JP2004257643A - 遠赤外線偽装シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シートの少なくとも片面に、金属薄膜層、微粒子含有樹脂層および迷彩用着色剤含有樹脂層が積層され、かつ、その表面の平均熱放射率が0.35〜0.7で、JIS Z8741法に基づいて測定される光沢度が5以下であることを特徴とする遠赤外線偽装シート。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は遠赤外線に対して優れた偽装効果を発揮する遠赤外線偽装シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、野戦用装備として、森林や草原等の自然環境に対応した可視光線、近赤外線および遠赤外線に対する偽装材が種々提案されている。例えば、酸性染料を染料を用いる染色により、600〜1400nmの赤外線波長領域において多段階の赤外線反射率を有する迷彩模様を施した迷彩加工ナイロン布帛や(例えば、特許文献1参照)、合成樹脂製テープが編織されたシートからなり、テープの捩れによる不規則な表面構造を有することで、遠赤外線直進透過率を調節した遠赤外線偽装シートや(例えば、特許文献2参照)、フィルムの少なくとも片面に金属薄層を積層した熱放射率が0.5〜0.9の範囲にある複合シートからなるシート片を組み合せてなる遠赤外線偽装材(例えば、特許文献3参照)などが提案されている。
【0003】
しかしながら、特許文献1のものは600〜1400nmの赤外線領域、つまり近赤外線領域においては偽装性は認められるが、8〜14μmの遠赤外線領域では偽装効果は認められない。また、特許文献2のものは合成樹脂製テープの捩れ構造により得られた遠赤外線偽装シートであり、遠赤外線偽装効果は認められるが、嵩高で強力が低く、遠赤外線偽装シートとしては十分とは言えない。また、特許文献3のものは遠赤外線偽装効果は認められるが、熱放射率をより小さくするとシート表面に光沢が出現すると言う問題があった。
【0004】
【特許文献1】特開平5−222682号公報
【0005】
【特許文献2】特開平3−7896号公報
【0006】
【特許文献3】特開平2−48940号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる従来技術の欠点に鑑み、遠赤外線に対し、優れた偽装効果を有する遠赤外線偽装シートを提供せんとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用する。すなわち、本発明の遠赤外線偽装シートは、金属薄膜層、微粒子含有樹脂層および迷彩用着色剤含有樹脂層が積層され、かつ、その表面の平均熱放射率が0.35〜0.7で、JIS Z8741法に基づいて測定される光沢度が5以下であることを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明は、自然環境において、優れた偽装効果を有する遠赤外線偽装シートを提供せんと鋭意検討したところ、シートの表面に金属薄膜層、微粒子含有樹脂層および迷彩用着色剤含有樹脂層を形成させ、その表面の平均熱放射率および光沢度を特定の範囲内に調整することにより、かかる課題を解決できることを見い出したものである。
【0010】
本発明で言うシートとは、布帛、フィルム、紙などを言うが、これらの中でも物理的特性、特に強力面から布帛が好ましく用いられる。
【0011】
かかる布帛を構成する素材としては特に限定されないが、例えば、ナイロン6、ナイロン6・6、ナイロン12、ナイロン4・6、ナイロン6成分とナイロン6・6成分を共重合した共重合ポリアミドなどからなるポリアミド繊維、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのホモポリエステル、ポリエステルの繰り返し単位を構成する酸成分にイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸またはアジピン酸などの脂肪族ジカルボン酸などを共重合した共重合ポリエステルなどからなるポリエステル繊維、ポリパラフェニレンテレフタルアミド、ポリメタフェニレンイソフタルアミドなどにに代表されるアラミド繊維、セルロース系繊維、ポリビニルアルコール系繊維、サルフォン系繊維、超高分子量ポリエチレン繊維などの合成繊維または天然繊維などが使用される。好ましくは、合成繊維が使用される。
【0012】
かかる繊維には、原糸の製造工程や加工工程での生産性あるいは特性改善のために通常使用されている各種添加剤を含んでいてもよい。例えば、熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、平滑剤、帯電防止剤、可塑剤、難燃剤などを含有せしめることができる。
【0013】
かかる布帛の形態は特に限定されず、例えば、織物、編物、不織布が適宜使用されるが、特に織物が好ましく用いられる。また、必要に応じ、メッシュ状構造を有する布帛を適宜使用することもできる。
【0014】
さらに、かかる布帛としては、難燃性能の面からJIS K7201法に基づいて測定される限界酸素指数が25以上であるものが好ましく使用される。かかる布帛は、例えば、布帛をリン系化合物、ブロム系化合物を含む樹脂で浸漬・熱処理またはコーティング処理、または同化合物を原糸製造段階に添加することで得ることができる。
【0015】
本発明は、シートの少なくとも片面に、金属薄膜層、微粒子含有樹脂層および迷彩用着色剤含有樹脂層を積層せしめたものである。かかる金属薄膜層を形成する金属としては、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、クロム、鉄、亜鉛、鉛などや、これらの合金などが使用されるが、性能、軽量性の面からアルミニウムが好ましく用いられる。
【0016】
一方、かかる金属薄膜層は、シート上に箔状にして積層されるが、圧延法により作製された箔を接着剤で貼着してもよいが、蒸着法、メッキ法、スパッタリング法などの薄膜形成方法によりシート上に被覆してもよい。また、蒸着等法については、一旦、別なシート、例えばフィルムに金属蒸着した後、金属薄膜層を接着剤を介して布帛に転写することもできる。また、シート上に箔状にして積層する際、全面に積層しても、部分的に積層してもよいが、部分的に積層する場合は熱放射率調整の面からシートの面積に対し、50%以上の比率で形成するのが好ましい。
【0017】
なお、布帛に金属薄膜層を形成する際しては、必要に応じ、予め布帛に熱カレンダー、熱プレス加工を施し、布帛表面を扁平化してもよい。また金属薄膜層は、0.02〜0.1μm(200〜1000オングストローム)の範囲内の厚さを有することが好ましい。0.02μm未満であると熱放射率が高くなり、また、0.1μmを超えると光沢が増し、また風合いが硬くなるので好ましくない。
【0018】
また本発明で言う微粒子含有樹脂層は、金属薄膜層上に形成され、シート表面の光沢を抑制するものである。金属薄膜層上に形成される後述の迷彩用着色剤含有樹脂層が薄くなると、シート表面に金属の有する光沢が出現し、偽装シートとして好ましくない。微粒子含有樹脂層を適度な厚さに形成することにより、迷彩用着色剤含有樹脂層が薄い場合でも光沢を抑制することができる。微粒子含有樹脂層は金属薄膜層と迷彩用着色剤含有樹脂層の間に積層させることが、光沢抑制効果が高く、また迷彩色に調色し易いなどの点で好ましい。微粒子としては二酸化珪素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウムなどがあり、これらに限定されるものではない。また、これらの微粒子の平均粒子径としては0.2〜3μmの範囲のものが好ましく用いられる。これらの中でも、光沢抑制効果の高い二酸化珪素が好ましく、特に多孔質の二酸化珪素が、光線を散乱させるので鏡面光沢が減少し、光沢抑制効果がさらに高くなるため好ましく用いられる。また樹脂としてはシリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂およびこれらの共重合体からなる樹脂などが適宜使用される。樹脂中に存在する二酸化珪素は、重量比で1〜15%が好ましく、二酸化珪素含有樹脂層の厚さとしては、1〜5μmの範囲内にあることが好ましい。1μm未満では光沢抑制効果が不十分であり、また、5μmを超えるように必要以上に厚いと熱放射率の調整が困難になり好ましくない。
【0019】
また本発明で言う迷彩用着色剤含有樹脂とは、可視光ならびに近赤外線に対し、偽装性を付与するものであり、ポリプロピレン樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、および、これらの共重合体からなる樹脂やこれらの共重合体からなる変性樹脂に、迷彩用着色剤を含有せしめたものが使用される。迷彩着色剤は、通常に用いられる迷彩用顔料や染料を使用することができる。特に、顔料は無機系顔料であっても、有機系顔料であってもよい。例えば、迷彩着色剤としては、自然環境すなわち樹木、草、土などに調和した色相および近赤外線反射率を有する淡緑色、濃緑色、茶色および影部に相当する黒色などの顔料を用いるとよい。また、迷彩用着色剤含有樹脂層の色相は、単一であっても複数であってもよいが、複数のほうが迷彩効果を発揮するので好ましい。なお、背景が建築物など人工的な環境で使用する用途の場合は、その環境に調和した色相、例えば灰色系などを選択するとよい。通常、迷彩用着色剤含有樹脂層の厚さは、1〜15μmの範囲で調整される。迷彩用着色剤含有樹脂層の厚さが15μmを超えると、熱放射率が高くなり、遠赤外線偽装シートとしては好ましくない。
【0020】
かかる微粒子含有樹脂および迷彩用着色剤含有樹脂は、プリント方式、コーティング方式、スプレー方式、印刷方式などで塗工される。
【0021】
一方、かかるシート表面の熱放射率および光沢度は、金属薄膜層、微粒子含有樹脂層および迷彩着色剤含有樹脂層の厚さで調整できる。ここで、遠赤外線に対する偽装効果を発揮させる、すなわち自然環境(背景)に混和させるには平均熱放射率を0.35〜0.7の範囲内とすることが必須である。この平均放射率は、季節、気温および偽装対象物によって、この範囲内で適宜調整するとよい。特に、春および夏季のような比較的に気温が高い時期、および偽装対象物が熱を有するものについては、平均放射率が小さくなる方向に調整するとよい。平均放射率はが0.35未満になると自然環境(背景)より低温側に傾き、また0.7を超えると高温側に傾き、自然環境との混和が不十分になり、赤外線カメラによる撮影において、偽装対象物が識別され易くなり好ましくない。
【0022】
一方、本発明の遠赤外線偽装シートは、JIS Z8741法に基づいて測定される遠赤外線偽装シートの表面の光沢度が5以下であり、さらに好ましくは、2以下である。光沢度が5を超えると、遠赤外線偽装シートの表面にぎらぎらした光沢が出現し、偽装シートとして好ましくない。
【0023】
かかるシート表面上の熱放射率は、単一であっても、多段階に分布していてもよいが、偽装対象物の像分断による効果の点から多段階に分布しているものがより好ましい。特に、熱放射率が多段階に分布している場合は、熱放射率の最大値と最小値との差が0.03以上であることが好ましく、0.05〜0.2の範囲内であることがさらに好ましい。熱放射率を多段階に分布させる方法としては、金属薄膜層を部分的に形成させる方法、迷彩用着色剤含有樹脂の塗工量を変化させる方法、ならびに迷彩用着色剤含有樹脂を塗工した後、その表面をエンボスロールにて凹凸模様を形成させる方法などが好ましく用いられる。もちろん、これらの方法を適宜組み合わせて熱放射率を多段階に分布させてもよい。
【0024】
なお、偽装対象物が、熱を発生するものについては、熱伝達を抑制する断熱材と組み合わせるとさらに効果が発揮される。かかる断熱材としては、特に限定されないが、織物、ニット、不織布などが用いられる。
【0025】
かかる遠赤外線偽装シートは、例えば、衣服、テント、バッグ、カバー類などの用途に好ましく用いられる。
【0026】
次に、本発明の遠赤外線偽装シートを図面により説明する。図1は本発明の遠赤外線偽装シートの構成の一例を示す概略図であり、この例は、布帛1に、接着剤2を介してアルミニウム蒸着薄膜層3と、微粒子含有樹脂層4と迷彩用着色剤含有樹脂層5を積層して構成されたものである。
【0027】
【実施例】
次に実施例により、本発明をさらに詳しく説明する。
【0028】
なお、実施例中における特性は、下記の方法により求めた。
(1)熱放射率
30cm×20cm試験片を6等分し、各々の箇所をD and S AERD熱放射率計(Devices Servicens社製)にて測定し、その平均を求めた。
(2)光沢度
JIS Z8741法に基づいて75度鏡面光沢度を測定した。また目視で光沢度合いを観察した。
(3)偽装性
偽装シートをポンチョに縫製して着用し、森林を背景にA〜Cの条件で偽装性を観察し、次の基準で判定した。
【0029】
識別困難 ◎
識別やや困難 ○
偽装効果あり △
識別容易 ×
A.可視光領域
目視判定した。
【0030】
B. 近赤外線領域
赤外線写真法(カメラに赤外線用フィルターを装着)で撮影し、写真観 察し判定した。
【0031】
C.遠赤外線領域
検出波長8〜14μmの赤外線画像装置を用い、100mの距離から 観察し判定した。
(4)酸素指数
JIS K7201法に基づいて測定した。
【0032】
実施例1
ポリエステル繊維80%、綿20%からなる目付218g/m2のツイル組織の織物を精練・熱セットした。次いで、この織物の表面にポリエステルフィルムに蒸着した0.03μm(300オングストローム)のアルミニウム蒸着膜をポリウレタン系接着剤を介して転写した後、アルミニウム蒸着面に、平均粒子径が0.8μmの多孔質の二酸化珪素を7.5%含有したマレイン酸を官能基とする変性塩化ビニル/酢酸ビニル共重合からなる樹脂を2μmの厚さになるように塗布した。しかる後、上記樹脂面に森林、草原などの自然環境と同系の迷彩用の淡緑色、濃緑色、茶色、黒色顔料を含有する水系アクリル系樹脂を用い、各々の迷彩着色剤含有樹脂層が1.5〜5.5μmの厚さになるように4色の迷彩プリントを施し、遠赤外線偽装シートを作製した。
【0033】
このようにして得られた遠赤外線偽装シートの特性を表1に示した。本発明の遠赤外線偽装シートは、光沢がなく、熱放射率が0.38〜0.67の範囲で多段階に分布し、その平均放射率が0.48であり、遠赤外線画像装置にて観察した結果、背景(森林)と混和し、偽装性に優れていた。
【0034】
比較例1
実施例1のアルミニウム蒸着膜をポリウレタン系接着剤を介して転写した織物のアルミニウム蒸着面に森林、草原などの自然環境と同系の迷彩用の淡緑色、濃緑色、茶色、黒色顔料を含有する水系アクリル系樹脂を用い、各々の迷彩着色剤含有樹脂層が1.5〜5.5μmの厚さになるように4色の迷彩プリントを施し、遠赤外線偽装シートを作製した。
【0035】
このようにして得られた遠赤外線偽装シートの特性を表1に示した。比較例1の遠赤外線偽装シートは、熱放射率が0.34〜0.61の範囲で多段階に分布し、その平均放射率が0.43であり、遠赤外線画像装置にて観察した結果、背景(森林)と混和し、偽装性に優れていたが、ぎらぎら光沢の強い迷彩色になり好ましくなかった。
【0036】
実施例2
リン共重合難燃ポリエステル繊維(限界酸素指数:28)からなる目付195g/m2のツイル組織の織物を精練・熱セットした。次いで、この織物に150℃で線圧20tonの片面カレンダー加工を施し、その表面にポリエステルフィルムに蒸着した0.05μm(500オングストローム)のアルミニウム蒸着膜をポリウレタン系接着剤を介して転写した後、アルミニウム蒸着面に、平均粒子径が1μmの多孔質の二酸化珪素を5.5%含有したポリウレタン系樹脂を2μmの厚さになるように塗布した。しかる後、アルミニウム蒸着膜面に森林と同系の迷彩用緑色顔料を含有した、燐酸を官能基とする塩化ビニル・酢酸ビニル共重合系樹脂を用い、迷彩着色剤含有樹脂層が8.5μmの厚さになるようにコーティングを施し、遠赤外線偽装シートを作製した。
【0037】
このようにして得られた遠赤外線偽装シートの特性を表1に示した。本発明の赤外線偽装シートは、光沢がなく、熱放射率が0.53であり、遠赤外線画像装置にて観察した結果、森林と混和し、偽装効果に優れていた。
【0038】
比較例2
迷彩着色剤含有樹脂層が16.5μmの厚さになるようにコーティングを施した他は実施例2と同様にして、遠赤外線偽装シートを作製した。
【0039】
このようにして得られた遠赤外線偽装シートの特性を表1に示した。本発明の赤外線偽装シートは、光沢はなかったが、熱放射率が0.78であり、遠赤外線画像装置にて観察した結果、森林と混和せず、偽装効果に劣っていた。
【0040】
実施例3
実施例2と同一織物を精練・熱セットした後、この織物の表面にポリエステルフィルムに蒸着した0.04μm(400オングストローム)のアルミニウム蒸着膜をポリウレタン系接着剤を介してアルミニウム蒸着面が面積比で85%になるように島状に転写した。このアルミニウム蒸着面に、平均粒子径が0.7μmの多孔質の二酸化珪素を7.5%含有したポリ塩化ビニル・ポリ酢酸ビニル系樹脂を2μmの厚さになるように塗布した。しかる後、同樹脂面に森林、草原などの自然環境と同系の迷彩用の淡緑色、濃緑色、茶色、黒色顔料を含有する水系アクリル系樹脂を用い、各々の迷彩着色剤含有樹脂層が1.5〜5.5μmの厚さになるように4色の迷彩プリントを施し、遠赤外線偽装シートを作製した。
【0041】
このようにして得られた遠赤外線偽装シートの特性を表1に示した。本発明の遠赤外線偽装シートは、光沢がなく、熱放射率が0.41〜0.70の範囲で多段階に分布し、その平均放射率が0.53であり、遠赤外線画像装置にて観察した結果、背景(森林)と混和し、偽装性に優れていた。
【0042】
【表1】
【0043】
【発明の効果】
本発明によれば、森林や草原などの自然環境に対し、8〜14μmの遠赤外線領域おいて、優れた偽装効果を有し、目視や赤外線画像装置にも検出され難い遠赤外線偽装シートを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の遠赤外線偽装シートの構成の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
1 布帛
2 接着剤
3 アルミニウム蒸着薄膜層
4 微粒子含有樹脂層
5 迷彩用着色剤含有樹脂層
Claims (14)
- シートの少なくとも片面に、金属薄膜層、微粒子含有樹脂層および迷彩用着色剤含有樹脂層が積層され、かつ、その表面の平均熱放射率が0.35〜0.7で、JIS Z8741法に基づいて測定される光沢度が5以下であることを特徴とする遠赤外線偽装シート。
- 金属薄膜層が、0.02〜0.1μm(200〜1000オングストローム)の範囲内の厚さを有する、請求項1に記載の遠赤外線偽装シート。
- 金属薄膜層が、アルミニウムである、請求項1または2に記載の遠赤外線偽装シート。
- 金属薄膜層が、シートの面積に対し、50%以上の比率で形成されている、請求項1〜3のいずれかに記載の遠赤外線偽装シート。
- 微粒子含有樹脂層が、二酸化珪素含有樹脂層である、請求項1〜4のいずれかに記載の遠赤外線偽装シート。
- 二酸化珪素が、多孔質である、請求項5に記載の遠赤外線偽装シート。
- 二酸化珪素含有樹脂層の厚さが、1〜5μmの範囲内にある、請求項5または6に記載の遠赤外線偽装シート。
- 迷彩用着色剤含有樹脂層の厚さが、1〜15μmの範囲内にある、請求項1〜7のいずれかに記載の遠赤外線偽装シート。
- 迷彩用着色剤含有樹脂層が複数の色相を有する、請求項1〜8のいずれかに記載の遠赤外線偽装シート。
- 熱放射率が多段階に分布している、請求項1〜9のいずれかに記載の遠赤外線偽装シート。
- 多段階に分布した熱放射率の最大値と最小値との差が0.03以上である、請求項10に記載の遠赤外線偽装シート。
- 光沢度が2以下である、請求項1〜11のいずれかに記載の遠赤外線偽装シート。
- シートが布帛である、請求項1〜12のいずれかに記載の遠赤外線偽装シート。
- 布帛が、JIS K7201法に基づいて測定される限界酸素指数が25以上である、請求項13に記載の遠赤外線偽装シート。
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