイルシステム22は、入力装置3を介したユーザ操作に応じて、HDD5とオーディオ媒体ドライブ6間のオーディオファイルのコピーなどの処理も行う。
なお、オーディオ媒体ドライブドライバ23は、オーディオ媒体ドライブ6に装着されたオーディオ媒体がファイル形式ではなくトラック等としてオーディオデータを記憶しているものである場合に、このようなトラック等をファイルシステム22に対してファイルとしてエミュレートする処理なども行う。
【0017】
以下、このようなオーディオ処理装置1において、HDD5に対するアクセス動作を環境変化に応じて制御する動作について説明する。
この動作は、図3aに手順を示すHDD監視部25が行うHDD監視処理と、図3bに手順を示すファイルシステム22が行うHDDアクセス許可処理によって実現される。
図3aに示すように、HDD監視部25が行うHDD監視処理では、起動すると、まず、エラーカウンタをゼロにリセットし(ステップ302)、その後、HDD環境センサ8の出力が表すHDD環境が正常動作保証範囲内にあるかどうかを判定する(ステップ304)。ここでは、HDD環境センサ8が検出したHDD5の筺体温度が予め定めた(たとえばHDD5の製造者が保証する)HDD5の正常動作が保証される温度範囲から逸脱したか、HDD環境センサ8が検出したHDD5の周辺の湿度の所定の湿度を超過したか、HDD環境センサ8が検出したHDD5に加わる振動レベルが所定の振動レベルを超過した場合に、HDD環境が正常動作保証範囲外にあると判定する。ただし、これらのうちの一つのみ、たとえば、HDD5の筺体温度が、正常動作保証範囲から逸脱したことをもって、HDD環境が正常動作保証範囲内にないと判定するようにしてもよい。
【0018】
そして、HDD環境が正常動作保証範囲内にあれば、ステップ303に戻ってエラーカウンタをリセットする。
一方、HDD環境が正常動作保証範囲外となったならば、HDD5のリードエラーとライトエラーの発生を監視し(ステップ306)、リードエラーかライトエラーといずれかが発生したならば、エラーカウンタを1増加する(ステップ308)。ここで、このリードエラーやライトエラーの発生は、HDDドライバ24又はファイルシステム22において行うECCチェック等のエラーチェック結果から検出するようにしても良い。なお、HDD5がエラー報告機能を備えているものである場合には、このエラー報告に基づいてHDDドライバ24が出力するエラーメッセージに基づいて、リードエラーやライトエラーの発生を検出するようにしても良い。また、リードエラーかライトエラーが発生した場合、ファイルシステム22はエラーが発生したリードまたはエラーをリトライする動作を行う。そして、所定回数以上エラーが続いたならば、リード又はライトの要求元であるオーディオデータ処理アプリケーション21に、HDD5に対するアクセスが失敗した旨を通知する動作を行う。
【0019】
次に、エラーカウンタの値が所定のしきい値Thを超えたかどうかを調べ(ステップ310)、超えていなければステップ306のリードエラーとライトエラーの発生の監視に戻る。一方、エラーカウンタの値が所定のしきい値Thを超えたならば、HDDドライバ24を介してHDD5の動作を停止し(ステップ312)、ファイルシステム22にHDD停止報告を行う(ステップ314)。ただし、HDD及びHDDドライバ24として、HDD5の動作がHDDドライバ24を介して停止できないものを用いる場合などには、HDD監視部25から制御可能な、HDD5への電源供給の遮断回路を設けて、HDD5の動作の停止、稼働を制御するようにしても良い。また、ステップ32のHDD5の動作停止は、これを行わないようにしてもよい。
【0020】
そして、その後、HDD監視部25は、HDD環境センサ8の出力が表すHDD環境が正常動作保証範囲内に復帰するのを待ち(ステップ316)、正常動作保証範囲内に復帰したならば、エラーカウンタをリセットし(ステップ318)、HDDドライバ24や前述したような電源遮断回路を介してHDD5を起動し(ステップ320)、HDD稼働再開報告をファイルシステム22に通知し(ステップ322)、ステップ304のHDD環境が正常動作保証範囲内にあるかどうかの監視に戻る。ただし、ステップ312のHDD5の動作停止を行っていない場合には、ステップ320でHDD5の起動は行う必要がない。
【0021】
一方、図3bに示すように、ファイルシステム22は、起動すると、HDDアクセス制御処理において、まず、HDDアクセス許可設定を行う(ステップ352)。そして、リトライデータが存在するかどうかを調べる(ステップ354)。このリトライデータについては後述する。
【0022】
そして、リトライデータが存在しない場合には、HDD停止報告がHDD監視部25から通知されるのを監視し(ステップ356)、HDD停止報告が通知されたならば、HDDアクセス禁止を設定する(ステップ358)。ここで、ファイルシステム22は、HDDアクセス禁止が設定されている期間は、HDDアクセス許可が設定されるまで、HDD5へのファイルアクセスの要求を受け付けないよう動作する。ただし、ステップ312と320のHDD5の動作停止/起動を行う場合において、ファイルシステム22がHDD5の起動/停止に応じてHDD5を自動的にマウント/アンマウントできるものである場合には、HDDアクセス許可と禁止の設定は行わなくとも良い。
【0023】
次に、ファイルシステム22は、表示装置2を介してユーザにHDD5に対するアクセスが停止したことをユーザに通知する(ステップ360)。また、ここでは、現在行っていたHDD5へのファイルアクセスが、オーディオファイルのコピー又はオーディオデータ処理アプリケーション21からのHDD5への新規オーディオファイルの書き込みであった場合には、HDD5の再稼働時にファイルアクセスをリトライするかどうかの選択もユーザから受け付ける。
【0024】
そして、リトライしないことが選択された場合には(ステップ362)、オーディオデータ処理アプリケーション21にファイルアクセスの失敗を通知して、そのままステップ364に進んで、HDD監視部25からHDD稼働再開報告が通知されるのを待ち、HDD稼働再開報告が通知されたならば、ステップ352に戻って、HDDアクセス許可を設定し、以上の処理を繰り返す。
【0025】
一方、リトライすることが選択された場合には(ステップ362)、現在行っていたHDD5へのファイルアクセスが、HDD5からのオーディオファイルのコピーである場合には、オーディオファイルのコピー元のロケーションとコピー先のロケーションをリトライデータとしてメモリ12の不揮発性の領域に格納する(ステップ374)。一方、現在行っていたHDD5へのファイルアクセスが、HDD5へのオーディオファイルのコピーか、HDD5への新規オーディオファイルの書き込みである場合には、まず、オーディオファイルの書き込み先をHDD5上のローケーションからファイル記録部28の上のローケーションに変更して、そのオーディオファイルの書き込みを行い、書き込みを行ったファイル記録部28の上のロケーションをオーディオファイルのコピー元のロケーション、オーディオファイルを書き込むべきであったHDD5上のロケーションをオーディオファイルのコピー先のロケーションとするリトライデータを、メモリ12の不揮発性の領域に格納する(ステップ374)。ただし、現在行っていたHDD5へのファイルアクセスが、HDD5へのオーディオファイルのコピーである場合には、単に、オーディオファイルのコピー元のロケーションとコピー先のロケーションをリトライデータとしてメモリ12の不揮発性の領域に格納するだけとしても良い。
【0026】
そして、ステップ364に進んで、HDD監視部25からHDD稼働再開報告が通知されるのを待ち、HDD稼働再開報告が通知されたならば、ステップ353に戻って、HDDアクセス許可を設定し、以上の処理を繰り返す。
さて、ステップ354において、リトライデータが存在すると判定された場合、ファイルシステム22は、リトライデータが示すコピー元とコピー先のロケーションにアクセスできるかを調べ(ステップ366)、アクセスできなかった場合(たとえばコピー元やコピー先であるオーディオ記録媒体がオーディオ媒体ドライブ6から外されていた場合)には、リトライ失敗を表示装置2を介してユーザに通知し(ステップ372)、リトライデータを削除し(ステップ370)、ステップ356に進む。一方、リトライデータが示すコピー元とコピー先のロケーションにアクセスできた場合には、そのコピー元のロケーションのオーディオファイルのとコピー先のロケーションへのコピーを行い(ステップ368)、リトライデータを削除した上で(ステップ370)、ステップ356に進む。
【0027】
以上、本発明の実施形態について説明した。
以上のように本実施形態では、HDD5のアクセスを禁止を、HDD環境が所定の正常動作保証範囲から逸脱したときに無条件に行うのではなく、リードエラーやライトエラーの発生など実際に環境の劣化によりHDD5の動作に支障が生じた時点で行う。したがって、個々のHDD5の耐環境性能を最大限に利用することができるようになる。また、HDD5のアクセスを禁止した時点に行っていたアクセスを、HDD環境が正常状態に復帰しHDD5のアクセスの禁止を解除した後に再度行うようにしたので、環境劣化によりHDD5のアクセスが中断することによる不具合や不便等の程度を小さく押さえることができる。
【0028】
ところで、以上では、HDD環境が所定の正常動作保証範囲から逸脱した後にHDD5のリードまたはライトエラーが所定のしきい値となったかどうかを判定し、しきい値以上となったときに、アクセスの禁止の処理を行うするようにしたが、これは、HDD環境が所定の正常動作保証範囲から逸脱した後にHDD5のリードまたはライトエラーの発生頻度を算出し、発生頻度が所定レベル以上となったときに、アクセスの禁止の処理を行うようにしてもよい。また、温度や湿度や振動レベルなどの着目する環境が、正常動作保証範囲外に設定したHDD5にとって、特段に厳しい所定の状況まで達したならば、リードまたはライトエラーの回数や頻度に関わらず、強制的にHDD5のアクセスを禁止する処理を併せて行うようにしても良い。
【0029】
また、以上ではHDD5のアクセス禁止によって中断したHDD5へのファイルアクセスのリトライ(再実行)をファイルシステム22で行うようにしたが、このようなリトライはオーディオデータ処理アプリケーション21側で行うようにしても良い。また、この場合には、単なるオーディオファイルアクセスのリトライのみならず、たとえば、指定されたロケーションからオーディオファイルを読み込んで、圧縮復号化処理や復号化処理を施して、指定されたロケーションにオーディオファイルとして格納したり、オーディオ出力装置4に出力したりするような、HDD5へのファイルアクセスを処理の一部として含むタスクを、リトライの対象として実行するようにしてかまわない。
【0030】
また、以上の実施形態では、HDD5への適用を例にとり示したが、以上の、環境に応じたHDD5のアクセスの禁止/解除やHDD5の停止/起動の技術や、リトライの技術はHDD5に限らず任意の記録装置に同様に適用可能である。
また、同様に、リードやライトの対象がオーディオファイル以外の任意のファイルやデータである場合にも同様に適用することができる。
【0031】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、記録装置の性能をより活用することのできるように、環境に応じた記録装置に対するアクセス動作の制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るオーディオシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係るオーディオ処理装置の機能構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係るハードディスクドライブの環境変化に応じた動作制御の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1:オーディオ処理装置、2:表示装置、3:入力装置、4:オーディオ出力装置、5:HDD、6:オーディオ媒体ドライブ、7:オーディオソース、8:HDD環境センサ、11:CPU、12:メモリ、13:表示インタフェース、14:オーディオ出力インタフェース、15:HDDインタフェース、16:オーディオ媒体ドライブインタフェース、17:オーディオ入力インタフェース、18:入力インタフェース、19:センサインタフェース、20:バス、21:オーディオデータ処理アプリケーション、22:ファイルシステム、23:オーディオ媒体ドライブドライバ、24:HDDドライバ、25:HDD監視部、26:デコーダ、27:エンコーダ、28:ファイル記録部。
Claims (8)
- 情報を記録する記録装置へのアクセス動作を制御する記録装置の動作制御装置であって、
前記記録装置の環境の状態を検出する検出装置と、
前記検出装置が検出した前記環境の状態が、所定の正常環境状態から逸脱した場合に、前記記録装置へのアクセスのエラー発生レベルを監視するエラー監視手段と、
前記エラー監視手段が監視しているアクセスのエラーの発生レベルが、所定レベルを超えた場合に、前記記録装置へのアクセスを禁止するアクセス禁止手段とを有することを特徴とする 記録装置の動作制御装置。 - 請求項1記載の記録装置の動作制御装置であって、
前記アクセス禁止手段は、前記アクセスを禁止した後に、前記検出装置が検出した前記環境の状態が、所定の正常環境状態に復帰した場合に、前記アクセスの禁止を解除することを特徴とする記録装置の動作制御装置。 - 請求項2記載の記録装置の動作制御装置であって、
前記アクセス禁止手段が前記アクセスを禁止した時点で行われていた前記記録装置へのアクセスを、前記アクセス禁止手段が前記アクセスの禁止を解除した後に再実行するアクセス再実行手段を有することを特徴とする記録装置の動作制御装置。 - 請求項1、2または3記載の記録装置の動作制御装置であって、
前記検出装置が検出する前記記録装置の環境の状態は、前記記録装置または前記記録装置の周辺の温度であって、前記所定の正常環境状態は、所定の温度範囲内に、前記記録装置または前記記録装置の周辺の温度が存在する状態であることを特徴とする記録装置の動作制御装置。 - 請求項1,2または3記載の記録装置の動作制御装置であって、
前記検出装置が検出する前記記録装置の環境の状態は、前記記録装置の周辺の湿度であって、前記所定の正常環境状態は、所定の湿度範囲内に、前記記録装置または前記記録装置の周辺の湿度が存在する状態であることを特徴とする記録装置の動作制御装置。 - 請求項1,2または3記載の記録装置の動作制御装置であって、
前記検出装置が検出する前記記録装置の環境の状態は、前記記録装置に加わる振動レベルであって、前記所定の正常環境状態は、所定の振動レベル範囲内に、前記記録装置に前記記録装置に加わる振動レベルが存在する状態であることを特徴とする記録装置の動作制御装置。 - 記録する記録装置へのアクセス動作を制御する記録装置の動作制御方法であって、
前記記録装置の環境の状態を検出するステップと、
検出した前記環境の状態が、所定の正常環境状態から逸脱した場合に、前記記録装置へのアクセスのエラー発生レベルを監視するステップと、
監視しているアクセスのエラーの発生レベルが、所定レベルを超えた場合に、前記記録装置へのアクセスを禁止するステップとを有することを特徴とする記録装置の動作制御方法。 - コンピュータによって読みとられ実行されるコンピュータプログラムであって、
当該コンピュータプログラムは、前記コンピュータに、
前記記録装置の環境の状態を検出するステップと、
検出した前記環境の状態が、所定の正常環境状態から逸脱した場合に、前記記録装置へのアクセスのエラー発生レベルを監視するステップと、
監視しているアクセスのエラーの発生レベルが、所定レベルを超えた場合に、前記記録装置へのアクセスを禁止するステップとを実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
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