JP2008180306A - トルクコンバータの減衰機構を備えたロックアップダンパ装置 - Google Patents

トルクコンバータの減衰機構を備えたロックアップダンパ装置 Download PDF

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裕司 勘山
Koji Kobayashi
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Abstract

【課題】 トルクコンバータのロックアップダンパ装置であって、衝撃トルクを緩和すると共にジャダ振動を抑制できるロックアップダンパ装置の提供。
【解決手段】 ピストン4と共に回転する入力側支持部11とタービンランナと連結している出力側支持部12とに跨って減衰機構16を取付け、該減衰機構16は入力側支持部11にアウタレース17を取着し、出力側支持部12にはインナレース18を取付け、そして上記アウタレース17とインナレース18との間にはリング体をなす重り15を嵌め、アウタレース内周と重り外周間にはワンウエイクラッチ13を取付け、重り内周とインナレース外周との間にはワンウエイクラッチ14を取付けている。
【選択図】 図2

Description

本発明はピストンがフロントカバーに係合する際の衝撃トルクを緩和すると共に、係合状態でのエンジントルク変動を吸収し、更にジャダ振動を抑制することが出来るトルクコンバータのロックアップダンパ装置に関するものである。
トルクコンバータとは周知の通りエンジンの動力を、作動流体を媒体としてトランスミッションへ伝えることが出来る一種の継手であり、エンジンによって回されるポンプインペラ、そして該ポンプインペラの回転により送り出される作動流体の動きを受けて回るタービンランナ、さらにタービンランナから出た作動流体の向きを変えてポンプインペラへ導くステータから構成されている。
そこで、これらポンプインペラ、タービンランナ、及びステータには複数枚のブレードが所定の角度をもって一定間隔で配列されている。トルクコンバータ内に封入されている作動流体は、ポンプインペラからその各ブレードを介して外周方向へ送り出され、トルクコンバータのケース内壁を伝い、タービンランナのブレードに当って該タービンランナをポンプインペラと同方向に回す働きをする。又タービンランナに当たってから送り出される作動流体は、ステータのブレードに当たってポンプインペラの回転を助長する方向に流れ方向が変えられ、再び内周からポンプインペラに流入する。
図5は従来のトルクコンバータの断面を示している。同図の(イ)はポンプインペラ、(ロ)はタービンランナ、(ハ)はステータ、そして(ニ)はピストンをそれぞれ示し、これらはトルクコンバータ外殻(ム)内に収容されている。そこでエンジンからの動力を得てフロントカバー(ホ)が回転し、該フロントカバー(ホ)と一体となっているポンプインペラ(イ)が回転し、その結果、作動流体を媒介としてタービンランナ(ロ)が回る。
そしてタービンランナ(ロ)のタービンハブ(ヘ)には軸(図示なし)が嵌って、タービンランナ(ロ)の回転をトランスミッション(図示なし)へ伝達することが出来る。トルクコンバータは一種の流体クラッチである為、ポンプインペラ(イ)の回転速度が低い場合には、タービンランナ(ロ)の回転を停止することが出来(車を停止することが出来)、しかしポンプインペラ(イ)の回転速度が高くなるに従ってタービンランナ(ロ)は回り始め、さらに高速になるに従ってタービンランナ(ロ)の速度はポンプインペラ(イ)の回転速度に近づく。しかし作動流体を媒介としているトルクコンバータでは、タービンランナ(ロ)の回転速度はポンプインペラ(イ)と同一速度にはなり得ない。
そこで、同図にも示しているようにトルクコンバータ外殻(ム)内にはピストン(ニ)が設けられていて、タービンランナ(ロ)の回転速度が所定の領域を越えた場合には、該ピストン(ニ)が軸方向に移動してフロントカバー(ホ)に係合するように作動することが出来る。ピストン外周には摩擦材(ト)が取り付けられている為に、該ピストン(ニ)は滑ることなくフロントカバー(ホ)と同一速度で回転することが出来る。そしてこのピストン(ニ)はタービンランナ(ロ)と連結していて、タービンランナ(ロ)はピストン(ニ)によって回されることになり、エンジンからの動力をトランスミッションへ、流体を介することによるロスを伴うことなくほぼ100%の高効率で伝達することが出来る。
このように、タービンランナ(ロ)の回転速度が高くなって、ある条件になった時に、ピストン(ニ)はフロントカバー(ホ)に係合して、作動流体を媒体としないでタービンランナ(ロ)を直接回転駆動させることが出来る。しかし係合前は、タービンランナ(ロ)とフロントカバー(ホ)の回転速度は完全に同一ではなく、ピストン(ニ)がフロントカバー(ホ)に係合することで、速度差に基づく衝撃トルクが発生する。この係合時の衝撃を緩和し、一方では係合後(ロックアップ状態)にエンジンのトルク変動を和らげる為にピストン(ニ)とタービンランナ(ロ)との間にはダンパスプリング(チ)、(チ)…、を備えたロックアップダンパ装置(ヌ)が取り付けられている。
従って、タービンランナ(ロ)と共に同一速度で回転しているピストン(ニ)が僅かに速いフロントカバー(ホ)に係合する際、ピストン(ニ)の速度は瞬間的に高くなってタービンランナ(ロ)をより速く回そうとするトルクが作用する。この衝撃的トルクをダンパスプリング(チ)、(チ)…が圧縮変形して吸収するように構成されている。ピストン(ニ)はタービンランナ(ロ)のタービンハブ(ヘ)に同軸を成して取り付けられているが、ダンパスプリング(チ)、(チ)…の圧縮変形によって上記タービンランナ(ロ)と位相差を生じることが出来る構造となっている。
図6は前記図5に示すトルクコンバータのロックアップダンパ装置(ヌ)を単独で表している。上記ダンパスプリング(チ)、(チ)・・はAプレート(ル)とBプレート(オ)にて挟まれ、両A,Bプレート(ル)、(オ)の間にはディスク(ワ)が介在している。ディスク(ワ)はリング状を成してその内周部には円弧状に湾曲した複数の収容空間(カ)、(カ)・・が等間隔で設けられ、この収容空間(カ)、(カ)・・には上記ダンパスプリング(チ)、(チ)・・が収容されている。そして、各収容空間(カ)、(カ)・・を仕切る部分はバネ押え(ヨ)、(ヨ)・・となっている。
そして、Aプレート(ル)とBプレート(オ)には一部を膨らませた保持部(レ)、(レ)・・を設け、該保持部(レ)、(レ)・・にて収容空間(タ)、(タ)・・を形成し、上記ダンパスプリング(チ)、(チ)・・は収容空間(タ)、(タ)・・に収容されている。すなわち、ダンパスプリング(チ)、(チ)・・はディスク(ワ)の収容空間(カ)、(カ)・・に収容されると共に、Aプレート(ル)及びBプレート(オ)の収容空間(タ)、(タ)・・に収容され、該保持部(レ)、(レ)・・に拘束されて離脱しないように成っている。
両Aプレート(ル)とBプレート(オ)はリベット(ソ)、(ソ)・・にて連結され、上記ディスク(ワ)はAプレート(ル)とBプレート(オ)に挟まれた状態で回転することが出来る。ディスク(ワ)の外周には切欠き溝(ツ)、(ツ)・・が形成され、この切欠き溝(ツ)、(ツ)・・にはピストン(ニ)が係合している。
従って、ディスク(ワ)はピストン(ニ)と共に回転し、ピストン(ニ)がフロントカバー(ホ)に係合することで、両側のAプレート(ル)とBプレート(オ)にて挟まれているダンパスプリング(チ)、(チ)・・は圧縮変形して、係合する際の衝撃トルクを吸収することが出来る。Aプレート(ル)とBプレート(オ)はダンパスプリング(チ)、(チ)・・を挟んでいると共にBプレート(オ)は前記図5に示しているようにタービンランナ(ロ)と共にタービンハブ(ヘ)に固定されている。
その為に、ピストン(ニ)がフロントカバー(ホ)に係合する際の衝撃は、上記ダンパスプリング(チ)、(チ)・・にて吸収されて理想上はタービンランナ(ロ)へ伝わらない構造と成っている。しかも、衝撃トルクが大きい場合に上記ダンパスプリング(チ)、(チ)・・だけでは吸収することが出来ないことから、ロックアップダンパ装置(ヌ)には補助ダンパスプリング(ネ)、(ネ)・・が取付けられている。
上記補助ダンパスプリング(ネ)、(ネ)・・はディスク(ワ)に形成した穴に嵌り、しかも、Aプレート(ル)とBプレート(オ)に形成した円弧状の長い収容空間に収容されている。しかも、Aプレート(ル)とBプレート(オ)の収容空間は上記ダンパスプリング(チ)、(チ)・・の場合と同じく、保持部(ナ)、(ナ)・・が設けられて、離脱しないように拘束されている。
ところで、ロックアップダンパ装置(ヌ)が作動して(ディスクが回転して)上記ダンパスプリング(チ)、(チ)・・が大きく圧縮変形するならば補助ダンパスプリング(ネ)も圧縮変形する。すなわち、ダンパスプリング(チ)、(チ)・・の圧縮変形が小さい時には上記補助ダンパスプリング(ネ)、(ネ)・・は変形しないが、ある領域を超えてダンパスプリング(チ)、(チ)・・が圧縮変形する場合に限り変形することが出来る。補助ダンパスプリング(ネ)は短くてバネ線は太く、その為にバネ定数は大きく成っている。
このように、ロックアップダンパ装置(ヌ)はダンパスプリング(チ)、(チ)・・を備えることでピストン(ニ)がフロントカバー(ホ)に係合する際の衝撃トルクを吸収し、又、エンジンのトルク変動を緩和することは可能である。しかし、上記ダンパスプリング(チ)、(チ)・・はピストン(ニ)とタービンランナ(ロ)との間のトルク変動を緩和する働きをするが、フロントカバー(ホ)に係合する際には、ピストン(ニ)及び該ピストンと共に回転するディスク(ワ)の回転速度は急激に立ち上がって高くなる。
この急激な回転速度の立ち上がりに追従することが出来るようにする為には、上記ダンパスプリング(チ)、(チ)・・のバネ定数が大きくなくてはならない。しかし、ダンパスプリング(チ)、(チ)・・のバネ定数を大きくするならばピストン(ニ)がフロントカバー(ホ)に係合する際の衝撃トルクは大きくなり、ピストン(ニ)が係合した状態(ロックアップ状態)でのエンジンのトルク変動を十分に吸収することが出来なくなる。
逆に、ダンパスプリング(チ)、(チ)・・のバネ定数を小さくするならば、ピストン(ニ)がフロントカバー(ホ)に係合する際には大きく圧縮変形するが、この圧縮変形量が大きすぎて補助ダンパスプリング(ネ)、(ネ)・・が常に働くことになり、大きなバネ定数の補助ダンパスプリング(ネ)、(ネ)・・が働くことで衝撃トルクは発生する。このように、ロックアップダンパ装置には、ダンパスプリングの他に補助ダンパスプリング(ネ)、(ネ)・・が取付けられているが、この補助ダンパスプリング(ネ)、(ネ)・・はあくまでも補助的に備わっているものであり、常に作動するものではない。
又、ピストン(ニ)が半係合状態、すなわち作動流体で動力を伝える状態であって、ピストン(ニ)に設けている摩擦材(ト)がフロントカバー(ホ)に対して滑りながら動力を伝える状態であっても、エンジントルク変動を吸収する為にダンパスプリング(チ)、(チ)・・は同じように圧縮され、そのバネ力にて伸長し、再び圧縮変形する。これを何度も繰り返してダンパスプリング(チ)、(チ)・・は減衰する。
この際、摩擦材(ト)の摩擦係数が一定でない場合、摩擦材(ト)の伝達トルクに対してダンパスプリング(チ)、(チ)・・のバネ力を含む動力伝達機構の弾性要素の捩れによる反発トルクが大きくなる場合に、摩擦材(ト)が反発トルクによって滑らされ、再び係合もしくは半係合状態となる。これを連続的に繰り返すのがジャダ振動である。この際、ダンパスプリング(チ)、(チ)・・の圧縮変形に伴う捩れが、時としてジャダ振動・振幅や、その他のエンジンからタイヤまでの動力伝達部の振動・振幅の発散を助長し、或いは共振などの発生により、車両の振動やこもり音となって車内に伝わる。
このように従来のロックアップダンパ装置には上記のごとき問題がある。本発明が解決しようとする課題はこれら問題点であり、急激なトルク変動を伴った回転変動が発生した場合であっても、この衝撃トルクを軽減してタービンランナへ伝えることが出来るトルクコンバータのロックアップ装置を提供する。又、ジャダ等の動力伝達部の振動を抑制することが出来るロックアップダンパ装置を提供する。
本発明に係るトルクコンバータのロックアップダンパ装置は、ピストンに係合して該ピストンと共に回転する入力側部材、タービンランナと連結してタービンランナと共に回転する出力側部材、及び入力側部材と出力側部材の間に介在する複数本のダンパスプリングから成っている。そして必要に応じて補助ダンパスプリングを備えているが、ダンパスプリング及び補助ダンパスプリングの具体的な配列構造は特に限定しない。
ところで、本発明ではロックアップダンパ装置にリング体の重りを備えた減衰機構を設け、リング体の重り外周側及び内周側にワンウエイクラッチを配置し、一方のワンウエイクラッチは入力側部材と連結し、他方のワンウエイクラッチは出力側部材と連結している。そして、衝撃トルクの作用でダンパスプリングが圧縮変形する場合には入力側部材側のワンウエイクラッチが働いて出力側部材側のワンウエイクラッチが空転する。
逆にダンパスプリングが伸長変形する場合には出力側部材側のワンウエイクラッチが働いて入力側部材側のワンウエイクラッチが空転するようにしている。従って、リング体の重りはダンパスプリングの伸縮変形に伴ってゆっくり回転する。勿論、トルクコンバータが回転しているために、これより速く回転することになる。
本発明に係るロックアップダンパ装置はダンパスプリングの他に重りを有す減衰機構を備えている。そして、リング体の重りは外周側及び内周側にワンウエイクラッチを設け、入力側部材と出力側部材と連結している為に、該重りはダンパスプリングの伸縮動作に追従して回転移動することが出来る。すなわち、衝撃トルクの作用でロックアップダンパ装置のダンパスプリングが圧縮変形する際には入力側のワンウエイクラッチが働くことで重りは入力側部材と共に回転移動する。そして、圧縮変形したダンパスプリングが伸長する際には、出力側のワンウエイクラッチが働いて出力側部材と共に回転移動する。
重りはダンパスプリングの伸縮変形と共にトルクコンバータと同じ方向へ僅かづつ回転することに成る。重りが入力側部材と共に回転することで、ピストンがフロントカバーに係合する際の回転速度の立ち上がりが緩やかになる。これは入力側部材の質量増大に基づく訳で、回転速度の立ち上がりが緩やかになることでピストン係合時の衝撃トルクは緩和される。
一方、重りが出力側部材と共に回転することで、ピストンとフロントカバーが係合あるいは半係合した際のタービンランナの回転速度の立ち上がりが緩やかになる。これは出力側部材の質量増大に基づく訳で、回転速度の立ち上がりが緩やかになることでタービンランナへ伝わる衝撃トルクは緩和される。更に、重りが入力側部材と出力側部材の間に介在して、トルクコンバータに対してゆっくり回転することで重りと該重りを保持する周辺部材の摺動によってジャダ等の動力伝達部の振動やこもり音の発生が防止される。
図1は本発明に係る減衰機構を有すロックアップダンパ装置を備えたトルクコンバータの断面を示している。基本的な構造は前記図5に示した従来のトルクコンバータと同じであり、ポンプインペラ1、タービンランナ2、ステータ3、ピストン4、ロックアップダンパ装置5を有し、これらはトルクコンバータ外殻6内に収容されている。そこでエンジンからの動力を得てフロントカバー7が回転し、該フロントカバー7と一体となっているポンプインペラ1が回転し、その結果、トルクコンバータ外郭内に収容されている作動流体を媒介としてタービンランナ2が回る。
そして、トルクコンバータ外殻6内にはピストン4が設けられていて、タービンランナ2の回転速度が所定の領域を越えた場合には、該ピストン4が軸方向に移動してフロントカバー7に係合するように作動することが出来る。ピストン外周には摩擦材8が取り付けられている為に、該ピストン4は滑ることなくフロントカバー7と同一速度で回転することが出来る。このピストン4はタービンランナ2と連結していて、タービンランナ2はピストン4によって回されることになり、エンジンからの動力をトランスミッションへ、流体を介することによるロスを伴うことなく高効率で伝達することが出来る。
このように、タービンランナ2の回転速度が高くなって、ある条件になった時に、ピストン4はフロントカバー7に係合して、作動流体を媒体としないでタービンランナ2を直接回転駆動させることが出来る。しかし係合前は、タービンランナ2とフロントカバー7の回転速度は完全に同一ではなく、ピストン4がフロントカバー7に係合することで、速度差に基づく衝撃トルクが発生する。この係合時の衝撃を緩和し、一方では係合後(ロックアップ状態)にエンジンのトルク変動を和らげる為にピストン4とタービンランナ2との間にはダンパスプリング9,9・・を備えたロックアップダンパ装置5が取り付けられている。この点は、従来のトルクコンバータと同じである。
従って、タービンランナ2と共に同一速度で回転しているピストン4が僅かに速いフロントカバー7に係合する際、ピストン4の速度は瞬間的に高くなってタービンランナ2をより速く回そうとするトルクが作用する。この衝撃的トルクをダンパスプリング9.9・・が圧縮変形して吸収するように構成されている。ピストン4はタービンランナ2のタービンハブ10に同軸を成して取り付けられているが、ダンパスプリング9,9・・の圧縮変形によって上記タービンランナ2と位相差を生じることが出来る構造となっている。
そして、本発明ではピストン4とタービンハブ10との間に重り有す減衰機構を取付けている。ピストン4には入力側支持部11が取着され、タービンハブ10には出力側支持部12が取付けられていて、これら入力側支持部11と出力側支持部12との間にはワンウエイクラッチ13とワンウエイクラッチ14を介してリング体の重り15を支持している。
ピストン4がより高速で回転しているフロントカバー7に係合する場合、ロックアップダンパ装置5のダンパスプリング9,9・・は圧縮変形する。この際、ピストン4に取着した入力側支持部11の側に設けているワンウエイクラッチ13が働いて重り15はピストン4と共に回転する。ピストン4に重り15が加わることでその質量は大きくなり、フロントカバー7に係合することで高くなるピストン4の回転速度の立ち上がりが緩やかに成り、ひいては発生する衝撃トルクが抑えられる。
そして、一旦圧縮変形したダンパスプリング9,9・・は伸長するが、このダンパスプリング9,9・・の伸長に伴ってタービンランナ2の回転速度が高くなり、ピストン4の回転速度と同じになる。この時、出力側支持部12の側に設けているワンウエイクラッチ14が働いてタービンランナ2と共に回転する。ダンパスプリング9,9・・の伸長と共に高くなる回転速度の立ち上がりが緩やかに成り、ひいては発生する衝撃トルクが抑えられる。
このように、上記リング体の重り15はダンパスプリング9,9・・の圧縮変形に伴ってピストン4と共に回転し、ダンパスプリング9,9・・の伸長に伴ってタービンランナ2と共に回転することで、ピストン4の立ち上がり速度を穏やかにし、タービンランナ2の立ち上がり速度を穏やかにする。ひいては、タービンランナ2へ伝わる衝撃トルクが緩和される。
しかも、ダンパスプリング9,9・・は衝撃トルクを吸収するために大きく圧縮変形し、その後に伸長してもとの状態(圧縮変形前の長さ)に直ちに落ち着くのではなく、再び圧縮変形すると共に伸長する。この動作を何度も繰り返して減衰するが、本発明では重り15を備えることで直ちに減衰することが出来、ジャダ等の動力伝達部の振動が抑制できる。
図2は減衰機構16を表している具体例であり、その正面図と断面図を示している。減衰機構16はピストン4に取着した入力側支持部11とタービンハブ10に取着した出力側支持部12との間に取付けられ、入力側支持部11にはリング状のアウタレース17が設けられ、アウタレース17の外周に形成したスプライン歯が入力側支持部11の内周に設けたスプライン溝に噛み合って回転しないように支持され、一方、アウタレース17の内部にはインナレース18が出力側支持部12に取付けられている。
インナレース18はその内周に設けたスプライン溝に出力側支持部12の外周に形成したスプライン歯が噛み合って回転しないように支持されている。そして、アウタレース17とインナレース18との間にはリング体を成す重り15が嵌っていて、アウタレース17と重り15の外周との間にはワンウエイクラッチ13が介在し、同じくインナレース18と重り15の間にもワンウエイクラッチ14が介在している。
そして、アウタレース17、インナレース18、重り15、及び両ワンウエイクラッチ13,14の両側をカバーすると共に入力側支持部11及び出力側支持部12から外れないように、リテーナ19a,19bが設けられ、右側のリテーナ19bはスナップリング20によって止着されている。上記ワンウエイクラッチ13には複数のスプラグ21,21・・が配列されていて、アウタレース17の内周面と重り15の外周面との間に係合し、一方のワンウエイクラッチ14のスプラグ21,21・・はインナレース18の外周面と重り15の内周面との間に係合している。
ところで、タービンランナ5の回転速度が高くなってピストン4がフロントカバー7に係合する場合、該ピストン4に取着されている入力側支持部11はピストン4と共に回転し、その速度を高める。同じく、入力側支持部11と噛み合っているアウタレース17の回転速度も高くなる。そして、ワンウエイクラッチ13が働いて重り15がアウタレース17に追従して回転する。この場合、ワンウエイクラッチ14は空転してインナレース18の回転速度は上らない。
このように、本発明のロックアップダンパ装置に備わる減衰機構16はピストン4がフロントカバー7に係合する際にピストン4と共に回転し、その回転速度を高める。勿論、ダンパスプリング9,9・・は圧縮変形することで衝撃トルクが緩和されるが、重り15が回転する(実際は回転速度が上る)ことでピストン4の速度の立ち上がりが緩やかに成る。すなわち、重り15の慣性力がピストン4の回転速度の立ち上がりを抑えることになり、ひいては衝撃トルクを緩和する効果が得られる。
そして、衝撃トルクを受けて圧縮変形したダンパスプリング9,9・・は伸びることになるが、ダンパスプリング9,9・・の延びに追従してタービンランナ2の回転速度が上昇する。タービンランナ2と共にタービンハブ10が回転し、その結果、出力側支持部12及びインナレース18が回転する。インナレース18が回転すればワンウエイクラッチ14が働いて重り15が追従して回転することが出来る。この場合、外側のワンウエイクラッチ13は空転する。
このように、ダンパスプリング9,9・・の伸びに追従してタービンランナ2の回転速度は高くなるが、上記ワンウエイクラッチ14の働きで重り15が同時に回転する。従って、該重り15の慣性力の影響でタービンランナ2の回転速度の立ち上がりが穏やかになり、ひいては衝撃トルクを緩和する効果が得られる。
このように、衝撃トルクの作用で圧縮変形したダンパスプリング9,9・・は伸長するが、直ちに落ち着くことなく、再び圧縮変形すると共に伸長し、これを何度も繰り返しながら減衰する。本発明の減衰機構16の重り15はダンパスプリング9,9・・の伸縮変形に伴って回転し、減衰効果を助ける働きをすることが出来る。これは、ピストン4がフロントカバー7に係合する場合に限らず、係合あるいは半係合したロックアップ状態でのエンジントルク変動に際して伸縮するダンパスプリング9,9・・を直ちに減衰することができる。すなわち、ジャダ等の動力伝達部の振動が抑制できる。
図3は本発明に係る減衰機構を備えたロックアップダンパ装置を有すトルクコンバータの断面を示している。基本的な構造は前記図1に示したトルクコンバータと同じであるが、上記減衰機構16の構造が多少違っている。図4は該トルクコンバータに装着している減衰機構21を単独で表している他の具体例である。基本的な構造は前記図2の減衰機構16と共通しているが、重り15の両側面に接触する摩擦材22a,22bを備えている。
減衰機構21はピストン4に取着した入力側支持部11とタービンハブ10に取着した出力側支持部12との間に取付けられ、入力側支持部11にはリング状のアウタレース17が設けられ、アウタレース17の外周に形成したスプライン歯が入力側支持部11の内周に設けたスプライン溝に噛み合って回転しないように支持され、一方、アウタレース17の内部にはインナレース18が出力側支持部12に取付けられている。
インナレース18はその内周に設けたスプライン溝に出力側支持部12の外周に形成したスプライン歯が噛み合って回転しないように支持されている。そして、アウタレース17とインナレース18との間にはリング体を成す重り15が嵌っていて、アウタレース17と重り15の外周との間にはワンウエイクラッチ13が介在し、同じくインナレース18と重り15の間にもワンウエイクラッチ14が介在している。
そして、アウタレース17、インナレース18、重り15、及び両ワンウエイクラッチ13,14の両側をカバーすると共に入力側支持部11及び出力側支持部12から外れないように、リテーナ19a,19bが設けられ、右側のリテーナ19bはスナップリング20によって止着されている。更に、リテーナ19a,19bとリング体の重り15との間には摩擦材22a,22bが介在し、リテーナ19bと摩擦材22bとの間には板バネが設けられている。
板バネのバネ力は摩擦材22bに作用して、両摩擦材22a,22bは重り側面にバネ力を付勢している。そこで、該重り15はダンパスプリング9,9・・の伸縮変形に伴って回転し、この際に摩擦材22a,22bと擦れて摩擦抵抗が発生する。すなわち、重り15の回転にブレーキが作用することで、ダンパスプリング9,9・・の伸縮変形に対応して回転する重り15の慣性力がより高くなり、その結果、衝撃トルクを緩和する働き及び減衰効果がより向上する。
ところで、上記減衰機構16,21は入力側部材と出力側部材の間に跨って取付けられ、図1、図3のトルクコンバータに示す実施例に限定するものではない。例えば、入力側部材としてはピストン4ではなく、ロックアップダンパ装置5のディスク23とすることもある。そして、入力側支持部11及び出力側支持部12の形状に関しては自由であり、又アウタレース17、インナレース18を用いないでワンウエイクラッチ13,14を入力側支持部11及び出力側支持部12に直接取付けることも可能である。
減衰機構を備えたロックアップダンパ装置を有すトルクコンバータの実施例。 減衰機構の具体例。 減衰機構を備えたロックアップダンパ装置を有すトルクコンバータの実施例。 減衰機構の他の具体例。 従来のトルクコンバータ。 従来のロックアップダンパ装置。
符号の説明
1 ポンプインペラ
2 タービンランナ
3 ステータ
4 ピストン
5 ロックアップダンパ装置
6 トルクコンバータ外殻
7 フロントカバー
8 摩擦材
9 ダンパスプリング
10 タービンハブ
11 入力側支持部
12 出力側支持部
13 ワンウエイクラッチ
14 ワンウエイクラッチ
15 重り
16 減衰機構
17 アウタレース
18 インナレース
19 リテーナ
20 スナップリング
21 減衰機構
22 摩擦材
23 ディスク

Claims (4)

  1. トルクコンバータ内に収容され、ピストンがフロントカバーに係合する際には衝撃トルクを吸収してタービンランナを弾性的に連結し、ピストンがフロントカバーに係合したロックアップ状態においてはエンジンのトルク変動を吸収するロックアップダンパ装置において、該ロックアップダンパ装置にはリング体の重りを備えた減衰機構を設け、リング体の重り外周側及び内周側にワンウエイクラッチを配置し、ダンパスプリングが圧縮変形する際には入力側のワンウエイクラッチが働いて重りが回転し、又ダンパスプリングが伸びる際には出力側のワンウエイクラッチが働いて重りが回転するように機能することを特徴とするトルクコンバータの減衰機構を備えたロックアップダンパ装置。
  2. トルクコンバータ内に収容され、ピストンがフロントカバーに係合する際には衝撃トルクを吸収してタービンランナを弾性的に連結し、ピストンがフロントカバーに係合したロックアップ状態においてはエンジンのトルク変動を吸収するロックアップダンパ装置において、上記ピストン又はピストンに係合して共に回転する入力側部材とタービンランナと連結している出力側部材とに跨って減衰機構を取付け、該減衰機構は上記ピストン又は入力側部材に取付けた入力側支持部にアウタレースを取着し、出力側部材に取着した出力側支持部にはインナレースを取付け、そして上記アウタレースとインナレースとの間にはリング体をなす重りを嵌め、アウタレース内周と重り外周間にはワンウエイクラッチを取付け、重り内周とインナレース外周との間には別のワンウエイクラッチを取付け、ロックアップダンパ装置のダンパスプリングが圧縮変形する際にはアウタレースと重り間に嵌めたワンウエイクラッチが働いて重りが回転し、又ダンパスプリングが伸びる際にはインナレースと重り間のワンウエイクラッチが働いて重りが回転するように機能することを特徴とするトルクコンバータの減衰機構を備えたロックアップダンパ装置。
  3. 上記アウタレース、インナレース、重り、及びワンウエイクラッチの両側をカバーすると共に入力側支持部及び出力側支持部から外れないようにリテーナを取付けた請求項2記載のトルクコンバータの減衰機構を備えたロックアップダンパ装置。
  4. 上記アウタレース、インナレース、重り、及びワンウエイクラッチの両側をカバーすると共に入力側支持部及び出力側支持部から外れないようにリテーナを取付け、該リテーナと重りとの間には弾性力を付勢して摩擦材を介在した請求項3記載のトルクコンバータの減衰機構を備えたロックアップダンパ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101371720B1 (ko) 2012-04-09 2014-03-07 현대자동차(주) 토크컨버터
KR101405448B1 (ko) 2012-11-27 2014-06-11 한국파워트레인 주식회사 차량용 토크 컨버터
CN113195940A (zh) * 2018-11-08 2021-07-30 法雷奥凯佩科日本株式会社 液力变矩器的锁止装置

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