JP2004257549A - ダイヤフラムの固定構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】ダイヤフラムと弁体との固定をより強固とする。
【解決手段】複数枚の重ねられたダイヤフラム61、62に、弁体4の連結部42をと通し、連結部42に螺合する押圧固定部材7と、弁体4との間で、ダイヤフラム61、62を固定する。押圧固定部材7が連結部42と螺合している接合孔71に、固定部材9を螺入させ、連結部42と接合孔71との螺合状態を、ダイヤフラム61、62を締着した状態で固定する。さらに、固定部材9のテーパー面93の螺入により、連結部42の穴422を外側に押し開き、ネジ山を潰すことにより、さらに連結部42と押圧固定部材7との螺合状態を固定する。
【選択図】図2
【解決手段】複数枚の重ねられたダイヤフラム61、62に、弁体4の連結部42をと通し、連結部42に螺合する押圧固定部材7と、弁体4との間で、ダイヤフラム61、62を固定する。押圧固定部材7が連結部42と螺合している接合孔71に、固定部材9を螺入させ、連結部42と接合孔71との螺合状態を、ダイヤフラム61、62を締着した状態で固定する。さらに、固定部材9のテーパー面93の螺入により、連結部42の穴422を外側に押し開き、ネジ山を潰すことにより、さらに連結部42と押圧固定部材7との螺合状態を固定する。
【選択図】図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、バルブにおけるダイヤフラムの固定構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、腐食性ガスの流通回路に使用される開閉弁に対しては、耐腐食性と、気密性が特に求められる。特に、本体に対して移動する弁体のような可動部分と、本体との間の気密性は、十分に確保されることが望まれる。
本体と弁体との間は、弾性材料で構成される薄板状のダイヤフラムで連結され、弁体の移動に応じて、ダイヤフラムが撓み、気密性を確保する構成が従来より知られている。ここで、従来より課題となっているのが、ダイヤフラムと弁体との接合部分の気密性である。ダイヤフラムと弁体との接合を確実にする構成として、従来では、以下に挙げるようなものがある。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−263508号 段落番号0018。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1において、閉鎖部材19(弁体)の凸部19bには、中間伝動具18が螺着され、ダイヤフラム21を中間伝動具18と閉鎖部材19とで確りと挟させ、挿通孔26の周囲を確実に密封保持する構成が示されている。
しかし、中間伝動具18に薄板32を介して接触しているスピンドル17は、開閉操作の度に回転するため、スピンドル17の回転によって、中間伝動具18に回転力が伝達され、凸部19bと中間伝動具18の螺着部分が緩む恐れがある。
【0005】
この緩みによって、閉鎖部材19とダイヤフラム21との密着による気密性が損なわれてしまう。特に、ダイヤフラム21を複数枚重ね合わせた構成とした場合には、各ダイヤフラムの撓み量が微妙に異なるため、ダイヤフラム中心の密着部分の気密性を維持することが一層難しくなる。
この発明は、ダイヤフラムの中心部との固定が確実になされている弁体を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
以上のような目的は、以下の本発明によって達成される。
(1) バルブ本体側に固定される周端部を有するダイヤフラムと、バルブの開閉操作に応じて往復移動する移動体との固定構造であって、
ダイヤフラムの中心に形成された挿通孔と、
挿通孔に挿入される連結部と、連結部に形成された雄ネジ部と、連結部の先端に形成された穴と、連結部の基端周囲に設けられた受け面とを有する移動体と、連結部に螺合される雌ネジ部を備えた接合孔と、接合孔の片側開口部の周囲に形成され、移動体の受け面との間に前記ダイヤフラムを挟持固定する押圧面とを備えた押圧固定部材と、
接合孔内の雌ネジ部に螺合する雄ネジ部と、移動体の連結部の孔内に収納されるテーパー面と、工具が接続される接合部とを有する固定部材とを備え、
連結部方向にねじ込まれた固定部材のテーパー面によって、連結部先端が外側に押し広げられていることを特徴とするダイヤフラムの固定構造。
【0007】
(2) ダイヤフラムは複数枚重ねられている上記(1)に記載のダイヤフラムの固定構造。
【0008】
(3) 連結部の基端部には、ダイヤフラムの挿通孔に嵌合する嵌合部を有し、
挿通孔の内周端と嵌合部は溶接されている上記(1)又は(2)に記載のダイヤフラムの固定構造。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適実施形態について、添付図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の弁体を用いた腐食性ガス用開閉弁の側面全体断面図、図2は、同じく弁体の部分を拡大した側面断面図である。
開閉弁1は、腐食性ガスの流通経路中に配置される開閉弁である。図1に示されているように、開閉弁1は、本体2と、支持部材3と、移動体としての弁体4と、操作手段5と、ダイヤフラム61、62と、押圧固定部材7と、復帰手段8と、固定部材9とを備えている。
【0010】
本体2は、耐腐食性を有する金属で構成され、例えば、SUS316、SUS316Lなどのステンレス鋼で構成される。本体2は、内部に形成された弁室21と、基端接続部22と、外部接続部23と、取付部24と、受け部25とを備えている。弁室21は、取付部24の底部に形成されており、弁室21には、弁体4が収納される。基端接続部22は、例えばガス容器など、ガス供給側の接続端に接続される部分であり、外周面には、接続のための雄ネジ部221が形成されている。基端接続部22の先端部には、ガスが流入する導入口223が形成されており、導入口223と、弁室21に開口した流入口211との間には、導入路222が形成されている。
【0011】
また、外部接続部23は、下流側のガス経路が接続される接続口232を先端部に有し、接続口232には、導出路231が連通している。外部接続部23の外周面には、接続用の雄ネジ部233が形成されている。
弁室21内には、流入したガスか流出する流出口212が形成され、流出口212は、導出路231に連通している。従って、導入口223から流入したガスは、導入路222、弁室21、導出路231、接続口232の順に流通する。
【0012】
取付部24には、操作手段5を支持する支持部材3が取り付けられる。取付部24は、底部が弁室21につながっている横断面が円形の内空を有し、内壁に形成された雌ネジ部242と、雌ネジ部242よりも拡径された開口241とを備えており、底部には、内側に縮径する段状の受け部25を有している。
弁室21は、取付部24の軸線に対して同一軸線上に位置した、断面形状が円形の空間である。弁室21の底部中心部(取付部24の軸線上)には、流入口211を有し、内周側面には、流出口212を有している。そして、上部開口の周端には、上記受け部25が形成されている。
【0013】
弁室21内には、弁体4が収納されている。弁体4は、円柱状に形成された弁本体41と、連結部42と、ダイヤフラム61、62が溶接される嵌合部43とを備えており、これらは同一の金属材料により一体形成されている。弁体4を構成する材料としては、耐腐食性を有する材料であって、例えば、JIS G4304:SUS316L、SUS316等のステンレス鋼が用いられている。弁本体41の外周面は、周方向に突出し、弁室21の内周に近接し、底部近傍は、弁室21の内周面との間に隙間を形成し、ガス流通路を形成している。弁本体41の底面411には、対向する流入口211を囲む様に、リング状のシール材413が埋設されている。
このシール材413は、弁閉状態では、弁室21の底面に押接され、流入口211を閉じ状態とし、弁開状態では、弁室21の底面から離れて、流入口211を開状態とする。
【0014】
弁本体41の軸線上において、底面の反対側には連結部42が立設されている。連結部42は、棒状に形成され、外周面には雄ネジ部421が、先端には、穴422がそれぞれ形成されている。穴422の開口付近には、肉厚が開口へ向けて漸減するように傾斜面423が形成されている。
【0015】
連結部42の基端部周囲には、弁本体41の上面より突出した、円柱状の嵌合部43が形成されており、この嵌合部43には、図3に示されているように、ビードBを介して、複数枚のダイヤフラム61、62が溶着されている。ダイヤフラム61、62は、同一形状であり、薄板の円盤状に形成されている。中心には、嵌合部43が嵌合する孔を有し、周端には、平面状に形成された周端平面部613、623か形成され、孔の周囲には、平面状の中央平面部614、624が形成されている。そして、周端平面部613、623と中央平面部614、624の間には、直径方向の横断面視において、弁室の反対側に凸となる様に、緩やかに湾曲している湾曲部612、622が形成されている。湾曲部612、622は、周方向に連続して形成された溝を形成し、ダイヤフラム61、62の中央部が、周端部に対して軸方向に変位した場合に、湾曲部612、622が変形し、弾性限度内で十分な変位量が得られるように構成されている。
【0016】
このようなダイヤフラム61、62は、複数枚重ねられており、この実施形態では、5枚重ねられている。最も弁室21側に位置する一枚のダイヤフラム61と、その外側に重ねられた4枚のダイヤフラム62とによって、弁室21を画成する、変形可能な隔壁が構成される。ダイヤフラムは、例えば、ニッケル・コバルト合金で構成することができる。複数枚重ねられたダイヤフラム61、62は、図4に示されているように、溶接処理をする前では、嵌合部43の周端面431に、中央の孔の孔内周端611、621が付き合わされた状態となるように、突出した嵌合部43に、ダイヤフラム61、62の中央部の孔が嵌合され、さらに、付設リング60が、最も外側に位置するダイヤフラム62の上から付設される。付設リング60も、嵌合部43に嵌合される大きさの内径を有する輪状に形成された部材であり、溶接時には、溶加材として作用する。この付設リング60には、例えば、常炭素ニッケル板(JIS H4561 NNCP)が用いられる。
嵌合部43と付設リング60の接触点Pを電子ビーム溶接することによって、図5に示されているように、ビード(溶着金属)Bが構成され、弁体4の嵌合部43とダイヤフラム61、62が溶接される。
【0017】
連結部42には、押圧固定部材7が接合される。押圧固定部材7は、円柱状に形成され、軸方向に接合孔71を有している。接合孔71内には、雌ネジ部711が内壁に形成され、この雌ネジ部711が、連結部42の雄ネジ部421に螺合する。この、雌ネジ部711と雄ネジ部421とを締め付けることによって、押圧固定部材7の弁本体41側の端部に形成された押圧面74が、ダイヤフラム62の中央平面部624に押圧される。ダイヤフラム61、62は、押圧面74と弁本体41との間で両側から押圧された状態で挟持され、弁体4とダイヤフラム61、62とを一層強固に一体化する。
【0018】
接合孔71の押圧面74側の端には、傾斜部713が設けられ、接合状態で、ビードBを収納する構成となっている。また、傾斜部713の開口端部には、周方向に溝が形成され、付設リング60を収容する収容部714が設けられている。押圧固定部材7の弁本体41側の端部には、外周側面に突出段部73が周方向に形成されている。また、他方の端部には、外周側面に雄ネジ部72が形成されている。接合孔71の雌ネジ部711には、さらに、固定部材9の雄ネジ部91が螺合している。固定部材9を重ねて螺合させることによって、固定部材9は、ダブルナットとして作用し、連結部42と押圧固定部材7との螺合部分の緩みを抑制する。
【0019】
即ち、連結部42の雄ネジ部421と、固定部材9の雄ネジ部91は、共に接合孔71の雌ネジ部711に螺合しているが、非連続である。このため、雌ネジ部711に対して、雄ネジ部421と雄ネジ部91が同時に回転することはなく、連結部42と押圧固定部材9との螺着が緩む方向の回転を、固定部材9が規制する構成となっている。
【0020】
さらに、固定部材9は、先端部に鋭角状に形成されたテーパー面93を有し、外周側面に雌ネジ部711と螺合する雄ネジ部91を有し、基端部に六角形の嵌合穴92を有している。嵌合穴92に工具を差し込み、固定部材9を締め付けることによって、先端のテーパー面93が、穴422内に進行し、同時に、テーパー面93が、開口縁部424を外側に押し開いて変形させる構成となっている。このテーパー面93の作用によって、連結部42先端部のネジ山が、接合孔71内の雌ネジ部711に押し付けられつつ潰され、相互に回転不能な状態となる。このように、雌ネジ部711と雄ネジ部421が相対的に回転不能となり一体となることで、ネジ接合部分の緩みの発生が一層抑制され、押圧固定部材7が、ダイヤフラム61、62を固定した状態を確実に維持させることができる。
【0021】
接合孔71の他方の端部には、接合孔71より内径の大きな収納部712が形成されており、この収納部712には、回動部材54が回動自在な状態で収納されている。
押圧固定部材7の外周には、復帰手段8が配置されている。復帰手段8は、圧縮スプリング81、受け部材82とを備えている。受け部材82は、筒状に形成され、外側周面に突出したフランジ部には、スプリング81の一端が当接する受け面821を備え、内側周面には、回動部材54を収納する収納孔822と、雌ネジ部823を備えている。雌ネジ部823は、押圧固定部材7の雄ネジ部72に螺合され、押圧固定部材7の端面と内側突出段部824の間に、回動部材54の突出部543を収納する隙間を形成する。
【0022】
一方、本体2に形成されている受け部25には、ダイヤフラム61、62を介して、押接部材83が載置されている。押接部材83において、ダイヤフラム61、62に対して反対側の面には、後述する支持部材3の基端面33と、スプリング81の他端が当接する。スプリング81は、押接部材83と受け部材82の間に圧縮された状態で介挿され、弁体4を、開状態となる方向へ常時付勢している。
押接部材83の中央に形成された挿通穴833には、押圧固定部材7が収納され、挿通穴833の内側に形成された段部834には、突出段部73が対向して配置される構成となっている。弁開状態で、突出段部73は、段部834に当接する。
【0023】
本体2の取付部24には、支持部材3がねじ込まれる。支持部材3は、中心軸方向に、操作手段5を収納する孔、収納部31を備え、外周面には雄ネジ部32を有し、収納部31には、雌ネジからなるガイドネジ311を有している。
雄ネジ部32は、本体2の取付部24の雌ネジ部242に螺合し、支持部材3を取付部24にねじ込むことによって、基端面33により、押接部材83を介して、ダイヤフラム61、62を押圧し、受け部25との間でダイヤフラム61、62の周端平面部613、623を締め付けることで、弁室21の気密性を保持している。特に、受け部25には、断面形状が山型となっている密着部251が形成されており、特に密着部251において、ダイヤフラム61、62に集中して圧力が加わるので、密閉性が一層向上する。
【0024】
支持部材3の収納部31には、駆動部材51が収納されている。駆動部材51は、外周面に雄ネジで構成されたリードネジ511が形成され、このリードネジ511は、収納部31のガイドネジ311に螺合している。駆動部材51の先端当接部512は、球面状の凸面となっている。また、支持部材3の外側に突出した基端部には、横断面が多角形状である接合部513が形成され、この接合部513には、ハンドル52の接合穴521が接合されている。接合穴521の断面形状は、接合部513の断面形状と同一形状の多角形状に形成されている。ハンドル52の中心には、固定ボルト522が挿通し、接合部513の先端に形成されたネジ穴514に螺合しており、ハンドル52は、駆動部材51に締着固定される。
【0025】
先端当接部512と、回動部材54の間には、介挿部材53が介挿されている。介挿部材53の下面は球面状の凸面となっており、回動部材54の受け面541と点接触するように構成されている。また、介挿部材53の上面531には、先端当接部512が点接触する。介挿部材53は、周囲の部材に対して、相対的に回動自在に配置される。
【0026】
ハンドル52を回転させると、駆動部材51が一体として回転し、ガイドネジ311と、リードネジ511の噛みあいによって、駆動部材51が軸方向に移動する。このガイドネジ311と、リードネジ511とによって、進退ガイド手段が構成される。
駆動部材51の進退によって、弁体4は、軸方向に進退し、弁閉状態と、弁開状態とに切り替わる。駆動部材51は、進退移動するとき回転する。ここで、駆動部材51と介挿部材53の間は、点接触であり、また、介挿部材53と回動部材54との間も点接触であるので、これらの各部材が、駆動部材51の回転とともに連れ回りしにくい構成となっている。また、連れ回りした場合を想定すると、回動部材54がフリー回転し、回転を押圧固定部材7に伝えない構成となっているので、押圧固定部材7が回転し、雄ネジ部421と雌ネジ部711との螺合によるダイヤフラム61、62の締着が緩むことがない。さらに、これらの締着固定状態は、固定部材9によって、確保されているので、さらに一層ダイヤフラム61、62の締着が確実に維持される。
【0027】
又、複数枚の重ねられたダイヤフラム61、62が用いられているので、腐食ガスに対する耐腐食性や耐久性が向上している。特に、複数枚の重ねられたダイヤフラム61、62を溶接により弁体4に固定した構成とすることで、単に押圧固定部材7によって押圧固定する構成よりも、密閉性が格段に向上している。なお、溶加材となる付設リング60は、図6に示されているように、弁本体41側に溝415を形成し、この位置に収納されていてもよい。
【0028】
又、ダイヤフラムを構成するニッケルコバルト合金の組成は、コバルトが25〜45重量%、クロムが12〜25重量%、モリブデンが8〜15重量%、ニオブ0.1〜3重量%の範囲の組成であり、残部はニッケルで構成される。また、母材である弁体は、例えば、オーステナイト系低炭素鋼種を用いることができる。
【0029】
図7、図8は、ダイヤフラムの固定部分の状態を示す部分断面側面図である。図7は閉じ状態、図8は開状態を示すもので、開き状態では、図8における矢印方向に弁体4が移動している。このため、押圧固定部材7の押圧面715と、受け面414とによる強固な圧着がない場合には、例えば、図9に示されているような応力σが発生する。これは、ダイヤフラムが重ねられ、厚さが生じているため、変形量(開閉により弁体の変位)微小であるにも関わらず、応力σは大きくなってしまう。押圧面715と受け面414によって強固に締め付けられていると、溶接部分から圧着部分までの間の変形は少なく、溶接部での応力σも抑制させすることができる。
【0030】
【発明の効果】
請求項1に記載の本発明によれば、接合孔の雌ネジ部には、固定部材の雄ネジ部と連結部の雄ネジ部が同時に螺合し、固定部材は、連結部に対してダブルナットとして作用し、連結部と押圧固定部材との螺合部分の緩みを抑制する。
さらに、固定部材のテーパー面が連結部材の先端部を押し開き、雌ネジ部へ向けて雄ネジ部を押し付けた状態となるので、雌ネジ部と雄ネジ部との滑りを防止し、一層確実に螺合部分の緩みを抑制することができる。
【0031】
請求項2に記載の発明によれば、一層強い締着力が必要である、複数枚ダイヤフラムの固定においても、緩むことなく確実に締着固定状態を維持することができる。
請求項3に記載の発明によれば、溶接部分の外側で押圧固定部材によってダイヤフラムが挟持固定されているので、ダイヤフラムの変形が直接溶接部分に伝わらず、溶接部分の寿命を延ばすことができる。特に、ダイヤフラムを複数枚重ねた構造とした場合には、各ダイヤフラムの変形は微妙に異なり、変形時に溶接部分に加わる応力は、1枚の場合に比較して増大する。このため、溶接部分の寿命は短くなる恐れがあるが、溶接部分の外側を押圧固定部材により押圧固定し、かつその状態を長期間に渡って確実に維持するこによって、溶接部分の寿命を一層延長させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の弁体を用いた開閉弁の全体断面側面図である。
【図2】弁体及び復帰手段の全体断面側面図である。
【図3】ダイヤフラムが溶着された弁体の全体平面図である。
【図4】溶接される前の、弁体嵌合部にダイヤフラムを装着した状態を示す部分拡大断面側面図である。
【図5】弁体嵌合部にダイヤフラムが溶接されている状態を示す部分拡大断面側面図である。
【図6】他の構成例を示すもので、溶接される前の、弁体嵌合部にダイヤフラムを装着した状態を示す部分拡大断面側面図である。
【図7】ダイヤフラムの固定部分の状態を示す部分断面側面図である。
【図8】ダイヤフラムの固定部分の状態を示す部分断面側面図である。
【図9】溶接部分で発生する応力の大きさを示す模式図である。
【図10】溶接部分で発生する応力の大きさを示す模式図である。
【符号の説明】
1 腐食ガス用開閉弁
2 本体
21 弁室
211 流入口
212 流出口
22 基端接続部
221 雄ネジ部
222 導入路
223 導入口
23 外部接続部
231 導出路
232 接続口
233 雄ネジ部
24 取付部
241 取付口
242 雌ネジ部
25 受け部
251 密着部
3 支持部材
31 収納部
311 ガイドネジ(進退ガイド手段)
32 雄ネジ部
33 基端面
4 弁体
41 弁本体
411 底面
413 シール材
414 受け面
42 連結部
421 雄ネジ部
422 穴
423 傾斜面
424 開口縁部
43 嵌合部
431 周端面(突合せ面)
5 操作手段
51 駆動部材
511 リードネジ(進退ガイド手段)
512 先端当接部
513 接合部
514 ネジ穴
52 ハンドル
521 接合穴
522 固定ボルト
53 介挿部材
531 上面
532 下面
54 回動部材
541 受け面
542 摺接面
543 突出部
60 付設リング
61 ダイアフラム
611 孔内周端
612 湾曲部
613 周端平面部
614 中央平面部
62 ダイアフラム
621 孔内周端
622 湾曲部
623 周端平面部
624 中央平面部
7 押圧固定部材
71 接合孔
711 雌ネジ部
712 収納部
713 傾斜部
714 収容部
715 押圧面
72 雄ネジ部
73 突出段部
74 押圧面
8 復帰手段
81 スプリング
82 受け部材
821 受け面
822 収納孔
823 雌ネジ部
824 内側突出段部
83 押接部材
831 受け面
832 押接面
833 挿通穴
834 段部
9 固定部材
91 雄ネジ部
92 嵌合穴
93 テーパー面
P 溶接点
B ビード
【発明の属する技術分野】
この発明は、バルブにおけるダイヤフラムの固定構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、腐食性ガスの流通回路に使用される開閉弁に対しては、耐腐食性と、気密性が特に求められる。特に、本体に対して移動する弁体のような可動部分と、本体との間の気密性は、十分に確保されることが望まれる。
本体と弁体との間は、弾性材料で構成される薄板状のダイヤフラムで連結され、弁体の移動に応じて、ダイヤフラムが撓み、気密性を確保する構成が従来より知られている。ここで、従来より課題となっているのが、ダイヤフラムと弁体との接合部分の気密性である。ダイヤフラムと弁体との接合を確実にする構成として、従来では、以下に挙げるようなものがある。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−263508号 段落番号0018。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1において、閉鎖部材19(弁体)の凸部19bには、中間伝動具18が螺着され、ダイヤフラム21を中間伝動具18と閉鎖部材19とで確りと挟させ、挿通孔26の周囲を確実に密封保持する構成が示されている。
しかし、中間伝動具18に薄板32を介して接触しているスピンドル17は、開閉操作の度に回転するため、スピンドル17の回転によって、中間伝動具18に回転力が伝達され、凸部19bと中間伝動具18の螺着部分が緩む恐れがある。
【0005】
この緩みによって、閉鎖部材19とダイヤフラム21との密着による気密性が損なわれてしまう。特に、ダイヤフラム21を複数枚重ね合わせた構成とした場合には、各ダイヤフラムの撓み量が微妙に異なるため、ダイヤフラム中心の密着部分の気密性を維持することが一層難しくなる。
この発明は、ダイヤフラムの中心部との固定が確実になされている弁体を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
以上のような目的は、以下の本発明によって達成される。
(1) バルブ本体側に固定される周端部を有するダイヤフラムと、バルブの開閉操作に応じて往復移動する移動体との固定構造であって、
ダイヤフラムの中心に形成された挿通孔と、
挿通孔に挿入される連結部と、連結部に形成された雄ネジ部と、連結部の先端に形成された穴と、連結部の基端周囲に設けられた受け面とを有する移動体と、連結部に螺合される雌ネジ部を備えた接合孔と、接合孔の片側開口部の周囲に形成され、移動体の受け面との間に前記ダイヤフラムを挟持固定する押圧面とを備えた押圧固定部材と、
接合孔内の雌ネジ部に螺合する雄ネジ部と、移動体の連結部の孔内に収納されるテーパー面と、工具が接続される接合部とを有する固定部材とを備え、
連結部方向にねじ込まれた固定部材のテーパー面によって、連結部先端が外側に押し広げられていることを特徴とするダイヤフラムの固定構造。
【0007】
(2) ダイヤフラムは複数枚重ねられている上記(1)に記載のダイヤフラムの固定構造。
【0008】
(3) 連結部の基端部には、ダイヤフラムの挿通孔に嵌合する嵌合部を有し、
挿通孔の内周端と嵌合部は溶接されている上記(1)又は(2)に記載のダイヤフラムの固定構造。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適実施形態について、添付図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の弁体を用いた腐食性ガス用開閉弁の側面全体断面図、図2は、同じく弁体の部分を拡大した側面断面図である。
開閉弁1は、腐食性ガスの流通経路中に配置される開閉弁である。図1に示されているように、開閉弁1は、本体2と、支持部材3と、移動体としての弁体4と、操作手段5と、ダイヤフラム61、62と、押圧固定部材7と、復帰手段8と、固定部材9とを備えている。
【0010】
本体2は、耐腐食性を有する金属で構成され、例えば、SUS316、SUS316Lなどのステンレス鋼で構成される。本体2は、内部に形成された弁室21と、基端接続部22と、外部接続部23と、取付部24と、受け部25とを備えている。弁室21は、取付部24の底部に形成されており、弁室21には、弁体4が収納される。基端接続部22は、例えばガス容器など、ガス供給側の接続端に接続される部分であり、外周面には、接続のための雄ネジ部221が形成されている。基端接続部22の先端部には、ガスが流入する導入口223が形成されており、導入口223と、弁室21に開口した流入口211との間には、導入路222が形成されている。
【0011】
また、外部接続部23は、下流側のガス経路が接続される接続口232を先端部に有し、接続口232には、導出路231が連通している。外部接続部23の外周面には、接続用の雄ネジ部233が形成されている。
弁室21内には、流入したガスか流出する流出口212が形成され、流出口212は、導出路231に連通している。従って、導入口223から流入したガスは、導入路222、弁室21、導出路231、接続口232の順に流通する。
【0012】
取付部24には、操作手段5を支持する支持部材3が取り付けられる。取付部24は、底部が弁室21につながっている横断面が円形の内空を有し、内壁に形成された雌ネジ部242と、雌ネジ部242よりも拡径された開口241とを備えており、底部には、内側に縮径する段状の受け部25を有している。
弁室21は、取付部24の軸線に対して同一軸線上に位置した、断面形状が円形の空間である。弁室21の底部中心部(取付部24の軸線上)には、流入口211を有し、内周側面には、流出口212を有している。そして、上部開口の周端には、上記受け部25が形成されている。
【0013】
弁室21内には、弁体4が収納されている。弁体4は、円柱状に形成された弁本体41と、連結部42と、ダイヤフラム61、62が溶接される嵌合部43とを備えており、これらは同一の金属材料により一体形成されている。弁体4を構成する材料としては、耐腐食性を有する材料であって、例えば、JIS G4304:SUS316L、SUS316等のステンレス鋼が用いられている。弁本体41の外周面は、周方向に突出し、弁室21の内周に近接し、底部近傍は、弁室21の内周面との間に隙間を形成し、ガス流通路を形成している。弁本体41の底面411には、対向する流入口211を囲む様に、リング状のシール材413が埋設されている。
このシール材413は、弁閉状態では、弁室21の底面に押接され、流入口211を閉じ状態とし、弁開状態では、弁室21の底面から離れて、流入口211を開状態とする。
【0014】
弁本体41の軸線上において、底面の反対側には連結部42が立設されている。連結部42は、棒状に形成され、外周面には雄ネジ部421が、先端には、穴422がそれぞれ形成されている。穴422の開口付近には、肉厚が開口へ向けて漸減するように傾斜面423が形成されている。
【0015】
連結部42の基端部周囲には、弁本体41の上面より突出した、円柱状の嵌合部43が形成されており、この嵌合部43には、図3に示されているように、ビードBを介して、複数枚のダイヤフラム61、62が溶着されている。ダイヤフラム61、62は、同一形状であり、薄板の円盤状に形成されている。中心には、嵌合部43が嵌合する孔を有し、周端には、平面状に形成された周端平面部613、623か形成され、孔の周囲には、平面状の中央平面部614、624が形成されている。そして、周端平面部613、623と中央平面部614、624の間には、直径方向の横断面視において、弁室の反対側に凸となる様に、緩やかに湾曲している湾曲部612、622が形成されている。湾曲部612、622は、周方向に連続して形成された溝を形成し、ダイヤフラム61、62の中央部が、周端部に対して軸方向に変位した場合に、湾曲部612、622が変形し、弾性限度内で十分な変位量が得られるように構成されている。
【0016】
このようなダイヤフラム61、62は、複数枚重ねられており、この実施形態では、5枚重ねられている。最も弁室21側に位置する一枚のダイヤフラム61と、その外側に重ねられた4枚のダイヤフラム62とによって、弁室21を画成する、変形可能な隔壁が構成される。ダイヤフラムは、例えば、ニッケル・コバルト合金で構成することができる。複数枚重ねられたダイヤフラム61、62は、図4に示されているように、溶接処理をする前では、嵌合部43の周端面431に、中央の孔の孔内周端611、621が付き合わされた状態となるように、突出した嵌合部43に、ダイヤフラム61、62の中央部の孔が嵌合され、さらに、付設リング60が、最も外側に位置するダイヤフラム62の上から付設される。付設リング60も、嵌合部43に嵌合される大きさの内径を有する輪状に形成された部材であり、溶接時には、溶加材として作用する。この付設リング60には、例えば、常炭素ニッケル板(JIS H4561 NNCP)が用いられる。
嵌合部43と付設リング60の接触点Pを電子ビーム溶接することによって、図5に示されているように、ビード(溶着金属)Bが構成され、弁体4の嵌合部43とダイヤフラム61、62が溶接される。
【0017】
連結部42には、押圧固定部材7が接合される。押圧固定部材7は、円柱状に形成され、軸方向に接合孔71を有している。接合孔71内には、雌ネジ部711が内壁に形成され、この雌ネジ部711が、連結部42の雄ネジ部421に螺合する。この、雌ネジ部711と雄ネジ部421とを締め付けることによって、押圧固定部材7の弁本体41側の端部に形成された押圧面74が、ダイヤフラム62の中央平面部624に押圧される。ダイヤフラム61、62は、押圧面74と弁本体41との間で両側から押圧された状態で挟持され、弁体4とダイヤフラム61、62とを一層強固に一体化する。
【0018】
接合孔71の押圧面74側の端には、傾斜部713が設けられ、接合状態で、ビードBを収納する構成となっている。また、傾斜部713の開口端部には、周方向に溝が形成され、付設リング60を収容する収容部714が設けられている。押圧固定部材7の弁本体41側の端部には、外周側面に突出段部73が周方向に形成されている。また、他方の端部には、外周側面に雄ネジ部72が形成されている。接合孔71の雌ネジ部711には、さらに、固定部材9の雄ネジ部91が螺合している。固定部材9を重ねて螺合させることによって、固定部材9は、ダブルナットとして作用し、連結部42と押圧固定部材7との螺合部分の緩みを抑制する。
【0019】
即ち、連結部42の雄ネジ部421と、固定部材9の雄ネジ部91は、共に接合孔71の雌ネジ部711に螺合しているが、非連続である。このため、雌ネジ部711に対して、雄ネジ部421と雄ネジ部91が同時に回転することはなく、連結部42と押圧固定部材9との螺着が緩む方向の回転を、固定部材9が規制する構成となっている。
【0020】
さらに、固定部材9は、先端部に鋭角状に形成されたテーパー面93を有し、外周側面に雌ネジ部711と螺合する雄ネジ部91を有し、基端部に六角形の嵌合穴92を有している。嵌合穴92に工具を差し込み、固定部材9を締め付けることによって、先端のテーパー面93が、穴422内に進行し、同時に、テーパー面93が、開口縁部424を外側に押し開いて変形させる構成となっている。このテーパー面93の作用によって、連結部42先端部のネジ山が、接合孔71内の雌ネジ部711に押し付けられつつ潰され、相互に回転不能な状態となる。このように、雌ネジ部711と雄ネジ部421が相対的に回転不能となり一体となることで、ネジ接合部分の緩みの発生が一層抑制され、押圧固定部材7が、ダイヤフラム61、62を固定した状態を確実に維持させることができる。
【0021】
接合孔71の他方の端部には、接合孔71より内径の大きな収納部712が形成されており、この収納部712には、回動部材54が回動自在な状態で収納されている。
押圧固定部材7の外周には、復帰手段8が配置されている。復帰手段8は、圧縮スプリング81、受け部材82とを備えている。受け部材82は、筒状に形成され、外側周面に突出したフランジ部には、スプリング81の一端が当接する受け面821を備え、内側周面には、回動部材54を収納する収納孔822と、雌ネジ部823を備えている。雌ネジ部823は、押圧固定部材7の雄ネジ部72に螺合され、押圧固定部材7の端面と内側突出段部824の間に、回動部材54の突出部543を収納する隙間を形成する。
【0022】
一方、本体2に形成されている受け部25には、ダイヤフラム61、62を介して、押接部材83が載置されている。押接部材83において、ダイヤフラム61、62に対して反対側の面には、後述する支持部材3の基端面33と、スプリング81の他端が当接する。スプリング81は、押接部材83と受け部材82の間に圧縮された状態で介挿され、弁体4を、開状態となる方向へ常時付勢している。
押接部材83の中央に形成された挿通穴833には、押圧固定部材7が収納され、挿通穴833の内側に形成された段部834には、突出段部73が対向して配置される構成となっている。弁開状態で、突出段部73は、段部834に当接する。
【0023】
本体2の取付部24には、支持部材3がねじ込まれる。支持部材3は、中心軸方向に、操作手段5を収納する孔、収納部31を備え、外周面には雄ネジ部32を有し、収納部31には、雌ネジからなるガイドネジ311を有している。
雄ネジ部32は、本体2の取付部24の雌ネジ部242に螺合し、支持部材3を取付部24にねじ込むことによって、基端面33により、押接部材83を介して、ダイヤフラム61、62を押圧し、受け部25との間でダイヤフラム61、62の周端平面部613、623を締め付けることで、弁室21の気密性を保持している。特に、受け部25には、断面形状が山型となっている密着部251が形成されており、特に密着部251において、ダイヤフラム61、62に集中して圧力が加わるので、密閉性が一層向上する。
【0024】
支持部材3の収納部31には、駆動部材51が収納されている。駆動部材51は、外周面に雄ネジで構成されたリードネジ511が形成され、このリードネジ511は、収納部31のガイドネジ311に螺合している。駆動部材51の先端当接部512は、球面状の凸面となっている。また、支持部材3の外側に突出した基端部には、横断面が多角形状である接合部513が形成され、この接合部513には、ハンドル52の接合穴521が接合されている。接合穴521の断面形状は、接合部513の断面形状と同一形状の多角形状に形成されている。ハンドル52の中心には、固定ボルト522が挿通し、接合部513の先端に形成されたネジ穴514に螺合しており、ハンドル52は、駆動部材51に締着固定される。
【0025】
先端当接部512と、回動部材54の間には、介挿部材53が介挿されている。介挿部材53の下面は球面状の凸面となっており、回動部材54の受け面541と点接触するように構成されている。また、介挿部材53の上面531には、先端当接部512が点接触する。介挿部材53は、周囲の部材に対して、相対的に回動自在に配置される。
【0026】
ハンドル52を回転させると、駆動部材51が一体として回転し、ガイドネジ311と、リードネジ511の噛みあいによって、駆動部材51が軸方向に移動する。このガイドネジ311と、リードネジ511とによって、進退ガイド手段が構成される。
駆動部材51の進退によって、弁体4は、軸方向に進退し、弁閉状態と、弁開状態とに切り替わる。駆動部材51は、進退移動するとき回転する。ここで、駆動部材51と介挿部材53の間は、点接触であり、また、介挿部材53と回動部材54との間も点接触であるので、これらの各部材が、駆動部材51の回転とともに連れ回りしにくい構成となっている。また、連れ回りした場合を想定すると、回動部材54がフリー回転し、回転を押圧固定部材7に伝えない構成となっているので、押圧固定部材7が回転し、雄ネジ部421と雌ネジ部711との螺合によるダイヤフラム61、62の締着が緩むことがない。さらに、これらの締着固定状態は、固定部材9によって、確保されているので、さらに一層ダイヤフラム61、62の締着が確実に維持される。
【0027】
又、複数枚の重ねられたダイヤフラム61、62が用いられているので、腐食ガスに対する耐腐食性や耐久性が向上している。特に、複数枚の重ねられたダイヤフラム61、62を溶接により弁体4に固定した構成とすることで、単に押圧固定部材7によって押圧固定する構成よりも、密閉性が格段に向上している。なお、溶加材となる付設リング60は、図6に示されているように、弁本体41側に溝415を形成し、この位置に収納されていてもよい。
【0028】
又、ダイヤフラムを構成するニッケルコバルト合金の組成は、コバルトが25〜45重量%、クロムが12〜25重量%、モリブデンが8〜15重量%、ニオブ0.1〜3重量%の範囲の組成であり、残部はニッケルで構成される。また、母材である弁体は、例えば、オーステナイト系低炭素鋼種を用いることができる。
【0029】
図7、図8は、ダイヤフラムの固定部分の状態を示す部分断面側面図である。図7は閉じ状態、図8は開状態を示すもので、開き状態では、図8における矢印方向に弁体4が移動している。このため、押圧固定部材7の押圧面715と、受け面414とによる強固な圧着がない場合には、例えば、図9に示されているような応力σが発生する。これは、ダイヤフラムが重ねられ、厚さが生じているため、変形量(開閉により弁体の変位)微小であるにも関わらず、応力σは大きくなってしまう。押圧面715と受け面414によって強固に締め付けられていると、溶接部分から圧着部分までの間の変形は少なく、溶接部での応力σも抑制させすることができる。
【0030】
【発明の効果】
請求項1に記載の本発明によれば、接合孔の雌ネジ部には、固定部材の雄ネジ部と連結部の雄ネジ部が同時に螺合し、固定部材は、連結部に対してダブルナットとして作用し、連結部と押圧固定部材との螺合部分の緩みを抑制する。
さらに、固定部材のテーパー面が連結部材の先端部を押し開き、雌ネジ部へ向けて雄ネジ部を押し付けた状態となるので、雌ネジ部と雄ネジ部との滑りを防止し、一層確実に螺合部分の緩みを抑制することができる。
【0031】
請求項2に記載の発明によれば、一層強い締着力が必要である、複数枚ダイヤフラムの固定においても、緩むことなく確実に締着固定状態を維持することができる。
請求項3に記載の発明によれば、溶接部分の外側で押圧固定部材によってダイヤフラムが挟持固定されているので、ダイヤフラムの変形が直接溶接部分に伝わらず、溶接部分の寿命を延ばすことができる。特に、ダイヤフラムを複数枚重ねた構造とした場合には、各ダイヤフラムの変形は微妙に異なり、変形時に溶接部分に加わる応力は、1枚の場合に比較して増大する。このため、溶接部分の寿命は短くなる恐れがあるが、溶接部分の外側を押圧固定部材により押圧固定し、かつその状態を長期間に渡って確実に維持するこによって、溶接部分の寿命を一層延長させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の弁体を用いた開閉弁の全体断面側面図である。
【図2】弁体及び復帰手段の全体断面側面図である。
【図3】ダイヤフラムが溶着された弁体の全体平面図である。
【図4】溶接される前の、弁体嵌合部にダイヤフラムを装着した状態を示す部分拡大断面側面図である。
【図5】弁体嵌合部にダイヤフラムが溶接されている状態を示す部分拡大断面側面図である。
【図6】他の構成例を示すもので、溶接される前の、弁体嵌合部にダイヤフラムを装着した状態を示す部分拡大断面側面図である。
【図7】ダイヤフラムの固定部分の状態を示す部分断面側面図である。
【図8】ダイヤフラムの固定部分の状態を示す部分断面側面図である。
【図9】溶接部分で発生する応力の大きさを示す模式図である。
【図10】溶接部分で発生する応力の大きさを示す模式図である。
【符号の説明】
1 腐食ガス用開閉弁
2 本体
21 弁室
211 流入口
212 流出口
22 基端接続部
221 雄ネジ部
222 導入路
223 導入口
23 外部接続部
231 導出路
232 接続口
233 雄ネジ部
24 取付部
241 取付口
242 雌ネジ部
25 受け部
251 密着部
3 支持部材
31 収納部
311 ガイドネジ(進退ガイド手段)
32 雄ネジ部
33 基端面
4 弁体
41 弁本体
411 底面
413 シール材
414 受け面
42 連結部
421 雄ネジ部
422 穴
423 傾斜面
424 開口縁部
43 嵌合部
431 周端面(突合せ面)
5 操作手段
51 駆動部材
511 リードネジ(進退ガイド手段)
512 先端当接部
513 接合部
514 ネジ穴
52 ハンドル
521 接合穴
522 固定ボルト
53 介挿部材
531 上面
532 下面
54 回動部材
541 受け面
542 摺接面
543 突出部
60 付設リング
61 ダイアフラム
611 孔内周端
612 湾曲部
613 周端平面部
614 中央平面部
62 ダイアフラム
621 孔内周端
622 湾曲部
623 周端平面部
624 中央平面部
7 押圧固定部材
71 接合孔
711 雌ネジ部
712 収納部
713 傾斜部
714 収容部
715 押圧面
72 雄ネジ部
73 突出段部
74 押圧面
8 復帰手段
81 スプリング
82 受け部材
821 受け面
822 収納孔
823 雌ネジ部
824 内側突出段部
83 押接部材
831 受け面
832 押接面
833 挿通穴
834 段部
9 固定部材
91 雄ネジ部
92 嵌合穴
93 テーパー面
P 溶接点
B ビード
Claims (3)
- バルブ本体側に固定される周端部を有するダイヤフラムと、バルブの開閉操作に応じて往復移動する移動体との固定構造であって、
ダイヤフラムの中心に形成された挿通孔と、
挿通孔に挿入される連結部と、連結部に形成された雄ネジ部と、連結部の先端に形成された穴と、連結部の基端周囲に設けられた受け面とを有する移動体と、連結部に螺合される雌ネジ部を備えた接合孔と、接合孔の片側開口部の周囲に形成され、移動体の受け面との間に前記ダイヤフラムを挟持固定する押圧面とを備えた押圧固定部材と、
接合孔内の雌ネジ部に螺合する雄ネジ部と、移動体の連結部の孔内に収納されるテーパー面と、工具が接続される接合部とを有する固定部材とを備え、
連結部方向にねじ込まれた固定部材のテーパー面によって、連結部先端が外側に押し広げられていることを特徴とするダイヤフラムの固定構造。 - ダイヤフラムは複数枚重ねられている請求項1に記載のダイヤフラムの固定構造。
- 連結部の基端部には、ダイヤフラムの挿通孔に嵌合する嵌合部を有し、
挿通孔の内周端と嵌合部は溶接されている請求項1又は2に記載のダイヤフラムの固定構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003124510A JP2004257549A (ja) | 2002-12-31 | 2003-04-28 | ダイヤフラムの固定構造 |
Applications Claiming Priority (2)
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JP2002383767 | 2002-12-31 | ||
JP2003124510A JP2004257549A (ja) | 2002-12-31 | 2003-04-28 | ダイヤフラムの固定構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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Family
ID=33133481
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
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---|---|
JP (1) | JP2004257549A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010136184A1 (de) * | 2009-05-28 | 2010-12-02 | G.S. Anderson Gmbh | Membranventilkörper |
JP2012107641A (ja) * | 2010-11-15 | 2012-06-07 | Tgk Co Ltd | 圧力制御弁 |
JP7499830B2 (ja) | 2019-03-19 | 2024-06-14 | 株式会社鷺宮製作所 | 溶接構造 |
-
2003
- 2003-04-28 JP JP2003124510A patent/JP2004257549A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2010136184A1 (de) * | 2009-05-28 | 2010-12-02 | G.S. Anderson Gmbh | Membranventilkörper |
JP2012107641A (ja) * | 2010-11-15 | 2012-06-07 | Tgk Co Ltd | 圧力制御弁 |
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