JP2004256351A - 燃料改質システムおよび水素生成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】改質ガス中の不純物を除去するための装置において、起動時に、不純物を除去した改質ガスを得られるまでの時間を短縮する。
【解決手段】燃料改質システム15は、低温不純物除去部40と高温不純物除去部44とを備えている。分子ふるいを有する分子フィルタ42を備える低温不純物除去部40は、燃料改質システム15の起動時に、改質器20から水素を含有する改質ガスの供給が開始されると、直ちに不純物除去を行なって、燃料電池30に水素を供給可能となる。水素分離膜46が充分に昇温した後は、高温不純物除去部44による不純物除去が開始される。
【選択図】 図1
【解決手段】燃料改質システム15は、低温不純物除去部40と高温不純物除去部44とを備えている。分子ふるいを有する分子フィルタ42を備える低温不純物除去部40は、燃料改質システム15の起動時に、改質器20から水素を含有する改質ガスの供給が開始されると、直ちに不純物除去を行なって、燃料電池30に水素を供給可能となる。水素分離膜46が充分に昇温した後は、高温不純物除去部44による不純物除去が開始される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、改質反応を利用して水素を生成する改質器を備える燃料改質システムおよび水素生成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池などの水素消費装置に対して水素を供給するために、改質反応を利用して炭化水素系燃料から水素を生成する技術が知られている。このように改質反応を利用して水素を生成する際には、通常、所定量の一酸化炭素が同時に生成される。一酸化炭素を含有するガスを燃料電池に供給すると、燃料電池が備える触媒が被毒するという問題を生じるため、改質ガスを燃料電池などの水素消費装置に供給する際には、従来、予め一酸化炭素濃度の低減が行われていた。改質ガス中の一酸化炭素濃度を低減する方法としては、例えば、水素を選択的に透過する水素分離膜を備えた不純物除去部を用いて改質ガスから水素を分離する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−135336号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、水素分離膜を用いる場合には、水素分離膜の動作温度が常温よりも高いため(通常、150℃〜500℃程度)、起動時に水素分離膜が充分に作動する温度に達するまでにかなりの時間を要するという問題があった。すなわち、改質反応を行なう装置や燃料電池を含むシステムの起動時に、上記不純物除去部に改質ガスが供給可能となってから後、不純物除去部で一酸化炭素濃度を低減して水素消費装置に水素を供給可能となるまでにさらに時間がかかってしまう。そのため、システムの起動時に、一酸化炭素を低減した改質ガスを得られるようになるまでの時間をより短縮することが望まれていた。
【0005】
改質ガス中の一酸化炭素濃度を低減する方法としては、その他に、一酸化炭素と水から水素と二酸化炭素を生成するシフト反応を利用する方法が知られている。あるいは、水素に優先して一酸化炭素を酸化する選択酸化反応を利用する方法が知られている。これらの方法においても、上記各反応を促進する触媒が、常温よりも高い所定の温度範囲で充分な活性を示すため、一酸化炭素濃度を低減した改質ガスを水素供給装置に供給可能となるまでに時間を要するという共通する問題を有していた。また、この問題は、一酸化炭素濃度を低減する場合に限らず、改質ガスから不純物を除去するために、常温を超える温度範囲で動作する不純物除去部を用いる場合に、共通する問題であった。
【0006】
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、改質ガス中の不純物を除去するための装置において、起動時に、不純物を除去した改質ガスを得られるようになるまでの時間を短縮することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上記目的を達成するために、本発明は、改質反応を利用して水素を生成し、生成した水素を所定の水素消費装置に供給する燃料改質システムであって、
炭化水素系燃料を改質して、水素を含有する改質ガスを生成する改質器と、
所定の温度範囲で動作して、水素を含有する混合ガスから水素以外の不純物を除去する高温不純物除去部と、
前記所定の温度範囲よりも低い温度範囲で動作すると共に、前記燃料改質システムの起動時に、水素を含有する混合ガスから前記不純物を除去することが可能な低温不純物除去部と、
前記高温不純物除去部と前記低温不純物除去部のうちの一方の不純物除去部に対して、前記改質ガスを前記混合ガスとして導入する第1の混合ガス導入路と、
前記高温不純物除去部と前記低温不純物除去部のうちの他方の不純物除去部に対して、前記改質ガスあるいは前記一方の不純物除去部を経由したガスを、前記混合ガスとして導入する第2の混合ガス導入路と、
前記高温不純物除去部と前記低温不純物除去部とに接続されて、前記不純物を除去した浄化ガスを前記水素消費装置に導く浄化ガス供給路と
を備えることを要旨とする。
【0008】
このような構成とすれば、燃料改質システムの起動時に、高温不純物除去部の温度が所定の温度範囲に達していないときには、低温不純物除去部に対して改質ガス(改質ガスが高温不純物除去部を経由する場合を含む)を導入することで、低温不純物除去部によって、改質ガス中の不純物が除去される。そして、低温不純物除去部によって不純物が除去された浄化ガスが、水素消費装置に導かれる。
【0009】
そのため、本発明によれば、燃料改質システムの起動時に改質ガスからの不純物除去を直ちに行なうことが可能となる。そして、燃料改質システムの起動後に水素消費装置に水素の供給を開始するまでの時間を短縮することができる。
【0010】
本発明の燃料改質システムにおいて、前記高温不純物除去部は、一酸化炭素と水とから水素と二酸化炭素を生じるシフト反応を促進するシフト触媒を備えるシフト部、および/または、水素に優先して一酸化炭素を酸化する一酸化炭素選択酸化反応を促進する選択酸化触媒を備える選択酸化部であることとしても良い。あるいは、前記高温不純物除去部は、水素を選択的に透過させる水素分離膜を備えることとしても良い。
【0011】
このような高温不純物除去部は、一般に、不純物を除去した水素を取り出す効率が、低温不純物除去部に比べて高い。すなわち、定常状態で運転しているときには、単位容積あたりに取り出せる水素量は、低温不純物除去部に比べて高温不純物除去部の方が多い。そのため、高温不純物除去部として、暖機運転終了後の定常運転時に単独でも充分に不純物除去ができる性能を確保しておくことが容易であり、このような構成とすることで、低温不純物除去部の小型化が可能となる。
【0012】
このような本発明の燃料改質システムにおいて、前記低温不純物除去部は、分子サイズの相違を利用して前記改質ガスから前記不純物を除去する分子ふるいを備えることとしても良い。分子ふるいとしては、セラミック多孔質体を備える構成も好ましい。このような構成とすれば、常温以下の充分に低い温度においても改質ガスから不純物を除去することができる。
【0013】
あるいは、本発明の燃料改質システムにおいて、前記低温不純物除去部は、水素分子または前記不純物の分子を吸着することによって前記改質ガスから前記不純物を除去することとしても良い。このような構成としても、常温以下の充分に低い温度において改質ガスから不純物を除去することができる。
【0014】
本発明の燃料改質システムにおいて、
前記高温不純物除去部は、化学的に前記混合ガスから前記不純物を除去し、
前記低温不純物除去部は、物理的に前記混合ガスから前記不純物を除去することとしても良い。
【0015】
ここで、化学的に不純物を除去するとは、例えば化学反応を利用して不純物を除去することをいう。このような高温不純物除去部を、上記化学反応が充分な効率で進行可能となる温度範囲にまで昇温させることで、不純物除去を行なうことが可能となる。また、物理的に除去するとは、例えば、物理的性質である分子の大きさに基づいて不純物を除去したり、物理吸着を利用して不純物を除去することをいう。このような物理的な方法による不純物除去の動作は、一般的に温度の影響を受けにくく、燃料改質システムの起動時から動作させることが可能となる。
【0016】
また、本発明の燃料改質システムにおいて、
前記第1の混合ガス導入路は、前記低温不純物除去部に対して前記改質ガスを導入し、
前記第2の混合ガス導入路は、前記高温不純物除去部に対して前記低温不純物除去部を経由したガスを導入することとしても良い。
【0017】
あるいは、本発明の燃料電池システムにおいて、
前記第1の混合ガス導入路は、前記高温不純物除去部に対して前記改質ガスを導入し、
前記第2の混合ガス導入路は、前記低温不純物除去部に対して前記高温不純物除去部を経由したガスを導入することとしても良い。
【0018】
このように、低温不純物除去部と高温不純物除去部とを、いわゆる直列に接続することができる。ここで、一方の不純物除去部を経由した後に他方の不純物除去部に導入されるガスとは、この一方の不純物除去部が水素を選択的に抽出する働きを有する場合には、水素抽出の動作に供された残余のガスとすればよい。
【0019】
また、本発明の燃料改質システムにおいて、さらに、
前記高温不純物除去部の温度を判定する温度判定部と、
前記温度判定部が、前記高温不純物除去部の温度が常温を超える所定の基準温度を超えたと判定すると、前記低温不純物除去部に対する前記混合ガスの流入を停止させると共に、前記高温不純物除去部に対してのみ前記改質ガスを導く状態となるように、前記第1の混合ガス導入路および第2の混合ガス導入路におけるガスの流れの状態を変更する制御部と
を備えることとしても良い。
【0020】
このような構成とすれば、高温不純物除去部の温度が所定の基準温度を超えた後は、改質ガスが低温不純物除去部に供給されることがないため、高温の改質ガスにより低温不純物除去部の劣化が引き起こされるのを抑えることができる。
【0021】
あるいは、本発明の燃料改質システムにおいて、
前記第1の混合ガス導入路は、前記低温不純物除去部に対して前記改質ガスを導入し、
前記第2の混合ガス導入路は、前記高温不純物除去部に対して前記改質ガスを導入し、
前記燃料改質システムは、さらに、
前記高温不純物除去部の温度を判定する温度判定部と、
前記改質ガスが流れる経路を、前記改質ガスが前記第1の混合ガス導入路に流入する経路と、前記改質ガスが前記第2の混合ガス導入路に流入する経路とで切り替える流路切り替え部と、
前記温度判定部が、前記高温不純物除去部の温度が常温を超える所定の基準温度以下であると判定した時には、前記改質ガスを前記第1の混合ガス導入路に流入させ、前記温度判定部が、前記高温不純物除去部の温度が前記基準温度を超えたと判定した時には、前記改質ガスを前記第2の混合ガス導入路に流入させるように、前記流路切り替え部を駆動する制御部と
を備えることとしても良い。
【0022】
このような構成とすれば、高温の改質ガスにより低温不純物除去部の劣化が引き起こされるのを抑えることができる。さらに、高温不純物除去部の温度が所定の基準温度以下のときに、不純物に起因して高温不純物除去部の性能が損なわれるのを防止することができる。例えば、高温不純物除去部が白金触媒を備えている場合には、この白金触媒が改質ガス中の一酸化炭素によって被毒されるのを防止することができる。
【0023】
なお、本発明は、上記以外の種々の形態で実現可能であり、例えば、燃料改質システムを備える燃料電池システムや、燃料改質システムの暖機時における制御方法などの形態で実現することが可能である。
【0024】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.装置の全体構成:
B.起動時における不純物除去の動作:
C.効果:
D.第2実施例:
E.第3実施例:
F.変形例:
【0025】
A.装置の全体構成:
図1は、本発明の好適な一実施例である燃料改質システム15を備える燃料電池システム10の概略構成を表わす説明図である。燃料改質システム15は、炭化水素系燃料を改質して水素を生成し、生成した水素を燃料電池30に供給する。この燃料改質システム15は、改質燃料を貯蔵する燃料タンク12、水を貯蔵する水タンク14、改質燃料および水の昇温と混合を行なう蒸発・混合部16、改質触媒を備える改質器20、低温不純物除去部40および高温不純物除去部44を備えている。
【0026】
燃料タンク12に貯蔵する改質燃料としては、ガソリンなどの液体炭化水素や、天然ガスなどの気体炭化水素、あるいはメタノールなどのアルコールやアルデヒド類など、改質反応によって水素を生成可能な種々の炭化水素系燃料を選択することができる。蒸発・混合部16は、燃料タンク12から供給される改質燃料および水タンク14から供給される水を気化・昇温させると共に両者を混合する。
【0027】
蒸発・混合部16から排出された改質燃料と水との混合ガスは、改質器20において改質反応に供されて、水素リッチガスである改質ガスが生成される。ここで、改質器20には、用いる改質燃料に応じた改質触媒が備えられており、この改質燃料を改質する反応に適した温度となるように、改質器20の内部温度が制御される。また、改質器20で進行する改質反応は、水蒸気改質反応や部分酸化反応、あるいは両者を組み合わせたものなど種々の態様を選択することができ、改質触媒は、このように改質器20内で進行させる改質反応に応じたものを選択すればよい。改質器20で生成された改質ガスは、低温不純物除去部40と高温不純物除去部44との両方に導入可能となっている。
【0028】
低温不純物除去部40は、分子フィルタ42を備えている。分子フィルタ42は、微細な多数の細孔を備える膜状の分子ふるい部42aと、より目の粗い部材で構成されて表面に分子ふるい部42aが形成された基材部42bとを備えている。図2は、分子フィルタ42の様子を模式的に表わす説明図である。図2に示すように、分子フィルタ42は、分子ふるい部42aの細孔の細孔径に応じた充分に小さな分子である水素のみを透過させ、これよりも大きなその他の分子である窒素や二酸化炭素は透過させない。
【0029】
分子ふるい部42aは、例えばセラミック多孔質体によって形成することができる。実質的に1μm未満の直径の細孔のみを有する多孔質体を用いることで、水素のみを選択的に透過させることができる。なお、細孔の大きさは、必ずしも水素以外の分子に比べて小さい必要はない。水素分子よりも大きなその他の分子は、細孔を透過する際の抵抗が水素よりも大きくなるため、水素以外の分子と同等以上の大きさの細孔を有している場合にも、透過のし易さの差を利用して水素を優先的に透過させることが可能である。改質器から供給される改質ガスのガス圧に応じて、改質ガス中の水素を充分な純度で透過させることができるような細孔径を有する多孔質体を、分子ふるい部42aとして選択すればよい。このように、分子ふるい部42aは分子の大きさに応じて物理的に分子を分離・抽出するものであるため、分子フィルタ42による不純物除去の動作は温度の影響を受けることが少なく、常温以下の温度で動作することができる。
【0030】
高温不純物除去部44は、水素を選択的に透過させる性質を有する金属(以下、水素分離金属と呼ぶ)を備えた水素分離膜46を有している。水素分離金属としては、パラジウムあるいはパラジウム合金など、パラジウムを含有する金属から選択することができる。水素分離膜46は、ガスが透過可能な多孔質基材上に、水素分離金属を含む金属膜を成膜することとしても良いし、水素分離金属を含有する金属膜のみから成ることとしても良い。このような水素分離膜46を用いて水素を抽出する際の効率は、水素分離膜46の温度の影響を受け、常温に近い温度では、水素分離膜46はほとんど水素を透過させない。パラジウムを含有する水素分離金属を備える水素分離膜は、通常は、300℃〜700℃程度で充分な水素透過性を示す。なお、高温不純物除去部44では、水素分離膜46を透過した水素が流入する側に、水素の抽出を促すためのガス(以下、パージガスという)を供給することとしても良い。パージガスを用いて高温不純物除去部44から水素を排出させることで、上記水素が流入する側の水素濃度を常に低く抑えることができ、水素分離膜46による水素抽出の動作を促進することができる。
【0031】
低温不純物除去部40および高温不純物除去部44において不純物が除去された浄化ガス(水素ガス)は、浄化ガス供給路としての所定の流路に導かれて、燃料電池30のアノード側に対して燃料ガスとして供給される。なお、燃料電池60のカソード側に対しては、ブロワ24から加圧空気が酸化ガスとして供給される。これら燃料ガスおよび酸化ガスを利用して、燃料電池60では電気化学反応によって起電力が生じる。
【0032】
なお、低温不純物除去部40および高温不純物除去部44において、不純物除去に供された残余のガスは、燃焼部48に供給される。燃焼部48は、酸化触媒を備えると共に、ブロワ49から空気が供給される。そして、上記残余のガス中の成分、例えば残留する水素や、改質反応で水素生成に至らなかった残余の炭化水素や、改質反応で生じた一酸化炭素などを燃焼反応によって酸化させる。
【0033】
また、燃料電池システム10は、さらに制御部35を備えている。制御部35は、マイクロコンピュータを中心とした論理回路として構成され、詳しくは、予め設定された制御プログラムに従って所定の演算などを実行するCPUと、CPUで各種演算処理を実行するのに必要な制御プログラムや制御データ等が予め格納されたROMと、同じくCPUで各種演算処理をするのに必要な各種データが一時的に読み書きされるRAMと、各種の信号を入出力する入出力ポート等を備える。この制御部35は、燃料改質システム15および燃料電池30の運転に関わる各部の動作を制御する。
【0034】
B.起動時における不純物除去の動作:
本実施例の燃料電池システム10では、その起動時には、改質器20において積極的に酸化反応を進行させ、改質器20の暖気を行なう。すなわち、起動時には、改質燃料のガスを改質器20に供給すると共に、改質器20に併設されたブロワ26から、より多くの空気を改質器20に供給して、改質器20内の改質触媒上で改質燃料の酸化反応を行なわせる。暖機運転が終了した後の通常の運転モードにおいて、改質器20内で水蒸気改質反応と共に部分酸化反応を進行させる場合であっても、起動時には通常の運転モードに比べてより多くの空気を改質器20に供給することで、積極的に暖気を行なう。
【0035】
このように改質器20内で酸化反応を積極的に行なわせることで、改質器20は速やかに昇温し、改質器20は改質反応に適した温度となる。その後、改質器20に供給する空気量および水蒸気量を適宜調節することで、改質器からは水素リッチな改質ガスが排出されるようになる。改質器20から排出される改質ガスは、改質器20の反応温度に対応する所定の高温状態となっている。この高温の改質ガスは、下流側の低温不純物除去部40および高温不純物除去部44に供給され、これらの不純物除去部を加熱する。
【0036】
低温不純物除去部40において水素を抽出する動作は、既述したように温度の影響をほとんど受けず、常温以下の温度においても(例えば−30℃程度の低温であっても)、改質ガスから水素を抽出することができる。従って、改質器20から水素を含有する改質ガスが供給されるようになると、低温不純物除去部40では直ちに水素の抽出が行なわれ、燃料電池30に対する水素の供給が開始される。これにより、燃料電池30では発電を開始することが可能となる。
【0037】
高温不純物除去部44において水素を抽出する動作は、既述したように水素分離膜46の温度に依存する。そのため、改質ガスが供給されるようになっても、水素分離膜46が充分に昇温するまでは、水素の抽出がほとんど行なわれないか効率の悪い状態となる。改質ガスによって高温不純物除去部44内が充分に暖められると、水素分離膜46による水素抽出の効率が次第に高くなり、高温不純物除去部44からも燃料電池30に対して水素が供給されるようになる。
【0038】
C.効果:
以上のように構成された本実施例の燃料改質システム15を備える燃料電池システム10によれば、常温以下の温度で水素以外の不純物を除去することができる低温不純物除去部40を備えるため、改質器20から水素を含有する改質ガスが供給されるようになると、改質ガスから不純物を除去して、燃料電池30への水素の供給を直ちに開始することができる。そのため、燃料電池30からより早く電力を得ることが可能となり、暖気時間を短縮することができる。燃料電池30は、発電に伴って発熱するため、より早く水素の供給を開始することで燃料電池30の暖気を早めることができ、結果的に燃料電池システム10全体の暖気時間を短縮することができる。
【0039】
このように、燃料電池30からより早く電力を得られることで、燃料電池システム10を車両などの移動体に搭載し、燃料電池30を駆動用電源として用いる場合には、起動後直ちに燃料電池30から駆動のための電力を得ることが可能となる。
【0040】
また、本実施例では、低温不純物除去部40は、少なくとも高温不純物除去部44が昇温するまでの間、燃料電池30で発電を開始させるために補助的に用いるのに要する大きさを確保しておけば良い。そのため、より大きな負荷に対応可能なように低温不純物除去部40を設ける必要が無く、低温不純物除去部40を設けることに起因して燃料改質装置15全体が大型化してしまうのを抑えることができる。
【0041】
D.第2実施例:
図3は、第2実施例の燃料改質システム115を備える燃料電池システム110の構成の概略を表わす説明図である。第2実施例において、第1実施例と共通する部分には同じ参照番号を付して、詳しい説明は省略する。燃料改質システム115は、高温不純物除去部44に対しては、低温不純物除去部40において水素抽出が行なわれた残りのガスが供給される点で、第1実施例の燃料改質システム15と異なっている。すなわち、第2実施例では、高温不純物除去部44に対しては、改質器20から改質ガスが直接供給されるのではなく、低温不純物除去部40を経由したガスが供給される。このような構成としても、第1実施例と同様の効果を得ることができる。
【0042】
ここで、第2実施例では、低温不純物除去部40において水素抽出に供された残余のガスに対して、高温不純物除去部44に供給するのに先立って、空気を添加可能となっている。図3では、ブロワ43を用いることとしている。燃料改質システム115の起動時においてこのように空気の添加を行なうと、水素分離膜46が備えるパラジウム上で、このパラジウムを触媒として、上記残余のガス中の水素等の成分を酸化させる反応を行なわせることができる。これによって、高温不純物除去部44の暖気をさらに促進することができる。なお、このように高温不純物除去部44に供給するガスに酸素を添加して、酸化反応により暖気を促進する動作は、第1実施例の燃料改質システム15でも同様に行なうことができる。
【0043】
なお、第2実施例の変形例として、改質ガスの流れに対する低温不純物除去部40と高温不純物除去部44との位置関係を、図3の構成と逆にすることも可能である。すなわち、改質器20から供給される改質ガスを、まず高温不純物除去部44に供給し、高温不純物除去部44で不純物除去に供された残余のガスを、低温不純物除去部40に供給することとしても良い。このような構成としても、第1実施例と同様の効果を得ることができる。なお、この場合には、高温不純物除去部44に供給するのに先立って、改質ガスに微量の空気を添加して、高温不純物除去部44の暖気を促進することとしても良い。
【0044】
E.第3実施例:
図4は、第3実施例の燃料改質システム215を備える燃料電池システム210の構成の概略を表わす説明図である。第3実施例において、第1実施例と共通する部分には同じ参照番号を付して、詳しい説明は省略する。
【0045】
燃料改質システム215は、改質器20から改質ガスが排出される流路中、低温不純物除去部40に接続する流路と高温不純物除去部44に接続する流路とに分岐する分岐部において、流路切り替え弁222を備えている。この流路切り替え弁222を駆動することで、改質ガスの流れを、高温不純物除去部44へ流入する状態と低温不純物除去部40へ流入する状態とのいずれかに切り替えることができる。また、高温不純物除去部44において、水素分離膜46の温度を検出する温度センサ229を備えている。この温度センサ229は、水素分離膜46そのものの温度を検出するほか、高温不純物除去部44の壁面温度を検出するなど、水素分離膜46の温度を反映する情報を取得するものであればよい。
【0046】
また、燃料改質システム215では、燃焼部48から排出される高温の燃焼ガスを高温不純物除去部44に導く流路と、この流路に設けられた開閉弁247とを備えている。この開閉弁247を駆動することで、燃焼ガスが高温不純物除去部44に供給される状態と、供給を遮断される状態とを切り替えることができる。高温不純物除去部44に供給された燃焼ガスは、既述した改質ガスおよび水素の流れとは独立して高温不純物除去部44内に設けられた所定の流路に導かれる(図示せず)。そして、燃焼ガスは、高温不純物除去部44との間で熱交換を行なうことで、高温不純物除去部44を昇温させることができる。
【0047】
燃料改質システム215では、その起動時には、切り替え弁222は、改質ガスが低温不純物除去部40に導かれるように切り替えられている。そのため、燃料改質システム215の起動時には、低温不純物除去部40を用いて抽出された水素が燃料電池30に供給される。そして、低温不純物除去部40において水素抽出に供された残余のガスは、燃焼部48に供給されて燃焼反応に利用される。また、燃料改質システム215では、その起動時には、開閉弁247は開状態となっている。そのため、燃料改質システム215の起動時には、燃焼部48で発生した高温の燃焼ガスを用いて高温不純物除去部44が加熱される。
【0048】
なお、燃焼部48で進行する燃焼反応の燃料として、低温不純物除去部40や高温不純物除去部44において水素抽出に供された残余のガスだけでは不足する場合には、燃焼部48に対して、燃料タンク12に貯蔵する燃料などをさらに供給することとしても良い。
【0049】
図5は、燃料改質システム215の起動時において、制御部35で実行される流路切り替え処理ルーチンを表わすフローチャートである。燃料改質システム215の起動時には、改質ガスが低温不純物除去部40に導かれるように切り替え弁222が切り替えられると共に、開閉弁247は開放された状態となっている。したがって、燃料改質システム215の起動時には、改質器20から供給される改質ガスは低温不純物除去部40に導かれ、燃焼部48で発生した燃焼ガスは高温不純物除去部44に導かれ得る状態で、本ルーチンが実行される。
【0050】
燃料改質システム215が起動されて本ルーチンの実行が開始されると、制御部35は、まず、高温不純物除去部44の温度TH に関する情報を、温度センサ229から取得する(ステップS100)。そして、取得した温度TH と目標温度TA とを比較する(ステップS110)。ここで、目標温度TA とは、高温不純物除去部44において充分な効率で不純物除去の動作を行なうことができる温度として予め設定され、制御部35内に記憶しておいたものである。ステップS110で、高温不純物除去部44の温度TH が目標温度TA を下回ると判断されると、制御部35は、切り替え弁222および開閉弁247の状態をそのまま維持する(ステップS120)。すなわち、低温不純物除去部40を用いて抽出した水素を燃料電池30に供給すると共に、燃焼部48で発生した燃焼ガスを用いて高温不純物除去部44を加熱する状態を継続する。
【0051】
ステップS110において、高温不純物除去部44の温度TH が目標温度TA 以上になったと判断されると、制御部35は、切り替え弁222を切り替えて、改質ガスを低温不純物除去部40に代えて高温不純物除去部44側に供給する。また、開閉弁247を閉状態として、高温不純物除去部44への燃焼ガスの供給を停止することで、高温不純物除去部44の加熱を停止する(ステップS130)。
【0052】
上記のように切り替え弁222を切り替えることで、改質ガスは、充分に昇温した高温不純物除去部44によって不純物が除去されて、高温不純物除去部44から燃料電池30に対して水素が供給されるようになる。なお、高温不純物除去部44は、一旦充分に昇温した後は、改質ガスが有する熱によって充分に高い温度を維持可能となり、さらなる加熱は不要となるため、上記のように開閉弁247を閉状態として、燃焼ガスの供給を停止している。また、ステップS130において高温不純物除去部44による不純物除去が開始された後は、燃焼部48に対しては、高温不純物除去部44から、水素が抽出された残余のガスが供給される。
【0053】
その後、制御部35は、燃料改質システム215の停止を指示する信号が入力されたかどうかを判断する(ステップS140)。ステップS140において停止指示信号が入力されたと判断すると、制御部35は、切り替え弁222を、改質ガスが低温不純物除去部40に導かれるように切り替えると共に、開閉弁247を開状態として(ステップS150)、本ルーチンを終了する。すなわち、燃料改質システム215が次回起動する際には、改質ガスが低温不純物除去部40側に導かれると共に、燃焼ガスが高温不純物除去部44に導かれる状態となるようにして、燃料改質システム215を停止させる。
【0054】
このような第3実施例の燃料改質システム215によっても、第1および第2実施例と同様の効果を得ることができる。また、水素分離膜46は、温度が低いときほど一酸化炭素の被毒を受けやすいという性質を有しているが、温度が低い間は改質ガスを高温不純物除去部44に供給しないことにより、水素分離膜46が一酸化炭素の被毒を受けるのを防止することができる。また、改質ガスは水蒸気を含有しており、温度が低い間はこの水蒸気が凝縮する可能性があるが、温度が低い間は改質ガスを高温不純物除去部44に供給しないことにより、凝縮水が水素分離上に付着して水素分離の動作を阻害するのを防止することができる。
【0055】
さらに、本実施例の燃料改質システム215によれば、高温不純物除去部44が充分に昇温した後は低温不純物除去部40に改質ガスを供給しないため、分子フィルタ42が高温によって劣化するのを防止することができる。
【0056】
なお、第3実施例では、水素分離膜46の温度に応じて改質ガスの流れを完全に切り替えることとしたが、異なる構成としても良い。例えば、切り替え弁222を流量調節弁として、水素分離膜46の温度が低い間も微量の改質ガスを高温不純物除去部44に供給すると共に、さらにこの微量の改質ガスに見合った量の酸素(空気)を高温不純物除去部に供給することとしても良い。これによって、水素分離膜46上で酸化反応を進行させ、高温不純物除去部44の暖気を促進することができる。少なくとも高温不純物除去部44の低温時に、低温不純物除去部40を用いる運転モードを有するならば、起動後直ちに燃料電池30に水素を供給できるという同様の効果が得られる。
【0057】
また、高温不純物除去部44の加熱手段は、燃焼部48の燃焼ガスを用いる以外の構成としても良い。例えば、高温不純物除去部44にヒータを設け、昇温するまではヒータによって加熱することとしても良い。この場合には、図5のステップS110で高温不純物除去部44が充分に昇温したと判断されたときには、ヒータによる加熱の停止を行なえばよい。
【0058】
また、上記第3実施例では、水素分離膜46の温度を検出する温度センサ229と、この温度センサ229から検出信号を取得する制御部35とによって、高温不純物除去部44の温度を判定する温度判定部を形成することとしたが、異なる構成としても良い。例えば、外気温の変動が比較的小さい環境で燃料改質システムを使用する場合には、直接検出した温度に代えて、システム起動後の経過時間によって、高温不純物除去部44の温度を判定することとしても良い。
【0059】
なお、第1ないし第3実施例において、燃焼部48から排出される燃焼ガスは、熱源として種々の利用が可能である。例えば、改質器20を加熱するのに用いて水蒸気改質反応で要する熱を供給することとしたり、燃料電池30の暖気に利用したりすることができる。
【0060】
F.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0061】
F1.変形例1:
低温不純物除去部40は、分子ふるいを備え、分子ふるいが備える細孔の細孔径よりも充分に小さい水素分子のみを透過させることで不純物を除去することとしたが、異なる構成としても良い。例えば、吸着剤を用いることとしても良い。低温不純物除去部がゼオライトと活性炭とを備えることとすれば、改質ガス中の一酸化炭素および窒素はゼオライトに吸着させ、二酸化炭素や炭化水素は活性炭に吸着させることができる。このような吸着剤は、常温以下の温度で作動し、燃料改質システムの起動時に動作することができるため、既述した実施例の低温不純物除去部40と同様の効果を得ることができる。
【0062】
あるいは、分子ふるいが備える細孔の大きさを、水素分子よりも大きな分子は吸着し難い大きさとして、水素分子だけを選択的に吸着させることによって、不純物を除去しても良い。このような方法によっても、不純物を除去した水素を得ることができ、常温以下の温度で動作させ、同様の効果を得ることができる。
【0063】
F2.変形例2:
また、高温不純物除去部44は、水素分離膜を備えることとしたが、異なる構成としても良い。例えば、一酸化炭素と水とから水素と二酸化炭素とを生成するシフト反応を進行するシフト部とすることができる。あるいは、水素に優先して一酸化炭素を酸化する選択酸化反応を進行する選択酸化部とすることができる。さらに、上記シフト部と選択酸化部との両方を備えることとしても良い。これらの反応を促進するための触媒を備える反応部は、それぞれ適した反応温度があり、その温度に達するまでは、上記反応を促進する充分な活性を得ることができない。このような触媒を利用する場合にも、水素分離膜を用いる場合と同様に、分子ふるいや吸着剤に比べて高い効率で不純物を除去した改質ガスを得ることができる。したがって、低温不純物除去部40を大型化する必要が無いという同様の効果を得ることができる。
【0064】
なお、上記触媒を備える反応部では、反応部に供給されたガスは、触媒上で進行する上記反応に供されながら反応部内を通過した後に反応部から排出される。したがって、このような高温不純物除去部が充分に昇温するまでの間は、高温不純物除去部からは、不純物除去が不十分なガスが排出される。そのため、高温不純物除去部が充分に昇温するまでに、一酸化炭素を含有するガスが燃料電池30に供給されるのを防ぐために、高温不純物除去部から排出されるガスの流れを切り替え可能とすることが望ましい。一例として、図1の構成において、高温不純物除去部44に代えて、上記反応部によって構成される高温不純物除去部344を備えることとした燃料電池システム310の構成を図6に示す。図6において、第1実施例と共通する部分には同じ参照番号を付す。また、第1実施例とは異なる部分についてのみ以下に説明する。
【0065】
燃料改質システム315では、高温不純物除去部344から排出されるガスが流れる配管は、燃料電池30に接続する流路と燃焼部48に接続する流路とに分岐する。そして、この分岐部には切り替え弁323が設けられており、高温不純物除去部344から排出されるガスの流れを、燃料電池30に供給される状態と、燃焼部48に供給される状態とに切り替え可能となっている。また、高温不純物除去部344には、その内部温度を検出可能な温度センサ329が設けられている。
【0066】
燃料改質システム315では、高温不純物除去部344の温度が所定の基準温度以下であると判断されるときには、高温不純物除去部344から排出されるガスが燃焼部48に供給されるように、切り替え弁323が切り替えられる。そして、高温不純物除去部344の温度が所定の基準温度以下を超えたと判断されるときには、高温不純物除去部44から排出されるガスが燃料電池30に供給されるように、切り替え弁323が切り替えられる。
【0067】
F3.変形例3:
第1ないし第3実施例では、燃料改質システムから水素を供給される水素消費装置として燃料電池を用いたが、本発明の燃料改質システムを、異なる水素消費装置に接続することとしても良い。たとえば、水素エンジンなどの内燃機関に接続することとしても良い。水素エンジンでは、水素の他に一酸化炭素や炭化水素も燃焼の燃料として用いることができるが、水素以外の燃料が多いと燃焼状態が不安定となる場合がある。本発明の燃料改質システムを用いることで、システムの起動直後から、水素エンジンに対して純度の高い水素ガスを直ちに供給可能となる。
【0068】
F4.変形例4:
図1のように改質燃料および水をタンク内に貯蔵する場合には、燃料電池システムを車両などの移動体に搭載し、燃料電池を駆動用電源として用いることができるが、種々の変形が可能である。例えば、燃料電池システムを定置型電源として用ることとしても良い。この場合には、蒸発器および改質器を、商用ガスの配管および水の配管に直接接続することとしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】燃料改質システム15を備える燃料電池システム10の概略構成を表わす説明図である。
【図2】分子フィルタ42の様子を模式的に表わす説明図である。
【図3】第2実施例の燃料電池システム110の構成を表わす説明図である。
【図4】第3実施例の燃料電池システム210の構成を表わす説明図である。
【図5】流路切り替え処理ルーチンを表わすフローチャートである。
【図6】変形例の燃料電池システム310の構成を表わす説明図である。
【符号の説明】
10,110,210,310…燃料電池システム
12…燃料タンク
14…水タンク
15,115,215,315…燃料改質システム
16…混合部
20…改質器
24,26,43,49…ブロワ
30…燃料電池
35…制御部
40…低温不純物除去部
42…分子フィルタ
42a…分子ふるい部
42b…基材部
44,344…高温不純物除去部
46…水素分離膜
48…燃焼部
60…燃料電池
222…切り替え弁
229,329…温度センサ
247…開閉弁
323…切り替え弁
【発明の属する技術分野】
この発明は、改質反応を利用して水素を生成する改質器を備える燃料改質システムおよび水素生成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池などの水素消費装置に対して水素を供給するために、改質反応を利用して炭化水素系燃料から水素を生成する技術が知られている。このように改質反応を利用して水素を生成する際には、通常、所定量の一酸化炭素が同時に生成される。一酸化炭素を含有するガスを燃料電池に供給すると、燃料電池が備える触媒が被毒するという問題を生じるため、改質ガスを燃料電池などの水素消費装置に供給する際には、従来、予め一酸化炭素濃度の低減が行われていた。改質ガス中の一酸化炭素濃度を低減する方法としては、例えば、水素を選択的に透過する水素分離膜を備えた不純物除去部を用いて改質ガスから水素を分離する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−135336号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、水素分離膜を用いる場合には、水素分離膜の動作温度が常温よりも高いため(通常、150℃〜500℃程度)、起動時に水素分離膜が充分に作動する温度に達するまでにかなりの時間を要するという問題があった。すなわち、改質反応を行なう装置や燃料電池を含むシステムの起動時に、上記不純物除去部に改質ガスが供給可能となってから後、不純物除去部で一酸化炭素濃度を低減して水素消費装置に水素を供給可能となるまでにさらに時間がかかってしまう。そのため、システムの起動時に、一酸化炭素を低減した改質ガスを得られるようになるまでの時間をより短縮することが望まれていた。
【0005】
改質ガス中の一酸化炭素濃度を低減する方法としては、その他に、一酸化炭素と水から水素と二酸化炭素を生成するシフト反応を利用する方法が知られている。あるいは、水素に優先して一酸化炭素を酸化する選択酸化反応を利用する方法が知られている。これらの方法においても、上記各反応を促進する触媒が、常温よりも高い所定の温度範囲で充分な活性を示すため、一酸化炭素濃度を低減した改質ガスを水素供給装置に供給可能となるまでに時間を要するという共通する問題を有していた。また、この問題は、一酸化炭素濃度を低減する場合に限らず、改質ガスから不純物を除去するために、常温を超える温度範囲で動作する不純物除去部を用いる場合に、共通する問題であった。
【0006】
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、改質ガス中の不純物を除去するための装置において、起動時に、不純物を除去した改質ガスを得られるようになるまでの時間を短縮することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上記目的を達成するために、本発明は、改質反応を利用して水素を生成し、生成した水素を所定の水素消費装置に供給する燃料改質システムであって、
炭化水素系燃料を改質して、水素を含有する改質ガスを生成する改質器と、
所定の温度範囲で動作して、水素を含有する混合ガスから水素以外の不純物を除去する高温不純物除去部と、
前記所定の温度範囲よりも低い温度範囲で動作すると共に、前記燃料改質システムの起動時に、水素を含有する混合ガスから前記不純物を除去することが可能な低温不純物除去部と、
前記高温不純物除去部と前記低温不純物除去部のうちの一方の不純物除去部に対して、前記改質ガスを前記混合ガスとして導入する第1の混合ガス導入路と、
前記高温不純物除去部と前記低温不純物除去部のうちの他方の不純物除去部に対して、前記改質ガスあるいは前記一方の不純物除去部を経由したガスを、前記混合ガスとして導入する第2の混合ガス導入路と、
前記高温不純物除去部と前記低温不純物除去部とに接続されて、前記不純物を除去した浄化ガスを前記水素消費装置に導く浄化ガス供給路と
を備えることを要旨とする。
【0008】
このような構成とすれば、燃料改質システムの起動時に、高温不純物除去部の温度が所定の温度範囲に達していないときには、低温不純物除去部に対して改質ガス(改質ガスが高温不純物除去部を経由する場合を含む)を導入することで、低温不純物除去部によって、改質ガス中の不純物が除去される。そして、低温不純物除去部によって不純物が除去された浄化ガスが、水素消費装置に導かれる。
【0009】
そのため、本発明によれば、燃料改質システムの起動時に改質ガスからの不純物除去を直ちに行なうことが可能となる。そして、燃料改質システムの起動後に水素消費装置に水素の供給を開始するまでの時間を短縮することができる。
【0010】
本発明の燃料改質システムにおいて、前記高温不純物除去部は、一酸化炭素と水とから水素と二酸化炭素を生じるシフト反応を促進するシフト触媒を備えるシフト部、および/または、水素に優先して一酸化炭素を酸化する一酸化炭素選択酸化反応を促進する選択酸化触媒を備える選択酸化部であることとしても良い。あるいは、前記高温不純物除去部は、水素を選択的に透過させる水素分離膜を備えることとしても良い。
【0011】
このような高温不純物除去部は、一般に、不純物を除去した水素を取り出す効率が、低温不純物除去部に比べて高い。すなわち、定常状態で運転しているときには、単位容積あたりに取り出せる水素量は、低温不純物除去部に比べて高温不純物除去部の方が多い。そのため、高温不純物除去部として、暖機運転終了後の定常運転時に単独でも充分に不純物除去ができる性能を確保しておくことが容易であり、このような構成とすることで、低温不純物除去部の小型化が可能となる。
【0012】
このような本発明の燃料改質システムにおいて、前記低温不純物除去部は、分子サイズの相違を利用して前記改質ガスから前記不純物を除去する分子ふるいを備えることとしても良い。分子ふるいとしては、セラミック多孔質体を備える構成も好ましい。このような構成とすれば、常温以下の充分に低い温度においても改質ガスから不純物を除去することができる。
【0013】
あるいは、本発明の燃料改質システムにおいて、前記低温不純物除去部は、水素分子または前記不純物の分子を吸着することによって前記改質ガスから前記不純物を除去することとしても良い。このような構成としても、常温以下の充分に低い温度において改質ガスから不純物を除去することができる。
【0014】
本発明の燃料改質システムにおいて、
前記高温不純物除去部は、化学的に前記混合ガスから前記不純物を除去し、
前記低温不純物除去部は、物理的に前記混合ガスから前記不純物を除去することとしても良い。
【0015】
ここで、化学的に不純物を除去するとは、例えば化学反応を利用して不純物を除去することをいう。このような高温不純物除去部を、上記化学反応が充分な効率で進行可能となる温度範囲にまで昇温させることで、不純物除去を行なうことが可能となる。また、物理的に除去するとは、例えば、物理的性質である分子の大きさに基づいて不純物を除去したり、物理吸着を利用して不純物を除去することをいう。このような物理的な方法による不純物除去の動作は、一般的に温度の影響を受けにくく、燃料改質システムの起動時から動作させることが可能となる。
【0016】
また、本発明の燃料改質システムにおいて、
前記第1の混合ガス導入路は、前記低温不純物除去部に対して前記改質ガスを導入し、
前記第2の混合ガス導入路は、前記高温不純物除去部に対して前記低温不純物除去部を経由したガスを導入することとしても良い。
【0017】
あるいは、本発明の燃料電池システムにおいて、
前記第1の混合ガス導入路は、前記高温不純物除去部に対して前記改質ガスを導入し、
前記第2の混合ガス導入路は、前記低温不純物除去部に対して前記高温不純物除去部を経由したガスを導入することとしても良い。
【0018】
このように、低温不純物除去部と高温不純物除去部とを、いわゆる直列に接続することができる。ここで、一方の不純物除去部を経由した後に他方の不純物除去部に導入されるガスとは、この一方の不純物除去部が水素を選択的に抽出する働きを有する場合には、水素抽出の動作に供された残余のガスとすればよい。
【0019】
また、本発明の燃料改質システムにおいて、さらに、
前記高温不純物除去部の温度を判定する温度判定部と、
前記温度判定部が、前記高温不純物除去部の温度が常温を超える所定の基準温度を超えたと判定すると、前記低温不純物除去部に対する前記混合ガスの流入を停止させると共に、前記高温不純物除去部に対してのみ前記改質ガスを導く状態となるように、前記第1の混合ガス導入路および第2の混合ガス導入路におけるガスの流れの状態を変更する制御部と
を備えることとしても良い。
【0020】
このような構成とすれば、高温不純物除去部の温度が所定の基準温度を超えた後は、改質ガスが低温不純物除去部に供給されることがないため、高温の改質ガスにより低温不純物除去部の劣化が引き起こされるのを抑えることができる。
【0021】
あるいは、本発明の燃料改質システムにおいて、
前記第1の混合ガス導入路は、前記低温不純物除去部に対して前記改質ガスを導入し、
前記第2の混合ガス導入路は、前記高温不純物除去部に対して前記改質ガスを導入し、
前記燃料改質システムは、さらに、
前記高温不純物除去部の温度を判定する温度判定部と、
前記改質ガスが流れる経路を、前記改質ガスが前記第1の混合ガス導入路に流入する経路と、前記改質ガスが前記第2の混合ガス導入路に流入する経路とで切り替える流路切り替え部と、
前記温度判定部が、前記高温不純物除去部の温度が常温を超える所定の基準温度以下であると判定した時には、前記改質ガスを前記第1の混合ガス導入路に流入させ、前記温度判定部が、前記高温不純物除去部の温度が前記基準温度を超えたと判定した時には、前記改質ガスを前記第2の混合ガス導入路に流入させるように、前記流路切り替え部を駆動する制御部と
を備えることとしても良い。
【0022】
このような構成とすれば、高温の改質ガスにより低温不純物除去部の劣化が引き起こされるのを抑えることができる。さらに、高温不純物除去部の温度が所定の基準温度以下のときに、不純物に起因して高温不純物除去部の性能が損なわれるのを防止することができる。例えば、高温不純物除去部が白金触媒を備えている場合には、この白金触媒が改質ガス中の一酸化炭素によって被毒されるのを防止することができる。
【0023】
なお、本発明は、上記以外の種々の形態で実現可能であり、例えば、燃料改質システムを備える燃料電池システムや、燃料改質システムの暖機時における制御方法などの形態で実現することが可能である。
【0024】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.装置の全体構成:
B.起動時における不純物除去の動作:
C.効果:
D.第2実施例:
E.第3実施例:
F.変形例:
【0025】
A.装置の全体構成:
図1は、本発明の好適な一実施例である燃料改質システム15を備える燃料電池システム10の概略構成を表わす説明図である。燃料改質システム15は、炭化水素系燃料を改質して水素を生成し、生成した水素を燃料電池30に供給する。この燃料改質システム15は、改質燃料を貯蔵する燃料タンク12、水を貯蔵する水タンク14、改質燃料および水の昇温と混合を行なう蒸発・混合部16、改質触媒を備える改質器20、低温不純物除去部40および高温不純物除去部44を備えている。
【0026】
燃料タンク12に貯蔵する改質燃料としては、ガソリンなどの液体炭化水素や、天然ガスなどの気体炭化水素、あるいはメタノールなどのアルコールやアルデヒド類など、改質反応によって水素を生成可能な種々の炭化水素系燃料を選択することができる。蒸発・混合部16は、燃料タンク12から供給される改質燃料および水タンク14から供給される水を気化・昇温させると共に両者を混合する。
【0027】
蒸発・混合部16から排出された改質燃料と水との混合ガスは、改質器20において改質反応に供されて、水素リッチガスである改質ガスが生成される。ここで、改質器20には、用いる改質燃料に応じた改質触媒が備えられており、この改質燃料を改質する反応に適した温度となるように、改質器20の内部温度が制御される。また、改質器20で進行する改質反応は、水蒸気改質反応や部分酸化反応、あるいは両者を組み合わせたものなど種々の態様を選択することができ、改質触媒は、このように改質器20内で進行させる改質反応に応じたものを選択すればよい。改質器20で生成された改質ガスは、低温不純物除去部40と高温不純物除去部44との両方に導入可能となっている。
【0028】
低温不純物除去部40は、分子フィルタ42を備えている。分子フィルタ42は、微細な多数の細孔を備える膜状の分子ふるい部42aと、より目の粗い部材で構成されて表面に分子ふるい部42aが形成された基材部42bとを備えている。図2は、分子フィルタ42の様子を模式的に表わす説明図である。図2に示すように、分子フィルタ42は、分子ふるい部42aの細孔の細孔径に応じた充分に小さな分子である水素のみを透過させ、これよりも大きなその他の分子である窒素や二酸化炭素は透過させない。
【0029】
分子ふるい部42aは、例えばセラミック多孔質体によって形成することができる。実質的に1μm未満の直径の細孔のみを有する多孔質体を用いることで、水素のみを選択的に透過させることができる。なお、細孔の大きさは、必ずしも水素以外の分子に比べて小さい必要はない。水素分子よりも大きなその他の分子は、細孔を透過する際の抵抗が水素よりも大きくなるため、水素以外の分子と同等以上の大きさの細孔を有している場合にも、透過のし易さの差を利用して水素を優先的に透過させることが可能である。改質器から供給される改質ガスのガス圧に応じて、改質ガス中の水素を充分な純度で透過させることができるような細孔径を有する多孔質体を、分子ふるい部42aとして選択すればよい。このように、分子ふるい部42aは分子の大きさに応じて物理的に分子を分離・抽出するものであるため、分子フィルタ42による不純物除去の動作は温度の影響を受けることが少なく、常温以下の温度で動作することができる。
【0030】
高温不純物除去部44は、水素を選択的に透過させる性質を有する金属(以下、水素分離金属と呼ぶ)を備えた水素分離膜46を有している。水素分離金属としては、パラジウムあるいはパラジウム合金など、パラジウムを含有する金属から選択することができる。水素分離膜46は、ガスが透過可能な多孔質基材上に、水素分離金属を含む金属膜を成膜することとしても良いし、水素分離金属を含有する金属膜のみから成ることとしても良い。このような水素分離膜46を用いて水素を抽出する際の効率は、水素分離膜46の温度の影響を受け、常温に近い温度では、水素分離膜46はほとんど水素を透過させない。パラジウムを含有する水素分離金属を備える水素分離膜は、通常は、300℃〜700℃程度で充分な水素透過性を示す。なお、高温不純物除去部44では、水素分離膜46を透過した水素が流入する側に、水素の抽出を促すためのガス(以下、パージガスという)を供給することとしても良い。パージガスを用いて高温不純物除去部44から水素を排出させることで、上記水素が流入する側の水素濃度を常に低く抑えることができ、水素分離膜46による水素抽出の動作を促進することができる。
【0031】
低温不純物除去部40および高温不純物除去部44において不純物が除去された浄化ガス(水素ガス)は、浄化ガス供給路としての所定の流路に導かれて、燃料電池30のアノード側に対して燃料ガスとして供給される。なお、燃料電池60のカソード側に対しては、ブロワ24から加圧空気が酸化ガスとして供給される。これら燃料ガスおよび酸化ガスを利用して、燃料電池60では電気化学反応によって起電力が生じる。
【0032】
なお、低温不純物除去部40および高温不純物除去部44において、不純物除去に供された残余のガスは、燃焼部48に供給される。燃焼部48は、酸化触媒を備えると共に、ブロワ49から空気が供給される。そして、上記残余のガス中の成分、例えば残留する水素や、改質反応で水素生成に至らなかった残余の炭化水素や、改質反応で生じた一酸化炭素などを燃焼反応によって酸化させる。
【0033】
また、燃料電池システム10は、さらに制御部35を備えている。制御部35は、マイクロコンピュータを中心とした論理回路として構成され、詳しくは、予め設定された制御プログラムに従って所定の演算などを実行するCPUと、CPUで各種演算処理を実行するのに必要な制御プログラムや制御データ等が予め格納されたROMと、同じくCPUで各種演算処理をするのに必要な各種データが一時的に読み書きされるRAMと、各種の信号を入出力する入出力ポート等を備える。この制御部35は、燃料改質システム15および燃料電池30の運転に関わる各部の動作を制御する。
【0034】
B.起動時における不純物除去の動作:
本実施例の燃料電池システム10では、その起動時には、改質器20において積極的に酸化反応を進行させ、改質器20の暖気を行なう。すなわち、起動時には、改質燃料のガスを改質器20に供給すると共に、改質器20に併設されたブロワ26から、より多くの空気を改質器20に供給して、改質器20内の改質触媒上で改質燃料の酸化反応を行なわせる。暖機運転が終了した後の通常の運転モードにおいて、改質器20内で水蒸気改質反応と共に部分酸化反応を進行させる場合であっても、起動時には通常の運転モードに比べてより多くの空気を改質器20に供給することで、積極的に暖気を行なう。
【0035】
このように改質器20内で酸化反応を積極的に行なわせることで、改質器20は速やかに昇温し、改質器20は改質反応に適した温度となる。その後、改質器20に供給する空気量および水蒸気量を適宜調節することで、改質器からは水素リッチな改質ガスが排出されるようになる。改質器20から排出される改質ガスは、改質器20の反応温度に対応する所定の高温状態となっている。この高温の改質ガスは、下流側の低温不純物除去部40および高温不純物除去部44に供給され、これらの不純物除去部を加熱する。
【0036】
低温不純物除去部40において水素を抽出する動作は、既述したように温度の影響をほとんど受けず、常温以下の温度においても(例えば−30℃程度の低温であっても)、改質ガスから水素を抽出することができる。従って、改質器20から水素を含有する改質ガスが供給されるようになると、低温不純物除去部40では直ちに水素の抽出が行なわれ、燃料電池30に対する水素の供給が開始される。これにより、燃料電池30では発電を開始することが可能となる。
【0037】
高温不純物除去部44において水素を抽出する動作は、既述したように水素分離膜46の温度に依存する。そのため、改質ガスが供給されるようになっても、水素分離膜46が充分に昇温するまでは、水素の抽出がほとんど行なわれないか効率の悪い状態となる。改質ガスによって高温不純物除去部44内が充分に暖められると、水素分離膜46による水素抽出の効率が次第に高くなり、高温不純物除去部44からも燃料電池30に対して水素が供給されるようになる。
【0038】
C.効果:
以上のように構成された本実施例の燃料改質システム15を備える燃料電池システム10によれば、常温以下の温度で水素以外の不純物を除去することができる低温不純物除去部40を備えるため、改質器20から水素を含有する改質ガスが供給されるようになると、改質ガスから不純物を除去して、燃料電池30への水素の供給を直ちに開始することができる。そのため、燃料電池30からより早く電力を得ることが可能となり、暖気時間を短縮することができる。燃料電池30は、発電に伴って発熱するため、より早く水素の供給を開始することで燃料電池30の暖気を早めることができ、結果的に燃料電池システム10全体の暖気時間を短縮することができる。
【0039】
このように、燃料電池30からより早く電力を得られることで、燃料電池システム10を車両などの移動体に搭載し、燃料電池30を駆動用電源として用いる場合には、起動後直ちに燃料電池30から駆動のための電力を得ることが可能となる。
【0040】
また、本実施例では、低温不純物除去部40は、少なくとも高温不純物除去部44が昇温するまでの間、燃料電池30で発電を開始させるために補助的に用いるのに要する大きさを確保しておけば良い。そのため、より大きな負荷に対応可能なように低温不純物除去部40を設ける必要が無く、低温不純物除去部40を設けることに起因して燃料改質装置15全体が大型化してしまうのを抑えることができる。
【0041】
D.第2実施例:
図3は、第2実施例の燃料改質システム115を備える燃料電池システム110の構成の概略を表わす説明図である。第2実施例において、第1実施例と共通する部分には同じ参照番号を付して、詳しい説明は省略する。燃料改質システム115は、高温不純物除去部44に対しては、低温不純物除去部40において水素抽出が行なわれた残りのガスが供給される点で、第1実施例の燃料改質システム15と異なっている。すなわち、第2実施例では、高温不純物除去部44に対しては、改質器20から改質ガスが直接供給されるのではなく、低温不純物除去部40を経由したガスが供給される。このような構成としても、第1実施例と同様の効果を得ることができる。
【0042】
ここで、第2実施例では、低温不純物除去部40において水素抽出に供された残余のガスに対して、高温不純物除去部44に供給するのに先立って、空気を添加可能となっている。図3では、ブロワ43を用いることとしている。燃料改質システム115の起動時においてこのように空気の添加を行なうと、水素分離膜46が備えるパラジウム上で、このパラジウムを触媒として、上記残余のガス中の水素等の成分を酸化させる反応を行なわせることができる。これによって、高温不純物除去部44の暖気をさらに促進することができる。なお、このように高温不純物除去部44に供給するガスに酸素を添加して、酸化反応により暖気を促進する動作は、第1実施例の燃料改質システム15でも同様に行なうことができる。
【0043】
なお、第2実施例の変形例として、改質ガスの流れに対する低温不純物除去部40と高温不純物除去部44との位置関係を、図3の構成と逆にすることも可能である。すなわち、改質器20から供給される改質ガスを、まず高温不純物除去部44に供給し、高温不純物除去部44で不純物除去に供された残余のガスを、低温不純物除去部40に供給することとしても良い。このような構成としても、第1実施例と同様の効果を得ることができる。なお、この場合には、高温不純物除去部44に供給するのに先立って、改質ガスに微量の空気を添加して、高温不純物除去部44の暖気を促進することとしても良い。
【0044】
E.第3実施例:
図4は、第3実施例の燃料改質システム215を備える燃料電池システム210の構成の概略を表わす説明図である。第3実施例において、第1実施例と共通する部分には同じ参照番号を付して、詳しい説明は省略する。
【0045】
燃料改質システム215は、改質器20から改質ガスが排出される流路中、低温不純物除去部40に接続する流路と高温不純物除去部44に接続する流路とに分岐する分岐部において、流路切り替え弁222を備えている。この流路切り替え弁222を駆動することで、改質ガスの流れを、高温不純物除去部44へ流入する状態と低温不純物除去部40へ流入する状態とのいずれかに切り替えることができる。また、高温不純物除去部44において、水素分離膜46の温度を検出する温度センサ229を備えている。この温度センサ229は、水素分離膜46そのものの温度を検出するほか、高温不純物除去部44の壁面温度を検出するなど、水素分離膜46の温度を反映する情報を取得するものであればよい。
【0046】
また、燃料改質システム215では、燃焼部48から排出される高温の燃焼ガスを高温不純物除去部44に導く流路と、この流路に設けられた開閉弁247とを備えている。この開閉弁247を駆動することで、燃焼ガスが高温不純物除去部44に供給される状態と、供給を遮断される状態とを切り替えることができる。高温不純物除去部44に供給された燃焼ガスは、既述した改質ガスおよび水素の流れとは独立して高温不純物除去部44内に設けられた所定の流路に導かれる(図示せず)。そして、燃焼ガスは、高温不純物除去部44との間で熱交換を行なうことで、高温不純物除去部44を昇温させることができる。
【0047】
燃料改質システム215では、その起動時には、切り替え弁222は、改質ガスが低温不純物除去部40に導かれるように切り替えられている。そのため、燃料改質システム215の起動時には、低温不純物除去部40を用いて抽出された水素が燃料電池30に供給される。そして、低温不純物除去部40において水素抽出に供された残余のガスは、燃焼部48に供給されて燃焼反応に利用される。また、燃料改質システム215では、その起動時には、開閉弁247は開状態となっている。そのため、燃料改質システム215の起動時には、燃焼部48で発生した高温の燃焼ガスを用いて高温不純物除去部44が加熱される。
【0048】
なお、燃焼部48で進行する燃焼反応の燃料として、低温不純物除去部40や高温不純物除去部44において水素抽出に供された残余のガスだけでは不足する場合には、燃焼部48に対して、燃料タンク12に貯蔵する燃料などをさらに供給することとしても良い。
【0049】
図5は、燃料改質システム215の起動時において、制御部35で実行される流路切り替え処理ルーチンを表わすフローチャートである。燃料改質システム215の起動時には、改質ガスが低温不純物除去部40に導かれるように切り替え弁222が切り替えられると共に、開閉弁247は開放された状態となっている。したがって、燃料改質システム215の起動時には、改質器20から供給される改質ガスは低温不純物除去部40に導かれ、燃焼部48で発生した燃焼ガスは高温不純物除去部44に導かれ得る状態で、本ルーチンが実行される。
【0050】
燃料改質システム215が起動されて本ルーチンの実行が開始されると、制御部35は、まず、高温不純物除去部44の温度TH に関する情報を、温度センサ229から取得する(ステップS100)。そして、取得した温度TH と目標温度TA とを比較する(ステップS110)。ここで、目標温度TA とは、高温不純物除去部44において充分な効率で不純物除去の動作を行なうことができる温度として予め設定され、制御部35内に記憶しておいたものである。ステップS110で、高温不純物除去部44の温度TH が目標温度TA を下回ると判断されると、制御部35は、切り替え弁222および開閉弁247の状態をそのまま維持する(ステップS120)。すなわち、低温不純物除去部40を用いて抽出した水素を燃料電池30に供給すると共に、燃焼部48で発生した燃焼ガスを用いて高温不純物除去部44を加熱する状態を継続する。
【0051】
ステップS110において、高温不純物除去部44の温度TH が目標温度TA 以上になったと判断されると、制御部35は、切り替え弁222を切り替えて、改質ガスを低温不純物除去部40に代えて高温不純物除去部44側に供給する。また、開閉弁247を閉状態として、高温不純物除去部44への燃焼ガスの供給を停止することで、高温不純物除去部44の加熱を停止する(ステップS130)。
【0052】
上記のように切り替え弁222を切り替えることで、改質ガスは、充分に昇温した高温不純物除去部44によって不純物が除去されて、高温不純物除去部44から燃料電池30に対して水素が供給されるようになる。なお、高温不純物除去部44は、一旦充分に昇温した後は、改質ガスが有する熱によって充分に高い温度を維持可能となり、さらなる加熱は不要となるため、上記のように開閉弁247を閉状態として、燃焼ガスの供給を停止している。また、ステップS130において高温不純物除去部44による不純物除去が開始された後は、燃焼部48に対しては、高温不純物除去部44から、水素が抽出された残余のガスが供給される。
【0053】
その後、制御部35は、燃料改質システム215の停止を指示する信号が入力されたかどうかを判断する(ステップS140)。ステップS140において停止指示信号が入力されたと判断すると、制御部35は、切り替え弁222を、改質ガスが低温不純物除去部40に導かれるように切り替えると共に、開閉弁247を開状態として(ステップS150)、本ルーチンを終了する。すなわち、燃料改質システム215が次回起動する際には、改質ガスが低温不純物除去部40側に導かれると共に、燃焼ガスが高温不純物除去部44に導かれる状態となるようにして、燃料改質システム215を停止させる。
【0054】
このような第3実施例の燃料改質システム215によっても、第1および第2実施例と同様の効果を得ることができる。また、水素分離膜46は、温度が低いときほど一酸化炭素の被毒を受けやすいという性質を有しているが、温度が低い間は改質ガスを高温不純物除去部44に供給しないことにより、水素分離膜46が一酸化炭素の被毒を受けるのを防止することができる。また、改質ガスは水蒸気を含有しており、温度が低い間はこの水蒸気が凝縮する可能性があるが、温度が低い間は改質ガスを高温不純物除去部44に供給しないことにより、凝縮水が水素分離上に付着して水素分離の動作を阻害するのを防止することができる。
【0055】
さらに、本実施例の燃料改質システム215によれば、高温不純物除去部44が充分に昇温した後は低温不純物除去部40に改質ガスを供給しないため、分子フィルタ42が高温によって劣化するのを防止することができる。
【0056】
なお、第3実施例では、水素分離膜46の温度に応じて改質ガスの流れを完全に切り替えることとしたが、異なる構成としても良い。例えば、切り替え弁222を流量調節弁として、水素分離膜46の温度が低い間も微量の改質ガスを高温不純物除去部44に供給すると共に、さらにこの微量の改質ガスに見合った量の酸素(空気)を高温不純物除去部に供給することとしても良い。これによって、水素分離膜46上で酸化反応を進行させ、高温不純物除去部44の暖気を促進することができる。少なくとも高温不純物除去部44の低温時に、低温不純物除去部40を用いる運転モードを有するならば、起動後直ちに燃料電池30に水素を供給できるという同様の効果が得られる。
【0057】
また、高温不純物除去部44の加熱手段は、燃焼部48の燃焼ガスを用いる以外の構成としても良い。例えば、高温不純物除去部44にヒータを設け、昇温するまではヒータによって加熱することとしても良い。この場合には、図5のステップS110で高温不純物除去部44が充分に昇温したと判断されたときには、ヒータによる加熱の停止を行なえばよい。
【0058】
また、上記第3実施例では、水素分離膜46の温度を検出する温度センサ229と、この温度センサ229から検出信号を取得する制御部35とによって、高温不純物除去部44の温度を判定する温度判定部を形成することとしたが、異なる構成としても良い。例えば、外気温の変動が比較的小さい環境で燃料改質システムを使用する場合には、直接検出した温度に代えて、システム起動後の経過時間によって、高温不純物除去部44の温度を判定することとしても良い。
【0059】
なお、第1ないし第3実施例において、燃焼部48から排出される燃焼ガスは、熱源として種々の利用が可能である。例えば、改質器20を加熱するのに用いて水蒸気改質反応で要する熱を供給することとしたり、燃料電池30の暖気に利用したりすることができる。
【0060】
F.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0061】
F1.変形例1:
低温不純物除去部40は、分子ふるいを備え、分子ふるいが備える細孔の細孔径よりも充分に小さい水素分子のみを透過させることで不純物を除去することとしたが、異なる構成としても良い。例えば、吸着剤を用いることとしても良い。低温不純物除去部がゼオライトと活性炭とを備えることとすれば、改質ガス中の一酸化炭素および窒素はゼオライトに吸着させ、二酸化炭素や炭化水素は活性炭に吸着させることができる。このような吸着剤は、常温以下の温度で作動し、燃料改質システムの起動時に動作することができるため、既述した実施例の低温不純物除去部40と同様の効果を得ることができる。
【0062】
あるいは、分子ふるいが備える細孔の大きさを、水素分子よりも大きな分子は吸着し難い大きさとして、水素分子だけを選択的に吸着させることによって、不純物を除去しても良い。このような方法によっても、不純物を除去した水素を得ることができ、常温以下の温度で動作させ、同様の効果を得ることができる。
【0063】
F2.変形例2:
また、高温不純物除去部44は、水素分離膜を備えることとしたが、異なる構成としても良い。例えば、一酸化炭素と水とから水素と二酸化炭素とを生成するシフト反応を進行するシフト部とすることができる。あるいは、水素に優先して一酸化炭素を酸化する選択酸化反応を進行する選択酸化部とすることができる。さらに、上記シフト部と選択酸化部との両方を備えることとしても良い。これらの反応を促進するための触媒を備える反応部は、それぞれ適した反応温度があり、その温度に達するまでは、上記反応を促進する充分な活性を得ることができない。このような触媒を利用する場合にも、水素分離膜を用いる場合と同様に、分子ふるいや吸着剤に比べて高い効率で不純物を除去した改質ガスを得ることができる。したがって、低温不純物除去部40を大型化する必要が無いという同様の効果を得ることができる。
【0064】
なお、上記触媒を備える反応部では、反応部に供給されたガスは、触媒上で進行する上記反応に供されながら反応部内を通過した後に反応部から排出される。したがって、このような高温不純物除去部が充分に昇温するまでの間は、高温不純物除去部からは、不純物除去が不十分なガスが排出される。そのため、高温不純物除去部が充分に昇温するまでに、一酸化炭素を含有するガスが燃料電池30に供給されるのを防ぐために、高温不純物除去部から排出されるガスの流れを切り替え可能とすることが望ましい。一例として、図1の構成において、高温不純物除去部44に代えて、上記反応部によって構成される高温不純物除去部344を備えることとした燃料電池システム310の構成を図6に示す。図6において、第1実施例と共通する部分には同じ参照番号を付す。また、第1実施例とは異なる部分についてのみ以下に説明する。
【0065】
燃料改質システム315では、高温不純物除去部344から排出されるガスが流れる配管は、燃料電池30に接続する流路と燃焼部48に接続する流路とに分岐する。そして、この分岐部には切り替え弁323が設けられており、高温不純物除去部344から排出されるガスの流れを、燃料電池30に供給される状態と、燃焼部48に供給される状態とに切り替え可能となっている。また、高温不純物除去部344には、その内部温度を検出可能な温度センサ329が設けられている。
【0066】
燃料改質システム315では、高温不純物除去部344の温度が所定の基準温度以下であると判断されるときには、高温不純物除去部344から排出されるガスが燃焼部48に供給されるように、切り替え弁323が切り替えられる。そして、高温不純物除去部344の温度が所定の基準温度以下を超えたと判断されるときには、高温不純物除去部44から排出されるガスが燃料電池30に供給されるように、切り替え弁323が切り替えられる。
【0067】
F3.変形例3:
第1ないし第3実施例では、燃料改質システムから水素を供給される水素消費装置として燃料電池を用いたが、本発明の燃料改質システムを、異なる水素消費装置に接続することとしても良い。たとえば、水素エンジンなどの内燃機関に接続することとしても良い。水素エンジンでは、水素の他に一酸化炭素や炭化水素も燃焼の燃料として用いることができるが、水素以外の燃料が多いと燃焼状態が不安定となる場合がある。本発明の燃料改質システムを用いることで、システムの起動直後から、水素エンジンに対して純度の高い水素ガスを直ちに供給可能となる。
【0068】
F4.変形例4:
図1のように改質燃料および水をタンク内に貯蔵する場合には、燃料電池システムを車両などの移動体に搭載し、燃料電池を駆動用電源として用いることができるが、種々の変形が可能である。例えば、燃料電池システムを定置型電源として用ることとしても良い。この場合には、蒸発器および改質器を、商用ガスの配管および水の配管に直接接続することとしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】燃料改質システム15を備える燃料電池システム10の概略構成を表わす説明図である。
【図2】分子フィルタ42の様子を模式的に表わす説明図である。
【図3】第2実施例の燃料電池システム110の構成を表わす説明図である。
【図4】第3実施例の燃料電池システム210の構成を表わす説明図である。
【図5】流路切り替え処理ルーチンを表わすフローチャートである。
【図6】変形例の燃料電池システム310の構成を表わす説明図である。
【符号の説明】
10,110,210,310…燃料電池システム
12…燃料タンク
14…水タンク
15,115,215,315…燃料改質システム
16…混合部
20…改質器
24,26,43,49…ブロワ
30…燃料電池
35…制御部
40…低温不純物除去部
42…分子フィルタ
42a…分子ふるい部
42b…基材部
44,344…高温不純物除去部
46…水素分離膜
48…燃焼部
60…燃料電池
222…切り替え弁
229,329…温度センサ
247…開閉弁
323…切り替え弁
Claims (12)
- 改質反応を利用して水素を生成し、生成した水素を所定の水素消費装置に供給する燃料改質システムであって、
炭化水素系燃料を改質して、水素を含有する改質ガスを生成する改質器と、
所定の温度範囲で動作して、水素を含有する混合ガスから水素以外の不純物を除去する高温不純物除去部と、
前記所定の温度範囲よりも低い温度範囲で動作すると共に、前記燃料改質システムの起動時に、水素を含有する混合ガスから前記不純物を除去することが可能な低温不純物除去部と、
前記高温不純物除去部と前記低温不純物除去部のうちの一方の不純物除去部に対して、前記改質ガスを前記混合ガスとして導入する第1の混合ガス導入路と、
前記高温不純物除去部と前記低温不純物除去部のうちの他方の不純物除去部に対して、前記改質ガスあるいは前記一方の不純物除去部を経由したガスを、前記混合ガスとして導入する第2の混合ガス導入路と、
前記高温不純物除去部と前記低温不純物除去部とに接続されて、前記不純物を除去した浄化ガスを前記水素消費装置に導く浄化ガス供給路と
を備える燃料改質システム。 - 請求項1記載の燃料改質システムであって、
前記高温不純物除去部は、一酸化炭素と水とから水素と二酸化炭素を生じるシフト反応を促進するシフト触媒を備えるシフト部、および/または、水素に優先して一酸化炭素を酸化する一酸化炭素選択酸化反応を促進する選択酸化触媒を備える選択酸化部である
燃料改質システム。 - 請求項1記載の燃料改質システムであって、
前記高温不純物除去部は、水素を選択的に透過させる水素分離膜を備える
燃料改質システム。 - 請求項1ないし3いずれか記載の燃料改質システムであって、
前記低温不純物除去部は、分子サイズの相違を利用して前記改質ガスから前記不純物を除去する分子ふるいを備える
燃料改質システム。 - 請求項4記載の燃料改質システムであって、
前記分子ふるいは、セラミック多孔質体を備える
燃料改質システム。 - 請求項1ないし3いずれか記載の燃料改質システムであって、
前記低温不純物除去部は、水素分子または前記不純物の分子を吸着することによって前記改質ガスから前記不純物を除去する
燃料改質システム。 - 請求項1記載の燃料改質システムであって、
前記高温不純物除去部は、化学的に前記混合ガスから前記不純物を除去し、
前記低温不純物除去部は、物理的に前記混合ガスから前記不純物を除去する
燃料改質システム。 - 請求項1ないし7いずれか記載の燃料改質システムであって、
前記第1の混合ガス導入路は、前記低温不純物除去部に対して前記改質ガスを導入し、
前記第2の混合ガス導入路は、前記高温不純物除去部に対して前記低温不純物除去部を経由したガスを導入する
燃料改質システム。 - 請求項1ないし7いずれか記載の燃料改質システムであって、
前記第1の混合ガス導入路は、前記高温不純物除去部に対して前記改質ガスを導入し、
前記第2の混合ガス導入路は、前記低温不純物除去部に対して前記高温不純物除去部を経由したガスを導入する
燃料改質システム。 - 請求項1ないし7いずれか記載の燃料改質システムであって、さらに、
前記高温不純物除去部の温度を判定する温度判定部と、
前記温度判定部が、前記高温不純物除去部の温度が常温を超える所定の基準温度を超えたと判定すると、前記低温不純物除去部に対する前記混合ガスの流入を停止させると共に、前記高温不純物除去部に対してのみ前記改質ガスを導く状態となるように、前記第1の混合ガス導入路および第2の混合ガス導入路におけるガスの流れの状態を変更する制御部と
を備える燃料改質システム。 - 請求項1ないし7いずれか記載の燃料改質システムであって、
前記第1の混合ガス導入路は、前記低温不純物除去部に対して前記改質ガスを導入し、
前記第2の混合ガス導入路は、前記高温不純物除去部に対して前記改質ガスを導入し、
前記燃料改質システムは、さらに、
前記高温不純物除去部の温度を判定する温度判定部と、
前記改質ガスが流れる経路を、前記改質ガスが前記第1の混合ガス導入路に流入する経路と、前記改質ガスが前記第2の混合ガス導入路に流入する経路とで切り替える流路切り替え部と、
前記温度判定部が、前記高温不純物除去部の温度が常温を超える所定の基準温度以下であると判定した時には、前記改質ガスを前記第1の混合ガス導入路に流入させ、前記温度判定部が、前記高温不純物除去部の温度が前記基準温度を超えたと判定した時には、前記改質ガスを前記第2の混合ガス導入路に流入させるように、前記流路切り替え部を駆動する制御部と
を備える燃料改質システム。 - 改質反応を利用する水素生成方法であって、
(a)炭化水素系燃料を改質して、水素を含有する改質ガスを生成する工程と、(b)所定の温度範囲で動作して水素を含有するガスから水素以外の不純物を除去する高温不純物除去部と、前記所定の温度範囲よりも低い温度範囲で動作して水素を含有するガスから前記不純物を除去する低温不純物除去部と、の内の少なくとも一方を用いて、前記改質ガスから前記不純物を除去する工程と
を備え、
前記燃料改質システムの起動時には、前記(b)工程として、前記低温不純物除去部を用いて前記改質ガスから前記不純物の除去を行なう
水素生成方法。
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JP2008037691A (ja) * | 2006-08-04 | 2008-02-21 | Toshiba Corp | 一酸化炭素低減装置、一酸化炭素低減方法、水素製造装置および燃料電池発電システム |
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-
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- 2003-02-26 JP JP2003048496A patent/JP2004256351A/ja active Pending
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