JP2004257477A - ステータ - Google Patents
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- F16H41/00—Rotary fluid gearing of the hydrokinetic type
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- F16H2041/246—Details relating to one way clutch of the stator
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- Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)
Abstract
【課題】衝撃のうち外輪部材と羽根車内径部分との間の衝撃は吸収することが可能であるが、内輪と爪との間の衝撃は吸収することができず、噛合い時に発生する音を吸収しきれない。
【解決手段】羽根車(13)とワンウェイクラッチ部との間にダンパ(8,10)を介在させたステータ(1)において、ダンパは少なくとも二段階の衝撃吸収機能を備えていることを特徴とする。
【選択図】 図2
【解決手段】羽根車(13)とワンウェイクラッチ部との間にダンパ(8,10)を介在させたステータ(1)において、ダンパは少なくとも二段階の衝撃吸収機能を備えていることを特徴とする。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の自動変速機などのトルクコンバータに用いられるステータに関する。
【0002】
【従来の技術】
図7は、ラチェット型ワンウェイクラッチが用いられた従来例のステータを示す正面図であり、トルクコンバータ用のステータ50は羽根車58と、ラチェット型ワンウェイクラッチ部とによって構成される。ワンウェイクラッチ部は、外周に凹部を有する内輪52と、内輪と同軸に配置され、内周に爪54を収容するポケットが設けられた外輪部材53とからなっている。
【0003】
外輪部材53と羽根車58との間にはダンパスプリング51が設けられており、ワンウェイクラッチに過大な衝撃が加わった場合にそれを吸収する。外輪部材53と羽根車58との間には凸部57と凹部59とからなる回動範囲制限機構55が設けられている。回動範囲制限機構55によりダンパスプリング51に過大な力がかかり、スプリングがへたることを防止している。また、ワンウェイクラッチ部は軸方向に脱落しないよう止め輪56により保持されている。
【0004】
衝撃を吸収するためのダンパスプリング51としては、単一のコイルスプリングのみが用いられている。従って、特性も一段階のみであった。
【0005】
この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては次のものがある。
【特許文献1】
特開2002−13559号公報(第3頁、第1図等)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述のような構成のステータでは、ワンウェイクラッチ部が空転から噛合いに切替わる瞬間、内輪と爪、外輪部材と羽根車内径部分の二個所で衝撃が発生する。
【0007】
しかしながら、従来のものではこれらの衝撃のうち外輪部材と羽根車内径部分との間の衝撃は吸収することが可能であるが、内輪と爪との間の衝撃は吸収することができず、噛合い時に発生する音を吸収しきれないという問題があった。
【0008】
そこで本発明は、内輪と爪、外輪部材と羽根車内径部との間に発生する双方の衝撃を吸収し、音の発生を防止することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明のステータは、
羽根車とワンウェイクラッチ部との間にダンパを介在させたステータにおいて、
ダンパは少なくとも二段階の衝撃吸収機能を備えていることを特徴としている。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明のステータは、羽根車とワンウェイクラッチ部との間に二段階の衝撃吸収機能を備えたダンパを介在させているので、内輪と爪、外輪部材と羽根車内径部との間に発生する双方の衝撃を吸収し、ラチェットの打音等の音の発生を防止することができる。
【0011】
【実施例】
以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。尚、図面において同一部分は同一符号で示してある。
【0012】
図1は、本発明の一実施例を示すステータの軸方向断面図である。ステータ1は、環状の羽根車13、羽根車13の内径側部分16に嵌合した環状の外輪部材3、外輪部材3の内径側に、同軸心で相対回転自在に嵌合している内輪部材2を有している。
【0013】
外輪部材3の内周面には内輪部材2に向かって開口するポケット7(図2参照)が円周方向等分に複数設けられている。各ポケットにはラチェット、すなわち爪11が配置されている。羽根車13の内径側部分16と外輪部材3は複数のスプリングから構成されるダンパ、すなわちダンパユニット20を介して、相対回動するようになっている。ワンウェイクラッチ部は、ラチェット型ワンウェイクラッチとして構成されている。
【0014】
図1では、ダンパユニット20のうち第2のダンパスプリング10のみ示されている。また、羽根車13の内径側部分16と外輪部材3及び内輪部材2との軸方向界面にはニードル軸受14が設けられている。従って、内径側部分16と外輪部材3及び内輪部材2とは互いに回動自在な構成となっている。
【0015】
次に図2−図6を参照して、実施例を更に詳細に説明する。図2及び図3は、本発明の実施例のステータの要部を示す正面図であり、ステータ1に用いられるワンウェイクラッチ部の詳細を示している。ダンパユニット20は、図4に詳細を示すように、第1のダンパスプリング8と第2のダンパスプリング10とからなっている。
【0016】
内輪部材2の環状の外周面には複数の凹所25が、円周方向等分に設けられている。この凹所25には、外輪部材3の内周に設けられたポケット11に配置された爪11の先端が嵌合するようになっている。爪11は、アコーデオンスプリングなどの付勢部材12により、凹所25に嵌合する方向に付勢されている。例えば、内輪部材2を固定とすると、図2で外輪部材3が反時計方向に回転すると爪11は凹所25に嵌合せず、空転する。しかし、時計方向に回転すると、爪11は凹所25に嵌合し回転がロックされる。
【0017】
一方、羽根車13の内径側部分16に設けられた突起6が外輪部材3の外周に設けられた凹部6に嵌合している。凹部6の円周方向幅は、突起5の円周方向幅より大きい。従って、凹部6と突起5との間には、所定の周方向隙間が生じ、この隙間の分だけ、外輪部材3は、内径側部分16、すなわち羽根車13に対して相対回動可能となっている。すなわち、突起5と凹部6とで、回動範囲制限機構4を構成し、ダンパユニット20で吸収しきれない過大な衝撃が加わった場合のフェ−ルセーフ機構となり、ダンパスプリングのへたりや損傷を防いでいる。
【0018】
ダンパユニット20は、第1のスプリング8と第2のスプリング10とを直列に配置した構成となっている。ダンパユニット20は、羽根車13の内径側部分16と外輪部材3との間に設けられ、外輪部材3の外周に設けられた凹部の端部21と内径側部材16に設けられた突起22の端面との間に伸縮自在に収容されている。
【0019】
次にダンパユニット20の作動を説明する。図2は、爪11の噛合い初期状態を示していおり、第1ダンパスプリング8のみ作動している状態である。これによって爪11が内輪部材2の凹所25に嵌合する際の衝撃を吸収することができる。また、嵌合の際の打音も減少できる。
【0020】
図3は、第1ダンパスプリング8と第2ダンパスプリング10の両方が作動している状態であって、第2ダンパスプリング10の作動によって、外輪部材3と羽根車13の内径側部分16との間の衝撃を吸収できる。
【0021】
次に、図4−図6を参照して、ダンパユニット20を説明する。図4は、ダンパユニットの軸方向断面図であり、図5は、ダンパユニットに用いられる中間部材の軸方向断面図、また図6は、中間部材の正面図である。
【0022】
図4に示すように、ダンパユニット20は、コイルスプリングである第1のダンパスプリング8と、第1のダンパスプリング8より大径のコイルスプリングである第2のダンパスプリング10とからなっている。ダンパユニット20は、更に中間部材9を有する。中間部材9は、図5に詳細を示すように、金属板からプレスなどによって成形され、環状の円盤部9a、円盤部9aの内周から延びる円筒部9b及び円筒部9bの下端を閉じる円形の底部9cを一体に備えている。
【0023】
図4から分かるように、中間部材9は、その円筒部9bを第2のダンパスプリング10の内周に嵌合させ、円筒部9bの内部に第1のダンパスプリング8の外周が嵌合することで、第1及び第2のダンパスプリングを直列に接続している。
【0024】
次に、2重ダンパスプリングによる、二段階の衝撃吸収機能を試験した結果を図8−図13に示す。試験は、トルクコンバータの入力側の部材(ポンプインペラ)を約120rpmで回転させておき、この回転によって生じる流体の流れを出力側の部材(タービンランナ)及びステータに伝達して、タービンランナ及びステータを従動回転させておき、次いでその状態からタービンランナにブレーキをかけてタービンランナの回転数を落とすことによって行った。
【0025】
タービンランナの回転数がポンプインペラの回転数に対して所定量以下に減少すると、トルクコンバータ内の流体の流れが逆向きになり、その流れを受けたステータが逆回転しようとするが、ステータに設けられたワンウェイクラッチ部によってステータが内輪にロックする。
【0026】
図8−図13に示したグラフは、このロックが行われるときの内輪へ伝達されるトルク、及びロック時の音圧を測定したものである。各グラフにおいて、(1)はエンジン(ポンプインペラ)回転数、(2)は出力軸(タービンランナ)の回転数、(3)は伝達トルク、(4)は音圧を示す。
【0027】
図8は、ダンパ機構が設けられていない、第1従来例のエンジン回転数、伝達トルク及び出力軸の回転数の関係を示すグラフであり、図9は、ダンパ機構が設けられていない、第1従来例のエンジン回転数、音圧及び出力軸の回転数の関係を示すグラフである。ステータが内輪に噛合うときの衝撃を吸収するダンパ機構が設けられていないため、この第1従来例のものではロック時に伝達トルクが一時的急上昇し、このときに音圧が発生している。
【0028】
図10及び図11に示したものは、第2従来例のものであり、ステータに一種類のスプリングからなるダンパ機構を設けたものである。この第2従来例のものでは、第1従来例のものに比べるとロック時の伝達トルク及び音圧は共に減少しており、また伝達トルクが上昇している時間及び音圧が発生している時間が減少している。
【0029】
図12は、本発明の2段階のダンパ機構が設けられている、実施例のエンジン回転数、伝達トルク及び出力軸の回転数の関係を示すグラフであり、図13は、本発明の2段階のダンパ機構が設けられている、実施例のエンジン回転数、音圧及び出力軸の回転数の関係を示すグラフである。本発明実施例のものでは、伝達トルクの上昇、音圧の上昇は共に殆どなくなっていることが分かる。
【0030】
以上説明した、本発明の実施例においては、ダンパユニットは2種類のダンパスプリングにより二段階で衝撃を吸収するようにしたが、2個以上のスプリングを用いて二段階より多い段階で衝撃を吸収するように構成することもできる。第1ダンパスプリング8及び第2ダンパスプリング10を直列に接続したが、並列に接続することも可能である。
【0031】
また、外輪部材3のポケット7の数、回動範囲制限機構4、ダンパユニット20の数は、図示の数に限定されるものではなく、その他の任意の個数設けることができることは言うまでもない。また、爪部材10の数についても同様である。また、ダンパスプリング8及び10はコイルスプリングであるが、その他の形式のスプリングを用いることも可能である。
【0032】
【発明の効果】
本発明のステータは、羽根車とワンウェイクラッチ部との間に二段階の衝撃吸収機能を備えたダンパを介在させているので、内輪と爪、外輪部材と羽根車内径部との間に発生する双方の衝撃を吸収し、音の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すステータの軸方向断面図である。
【図2】本発明の実施例のステータの要部を示す正面図であり、第1ダンパスプリングのみ作動している状態を示している。
【図3】本発明の実施例のステータの要部を示す正面図であり、第1及び第1ダンパスプリングの両方が作動している状態を示している。
【図4】ダンパユニットの軸方向断面図である。
【図5】ダンパユニットに用いられる中間部材の軸方向断面図である。
【図6】中間部材の正面図である。
【図7】従来例のステータを示す正面図である。
【図8】ダンパ機構が設けられていない、第1従来例のエンジン回転数、伝達トルク及び出力軸の回転数の関係を示すグラフである。
【図9】ダンパ機構が設けられていない、第1従来例のエンジン回転数、音圧及び出力軸の回転数の関係を示すグラフである。
【図10】一段のダンパ機構が設けられている、第2従来例のエンジン回転数、伝達トルク及び出力軸の回転数の関係を示すグラフである。
【図11】一段のダンパ機構が設けられている、第2従来例のエンジン回転数、音圧及び出力軸の回転数の関係を示すグラフである。
【図12】本発明の2段階のダンパ機構が設けられている、実施例のエンジン回転数、伝達トルク及び出力軸の回転数の関係を示すグラフである。
【図13】本発明の2段階のダンパ機構が設けられている、実施例のエンジン回転数、音圧及び出力軸の回転数の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 ステータ
2 内輪部材
3 外輪部材
8 第1ダンパスプリング
10 第2ダンパスプリング
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の自動変速機などのトルクコンバータに用いられるステータに関する。
【0002】
【従来の技術】
図7は、ラチェット型ワンウェイクラッチが用いられた従来例のステータを示す正面図であり、トルクコンバータ用のステータ50は羽根車58と、ラチェット型ワンウェイクラッチ部とによって構成される。ワンウェイクラッチ部は、外周に凹部を有する内輪52と、内輪と同軸に配置され、内周に爪54を収容するポケットが設けられた外輪部材53とからなっている。
【0003】
外輪部材53と羽根車58との間にはダンパスプリング51が設けられており、ワンウェイクラッチに過大な衝撃が加わった場合にそれを吸収する。外輪部材53と羽根車58との間には凸部57と凹部59とからなる回動範囲制限機構55が設けられている。回動範囲制限機構55によりダンパスプリング51に過大な力がかかり、スプリングがへたることを防止している。また、ワンウェイクラッチ部は軸方向に脱落しないよう止め輪56により保持されている。
【0004】
衝撃を吸収するためのダンパスプリング51としては、単一のコイルスプリングのみが用いられている。従って、特性も一段階のみであった。
【0005】
この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては次のものがある。
【特許文献1】
特開2002−13559号公報(第3頁、第1図等)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述のような構成のステータでは、ワンウェイクラッチ部が空転から噛合いに切替わる瞬間、内輪と爪、外輪部材と羽根車内径部分の二個所で衝撃が発生する。
【0007】
しかしながら、従来のものではこれらの衝撃のうち外輪部材と羽根車内径部分との間の衝撃は吸収することが可能であるが、内輪と爪との間の衝撃は吸収することができず、噛合い時に発生する音を吸収しきれないという問題があった。
【0008】
そこで本発明は、内輪と爪、外輪部材と羽根車内径部との間に発生する双方の衝撃を吸収し、音の発生を防止することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明のステータは、
羽根車とワンウェイクラッチ部との間にダンパを介在させたステータにおいて、
ダンパは少なくとも二段階の衝撃吸収機能を備えていることを特徴としている。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明のステータは、羽根車とワンウェイクラッチ部との間に二段階の衝撃吸収機能を備えたダンパを介在させているので、内輪と爪、外輪部材と羽根車内径部との間に発生する双方の衝撃を吸収し、ラチェットの打音等の音の発生を防止することができる。
【0011】
【実施例】
以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。尚、図面において同一部分は同一符号で示してある。
【0012】
図1は、本発明の一実施例を示すステータの軸方向断面図である。ステータ1は、環状の羽根車13、羽根車13の内径側部分16に嵌合した環状の外輪部材3、外輪部材3の内径側に、同軸心で相対回転自在に嵌合している内輪部材2を有している。
【0013】
外輪部材3の内周面には内輪部材2に向かって開口するポケット7(図2参照)が円周方向等分に複数設けられている。各ポケットにはラチェット、すなわち爪11が配置されている。羽根車13の内径側部分16と外輪部材3は複数のスプリングから構成されるダンパ、すなわちダンパユニット20を介して、相対回動するようになっている。ワンウェイクラッチ部は、ラチェット型ワンウェイクラッチとして構成されている。
【0014】
図1では、ダンパユニット20のうち第2のダンパスプリング10のみ示されている。また、羽根車13の内径側部分16と外輪部材3及び内輪部材2との軸方向界面にはニードル軸受14が設けられている。従って、内径側部分16と外輪部材3及び内輪部材2とは互いに回動自在な構成となっている。
【0015】
次に図2−図6を参照して、実施例を更に詳細に説明する。図2及び図3は、本発明の実施例のステータの要部を示す正面図であり、ステータ1に用いられるワンウェイクラッチ部の詳細を示している。ダンパユニット20は、図4に詳細を示すように、第1のダンパスプリング8と第2のダンパスプリング10とからなっている。
【0016】
内輪部材2の環状の外周面には複数の凹所25が、円周方向等分に設けられている。この凹所25には、外輪部材3の内周に設けられたポケット11に配置された爪11の先端が嵌合するようになっている。爪11は、アコーデオンスプリングなどの付勢部材12により、凹所25に嵌合する方向に付勢されている。例えば、内輪部材2を固定とすると、図2で外輪部材3が反時計方向に回転すると爪11は凹所25に嵌合せず、空転する。しかし、時計方向に回転すると、爪11は凹所25に嵌合し回転がロックされる。
【0017】
一方、羽根車13の内径側部分16に設けられた突起6が外輪部材3の外周に設けられた凹部6に嵌合している。凹部6の円周方向幅は、突起5の円周方向幅より大きい。従って、凹部6と突起5との間には、所定の周方向隙間が生じ、この隙間の分だけ、外輪部材3は、内径側部分16、すなわち羽根車13に対して相対回動可能となっている。すなわち、突起5と凹部6とで、回動範囲制限機構4を構成し、ダンパユニット20で吸収しきれない過大な衝撃が加わった場合のフェ−ルセーフ機構となり、ダンパスプリングのへたりや損傷を防いでいる。
【0018】
ダンパユニット20は、第1のスプリング8と第2のスプリング10とを直列に配置した構成となっている。ダンパユニット20は、羽根車13の内径側部分16と外輪部材3との間に設けられ、外輪部材3の外周に設けられた凹部の端部21と内径側部材16に設けられた突起22の端面との間に伸縮自在に収容されている。
【0019】
次にダンパユニット20の作動を説明する。図2は、爪11の噛合い初期状態を示していおり、第1ダンパスプリング8のみ作動している状態である。これによって爪11が内輪部材2の凹所25に嵌合する際の衝撃を吸収することができる。また、嵌合の際の打音も減少できる。
【0020】
図3は、第1ダンパスプリング8と第2ダンパスプリング10の両方が作動している状態であって、第2ダンパスプリング10の作動によって、外輪部材3と羽根車13の内径側部分16との間の衝撃を吸収できる。
【0021】
次に、図4−図6を参照して、ダンパユニット20を説明する。図4は、ダンパユニットの軸方向断面図であり、図5は、ダンパユニットに用いられる中間部材の軸方向断面図、また図6は、中間部材の正面図である。
【0022】
図4に示すように、ダンパユニット20は、コイルスプリングである第1のダンパスプリング8と、第1のダンパスプリング8より大径のコイルスプリングである第2のダンパスプリング10とからなっている。ダンパユニット20は、更に中間部材9を有する。中間部材9は、図5に詳細を示すように、金属板からプレスなどによって成形され、環状の円盤部9a、円盤部9aの内周から延びる円筒部9b及び円筒部9bの下端を閉じる円形の底部9cを一体に備えている。
【0023】
図4から分かるように、中間部材9は、その円筒部9bを第2のダンパスプリング10の内周に嵌合させ、円筒部9bの内部に第1のダンパスプリング8の外周が嵌合することで、第1及び第2のダンパスプリングを直列に接続している。
【0024】
次に、2重ダンパスプリングによる、二段階の衝撃吸収機能を試験した結果を図8−図13に示す。試験は、トルクコンバータの入力側の部材(ポンプインペラ)を約120rpmで回転させておき、この回転によって生じる流体の流れを出力側の部材(タービンランナ)及びステータに伝達して、タービンランナ及びステータを従動回転させておき、次いでその状態からタービンランナにブレーキをかけてタービンランナの回転数を落とすことによって行った。
【0025】
タービンランナの回転数がポンプインペラの回転数に対して所定量以下に減少すると、トルクコンバータ内の流体の流れが逆向きになり、その流れを受けたステータが逆回転しようとするが、ステータに設けられたワンウェイクラッチ部によってステータが内輪にロックする。
【0026】
図8−図13に示したグラフは、このロックが行われるときの内輪へ伝達されるトルク、及びロック時の音圧を測定したものである。各グラフにおいて、(1)はエンジン(ポンプインペラ)回転数、(2)は出力軸(タービンランナ)の回転数、(3)は伝達トルク、(4)は音圧を示す。
【0027】
図8は、ダンパ機構が設けられていない、第1従来例のエンジン回転数、伝達トルク及び出力軸の回転数の関係を示すグラフであり、図9は、ダンパ機構が設けられていない、第1従来例のエンジン回転数、音圧及び出力軸の回転数の関係を示すグラフである。ステータが内輪に噛合うときの衝撃を吸収するダンパ機構が設けられていないため、この第1従来例のものではロック時に伝達トルクが一時的急上昇し、このときに音圧が発生している。
【0028】
図10及び図11に示したものは、第2従来例のものであり、ステータに一種類のスプリングからなるダンパ機構を設けたものである。この第2従来例のものでは、第1従来例のものに比べるとロック時の伝達トルク及び音圧は共に減少しており、また伝達トルクが上昇している時間及び音圧が発生している時間が減少している。
【0029】
図12は、本発明の2段階のダンパ機構が設けられている、実施例のエンジン回転数、伝達トルク及び出力軸の回転数の関係を示すグラフであり、図13は、本発明の2段階のダンパ機構が設けられている、実施例のエンジン回転数、音圧及び出力軸の回転数の関係を示すグラフである。本発明実施例のものでは、伝達トルクの上昇、音圧の上昇は共に殆どなくなっていることが分かる。
【0030】
以上説明した、本発明の実施例においては、ダンパユニットは2種類のダンパスプリングにより二段階で衝撃を吸収するようにしたが、2個以上のスプリングを用いて二段階より多い段階で衝撃を吸収するように構成することもできる。第1ダンパスプリング8及び第2ダンパスプリング10を直列に接続したが、並列に接続することも可能である。
【0031】
また、外輪部材3のポケット7の数、回動範囲制限機構4、ダンパユニット20の数は、図示の数に限定されるものではなく、その他の任意の個数設けることができることは言うまでもない。また、爪部材10の数についても同様である。また、ダンパスプリング8及び10はコイルスプリングであるが、その他の形式のスプリングを用いることも可能である。
【0032】
【発明の効果】
本発明のステータは、羽根車とワンウェイクラッチ部との間に二段階の衝撃吸収機能を備えたダンパを介在させているので、内輪と爪、外輪部材と羽根車内径部との間に発生する双方の衝撃を吸収し、音の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すステータの軸方向断面図である。
【図2】本発明の実施例のステータの要部を示す正面図であり、第1ダンパスプリングのみ作動している状態を示している。
【図3】本発明の実施例のステータの要部を示す正面図であり、第1及び第1ダンパスプリングの両方が作動している状態を示している。
【図4】ダンパユニットの軸方向断面図である。
【図5】ダンパユニットに用いられる中間部材の軸方向断面図である。
【図6】中間部材の正面図である。
【図7】従来例のステータを示す正面図である。
【図8】ダンパ機構が設けられていない、第1従来例のエンジン回転数、伝達トルク及び出力軸の回転数の関係を示すグラフである。
【図9】ダンパ機構が設けられていない、第1従来例のエンジン回転数、音圧及び出力軸の回転数の関係を示すグラフである。
【図10】一段のダンパ機構が設けられている、第2従来例のエンジン回転数、伝達トルク及び出力軸の回転数の関係を示すグラフである。
【図11】一段のダンパ機構が設けられている、第2従来例のエンジン回転数、音圧及び出力軸の回転数の関係を示すグラフである。
【図12】本発明の2段階のダンパ機構が設けられている、実施例のエンジン回転数、伝達トルク及び出力軸の回転数の関係を示すグラフである。
【図13】本発明の2段階のダンパ機構が設けられている、実施例のエンジン回転数、音圧及び出力軸の回転数の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 ステータ
2 内輪部材
3 外輪部材
8 第1ダンパスプリング
10 第2ダンパスプリング
Claims (5)
- 羽根車とワンウェイクラッチ部との間にダンパを介在させたステータにおいて、
前記ダンパは少なくとも二段階の衝撃吸収機能を備えていることを特徴とするステータ。 - 前記ダンパは二以上のスプリングを直列に配置したものであることを特徴とする請求項1に記載のステータ。
- 前記スプリングはコイルスプリングであることを特徴とする請求項2に記載のステータ。
- 前記ワンウェイクラッチ部のワンウェイクラッチはラチェット型のワンウェイクラッチであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のステータ。
- ワンウェイクラッチ部を構成する外輪部材及び、前記羽根車はアルミニウム製であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のステータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003049080A JP2004257477A (ja) | 2003-02-26 | 2003-02-26 | ステータ |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2004257477A true JP2004257477A (ja) | 2004-09-16 |
Family
ID=33114874
Family Applications (1)
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JP2003049080A Pending JP2004257477A (ja) | 2003-02-26 | 2003-02-26 | ステータ |
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JP (1) | JP2004257477A (ja) |
-
2003
- 2003-02-26 JP JP2003049080A patent/JP2004257477A/ja active Pending
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