JP2004256888A - 温度ヒューズ用合金 - Google Patents
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Abstract
【課題】作動温度が130〜150℃の温度帯の従来の温度ヒューズ用合金は、CdやPbなどの有害元素が含まれていたため、電子機器に設置された温度ヒューズが埋め立て処分されると、酸性雨によって溶出した有害元素が地下水を汚染することが懸念されていた。
【解決手段】本発明の温度ヒューズ用合金は、CdやPbを含有せずとも130〜150℃の温度帯の溶融温度が得られ、しかも溶融温度域が狭いため所定の温度で正確に作動する。Sn−In系合金としてはSn5〜25質量%、残部Inからなり、残部Inからなる温度ヒューズ用合金である。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明の温度ヒューズ用合金は、CdやPbを含有せずとも130〜150℃の温度帯の溶融温度が得られ、しかも溶融温度域が狭いため所定の温度で正確に作動する。Sn−In系合金としてはSn5〜25質量%、残部Inからなり、残部Inからなる温度ヒューズ用合金である。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子機器に設置する可溶合金型の温度ヒューズ用合金、特に130〜150℃付近で溶融する温度ヒューズ用合金に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子機器の内部温度が異常に上昇すると、電子機器を熱損傷させるばかりでなく、火災が発生して建物にも多大な損害を与えることになってしまう。そこで従来より電子機器には異常温度による事故を防ぐため温度ヒューズが設置されている。温度ヒューズとは、周囲温度が所定の作動温度以上に上昇すると、温度ヒューズ用合金が溶融して電気回路を切断し、それ以上に温度上昇をさせないものである。
【0003】
一般に、温度ヒューズは図1に示すように、温度ヒューズ用合金1の両端に一対のリード線2、2が溶着されており、温度ヒューズ用合金1の表面にはフラックス3が塗布されている。温度ヒューズ用合金1は絶縁ケース4内に収納されていて、該絶縁ケースの両端は樹脂5で封止されている。
【0004】
上記構造の温度ヒューズは、周囲温度が温度ヒューズ用合金の溶融温度以上に昇温すると、温度ヒューズ用合金が溶融してリード線2、2間の導通を遮断する。このときフラックスが温度ヒューズ用合金表面の酸化物を還元除去するため、温度ヒューズ用合金は表面張力で丸くなり、リード線間を完全に遮断するようになる。
【0005】
このような可溶型温度ヒューズの作動温度は、温度ヒューズ用合金の融点に依存しており、合金の融点は組成により決定されるものである。従って、温度ヒューズ用合金の選定組成は自ずとその構成組成に制限を受けることになる。特に温度ヒューズとしての作動性を考えた場合、使用される温度ヒューズ用合金は理想的には溶融温度域を有していない共晶合金が最適である。しかしながら共晶合金は限定されているため、任意に選定することは不可能である。そこで溶融温度域の非常に狭い合金が選定されることになる。
【0006】
ところで、現行の温度ヒューズの作動温度には、60℃付近から180℃付近に至るまで、各種のタイプが用意されており、さらにレパートリーを増やしていく傾向にある。例えば、100〜150℃の中温域の合金としては以下に示すような成分系が挙げられる。In−Sn系合金(In52−Sn48融点118℃)、Cd−In系(Cd26−In74:融点123℃)、In−Pb−Sn系合金(In34−Pb17−Sn49:融点130℃)、Bi−Sn系合金(Bi58−Sn48:融点139℃)、Cd−Pb−Sn系合金(Cd18−Pb32−Sn50:融点145℃)、などの公知合金を基に、それぞれ120℃、130℃、140℃、150℃付近にて溶融する合金を調整し、作製されている。
【0007】
従って、作動温度が約130〜150℃の温度ヒューズを考えた場合、自ずとその組成が限定され、上述のIn34−Pb17−Sn49(融点130℃)、Bi58−Sn42(融点139℃)、Cd18−Pb32−Sn50(融点145℃)などの合金を基に融点低下元素を添加して調整したものが対象となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、温度ヒューズは、一般の電子機器類において他の電子部品と共にプリント基板上にアセンブリされるものであり、電子機器類の廃棄の際には、当然のことながら法規に則った処理が必要となる。特に近年においては地球環境保護の動きが活発になっており、電子機器類に使用される部品から有害成分を排除しようとする傾向にある。特にCdやPb成分は人体に悪影響を及ぼすため、早期から規制の対象になっている。
【0009】
また温度ヒューズを作製する際には、図1のように温度ヒューズ用合金を細線にしてリードに接続しなければならないため、温度ヒューズ用合金の細線材を準備する必要がある。従って、合金組成の選定にあたっては、その展延性も考慮した上で選定する必要がある。上述のBi58−Sn42(融点139℃)は展延性に乏しく、線材加工が困難という欠点を有しており、温度ヒューズへの適用には問題が多い材料であった。
【0010】
本発明は、従来の130〜150℃の温度帯の温度ヒューズ用合金としてラインナップされている合金の欠点に鑑みなされたもので、130〜150℃の温度帯の目的作動温度にて溶融することはもちろんであるが、人体に悪影響を及ぼすCdやPbを含有しない合金を提供することにある。さらに温度ヒューズへの適用にあたっては、その展延性も考慮した上で合金組成を選定する必要があるため、上述の環境問題への適合と優れた展延性を兼ね備えた温度ヒューズ用合金を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、従来の130〜150℃の温度帯の温度ヒューズ用合金の欠点について鋭意検討を重ねた結果、Sn−In系合金において、ある限定された組成域の合金、つまり適正なSn含有量を選択することにより、130〜150℃の温度帯において、目的とする任意の作動温度に対しても対応可能であり、その溶融温度域も非常に狭く、温度ヒューズに適していることを見い出し、本発明を完成させた。しかも該合金は有害成分であるCdやPbを一切含有していないし、また展延性に優れていて線材加工も容易なものである。
【0012】
本発明は、Sn5〜25質量%、残部Inからなることを特徴とする温度ヒューズ用合金である。
【0013】
上述のSn−In系合金では、適正なSn量を選択した合金を温度ヒューズに用いること、即ちSnを5〜25質量%にしたことで130〜150℃の作動温度を設定することができる。つまりSn−In系合金では、目的とする作動温度を達成するために、適正なSn含有量を選択することによって、130〜150℃の温度帯において、任意の間隔(例えば3〜5℃間隔)で目的とする作動温度を設定することが可能となる。例えば、目的とする作動温度が約145℃の温度ヒューズを設計する場合は、Sn11−In残の合金を選択し、その合金を準備して温度ヒューズを作製すればよい。また145℃以下、3〜5℃間隔で作動温度を有する温度ヒューズを設計する場合は、Sn配合量を調整することにより、目的とする溶融温度を有する合金を選定すればよい。
【0014】
前述したように、温度ヒューズとしての作動温度は、温度ヒューズ用合金の溶融する温度に依存しているのであるが、より詳細には合金の示差熱分析を行った際の吸熱ピーク最下点の温度に依存している。合金選定には、この吸熱ピーク最下点の温度に依存しており、この吸熱ピーク最下点の温度が130〜150の温度帯において、目的とする作動温度にて溶融することを満たすことが前提となる。
【0015】
また温度ヒューズとしての動作性を考えた場合、使用される温度ヒューズ用合金は理想的には溶融温度域を有していない共晶合金が最適である。しかしながら共晶合金は限定されているため、各種溶融温度の温度ヒューズ用合金を任意に選定することが不可能であり、共晶合金以外から溶融温度域の非常に狭い合金が選定されることになる。
【0016】
本発明のSn−In系合金の基本構成成分であるSnは、目的とする溶融温度に応じてSn含有量を選定することとなるため、5〜25質量%の適量を選択することにより、130〜150℃の温度帯で作動する温度ヒューズに対応可能となる。
【0017】
【実施例】
実施例および比較例を表1に示す。
【0018】
【表1】
【0019】
表の説明
※1:質量%
※2:示差熱分析
※3:示差熱分析の加熱曲線の吸熱ピークの開始点
※4:示差熱分析の加熱曲線の吸熱ピークの最下点
※5:示差熱分析の加熱曲線の吸熱ピークの終了点
【0020】
実施例1の温度ヒューズ用合金を直径0.6mmの細線に加工し、それを長さ4mmに切断後、両端に0.6mmの銅のリード線を溶着した。温度ヒューズ用合金の表面にフラックスを塗布後、温度ヒューズ用合金と溶着部が収まるようにして、外径2.5mmの円筒状絶縁ケース内に設置し、絶縁ケースの両端を樹脂で封止した。このようにして作製した温度ヒューズ10個について作動試験を行った。温度ヒューズの作動試験は、ヒーターが設置されたオイル槽内に温度ヒューズを浸漬しておく。該温度ヒューズに0.1Aの電流を流しておき、オイル槽内の水温を110℃から1℃/分で加熱する。そして温度ヒューズ用合金が溶断したときの温度、即ち通電が遮断したときの温度を測定する。10個の温度ヒューズの作動温度は、全てピーク温度である126℃±2℃であった。
【0021】
以下実施例2〜6についても、上述同様の温度ヒューズを作製し、表1中の各合金の固相線の約10℃程度下回る温度に保持した後、加熱するという試験を行ったところ、各温度ヒューズの作動温度は全て表1中の各合金のピーク温度±2℃であった。
【0022】
なお、本発明の温度ヒューズ用合金は、細線にして用いられるのが一般的であるが、温度ヒューズパッケージのタイプによっては、プリフォーム(リボン状、ペレット状)にして用いることもできる。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の温度ヒューズ用合金は130〜150℃の温度帯の目的とする作動温度にて溶融し、その温度域も非常に狭く、温度ヒューズとしての作動安定性に優れている。また本発明の温度ヒューズ用合金は、人体に有害なCdやPbを含有していないため、近年重要視されている環境問題に適合しているばかりでなく、細線加工もも容易であるという従来の温度ヒューズ用合金にない優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】温度ヒューズの正面断面図
【符号の説明】
1 温度ヒューズ用合金
2 リード線
3 フラックス
4 絶縁ケース
5 封止用樹脂
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子機器に設置する可溶合金型の温度ヒューズ用合金、特に130〜150℃付近で溶融する温度ヒューズ用合金に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子機器の内部温度が異常に上昇すると、電子機器を熱損傷させるばかりでなく、火災が発生して建物にも多大な損害を与えることになってしまう。そこで従来より電子機器には異常温度による事故を防ぐため温度ヒューズが設置されている。温度ヒューズとは、周囲温度が所定の作動温度以上に上昇すると、温度ヒューズ用合金が溶融して電気回路を切断し、それ以上に温度上昇をさせないものである。
【0003】
一般に、温度ヒューズは図1に示すように、温度ヒューズ用合金1の両端に一対のリード線2、2が溶着されており、温度ヒューズ用合金1の表面にはフラックス3が塗布されている。温度ヒューズ用合金1は絶縁ケース4内に収納されていて、該絶縁ケースの両端は樹脂5で封止されている。
【0004】
上記構造の温度ヒューズは、周囲温度が温度ヒューズ用合金の溶融温度以上に昇温すると、温度ヒューズ用合金が溶融してリード線2、2間の導通を遮断する。このときフラックスが温度ヒューズ用合金表面の酸化物を還元除去するため、温度ヒューズ用合金は表面張力で丸くなり、リード線間を完全に遮断するようになる。
【0005】
このような可溶型温度ヒューズの作動温度は、温度ヒューズ用合金の融点に依存しており、合金の融点は組成により決定されるものである。従って、温度ヒューズ用合金の選定組成は自ずとその構成組成に制限を受けることになる。特に温度ヒューズとしての作動性を考えた場合、使用される温度ヒューズ用合金は理想的には溶融温度域を有していない共晶合金が最適である。しかしながら共晶合金は限定されているため、任意に選定することは不可能である。そこで溶融温度域の非常に狭い合金が選定されることになる。
【0006】
ところで、現行の温度ヒューズの作動温度には、60℃付近から180℃付近に至るまで、各種のタイプが用意されており、さらにレパートリーを増やしていく傾向にある。例えば、100〜150℃の中温域の合金としては以下に示すような成分系が挙げられる。In−Sn系合金(In52−Sn48融点118℃)、Cd−In系(Cd26−In74:融点123℃)、In−Pb−Sn系合金(In34−Pb17−Sn49:融点130℃)、Bi−Sn系合金(Bi58−Sn48:融点139℃)、Cd−Pb−Sn系合金(Cd18−Pb32−Sn50:融点145℃)、などの公知合金を基に、それぞれ120℃、130℃、140℃、150℃付近にて溶融する合金を調整し、作製されている。
【0007】
従って、作動温度が約130〜150℃の温度ヒューズを考えた場合、自ずとその組成が限定され、上述のIn34−Pb17−Sn49(融点130℃)、Bi58−Sn42(融点139℃)、Cd18−Pb32−Sn50(融点145℃)などの合金を基に融点低下元素を添加して調整したものが対象となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、温度ヒューズは、一般の電子機器類において他の電子部品と共にプリント基板上にアセンブリされるものであり、電子機器類の廃棄の際には、当然のことながら法規に則った処理が必要となる。特に近年においては地球環境保護の動きが活発になっており、電子機器類に使用される部品から有害成分を排除しようとする傾向にある。特にCdやPb成分は人体に悪影響を及ぼすため、早期から規制の対象になっている。
【0009】
また温度ヒューズを作製する際には、図1のように温度ヒューズ用合金を細線にしてリードに接続しなければならないため、温度ヒューズ用合金の細線材を準備する必要がある。従って、合金組成の選定にあたっては、その展延性も考慮した上で選定する必要がある。上述のBi58−Sn42(融点139℃)は展延性に乏しく、線材加工が困難という欠点を有しており、温度ヒューズへの適用には問題が多い材料であった。
【0010】
本発明は、従来の130〜150℃の温度帯の温度ヒューズ用合金としてラインナップされている合金の欠点に鑑みなされたもので、130〜150℃の温度帯の目的作動温度にて溶融することはもちろんであるが、人体に悪影響を及ぼすCdやPbを含有しない合金を提供することにある。さらに温度ヒューズへの適用にあたっては、その展延性も考慮した上で合金組成を選定する必要があるため、上述の環境問題への適合と優れた展延性を兼ね備えた温度ヒューズ用合金を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、従来の130〜150℃の温度帯の温度ヒューズ用合金の欠点について鋭意検討を重ねた結果、Sn−In系合金において、ある限定された組成域の合金、つまり適正なSn含有量を選択することにより、130〜150℃の温度帯において、目的とする任意の作動温度に対しても対応可能であり、その溶融温度域も非常に狭く、温度ヒューズに適していることを見い出し、本発明を完成させた。しかも該合金は有害成分であるCdやPbを一切含有していないし、また展延性に優れていて線材加工も容易なものである。
【0012】
本発明は、Sn5〜25質量%、残部Inからなることを特徴とする温度ヒューズ用合金である。
【0013】
上述のSn−In系合金では、適正なSn量を選択した合金を温度ヒューズに用いること、即ちSnを5〜25質量%にしたことで130〜150℃の作動温度を設定することができる。つまりSn−In系合金では、目的とする作動温度を達成するために、適正なSn含有量を選択することによって、130〜150℃の温度帯において、任意の間隔(例えば3〜5℃間隔)で目的とする作動温度を設定することが可能となる。例えば、目的とする作動温度が約145℃の温度ヒューズを設計する場合は、Sn11−In残の合金を選択し、その合金を準備して温度ヒューズを作製すればよい。また145℃以下、3〜5℃間隔で作動温度を有する温度ヒューズを設計する場合は、Sn配合量を調整することにより、目的とする溶融温度を有する合金を選定すればよい。
【0014】
前述したように、温度ヒューズとしての作動温度は、温度ヒューズ用合金の溶融する温度に依存しているのであるが、より詳細には合金の示差熱分析を行った際の吸熱ピーク最下点の温度に依存している。合金選定には、この吸熱ピーク最下点の温度に依存しており、この吸熱ピーク最下点の温度が130〜150の温度帯において、目的とする作動温度にて溶融することを満たすことが前提となる。
【0015】
また温度ヒューズとしての動作性を考えた場合、使用される温度ヒューズ用合金は理想的には溶融温度域を有していない共晶合金が最適である。しかしながら共晶合金は限定されているため、各種溶融温度の温度ヒューズ用合金を任意に選定することが不可能であり、共晶合金以外から溶融温度域の非常に狭い合金が選定されることになる。
【0016】
本発明のSn−In系合金の基本構成成分であるSnは、目的とする溶融温度に応じてSn含有量を選定することとなるため、5〜25質量%の適量を選択することにより、130〜150℃の温度帯で作動する温度ヒューズに対応可能となる。
【0017】
【実施例】
実施例および比較例を表1に示す。
【0018】
【表1】
【0019】
表の説明
※1:質量%
※2:示差熱分析
※3:示差熱分析の加熱曲線の吸熱ピークの開始点
※4:示差熱分析の加熱曲線の吸熱ピークの最下点
※5:示差熱分析の加熱曲線の吸熱ピークの終了点
【0020】
実施例1の温度ヒューズ用合金を直径0.6mmの細線に加工し、それを長さ4mmに切断後、両端に0.6mmの銅のリード線を溶着した。温度ヒューズ用合金の表面にフラックスを塗布後、温度ヒューズ用合金と溶着部が収まるようにして、外径2.5mmの円筒状絶縁ケース内に設置し、絶縁ケースの両端を樹脂で封止した。このようにして作製した温度ヒューズ10個について作動試験を行った。温度ヒューズの作動試験は、ヒーターが設置されたオイル槽内に温度ヒューズを浸漬しておく。該温度ヒューズに0.1Aの電流を流しておき、オイル槽内の水温を110℃から1℃/分で加熱する。そして温度ヒューズ用合金が溶断したときの温度、即ち通電が遮断したときの温度を測定する。10個の温度ヒューズの作動温度は、全てピーク温度である126℃±2℃であった。
【0021】
以下実施例2〜6についても、上述同様の温度ヒューズを作製し、表1中の各合金の固相線の約10℃程度下回る温度に保持した後、加熱するという試験を行ったところ、各温度ヒューズの作動温度は全て表1中の各合金のピーク温度±2℃であった。
【0022】
なお、本発明の温度ヒューズ用合金は、細線にして用いられるのが一般的であるが、温度ヒューズパッケージのタイプによっては、プリフォーム(リボン状、ペレット状)にして用いることもできる。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の温度ヒューズ用合金は130〜150℃の温度帯の目的とする作動温度にて溶融し、その温度域も非常に狭く、温度ヒューズとしての作動安定性に優れている。また本発明の温度ヒューズ用合金は、人体に有害なCdやPbを含有していないため、近年重要視されている環境問題に適合しているばかりでなく、細線加工もも容易であるという従来の温度ヒューズ用合金にない優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】温度ヒューズの正面断面図
【符号の説明】
1 温度ヒューズ用合金
2 リード線
3 フラックス
4 絶縁ケース
5 封止用樹脂
Claims (1)
- Sn5〜25質量%、残部Inからなることを特徴とする温度ヒューズ用合金。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003050918A JP2004256888A (ja) | 2003-02-27 | 2003-02-27 | 温度ヒューズ用合金 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003050918A JP2004256888A (ja) | 2003-02-27 | 2003-02-27 | 温度ヒューズ用合金 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004256888A true JP2004256888A (ja) | 2004-09-16 |
Family
ID=33116202
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003050918A Pending JP2004256888A (ja) | 2003-02-27 | 2003-02-27 | 温度ヒューズ用合金 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004256888A (ja) |
-
2003
- 2003-02-27 JP JP2003050918A patent/JP2004256888A/ja active Pending
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