JP2004256804A - アンヒドロ糖由来の多分岐ポリマー鎖およびその製造方法 - Google Patents

アンヒドロ糖由来の多分岐ポリマー鎖およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 簡便に合成することのできるアンヒドロ糖アルコール由来の多分岐ポリマー鎖を提供する。
【解決手段】 下記一般式(1)
【化1】
Figure 2004256804

(式中、分子中に含まれるn個のRはそれぞれ同一又は異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜30の炭化水素基を示すが、該n個のRのうちその少なくとも1つは水素原子であり、nは1〜10の整数を示す)
で表されるジアンヒドロ糖アルコール及び下記一般式(2)
【化2】
Figure 2004256804

(式中、分子中に含まれるR、m個のR、p個のR及びRは同一又は異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜30の炭化水素基を示すが、該m個のR及びp個のRのうちその少なくとも1つは水素原子であり、mは0〜20の整数を示し、pは1〜20の整数を示し、m+pは1〜20の整数を示す)
で表されるアンヒドロ糖アルコールの中から選ばれる少なくとも1種の糖由来化合物の重合体からなる多分岐ポリマー鎖。
【選択図】なし






Description

本発明は、生体適合性のハイドロゲルとして増粘剤や人工被覆剤などの医用材料として有用なアンヒドロ糖由来の多分岐ポリマー鎖及びその製造方法に関する。
有機合成的手法による多分岐多糖の合成は、Schuerch等により、グルコース誘導体などの無水糖(アンヒドロ糖)をカチオン開環重合する事により行なっている[J.Am.Chem.Soc.1959,81,4054(非特許文献1)]。
しかしながら、この方法では、分岐度および分子量の制御は困難である。さらに、生成多分岐多糖は天然に存在するピラノース環からなるグルコシド結合を有するものに限定され、例えばフラノース環からなるものやグルコシド結合を有しないものなど多分岐多糖の多様な設計は困難である。
最近では多分岐多糖を得る化学合成的な例として、糖オキサゾリン誘導体のグルコシル化反応による多分岐アミノ多糖の合成が門川等によって報告されている[Angew.Chem.Int.Ed.1998,37,2373−2376(非特許文献2)、Polym.Adv.Technol.2000,11,122(非特許文献3)]。しかしながら、この方法の適合範囲はアミノ糖のみに限られ、その他の糖類への応用が困難である。
J.Am.Chem.Soc.1959,81,4054 Angew.Chem.Int.Ed.1998,37,2373−2376 Polym.Adv.Technol.2000,11,122
本発明は、簡便に合成することのできるアンヒドロ糖由来の多分岐ポリマー鎖及びその製造方法を提供することをその課題とする。
本発明によれば、以下に示す多分岐ポリマー鎖及びその製造方法が提供される。
(1)下記一般式(1)
Figure 2004256804
(式中、分子中に含まれるn個のRはそれぞれ同一又は異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜30の炭化水素基を示すが、該n個のRのうちその少なくとも1つは水素原子であり、nは1〜10の整数を示す)
で表されるジアンヒドロ糖アルコール及び下記一般式(2)
Figure 2004256804
(式中、分子中に含まれるR、m個のR、p個のR及びRは同一又は異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜30の炭化水素基を示すが、該m個のR及びp個のRのうちその少なくとも1つは水素原子であり、mは0〜20の整数を示し、pは1〜20の整数を示し、m+pは1〜20の整数を示す)
で表されるアンヒドロ糖アルコールの中から選ばれる少なくとも1種の糖由来化合物の重合体からなる多分岐ポリマー鎖。
(2)下記一般式(1)
Figure 2004256804
(式中、分子中に含まれるn個のRはそれぞれ同一又は異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜30の炭化水素基を示すが、該n個のRのうちその少なくとも1つは水素原子であり、nは1〜10の整数を示す)
で表されるジアンヒドロ糖アルコール及び下記一般式(2)
Figure 2004256804
(式中、分子中に含まれるR、m個のR、p個のR及びRは同一又は異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜30の炭化水素基を示すが、該m個のR及び該p個のRのうちその少なくとも1つは水素原子であり、mは0〜20の整数を示し、pは1〜20の整数を示し、m+pは1〜20の整数を示す)
で表されるアンヒドロ糖アルコールの中から選ばれる少なくとも1種の糖由来化合物と、下記一般式(3)〜(7)で表されるアンヒドロ糖の中から選ばれる少なくとも1種の糖化合物との共重合体からなる多分岐ポリマー鎖。
Figure 2004256804
Figure 2004256804
Figure 2004256804
Figure 2004256804
Figure 2004256804
(前記式中、R、R及びRはそれぞれ同一又は異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜30の炭化水素基を示す)
(3)該炭化水素基が、アルキル基、アリール基又はアリールアルキル基である前記(1)〜(2)のいずれかに記載の多分岐ポリマー鎖。
(4)分岐度が、0.05〜1.00である前記(1)〜(3)のいずれかに記載の多分岐ポリマー鎖。
(5)下記一般式(1)
Figure 2004256804
(式中、分子中に含まれるn個のRはそれぞれ同一又は異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜30の炭化水素基を示すが、該n個のRのうちその少なくとも1つは水素原子であり、nは1〜10の整数を示す)
で表されるジアンヒドロ糖アルコール及び下記一般式(2)
Figure 2004256804
(式中、分子中に含まれるR、m個のR、p個のR及びRは同一又は異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜30の炭化水素基を示すが、該m個のR及び該p個のRのうちその少なくとも1つは水素原子であり、mは0〜20の整数を示し、pは1〜20の整数を示し、m+pは1〜20の整数を示す)
で表されるアンヒドロ糖アルコールの中から選ばれる少なくとも1種の糖由来化合物を、カチオン開始剤又はアニオン開始剤の存在下で重合させることを特徴とする多分岐ポリマー鎖の製造方法。
(6)下記一般式(1)
Figure 2004256804
(式中、分子中に含まれるn個のRは水素原子又は炭素数1〜30の炭化水素基を示すが、該n個のRのうちその少なくとも1つは水素原子であり、nは1〜10の整数を示す)
で表されるジアンヒドロ糖アルコール及び下記一般式(2)
Figure 2004256804
(式中、分子中に含まれるR、m個のR、p個のR及びRは同一又は異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜30の炭化水素基を示すが、該m個のR及び該p個のRのうちその少なくとも1つは水素原子であり、mは0〜20の整数を示し、pは1〜20の整数を示し、m+pは1〜20の整数を示す)
で表されるアンヒドロ糖アルコールの中から選ばれる少なくとも1種の糖由来化合物と、下記一般式(3)〜(7)で表されるアンヒドロ糖の中から選ばれる少なくとも1種の化合物とを、カチオン開始剤又はアニオン開始剤の存在下で反応させることを特徴とする多分岐ポリマー鎖の製造方法。
Figure 2004256804
Figure 2004256804
Figure 2004256804
Figure 2004256804
Figure 2004256804
(前記式中、各R、R及びRはそれぞれ同一又は異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜30の炭化水素基を示す)
(7)該炭化水素基が、アルキル基、アリール基又はアリールアルキル基である前記(5)〜(6)のいずれかに記載の方法。
(8)該多分岐ポリマー鎖の分岐度が、0.05〜1.00である前記(5)〜(6)のいずれかに記載の方法。
本発明によれば、水溶性の多分岐多ポリマー鎖を再現性よく、かつ大量に合成することが出来、これにより工業的規模で多分岐ポリマー鎖を機能材料として使用することができる。さらに、本発明は、アミロペクチンなどの天然分岐糖鎖からの調達では不可能であった構造を有し、分子量、分岐度の調整も可能となり、用途に応じた多分岐糖鎖を得ることができる。
本発明の多分岐ポリマー鎖は、ハイドロゲルとしての増粘剤や生体適合性医用基盤材料等として用いられる。
前記一般式(1)において、分子中に含まれるn個のRは水素原子又は炭素数1〜30、好ましくは1〜10の炭化水素基を示すが、この場合の炭化水素基には、鎖状及び環状の炭化水素基が包含される。鎖状炭化水素基には、炭素数1〜30、好ましくは1〜4のアルキル基及び炭素数2〜30、好ましくは2〜5のアルケニル基等の鎖状脂肪族炭化水素由来の炭化水素基が包含される。環状の炭化水素基には、炭素数3〜30、好ましくは5〜7のシクロアルキル基又はシクロアルケニル基等の脂環族炭化水素由来の炭化水素基及び芳香族炭化水素基が包含される。
芳香族炭化水素基には、炭素数6〜30、好ましくは6〜12のアリール基及び炭素数7〜30、好ましくは7〜10のアリールアルキル基等の芳香族炭化水素由来の炭化水素基が包含される。
本発明で好ましく用いられる炭化水素基は、アルキル基、アリール基及びアリールアルキル基の中から選ばれる炭化水素基である。
前記一般式(1)において、nは1〜10の整数であるが、好ましくは1〜4の整数である。
また、前記一般式(1)のジアンヒドロ糖アルコールに含まれるn個のRのうちその少なくとも1つは水素原子である。この水素原子は、ジアンヒドロ糖アルコールの重合反応において、その反応に関与し、得られる多分岐ポリマー鎖(多分岐多糖)の分岐度を高める。
前記一般式(1)で表されるジアンヒドロ糖アルコールを例示すると、1,2:5,6−ジアンヒドロ−D−マンニトール系化合物、1,2:5,6−ジアンヒドロ−L−イジトール系化合物、1,2:5,6−ジアンヒドロ−アリトール系化合物、1,2:5,6−ジアンヒドロ−ガラクチトール系化合物、1,2:5,6−ジアンヒドロ−グルシトール系化合物、1,2:4,5−ジアンヒドロ−キシリトール系化合物等が挙げられる。
前記一般式(2)において、分子中に含まれるR、m個のR、p個のR及びRは水素原子又は炭素数1〜30の炭化水素基を示す。
この場合の炭化水素基には、前記前記一般式(1)のRに関して示したものと同様の炭化水素基が包含される。好ましい炭化水素基は、アルキル基、アリール基又はアリールアルキル基である。
一般式(2)において、mは0〜20、好ましくは0〜4の整数を示し、pは1〜20、好ましくは1〜4の整数を示し、m+pは1〜20の整数を示す。
また、前記一般式(2)のアンヒドロ糖アルコールに含まれるm個のR及びp個のRのうちその少なくとも1つは水素原子である。この水素原子は、アンヒドロ糖アルコールの重合反応において、その反応に関与し、得られる多分岐ポリマー鎖(多分岐ポリエーテル)の分岐度を高める。
前記一般式(2)で表されるアンヒドロ糖アルコールを例示すると、1,2−アンヒドロ−D−マンニトール系化合物、1,2−アンヒドロ−L−イジトール系化合物、1,2−アンヒドロ−アリトール系化合物、1,2−アンヒドロ−ガラクチトール系化合物、1,2−アンヒドロ−グリシトール系化合物、1,2−アンヒドロ−キシリトール系化合物、1,2−アンヒドロ−スレイトール系化合物系化合物等が挙げられる。
本発明の多分岐ポリマー鎖は、前記一般式(1)及び一般式(2)で表されるアンヒドロ糖アルコールの中から選ばれる少なくとも1種の糖由来化合物を、重合開始剤として、カチオン開始剤又はアニオン開始剤を用いて重合させることによって製造することができる。
カチオン開始剤としては、従来公知のもの、例えば、スルフォニウムアントモネートなどの熱カチオン開始剤や光カチオン開始剤、三フッ化ホウ素エーテラート、四塩化スズ、五塩化アンチモン、五フッ化リンなどのルイス酸、トリフルオロメタンスルホン酸などのブレンステッド酸等を用いることができる。
アニオン開始剤としては、従来公知のもの、例えば、KOHなどの水酸化物、tert−BuOKやZn(OCHなどの金属アルコラート等の使用が好ましい。
開始剤の使用量は、原料糖化合物に対して、1〜10wt%程度である。
重合反応においては、有機溶媒を使用することができるが、この場合の有機溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、プロピレンカーボネートなどを用いることができる。
本発明におけるアンヒドロ糖アルコールの重合のメカニズムを示すと、前記一般式(1)のジアンヒドロ糖アルコールの重合反応の場合は、原料であるジアンヒドロ糖アルコールの一方のアンヒドロ基が開環し、他方のアンヒドロ基へ求核あるいは求電子攻撃することで環化、さらに他の糖の水酸基と結合する。その結果、グルコシド結合を有しない天然にはない構造単位からなる分岐した糖鎖ポリマー(多分岐糖鎖ポリマー)が形成される。一方、前記一般式(2)のアンヒドロ糖アルコールの場合には、1,2−、1,4−、1,5−、2,3−、3,5−等のアンヒドロ結合が開環し、他の糖の水酸基と結合することで、分岐したポリエーテル鎖(多分岐ポリエーテル)が形成される。また、一般式(1)および(2)のアンヒドロ糖アルコールを混合した場合の重合反応は、上記のメカニズムが共存し、多分岐多糖と多分岐ポリエーテルが共存した重合体が形成される。
前記一般式(1)のジアンヒドロ糖アルコール(n=2)の重合体の構造式を示すと、下記一般式(a)で表される。
Figure 2004256804
前記一般式(2)のアンヒドロ糖アルコール(R=R=H、m=p=2)の重合体の構造式を示すと、下記一般式(b)で表される。
Figure 2004256804
本発明の多分岐ポリマー鎖において、その分岐度は、好ましくは0.05〜1.00、より好ましくは0.45〜1.0である。この場合の多分岐度は、Frechetの式:[分岐度=(分岐ユニット数+ポリマー末端数)/(分岐ユニット数+ポリマー末端数+直鎖ユニット数)]によって算出される。このFrechetの式によると、直鎖状ポリマーの分岐度は0で、デンドリマーの分岐度は1となる。
本発明による多分岐ポリマー鎖は、樹枝状に近い形をしており、分岐鎖からもさらに分岐が出来ていると考えられる。本発明の多分岐ポリマー鎖は、フラノース型の糖ユニットからなるグルコシド結合を有しない天然にはない特殊な構造単位からなる糖鎖である。
本発明による前記一般式(1)及び(2)の糖化合物(アンヒドロ糖アルコール)の重合体において、その分子量は(静的光散乱法)は、通常、1万以上、好ましくは20万以上である。
以下、本発明を実施例により詳述する。
実施例1
(1,2:5,6−ジアンヒドロ−D−マンニトールのカチオン重合)
窒素雰囲気下、シュレンク管内に1,2−5,6−ジアンヒドロ−D−マンニトール(0.5g,D−マンニトールより合成した)、乾燥ジクロロメタン(6.8mL、関東化学、モノマー濃度0.5mol・L−1)を入れ、0℃に冷却後、開始剤として三フッ化ホウ素エーテラート2.6μL、関東化学)を滴下し、重合を開始した。200時間後、重合溶液をメタノール中に注ぎ重合を停止した。アンモニア水溶液にて中和後、溶媒を留去し、水中で透析膜(スペクトラポアM500)を用いて精製した。収量0.209g、収率41.8%。重量平均分子量1,900(SEC,0.2mol・L−1硝酸ナトリウム水溶液、40℃)、分散度2.23。重量平均分子量3.1×10(SLS,0.2mol・L−1硝酸ナトリウム水溶液、40℃)。慣性半径83nm(SLS,0.2mol・L−1硝酸ナトリウム水溶液、40℃)。流体力学半径67nm(DLS,0.2mol・L−1硝酸ナトリウム水溶液、40℃)。
生成物(多分岐糖鎖)の各種溶媒に対する溶解度(濃度:30mg/mL、溶解時間1時間)を表1に示す。
Figure 2004256804
表中、○は溶解、×は不溶を表す。
生成物のHNMRスペクトルおよび13CNMRスペクトルをそれぞれ図1および図2に示す。直鎖の糖鎖では末端(C1)の炭素由来のピークがほとんどみられないのに対し、本発明の糖鎖末端(C1)の炭素由来のピーク(60ppm付近)が大きく見られる。さらに他の炭素に由来するピークも数本に分裂していることから、多分岐状になっていることがわかる。SECで測定した重量平均分子量が静的光散乱法で測定した重量平均分子量よりも小さく出る。この傾向はポリマーの有効体積のちがいによるもので、多分岐ポリマーにはよく観察される。
実施例2
(1,2:5,6−ジアンヒドロ−D−マンニトールのアニオン重合)
窒素雰囲気下、シュレンク管内に1,2−5,6−ジアンヒドロ−D−マンニトール(0.5g,D−マンニトールより合成した)、乾燥テトラヒドロフラン(3.4mL、関東化学、モノマー濃度1.0mol・L−1)を入れ、開始剤として1.0mol・L−1 tert−ブトキシカリウム/THF溶液(0.17mL、関東化学)を滴下し、重合を開始した。30時間後、重合溶液をメタノール中に注ぎ重合を停止した。ドライアイスにて中和後、溶媒を留去し、水中で、透析膜(スペクトラポアM500)を用いて精製した。収量0.085g、収率17.0%、比旋光度+19.7(c 1.0,HO,23℃)。重量平均分子量1600(SEC,0.2mol・L−1硝酸ナトリウム水溶液、40℃)、分散度5.07、重量平均分子量13.1×10(SLS,0.2mol・L−1硝酸ナトリウム水溶液、40℃)、慣性半径131nm(SLS,0.2mol・L−1硝酸ナトリウム水溶液、40℃)、流体力学半径132nm(DLS,0.2mol・L−1硝酸ナトリウム水溶液、40℃)。
生成物のHNMRスペクトルおよび13CNMRスペクトルをそれぞれ図3および図4に示す。
実施例3
(2,3−アンヒドロ−エリスリトールのカチオン重合)
窒素雰囲気下、シュレンク管内に2,3−アンヒドロ−エリスリトール(1.0g,シス−2−ブテン−1,4−ジオールより合成した)を入れ、100℃に加熱後、開始剤として三フッ化ホウ素エーテラート(6.2μL、関東化学)を滴下し、重合を開始した。120時間後、重合溶液を水中に注ぎ重合を停止した。アンモニア水溶液にて中和後、溶媒を留去し、水中で透析膜(スペクトラポアM500)を用いて精製した。収量 0.294g、収率29.4%。重量平均分子量970(SEC,0.2mol・L−1硝酸ナトリウム水溶液、40℃)。重量平均分子量3.0×10(SLS,0.2mol・L−1硝酸ナトリウム水溶液、40℃)。慣性半径116nm(SLS,0.2mol・L−1硝酸ナトリウム水溶液、40℃)。固有粘度0.022dL・g−1
生成物(多分岐糖鎖)の各種溶媒に対する溶解度(濃度:30mg/mL、溶解時間1時間)を表1に示す。
Figure 2004256804
表中、○は溶解、×は不溶を表す。
生成物のHNMRスペクトルおよび13CNMRスペクトルをそれぞれ図5および図6に示す。直鎖の糖鎖でわずかに見られる末端(C3)の炭素由来のピークが本発明の糖鎖では、70ppm付近に大きく見られる。さらに他の炭素に由来するピークも数本に分裂していることから、多分岐状になっていることがわかる。SECで測定した重量平均分子量が静的光散乱法で測定した重量平均分子量よりも小さく出る。さらに動粘度測定において固有粘度が小さな値を示した。この傾向はポリマーの有効体積のちがいによるもので、多分岐ポリマーにはよく観察される。
実施例4
窒素雰囲気下、シュレンク管内に2,3−アンヒドロ−エリスリトール(1.0g)、1,6−アンヒドロ−β−D−マンノピラノース(0.162g)、そしてプロピレンカーボネート(2.5mL)を入れ、130℃で原料を溶解し、66重量%2−ブテニル−テトラメチレンスルフォニウムヘキサフルオロアンチモネート溶液を添加して重合を開始した。192時間重合した。重合溶液を水中に注ぎ重合を停止した。アンモニア水溶液にて中和後、溶媒を留去し、水中で透析膜(スペクトラポアM500)を用いて精製した。収量 0.304g、収率26.2%。重量平均分子量1200(SEC,0.2mol・L−1硝酸ナトリウム水溶液、40℃)。重量平均分子量7.3×10(SLS,0.2mol・L−1硝酸ナトリウム水溶液、40℃)。
実施例1で作製した多分岐糖鎖の400MHz、HNMR(溶媒:重水、25℃)の測定スペクトルを示す図である。 実施例1で作製した多分岐糖鎖の400MHz、13CNMR(溶媒:重水、25℃)の測定スペクトルを示す図である。 実施例2で作製した多分岐糖鎖の400MHz、HNMR(溶媒:重水、25℃)の測定スペクトルを示す図である。 実施例2で作製した多分岐糖鎖の400MHz、13CNMR(溶媒:重水、25℃)の測定スペクトルを示す図である。 実施例3で作製した多分岐糖鎖の400MHz、HNMR(溶媒:重水、25℃)の測定スペクトルを示す図である。 実施例3で作製した多分岐糖鎖の400MHz、13CNMR(溶媒:重水、25℃)の測定スペクトルを示す図である。

Claims (8)

  1. 下記一般式(1)
    Figure 2004256804
    (式中、分子中に含まれるn個のRはそれぞれ同一又は異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜30の炭化水素基を示すが、該n個のRのうちその少なくとも1つは水素原子であり、nは1〜10の整数を示す)
    で表されるジアンヒドロ糖アルコール及び下記一般式(2)
    Figure 2004256804
    (式中、分子中に含まれるR、m個のR、p個のR及びRは同一又は異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜30の炭化水素基を示すが、該m個のR及びp個のRのうちその少なくとも1つは水素原子であり、mは0〜20の整数を示し、pは1〜20の整数を示し、m+pは1〜20の整数を示す)
    で表されるアンヒドロ糖アルコールの中から選ばれる少なくとも1種の糖由来化合物の重合体からなる多分岐ポリマー鎖。
  2. 下記一般式(1)
    Figure 2004256804
    (式中、分子中に含まれるn個のRはそれぞれ同一又は異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜30の炭化水素基を示すが、該n個のRのうちその少なくとも1つは水素原子であり、nは1〜10の整数を示す)
    で表されるジアンヒドロ糖アルコール及び下記一般式(2)
    Figure 2004256804
    (式中、分子中に含まれるR、m個のR、p個のR及びRは同一又は異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜30の炭化水素基を示すが、該m個のR及び該p個のRのうちその少なくとも1つは水素原子であり、mは0〜20の整数を示し、pは1〜20の整数を示し、m+pは1〜20の整数を示す)
    で表されるアンヒドロ糖アルコールの中から選ばれる少なくとも1種の糖由来化合物と、下記一般式(3)〜(7)で表されるアンヒドロ糖の中から選ばれる少なくとも1種の糖化合物との共重合体からなる多分岐ポリマー鎖。
    Figure 2004256804
    Figure 2004256804
    Figure 2004256804
    Figure 2004256804
    Figure 2004256804
    (前記式中、R、R及びRはそれぞれ同一又は異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜30の炭化水素基を示す)
  3. 該炭化水素基が、アルキル基、アリール基又はアリールアルキル基である請求項1〜2のいずれかに記載の多分岐ポリマー鎖。
  4. 分岐度が、0.05〜1.00である請求項1〜3のいずれかに記載の多分岐ポリマー鎖。
  5. 下記一般式(1)
    Figure 2004256804
    (式中、分子中に含まれるn個のRはそれぞれ同一又は異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜30の炭化水素基を示すが、該n個のRのうちその少なくとも1つは水素原子であり、nは1〜10の整数を示す)
    で表されるジアンヒドロ糖アルコール及び下記一般式(2)
    Figure 2004256804
    (式中、分子中に含まれるR、m個のR、p個のR及びRは同一又は異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜30の炭化水素基を示すが、該m個のR及び該p個のRのうちその少なくとも1つは水素原子であり、mは0〜20の整数を示し、pは1〜20の整数を示し、m+pは1〜20の整数を示す)
    で表されるアンヒドロ糖アルコールの中から選ばれる少なくとも1種の糖由来化合物を、カチオン開始剤又はアニオン開始剤の存在下で重合させることを特徴とする多分岐ポリマー鎖の製造方法。
  6. 下記一般式(1)
    Figure 2004256804
    (式中、分子中に含まれるn個のRは水素原子又は炭素数1〜30の炭化水素基を示すが、該n個のRのうちその少なくとも1つは水素原子であり、nは1〜10の整数を示す)
    で表されるジアンヒドロ糖アルコール及び下記一般式(2)
    Figure 2004256804
    (式中、分子中に含まれるR、m個のR、p個のR及びRは同一又は異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜30の炭化水素基を示すが、該m個のR及び該p個のRのうちその少なくとも1つは水素原子であり、mは0〜20の整数を示し、pは1〜20の整数を示し、m+pは1〜20の整数を示す)
    で表されるアンヒドロ糖アルコールの中から選ばれる少なくとも1種の糖由来化合物と、下記一般式(3)〜(7)で表されるアンヒドロ糖の中から選ばれる少なくとも1種の化合物とを、カチオン開始剤又はアニオン開始剤の存在下で反応させることを特徴とする多分岐ポリマー鎖の製造方法。
    Figure 2004256804
    Figure 2004256804
    Figure 2004256804
    Figure 2004256804
    Figure 2004256804
    (前記式中、各R、R及びRはそれぞれ同一又は異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜30の炭化水素基を示す)
  7. 該炭化水素基が、アルキル基、アリール基又はアリールアルキル基である請求項5〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 該多分岐ポリマー鎖の分岐度が、0.05〜1.00である請求項5〜6のいずれかに記載の方法。
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