JP2004255933A - 電動パワーステアリング装置およびその制御特性を設定する方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】車種毎に計測等を行うことなく簡易な方法で所望のダンピング特性を実現する電動パワーステアリング装置およびその制御特性を設定する方法を提供する。
【解決手段】典型的には油圧式のパワーステアリング装置を搭載する基本となる車両の粘性項Caを算出し(S10)、所望のダンピング特性を実現すべき対象となる車両の粘性項Cbを算出し(S20)、基本車両の粘性項Caに対する対象車両の粘性項Cbの比率(割合)Nを算出し(S30)、予め得られた基本車両のダンピング特性に基づくダンピングマップ(基本マップ)のダンピング制御電流値に対して、上記比率Nの逆数(1/N)を乗じることにより得られるダンピング制御電流値に基づき、所望のダンピングマップを作成する(S40)。
【選択図】 図5
【解決手段】典型的には油圧式のパワーステアリング装置を搭載する基本となる車両の粘性項Caを算出し(S10)、所望のダンピング特性を実現すべき対象となる車両の粘性項Cbを算出し(S20)、基本車両の粘性項Caに対する対象車両の粘性項Cbの比率(割合)Nを算出し(S30)、予め得られた基本車両のダンピング特性に基づくダンピングマップ(基本マップ)のダンピング制御電流値に対して、上記比率Nの逆数(1/N)を乗じることにより得られるダンピング制御電流値に基づき、所望のダンピングマップを作成する(S40)。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動モータによって車両のステアリング機構に操舵補助力を与える電動パワーステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、運転者がハンドル(ステアリングホイール)に加える操舵トルクに応じて電動モータを駆動することによりステアリング機構に操舵補助力を与える電動パワーステアリング装置が用いられている。この電動パワーステアリング装置では、操舵のための操作手段であるハンドルに加えられる操舵トルクを検出して当該操舵トルクを示すトルク検出信号を出力するトルクセンサが設けられており、そのトルクセンサからのトルク検出信号に基づき電動モータに流すべき電流の目標値が設定される。なお、この目標値の設定には、予め定められたトルク値と電流値との対応関係を示すテーブル(「アシストテーブル」と呼ばれる)が用いられる。そして、比例積分制御器によりこの目標値と電動モータに実際に流れる電流の検出値との偏差に基づき、電動モータの駆動手段に与えるべき指令値が生成される。電動モータの駆動手段は、その指令値に応じたデューティ比のパルス幅変調信号(PWM信号)を生成するPWM信号生成回路と、そのPWM信号のデューティ比に応じてオン/オフするパワートランジスタを用いて構成されるモータ駆動回路とから成り、そのデューティ比に応じた電圧すなわち指令値に応じた電圧を電動モータに印加する。この電圧印加によって電動モータに流れる電流は電流検出回路によって検出され、上記目標値とこの検出値との差が上記指令値を生成するための偏差として使用される。
【0003】
以上のように、従来の電動パワーステアリング装置では、電動モータに流すべき電流の目標値は操舵トルクに応じて決定されるが、さらに詳しくは、操舵トルクに応じて決定され操舵補助力を与えるために電動モータに流すべき電流の目標値(「基本アシスト電流値」と呼ばれる)に対して、操舵角速度に基づき操舵操作の操作性を向上させるためのダンピング制御電流値が減算されることにより、電動モータに流すべき電流の目標値が決定されることが多い。このダンピング制御により、操舵時の手応え感や、車両の収斂性能(つまり、手放し時におけるハンドルの左右への振動の収まり性)を向上させることができる。
【0004】
ここで、ダンピング制御は、ハンドルの回転角速度である操舵角速度と上記ダンピング制御電流値との対応関係を示すテーブル(以下「ダンピングマップ」という)に基づき行われることが多い。通常、このダンピングマップは、線形の対応関係を示しているが、特開平8−207812号公報では、非線形の対応関係を示している。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−207812号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、油圧式のパワーステアリング装置により内在的に実現される特性であって上記ダンピング制御の特性に相当する特性(以下「ダンピング特性」という)は、当該電動パワーステアリング装置を搭載しようとする車両の車種毎にそれぞれ異なるため、車種毎に、油圧式パワーステアリング装置を搭載した車両のダンピング特性の計測またはシミュレーションを行う必要がある。したがって、車種毎に上記ダンピング特性を実現する所望のダンピングマップを作成するためには多くの時間と費用とが必要となる。
【0007】
そこで、本発明の目的は、車種毎に油圧式パワーステアリング装置を搭載した場合の制御特性の計測またはシミュレーションを行うことなく、簡易な方法で所望のダンピング特性を実現するための制御を行う電動パワーステアリング装置およびその制御特性を設定する方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
第1の発明は、車両操舵のための操作手段によって加えられる操舵トルクに応じて電動モータを駆動することにより当該車両のステアリング機構に操舵補助力を与える電動パワーステアリング装置であって、
前記操舵トルクを検出するトルクセンサと、
前記操作手段の操作による操舵角変化の速度である操舵角速度を検出する操舵角速度検出手段と、
前記車両とは車種が異なる他の車両の特性に基づき決定される所定の対応関係に基づき、前記操舵角速度に応じた前記車両の制御のための補償電流値を設定する補償電流値設定手段と、
前記操舵トルクに基づき、前記操舵補助力を与えるために前記電動モータに供給すべき電流の目標値である基本アシスト電流値を算出し、当該基本アシスト電流値に対して前記補償電流値を減算することにより目標値を設定する目標値設定手段と、
前記目標値と前記電動モータに流れる電流値との偏差に基づき、前記電動モータに対してフィードバック制御を行う制御手段と
を備え、
前記補償電流値設定手段は、前記他の車両において予め求めた操舵角速度と補償電流値との対応関係における補償電流値に対して所定の補正値を乗算することにより決定される前記所定の対応関係に基づき前記車両の補償電流値を設定することを特徴とする。
【0009】
このような第1の発明によれば、補償電流値を設定するための所定の対応関係は、例えば油圧式のパワーステアリング装置を搭載した他の車両における対応関係に対して所定の補正値を乗算することにより設定される。このことにより、車種毎に油圧式のパワーステアリング装置を搭載した場合の制御特性の計測またはシミュレーションを行うことなく、簡易な方法で良好な操舵操作性を実現するための(例えば油圧式のパワーステアリング装置の)ダンピング特性を適切に再現することができる。
【0010】
第2の発明は、第1の発明において、
前記補正値は、前記他の車両の粘性特性を示す値Caに対する前記車両の粘性特性を示す値Cbの比率の逆数(Ca/Cb)であることを特徴とする。
【0011】
このような第2の発明によれば、他の車両の粘性項に対する本車両の粘性項の比率の逆数を補正値として用いるため、車両の一般的な運動方程式における粘性項の大きさと密接な関係があるダンピング特性をより適切に再現することができる。
【0012】
第3の発明は、車両操舵のための操作手段によって加えられる操舵トルクに応じて電動モータを駆動することにより当該車両のステアリング機構に操舵補助力を与える電動パワーステアリング装置であって、前記操作手段の操作による操舵角変化の速度である操舵角速度に応じて算出された前記車両の制御のための補償電流値を、前記操舵補助力を与えるために前記電動モータに供給すべき電流目標値として前記操舵トルクに基づき算出された基本アシスト電流値に対して減算することにより目標値を設定し、当該目標値と前記電動モータに流れる電流値との偏差に基づき、前記電動モータに対してフィードバック制御を行う制御手段を備える電動パワーステアリング装置の制御特性を設定する方法であって、
前記車両とは車種が異なる他の車両の粘性特性を示す値Caに対する前記車両の粘性特性を示す値Cbの比率の逆数(Ca/Cb)である補正値を算出するステップと、
前記他の車両における操舵角速度と補償電流値との対応関係における補償電流値に対して前記補正値を乗算することにより得られる補償電流値に基づき、前記車両における操舵角速度と補償電流値との対応関係を設定するステップと
を含むことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。
<1.全体構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る電動パワーステアリング装置の構成を、それに関連する車両構成と共に示した概略図である。この電動パワーステアリング装置は、操舵のための操作手段としてのハンドル(ステアリングホイール)100に一端が固着されるステアリングシャフト102と、そのステアリングシャフト102の他端に連結されたラックピニオン機構104と、ハンドル100の回転角速度である操舵角速度を検出する操舵角速度センサ2と、ハンドル100の操作によってステアリングシャフト102に加えられる操舵トルクを検出するトルクセンサ3と、この電動パワーステアリング装置が搭載される車両の車速を検出する車速センサ4と、ハンドル操作(操舵操作)による運転者の負荷を軽減するための操舵補助力を発生させる電動モータ6と、そのモータ6の発生する操舵補助力をステアリングシャフト102に伝達する減速ギヤ7と、車載バッテリ8からイグニションスイッチ9を介して電源の供給を受け、操舵角速度センサ2、トルクセンサ3、および車速センサ4からのセンサ信号に基づきモータ6の駆動を制御する電子制御ユニット(ECU)5とを備えている。
【0014】
ここで、ステアリングシャフト102において、ハンドル100側の部分と、減速ギヤ7を介して操舵補助トルクの加えられる部分との間にはトーションバーが介装されている。トルクセンサ3は、そのトーションバーのねじれを検出することにより操舵トルクを検出する。このようにして検出された操舵トルクの検出値Tは、操舵トルク検出信号としてトルクセンサ3から出力され、ECU5に入力される。また、操舵角速度センサ2は、操舵角速度の検出値ωを示す信号を操舵角速度信号として出力する。さらに、車速センサ4は、車両の走行速度である車速の検出値Vを示す信号を車速信号として出力する。これらの操舵角速度信号および車速信号もECU5に入力される。
【0015】
このような電動パワーステアリング装置を搭載した車両において運転者がハンドル100を操作すると、その操作による操舵トルクがトルクセンサ3によって検出され、その操舵トルクの検出値Tと車速センサ4によって検出された車速の検出値Vとに基づいてECU5によりモータ6が駆動される。これによりモータ6は操舵補助力を発生し、この操舵補助力が減速ギヤ7を介してステアリングシャフト102に加えられることにより、操舵操作による運転者の負荷が軽減される。すなわち、ハンドル操作によって加えられる操舵トルクと、モータ6の発生する操舵補助力によるトルクとの和が出力トルクとして、ステアリングシャフト102を介してラックピニオン機構104に与えられる。これによりピニオン軸が回転すると、その回転がラックピニオン機構104によってラック軸の往復運動に変換される。ラック軸の両端はタイロッドおよびナックルアームから成る連結部材106を介して車輪108に連結されており、ラック軸の往復運動に応じて車輪108の向きが変わる。
【0016】
<2.制御装置の構成および動作>
図2は、上記電動パワーステアリング装置における制御装置であるECU5の機能的構成を示すブロック図である。このECU5は、モータ制御部として機能するマイクロコンピュータ(以下「マイコン」と略記する)10と、そのマイコン10から出力される指令値Dに応じたデューティ比のパルス幅変調信号(PWM信号)を生成するPWM信号生成回路18と、そのPWM信号のデューティ比に応じた電圧をモータ6に印加するモータ駆動回路20と、モータ6に流れる電流を検出する電流検出器19とから構成される。
【0017】
マイコン10は、その内部のメモリに格納された所定のプログラムを実行することにより、目標電流設定部12と減算器14とフィードバック制御演算部(以下「FB制御演算部」と略記する)16とからなるモータ制御部として機能する。このモータ制御部において、目標電流設定部12は、操舵角速度センサ2から出力される操舵角速度の検出値ω(以下、単に「操舵角速度ω」という)と、トルクセンサ3から出力される操舵トルクの検出値T(以下、単に「操舵トルクT」という)と、車速センサ4から出力される車速の検出値V(以下、単に「車速V」という)とに基づき、モータ6に流すべき電流の目標値Itを決定する。この目標電流設定部12の詳細な構成および動作については後述する。減算器14は、この目標電流設定部12から出力される電流目標値Itと電流検出器19から出力されるモータ電流の検出値Isとの偏差It−Isを算出する。FB制御演算部16は、この偏差It−Isに基づく比例積分制御演算によって、PWM信号生成回路18に与えるべきフィードバック制御のための上記指令値Dを生成する。
【0018】
PWM信号生成回路18は、この指令値Dに応じたデューティ比のパルス信号、すなわち指令値Dに応じてパルス幅の変化するPWM信号を生成する。モータ駆動回路20は、典型的にはバッテリ8の電源ラインと接地ラインとの間に接続される4個の電力用の電界効果型トランジスタからなるブリッジ回路であって、PWM信号のパルス幅(デューティ比)に応じた電圧をモータ6に印加する。モータ6は、その電圧印加によって流れる電流に応じた大きさおよび方向のトルクを発生する。このように、電流目標値Itを受け取る減算器14、FB制御演算部16、PWM信号生成回路18、モータ駆動回路20、およびモータ電流の検出値Isを減算器14へ出力する電流検出器19は、モータ6に対するフィードバック制御を行う制御手段を構成する。なお、上記電動モータ6はブラシ付きの一般的な直流モータであるが、本発明における駆動手段としての電動モータは、上記モータに限定されるものではなく、例えばブラシレスモータであってもよい。
【0019】
<3.目標電流設定部の詳細な構成および動作>
図3は、上記一実施形態における目標電流設定部12の構成を示すブロック図である。この目標電流設定部12は、操舵トルクTを受け取り、電流目標値Itを算出する基礎となる値であって操舵補助力を与えるために電動モータに流すべき電流の目標値である基本アシスト電流値It’を出力するアシスト電流設定部121と、操舵角速度ωを受け取り車両の収斂性能等を向上させるためのダンピング制御電流値Idを出力するダンピング制御部122と、上記基本アシスト電流値It’からダンピング制御電流値Idを減算することにより上記電流目標値Itを出力する減算器123とを含む。なお、上記操舵トルクTは、所定のパラメータを有する位相進み等のフィルタからなる図示されない位相補償器を通すことにより位相補償が行われてもよい。以下、目標電流設定部12の各構成要素の動作について詳細に説明する。
【0020】
なお、以下では、マイコン10が所定のプログラムを実行することにより、目標電流設定部12における各種構成要素がソフトウェア的に実現されるように構成されるが、これらの構成要素の一部または全部は、専用の電子回路等によりハードウェア的に実現されてもよい。
【0021】
アシスト電流設定部121は、トルクセンサ3からの操舵トルクTと車速Vとに基づき基本アシスト電流値It’を算出する。具体的には、適切な操舵補助力を発生させるためにモータ6に供給すべき電流目標値を算出する基礎となるべき基本アシスト電流値It’と操舵トルクTとの関係を車速Vをパラメータとして示すアシストテーブルがアシスト電流設定部121に予め保持されており、アシスト電流設定部121は、このアシストテーブルを参照して基本アシスト電流値It’を設定する。このアシストテーブルは、車速Vが小さいほど、また操舵トルクTが大きいほど基本アシスト電流値It’を大きくするように設定される。そうすれば、ハンドルが重いときほど操舵補助力が大きくなり、操舵操作が容易になる。
【0022】
ダンピング制御部122は、操舵角速度センサ2からの操舵角速度ωに基づきダンピング制御電流値Idを算出する。なお、操舵角速度センサ2に代えてハンドルの回転角度である舵角を検知する舵角センサが設けられ、さらにこの舵角センサからの舵角を微分することにより得られる操舵角速度をダンピング制御部122に与える微分器が新たに設けられ、舵角センサおよび微分器により操舵角速度を検出する手段が構成されてもよい。また、操舵角速度センサ2に代えて、電動モータ6の回転角速度を検出または逆起電力により推定する手段が設けられることにより、操舵角速度を検出する手段が構成されてもよい。以下、ダンピング制御部122の構成について詳述する。
【0023】
図4は、ダンピング制御部122の詳細な構成を示すブロック図である。ダンピング制御部122は、所定の設定方法に基づき予め定められたダンピングマップ1222と、このダンピングマップ1222を参照することによりダンピング制御電流値Idを決定するダンピング電流値決定部1221とを含む。ダンピングマップ1222は、車両の収斂性能等を向上させるためのダンピング制御電流値Idと操舵角速度との対応関係を示すテーブルである。このダンピングマップ1222の設定方法については後述する。ダンピング電流値決定部1221は、ダンピングマップ1222を参照することにより、操舵角速度センサ2からの操舵角速度ωに対応するダンピング制御電流値Idを決定する。なお、このダンピングマップ1222は、アシストテーブルと同様に、車速Vをパラメータとして上記対応関係を示すテーブルであってもよい。また、このダンピングマップ1222に代えて、ダンピング制御電流値Idを算出するために操舵角速度に乗算されるべき所定の係数であるゲインKdや所定の関数式が保持されていてもよい。以上のように設定されるダンピング制御電流値Idは、減算器123により基本アシスト電流値It’から減算され、当該減算値(減算結果)は電流目標値Itとして出力される。以下、上記ダンピングマップ1222の設定方法につき詳述する。
【0024】
<4.ダンピングマップの設定方法>
前述したように、従来のダンピングマップは、当該ダンピングマップを含む電動パワーステアリング装置を搭載しようとする車種毎に、既存の油圧式パワーステアリング装置を搭載した車両に対する計測またはシミュレーションにより得られるダンピング特性に基づき作成される。このように作成されるのは、ダンピング特性が車種毎に異なるためであるが、このダンピング特性は、車両の一般的な運動方程式における粘性項(ダンピング係数)の大きさと密接な関係がある。そこで、全ての車種の基本となるべき任意の1つの車種の車両(以下「基本車両」という)のダンピング特性を予め計測またはシミュレーションで得ることによりダンピングマップを作成する(このダンピングマップを以下では「基本マップ」という)。そうすれば、この基本車種以外の車種であって、設定しようとするダンピングマップを含む電動パワーステアリング装置を搭載する車種の車両(以下「対象車両」という)の粘性特性を示す上記粘性項と基本車両の粘性特性を示す上記粘性項との関係から基本マップを変形することにより対象車両のダンピングマップ(以下「対象マップ」ともいう)を作成することができる。以下、このダンピングマップ1222(対象マップ)の設定方法につき説明する。
【0025】
図5は、上記ダンピングマップ(対象マップ)の設定方法の手順を示すフローチャートである。図に示す手順では、基本車両の諸元に基づき基本車両の運動方程式における粘性項Caが算出され(ステップS10)、対象車両の諸元に基づき対象車両の運動方程式における粘性項Cbが算出される(ステップS20)。これらの粘性項を算出するための処理は、具体的には図6に示すサブルーチンの手順で行われる。以下、上記ステップS20において粘性項を算出するための手順を例にして説明する。
【0026】
図6は、粘性項を算出するためのサブルーチンの処理手順を示すフローチャートである。一般的に、車両の運動方程式における慣性項Iは、次式(1)のように表される。
I=m・r2 …(1)
ここで、mは車両の前軸荷重を示し、rは車両の重心から前軸(の中点位置)までの距離を示す。基本車両(および対象車両)の諸元としての上記m,rは予め判明しているため、基本車両(および対象車両)の慣性項Iは、上式(1)により算出される(ステップS110)。
【0027】
次に、一般的に車両の運動方程式におけるバネ項は、車両の前軸荷重にほぼ比例する。よって、基本車両の前軸荷重を基礎とするとき、対象車両のバネ項Kは次式(2)のように表される。
K=Ka・(Wb/Wa) …(2)
ここで、Kaは基本車両のバネ項を示し、Waは基本車両の前軸荷重を示し、Wbは対象車両の前軸荷重を示す。したがって、各車両の前軸荷重だけでなく、基本車両のバネ項Kaも予め判明していなければならない。一般的に、車両のバネ項は、車両のラックストロークを横軸に、ラック軸力を縦軸に取るときの特性直線の傾きに略一致するため、これらを求めるための計測またはシミュレーションにより得ることができる。ここでは、基本車両のバネ項のみを得ることにより、対象車両のバネ項を計測またはシミュレーションによることなく、上式(2)により得ることができる(ステップS120)。
【0028】
次に、一般的に車両の運動方程式における粘性項Cは、次式(3)のように表される。
【数1】
ここで、ζは減衰係数を示しており、例えばζ=0.6である。したがって、上記ステップS110において求められる慣性項Iと、ステップS120において求められるバネ項Kとに基づき、上式(3)により粘性項Cが求められる(ステップS130)。
【0029】
以上のように、図5に示すステップS20では上記のステップS110〜S130の処理に基づき、対象車両の粘性項Cbが算出される。また、ステップS10でもほぼ同様に、上記のステップS110,S130の処理に基づき、基本車両の粘性項Caが算出されるが、基本車両のバネ項Kaは前述のように予め判明しているため、ステップS120の処理は省略される。。
【0030】
次に、基本車両の粘性項Caに対する対象車両の粘性項Cbの比率(割合)Nが算出される(ステップS30)。この比率が高い(すなわち粘性項の値が大きい)ほど、車両のダンピング特性が良好になるため、ダンピング制御のために必要となるダンピング制御電流値は小さくなる。そこで、基本マップに上記比率Nの逆数(1/N)を乗じることにより対象マップ(すなわちダンピングマップ1222)を作成する(ステップS40)。
【0031】
図7は、基本マップと2種類の対象マップとを示す図である。図の点線は基本マップを示し、実線は本実施形態における対象マップを示し、一点鎖線はそれとは異なる別例としての他の対象マップを示している。前述したように上記基本マップは、基本車両に油圧式のパワーステアリング装置を搭載した場合のダンピング特性を再現するように実測または所定のシミュレーションにより得られる値に基づき設定される。対象マップの所定の操舵角速度に対するダンピング制御電流値Idは、この基本マップの上記操舵角速度でのダンピング制御電流値に上記比率Nの逆数を乗じることにより算出される。図に示す対象マップはN<1の一例であり、他の対象マップはN>1の一例である。
【0032】
<5.効果>
以上のように、上記一実施形態によれば、ダンピング制御電流値を決定するダンピングマップは、基本車両の粘性項Caに対する対象車両の粘性項Cbの比率Nの逆数を基本マップに対して乗じることにより設定される。したがって、車種毎に油圧式のパワーステアリング装置を搭載した場合の制御特性の計測またはシミュレーションを行うことなく、簡易な方法で良好な操舵操作性を実現するために典型的な油圧式のパワーステアリング装置のダンピング特性を適切に再現することができる。
【0033】
<6.変形例>
上記実施形態における基本マップは、基本車両に油圧式のパワーステアリング装置を搭載した場合のダンピング特性を再現するように設定される。このように、基本マップおよび対象マップは1次より大きい次数の曲線を構成し、操舵角速度ωとダンピング制御電流値Idとは(線形の)比例関係にない。このように構成されるのは、ハンドルの切り始めでのトルクの引っかかり感を低減するために、操舵角速度が小さい領域での操舵角速度ωに対するダンピング制御電流値Idの増加率を小さくし、かつハンドルを切り込んでいくときの収斂性を高めるために、操舵角速度が比較的大きい領域で上記増加率を大きくするためである。このような良好な操舵操作性を実現するためには、前述のように油圧式のパワーステアリング装置により内在的に実現されるダンピング特性を再現することが好適であるため、上記基本マップは、典型的には基本車両に油圧式のパワーステアリング装置を搭載した場合のダンピング特性を再現するように実測または所定のシミュレーションにより得られる値に基づき設定される。したがって、上述のように良好な操舵操作性を実現することができるものであれば、基本マップは必ずしも油圧式のパワーステアリング装置を搭載した場合のダンピング特性を再現するものである必要はない。
【0034】
上記実施形態におけるダンピングマップ1222は、ダンピング制御電流値Idと操舵角速度ωとの対応関係を示す前記ゲインKdや所定の関数式であってもい。このゲインKdや所定の関数式は、上記基本マップに代えて基本車両において予め設定されるゲインや関数式に対し、補正値である上記比率Nの逆数(1/N)を乗じることにより同様に作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る電動パワーステアリング装置の構成をそれに関連する車両構成と共に示す概略図である。
【図2】上記一実施形態に係る電動パワーステアリング装置における制御装置であるECUの機能的構成を示すブロック図である。
【図3】上記一実施形態における目標電流設定部の構成を示すブロック図である。
【図4】上記一実施形態におけるダンピング制御部の構成を示すブロック図である。
【図5】上記一実施形態におけるダンピングマップ(対象マップ)の設定方法の手順を示すフローチャートである。
【図6】上記一実施形態における粘性項を算出するためのサブルーチンの処理手順を示すフローチャートである。
【図7】上記一実施形態における基本マップと2種類の対象マップとを示す図である。
【符号の説明】
2 …操舵角速度センサ
3 …トルクセンサ
4 …車速センサ
5 …電子制御ユニット(ECU)
6 …モータ
10 …マイクロコンピュータ(モータ制御部)
12 …目標電流設定部(目標値設定手段)
14 …減算器
16 …フィードバック制御演算部(FB制御演算部)
18 …PWM信号生成回路
19 …電流検出器
20 …モータ駆動回路
121 …アシスト電流設定部
122 …ダンピング制御部(補償電流値設定手段)
123 …減算器
1221…ダンピング電流値決定部
1222…ダンピングマップ
It …電流目標値
It’…基本アシスト電流値
Is …電流検出値
Id …ダンピング制御電流値
V …車速
T …操舵トルク
ω …操舵角速度
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動モータによって車両のステアリング機構に操舵補助力を与える電動パワーステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、運転者がハンドル(ステアリングホイール)に加える操舵トルクに応じて電動モータを駆動することによりステアリング機構に操舵補助力を与える電動パワーステアリング装置が用いられている。この電動パワーステアリング装置では、操舵のための操作手段であるハンドルに加えられる操舵トルクを検出して当該操舵トルクを示すトルク検出信号を出力するトルクセンサが設けられており、そのトルクセンサからのトルク検出信号に基づき電動モータに流すべき電流の目標値が設定される。なお、この目標値の設定には、予め定められたトルク値と電流値との対応関係を示すテーブル(「アシストテーブル」と呼ばれる)が用いられる。そして、比例積分制御器によりこの目標値と電動モータに実際に流れる電流の検出値との偏差に基づき、電動モータの駆動手段に与えるべき指令値が生成される。電動モータの駆動手段は、その指令値に応じたデューティ比のパルス幅変調信号(PWM信号)を生成するPWM信号生成回路と、そのPWM信号のデューティ比に応じてオン/オフするパワートランジスタを用いて構成されるモータ駆動回路とから成り、そのデューティ比に応じた電圧すなわち指令値に応じた電圧を電動モータに印加する。この電圧印加によって電動モータに流れる電流は電流検出回路によって検出され、上記目標値とこの検出値との差が上記指令値を生成するための偏差として使用される。
【0003】
以上のように、従来の電動パワーステアリング装置では、電動モータに流すべき電流の目標値は操舵トルクに応じて決定されるが、さらに詳しくは、操舵トルクに応じて決定され操舵補助力を与えるために電動モータに流すべき電流の目標値(「基本アシスト電流値」と呼ばれる)に対して、操舵角速度に基づき操舵操作の操作性を向上させるためのダンピング制御電流値が減算されることにより、電動モータに流すべき電流の目標値が決定されることが多い。このダンピング制御により、操舵時の手応え感や、車両の収斂性能(つまり、手放し時におけるハンドルの左右への振動の収まり性)を向上させることができる。
【0004】
ここで、ダンピング制御は、ハンドルの回転角速度である操舵角速度と上記ダンピング制御電流値との対応関係を示すテーブル(以下「ダンピングマップ」という)に基づき行われることが多い。通常、このダンピングマップは、線形の対応関係を示しているが、特開平8−207812号公報では、非線形の対応関係を示している。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−207812号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、油圧式のパワーステアリング装置により内在的に実現される特性であって上記ダンピング制御の特性に相当する特性(以下「ダンピング特性」という)は、当該電動パワーステアリング装置を搭載しようとする車両の車種毎にそれぞれ異なるため、車種毎に、油圧式パワーステアリング装置を搭載した車両のダンピング特性の計測またはシミュレーションを行う必要がある。したがって、車種毎に上記ダンピング特性を実現する所望のダンピングマップを作成するためには多くの時間と費用とが必要となる。
【0007】
そこで、本発明の目的は、車種毎に油圧式パワーステアリング装置を搭載した場合の制御特性の計測またはシミュレーションを行うことなく、簡易な方法で所望のダンピング特性を実現するための制御を行う電動パワーステアリング装置およびその制御特性を設定する方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
第1の発明は、車両操舵のための操作手段によって加えられる操舵トルクに応じて電動モータを駆動することにより当該車両のステアリング機構に操舵補助力を与える電動パワーステアリング装置であって、
前記操舵トルクを検出するトルクセンサと、
前記操作手段の操作による操舵角変化の速度である操舵角速度を検出する操舵角速度検出手段と、
前記車両とは車種が異なる他の車両の特性に基づき決定される所定の対応関係に基づき、前記操舵角速度に応じた前記車両の制御のための補償電流値を設定する補償電流値設定手段と、
前記操舵トルクに基づき、前記操舵補助力を与えるために前記電動モータに供給すべき電流の目標値である基本アシスト電流値を算出し、当該基本アシスト電流値に対して前記補償電流値を減算することにより目標値を設定する目標値設定手段と、
前記目標値と前記電動モータに流れる電流値との偏差に基づき、前記電動モータに対してフィードバック制御を行う制御手段と
を備え、
前記補償電流値設定手段は、前記他の車両において予め求めた操舵角速度と補償電流値との対応関係における補償電流値に対して所定の補正値を乗算することにより決定される前記所定の対応関係に基づき前記車両の補償電流値を設定することを特徴とする。
【0009】
このような第1の発明によれば、補償電流値を設定するための所定の対応関係は、例えば油圧式のパワーステアリング装置を搭載した他の車両における対応関係に対して所定の補正値を乗算することにより設定される。このことにより、車種毎に油圧式のパワーステアリング装置を搭載した場合の制御特性の計測またはシミュレーションを行うことなく、簡易な方法で良好な操舵操作性を実現するための(例えば油圧式のパワーステアリング装置の)ダンピング特性を適切に再現することができる。
【0010】
第2の発明は、第1の発明において、
前記補正値は、前記他の車両の粘性特性を示す値Caに対する前記車両の粘性特性を示す値Cbの比率の逆数(Ca/Cb)であることを特徴とする。
【0011】
このような第2の発明によれば、他の車両の粘性項に対する本車両の粘性項の比率の逆数を補正値として用いるため、車両の一般的な運動方程式における粘性項の大きさと密接な関係があるダンピング特性をより適切に再現することができる。
【0012】
第3の発明は、車両操舵のための操作手段によって加えられる操舵トルクに応じて電動モータを駆動することにより当該車両のステアリング機構に操舵補助力を与える電動パワーステアリング装置であって、前記操作手段の操作による操舵角変化の速度である操舵角速度に応じて算出された前記車両の制御のための補償電流値を、前記操舵補助力を与えるために前記電動モータに供給すべき電流目標値として前記操舵トルクに基づき算出された基本アシスト電流値に対して減算することにより目標値を設定し、当該目標値と前記電動モータに流れる電流値との偏差に基づき、前記電動モータに対してフィードバック制御を行う制御手段を備える電動パワーステアリング装置の制御特性を設定する方法であって、
前記車両とは車種が異なる他の車両の粘性特性を示す値Caに対する前記車両の粘性特性を示す値Cbの比率の逆数(Ca/Cb)である補正値を算出するステップと、
前記他の車両における操舵角速度と補償電流値との対応関係における補償電流値に対して前記補正値を乗算することにより得られる補償電流値に基づき、前記車両における操舵角速度と補償電流値との対応関係を設定するステップと
を含むことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。
<1.全体構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る電動パワーステアリング装置の構成を、それに関連する車両構成と共に示した概略図である。この電動パワーステアリング装置は、操舵のための操作手段としてのハンドル(ステアリングホイール)100に一端が固着されるステアリングシャフト102と、そのステアリングシャフト102の他端に連結されたラックピニオン機構104と、ハンドル100の回転角速度である操舵角速度を検出する操舵角速度センサ2と、ハンドル100の操作によってステアリングシャフト102に加えられる操舵トルクを検出するトルクセンサ3と、この電動パワーステアリング装置が搭載される車両の車速を検出する車速センサ4と、ハンドル操作(操舵操作)による運転者の負荷を軽減するための操舵補助力を発生させる電動モータ6と、そのモータ6の発生する操舵補助力をステアリングシャフト102に伝達する減速ギヤ7と、車載バッテリ8からイグニションスイッチ9を介して電源の供給を受け、操舵角速度センサ2、トルクセンサ3、および車速センサ4からのセンサ信号に基づきモータ6の駆動を制御する電子制御ユニット(ECU)5とを備えている。
【0014】
ここで、ステアリングシャフト102において、ハンドル100側の部分と、減速ギヤ7を介して操舵補助トルクの加えられる部分との間にはトーションバーが介装されている。トルクセンサ3は、そのトーションバーのねじれを検出することにより操舵トルクを検出する。このようにして検出された操舵トルクの検出値Tは、操舵トルク検出信号としてトルクセンサ3から出力され、ECU5に入力される。また、操舵角速度センサ2は、操舵角速度の検出値ωを示す信号を操舵角速度信号として出力する。さらに、車速センサ4は、車両の走行速度である車速の検出値Vを示す信号を車速信号として出力する。これらの操舵角速度信号および車速信号もECU5に入力される。
【0015】
このような電動パワーステアリング装置を搭載した車両において運転者がハンドル100を操作すると、その操作による操舵トルクがトルクセンサ3によって検出され、その操舵トルクの検出値Tと車速センサ4によって検出された車速の検出値Vとに基づいてECU5によりモータ6が駆動される。これによりモータ6は操舵補助力を発生し、この操舵補助力が減速ギヤ7を介してステアリングシャフト102に加えられることにより、操舵操作による運転者の負荷が軽減される。すなわち、ハンドル操作によって加えられる操舵トルクと、モータ6の発生する操舵補助力によるトルクとの和が出力トルクとして、ステアリングシャフト102を介してラックピニオン機構104に与えられる。これによりピニオン軸が回転すると、その回転がラックピニオン機構104によってラック軸の往復運動に変換される。ラック軸の両端はタイロッドおよびナックルアームから成る連結部材106を介して車輪108に連結されており、ラック軸の往復運動に応じて車輪108の向きが変わる。
【0016】
<2.制御装置の構成および動作>
図2は、上記電動パワーステアリング装置における制御装置であるECU5の機能的構成を示すブロック図である。このECU5は、モータ制御部として機能するマイクロコンピュータ(以下「マイコン」と略記する)10と、そのマイコン10から出力される指令値Dに応じたデューティ比のパルス幅変調信号(PWM信号)を生成するPWM信号生成回路18と、そのPWM信号のデューティ比に応じた電圧をモータ6に印加するモータ駆動回路20と、モータ6に流れる電流を検出する電流検出器19とから構成される。
【0017】
マイコン10は、その内部のメモリに格納された所定のプログラムを実行することにより、目標電流設定部12と減算器14とフィードバック制御演算部(以下「FB制御演算部」と略記する)16とからなるモータ制御部として機能する。このモータ制御部において、目標電流設定部12は、操舵角速度センサ2から出力される操舵角速度の検出値ω(以下、単に「操舵角速度ω」という)と、トルクセンサ3から出力される操舵トルクの検出値T(以下、単に「操舵トルクT」という)と、車速センサ4から出力される車速の検出値V(以下、単に「車速V」という)とに基づき、モータ6に流すべき電流の目標値Itを決定する。この目標電流設定部12の詳細な構成および動作については後述する。減算器14は、この目標電流設定部12から出力される電流目標値Itと電流検出器19から出力されるモータ電流の検出値Isとの偏差It−Isを算出する。FB制御演算部16は、この偏差It−Isに基づく比例積分制御演算によって、PWM信号生成回路18に与えるべきフィードバック制御のための上記指令値Dを生成する。
【0018】
PWM信号生成回路18は、この指令値Dに応じたデューティ比のパルス信号、すなわち指令値Dに応じてパルス幅の変化するPWM信号を生成する。モータ駆動回路20は、典型的にはバッテリ8の電源ラインと接地ラインとの間に接続される4個の電力用の電界効果型トランジスタからなるブリッジ回路であって、PWM信号のパルス幅(デューティ比)に応じた電圧をモータ6に印加する。モータ6は、その電圧印加によって流れる電流に応じた大きさおよび方向のトルクを発生する。このように、電流目標値Itを受け取る減算器14、FB制御演算部16、PWM信号生成回路18、モータ駆動回路20、およびモータ電流の検出値Isを減算器14へ出力する電流検出器19は、モータ6に対するフィードバック制御を行う制御手段を構成する。なお、上記電動モータ6はブラシ付きの一般的な直流モータであるが、本発明における駆動手段としての電動モータは、上記モータに限定されるものではなく、例えばブラシレスモータであってもよい。
【0019】
<3.目標電流設定部の詳細な構成および動作>
図3は、上記一実施形態における目標電流設定部12の構成を示すブロック図である。この目標電流設定部12は、操舵トルクTを受け取り、電流目標値Itを算出する基礎となる値であって操舵補助力を与えるために電動モータに流すべき電流の目標値である基本アシスト電流値It’を出力するアシスト電流設定部121と、操舵角速度ωを受け取り車両の収斂性能等を向上させるためのダンピング制御電流値Idを出力するダンピング制御部122と、上記基本アシスト電流値It’からダンピング制御電流値Idを減算することにより上記電流目標値Itを出力する減算器123とを含む。なお、上記操舵トルクTは、所定のパラメータを有する位相進み等のフィルタからなる図示されない位相補償器を通すことにより位相補償が行われてもよい。以下、目標電流設定部12の各構成要素の動作について詳細に説明する。
【0020】
なお、以下では、マイコン10が所定のプログラムを実行することにより、目標電流設定部12における各種構成要素がソフトウェア的に実現されるように構成されるが、これらの構成要素の一部または全部は、専用の電子回路等によりハードウェア的に実現されてもよい。
【0021】
アシスト電流設定部121は、トルクセンサ3からの操舵トルクTと車速Vとに基づき基本アシスト電流値It’を算出する。具体的には、適切な操舵補助力を発生させるためにモータ6に供給すべき電流目標値を算出する基礎となるべき基本アシスト電流値It’と操舵トルクTとの関係を車速Vをパラメータとして示すアシストテーブルがアシスト電流設定部121に予め保持されており、アシスト電流設定部121は、このアシストテーブルを参照して基本アシスト電流値It’を設定する。このアシストテーブルは、車速Vが小さいほど、また操舵トルクTが大きいほど基本アシスト電流値It’を大きくするように設定される。そうすれば、ハンドルが重いときほど操舵補助力が大きくなり、操舵操作が容易になる。
【0022】
ダンピング制御部122は、操舵角速度センサ2からの操舵角速度ωに基づきダンピング制御電流値Idを算出する。なお、操舵角速度センサ2に代えてハンドルの回転角度である舵角を検知する舵角センサが設けられ、さらにこの舵角センサからの舵角を微分することにより得られる操舵角速度をダンピング制御部122に与える微分器が新たに設けられ、舵角センサおよび微分器により操舵角速度を検出する手段が構成されてもよい。また、操舵角速度センサ2に代えて、電動モータ6の回転角速度を検出または逆起電力により推定する手段が設けられることにより、操舵角速度を検出する手段が構成されてもよい。以下、ダンピング制御部122の構成について詳述する。
【0023】
図4は、ダンピング制御部122の詳細な構成を示すブロック図である。ダンピング制御部122は、所定の設定方法に基づき予め定められたダンピングマップ1222と、このダンピングマップ1222を参照することによりダンピング制御電流値Idを決定するダンピング電流値決定部1221とを含む。ダンピングマップ1222は、車両の収斂性能等を向上させるためのダンピング制御電流値Idと操舵角速度との対応関係を示すテーブルである。このダンピングマップ1222の設定方法については後述する。ダンピング電流値決定部1221は、ダンピングマップ1222を参照することにより、操舵角速度センサ2からの操舵角速度ωに対応するダンピング制御電流値Idを決定する。なお、このダンピングマップ1222は、アシストテーブルと同様に、車速Vをパラメータとして上記対応関係を示すテーブルであってもよい。また、このダンピングマップ1222に代えて、ダンピング制御電流値Idを算出するために操舵角速度に乗算されるべき所定の係数であるゲインKdや所定の関数式が保持されていてもよい。以上のように設定されるダンピング制御電流値Idは、減算器123により基本アシスト電流値It’から減算され、当該減算値(減算結果)は電流目標値Itとして出力される。以下、上記ダンピングマップ1222の設定方法につき詳述する。
【0024】
<4.ダンピングマップの設定方法>
前述したように、従来のダンピングマップは、当該ダンピングマップを含む電動パワーステアリング装置を搭載しようとする車種毎に、既存の油圧式パワーステアリング装置を搭載した車両に対する計測またはシミュレーションにより得られるダンピング特性に基づき作成される。このように作成されるのは、ダンピング特性が車種毎に異なるためであるが、このダンピング特性は、車両の一般的な運動方程式における粘性項(ダンピング係数)の大きさと密接な関係がある。そこで、全ての車種の基本となるべき任意の1つの車種の車両(以下「基本車両」という)のダンピング特性を予め計測またはシミュレーションで得ることによりダンピングマップを作成する(このダンピングマップを以下では「基本マップ」という)。そうすれば、この基本車種以外の車種であって、設定しようとするダンピングマップを含む電動パワーステアリング装置を搭載する車種の車両(以下「対象車両」という)の粘性特性を示す上記粘性項と基本車両の粘性特性を示す上記粘性項との関係から基本マップを変形することにより対象車両のダンピングマップ(以下「対象マップ」ともいう)を作成することができる。以下、このダンピングマップ1222(対象マップ)の設定方法につき説明する。
【0025】
図5は、上記ダンピングマップ(対象マップ)の設定方法の手順を示すフローチャートである。図に示す手順では、基本車両の諸元に基づき基本車両の運動方程式における粘性項Caが算出され(ステップS10)、対象車両の諸元に基づき対象車両の運動方程式における粘性項Cbが算出される(ステップS20)。これらの粘性項を算出するための処理は、具体的には図6に示すサブルーチンの手順で行われる。以下、上記ステップS20において粘性項を算出するための手順を例にして説明する。
【0026】
図6は、粘性項を算出するためのサブルーチンの処理手順を示すフローチャートである。一般的に、車両の運動方程式における慣性項Iは、次式(1)のように表される。
I=m・r2 …(1)
ここで、mは車両の前軸荷重を示し、rは車両の重心から前軸(の中点位置)までの距離を示す。基本車両(および対象車両)の諸元としての上記m,rは予め判明しているため、基本車両(および対象車両)の慣性項Iは、上式(1)により算出される(ステップS110)。
【0027】
次に、一般的に車両の運動方程式におけるバネ項は、車両の前軸荷重にほぼ比例する。よって、基本車両の前軸荷重を基礎とするとき、対象車両のバネ項Kは次式(2)のように表される。
K=Ka・(Wb/Wa) …(2)
ここで、Kaは基本車両のバネ項を示し、Waは基本車両の前軸荷重を示し、Wbは対象車両の前軸荷重を示す。したがって、各車両の前軸荷重だけでなく、基本車両のバネ項Kaも予め判明していなければならない。一般的に、車両のバネ項は、車両のラックストロークを横軸に、ラック軸力を縦軸に取るときの特性直線の傾きに略一致するため、これらを求めるための計測またはシミュレーションにより得ることができる。ここでは、基本車両のバネ項のみを得ることにより、対象車両のバネ項を計測またはシミュレーションによることなく、上式(2)により得ることができる(ステップS120)。
【0028】
次に、一般的に車両の運動方程式における粘性項Cは、次式(3)のように表される。
【数1】
ここで、ζは減衰係数を示しており、例えばζ=0.6である。したがって、上記ステップS110において求められる慣性項Iと、ステップS120において求められるバネ項Kとに基づき、上式(3)により粘性項Cが求められる(ステップS130)。
【0029】
以上のように、図5に示すステップS20では上記のステップS110〜S130の処理に基づき、対象車両の粘性項Cbが算出される。また、ステップS10でもほぼ同様に、上記のステップS110,S130の処理に基づき、基本車両の粘性項Caが算出されるが、基本車両のバネ項Kaは前述のように予め判明しているため、ステップS120の処理は省略される。。
【0030】
次に、基本車両の粘性項Caに対する対象車両の粘性項Cbの比率(割合)Nが算出される(ステップS30)。この比率が高い(すなわち粘性項の値が大きい)ほど、車両のダンピング特性が良好になるため、ダンピング制御のために必要となるダンピング制御電流値は小さくなる。そこで、基本マップに上記比率Nの逆数(1/N)を乗じることにより対象マップ(すなわちダンピングマップ1222)を作成する(ステップS40)。
【0031】
図7は、基本マップと2種類の対象マップとを示す図である。図の点線は基本マップを示し、実線は本実施形態における対象マップを示し、一点鎖線はそれとは異なる別例としての他の対象マップを示している。前述したように上記基本マップは、基本車両に油圧式のパワーステアリング装置を搭載した場合のダンピング特性を再現するように実測または所定のシミュレーションにより得られる値に基づき設定される。対象マップの所定の操舵角速度に対するダンピング制御電流値Idは、この基本マップの上記操舵角速度でのダンピング制御電流値に上記比率Nの逆数を乗じることにより算出される。図に示す対象マップはN<1の一例であり、他の対象マップはN>1の一例である。
【0032】
<5.効果>
以上のように、上記一実施形態によれば、ダンピング制御電流値を決定するダンピングマップは、基本車両の粘性項Caに対する対象車両の粘性項Cbの比率Nの逆数を基本マップに対して乗じることにより設定される。したがって、車種毎に油圧式のパワーステアリング装置を搭載した場合の制御特性の計測またはシミュレーションを行うことなく、簡易な方法で良好な操舵操作性を実現するために典型的な油圧式のパワーステアリング装置のダンピング特性を適切に再現することができる。
【0033】
<6.変形例>
上記実施形態における基本マップは、基本車両に油圧式のパワーステアリング装置を搭載した場合のダンピング特性を再現するように設定される。このように、基本マップおよび対象マップは1次より大きい次数の曲線を構成し、操舵角速度ωとダンピング制御電流値Idとは(線形の)比例関係にない。このように構成されるのは、ハンドルの切り始めでのトルクの引っかかり感を低減するために、操舵角速度が小さい領域での操舵角速度ωに対するダンピング制御電流値Idの増加率を小さくし、かつハンドルを切り込んでいくときの収斂性を高めるために、操舵角速度が比較的大きい領域で上記増加率を大きくするためである。このような良好な操舵操作性を実現するためには、前述のように油圧式のパワーステアリング装置により内在的に実現されるダンピング特性を再現することが好適であるため、上記基本マップは、典型的には基本車両に油圧式のパワーステアリング装置を搭載した場合のダンピング特性を再現するように実測または所定のシミュレーションにより得られる値に基づき設定される。したがって、上述のように良好な操舵操作性を実現することができるものであれば、基本マップは必ずしも油圧式のパワーステアリング装置を搭載した場合のダンピング特性を再現するものである必要はない。
【0034】
上記実施形態におけるダンピングマップ1222は、ダンピング制御電流値Idと操舵角速度ωとの対応関係を示す前記ゲインKdや所定の関数式であってもい。このゲインKdや所定の関数式は、上記基本マップに代えて基本車両において予め設定されるゲインや関数式に対し、補正値である上記比率Nの逆数(1/N)を乗じることにより同様に作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る電動パワーステアリング装置の構成をそれに関連する車両構成と共に示す概略図である。
【図2】上記一実施形態に係る電動パワーステアリング装置における制御装置であるECUの機能的構成を示すブロック図である。
【図3】上記一実施形態における目標電流設定部の構成を示すブロック図である。
【図4】上記一実施形態におけるダンピング制御部の構成を示すブロック図である。
【図5】上記一実施形態におけるダンピングマップ(対象マップ)の設定方法の手順を示すフローチャートである。
【図6】上記一実施形態における粘性項を算出するためのサブルーチンの処理手順を示すフローチャートである。
【図7】上記一実施形態における基本マップと2種類の対象マップとを示す図である。
【符号の説明】
2 …操舵角速度センサ
3 …トルクセンサ
4 …車速センサ
5 …電子制御ユニット(ECU)
6 …モータ
10 …マイクロコンピュータ(モータ制御部)
12 …目標電流設定部(目標値設定手段)
14 …減算器
16 …フィードバック制御演算部(FB制御演算部)
18 …PWM信号生成回路
19 …電流検出器
20 …モータ駆動回路
121 …アシスト電流設定部
122 …ダンピング制御部(補償電流値設定手段)
123 …減算器
1221…ダンピング電流値決定部
1222…ダンピングマップ
It …電流目標値
It’…基本アシスト電流値
Is …電流検出値
Id …ダンピング制御電流値
V …車速
T …操舵トルク
ω …操舵角速度
Claims (3)
- 車両操舵のための操作手段によって加えられる操舵トルクに応じて電動モータを駆動することにより当該車両のステアリング機構に操舵補助力を与える電動パワーステアリング装置であって、
前記操舵トルクを検出するトルクセンサと、
前記操作手段の操作による操舵角変化の速度である操舵角速度を検出する操舵角速度検出手段と、
前記車両とは車種が異なる他の車両の特性に基づき決定される所定の対応関係に基づき、前記操舵角速度に応じた前記車両の制御のための補償電流値を設定する補償電流値設定手段と、
前記操舵トルクに基づき、前記操舵補助力を与えるために前記電動モータに供給すべき電流の目標値である基本アシスト電流値を算出し、当該基本アシスト電流値に対して前記補償電流値を減算することにより目標値を設定する目標値設定手段と、
前記目標値と前記電動モータに流れる電流値との偏差に基づき、前記電動モータに対してフィードバック制御を行う制御手段と
を備え、
前記補償電流値設定手段は、前記他の車両において予め求めた操舵角速度と補償電流値との対応関係における補償電流値に対して所定の補正値を乗算することにより決定される前記所定の対応関係に基づき前記車両の補償電流値を設定することを特徴とする、電動パワーステアリング装置。 - 前記補正値は、前記他の車両の粘性特性を示す値Caに対する前記車両の粘性特性を示す値Cbの比率の逆数(Ca/Cb)であることを特徴とする、請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
- 車両操舵のための操作手段によって加えられる操舵トルクに応じて電動モータを駆動することにより当該車両のステアリング機構に操舵補助力を与える電動パワーステアリング装置であって、前記操作手段の操作による操舵角変化の速度である操舵角速度に応じて算出された前記車両の制御のための補償電流値を、前記操舵補助力を与えるために前記電動モータに供給すべき電流目標値として前記操舵トルクに基づき算出された基本アシスト電流値に対して減算することにより目標値を設定し、当該目標値と前記電動モータに流れる電流値との偏差に基づき、前記電動モータに対してフィードバック制御を行う制御手段を備える電動パワーステアリング装置の制御特性を設定する方法であって、
前記車両とは車種が異なる他の車両の粘性特性を示す値Caに対する前記車両の粘性特性を示す値Cbの比率の逆数(Ca/Cb)である補正値を算出するステップと、
前記他の車両における操舵角速度と補償電流値との対応関係における補償電流値に対して前記補正値を乗算することにより得られる補償電流値に基づき、前記車両における操舵角速度と補償電流値との対応関係を設定するステップと
を含むことを特徴とする、電動パワーステアリング装置の制御特性を設定する方法。
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JP2003046539A Pending JP2004255933A (ja) | 2003-02-24 | 2003-02-24 | 電動パワーステアリング装置およびその制御特性を設定する方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004255933A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010029031A (ja) * | 2008-07-23 | 2010-02-04 | Jtekt Corp | モータ制御装置 |
JP2015182515A (ja) * | 2014-03-20 | 2015-10-22 | トヨタ自動車株式会社 | 操舵制御装置 |
-
2003
- 2003-02-24 JP JP2003046539A patent/JP2004255933A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010029031A (ja) * | 2008-07-23 | 2010-02-04 | Jtekt Corp | モータ制御装置 |
JP2015182515A (ja) * | 2014-03-20 | 2015-10-22 | トヨタ自動車株式会社 | 操舵制御装置 |
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