JP2004258307A - 投射型表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】コントラストの高い像を投射することのできる小型の投射型表示装置を提供する。
【解決手段】光源101から射出した光は、偏光ビームスプリッタ102の偏光分離部102Pで偏光分離され、色分解合成用複合プリズム103に入射し、偏光分離部102Pと平行ではない第1のダイクロイック膜と第2のダイクロイック膜により第1色光、第2色光、第3色光に色分解され、全反射を経て第1色光、第2色光、第3色光毎に配置された反射型ライトバルブ104B、104R、104Gに導かれる。第1のダイクロイック膜と第2のダイクロイック膜と偏光分離部102Pとは、光源101からの光の光軸に対して同じ側に傾いている。反射型ライトバルブで変調された各色光は色分解合成用複合プリズム103で色合成された後、偏光ビームスプリッタ102で検光されて投射レンズ105で投射される。
【選択図】 図1
【解決手段】光源101から射出した光は、偏光ビームスプリッタ102の偏光分離部102Pで偏光分離され、色分解合成用複合プリズム103に入射し、偏光分離部102Pと平行ではない第1のダイクロイック膜と第2のダイクロイック膜により第1色光、第2色光、第3色光に色分解され、全反射を経て第1色光、第2色光、第3色光毎に配置された反射型ライトバルブ104B、104R、104Gに導かれる。第1のダイクロイック膜と第2のダイクロイック膜と偏光分離部102Pとは、光源101からの光の光軸に対して同じ側に傾いている。反射型ライトバルブで変調された各色光は色分解合成用複合プリズム103で色合成された後、偏光ビームスプリッタ102で検光されて投射レンズ105で投射される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は投射型表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、偏光ビームスプリッタで偏光分離した光源からの光を色分解合成複合プリズムで色分解し、各色光毎に配置された反射型ライトバルブに入射させ、変調されて反射した各色光を色分解合成複合プリズムで色合成して偏光ビームスプリッタにて検光して取りだし、投射レンズにて投射する小型の投射型表示装置として、特開2002−162613公報に記載された装置が知られている。
【0003】
図10にこの投射装置の構成図を示す。光源11から射出された光は、その光軸が偏光ビームスプリッタ12を構成するプリズム12Aの入射面に垂直に入射する。偏光分離部12pを透過したP偏光の光はプリズム12Bの射出面から射出する。ただしこの射出面は、射出する光軸と直交しないようにプリズム12Bは形成されている。偏光ビームスプリッタ12を射出した光は、3つのプリズム13A,13B、13Cから構成される色分解合成用複合プリズムに入射する。プリズム13Aの面13bにはB(青)光反射ダイクロイク膜、面13aには全反射膜が形成され、プリズム13Bの面13dには全反射膜、面13eにはR(赤)光反射ダイクロイック膜が形成され、プリズム13Cの面13hには全反射膜が形成されている。色分解合成用複合プリズム13はプリズム13Aとプリズム13Bとは面13bと面13dを相対して空間を介して配置され、プリズム13Bとプリズム13Cとは面13eのダイクロイック膜を挟んで接合して形成されている。
【0004】
偏光ビームスプリッタ12を射出した光は、その光軸が色分解合成用複合プリズム13の面13aに入射面と直交しない角度で入射し、面13bのB光反射ダイクロイック膜に所定の入射角度で入射して反射されるB(青)光と、B光反射ダイクロイック膜を透過し、プリズム13Bに面13dから入射するR(赤)光、G(緑)光とに色分解される。B光反射ダイクロイック膜で反射されたB光は面13aで全反射し、面13cから射出して反射型ライトバルブ14Bに入射する。
【0005】
前記R光とG光は面13eのR光反射ダイクロイック膜で反射されるR光と、透過するG光とに色分解され、面13d、13hにおいてそれぞれ全反射され、面13g、13fから射出し、反射型ライトバルブ14R、14Gにそれぞれ入射する。
【0006】
各色光用の反射型ライトバルブで反射した各色光は入射光の光路を逆行し、複合プリズム13で色合成され偏光ビームスプリッタ12に入射し、反射型ライトバルブで変調された光は偏光分離部12pで反射され投射レンズ15に入射して図示しないスクリーン上に投射される。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−162613号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記のような構成の投射型表示装置では、ダイクロイック膜で色分解された各色光はそれぞれ全反射してライトバルブに入射しており、ダイクロイック膜での反射、透過による偏光の位相の変化を全反射面に形成した全反射膜で補償できるという機能を有しているが、R光とG光ではコントラスト高い像を投射することができないという問題があった。また色分解合成用複合プリズムを構成する少なくとも2つのプリズムは空間を介して配置されているため、色分解合成用複合プリズムの作製が複雑になり、製造にコストがかかるという問題もあった。
【0009】
本発明は、コントラストの高い像を投射することのできる小型の投射型表示装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために請求項1に係る発明は、光源からの光を偏光ビームスプリッタの偏光分離部で偏光分離し、前記偏光分離した前記光源からの光を色分解合成用複合プリズムにより第1色光、第2色光、第3色光に色分解して前記第1色光、第2色光、第3色光毎に配置された反射型ライトバルブに導き、前記反射型ライトバルブで変調された前記第1色光、第2色光、第3色光を前記色分解合成用複合プリズムで色合成し、前記色合成した光を前記偏光ビームスプリッタで検光して投射レンズで投射する投射型表示装置において、前記色分解合成用複合プリズムは、第1のダイクロイク膜および第2のダイクロイク膜とを内部に有し、前記第1のダイクロイック膜と第2のダイクロイック膜とは、前記偏光分離部と平行ではなく、前記第1のダイクロイック膜と第2のダイクロイック膜と前記偏光分離部とは、前記光源からの光の光軸に対して、同じ側に傾いており、前記第1のダイクロイック膜と第2のダイクロイック膜で色分解された前記第1色光、第2色光、第3色光は全反射して前記色分解合成用複合プリズムから射出し、前記反射型ライトバルブに導かれることを特徴とする投射型表示装置を提供する。
【0011】
請求項2に係る発明は、光源からの光を偏光ビームスプリッタの偏光分離部で偏光分離し、前記偏光分離した前記光源からの光を色分解合成用複合プリズムにより第1色光、第2色光、第3色光に色分解して前記第1色光、第2色光、第3色光毎に配置された反射型ライトバルブに導き、前記反射型ライトバルブで変調された前記第1色光、第2色光、第3色光を前記色分解合成用複合プリズムで色合成し、前記色合成した光を前記偏光ビームスプリッタで検光して投射レンズで投射する投射型表示装置において、前記色分解合成用複合プリズムは、実質的に四角の断面形状の第1プリズムと実質的に三角の断面形状の第2プリズムとを第1のダイクロイク膜を挟んで接合した第1複合プリズムと、実質的に三角の断面形状の第3プリズムと実質的に三角の断面形状の第4プリズムとを第2のダイクロイック膜を挟んで接合した第2複合プリズムとを有し、前記第1複合プリズムと前記第2複合プリズムとは空間を介して配置され、前記偏光ビームスプリッタで偏光分離された光は、前記第1プリズムから前記色分解合成複合プリズムに入射し、前記第1のダイクロイック膜と第2のダイクロイック膜とは、前記偏光分離部と平行ではなく、前記第1のダイクロイック膜と第2のダイクロイック膜と前記偏光分離部とは、前記光源からの光の光軸に対して、同じ側に傾いていることを特徴とする投射型表示装置を提供する。
【0012】
請求項3に係る発明は、請求項1または2に記載の投射型表示装置において前記第1のダイクロイック膜および第2のダイクロイック膜は互いに平行であることを特徴とする投射型表示装置を提供する。
【0013】
請求項4に係る発明は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の投射型表示装置において前記色分解合成複合プリズムを射出し前記反射型ライトバルブに入射する光の光軸のうち少なくとも2つの色光の光軸は互いに平行であることを特徴とする投射型表示装置を提供する。
【0014】
請求項5に係る発明は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の投射型表示装置において前記偏光ビームスプリッタの偏光分離部で偏光分離した光の光軸は、前記偏光ビームスプリッタの射出面の法線に対して角度Θ度だけ傾いており、前記偏光ビームスプリッタの射出面と前記第1および第2ダイクロイック膜とのなす角度は(90+Θ/3)度であることを特徴とする投射型表示装置を提供する。
【0015】
請求項6に係る発明は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の投射型表示装置において前記色分解合成用複合プリズムは断面が二等辺三角形であることを特徴とする投射型表示装置を提供する。
【0016】
請求項7に係る発明は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の投射型表示装置において前記色分解合成用複合プリズムは断面が正三角形であることを特徴とする投射型表示装置を提供する。
【0017】
請求項8に係る発明は、光源からの光を偏光ビームスプリッタの偏光分離部で偏光分離し、前記偏光分離した前記光源からの光を色分解合成用複合プリズムにより第1色光、第2色光、第3色光に色分解して前記第1色光、第2色光、第3色光毎に配置された反射型ライトバルブに導き、前記反射型ライトバルブで変調された前記第1色光、第2色光、第3色光を前記色分解合成用複合プリズムで色合成し、前記色合成した光を前記偏光ビームスプリッタで検光して投射レンズで投射する投射型表示装置において、前記色分解合成用複合プリズムは、内部に前記光源からの光を第1色光と、第2色光と第3色光の混合光とに色分解する第1のダイクロイック膜と、前記混合光を第2色光と第3色光とに色分解する第2のダイクロイック膜とを有し、前記第1のダイクロイック膜で色分解された前記第1色光は、前記色分解合成用複合プリズムの側面で全反射して前記第1色光用に配置された反射型ライトバルブに入射し、前記第1のダイクロイック膜で色分解された第2色光と第3色光の混合光は、前記色分解合成用複合プリズムの側面で全反射して前記第2のダイクロイック膜に入射し、前記第2のダイクロイック膜で反射された前記第2色光は前記第2色光用に配置された反射型ライトバルブに入射し、前記第2のダイクロイック膜を透過した前記第3色光は前記第3色光用に配置された反射型ライトバルブに入射することを特徴とする投射型表示装置を提供する。
【0018】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
本発明に係る投射型表示装置の第1実施形態を示す構成図を図1に示し、図面を参照しながら説明する。
【0019】
ランプと放物面形状の凹面鏡からなる光源101から射出された略平行光束の光源光は、断面形状が三角形のプリズム102A、102Bを偏光分離膜102pを介して接合した偏光ビームスプリッタ102のプリズム102Aにその光軸が面102aに垂直に入射する。入射した光の光軸は偏光分離部102pに45度の入射角度で入射し、偏光分離部102pで反射されるS偏光と透過するP偏光に偏光分離され、P偏光成分はプリズム102Bの面102cから射出して色分解合成複合プリズム103に入射する。偏光分離膜102pで反射されたS偏光はプリズム102Aの面102bから射出し光路から廃棄される。
【0020】
偏光ビームスプリッタ102のプリズム102bのP偏光成分が射出する102c面は紙面に対して垂直で、その法線は射出光の光軸に対して7度傾いている。この射出面が傾いているのは、射出する光の一部が射出面で反射され、偏光ビームスプリッタ102の偏光分離部102pで反射し、偏光ビームスプリッタ102の面102dから射出し投射レンズ105に入射してしまい図示しないスクリーン上にゴースト光として投射されるのを防ぐためである。つまり面102cでの反射によるゴースト像を防止するためにプリズム102Bの面102cは射出する光の光軸に対して垂直でない傾きになっている。投射レンズ105には、反射型ライトバルブから反射射出して投射レンズ105に入射して投射される光の開口数(NA)を決定する図示しない開口絞りが配置されており、偏光ビームスプリッタ102の面102cからの反射光のうち開口数(NA)であるF3.0より大きい傾きを有する反射光は投射レンズ105に入射しても、開口絞りで遮光され投射されないようになっている。
【0021】
次に色分解合成用複合プリズム103の構成について説明する。色分解合成複合プリズム103は図1に示す断面が四角形のプリズム103A、三角プリズム103B、103C、103Dの4個のプリズムから構成される複合プリズムである。プリズム103A、プリズム103B、プリズム103C、プリズム103Dの側面は紙面に対して垂直である。プリズム103Aの面103aには全反射膜が形成され、103bにはB光反射ダイクロイック膜が形成されている。プリズム103Cの側面103hには全反射膜が形成され、103kにはR光反射ダイクロイック膜が形成されている。プリズム103Dの面103mには全反射膜が形成されている。プリズム103Aの面103bとプリズム103Bの面103eを、面103dと面103fとが同一平面を形成するように貼り合わて複合四角プリズムが形成されている。プリズム103Cの面103jとプリズム103Dの面103kとを貼り合わせて複合三角プリズムが形成されている。プリズム103Aの面103dとプリズム103Bの面103fからなる平面と、プリズム103Cの面103hとは空間を介して平行に相対して配置され、プリズム103A、103B、103C、103Dからなる色分解合成用複合プリズム103が形成されている。なお全反射膜は、各面での全反射の効率を向上させるためばかりではなく、各色光が全反射面で全反射される際にそのP偏光成分とS偏光成分の位相差を調整するために形成されている。
【0022】
複合プリズム103を構成するプリズム103A、103B、103C、103Dの断面形状について説明する。プリズム103Aは、面103aと面103cとのなす角度が54度、面103aと面103bの成す角度は30.5度、面103cと面103dとのなす角度が126度、面103bと面10dとのなす角度が149.5度の断面が四角形のプリズムである。プリズム103Bの面103fは、プリズム103Aの面103dと平面を形成するため、面103eと面103fとのなす角は30.5度でなければならない。面103eと面103gとのなす角度、面10gと面103fとのなす角度に特に制限はない。本実施形態では面103eと面103gとのなす角度は36度、面103gと面103fとのなす角度は113.5度とした。
【0023】
プリズム103Cは面103hと面103jとのなす角度が30.5度、面103hと面103iとのなす角度が54度、面103iと面103jとのなす角度が95.5度の断面が三角形のプリズムであり、プリズム103Dは面103kと面103mとのなす角度が30.5度、面103lと面103mとのなす角度が54度、面103kと面103lとのなす角度が95.5度の断面が三角形のプリズムである。
【0024】
色分解合成用複合プリズム103は、偏光ビームスプリッタ102のP偏光の射出面102cとプリズム103Aの面103aが空間を介して平行に相対する様に配置される。偏光ビームスプリッタ102から射出したP偏光の光は、その光軸が色分解合成用複合プリズム103の面103aに対して7度の角度で入射し、面103bのB光反射ダイクロイック膜に23.5度の入射角で入射し、反射されるB光と、透過してプリズム103Bに入射するR光とG光の混合光とに色分解される。B光反射ダイクロイック膜で反射されたB光は面103aの全反射面に対して54度の入射角で入射して、全反射され、その光軸が面103cに対して垂直に射出し射出面近傍に配置されるB光用反射型ライトバルブ104Bに入射する。
【0025】
B光反射ダイクロイック膜を透過したR光とG光の混合光は、プリズム103Bの面103fから射出した後、空間を通過してプリズム103Cに面103hから入射する。プリズム103Cに入射したR光とG光の混合光は面103jのR光反射ダイクロイック膜にその光軸が23.5度の入射角度で入射する。
【0026】
R光反射ダイクロイック膜で反射されたR光は面103hの全反射面にその光軸が54度の入射角で入射し、全反射されてその光軸が面103iに対して垂直に射出し、射出面近傍に配置されるR光用反射型ライトバルブ104Rに入射する。R光反射ダイクロイック膜を透過したG光はプリズム103Dに入射し、面103mの全反射面にその光軸が54度の入射角で入射し、全反射されてその光軸が面103lに対して垂直に射出し、射出面近傍に配置されるG光用反射型ライトバルブ104Bに入射する。
【0027】
全反射面から射出面までの各色光の光軸はB光とR光は平行であるが、G光はB光、R光の光軸とは平行にはなっていない。
本実施形態では、B光反射ダイクロイック膜とR光反射ダイクロイック膜は平行に配置されており、2つのダイクロイック膜への入射光の光軸の入射角度はB光、R光とも同じ23.5度であり、これらのダイクロイック膜で色分解されたB光、R光の光軸はそれぞれ同じ54度の入射角度で全反射面に入射して全反射する。各プリズムの射出面からその光軸が射出面に対して垂直に射出され各色光毎に配置された反射型ライトバルブに入射する。
【0028】
各色光用の反射型ライトバルブに入射した各色光は色信号によって変調作用を受け、反射して入射光の光路を逆に進行して合成され、色分解合成用複合プリズム103の面103aからB光、R光、G光が合成された合成光として射出する。射出した合成光は偏光ビームスプリッタ102のプリズム102Bに入射し、反射型ライトバルブで変調を受けた光は偏光分離部102pで反射して検光光として取りだされ、投射レンズ105に入射し、図示なきスクリーン上に投影される。偏光分離部102pを透過する非変調光は光源101方向に面102aから射出し廃棄される。上記したように投射レンズ105には開口絞りが備えられており、ライトバルブからの反射光のうち開口数(NA)としてF値が3.0の広がりを持つ光束を透過する。
【0029】
色分解合成複合プリズム103の構造を説明したが、偏光ビームスプリッタ102の偏光分離部102pと色分解合成用複合プリズム103の複数のダイクロイック膜は偏光分離膜102pと平行ではないが、同じ方向を向いた傾きを持っている。すなわち図1の構成図において、偏光分離部102pとB光反射およびR光反射ダイクロイック膜はその面の法線方向が右上方向を向くように配置されている。
【0030】
次に投射型表示装置における投射像のコントラストについて説明する。ここでは投射型表示装置の各色光において、投射される光のライトバルブが明状態と暗状態の時の光量の比をコントラストと定義する。図2に本実施形態に示した投射型表示装置のB光のコントラストの計算値を示す。図2はコントラストマップであり、横軸がプリズム103Aの面103aでB光が全反射されたときに生じるP偏光とS偏光の位相差(単位:度)であり、縦軸は面103bのB光反射ダイクロイック膜でB光が反射された時に生じるP偏光とS偏光の位相差(単位:度)で、開口数のF値が3.0以内の光線のコントラストの平均値を等高線で示している。B光のコントラストは偏光分離部102pやB光反射ダイクロイック膜や全反射膜への入射角等から計算することができる。等高線はコントラスト値が1000:1、500:1、200:1、100:1のものを示しており、1000:1の等高線にて囲まれた領域ではそれ以上のコントラストを得ることができる。
【0031】
次にR光のコントラストについて説明する。本実施形態では面103jのR光反射ダイクロイック膜と面103eのB光反射ダイクロイック膜は平行であり、全反射する面103hと面103aは平行に配置されている。このような条件でコントラストマップを作製すると、R光がプリズム103Aの面103eのB光反射ダイクロイック膜を透過する際にR光のP偏光とS偏光の位相差がゼロ度となるようにB光反射ダイクロイック膜を形成すれば、図2に示したB光と同様のコントラストマップになり、高いコントラストを示す領域を得ることができる。
【0032】
G光についても、R光反射ダイクロイック膜への入射角度は、B光反射ダイクロイック膜へ入射するR光と同じ角度であり、全反射する面103mに入射するG光の入射角もB光、R光と同じなので、横軸に全反射膜によるP偏光とS偏光の位相差、縦軸を103k面のR光反射ダイクロイック膜の透過によるP偏光とS偏光の位相差を取ると、G光がB光反射ダイクロイック膜、R光反射ダイクロイック膜を透過する際のP偏光とS偏光の位相差がゼロ度になるように2つのダイクロイック膜を作製すれば、B光、R光と同様に高コントラスの領域が存在する。
【0033】
ここで図10に示した従来の投射型表示装置の各色のコントラストについて説明する。図10において、B光反射ダイクロイック膜にB光はその光軸が本実施形態と同様に23.5度の入射角で入射し、全反射面への入射角も同様に54度とする。R光はR光反射ダイクロイック膜へのその光軸の入射角は−12度、全反射面への入射角は−47.5度、G光の全反射面への入射角度は50度である。
【0034】
この条件での各色光のコントラストについて説明する。B光は、本実施形態のB光のコントラストを示した図2と同様のコントラストが得られる。R光のコントラストマップを図3に示す。図3は、横軸が全反射面で反射する際のP偏光とS偏光の位相差、縦軸はR光反射ダイクロイック膜での反射によるP偏光とS偏光の位相差であり、B光反射ダイクロイック膜を透過するR光の位相差をゼロとした場合のコントラストマップであり、等高線は1000:1、500:1、200:1、100:1を示している。この従来技術に示した投射型表示装置のR光のコントラストマップを、本実施形態に示したR光のコントラストマップ(図2)と比較すると、従来技術に示した投射型表示装置において高コントラストを得ることができる領域は非常に小さくなっている。したがってコントラストの高い投射像を得るには非常に厳密な条件でダイクロイック膜と全反射膜を作製しなければならず、事実上R光において高いコントラストを有する投射像を形成することは困難である。次にG光のコントラストについて説明する。図4に従来技術に示した投射型表示装置におけるG光のコントラストマップを示す。B光反射ダイクロイック膜の透過における位相差はゼロとした場合である。このコントラストマップに示すようにG光もR光と同様に高コントラスト領域は非常に小さく、高いコントラストを持った投射像を形成することは困難である。
【0035】
このように本実施形態に示した投射型表示装置は、B光、R光、G光それぞれの投射像のコントラストを良好にすることができる。また、偏光ビームスプリッタの射出面での反射光に起因するのゴーストを防止することも可能である。さらに偏光ビームスプリッタ102から射出されるP偏光の光が入射する色分解合成複合プリズム103の面103aは、偏光ビームスプリッタ102の射出面と平行に配置されているので、この入射面における反射光に起因するゴースト光の発生も同様に防止することができる。
【0036】
また本実施形態に示した投射型表示装置では、B光、R光、G光用のライトバルブ104B、104R、104Gを色分解合成用複合プリズム103の同じ側に配置するので、レジストレーション調節等の際のライトバルブの扱いが容易になるという効果もある。
【0037】
なお、本実施形態においては、光源からの光のうち偏光ビームスプリッタ102の偏光分離部102pを透過して射出するP偏光成分を色分解合成用複合プリズムに入射する構成としているが、偏光分離部102pで反射されて面102bから射出するS偏光成分を色分解合成複合プリズムに入射させ、各色光のライトバルブで反射される各色光のうち偏光分離部102pを透過して射出するP偏光の光を検光光として投射レンズに入射する構成としても構わない。
【0038】
本実施形態に示した色分解合成用複合プリズム103は図1に示した構成に限定されるものではない。他の構造の色分解合成用複合プリズムの例を図5に示す。図5に示す色分解合成用複合プリズムは、面103bのB光反射ダイクロイック膜と面103jのR光反射ダイクロイック膜は平行で、これらのダイクロイック膜へ入射するの各色光の光軸の入射角は同じであり、B光、R光の光軸の全反射面への入射角が同じである点は図1に示した色分解合成用複合プリズムと同じであるが、各色光が全反射した後に色分解合成用複合プリズムから射出する射出面である103c、面103i、面103lが同一平面上にあることに特徴がある。
【0039】
この場合のプリズム103A、103B、103C、103Dの形状は、プリズム103A、103B、103Cについては図1に示したプリズムと同じ形状で、構成も同じである。プリズム103Dは、面103kと面103lとのなす角度が84.5度、面103jと面103mとのなす角度は36度、面103mと面103lとのなす角度は59.5度である断面形状が三角形のプリズムである。このプリズム103Dを使用すると、前述の面103C、103i、103lを同一平面上に配置することが可能になり、各色光の射出光の光軸は射出面に垂直でそれぞれ平行になる。したがって各色光用のライトバルブを同一平面上に配置することが可能になり、ライトルブのレジストレーション調節等の際のライトバルブの扱いがさらに容易となる。
(第2実施形態)
図6に第2実施形態の構成図を示す。本実施形態の色分解合成用複合プリズム103は全体の断面が三角形の複合プリズムであり、面103c、面103i、面103lによって形成される平面に対してB光反射ダイクロイックロイック膜とR光反射ダイクロイック膜が垂直である。なおこの色分解合成用複合プリズム103においては、面103aと面103b、面103eと103gとのなす角度(α)は同じである。
【0040】
偏光ビームスプリッタ102の光源からの光のうちP偏光の光が射出する面102cと、射出する光の光軸に垂直な面(点線にて記載)とのなす角度をΘ度(第1実施形態における面102cの法線と射出する光の光軸とのなす角度と同じである。ただしΘは0ではない。)とすると、角度αを((90+Θ)/3)にすれば、色分解合成用複合プリズム103は面103aと面103gとのなす角度、面103mと面103lとのなす角度が等しい(2α)二等辺三角形プリズムとなる。この場合B光反射およびR光反射ダイクロイック膜への入射光の光軸の入射角は(30−2Θ/3)度になり、全反射面への入射光の光軸の入射角は面103aと面103cとなす角度(60−Θ/3)度と同じになる。
【0041】
第1実施形態と同様に各色光用のライトバルブからの光を投射する投射レンズの開口数がF値として3.0の場合には、Θの値は同様に7度になり、面103aと面103bのなす角度、面103eと面103gのなす角度、面103hと面103jのなす角度、面103kと面103mのなす角度ははそれぞれ32度20分、面103aと面103cのなす角度、面103hと面103iとのなす角度、面103lと面103mのなす角度はそれぞれ57度40分となり、各ダイクロイック膜への各色光の入射光軸の入射角度は25度20分、全反射面への各色光の入射光軸の入射角度は57度40分になる。
【0042】
本実施形態に示した投射型表示装置では、プリズム103Cと103Dを同じ断面形状の直角プリズムにすることができるため、製造のコストダウンを図ることができる。
(第3実施形態)
図7に第3実施形態の投射型表示装置の構成を示す。本実施形態の偏光ビームスプリッタ202の断面は正方形で、色分解合成用複合プリズム203の断面は正三角形である。
【0043】
光源201から射出された光は、断面形状が直角二等辺三角形であるプリズム202A、202Bを偏光分離部202pを挟んで接合した偏光ブームスプリッタ202のプリズム202Aの面202aにその光軸が垂直に入射する。入射した光は偏光分離部202pに45度の入射角で入射して、P偏光成分が偏光分離部202pを透過し、プリズム202Bの面202cから射出する。射出した光は偏光ビームスプリッタ202に空間を介して平行に相対して配置される複合プリズム203に入射してB光、R光、G光に色分解される。
【0044】
本実施形態の色分解合成用複合プリズムの構造を説明する。色分解合成用複合プリズム203は四角形形状のプリズム203A、三角プリズム203B、203C、203Dの4個のプリズムから構成される複合プリズムである。プリズム203A、プリズム203B、プリズム203C、プリズム103Dの側面は紙面に対して垂直である。プリズム203Aの面203aには全反射膜が形成され、面203bにはB光反射ダイクロイック膜が形成されている。面203aと203cとのなす角度は60度、面203aと面203bとの成す角度は30度を、面203bと面203dとのなす角度は150度、面203cと面203dとのなす角度は120度である。プリズム203Bは面203eと面203fとのなす角度、面203eと面203gとのなす角度はそれぞれ30度、面203gと面203fとのなす角度は120度である。プリズム203Cとプリズム203Dは面203hと面203jとのなす角度、面203kと面203mとのなす角度がそれぞれ30度、面203hと面203i、面203mと203lとのなす角度がそれぞれ60度、面203iと面203j、面203mと面203lとのなす角度がそれぞれ90度である。面203hと面203mには全反射膜が形成され、面203jにはR光反射ダイクロイック膜が形成されている。プリズムAとプリズムBとはB光反射ダイクロイック膜を挟んで面203bと面203eが接合され、プリズムAの面203dとプリズム203Bの面203fが同一平面を形成している。プリズムCとプリズムDはR光反射ダイクロイック膜を挟んで面203jと面203kが接合されている。プリズムAとプリズムBを接合した接合プリズムと、プリズムCとプリズムDを接合した接合プリズムは面203c、面203i、面203lが同一平面を形成し、面203g、面203mも同一平面を形成して面203f、面203dと面203hが空間を介して平行に相対するように配置する。
【0045】
偏光ビームスプリッタ202と色分解合成用複合プリズム203は、偏光ビームスプリッタ202のP偏光の光が射出する面202cと面203aが空間を介して平行に相対するように配置する。
【0046】
なお、本実施形態における色分解合成用複合プリズムは断面が正三角形の複合プリズムである。なお断面は正三角形に限定されるものではない。例えば、面203aと203cとのなす角が60度でない任意の角度Ωで、面203lと面203mとのなす角度が同じ角度Ω度とすると、色分解合成用複合プリズムは二等辺三角形になる。面203aと203bとのなす角度、面203eと203gとのなす角度をそれぞれ(90−Ω)度とし、面203aに偏光ビームスプリッタ202を射出した光を光軸が垂直に入射させると、面203bのB光反射ダイクロイック膜に(90−Ω)度で入射し、全反射面への光軸の入射角はΩ度になる。このような色分解合成用複合プリズムを使用すると各色光の全反射面からライトバルブへの光軸はそれぞれ平行で、射出面に垂直に射出させることができる。
【0047】
本実施形態では偏光ビームスプリッタ202のプリズム202Bの射出面での反射光と、色分解合成用複合プリズム203の入射面203aでの反射光に起因するゴーストを防止するために、これらの面に反射防止膜を形成しても構わない。反射防止膜を形成する場合には、この反射防止膜を透過する際に各色光のP偏光とS偏光に実質的に位相差が生じない様に反射防止膜を形成する必要がある。
なお面203aは、B光反射ダイクロイック膜で反射されたB光を全反射させる面でもあるので、面203aの反射防止膜は全反射膜としても機能するように形成する。
【0048】
本実施形態においてもB光反射ダイクロイック膜とR光反射ダイクロイック膜への入射光の光軸の入射角は同じで、B光、R光、G光の全反射面への入射角度も同じなので、第1、第2実施形態と同様に、各色で同じコントラストマップが得られ、コントラストの良好な像を投射することができる。またレジストレーション調節の際等のライトバルブの扱いも容易である。
(第4実施形態)
図8に第4実施形態の投射型表示装置の構成を示す。本実施形態における偏光ビームスプリッタ302の断面は第3実施形態の投射型表示装置と同様に正方形である。色分解合成用複合プリズム303の断面は第3実施形態と同様に正三角形であるが、その構造は異なっている。
【0049】
本実施形態の色分解合成用複合プリズム303は、図7に示す三角形状の3つのプリズム、プリズム303A、303B、303Cのから構成される複合プリズムである。プリズム303A、プリズム303B、プリズム303Cの側面はそれぞれ紙面に対して垂直である。
【0050】
本実施形態の色分解合成用複合プリズムの構造を説明する。プリズム303Aの面303aと面303cとのなす角度は60度、面303aと面303bとのなす角度は30度、面303cと面303bとのなす角度は90度をである。プリズムAの面303aには全反射膜が形成され、面303bにはB光反射ダイクロイック膜が形成されている。プリズム303Bの面303dと面303eとのなす角度と、面303eと面303fとのなす角度はそれぞれ30度で、面303dと面303fとのなす角度は120度である。プリズム303Bの面303eには全反射膜が形成され、面303fにはR光反射ダイクロイック膜が形成されている。プリズム303Cの面303hと面303gとのなす角度は60度で、面303gと面303iとのなす角度は30度、面303hと面303iとのなす角度は90度である。プリズムBとプリズムCは面303dと面303hが同一平面を形成するようにR光反射ダイクロイック膜を挟んで面303fと面303gが接合される。さらに、プリズムAの面303bと、プリズムBとプリズムCを接合した接合プリズムの面303dと面303hとはB光反射ダイクロイック膜を挟んで接合される。偏光ビームスプリッタ302と色分解合成用複合プリズム303は、偏光ビームスプリッタ302のP偏光の光が射出する面202cと面303aが空間を介して平行に相対するように配置されている。
【0051】
偏光ビームスプリッタから射出されたP偏光の光は、その光軸が色分解合成用複合プリズム303の面303aに垂直に入射する。入射した光は面303bのB光反射ダイクロイック膜にその光軸が30度の入射角で入射し、反射するB光と、透過するR光とG光の混合光とに色分解される。反射されたB光は全反射する面303aに光軸が60度の入射角で入射して全反射され、面303c面からその光軸が垂直に射出し、反射型ライトバルブ304Bに入射する。R光とG光はプリズムBに入射し面303eにその光軸が60度の入射角で入射してR光、G光ともに全反射される。全反射したR光とG光の混合光は、面303fのR光反射ダイクロイック膜に光軸が30度の入射角で入射し、反射されるR光と、透過するG光とに色分解される。
【0052】
反射されたR光は面303eからその光軸が面303eに垂直に射出し、反射型ライトバルブ304Rに入射する。G光はプリズム303Cの面303iから光軸が面303iに垂直に射出し、反射型ライトバルブ304Gに入射する。
【0053】
各色用のライトバルブに入射した各色光は変調反射されて入射光の光路を逆行し、色分解合成用複合プリズムで色合成され面303aから色合成された光が射出する。射出された光は偏光ビームスプリッタ302で検光され、投射レンズ305に入射して図示しないスクリーン上に投射される。
【0054】
本実施形態の色分解合成用複合プリズムは、第1、第2実施形態の色分解合成用複合プリズムと異なり、その内部に空間がない。色分解合成用複合プリズム内部に空間を有しなくても全ての色光で全反射でき、色分解合成用複合プリズムを小型化することができるので投射型表示装置全体を小型化することが可能になる。また空間がないので、組立が容易になり製造のコストダウンを図ることもできる。
【0055】
本実施形態は、図8に示したものに限られるものではない。例えば図9に示す様に、断面が正方形ではない偏光ビームスプリッタ302を使用し、偏光ビームスプリッタ302の射出面と色分解合成用複合プリズム303の入射面が光軸とが直交しない構成にしても構わない。偏光ビームスプリッタ302の光源からの光のうちP偏光の光が射出する射出面と、射出光の光軸に対して垂直な面のなす角度が7度とすると、色分解合成用複合プリズム303を構成するプリズム303Aの面303aと面303cとのなす角度は57度40分、面303aと面303bとのなす角度は32度20分、面303bと面303cとのなす角度は90度になる。プリズム303Bの面303dと面303eとのなす角度は32度20分、面303eと面303fとのなす角度は28度50分、面303dと面303fとのなす角度は119度50分になる。プリズム303Cの面303gと面303iとのなす角度は28度50分、面303gと面303hとのなす角度は61度10分、面303hと面303iとのなす角度は90度になる。面303bのB光反射ダイック膜への入射光の光軸の入射角は25度20分で、全反射面303aへのB光の光軸の入射角は57度40分である。R光とG光の混合光が全反射面303eへ入射するの入射光の光軸の入射角は28度50分で、R光反射ダイクロイック膜への光軸の入射角は28度50分になる。本実施形態では、偏光ビームスプリッタ302の射出面での反射、色分解合成用複合プリズムの入射面での反射に起因するゴースト像が投射されるのを防止することができる。
【0056】
なお全ての実施形態において、色分解合成用複合プリズムのダイクロイック膜での色分解は、第1のダイクロイック膜にてB光を、第2のダイクロイック膜にてR光とG光とを色分解する構成であるが、色分解する順序はこれに限定されず、例えば第1ダイクロイック膜にてR光を、第2ダイクロイック膜にてG光とB光を分解する構成としても構わない。このように各ダイクロイック膜の光学特性は、それぞれの目的に応じて決定される。
【0057】
【発明の効果】
以上のように、本発明によればコントラストの高い像を投射することのできる小型の投射型表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の投射型表示装置の構成図。
【図2】第1実施形態におけるB光、R光、G光および従来の技術に示した投射型表示装置におけるB光のコントラストマップ。
【図3】従来の技術に示した投射型表示装置におけるR光のコントラストマップ。
【図4】従来の技術に示した投射型表示装置におけるG光のコントラストマップ。
【図5】第1実施形態の投射型表示装置の構成図。
【図6】第2実施形態の投射型表示装置の構成図。
【図7】第3実施形態の投射型表示装置の構成図。
【図8】第4実施形態の投射型表示装置の構成図。
【図9】第4実施形態の投射型表示装置の構成図。
【図10】従来の技術に示した投射型表示装置の構成図。
【符号の説明】
101、201、301 光源
102、202、302 偏光ビームスプリッタ
103、203、303 色分解合成用複合プリズム
104B、204B、304B B光用反射型ライトバルブ
104R、204R、304R R用反射型ライトバルブ
104G、204G、304G G光用反射型ライトバルブ
【発明の属する技術分野】
本発明は投射型表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、偏光ビームスプリッタで偏光分離した光源からの光を色分解合成複合プリズムで色分解し、各色光毎に配置された反射型ライトバルブに入射させ、変調されて反射した各色光を色分解合成複合プリズムで色合成して偏光ビームスプリッタにて検光して取りだし、投射レンズにて投射する小型の投射型表示装置として、特開2002−162613公報に記載された装置が知られている。
【0003】
図10にこの投射装置の構成図を示す。光源11から射出された光は、その光軸が偏光ビームスプリッタ12を構成するプリズム12Aの入射面に垂直に入射する。偏光分離部12pを透過したP偏光の光はプリズム12Bの射出面から射出する。ただしこの射出面は、射出する光軸と直交しないようにプリズム12Bは形成されている。偏光ビームスプリッタ12を射出した光は、3つのプリズム13A,13B、13Cから構成される色分解合成用複合プリズムに入射する。プリズム13Aの面13bにはB(青)光反射ダイクロイク膜、面13aには全反射膜が形成され、プリズム13Bの面13dには全反射膜、面13eにはR(赤)光反射ダイクロイック膜が形成され、プリズム13Cの面13hには全反射膜が形成されている。色分解合成用複合プリズム13はプリズム13Aとプリズム13Bとは面13bと面13dを相対して空間を介して配置され、プリズム13Bとプリズム13Cとは面13eのダイクロイック膜を挟んで接合して形成されている。
【0004】
偏光ビームスプリッタ12を射出した光は、その光軸が色分解合成用複合プリズム13の面13aに入射面と直交しない角度で入射し、面13bのB光反射ダイクロイック膜に所定の入射角度で入射して反射されるB(青)光と、B光反射ダイクロイック膜を透過し、プリズム13Bに面13dから入射するR(赤)光、G(緑)光とに色分解される。B光反射ダイクロイック膜で反射されたB光は面13aで全反射し、面13cから射出して反射型ライトバルブ14Bに入射する。
【0005】
前記R光とG光は面13eのR光反射ダイクロイック膜で反射されるR光と、透過するG光とに色分解され、面13d、13hにおいてそれぞれ全反射され、面13g、13fから射出し、反射型ライトバルブ14R、14Gにそれぞれ入射する。
【0006】
各色光用の反射型ライトバルブで反射した各色光は入射光の光路を逆行し、複合プリズム13で色合成され偏光ビームスプリッタ12に入射し、反射型ライトバルブで変調された光は偏光分離部12pで反射され投射レンズ15に入射して図示しないスクリーン上に投射される。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−162613号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記のような構成の投射型表示装置では、ダイクロイック膜で色分解された各色光はそれぞれ全反射してライトバルブに入射しており、ダイクロイック膜での反射、透過による偏光の位相の変化を全反射面に形成した全反射膜で補償できるという機能を有しているが、R光とG光ではコントラスト高い像を投射することができないという問題があった。また色分解合成用複合プリズムを構成する少なくとも2つのプリズムは空間を介して配置されているため、色分解合成用複合プリズムの作製が複雑になり、製造にコストがかかるという問題もあった。
【0009】
本発明は、コントラストの高い像を投射することのできる小型の投射型表示装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために請求項1に係る発明は、光源からの光を偏光ビームスプリッタの偏光分離部で偏光分離し、前記偏光分離した前記光源からの光を色分解合成用複合プリズムにより第1色光、第2色光、第3色光に色分解して前記第1色光、第2色光、第3色光毎に配置された反射型ライトバルブに導き、前記反射型ライトバルブで変調された前記第1色光、第2色光、第3色光を前記色分解合成用複合プリズムで色合成し、前記色合成した光を前記偏光ビームスプリッタで検光して投射レンズで投射する投射型表示装置において、前記色分解合成用複合プリズムは、第1のダイクロイク膜および第2のダイクロイク膜とを内部に有し、前記第1のダイクロイック膜と第2のダイクロイック膜とは、前記偏光分離部と平行ではなく、前記第1のダイクロイック膜と第2のダイクロイック膜と前記偏光分離部とは、前記光源からの光の光軸に対して、同じ側に傾いており、前記第1のダイクロイック膜と第2のダイクロイック膜で色分解された前記第1色光、第2色光、第3色光は全反射して前記色分解合成用複合プリズムから射出し、前記反射型ライトバルブに導かれることを特徴とする投射型表示装置を提供する。
【0011】
請求項2に係る発明は、光源からの光を偏光ビームスプリッタの偏光分離部で偏光分離し、前記偏光分離した前記光源からの光を色分解合成用複合プリズムにより第1色光、第2色光、第3色光に色分解して前記第1色光、第2色光、第3色光毎に配置された反射型ライトバルブに導き、前記反射型ライトバルブで変調された前記第1色光、第2色光、第3色光を前記色分解合成用複合プリズムで色合成し、前記色合成した光を前記偏光ビームスプリッタで検光して投射レンズで投射する投射型表示装置において、前記色分解合成用複合プリズムは、実質的に四角の断面形状の第1プリズムと実質的に三角の断面形状の第2プリズムとを第1のダイクロイク膜を挟んで接合した第1複合プリズムと、実質的に三角の断面形状の第3プリズムと実質的に三角の断面形状の第4プリズムとを第2のダイクロイック膜を挟んで接合した第2複合プリズムとを有し、前記第1複合プリズムと前記第2複合プリズムとは空間を介して配置され、前記偏光ビームスプリッタで偏光分離された光は、前記第1プリズムから前記色分解合成複合プリズムに入射し、前記第1のダイクロイック膜と第2のダイクロイック膜とは、前記偏光分離部と平行ではなく、前記第1のダイクロイック膜と第2のダイクロイック膜と前記偏光分離部とは、前記光源からの光の光軸に対して、同じ側に傾いていることを特徴とする投射型表示装置を提供する。
【0012】
請求項3に係る発明は、請求項1または2に記載の投射型表示装置において前記第1のダイクロイック膜および第2のダイクロイック膜は互いに平行であることを特徴とする投射型表示装置を提供する。
【0013】
請求項4に係る発明は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の投射型表示装置において前記色分解合成複合プリズムを射出し前記反射型ライトバルブに入射する光の光軸のうち少なくとも2つの色光の光軸は互いに平行であることを特徴とする投射型表示装置を提供する。
【0014】
請求項5に係る発明は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の投射型表示装置において前記偏光ビームスプリッタの偏光分離部で偏光分離した光の光軸は、前記偏光ビームスプリッタの射出面の法線に対して角度Θ度だけ傾いており、前記偏光ビームスプリッタの射出面と前記第1および第2ダイクロイック膜とのなす角度は(90+Θ/3)度であることを特徴とする投射型表示装置を提供する。
【0015】
請求項6に係る発明は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の投射型表示装置において前記色分解合成用複合プリズムは断面が二等辺三角形であることを特徴とする投射型表示装置を提供する。
【0016】
請求項7に係る発明は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の投射型表示装置において前記色分解合成用複合プリズムは断面が正三角形であることを特徴とする投射型表示装置を提供する。
【0017】
請求項8に係る発明は、光源からの光を偏光ビームスプリッタの偏光分離部で偏光分離し、前記偏光分離した前記光源からの光を色分解合成用複合プリズムにより第1色光、第2色光、第3色光に色分解して前記第1色光、第2色光、第3色光毎に配置された反射型ライトバルブに導き、前記反射型ライトバルブで変調された前記第1色光、第2色光、第3色光を前記色分解合成用複合プリズムで色合成し、前記色合成した光を前記偏光ビームスプリッタで検光して投射レンズで投射する投射型表示装置において、前記色分解合成用複合プリズムは、内部に前記光源からの光を第1色光と、第2色光と第3色光の混合光とに色分解する第1のダイクロイック膜と、前記混合光を第2色光と第3色光とに色分解する第2のダイクロイック膜とを有し、前記第1のダイクロイック膜で色分解された前記第1色光は、前記色分解合成用複合プリズムの側面で全反射して前記第1色光用に配置された反射型ライトバルブに入射し、前記第1のダイクロイック膜で色分解された第2色光と第3色光の混合光は、前記色分解合成用複合プリズムの側面で全反射して前記第2のダイクロイック膜に入射し、前記第2のダイクロイック膜で反射された前記第2色光は前記第2色光用に配置された反射型ライトバルブに入射し、前記第2のダイクロイック膜を透過した前記第3色光は前記第3色光用に配置された反射型ライトバルブに入射することを特徴とする投射型表示装置を提供する。
【0018】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
本発明に係る投射型表示装置の第1実施形態を示す構成図を図1に示し、図面を参照しながら説明する。
【0019】
ランプと放物面形状の凹面鏡からなる光源101から射出された略平行光束の光源光は、断面形状が三角形のプリズム102A、102Bを偏光分離膜102pを介して接合した偏光ビームスプリッタ102のプリズム102Aにその光軸が面102aに垂直に入射する。入射した光の光軸は偏光分離部102pに45度の入射角度で入射し、偏光分離部102pで反射されるS偏光と透過するP偏光に偏光分離され、P偏光成分はプリズム102Bの面102cから射出して色分解合成複合プリズム103に入射する。偏光分離膜102pで反射されたS偏光はプリズム102Aの面102bから射出し光路から廃棄される。
【0020】
偏光ビームスプリッタ102のプリズム102bのP偏光成分が射出する102c面は紙面に対して垂直で、その法線は射出光の光軸に対して7度傾いている。この射出面が傾いているのは、射出する光の一部が射出面で反射され、偏光ビームスプリッタ102の偏光分離部102pで反射し、偏光ビームスプリッタ102の面102dから射出し投射レンズ105に入射してしまい図示しないスクリーン上にゴースト光として投射されるのを防ぐためである。つまり面102cでの反射によるゴースト像を防止するためにプリズム102Bの面102cは射出する光の光軸に対して垂直でない傾きになっている。投射レンズ105には、反射型ライトバルブから反射射出して投射レンズ105に入射して投射される光の開口数(NA)を決定する図示しない開口絞りが配置されており、偏光ビームスプリッタ102の面102cからの反射光のうち開口数(NA)であるF3.0より大きい傾きを有する反射光は投射レンズ105に入射しても、開口絞りで遮光され投射されないようになっている。
【0021】
次に色分解合成用複合プリズム103の構成について説明する。色分解合成複合プリズム103は図1に示す断面が四角形のプリズム103A、三角プリズム103B、103C、103Dの4個のプリズムから構成される複合プリズムである。プリズム103A、プリズム103B、プリズム103C、プリズム103Dの側面は紙面に対して垂直である。プリズム103Aの面103aには全反射膜が形成され、103bにはB光反射ダイクロイック膜が形成されている。プリズム103Cの側面103hには全反射膜が形成され、103kにはR光反射ダイクロイック膜が形成されている。プリズム103Dの面103mには全反射膜が形成されている。プリズム103Aの面103bとプリズム103Bの面103eを、面103dと面103fとが同一平面を形成するように貼り合わて複合四角プリズムが形成されている。プリズム103Cの面103jとプリズム103Dの面103kとを貼り合わせて複合三角プリズムが形成されている。プリズム103Aの面103dとプリズム103Bの面103fからなる平面と、プリズム103Cの面103hとは空間を介して平行に相対して配置され、プリズム103A、103B、103C、103Dからなる色分解合成用複合プリズム103が形成されている。なお全反射膜は、各面での全反射の効率を向上させるためばかりではなく、各色光が全反射面で全反射される際にそのP偏光成分とS偏光成分の位相差を調整するために形成されている。
【0022】
複合プリズム103を構成するプリズム103A、103B、103C、103Dの断面形状について説明する。プリズム103Aは、面103aと面103cとのなす角度が54度、面103aと面103bの成す角度は30.5度、面103cと面103dとのなす角度が126度、面103bと面10dとのなす角度が149.5度の断面が四角形のプリズムである。プリズム103Bの面103fは、プリズム103Aの面103dと平面を形成するため、面103eと面103fとのなす角は30.5度でなければならない。面103eと面103gとのなす角度、面10gと面103fとのなす角度に特に制限はない。本実施形態では面103eと面103gとのなす角度は36度、面103gと面103fとのなす角度は113.5度とした。
【0023】
プリズム103Cは面103hと面103jとのなす角度が30.5度、面103hと面103iとのなす角度が54度、面103iと面103jとのなす角度が95.5度の断面が三角形のプリズムであり、プリズム103Dは面103kと面103mとのなす角度が30.5度、面103lと面103mとのなす角度が54度、面103kと面103lとのなす角度が95.5度の断面が三角形のプリズムである。
【0024】
色分解合成用複合プリズム103は、偏光ビームスプリッタ102のP偏光の射出面102cとプリズム103Aの面103aが空間を介して平行に相対する様に配置される。偏光ビームスプリッタ102から射出したP偏光の光は、その光軸が色分解合成用複合プリズム103の面103aに対して7度の角度で入射し、面103bのB光反射ダイクロイック膜に23.5度の入射角で入射し、反射されるB光と、透過してプリズム103Bに入射するR光とG光の混合光とに色分解される。B光反射ダイクロイック膜で反射されたB光は面103aの全反射面に対して54度の入射角で入射して、全反射され、その光軸が面103cに対して垂直に射出し射出面近傍に配置されるB光用反射型ライトバルブ104Bに入射する。
【0025】
B光反射ダイクロイック膜を透過したR光とG光の混合光は、プリズム103Bの面103fから射出した後、空間を通過してプリズム103Cに面103hから入射する。プリズム103Cに入射したR光とG光の混合光は面103jのR光反射ダイクロイック膜にその光軸が23.5度の入射角度で入射する。
【0026】
R光反射ダイクロイック膜で反射されたR光は面103hの全反射面にその光軸が54度の入射角で入射し、全反射されてその光軸が面103iに対して垂直に射出し、射出面近傍に配置されるR光用反射型ライトバルブ104Rに入射する。R光反射ダイクロイック膜を透過したG光はプリズム103Dに入射し、面103mの全反射面にその光軸が54度の入射角で入射し、全反射されてその光軸が面103lに対して垂直に射出し、射出面近傍に配置されるG光用反射型ライトバルブ104Bに入射する。
【0027】
全反射面から射出面までの各色光の光軸はB光とR光は平行であるが、G光はB光、R光の光軸とは平行にはなっていない。
本実施形態では、B光反射ダイクロイック膜とR光反射ダイクロイック膜は平行に配置されており、2つのダイクロイック膜への入射光の光軸の入射角度はB光、R光とも同じ23.5度であり、これらのダイクロイック膜で色分解されたB光、R光の光軸はそれぞれ同じ54度の入射角度で全反射面に入射して全反射する。各プリズムの射出面からその光軸が射出面に対して垂直に射出され各色光毎に配置された反射型ライトバルブに入射する。
【0028】
各色光用の反射型ライトバルブに入射した各色光は色信号によって変調作用を受け、反射して入射光の光路を逆に進行して合成され、色分解合成用複合プリズム103の面103aからB光、R光、G光が合成された合成光として射出する。射出した合成光は偏光ビームスプリッタ102のプリズム102Bに入射し、反射型ライトバルブで変調を受けた光は偏光分離部102pで反射して検光光として取りだされ、投射レンズ105に入射し、図示なきスクリーン上に投影される。偏光分離部102pを透過する非変調光は光源101方向に面102aから射出し廃棄される。上記したように投射レンズ105には開口絞りが備えられており、ライトバルブからの反射光のうち開口数(NA)としてF値が3.0の広がりを持つ光束を透過する。
【0029】
色分解合成複合プリズム103の構造を説明したが、偏光ビームスプリッタ102の偏光分離部102pと色分解合成用複合プリズム103の複数のダイクロイック膜は偏光分離膜102pと平行ではないが、同じ方向を向いた傾きを持っている。すなわち図1の構成図において、偏光分離部102pとB光反射およびR光反射ダイクロイック膜はその面の法線方向が右上方向を向くように配置されている。
【0030】
次に投射型表示装置における投射像のコントラストについて説明する。ここでは投射型表示装置の各色光において、投射される光のライトバルブが明状態と暗状態の時の光量の比をコントラストと定義する。図2に本実施形態に示した投射型表示装置のB光のコントラストの計算値を示す。図2はコントラストマップであり、横軸がプリズム103Aの面103aでB光が全反射されたときに生じるP偏光とS偏光の位相差(単位:度)であり、縦軸は面103bのB光反射ダイクロイック膜でB光が反射された時に生じるP偏光とS偏光の位相差(単位:度)で、開口数のF値が3.0以内の光線のコントラストの平均値を等高線で示している。B光のコントラストは偏光分離部102pやB光反射ダイクロイック膜や全反射膜への入射角等から計算することができる。等高線はコントラスト値が1000:1、500:1、200:1、100:1のものを示しており、1000:1の等高線にて囲まれた領域ではそれ以上のコントラストを得ることができる。
【0031】
次にR光のコントラストについて説明する。本実施形態では面103jのR光反射ダイクロイック膜と面103eのB光反射ダイクロイック膜は平行であり、全反射する面103hと面103aは平行に配置されている。このような条件でコントラストマップを作製すると、R光がプリズム103Aの面103eのB光反射ダイクロイック膜を透過する際にR光のP偏光とS偏光の位相差がゼロ度となるようにB光反射ダイクロイック膜を形成すれば、図2に示したB光と同様のコントラストマップになり、高いコントラストを示す領域を得ることができる。
【0032】
G光についても、R光反射ダイクロイック膜への入射角度は、B光反射ダイクロイック膜へ入射するR光と同じ角度であり、全反射する面103mに入射するG光の入射角もB光、R光と同じなので、横軸に全反射膜によるP偏光とS偏光の位相差、縦軸を103k面のR光反射ダイクロイック膜の透過によるP偏光とS偏光の位相差を取ると、G光がB光反射ダイクロイック膜、R光反射ダイクロイック膜を透過する際のP偏光とS偏光の位相差がゼロ度になるように2つのダイクロイック膜を作製すれば、B光、R光と同様に高コントラスの領域が存在する。
【0033】
ここで図10に示した従来の投射型表示装置の各色のコントラストについて説明する。図10において、B光反射ダイクロイック膜にB光はその光軸が本実施形態と同様に23.5度の入射角で入射し、全反射面への入射角も同様に54度とする。R光はR光反射ダイクロイック膜へのその光軸の入射角は−12度、全反射面への入射角は−47.5度、G光の全反射面への入射角度は50度である。
【0034】
この条件での各色光のコントラストについて説明する。B光は、本実施形態のB光のコントラストを示した図2と同様のコントラストが得られる。R光のコントラストマップを図3に示す。図3は、横軸が全反射面で反射する際のP偏光とS偏光の位相差、縦軸はR光反射ダイクロイック膜での反射によるP偏光とS偏光の位相差であり、B光反射ダイクロイック膜を透過するR光の位相差をゼロとした場合のコントラストマップであり、等高線は1000:1、500:1、200:1、100:1を示している。この従来技術に示した投射型表示装置のR光のコントラストマップを、本実施形態に示したR光のコントラストマップ(図2)と比較すると、従来技術に示した投射型表示装置において高コントラストを得ることができる領域は非常に小さくなっている。したがってコントラストの高い投射像を得るには非常に厳密な条件でダイクロイック膜と全反射膜を作製しなければならず、事実上R光において高いコントラストを有する投射像を形成することは困難である。次にG光のコントラストについて説明する。図4に従来技術に示した投射型表示装置におけるG光のコントラストマップを示す。B光反射ダイクロイック膜の透過における位相差はゼロとした場合である。このコントラストマップに示すようにG光もR光と同様に高コントラスト領域は非常に小さく、高いコントラストを持った投射像を形成することは困難である。
【0035】
このように本実施形態に示した投射型表示装置は、B光、R光、G光それぞれの投射像のコントラストを良好にすることができる。また、偏光ビームスプリッタの射出面での反射光に起因するのゴーストを防止することも可能である。さらに偏光ビームスプリッタ102から射出されるP偏光の光が入射する色分解合成複合プリズム103の面103aは、偏光ビームスプリッタ102の射出面と平行に配置されているので、この入射面における反射光に起因するゴースト光の発生も同様に防止することができる。
【0036】
また本実施形態に示した投射型表示装置では、B光、R光、G光用のライトバルブ104B、104R、104Gを色分解合成用複合プリズム103の同じ側に配置するので、レジストレーション調節等の際のライトバルブの扱いが容易になるという効果もある。
【0037】
なお、本実施形態においては、光源からの光のうち偏光ビームスプリッタ102の偏光分離部102pを透過して射出するP偏光成分を色分解合成用複合プリズムに入射する構成としているが、偏光分離部102pで反射されて面102bから射出するS偏光成分を色分解合成複合プリズムに入射させ、各色光のライトバルブで反射される各色光のうち偏光分離部102pを透過して射出するP偏光の光を検光光として投射レンズに入射する構成としても構わない。
【0038】
本実施形態に示した色分解合成用複合プリズム103は図1に示した構成に限定されるものではない。他の構造の色分解合成用複合プリズムの例を図5に示す。図5に示す色分解合成用複合プリズムは、面103bのB光反射ダイクロイック膜と面103jのR光反射ダイクロイック膜は平行で、これらのダイクロイック膜へ入射するの各色光の光軸の入射角は同じであり、B光、R光の光軸の全反射面への入射角が同じである点は図1に示した色分解合成用複合プリズムと同じであるが、各色光が全反射した後に色分解合成用複合プリズムから射出する射出面である103c、面103i、面103lが同一平面上にあることに特徴がある。
【0039】
この場合のプリズム103A、103B、103C、103Dの形状は、プリズム103A、103B、103Cについては図1に示したプリズムと同じ形状で、構成も同じである。プリズム103Dは、面103kと面103lとのなす角度が84.5度、面103jと面103mとのなす角度は36度、面103mと面103lとのなす角度は59.5度である断面形状が三角形のプリズムである。このプリズム103Dを使用すると、前述の面103C、103i、103lを同一平面上に配置することが可能になり、各色光の射出光の光軸は射出面に垂直でそれぞれ平行になる。したがって各色光用のライトバルブを同一平面上に配置することが可能になり、ライトルブのレジストレーション調節等の際のライトバルブの扱いがさらに容易となる。
(第2実施形態)
図6に第2実施形態の構成図を示す。本実施形態の色分解合成用複合プリズム103は全体の断面が三角形の複合プリズムであり、面103c、面103i、面103lによって形成される平面に対してB光反射ダイクロイックロイック膜とR光反射ダイクロイック膜が垂直である。なおこの色分解合成用複合プリズム103においては、面103aと面103b、面103eと103gとのなす角度(α)は同じである。
【0040】
偏光ビームスプリッタ102の光源からの光のうちP偏光の光が射出する面102cと、射出する光の光軸に垂直な面(点線にて記載)とのなす角度をΘ度(第1実施形態における面102cの法線と射出する光の光軸とのなす角度と同じである。ただしΘは0ではない。)とすると、角度αを((90+Θ)/3)にすれば、色分解合成用複合プリズム103は面103aと面103gとのなす角度、面103mと面103lとのなす角度が等しい(2α)二等辺三角形プリズムとなる。この場合B光反射およびR光反射ダイクロイック膜への入射光の光軸の入射角は(30−2Θ/3)度になり、全反射面への入射光の光軸の入射角は面103aと面103cとなす角度(60−Θ/3)度と同じになる。
【0041】
第1実施形態と同様に各色光用のライトバルブからの光を投射する投射レンズの開口数がF値として3.0の場合には、Θの値は同様に7度になり、面103aと面103bのなす角度、面103eと面103gのなす角度、面103hと面103jのなす角度、面103kと面103mのなす角度ははそれぞれ32度20分、面103aと面103cのなす角度、面103hと面103iとのなす角度、面103lと面103mのなす角度はそれぞれ57度40分となり、各ダイクロイック膜への各色光の入射光軸の入射角度は25度20分、全反射面への各色光の入射光軸の入射角度は57度40分になる。
【0042】
本実施形態に示した投射型表示装置では、プリズム103Cと103Dを同じ断面形状の直角プリズムにすることができるため、製造のコストダウンを図ることができる。
(第3実施形態)
図7に第3実施形態の投射型表示装置の構成を示す。本実施形態の偏光ビームスプリッタ202の断面は正方形で、色分解合成用複合プリズム203の断面は正三角形である。
【0043】
光源201から射出された光は、断面形状が直角二等辺三角形であるプリズム202A、202Bを偏光分離部202pを挟んで接合した偏光ブームスプリッタ202のプリズム202Aの面202aにその光軸が垂直に入射する。入射した光は偏光分離部202pに45度の入射角で入射して、P偏光成分が偏光分離部202pを透過し、プリズム202Bの面202cから射出する。射出した光は偏光ビームスプリッタ202に空間を介して平行に相対して配置される複合プリズム203に入射してB光、R光、G光に色分解される。
【0044】
本実施形態の色分解合成用複合プリズムの構造を説明する。色分解合成用複合プリズム203は四角形形状のプリズム203A、三角プリズム203B、203C、203Dの4個のプリズムから構成される複合プリズムである。プリズム203A、プリズム203B、プリズム203C、プリズム103Dの側面は紙面に対して垂直である。プリズム203Aの面203aには全反射膜が形成され、面203bにはB光反射ダイクロイック膜が形成されている。面203aと203cとのなす角度は60度、面203aと面203bとの成す角度は30度を、面203bと面203dとのなす角度は150度、面203cと面203dとのなす角度は120度である。プリズム203Bは面203eと面203fとのなす角度、面203eと面203gとのなす角度はそれぞれ30度、面203gと面203fとのなす角度は120度である。プリズム203Cとプリズム203Dは面203hと面203jとのなす角度、面203kと面203mとのなす角度がそれぞれ30度、面203hと面203i、面203mと203lとのなす角度がそれぞれ60度、面203iと面203j、面203mと面203lとのなす角度がそれぞれ90度である。面203hと面203mには全反射膜が形成され、面203jにはR光反射ダイクロイック膜が形成されている。プリズムAとプリズムBとはB光反射ダイクロイック膜を挟んで面203bと面203eが接合され、プリズムAの面203dとプリズム203Bの面203fが同一平面を形成している。プリズムCとプリズムDはR光反射ダイクロイック膜を挟んで面203jと面203kが接合されている。プリズムAとプリズムBを接合した接合プリズムと、プリズムCとプリズムDを接合した接合プリズムは面203c、面203i、面203lが同一平面を形成し、面203g、面203mも同一平面を形成して面203f、面203dと面203hが空間を介して平行に相対するように配置する。
【0045】
偏光ビームスプリッタ202と色分解合成用複合プリズム203は、偏光ビームスプリッタ202のP偏光の光が射出する面202cと面203aが空間を介して平行に相対するように配置する。
【0046】
なお、本実施形態における色分解合成用複合プリズムは断面が正三角形の複合プリズムである。なお断面は正三角形に限定されるものではない。例えば、面203aと203cとのなす角が60度でない任意の角度Ωで、面203lと面203mとのなす角度が同じ角度Ω度とすると、色分解合成用複合プリズムは二等辺三角形になる。面203aと203bとのなす角度、面203eと203gとのなす角度をそれぞれ(90−Ω)度とし、面203aに偏光ビームスプリッタ202を射出した光を光軸が垂直に入射させると、面203bのB光反射ダイクロイック膜に(90−Ω)度で入射し、全反射面への光軸の入射角はΩ度になる。このような色分解合成用複合プリズムを使用すると各色光の全反射面からライトバルブへの光軸はそれぞれ平行で、射出面に垂直に射出させることができる。
【0047】
本実施形態では偏光ビームスプリッタ202のプリズム202Bの射出面での反射光と、色分解合成用複合プリズム203の入射面203aでの反射光に起因するゴーストを防止するために、これらの面に反射防止膜を形成しても構わない。反射防止膜を形成する場合には、この反射防止膜を透過する際に各色光のP偏光とS偏光に実質的に位相差が生じない様に反射防止膜を形成する必要がある。
なお面203aは、B光反射ダイクロイック膜で反射されたB光を全反射させる面でもあるので、面203aの反射防止膜は全反射膜としても機能するように形成する。
【0048】
本実施形態においてもB光反射ダイクロイック膜とR光反射ダイクロイック膜への入射光の光軸の入射角は同じで、B光、R光、G光の全反射面への入射角度も同じなので、第1、第2実施形態と同様に、各色で同じコントラストマップが得られ、コントラストの良好な像を投射することができる。またレジストレーション調節の際等のライトバルブの扱いも容易である。
(第4実施形態)
図8に第4実施形態の投射型表示装置の構成を示す。本実施形態における偏光ビームスプリッタ302の断面は第3実施形態の投射型表示装置と同様に正方形である。色分解合成用複合プリズム303の断面は第3実施形態と同様に正三角形であるが、その構造は異なっている。
【0049】
本実施形態の色分解合成用複合プリズム303は、図7に示す三角形状の3つのプリズム、プリズム303A、303B、303Cのから構成される複合プリズムである。プリズム303A、プリズム303B、プリズム303Cの側面はそれぞれ紙面に対して垂直である。
【0050】
本実施形態の色分解合成用複合プリズムの構造を説明する。プリズム303Aの面303aと面303cとのなす角度は60度、面303aと面303bとのなす角度は30度、面303cと面303bとのなす角度は90度をである。プリズムAの面303aには全反射膜が形成され、面303bにはB光反射ダイクロイック膜が形成されている。プリズム303Bの面303dと面303eとのなす角度と、面303eと面303fとのなす角度はそれぞれ30度で、面303dと面303fとのなす角度は120度である。プリズム303Bの面303eには全反射膜が形成され、面303fにはR光反射ダイクロイック膜が形成されている。プリズム303Cの面303hと面303gとのなす角度は60度で、面303gと面303iとのなす角度は30度、面303hと面303iとのなす角度は90度である。プリズムBとプリズムCは面303dと面303hが同一平面を形成するようにR光反射ダイクロイック膜を挟んで面303fと面303gが接合される。さらに、プリズムAの面303bと、プリズムBとプリズムCを接合した接合プリズムの面303dと面303hとはB光反射ダイクロイック膜を挟んで接合される。偏光ビームスプリッタ302と色分解合成用複合プリズム303は、偏光ビームスプリッタ302のP偏光の光が射出する面202cと面303aが空間を介して平行に相対するように配置されている。
【0051】
偏光ビームスプリッタから射出されたP偏光の光は、その光軸が色分解合成用複合プリズム303の面303aに垂直に入射する。入射した光は面303bのB光反射ダイクロイック膜にその光軸が30度の入射角で入射し、反射するB光と、透過するR光とG光の混合光とに色分解される。反射されたB光は全反射する面303aに光軸が60度の入射角で入射して全反射され、面303c面からその光軸が垂直に射出し、反射型ライトバルブ304Bに入射する。R光とG光はプリズムBに入射し面303eにその光軸が60度の入射角で入射してR光、G光ともに全反射される。全反射したR光とG光の混合光は、面303fのR光反射ダイクロイック膜に光軸が30度の入射角で入射し、反射されるR光と、透過するG光とに色分解される。
【0052】
反射されたR光は面303eからその光軸が面303eに垂直に射出し、反射型ライトバルブ304Rに入射する。G光はプリズム303Cの面303iから光軸が面303iに垂直に射出し、反射型ライトバルブ304Gに入射する。
【0053】
各色用のライトバルブに入射した各色光は変調反射されて入射光の光路を逆行し、色分解合成用複合プリズムで色合成され面303aから色合成された光が射出する。射出された光は偏光ビームスプリッタ302で検光され、投射レンズ305に入射して図示しないスクリーン上に投射される。
【0054】
本実施形態の色分解合成用複合プリズムは、第1、第2実施形態の色分解合成用複合プリズムと異なり、その内部に空間がない。色分解合成用複合プリズム内部に空間を有しなくても全ての色光で全反射でき、色分解合成用複合プリズムを小型化することができるので投射型表示装置全体を小型化することが可能になる。また空間がないので、組立が容易になり製造のコストダウンを図ることもできる。
【0055】
本実施形態は、図8に示したものに限られるものではない。例えば図9に示す様に、断面が正方形ではない偏光ビームスプリッタ302を使用し、偏光ビームスプリッタ302の射出面と色分解合成用複合プリズム303の入射面が光軸とが直交しない構成にしても構わない。偏光ビームスプリッタ302の光源からの光のうちP偏光の光が射出する射出面と、射出光の光軸に対して垂直な面のなす角度が7度とすると、色分解合成用複合プリズム303を構成するプリズム303Aの面303aと面303cとのなす角度は57度40分、面303aと面303bとのなす角度は32度20分、面303bと面303cとのなす角度は90度になる。プリズム303Bの面303dと面303eとのなす角度は32度20分、面303eと面303fとのなす角度は28度50分、面303dと面303fとのなす角度は119度50分になる。プリズム303Cの面303gと面303iとのなす角度は28度50分、面303gと面303hとのなす角度は61度10分、面303hと面303iとのなす角度は90度になる。面303bのB光反射ダイック膜への入射光の光軸の入射角は25度20分で、全反射面303aへのB光の光軸の入射角は57度40分である。R光とG光の混合光が全反射面303eへ入射するの入射光の光軸の入射角は28度50分で、R光反射ダイクロイック膜への光軸の入射角は28度50分になる。本実施形態では、偏光ビームスプリッタ302の射出面での反射、色分解合成用複合プリズムの入射面での反射に起因するゴースト像が投射されるのを防止することができる。
【0056】
なお全ての実施形態において、色分解合成用複合プリズムのダイクロイック膜での色分解は、第1のダイクロイック膜にてB光を、第2のダイクロイック膜にてR光とG光とを色分解する構成であるが、色分解する順序はこれに限定されず、例えば第1ダイクロイック膜にてR光を、第2ダイクロイック膜にてG光とB光を分解する構成としても構わない。このように各ダイクロイック膜の光学特性は、それぞれの目的に応じて決定される。
【0057】
【発明の効果】
以上のように、本発明によればコントラストの高い像を投射することのできる小型の投射型表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の投射型表示装置の構成図。
【図2】第1実施形態におけるB光、R光、G光および従来の技術に示した投射型表示装置におけるB光のコントラストマップ。
【図3】従来の技術に示した投射型表示装置におけるR光のコントラストマップ。
【図4】従来の技術に示した投射型表示装置におけるG光のコントラストマップ。
【図5】第1実施形態の投射型表示装置の構成図。
【図6】第2実施形態の投射型表示装置の構成図。
【図7】第3実施形態の投射型表示装置の構成図。
【図8】第4実施形態の投射型表示装置の構成図。
【図9】第4実施形態の投射型表示装置の構成図。
【図10】従来の技術に示した投射型表示装置の構成図。
【符号の説明】
101、201、301 光源
102、202、302 偏光ビームスプリッタ
103、203、303 色分解合成用複合プリズム
104B、204B、304B B光用反射型ライトバルブ
104R、204R、304R R用反射型ライトバルブ
104G、204G、304G G光用反射型ライトバルブ
Claims (8)
- 光源からの光を偏光ビームスプリッタの偏光分離部で偏光分離し、前記偏光分離した前記光源からの光を色分解合成用複合プリズムにより第1色光、第2色光、第3色光に色分解して前記第1色光、第2色光、第3色光毎に配置された反射型ライトバルブに導き、前記反射型ライトバルブで変調された前記第1色光、第2色光、第3色光を前記色分解合成用複合プリズムで色合成し、前記色合成した光を前記偏光ビームスプリッタで検光して投射レンズで投射する投射型表示装置において、
前記色分解合成用複合プリズムは、第1のダイクロイク膜および第2のダイクロイク膜とを内部に有し、
前記第1のダイクロイック膜と第2のダイクロイック膜とは、前記偏光分離部と平行ではなく、
前記第1のダイクロイック膜と第2のダイクロイック膜と前記偏光分離部とは、前記光源からの光の光軸に対して、同じ側に傾いており、
前記第1のダイクロイック膜と第2のダイクロイック膜で色分解された前記第1色光、第2色光、第3色光は全反射して前記色分解合成用複合プリズムから射出し、前記反射型ライトバルブに導かれること、を特徴とする投射型表示装置。 - 光源からの光を偏光ビームスプリッタの偏光分離部で偏光分離し、前記偏光分離した前記光源からの光を色分解合成用複合プリズムにより第1色光、第2色光、第3色光に色分解して前記第1色光、第2色光、第3色光毎に配置された反射型ライトバルブに導き、前記反射型ライトバルブで変調された前記第1色光、第2色光、第3色光を前記色分解合成用複合プリズムで色合成し、前記色合成した光を前記偏光ビームスプリッタで検光して投射レンズで投射する投射型表示装置において、
前記色分解合成用複合プリズムは、実質的に四角の断面形状の第1プリズムと実質的に三角の断面形状の第2プリズムとを第1のダイクロイック膜を挟んで接合した第1複合プリズムと、実質的に三角の断面形状の第3プリズムと実質的に三角の断面形状の第4プリズムとを第2のダイクロイック膜を挟んで接合した第2複合プリズムとを有し、
前記第1複合プリズムと前記第2複合プリズムとは空間を介して配置され、
前記偏光ビームスプリッタで偏光分離された光は、前記第1プリズムから前記色分解合成複合プリズムに入射し、
前記第1のダイクロイック膜と第2のダイクロイック膜とは、前記偏光分離部と平行ではなく、
前記第1のダイクロイック膜と第2のダイクロイック膜と前記偏光分離部とは、前記光源からの光の光軸に対して、同じ側に傾いていること、を特徴とする投射型表示装置。 - 前記第1のダイクロイック膜および第2のダイクロイック膜は互いに平行であること、を特徴とする請求項1または2に記載の投射型表示装置。
- 前記色分解合成複合プリズムを射出し前記反射型ライトバルブに入射する光の光軸のうち少なくとも2つの色光の光軸は互いに平行であること、を特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の投射型表示装置。
- 前記偏光ビームスプリッタの偏光分離部で偏光分離した光の光軸は、前記偏光ビームスプリッタの射出面の法線に対して角度Θ度だけ傾いており、
前記偏光ビームスプリッタの射出面と前記第1および第2ダイクロイック膜とのなす角度は(90+Θ/3)度であること、を特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の投射型表示装置。 - 前記色分解合成用複合プリズムは断面が二等辺三角形であること、を特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の投射型表示装置。
- 前記色分解合成用複合プリズムは断面が正三角形であること、を特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の投射型表示装置。
- 光源からの光を偏光ビームスプリッタの偏光分離部で偏光分離し、前記偏光分離した前記光源からの光を色分解合成用複合プリズムにより第1色光、第2色光、第3色光に色分解して前記第1色光、第2色光、第3色光毎に配置された反射型ライトバルブに導き、前記反射型ライトバルブで変調された前記第1色光、第2色光、第3色光を前記色分解合成用複合プリズムで色合成し、前記色合成した光を前記偏光ビームスプリッタで検光して投射レンズで投射する投射型表示装置において、
前記色分解合成用複合プリズムは、内部に前記光源からの光を第1色光と、第2色光と第3色光の混合光とに色分解する第1のダイクロイック膜と、前記混合光を第2色光と第3色光とに色分解する第2のダイクロイック膜とを有し、
前記第1のダイクロイック膜で色分解された前記第1色光は、前記色分解合成用複合プリズムの側面で全反射して前記第1色光用に配置された反射型ライトバルブに入射し、前記第1のダイクロイック膜で色分解された第2色光と第3色光の混合光は、前記色分解合成用複合プリズムの側面で全反射して前記第2のダイクロイック膜に入射し、前記第2のダイクロイック膜で反射された前記第2色光は前記第2色光用に配置された反射型ライトバルブに入射し、前記第2のダイクロイック膜を透過した前記第3色光は前記第3色光用に配置された反射型ライトバルブに入射することを特徴とする投射型表示装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012027228A (ja) * | 2010-07-23 | 2012-02-09 | Panasonic Corp | カラー撮像光学系 |
JP2018084819A (ja) * | 2017-11-21 | 2018-05-31 | Necディスプレイソリューションズ株式会社 | 投写型表示装置および画像表示方法 |
US10146117B2 (en) | 2014-03-05 | 2018-12-04 | Nec Display Solutions, Ltd. | Projection type display apparatus and image display method |
-
2003
- 2003-02-26 JP JP2003048861A patent/JP2004258307A/ja active Pending
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