JP2004256624A - ベンツイミダゾロン系混晶顔料を含有する着色組成物 - Google Patents

ベンツイミダゾロン系混晶顔料を含有する着色組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2004256624A
JP2004256624A JP2003047213A JP2003047213A JP2004256624A JP 2004256624 A JP2004256624 A JP 2004256624A JP 2003047213 A JP2003047213 A JP 2003047213A JP 2003047213 A JP2003047213 A JP 2003047213A JP 2004256624 A JP2004256624 A JP 2004256624A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pigment
benzimidazolone
coloring composition
mixed crystal
coloring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003047213A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaki Hosaka
正喜 保坂
Toshio Takei
俊夫 武井
Yuji Ohashi
裕二 大橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd filed Critical Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority to JP2003047213A priority Critical patent/JP2004256624A/ja
Publication of JP2004256624A publication Critical patent/JP2004256624A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】印刷インキ、塗料、プラスチックの着色、トナーおよびインクジェット用インキ等の用途に用いられる、燈色系の色相を高彩度で発色させることができ、かつ重金属を含有しない毒性の低い着色組成物を提供する。
【解決手段】式(I)で示される顔料(I)と、式(II)で示される顔料(II)とからなり、Cu−Kα線によるX線回折において、回折角(2θ±0.2°)27.0°に強い回折強度を有し、18.1°、および22.0°に弱い回折強度を有するベンツイミダゾロン系混晶顔料を含有する着色組成物。
【化1】
Figure 2004256624

Figure 2004256624

【化2】
Figure 2004256624

Figure 2004256624

【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なベンツイミダゾロン系混晶顔料を含有する着色組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
着色顔料を含有する塗料用やインキ用着色組成物においては、所望の色相を得るために、通常は色相の異なる二種以上の顔料を混合して調色する。しかしながら、二種以上の顔料を物理的に混合した場合は減法混色となるため、このようにして調色した塗料やインキの塗膜においては、一般的には彩度が低下する。
【0003】
従来、二種類以上の顔料を混合して溶媒に均一に溶解させた後、その溶液を該顔料を溶解しない溶媒中へ投入することにより再析出させる方法や、二種類以上の顔料を少量の溶媒や添加剤と共にビーズミルやボールミルなどの分散機中で摩砕混合する方法によって調色した混晶顔料や固溶体顔料を使用した塗料やインキ用着色組成物においては、上記二種類以上の顔料を、単に物理的に混合した場合のような、彩度の低下を起こさないことが知られている。
【0004】
1,4−ジケトピロロピロールの混晶を塗料やフィルムの着色用に使用することにより、着色力および色純度に優れた着色性を示すことが記載されている(例えば特許文献1参照)。
また、キナクリドン系混晶顔料は、電子写真用トナー、現像剤、粉体塗料及びインクジェットインクに使用することができる赤紫領域の顔料であるとの記載がある(例えば特許文献2参照)。
しかしながら、本発明のベンツイミダゾロン系顔料の混晶顔料もしくは固溶体顔料である燈色系顔料を使用した着色組成物に関して記載された文献は見当たらない。
【0005】
一方、クロム酸鉛、モリブデン酸鉛、硫酸鉛からなる無機固溶体顔料であるモリブデートオレンジが、インキや塗料用の燈色系顔料として広く用いられてきた。モリブデートオレンジは高い彩度を有するが、近年、このような重金属を含有する無機顔料は毒性が強いため、環境汚染及び人体への影響の観点からモリブデートオレンジを使用した着色組成物の使用は忌避されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平8−199085号公報
【特許文献2】
特開平2000−169745号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、印刷インキ、塗料、プラスチックの着色、トナーおよびインクジェット用インキ等の用途に用いられる、燈色系の色相を高彩度で発色させることができ、かつ重金属を含有しない毒性の低い着色組成物を提供することにある。
【0008】
【発明を解決するための手段】
本発明者らは、重金属を含有しない毒性の小さい、式(I)で示される顔料(I)と、式(II)で示される顔料(II)とからなるベンツイミダゾロン系混晶顔料を含有する着色組成物、更に詳しくは、式(I)で示される顔料(I)と、式(II)で示される顔料(II)とからなるベンツイミダゾロン系混晶顔料がCu−Kα線によるX線回折において、回折角(2θ±0.2°)27.0°に強い回折強度を有し、18.1°、および22.0°に弱い回折強度を有しており、顔料(I)もしくは顔料(II)それぞれ単独の回折パターン、あるいは該二種の顔料を物理的に混合したものの回折パターンのいずれとも異なった回折パターンを示す新規ベンツイミダゾロン系混晶顔料であって、該混晶顔料を含有する着色組成物により、上記課題を解決することが出来ることを見いだした。
【0009】
【化3】
Figure 2004256624
Figure 2004256624
【0010】
【化4】
Figure 2004256624
Figure 2004256624
【0011】
すなわち、本発明は、式(I)で示される顔料(I)と、式(II)で示される顔料(II)とからなり、Cu−Kα線によるX線回折において、回折角(2θ±0.2°)27.0°に強い回折強度を有し、18.1°、および22.0°に弱い回折強度を有するベンツイミダゾロン系混晶顔料を含有することを特徴とする着色組成物を提供することにより、上記課題を解決した。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
本発明における混晶顔料とは、物理的に混合した顔料の回折パターンとは異なるX線回折パターンを示す、新たな結晶格子を有する顔料を意味する。つまり混晶顔料は、ホスト顔料の結晶格子中にゲスト顔料分子が取り込まれてホスト顔料と同一のX線回折パターンを示し、ゲスト顔料の回折パターンが消滅する固溶体顔料とは異なる。
【0013】
本発明の着色組成物の色材となるベンツイミダゾロン系混晶顔料は、苛性アルカリの存在下で顔料(I)と顔料(II)を有機溶媒に均一に溶解した後、該溶液を酸で中和することにより析出させたものであり、橙色を呈する。
【0014】
上記苛性アルカリとしては、水酸化ナトリウム、または水酸化カリウムを使用するのが好ましい。
有機溶媒としては、公知慣用のものを用いることができるが、中でも顔料の溶解性が高い、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、ジメチルイミダゾリジノンなどの非プロトン性極性溶媒を使用するのが好ましい。
【0015】
苛性アルカリを、上記溶剤に完全に溶解させるのは困難であるが、系に少量の水を混在させることにより均一に溶解させることができる。水の添加率は、有機溶媒に対して2〜30質量%が好ましく、さらに好ましくは5〜20質量%である。水の添加率が30%を超えると、顔料(I)および顔料(II)の溶解性が低下する。
【0016】
顔料(I)と顔料(II)の混合割合は、顔料(I)の含有率を、50〜90モル%の範囲とするのが好ましく、60〜80モル%がさらに好ましい。特に顔料(I)の含有率が75モル%であることが、彩度が高い混晶顔料を得るためには最も好ましい。この結果は、実質的に顔料(I)6分子と顔料(II)2分子が結晶格子を形成していることを示唆している。顔料(I)と顔料(II)が実質的に3:1の比率で混晶顔料を形成し、顔料(I)と顔料(II)のどちらかの顔料成分が過剰となった場合は、混晶顔料と物理的に混合した形態をとると考えられる。
【0017】
顔料溶液を中和して混晶顔料を析出させるために使用する酸類としては、硫酸、塩酸、または酢酸などを使用することができるが、臭気の問題や揮発したガスによる設備の腐食といった問題がないことなどから硫酸を使用するのが好ましい。
中和時の温度は特に限定されないが、一般的には0℃から70℃程度が好ましい。
【0018】
得られた混晶顔料は、通常のろ過、洗浄、乾燥、粉砕を経ることで、そのまま顔料として使用できるが、着色力や耐候性などを高める目的で、公知慣用の後処理を行って、用途に適した所望の粒子系に調整することもできる。具体的には、たとえば、得られた混晶顔料粒子が微細であり、顔料の結晶をより大きな結晶へと成長させたい場合には、中和後のスラリーの状態そのままか、溶媒を水や種々の有機溶剤、もしくはそれらの混合溶液に置換するか、または乾燥後の混晶顔料を溶媒中に再スラリー化した後、常圧または加圧下で熱処理する方法が一般的である。
【0019】
ここで用いる溶媒としては、ベンゼン、キシレン、トルエンなどの芳香族系溶媒、ピリジン、ピコリン、キノリンなどのピリジン系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒、メタノール、ブタノール、イソブタノール、イソプロパノールなどのアルコール系溶媒、エチレングリコールモノメチルエーテル、モノエチルエーテルなどのエーテル系溶媒、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミドなどの非プロトン性極性溶媒、あるいは水などを挙げることができる。水を用いる場合は、適宜界面活性剤などの添加剤の存在下で加熱処理を行ってもよい。
【0020】
このようにして得られた混晶顔料スラリーに対して、通常のろ過、洗浄、乾燥、粉砕を行うことにより本発明の着色組成物の色材となるベンツイミダゾロン系混晶顔料を得ることができる。
本発明の着色組成物の色材となるベンツイミダゾロン系混晶顔料のX線回折パターンは、顔料(I)もしくは顔料(II)単独のいずれのX線回折パターンとも異なる新しい回折パターンを示す、新規の結晶型を有する混晶顔料である。
本発明の着色組成物はベンツイミダゾロン系混晶顔料をビヒクル中に分散することにより得られる。使用するビヒクル、溶剤、分散剤、界面活性剤。レベリング剤などの添加剤の種類と組成、および分散方法は目的とする用途により異なるが、いずれも公知慣用の方法によって製造することができる。
【0021】
(インキ用着色組成物の製造方法)
着色組成物が印刷インキ用の場合は、ベンツイミダゾロン系混晶顔料を、ロジン系の天然樹脂または、フェノール樹脂系の合成樹脂、乾性油、可塑剤、溶剤、ドライヤー、その他添加剤などを含有するワニスと、ロールミルなどを使用して練肉することにより得られる。
【0022】
(塗料用着色組成物の製造方法)
着色組成物が塗料用の場合は、ベンツイミダゾロン系混晶顔料をアルキド樹脂、アクリル樹脂などの熱硬化性樹脂、顔料誘導体などのシナージスト、分散剤とともにビーズミルなどを使用してビヒクル中に分散させた後、メラミン樹脂などの硬化剤および有機酸などの硬化触媒、シリコン樹脂などのレベリング剤などを配合することにより得られる。
【0023】
(顔料の混合)
一般的に、インキや塗料用などの着色組成物は、所望の色相へと調整するために、単一顔料からなる着色組成物を混合して使用される。このようにして得られた着色組成物は減法混色による調色であるため、彩度が低下することが多い。また、複数の着色組成物を混合することは、異種顔料間の凝集を誘発する可能性が高く、これにより彩度や着色力が低下する。
【0024】
本発明の着色組成物は色材として顔料(I)と顔料(II)からなるベンツイミダゾロン系混晶顔料を用いているため、原料である顔料(I)、顔料(II)からそれぞれ独立に調製した着色組成物を使用する場合に比べて、混合する顔料の種類を1種類少なくできることから、他の着色組成物との調色の際に彩度の低下を押さえることができる。さらには、顔料の凝集が生じる可能性も小さくすることが可能である。
【0025】
本発明のベンツイミダゾロン系混晶顔料を用いた着色組成物は印刷インキ、塗料、プラスチックの着色、トナー、インクジェット用インキなどの用途に使用した場合、顔料(I)および顔料(II)の物理的混合によって調色した顔料を用いた場合と比べて、色相が異なり、彩度に優れたものとなる。
【0026】
また、本発明のベンツイミダゾロン系混晶顔料を用いた着色組成物をカラーフィルター用として使用すると、アルカリ現像性に優れ、透明性の良いカラーフィルターを作製することができる。
【0027】
【実施例】
以下、実施例および比較例により、本発明をさらに詳しく説明する。特に断らない限り、「部」および「%」は、いずれも質量を基準とする。
【0028】
(調製例1)
窒素気流下で、反応容器中に、ジメチルスルホキシド450部と水27.6部の混合溶媒に50%水酸化カリウム水溶液44.8部を溶解させた。撹拌しながら、橙色の顔料(I)(大日本インキ化学工業製「Symular Fast Orange 4183H」;C.I.ピグメントオレンジ36)15.6部と黄色の顔料(II)(大日本インキ化学工業製「Symular Fast Yellow 4192」;C.I.ピグメントイエロー154)5.1部を少量ずつ加え溶解させた。得られた顔料溶液を室温で1時間撹拌した後、氷冷下で30%硫酸水溶液46.8部を滴下した後、さらに6%硫酸水溶液を加えてpH4.5とし、本発明のベンツイミダゾロン系混晶顔料のスラリーを得た。
【0029】
次いで、後処理として、スラリーが均質な状態を保つように撹拌した状態で、100℃、2時間時間熟成させた後、60℃に降温し、1000部の水で希釈後、混晶顔料をろ別した。60℃の水で、ろ液が中性となるまで洗浄し、得られたケーキを70℃の温風乾燥器中で10時間乾燥した後粉砕して、黄味の橙色を呈する本発明のベンツイミダゾロン系混晶顔料20.4部を得た。
【0030】
得られた混晶顔料について、理学電機(株)社製X線回折装置「RINT Ultima+」を用いてCu−Kα線照射による粉末X線回折分析を行った。図1にそのX線回折パターンを示す。該混晶顔料は、X線回折角度(2θ±0.2°)27.0°に強い回折強度を有し、18.1°、および22.0°に弱い回折強度を有している。
【0031】
なお、X線回折装置の設定は以下の通りとした。
使用電力:40kV、30mA
サンプリング角度:0.020°
発散・散乱スリット:(1/2)°
受光スリット:0.3mm
スキャンスピード:2°/分
【0032】
(調製例2)
調製例1における、顔料(I)(「Symular Fast Orange4183H」)15.6部、顔料(II)(「Symular Fast Yellow 4192」)5.1部の代わりに、顔料(I)のみを20部とした以外は、実施例と同様にして、橙色のベンツイミダゾロン系顔料19.5部を得た。
得られた顔料について、調製例1と同様にして粉末X線回折分析を行った。図2にそのX線回折パターンを示す。該顔料は、X線回折角度(2θ±0.2°)27.4°に強い回折強度を有し、10.4°、12.2°、14.6°、18.0°、および22.7°に弱い回折強度を有している。
【0033】
(調製例3)
調製例1における、顔料(I)(「Symular Fast Orange4183H」)15.6部、顔料(II)(「Symular Fast Yellow 4192」)5.1部の代わりに、顔料(II)のみを20部とした以外は、実施例と同様にして、黄色のベンツイミダゾロン系顔料19.6部を得た。
得られた顔料について、調製例1と同様にして粉末X線回折分析を行った。図3にそのX線回折パターンを示す。該顔料は、X線回折角度(2θ±0.2°)26.1°に強い回折強度を有し、6.1°、12.2°、13.4°、18.3°、19.9°および22.2°に弱い回折強度を有している。
【0034】
(調製例4)
調製例2で得た顔料15.6部と、調製例3で得た顔料5.1部を十分に混合して、2種類のベンツイミダゾロン系顔料の物理的混合物である、赤味の黄色を呈する混合顔料20.7部を得た。
得られた顔料について、調製例1と同様にして粉末X線回折分析を行った。図4にそのX線回折パターンを示す。該顔料は、X線回角度(2θ±0.2°)27.4°に強い回折強度を有し、12.2°、14.6°、18.0°、22.7°、および26.1°に弱い回折強度を有している。
【0035】
(実施例1)
調製例1によって製造したベンツイミダゾロン系混晶顔料0.4gと大日本インキ化学工業(株)製平版インキ用ビヒクル「MG−63」1.6gを、フーバーマーラーで練肉し、ベンツイミダゾロン系混晶顔料を色材とする平版インキを作製した。
【0036】
(比較例1)
実施例1における調製例1によって製造したベンツイミダゾロン系混晶顔料を調製例2によって得られた2種類のベンツイミダゾロン系顔料の物理的混合物に変更した以外は、実施例1と同様にして2種類のベンツイミダゾロン系顔料を色材とする平版インキを作製した。
【0037】
実施例1および比較例1で得られた平版インキを展色紙上に展色後、日本電色工業(株)製分光光度計「SZ−Σ90」により色相及び彩度を評価した。結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
Figure 2004256624
【0039】
実施例1のベンツイミダゾロン系混晶顔料を色材とする平版インキは、比較例1の2種類のベンツイミダゾロン系顔料を色材とする平版インキに比べて彩度が高かった。
【0040】
(実施例2)
実施例1で作製したベンツイミダゾロン系混晶顔料を色材とする平版インキ0.2gに大日本インキ化学工業(株)製白色平版インキ「ニューチャンピオン 白」2gを加え、フーバーマーラーで練肉し、ベンツイミダゾロン系混晶顔料、および白色顔料の合計2種類の顔料を色材とする平版インキを作製した。
【0041】
(比較例2)
実施例2における、実施例1で作製したベンツイミダゾロン系混晶顔料を色材とする平版インキを比較例1で作製した2種類のベンツイミダゾロン系顔料を色材とする平版インキに変更した以外は、実施例2と同様にして2種類のベンツイミダゾロン系顔料、および白色顔料の合計3種類の顔料を色材とする平版インキを作製した。
【0042】
実施例2および比較例2で得られた平版インキを展色紙上に展色後、日本電色工業(株)製分光光度計「SZ−Σ90」により色相及び彩度を評価した。結果を表2に示す。
【0043】
【表2】
Figure 2004256624
【0044】
実施例2のベンツイミダゾロン系混晶顔料及び白色顔料を色材とする平版インキは、比較例2の2種類のベンツイミダゾロン系顔料と白色顔料を色材とするの平版インキに比べて彩度が高かった。
【0045】
(調製例5)希釈用白色塗料の調製
石原産業(株)製酸化チタン「タイペークR−930」132g、大日本インキ化学工業(株)製アクリル樹脂「アクリディック 47−712」(固形分50%)74.8g、キシレンとn−ブタノールの混合溶剤(重量比3:1)26.4g及び、直径3mmのガラスビーズ250gをペイントコンディショナー((株)東洋精機製作所製「PAINT SHAKER」)で1時間分散した後、前記アクリル樹脂「アクリディック 47−712」174.5g及び、大日本インキ化学工業(株)製メラミン樹脂「スーパーベッカミン L−117−60」(固形分60%)32.3gを加え混合し、希釈用白色塗料を作製した。
【0046】
(調製例6)
調製例2で作製した燈色のベンツイミダゾロン系顔料15g、大日本インキ化学工業(株)製アクリル樹脂「アクリディック 47−712」(固形分50%)30g、キシレンとn−ブタノールの混合溶剤(重量比3:1)40g及び、直径3mmのガラスビーズ80gをペイントコンディショナーで2時間分散した後、前記アクリル樹脂「アクリディック 47−712」90gと、大日本インキ化学工業(株)製メラミン樹脂「スーパーベッカミン L−117−60」(固形分60%)25gとを加え混合し、燈色ベンツイミダゾロン系顔料を色材とする塗料を作製した。
【0047】
(調製例7)
調製例6の調製例2で作製した燈色のベンツイミダゾロン系顔料を調製例3で作製した黄色のベンツイミダゾロン系顔料に変更した以外は、調製例6と同様にして、黄色ベンツイミダゾロン系顔料を色材とする塗料を作製した。
【0048】
(実施例3)
調製例1で作製したベンツイミダゾロン系混晶顔料15g、大日本インキ化学工業(株)製アクリル樹脂「アクリディック 47−712」(固形分50%)30g、キシレンとn−ブタノールの混合溶剤(重量比3:1)40g及び、直径3mmのガラスビーズ80gをペイントコンディショナーで2時間分散した後、前記アクリル樹脂「アクリディック 47−712」90g及び、大日本インキ化学工業(株)製メラミン樹脂「スーパーベッカミン L−117−60」(固形分60%)25gを加え混合し、燈色ベンツイミダゾロン系顔料を色材とする塗料を作製した。
【0049】
(比較例3)
調製例6で作製した燈色塗料75.4gと、調製例7で作製した黄色塗料24.6gを混合し、燈色ベンツイミダゾロン系顔料と黄色ベンツイミダゾロン系顔料を色材とする塗料を作製した。この場合、燈色ベンツイミダゾロン系顔料と黄色ベンツイミダゾロン系顔料の混合モル比は75:25であった。
【0050】
上記実施例3および比較例3で作製したそれぞれの塗料60gに、調製例5で作製した希釈用白色塗料15g、および希釈溶剤(ソルベッソ#100:キシレン:酢酸エチル:n−ブタノール=4:3:2:1)43gを混合した後、鋼板にスプレー塗装し、140℃で20分間焼き付けした後、焼き付け塗板を日本電色工業(株)製分光光度計「SZ−Σ90」により色相及び彩度を評価した。結果を表3に示す。
【0051】
【表3】
Figure 2004256624
【0052】
実施例3のベンツイミダゾロン系混晶顔料及び白色顔料を色材とするアクリル塗料により作製した焼き付け塗板は、比較例3の2種類のベンツイミダゾロン系顔料及び白色顔料を色材とするアクリル塗料により作製した焼き付け塗板に比べて彩度が高かった。
【0053】
本発明のベンツイミダゾロン系混晶顔料を色材とする着色組成物、2種類のベンツイミダゾロン系顔料の物理的混合物を色材とする着色組成物、およびモリブデートオレンジを色材とする着色組成物の毒性と彩度の評価を表4に示す。
【0054】
【表4】
Figure 2004256624
【0055】
総合的な評価は、本発明のベンツイミダゾロン系混晶顔料を色材とする着色組成物が最も高かった。
【0056】
【発明の効果】
顔料(I)および顔料(II)からなるベンツイミダゾロン系混晶顔料を含有する本発明の着色組成物は、それぞれの顔料を物理的に混合して得られた着色組成物に比べて高彩度な着色組成物であり、重金属を含有しないことから環境にも優しく、印刷インキや塗料、プラスチックの着色、トナー、インクジェット用インキなどの用途に有用である。
【0057】
【図面の簡単な説明】
【図1】調製例1で得られた本発明のベンツイミダゾロン系混晶顔料のX線回折図である。
【図2】調製例2で得られたベンツイミダゾロン顔料のX線回折図である。
【図3】調製例3で得られたベンツイミダゾロン顔料のX線回折図である。
【図4】調製例4で得られたベンツイミダゾロン系顔料の物理的混合物のX線回折図である。

Claims (5)

  1. 式(I)で示される顔料(I)と、式(II)で示される顔料(II)とからなり、Cu−Kα線によるX線回折において、回折角(2θ±0.2°)27.0°に強い回折強度を有し、18.1°、および22.0°に弱い回折強度を有するベンツイミダゾロン系混晶顔料を含有することを特徴とする着色組成物。
    Figure 2004256624
    Figure 2004256624
    Figure 2004256624
    Figure 2004256624
  2. 前記混晶顔料が顔料(I)を50〜90モル%含有する混晶顔料である請求項1に記載の着色組成物。
  3. 前記顔料(I)および前記顔料(II)からなる群から選ばれる少なくとも1種の顔料を前記混晶顔料に加えて含有することを特徴とする請求項1に記載の着色組成物。
  4. 前記着色組成物がインキ用着色組成物である請求項1から3のいずれかの請求項に記載の着色組成物。
  5. 前記着色組成物が塗料用着色組成物である請求項1から3のいずれかの請求項に記載の着色組成物。
JP2003047213A 2003-02-25 2003-02-25 ベンツイミダゾロン系混晶顔料を含有する着色組成物 Pending JP2004256624A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003047213A JP2004256624A (ja) 2003-02-25 2003-02-25 ベンツイミダゾロン系混晶顔料を含有する着色組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003047213A JP2004256624A (ja) 2003-02-25 2003-02-25 ベンツイミダゾロン系混晶顔料を含有する着色組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004256624A true JP2004256624A (ja) 2004-09-16

Family

ID=33113516

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003047213A Pending JP2004256624A (ja) 2003-02-25 2003-02-25 ベンツイミダゾロン系混晶顔料を含有する着色組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004256624A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6020701B2 (ja) カラーフィルタ用緑色顔料およびカラーフィルタ
TWI557189B (zh) 微細顏料組成物及其製造方法
JP2007284592A (ja) ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料組成物及びカラーフィルタ
JP2007320986A (ja) ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料組成物及びカラーフィルタ
EP2206751B1 (en) Coloring composition, method for production thereof, and coloring method
JP2010533745A (ja) 微粒子状イプシロン−銅フタロシアニン−顔料調合物
WO2019202939A1 (ja) キナクリドン固溶体及びこれを含有するインキ組成物
JP2003082256A (ja) ベンツイミダゾロン系混晶顔料
KR100484685B1 (ko) 프탈로시아닌을함유하는수성코팅조성물의제조방법
JPH11130974A (ja) 有機顔料の製造方法
JP2018529785A (ja) ナフトールas顔料混合物
MXPA97000753A (en) Preparation of aqueous coating systems contain ftalocian
JP2004256624A (ja) ベンツイミダゾロン系混晶顔料を含有する着色組成物
JP4126725B2 (ja) δ型インダンスロンブルー顔料及びその製造方法
JP6424695B2 (ja) アゾメチン金属錯体の固溶体
JP2010189528A (ja) β型フタロシアニン顔料およびそれを用いた着色組成物
JP5892383B2 (ja) キナクリドン固溶体の製造方法及びキナクリドン固溶体顔料の製造方法
JPH08269347A (ja) アゾ顔料の製造法
JP2004059770A (ja) 顔料組成物の製造方法
DE3906525A1 (de) Farbmittelmischungen, enthaltend azoverbindungen auf basis von phenyloxdiazolylanilin
JP4515384B2 (ja) モノアゾ化合物およびその製造方法
JP6912565B2 (ja) ガンマ結晶形の塩素化銅フタロシアニン顔料を含む顔料組成物
JP5481872B2 (ja) ε型フタロシアニン顔料およびそれを用いた着色組成物
TWI772405B (zh) 喹吖酮固溶體顏料之製造方法、顏料分散液及噴墨用墨水
JPH08302232A (ja) 新規結晶型モノアゾレーキ顔料

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20050824