JP2004255864A - 樹脂延伸フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】 インモールド成形時に成形容器とラベルの間に閉じこめられる空気を逃がすためにエンボス加工等を行う必要がなく、生産性が高くて材料選択の幅も広い樹脂延伸フィルムを提供すること。
【解決手段】 液体吸収係数が5ml/m2・(ms)1/2以上である基材フィルムに、水系ヒートシール性樹脂コート層(E)を設けたことを特徴とする樹脂延伸フィルム。
【選択図】 なし

Description

本発明は、差圧成形、中空成形、射出成形、発泡成形、延伸ブロー成形又は圧縮成形によって製造される熱可塑性樹脂容器に容器成形と同時に貼着されるインモールド成形用ラベルや熱シールにより作られる各種包装袋などに用いることができる水系ヒートシール性樹脂コート層(E)を設けた樹脂延伸フィルム及びそれを用いて得られた製品に関する。
耐水性、対薬品性、耐久性等が必要な用途に供するインモールド成形用ラベルの開発が従来から行われている。例えば、延伸または無延伸のポリオレフィン樹脂からなる透明フィルムや無機微細粉末や有機フィラーを配合した延伸または無延伸のポリオレフィン樹脂からなる白色フィルム(合成紙)等の片面に、各種のヒートシール性樹脂層をフィルム製造の過程で共押し出ししたもの(特許文献1)、予めエンボス加工されたヒートシール性樹脂フィルムを貼合またはラミネートしたもの、各種の塗工設備を用いてヒートシール性樹脂を表面にコートしたもの(特許文献2)等が開発され一部で商品化されている。
これら従来のインモールド成形用ラベルは、インモールド成形時に成形容器とラベルの間に閉じこめられる空気を逃がすために、製造過程においてヒートシール樹脂層面にエンボス加工したり、予めエンボス加工されたフィルムを貼合またはラミネートしたり、塗工の際に台形型のパターンを設けたりすることが必要とされていた。また、これら空気を逃がすためのパターンが表面に形成できない場合は、ラベル自体に細孔を開けて空気を逃がす方法(特許文献3)が提案されていた。しかし、いずれの方法によっても製造工程が複雑になり、生産性の低下、不良品発生数の増加、製造コストの上昇といった問題を避けることができなかった。
また、インモールド成形用ラベルの製造過程で共押し出しによりヒートシール性樹脂層を設ける従来法では、使用するヒートシール性樹脂の耐熱性、腐食性、溶融時の粘度特性から自ずと使用可能な樹脂が制限されるという問題もあった。
さらに、各種塗工設備でコートする従来法による場合は、予めエンボス加工などを行った基材フィルムの表面にヒートシール性樹脂をコートしようとすると(特許文献4)、基材フィルムの溶媒吸収性が低いために塗工剤の大半が乾燥時に基材フィルムにつけたエンボスの凹部に集まってしまい、コート表面にエンボス形状を再現しにくくなる問題があった。吸水性の無いフィルムを使用する場合は、ホットメルト型樹脂や溶剤系ヒートシール樹脂の塗料を高粘度の状態でグラビヤ塗工機により塗工して彫刻ロールセルの台形パターンを基材表面につける方法も採用されている。しかし、この場合においても高粘度でのコートが必須であるため、生産性低下による製造コストの上昇や、有機溶媒を用いることによる火災や環境汚染の問題があった。
特開平2−84319号公報 特開平2−122914号公報 特開平2−108516号公報 特開平5−249895号公報
本発明は、これらの従来技術の問題点を解決することを課題とした。すなわち本発明は、ヒートシール性樹脂コート層を基材フィルム表面に設ける際に、コート層表面に特定のパターンを設けたり、貫通細孔を開けたりする必要をなくすことを課題とした。また、ヒートシール性樹脂コート層を構成する材料の選択性を広げ、塗工及び加工設備に係わる制限を緩和することにより、優れた生産性とインモールドラベル性能を有する樹脂延伸フィルムを提供することも課題とした。さらに、優れた機能を有するインモールド成形用ラベルや、そのラベルが貼着されたインモールド成形容器を提供することも課題とした。
本発明者らは鋭意研究を行った結果、液体吸収係数が5ml/m2・(ms)1/2以上の基材フィルム表面に水系ヒートシール性樹脂コート剤を塗工することにより生産時の諸問題を解決することができ、なお且つ優れた特性を有する樹脂延伸フィルムを提供しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、液体吸収係数が5ml/m2・(ms)1/2以上である基材フィルム表面に水系ヒートシール性樹脂コート層(E)を設けた樹脂延伸フィルムに関する。
本発明で用いる基材フィルムの表面開口率は7%以上であることが好ましく、また少なくとも1方向に延伸され、かつ面積延伸倍率が2〜80倍であることが好ましい。また、基材フィルムは、熱可塑性樹脂(A)、少なくとも1種類の表面処理剤(D)により表面処理された無機微細粉末(B)、有機フィラー、分散剤(C)を含有することが好ましく、特に熱可塑性樹脂(A)20〜80重量%、無機微細粉末(B)80〜20重量%、有機フィラー0〜50重量%の割合で配合した樹脂組成物100重量部に対し、分散剤(C)0.01〜100重量部を含有することが好ましい。無機微細粉末は表面処理剤(D)で表面を親水化処理したものが好ましい。
基材フィルムに含まれる熱可塑性樹脂(A)は結晶性ポリオレフィン樹脂であることが好ましく、分散剤(C)は酸変性ポリオレフィン(好ましい酸変性率は0.01〜20%)及び/又はシラノール変性ポリオレフィンであることが好ましく、表面処理剤(D)は水溶性カチオンポリマー及び/又は水溶性アニオン系界面活性剤で処理された無機微細粉末が好ましく、前記水溶性カチオンポリマーはジアリルアミン塩及び/又はアルキルジアリルアミン塩と非イオン親水性ビニルモノマーとを構成単位とするものを用いることが好ましい。
水系ヒートシール性樹脂コート層(E)は水系のディスパージョンにより設けられた層であることが好ましく、その平均粒子径が基材フィルム表面の平均開口径より大きいものが好ましい。
また、ヒートシール性樹脂を塗工した後の乾燥を完了した時、コート層の塗膜表面はディスパージョン粒子形態で形成されることが好まく、ヒートシール性樹脂の相転移温度が50〜140℃であることが好ましい。更に水系ヒートシール性樹脂コート剤の塗工はインライン及び/又はアウトラインのどちらで(あるいは両方で)実施してもよい。
本発明の水系ヒートシール性樹脂コート層(E)を設ける基材フィルムは上記の条件を満たす限り、他の樹脂フィルムやその他の材料に積層した構造を有するものであってもよい。特に水系ヒートシール性樹脂コート層(E)を設ける基材フィルムが最外層となるように他の樹脂フィルムと積層した積層構造が好ましい。従って本発明の水系ヒートシール性樹脂コート層(E)を最外層として設けた樹脂延伸フィルムは、基材フィルムが単層構造であっても多層構造であってもよく、水系ヒートシール性樹脂コート層(E)の反対面に印刷及び/又は印字により装飾されたもの、また水系ヒートシール性樹脂コート層(E)面が印刷及び/又は印字により装飾されたものも上記の条件を満たすものである限り本発明の範囲内に包含される。
また上記樹脂延伸フィルムを用いたインモールド成形用ラベル及び該ラベルが貼着されたインモールド成形容器も含む。インモールド成形容器は、差圧成形、中空成形、射出成形、発泡成形、延伸ブロー成形又は圧縮成形によって製造されたものであることが好ましく、また、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニルおよびポリカーボネートからなる群より選択される材料からなるものが好ましい。
本発明の樹脂延伸フィルムは、液体の吸収性に優れている基材フィルムと水系ヒートシール性樹脂コート層を有するものであり、優れたインモールドラベル適性を示すものである。本発明の樹脂延伸フィルムは、従来より少ない塗工量で製造することができ、従来行っていた空気を逃がすためのエンボス等の表面加工の必要がないため、効率よく製造することができる。また、本発明の樹脂延伸フィルムを構成するヒートシール性樹脂コート層は、広範な材料で構成することが可能であり、また、塗工及び加工設備に係わる制限も従来に比べて大幅に緩和されている。
発明の実施の形態
以下において、本発明の水系ヒートシール性樹脂コート層(E)を設けた樹脂延伸フィルムについて詳細に説明する。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
[熱可塑性樹脂(A)]
本発明の水系ヒートシール性樹脂コート層(E)を設ける基材フィルムは、熱可塑性樹脂を含むものである。基材フィルムに使用する熱可塑性樹脂(A)としては、結晶性プロピレン系樹脂、あるいは高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン等の結晶性エチレン系樹脂、ポリメチルー1−ペンテンエチレン−環状オレフィン共重合体等の結晶性ポリオレフィン系樹脂、ナイロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン−6,10、ナイロン−6,12等のポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレートやその共重合体、ポリエチレンナフタレート、脂肪族ポリエステル等の熱可塑性ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート、アタクティックポリスチレン、シンジオタクティックポリスチレン、ポリフェニレンスルフィド等の熱可塑性樹脂が挙げられる。これらは2種以上混合して用いることもできる。
これらの中でも、耐薬品性や生産コスト等の観点より、結晶性ポリオレフィン系樹脂を用いることが好ましく、結晶性プロピレン系樹脂を用いることがより好ましい。
結晶性プロピレン系樹脂としてはプロピレン単独重合させたアイソタクティック重合体またはシンジオタクティック重合体を用いることが好ましい。また、エチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィンとプロピレンとを共重合させた様々な立体規則性を有するプロピレンを主成分とする共重合体を使用することもできる。共重合体は2元系でも3元系以上の多元系でもよく、またランダム共重合体でもブロック共重合体でもよい。
基材フィルムにおける熱可塑性樹脂(A)の含有量は、通常20〜80重量%、好ましくは25〜75重量%である。
[無機微細粉末(B)及び有機フィラー]
本発明の樹脂延伸フィルムを構成する基材フィルムに使用することができる無機微細粉末(B)として、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、焼成クレー、タルク、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、珪藻土、酸化珪素などの無機微細粉末、無機微細粉末の核の周囲にアルミニウム酸化物ないしは水酸化物を有する複合無機微細粉末、中空ガラスビーズ等を例示することができる。中でも重質炭酸カルシウム、焼成クレー、珪藻土を使用すれば、安価な点及び延伸時に多くの空孔が形成されて好ましい。
基材フィルムにおける無機微細粉末(B)の含有量は、20〜80重量%が好ましく、25〜75重量%がより好ましい。無機微細粉末(B)の含有量が80重量%を超えると延伸が困難になる傾向がある。20重量%未満では所望の表面開口率が得られず液体吸収係数の改善が不十分になる傾向がある。
本発明の樹脂延伸フィルムを構成する基材フィルムに使用することができる有機フィラーは、空孔形成の目的のために、上記の熱可塑性樹脂(A)よりも融点またはガラス転移点が高くて非相溶性の樹脂から選択して用いることが好ましい。具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート、ポリスチレン、アクリル酸エステルないしはメタクリル酸エステルの重合体や共重合体、メラミン樹脂、ポリエチレンサルファイト、ポリイミド、ポリエチルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、環状オレフィンの単独重合体および環状オレフィンとエチレンなどとの共重合体(COC)等を例示することができる。上記熱可塑性樹脂(A)として結晶性ポリオレフィン系樹脂を使用する場合には、特に、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート、ポリスチレン、環状オレフィンの単独重合体および環状オレフィンとエチレンなどの共重合体(COC)より選択して用いることが好ましい。
基材フィルムにおける有機フィラーの含有量は、0〜50重量%が好ましく、0〜40重量%がより好ましい。
本発明に使用する無機微細粉末の平均粒子径または有機フィラーの平均分散粒子径は、好ましくは0.1〜20μm、より好ましくは0.5〜15μmの範囲である。熱可塑性樹脂(A)との混合の容易さを考慮すると0.1μm以上のものを用いることが好ましい。粒子径が0.1μm未満の場合、延伸による空孔形成が困難になり所望の表面を有する延伸フィルムが得られなくなる傾向がある。また、平均粒子径が20μmを超えると、延伸性が低下して成形時における延伸切れや穴あきが多くなる傾向がある。
本発明に使用する無機微細粉末の平均粒子径は、一例として粒子計測装置、例えば、レーザー回折式粒子計測装置(株式会社日機装製、商品名:マイクロトラック)により累積で50%にあたる粒子径(累積50%粒子径)を測定することにより求めることができる。
また、溶融混練と分散により熱可塑性樹脂中に分散した有機フィラーの粒子径は、樹脂延伸フィルム断面の電子顕微鏡観察により粒子の少なくとも10個を測定してその粒子径の平均値として求めることができる。
本発明に使用する無機微細粉末や有機フィラーは、上記の中から1種を選択してこれを単独で使用してもよいし、2種以上を選択して組み合わせて使用してもよい。2種以上を組み合わせて使用する場合には、無機微細粉末と有機フィラーの組み合わせであってもよい。
[分散剤(C)]
基材フィルムには分散剤(C)を好ましく用いることができる。基材フィルムに使用する分散剤(C)としては、例えば酸変性ポリオレフィン、シラノール変性ポリオレフィンなどを例示することができる。この中でも酸変性ポリオレフィンを用いることが好ましい。該酸変性ポリオレフィンとしては、無水マレイン酸をランダム共重合もしくはグラフト共重合した無水酸基含有ポリオレフィン、あるいはメタクリル酸、アクリル酸などの不飽和カルボン酸をランダム共重合もしくはグラフト共重合したカルボン酸基含有ポリオレフィン、グリシジルメタクリレートをランダム共重合もしくはグラフト共重合したエポキシ基含有ポリオレフィンなどが挙げられる。具体例としては、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、無水マレイン酸変性ポリエチレン、アクリル酸変性ポリプロピレン、エチレン・メタクリル酸ランダム共重合体、エチレン・グリシジルメタクリレートランダム共重合体、エチレン・グリシジルメタクリレートグラフト共重合体、グリシジルメタクリレート変性ポリプロピレンなどが挙げられ、なかでも好ましくは無水マレイン酸変性ポリプロピレンおよび無水マレイン酸変性ポリエチレンである。
無水マレイン酸変性ポリプロピレンおよび無水マレイン酸変性ポリエチレンの具体例としては、三菱化学(株)のモディックAP「P513V」(商品名)やモディックAP「M513」(商品名)、三洋化成工業(株)のYumex1001,1010(商品名)やYumex2000(商品名)、三井・デュポンケミカル(株)のHPR「VR101」(商品名)が挙げられる。
酸変性ポリオレフィンの酸変性率は、0.01〜20%が好ましく、0.05〜15%がより好ましい。
酸変性率が0.01%未満では、表面処理した無機微細粉末(B)の熱可塑性樹脂(A)中への分散効果が不十分になる傾向があり、20%を超えると酸変性ポリオレフィンの軟化点が低くなりすぎて熱可塑性樹脂とのコンパウンドが困難になる傾向がある。
基剤フィルムにおける分散剤(C)の含有量は、熱可塑性樹脂(A)、無機微細粉末(B)及び有機フィラーを配合した樹脂組成物100重量部に対して、通常0.01〜100重量部、好ましくは0.05〜90重量部、更に好ましくは0.1〜80重量部である。
分散剤(C)の含有量が0.01重量部未満では、表面処理した無機微細粉末が十分に分散しないため、所望の表面開口率が得られず、液体吸収係数の改善が不十分になる傾向がある。逆に100重量部を超えると、延伸性が大きく低下し成形時における延伸切れが多くなる傾向がある。
[表面処理剤(D)]
本発明で用いる無機微細粉末(B)は、表面処理剤(D)で表面処理されているものが好ましい。無機微細粉末(B)に使用する表面処理剤(D)は、無機微細粉末(B)の表面を親水化処理するものであることが好ましい。表面処理剤(D)としては、ジアリルアミン塩またはアルキルジアリルアミン塩より選ばれるモノマー(d1)と非イオン親水性ビニルモノマー(d2)との共重合体である水溶性カチオンコポリマー、または水溶性アニオン系界面活性剤が好ましい。水溶性カチオンコポリマーの場合「塩」を形成する陰イオンは、塩化物イオン、臭化物イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、メチル硫酸イオン、エチル硫酸イオンおよびメタンスルホン酸イオンからなる群より選ばれるものであることが好ましい。
(d1)の具体例としては、ジアリルアミン塩、炭素数1〜4の範囲のアルキルジアリルアミン塩およびジアルキルジアリルアミン塩、すなわちメチルジアリルアミン塩やエチルジアリルアミン塩、ジメチルジアリルアミン塩、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム、メタクリロイルオキシエチルジメチルエチルアンモニウムやアクリロイルオキシエチルジメチルエチルアンモニウムのクロライド、ブロマイド、メトサルフェート、またはエトサルフェート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートやN,N−ジメチルアミノエチルアクリレートをエピクロロヒドリン、グリシドール、グリシジルトリメチルアンモニウムクロライドなどのエポキシ化合物でアルキル化して得られる4級アンモニウム塩が挙げられる。これらの中で特に好ましいものは、ジアリルアミン塩、メチルジアリルアミン塩およびジメチルジアリルアミン塩である。
(d2)の具体例としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドン、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシ(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステルが挙げられる。これらの中で好ましいものは、アクリルアミドおよびメタクリルアミドである。
(d1)と(d2)の共重合比は任意に設定することができるが、(d1)は好ましくは10〜99モル%、より好ましくは50〜97モル%、さらに好ましくは65〜95モル%であり、(d2)は好ましくは90〜1モル%、より好ましくは50〜3モル%、更に好ましくは35〜5モル%である。
(d1)と(d2)より得られる表面処理剤(D)は、上記モノマー混合物を水性媒体中で過硫酸アンモニウムや2,2−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド等である開始剤を使用して40℃〜100℃(例えば50〜80℃)で2時間〜24時間重合反応させることにより得ることができる。該重合体は特開平5−263010号公報、特開平7−300568号公報等に記載された方法により製造することができ、本発明の目的を達成するために使用可能である。また、特開昭57−48340号公報や特開昭63−235377号公報等に記載された方法の一部を使用することもできる。これらの中で好ましくはジアリルアミンまたはジアリルジメチルアミンの塩酸塩、硫酸塩とメタクリルアミド、アクリルアミドの共重合体である。
該重合体の分子量は、1mol/L濃度の塩化ナトリウム水溶液中の25℃での極限粘度で示すと通常は0.05〜3、好ましくは0.1〜0.7、特に好ましくは0.1〜0.45の範囲である。また、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定される重量平均分子量で表すと、通常は約5,000〜950,000、好ましくは10,000〜500,000、更に好ましくは10,000〜80,000の範囲である。
また、無機微細粉末(B)の処理に使用する水溶性アニオン系界面活性剤よりなる表面処理剤(D)は、分子内に陰イオン性官能基を有する。
その具体例として、炭素数4〜40の範囲の炭化水素基を有するスルホン酸塩(d3)、炭素数4〜40の範囲の炭化水素基を有するリン酸エステル塩や炭素数4〜40の範囲の高級アルコールのリン酸モノまたはジエステルの塩(d4)、炭素数4〜30の範囲の炭化水素基を有するアルキルベタインやアルキルスルホベタイン(d5)などが挙げられ、本発明の効果を得られるように適宜選択される。(d3)〜(d4)における「塩」とは、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、1〜4級アンモニウム塩、1〜4級ホスホニウム塩を示し、塩として好ましいのは、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、4級アンモニウム塩、より好ましくはナトリウム塩またはカリウム塩である。
(d3)の炭素数4〜40の範囲の炭化水素基を有するスルホン酸塩としては、炭素数4〜40、好ましくは8〜20の範囲の直鎖または分岐や環状構造を有する炭化水素基を有するスルホン酸塩、スルホアルカンカルボン酸塩であり、具体的には炭素数4〜40、好ましくは8〜20の範囲のアルキルベンゼンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、炭素数4〜30、好ましくは8〜20の範囲の直鎖または分岐や環状構造を有するアルキルナフタレンスルホン酸塩、炭素数1〜30、好ましくは8〜20の範囲の直鎖または分岐構造を有するアルキル基を有するジフェニルエーテルやビフェニルのスルホン酸塩;炭素数1〜30、好ましくは8〜20の範囲のアルキル硫酸エステルの塩;スルホアルカンカルボン酸エステルの塩;炭素数8〜30、好ましくは炭素数10〜20の範囲のアルキルアルコールのアルキレンオキシド付加物のスルホン酸塩などが挙げられる。
これらの具体例としては、アルカンスルホン酸塩や芳香族スルホン酸塩すなわちオクタンスルホン酸塩、ドデカンスルホン酸塩、ヘキサデカンスルホン酸塩、オクタデカンスルホン酸塩、1−または2−ドデシルベンゼンスルホン酸塩、1−または2−ヘキサデシルベンゼンスルホン酸塩、1−または2−オクタデシルベンゼンスルホン酸塩、ドデシルナフタレンスルホン酸塩の種々の異性体、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物の塩、オクチルビフェニルスルホン酸塩の種々の異性体、ドデシルジフェニルエーテルスルホン酸塩、ドデシルリグニンスルホン酸塩、;アルキル硫酸エステル塩すなわちドデシル硫酸塩、ヘキサデシル硫酸塩、;スルホアルカンカルボン酸塩すなわちスルホコハク酸のジアルキルエステルであり、アルキル基が炭素数1〜30、好ましくは4〜20の範囲の直鎖または分岐や環状構造を有するもの、より具体的には、スルホコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)の塩、N−メチル−N−(2−スルホエチル)アルキルアミドの塩(アルキル基は炭素数1〜30、好ましくは12〜18)、例えばN−メチルタウリンとオレイン酸を由来とするアミド化合物、炭素数1〜30、好ましくは10〜18のカルボン酸の2−スルホエチルエステル塩、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンラウリル硫酸塩、ポリオキシエチレンセチル硫酸塩;炭素数8〜30、好ましくは10〜20の範囲のアルキルアルコールのアルキレンオキシド付加物のスルホン酸塩すなわちラウリルアルコールのエチレンオキシド付加物の硫酸エステル塩、セチルアルコールのエチレンオキシド付加物の硫酸エステル塩、ステアリルアルコールのエチレンオキシド付加物の硫酸エステル塩などが挙げられる。
(d4)の炭素数4〜40、好ましくは炭素数8〜20の範囲の直鎖または分岐や環状構造を有する炭化水素基を有するリン酸モノ、またはジエステル塩またはリン酸トリエステルの具体例としては、リン酸ドデシルのジナトリウム塩またはジカリウム塩、リン酸へキシデシルのジナトリウム塩、リン酸ジドデシルのジナトリウム塩またはジカリウム塩、リン酸ジヘキサデシルのナトリウム塩またはカリウム塩、ドデシルアルコールの酸化エチレン付加物のリン酸トリエステル等が挙げられる。
(d5)の炭素数4〜30、好ましくは10〜20の範囲の炭化水素基を有するアルキルベタインやアルキルスルホベタインの具体例としては、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、ドデシルジメチル(3−スルホプロピレン)アンモニウムインナーソルト、セチルジメチル(3−スルホプロピル)アンモニウムインナーソルト、ステアリルジメチル(3−スルホプロピル)アンモニウムインナーソルト、2−オクチル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、2−ラウリル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインなどが挙げられる。
これらのうちで好ましくは、炭素数4〜40の範囲の炭化水素基を有するスルホン酸塩(d3)であり、より好ましくは炭素数10〜20の範囲のアルカンスルホン酸塩、炭素数10〜20の範囲のアルキル基を有する芳香族スルホン酸塩、炭素数10〜20の範囲のアルキル基を有するアルキルアルコールのアルキレンオキサイド付加物の硫酸エステル塩より選ばれるものである。
[水系ヒートシール性樹脂コート層(E)]
本発明における水系ヒートシール性樹脂コート層(E)は、例えば熱可塑性樹脂の圧空成形や射出成形時に予め金型内にラベルを装着して成形と同時にラベルを貼着するインモールド成形において、金型内での溶融樹脂との接触によりその熱で即座に融解して成形と同時に樹脂容器に均一接着するコート層として有用である。この場合、インモールド成形用ラベルに適した水性のヒートシール性樹脂を適宜選択して使用することができる。また、各種熱シール機を用いて他のフィルム素材と接着させるコート層にも有用であり、この場合も接着するフィルムの表面性質などから水性のヒートシール性樹脂を適宜選択することができる。
水系ヒートシール性樹脂コート層(E)に使用する樹脂は、インモールド成形や熱シールに適したヒートシール性を有する樹脂のディスパージョンが成形上好ましい。ヒートシール性を有する樹脂のディスパージョンとしては、例えばエマルジョン重合されたものや、懸濁重合したもの、あるいは押し出し機などで機械的に粉砕して水溶媒中に分散させたもの等が挙げられる。
本発明の水系ヒートシール性樹脂コート層(E)に使用するヒートシール性樹脂としては、例えば、アクリル系重合体、酢酸ビニル重合体、スチレン系重合体、塩化ビニル系重合体、塩化ビニリデン系重合体、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリエステル、エポキシ樹脂、石油樹脂、ロジンエステル、シリコン樹脂、アルキッド樹脂、ポリブタジェン、ブタジエン共重合体、ポリブテン、ブチルゴム、ポリプロピレン、ポリクロロプレン、ポリイソプレンなどのディスパージョンが使用できる。
これらの中では、アクリル系重合体、酢酸ビニル重合体、スチレン系重合体が好ましく、この中でもエチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・メタアクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、スチレン・ブタジエン共重合体の水系のディスパージョンが好ましい。
ヒートシール性樹脂の乾燥塗工量は、使用する基材フィルムの液体吸収係数により適宜選択されるが、通常は0.05〜30g/m2が好ましく、0.1〜20g/m2がより好ましく、0.2〜10g/m2が更に好ましい。
乾燥塗工量が0.05g/m2未満では、インモールド成形あるいは熱シールされた時に容器あるいは他のフィルムとの十分な接着強度を発揮することができなくなる傾向がある。また乾燥塗工量が30g/m2を超えると、接着強度は十分であるが、例えばインモールド成形用ラベルと容器の間に空気が入り込んでラベルが部分的に膨れあがる現象(ブリスタリング)が発生しやすくなる傾向がある。
また塗工量が多くなると、1回の塗工では塗工しきれず、複数回の重ね塗工が必要となり生産コストも高くなること等の問題が生じる。
ヒートシール性樹脂のディスパージョンの平均粒子径は基材フィルム表面の平均開口径より大きいものが好ましい。また、ヒートシール性樹脂が塗工後乾燥後、粒子形態で基材フィルム表面に点在することが望ましい。このためには、乾燥をヒートシール性樹脂の相転移温度(固相状態より液相状態に転移する温度であり造膜温度ともいう)以下の温度で行う必要がある。ヒートシール性樹脂の相転移温度は、インモールド成形適性から好ましくは50〜140℃、より好ましくは55〜130℃の範囲である。140℃を超える温度で乾燥される場合は、粒子形態が残らず、基材フィルム表面を平滑な状態で覆うため、インモールド成形においてブリスタリングが発生したり、印刷時あるいはラベル加工時にブロッキングが発生したりするなどの問題が起きやすくなる傾向がある。また、ヒートシール層の相転移温度が50℃未満であると、ラベル保管時にヒートシール層がべた付いたり、ブロッキングしたりしやすくなる傾向がある。
更に、塗工乾燥後ヒートシール性樹脂が基材フィルム表面を30%以上、好ましくは40〜90%、更に好ましくは50〜80%を覆っている場合がインモールド成形に向いている。
30%未満の場合には、インモールド成形の際に成形容器との密着性が低下する傾向がある。
インモールド成形用ラベルに用いる水系ヒートシール性樹脂コート層(E)の具体例としては、例えば平均粒子径が1.2μmで相転移温度が90℃のエチレン・メタアクリル酸共重合体ディスパ−ジョンが挙げられる。
水系ヒートシール性樹脂コート層(E)に用いるディスパージョンには、基材フィルムとの密着性を向上させるための各種バインダー樹脂や、ラベルに加工した時のブロッキングを防止するためのブロッキング防止剤、及び印刷時の給排紙適性を向上させるためのスリップ剤や帯電防止剤等を添加することが好ましい。
更には必要に応じて、分散剤、増粘剤、消泡剤、防腐剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、酸化防止剤、界面活性剤、水性染料、着色顔料等を適宜添加することができる。
[無機微細粉末の表面処理方法]
本発明において、少なくとも1種類の表面処理剤(D)を用いて無機微細粉末(B)の表面処理を行うことが好ましい。表面処理方法としては、公知の種々の方法が適応でき、特に制限されない。
混合装置や混合時の温度、時間も使用する表面処理剤成分の性状や物性に応じて適宜選択される。使用される種々の混合機のL/D(軸長/軸径)や撹拌翼の形状、剪断速度、比エネルギー、滞留時間、処理時間、処理温度等についても、使用成分の性状に合わせて適宜選択可能である。
無機微細粉末(B)の表面処理方法の例として、湿式粉砕により製造する炭酸カルシウムの場合には、粒径が10〜50μmの炭酸カルシウム粒子100重量部に対して必要量の表面処理剤(D)の存在下、水性媒体中で湿式粉砕して所望の粒子径とする方法を挙げることができる。具体的には炭酸カルシウム/水性媒体(具体的には水)との重量比が70/30〜30/70、好ましくは60/40〜40/60の範囲となるように炭酸カルシウムに水を加え、ここに表面処理剤(D)を炭酸カルシウム100重量部あたり0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部添加し、常法により湿式粉砕する。さらには、上記範囲の量となる表面処理剤を予め溶解してなる水性媒体を準備し、該水性媒体を炭酸カルシウムと混合し、常法により湿式粉砕してもよい。湿式粉砕はバッチ式でも、連続式でもよく、サンドミル、アトライター、ボールミルなどの粉砕装置を使用したミルなどを使用するのが好ましい。このように湿式粉砕することにより、平均粒子径が0.1〜20μm、好ましくは0.5〜15μmの炭酸カルシウムが得られる。
次いで湿式粉砕品を乾燥するが、乾燥前に分級工程を設けて、350メッシュオンといった粗粉を除くことができる。乾燥は熱風乾燥など公知の方法により行うことができるが、媒体流動乾燥により行うのが好ましい。媒体流動乾燥とは、乾燥塔内で熱風(80〜150℃)により流動化状態にある媒体粒子群(流動層)中にスラリー状物質を供給し、供給されたスラリー状物質は、活発に流動化している媒体粒子の表面に膜状に付着しながら流動乾燥内に分散され、熱風による乾燥作用を受けることにより、各種物質を乾燥する方法である。このような媒体流動乾燥は、例えば(株)奈良機械製作所製の媒体流動乾燥装置「メディア スラリー ドライヤー」等を用いて容易に行うことができる。この媒体流動乾燥を用いると乾燥と凝集粒子の解砕(1次粒子化の除去)が同時に行われるので好ましい。同方法により粗粉量が極めて少ない炭酸カルシウムが得ることができる。しかしながら、媒体流動乾燥後、所望の方法で粒子の粉砕と分級とを行うことも有効である。一方、媒体流動乾燥の代わりに通常の熱風乾燥により湿式粉砕品を乾燥した場合にも、得られたケーキをさらに所望の方法で粒子の粉砕と分級とを行うのがよい。この方法により得られた湿式粉砕品の乾燥ケーキは潰れやすく、容易に炭酸カルシウム微粒子を得ることができるため、乾燥ケーキを粉砕する工程をわざわざ設ける必要はない。
このようにして得られた無機微細粉末(B)は、更に別の表面処理剤で処理することができる。
表面処理剤(D)の使用量は、本発明の水系ヒートシール性樹脂コート層(E)を設けた樹脂延伸フィルムの用途により異なるが、通常無機微細粉末100重量部に対して0.01〜10重量部、好ましくは0.04〜5重量部、より好ましくは0.07〜2重量部の範囲である。
表面処理剤(D)の使用量が0.01重量部未満では十分な表面処理の効果が得られなくなる傾向があり、10重量部超えると表面処理剤の効果が頭打ちになる傾向がある。
[構成成分の量比]
本発明の水系ヒートシール性樹脂コート層(E)を設ける基材フィルムを構成する成分の好ましい量比範囲は、熱可塑性樹脂(A)20〜80重量%、表面処理された無機微細粉末(B)80〜20重量%、有機フィラー0〜50重量%からなる樹脂組成物に、分散剤(C)を前記熱可塑性樹脂(A)、無機微細粉末(B)及び/又は有機フィラーの合計100重量部に対して0.01〜100重量部を含有する組成である。この際、前記無機微細粉末(B)及び/又は有機フィラーの含有量が80重量%を超えると膜厚の均一なフィルムを得ることが困難になる傾向があり、熱可塑性樹脂(A)が80重量%を超えると所望の液体吸収係数(10ml/m2・(ms)1/2以上)および表面開口率(7%以上)の基材フィルムが得られないため、前記のように水系ヒートシール性樹脂ディスパージョンを塗工した場合、ディスパージョン中の粒子が開口部への入り込みが少なくなりインモールド成形した場合に基材フィルム表面との密着性の優れた水系ヒートシール性樹脂コート層(E)が得られなくなる傾向がある。また、必要に応じて各構成成分中には、熱安定剤、紫外線安定剤、酸化防止剤、ブロッキング防止剤、核剤、滑剤、着色剤等を配合してもよい。これらは3重量%以下の割合で配合するのが好ましい。
[水系ヒートシール性樹脂コート層(E)を設けた樹脂延伸フィルムの製造]
本発明の水系ヒートシール性樹脂コート層(E)を設けた樹脂延伸フィルムは、当業者に公知の種々の方法を組み合わせることによって製造することができる。いかなる方法により製造された樹脂延伸フィルムであっても、本発明に記載された条件を満たすものである限り本発明の範囲内に包含される。
本発明の水系ヒートシール性樹脂コート層(E)を設けた樹脂延伸フィルムは、熱可塑性樹脂(A)、表面処理剤(D)により親水化処理された無機微細粉末(B)、有機フィラー、分散剤(C)を所定の割合で混合し、押出し等の方法により製膜し、その後熱可塑性樹脂(A)の融点より低い温度、好ましくは3〜60℃低い温度で1軸方向または2軸方向に延伸を行うことにより、フィルム表面および内部に微細な空孔(ボイド)を均一に有する液体吸収性基材フィルムが得られ、得られたフィルムの製造工程内(インライン)及び/又は工程外(アウトライン)で例えばエチレン・メタアクリル酸共重合体などのディスパージョンを公知の方法により固形分換算で0.05〜30g/m2となるように塗工し、ディスパージョン粒子が粒子形態として表面に存在するように、相転移温度以下で乾燥して、優れた水系ヒートシール性樹脂コート層(E)を設けた樹脂延伸フィルムを得ることができる。
本発明の液体吸収係数が5ml/m2・(ms)1/2以上である基材フィルムに、上記の様な方法により得られた表面に水系ヒートシール性樹脂コート層を設けた樹脂延伸フィルムは、例えばポリプロピレンフィルムに公知のアウトラインでのコート法、またはインラインでの共押し出し法等で設けられたヒートシール性樹脂層を有するインモールド成形に供するラベルより、少ないコート量で優れたインモールド成形適性が得られることから、優れた生産性と、ラベル品質を有した安価なインモールド成形用ラベル、及び製品容器を得ることができる。
前記の方法により製造される液体吸収性基材フィルムの液体吸収係数は5ml/(m2・ms1/2)以上であり、好ましくは10ml/(m2・ms1/2)以上であり、更に好ましくは15〜50ml/(m2・ms1/2)である。液体吸収係数が5ml/m2・(ms)1/2未満では、水性コート剤塗工の際の吸水速度が不十分であり、塗工液の粘度上昇が少なくて所望する塗工量及び塗膜の表面形態が得られない。
本明細書において「液体吸収係数」とは、JAPAN TAPPI No.51−87に準拠するBLISTOW吸水試験により測定されるものであって、吸水開始20ミリ秒から40ミリ秒における吸水曲線から最小二乗法により直線を得て、その勾配より求められる値を意味する。液体吸収係数は、後述する試験例に記載される具体的手順により測定することができる。
また、基材フィルム最外層の表面開口率(表面空孔率)は7%以上であることが好ましく、10〜30%であることがより好ましい。表面開口率が7%未満では十分な液体吸収性が得られなくなる傾向がある。逆に30%を超えると基材表面の強度が低下し、インモールド成形し容器に貼着された場合、基材表面層から簡単に剥離され実用上問題が生じる傾向がある。
本明細書における「表面開口率」と「平均開口径」は、本発明における水系ヒートシール性樹脂コート層(E)を設ける前の基材フィルムの表面を電子顕微鏡で観察したときの観察領域中に空孔が占める面積割合と観察領域中にある20個の空孔の短辺長さの平均値を示す。具体的には、基材フィルム試料より任意の一部を切り取り、観察試料台に貼り付け、その観察面に金ないしは金−パラジウム等を蒸着して電子顕微鏡(例えば日立製作所(株)製の走査型顕微鏡S−2400)を使用して観察しやすい任意の倍率(例えば500倍〜3000倍に拡大)にて表面の空孔を観察することにより求めることができる。さらに観察した領域を写真等に撮影し、空孔をトレーシングフィルムにトレースして塗りつぶした図を画像解析装置(ニレコ(株)製:型式ルーゼックスIID)で画像処理し、空孔の面積率を基材フィルム表面の開口率とすることもできる。また、同時に観察した電子顕微鏡写真から表面に開口している空孔20個の短辺長さを計測しその平均値を求め平均開口径とする。なお、空孔の短辺長さとは図1に示す方向の長さを言う。
本発明の樹脂延伸フィルムは、水系ヒートシール性樹脂コート層(E)を最外層とし、その反対面には通常各種の印刷方式及び/又は印字方式により印刷及び/又は印字されて使用されるが、用途に応じて熱可塑性樹脂フィルム、ラミネート紙、パルプ紙、不織布、布等に積層して使用してもよい。積層フィルム構造については、それぞれの層を別々に延伸した後に積層することによって製造しても良いし、積層した後にまとめて延伸して製造しても良い。またこれらの積層フィルムの表面に及び裏面に印刷して使用しても良い。これらの方法は適宜組み合わせることもできる。
更に本発明の樹脂延伸フィルムは、水系ヒートシール性樹脂コート層(E)を設けた面にも印刷及び/又は印字して使用することが可能である。水系ヒートシール性樹脂コート層(E)を設けた面に印刷及び/又は印字を行うことにより、PETボトル、PPボトル、LD−PEボトルの様に透明性の高い容器に貼着する面に様々な情報を付加したり、或いは装飾性を向上して容器の付加価値を高めることが可能である。 かかる印刷及び/又は印字には公知の手法を使用することができ、たとえばオフセット印刷、凸版印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷、電子写真印刷、インクジェット印刷、溶融熱転写印刷、昇華熱転写印刷などが挙げられる。本発明の樹脂延伸フィルムは、水系ヒートシール性樹脂コート層(E)へ印刷したものであっても、ブリスタリング性、ラベル密着性に優れるため、ラベルが貼着された透明な中空容器を通してヒートシール性樹脂コート層(E)面に施した印刷を明瞭に認識することができる。
本発明の水系ヒートシール性樹脂コート層(E)を設けた樹脂延伸フィルムは少なくとも1軸方向に延伸されているものが好ましく、2軸方向に延伸されていてもよい。
例えば、無機微細粉末を0〜40重量%、好ましくは3〜33重量%含有する結晶性ポリオレフィン系樹脂フィルムを該樹脂の融点より低い温度で1方向に延伸して得られる1軸方向に配向したフィルムを基材層とし、その少なくとも片面に熱可塑性樹脂(A)20〜80重量%および表面処理された無機微細粉末(B)80〜20重量%、有機フィラー0〜50重量%からなる樹脂組成物に分散剤(C)を前記熱可塑性樹脂(A)、無機微細粉末(B)、および有機フィラーの合計100重量部に対して0.01〜100重量部を含有する樹脂組成物の溶融樹脂を最外層として積層し、次いで前記延伸方向と直角方向にこの積層フィルムを延伸することにより、最外層が1軸方向に配向し、基材層が2軸方向に配向した積層構造物の基材フィルムが得られる。
さらに、その基材フィルムの最外層の表面に水系ヒートシール性樹脂コート層(E)を設けて本発明の樹脂延伸フィルムが得られる。
好ましい製造方法は基材層と最外層を積層した後にまとめて延伸して得られたフィルム表面にヒートシール性樹脂コート層(E)を設ける工程を含むものである。別個に延伸して積層する場合と比べると簡便であり製造コストも安くなる。
延伸には、公知の種々の方法を使用することができる。延伸は、樹脂の融点より5℃以上低い温度であり、また2種以上の樹脂を用いる場合は配合量の最大を占める樹脂の融点より5℃以上低い温度で行うことが好ましい。
延伸の具体的な方法としては、ロール群の周速差を利用したロール間延伸、テンターオーブンを利用したクリップ延伸などを挙げることができる。ロール間延伸によれば、延伸倍率を任意に調整して、任意の剛性、不透明度、平滑度、光沢度のフィルムを得ることが容易であるので好ましい。延伸倍率は特に限定される物ではなく、本発明の樹脂延伸フィルムの使用目的と、用いる樹脂の特性を考慮して決定する。通常は2〜11倍であり、好ましくは3〜10倍の範囲内で延伸する。なかでも延伸倍率は4〜7倍がより好ましい。
テンターオーブンを利用したクリップ延伸の場合は4〜11倍で延伸することが好ましい。面積倍率としては、通常は2〜80倍であり、好ましくは3〜60倍、より好ましくは4〜50倍である。面積倍率が2倍未満では樹脂延伸フィルムの表面に所定の開口率が得られず十分な吸水性も得られずその表面に容器との密着性の良好な水系ヒートシール性樹脂コート層(E)を設けることが困難になる傾向がある。また80倍を超えると延伸切れや粗大な穴あきが多くなる傾向がある。
延伸後の基材フィルムには熱処理を行うのが好ましい。熱処理の温度は、延伸温度から延伸温度より30℃高い温度の範囲内を選択することが好ましい。熱処理を行うことにより、延伸方向の熱収縮率が低減し、製品保管時の巻き締まりや、熱及び溶断シール時の収縮による波打ち等が少なくなる。熱処理の方法はロール及び熱オーブンで行うのが一般的であるが、これらを組み合わせてもよい。これらの処理は延伸したフィルムを緊張下に保持された状態において熱処理するのがより高い処理効果が得られるので好ましい。
また、熱処理後には表面にコロナ放電処理やプラズマ処理などの酸化処理を施すのが好ましい。酸化処理を施すことにより、水系ヒートシール性樹脂コート層(E)を設ける際には表面の濡れ性がより向上しヒートシール性樹脂ディスパージョンの溶媒吸収速度が向上し基材フィルム表面の開口径より小さな粒径の樹脂が早く、より多く入り込む利点があるため望ましい。
さらには、水系ヒートシール性樹脂との接着性が向上する利点もある。
水系ヒートシール性樹脂コート層(E)を設けた樹脂延伸フィルムの全厚は特に制限されないが、40〜400μmが好ましく、より好ましくは50〜350μm、更に好ましくは60〜300μmの範囲である。水系ヒートシール性樹脂コート層(E)と接する基材フィルムの最外層の厚さは、水系ヒートシール性樹脂ディスパージョン中に含まれる水系溶媒の吸収を考慮すると3〜100μmが好ましく、5〜80μmがより好ましい。水系ヒートシール性樹脂コート層(E)の厚さは使用目的に応じて0.05〜40μmが好ましく、0.1〜30μmがより好ましい。
本発明による水系ヒートシール性樹脂コート層(E)を設けた樹脂延伸フィルムはインモールド成形用ラベルとして用いる場合、水性ヒートシール樹脂の種類、相転移温度を適宜選択することにより、種々の樹脂容器に使用できる。例えば高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネートなどからなる容器に使用でき、中でも高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレンに適している。これらの樹脂容器は差圧成形、中空成形、射出成形、発泡成形、延伸ブロー成形又は圧縮成形によって製造される。中でも、差圧成形、中空成形、射出成形、延伸ブロー成形に適している。また従来のラベルでは成形困難であった特殊な容器にも広く使用できる利点を有する。
ヒートシール性樹脂の塗工方法としてはブレード方式、ロッド方式、ワイヤーバー方式、スライドホッパー方式、カーテン方式、エアーナイフ方式、ロール方式、コンマ方式、サイズプレス方式、グラビヤ方式、リバースグラビヤ方式等の一般的な塗工方法が用いられる。またこれら一般的な塗工方法を適宜組み合わせて塗工する方法も用いられる。
塗工後の乾燥方法としては、公知の乾燥手段で行われるが、乾燥過程では使用するヒートシール性樹脂の相転移温度を超えないような条件で乾燥されなければならない。
以下に、調製例、製造例、実施例、比較例、および試験例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は本発明を逸脱しない限り適宜変更できる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
(調製例1)表面処理剤(D)の調製
環流冷却器、温度計、滴下ロート、撹拌装置およびガス導入管を備えた反応器に、ジアリルアミン塩酸塩(60重量%濃度水溶液)500重量部と、アクリルアミド(40重量%濃度水溶液)13重量部および水40重量部を入れ、窒素ガスを流入させながら系内温度を80℃に昇温した。攪拌下で、滴下ロートを用いて重合開始剤と過硫酸アンモニウム(25重量%濃度水溶液)30重量部を4時間に渡り滴下した。滴下終了後1時間反応を続け、粘稠な淡黄色液状物を得た。これを50g取り、500ml中のアセトン中に注ぐと白色の沈殿を生じた。沈殿を濾別しさらに2回100mlのアセトンでよく洗浄した後、真空乾燥して白色固体状の重合体(水溶性カチオンコポリマー)を得た。得られた重合体のGPCより求めた重量平均分子量は55,000であった。
(調製例2)表面処理重質炭酸カルシウムの調製
重質炭酸カルシウム(平均粒子径8μm、日本セメント社製乾式粉砕品)40重量%と水60重量%を充分攪拌混合してスラリー状とし、調製例1にて製造した表面処理剤(D)を重質炭酸カルシウム100重量部当たり0.06重量部加え、テーブル式アトライター型媒体攪拌ミル(直径1.5mmのガラスビーズ、充填率170%、周速10m/sec)を用いて湿式粉砕した。
次いで、主成分が炭素数14のアルカンスルホン酸ナトリウムと炭素数16のアルカンスルホン酸ナトリウムの混合物(2重量%濃度水溶液)50部を加えて攪拌した。次いで350メッシュのスクリーンを通して分級し、350メッシュを通過したスラリーを媒体流動乾燥機((株)奈良機械製作所製MSD―200)で乾燥した。得られた炭酸カルシウムの平均粒子径をマイクロトラック(日機装(株)製)測定したところ1.5μmであった。
(製造例)
以下の手順に従って本発明の条件を満たす基材フィルム(製造例1〜9)および比較例に使用した基材フィルム(製造例10〜16)を製造した。
表1に使用した材料の詳細を記載した。表中の「MFR」はメルトフローレートを意味する。表2に各基材フィルムの製造にあたって使用した材料の種類と量(重量%)、延伸条件、各層の厚み、および不透明度を記載した。表2に記載される材料の番号は、表1に記載される材料の番号に対応している。なお、表2の分散剤添加量は、材料1〜3の合計添加量を100重量部としたときの重量部で表示されている。
製造例1〜6、9、10、11において、表2に記載の配合物[A]を250℃に設定された押出機で溶融混練して、押出成形し冷却装置にて70℃まで冷却して単層の無延伸シートを得た。
この無延伸シートを表2に記載の延伸温度(1)に加熱した後、縦方向にロール間で5倍に延伸し、縦一軸延伸フィルムを得た。次いで表2に記載の配合物[B]を250℃に設定された押出機で溶融混練して、前記縦一軸延伸フィルムの両面に積層した。積層物を表2に記載の延伸温度(2)に加熱してテンター延伸機を用いて横方向に8倍延伸し、延伸温度(2)より20℃高い温度で熱処理を行い、1軸延伸/2軸延伸/1軸延伸された3層樹脂延伸フィルムを得た。
製造例7では、表2に記載の配合物[A]と配合物[B]をそれぞれ250℃に設定された3台の押出機で溶融混練して、フィードブロック形式のダイにて積層してシート状に押し出し冷却装置にて70℃まで冷却して3層の無延伸シートを得た。この無延伸シートを表2に記載の延伸温度(1)に加熱した後、縦方向にロール間で5倍に延伸し、次いで延伸温度(2)に加熱後テンター延伸機を用いて横方向8倍延伸し、延伸温度(2)より20℃高い温度で熱処理を行い、2軸延伸/2軸延伸/2軸延伸された3層樹脂延伸フィルムを得た。
製造例8では、表2に記載の配合物[B]を250℃に設定された押出機で溶融混練して押出成形し、冷却装置にて70℃まで冷却して単層の無延伸シートを得た。この無延伸シートを表2に記載の延伸温度(1)に加熱した後、縦方向にロール間で5倍に延伸し、延伸温度(1)より20℃高い温度で熱処理を行い、縦1軸樹脂延伸フィルムを得た。
製造例12では特開2001−181423号公報の実施例3の1軸延伸/2軸延伸/1軸延伸された3層樹脂延伸フィルムを用いた。
製造例13では特開2001−226507号公報の実施例3の1軸延伸/2軸延伸/1軸延伸された3層樹脂延伸フィルムを用いた。
製造例14では特開2001−164017号公報の実施例3の1軸延伸/2軸延伸/1軸延伸された3層樹脂延伸フィルムを用いた。
製造例15では特開2001−151918号公報の実施例4の1軸延伸/2軸延伸/1軸延伸された3層樹脂延伸フィルムを用いた。
製造例16では特開平10−212367号公報の実施例2の1軸延伸/2軸延伸/1軸延伸された3層樹脂延伸フィルムを用いた。
製造例1〜16で得られた単層及び3層樹脂延伸フィルムの両面に、放電処理機(春日電機(株)製)を用いて40w/m2・分のコロナ処理を行って基材フィルムを得た。各基材フィルムの不透明度を、JIS P−8138に準拠して測定装置(スガ試験機(株)製:SM−5)により測定した結果を表2に示す。
Figure 2004255864
Figure 2004255864
(実施例1〜9、比較例1〜7)
表3に記載されるヒートシール性樹脂からなるディスパージョン、表3に記載されるブロッキング防止剤、および水を、表4に記載される所定の固形分濃度になるように混合して水系コート剤を調製した。この水系コート剤をスロットダイコーターにてライン速度20m/minで製造例1〜16の基材フィルムの表側に塗工し、表4に記載される乾燥温度に設定した長さ10mのオーブンで乾燥してインモールド成形用ラベル用のフィルムを得た。得られたフィルムの乾燥後の塗工量は表4の通りであった。
(試験例)
製造例において製造した各基材フィルムの表面について、無機微細粉末の分散性、表面開口率、表面開口径、液体吸収係数の評価を行った。各試験の詳細は以下に示す通りである。
1)無機微細粉末の分散性
製造例1〜16で製造した基材フィルムを、縦500mm×横500mmの大きさに切り取り、その表面(配合物[B]の面)に20°の角度から反射光を当て0.1mm以上の無機微細粉末凝集物(表面突起物)を数えて単位面積当たりの個数をカウントし、以下の3段階で評価した。
○: 3個/m2未満
△: 3個/m2以上10個/m2未満
×: 10個/m2以上
2)表面開口率、開口径
製造例1〜16で製造した基材フィルムより任意の一部を切り取り、観察試料台に貼り付け、その観察面(配合物[B]の表面)に金蒸着して走査型顕微鏡(日立製作所(株)製、S−2400)を用いて倍率2000倍にて表面を写真撮影した。空孔をトレーシングフィルムにトレースして塗りつぶした図を画像解析装置(ニレコ(株)製:型式ルーゼックスIID)で画像処理し、樹脂延伸フィルムの表面開口率を測定した。
更に表面写真より開空孔20個を任意に選び、空孔の中心を通る最短辺の長さを求めその平均値を表面開口径とした。
3)液体吸収係数
製造例1〜16で製造した基材フィルムの液体吸収係数を、BRISTOW法(JAPAN TAPPI No.51−87)に準拠し、液体動的吸収性試験機(熊谷理機工業(株)製:BRISTOW試験機II型)を使用して測定した。液体吸収係数は、測定溶液滴下後20ミリ秒から40ミリ秒における吸水曲線から最小二乗法により直線を得て、その勾配より求めた。測定溶液は、蒸留水98重量%に着色用染料としてスタンプインキ(赤)(シャチハタ(株)製)2重量%を混合したものを用いた。液体吸収係数の大きさは、以下の4段階で評価した。
△は実用上問題があり、×は実用的でない。
◎: 15ml/(m2・ms1/2)以上
○: 5ml/(m2・ms1/2)以上15ml/(m2・ms1/2)未満
△: 1ml/(m2・ms1/2)以上5ml/(m2・ms1/2)未満
×: 1ml/(m2・ms1/2)未満
実施例、比較例において得られたヒートシール性樹脂コート層を設けた基材フィルムについて、コート層表面形態、インモールドラベル適性(ラベル装着性、ブリスタリング性、ラベル密着性)の評価を行った。各評価の試験の詳細は以下に示す通りである。
4)コート層表面形態
実施例1〜9、比較例1〜7のヒートシール性樹脂コート層を設けた基材フィルムのコート層表面10ヶ所を走査型顕微鏡(日立製作所(株)製、S−2400)を用いて倍率2000倍にて観察した。用いたディスパージョンが粒子の形態を残しているか否かを観察し、以下の3段階で評価判定した。
◎: 全て粒子形態である。
○: 一部粒子間に融着が見られるが実用上問題ない。
×: 全く粒子形態が見られずフィルム状になっている。
5)インモールドラベル適性の試験
実施例1〜9、比較例1〜7のヒートシール性樹脂コート層を設けた基材フィルムを縦70mm、横60mmに打ち抜きラベルを作成した。図2に示すように、ヒートシール性樹脂が塗工された面(1−b)とは反対側の印刷面(1−a)が中空容器製造用成形機の25℃に設定された金型(2)の内壁(2−a)に接するように真空減圧吸引孔(5)から減圧吸引して装着固定した。その後180℃に加熱溶融した高密度ポリエチレン(HDPE、日本ポリケム(株)製:商品名「HB−330」)をショットサイクル12秒で中空成形し、ラベルが貼着された中空容器を得た。
同様にして、210℃に加熱溶融したハイインパクトポリスチレン(HIPS、大日本インキ化学工業(株)製:商品名「ディックスチレンIB−100」)を用いてラベルが貼着された中空容器を得た。
更に、図3に示すようにヒートシール性樹脂が塗工された面(11−b)とは反対側の印刷面(11−a)が、延伸ブロー成形機(ヨーキ産業(株)製:「商品名PET−2W型」)の25℃に設定された金型(12)の内壁(12−a)に接するように真空減圧吸引孔(14)から減圧吸引して装着固定した。その後、予めインジェクション成形機にて小型容器形状のプリフォーム(13)に成形したポリエチレンテレフタレート(PET、日本ユニペット(株)製:商品名「ユニペットRT543」)を赤外線ヒーターにて95℃に加熱し、ショットサイクル30秒で延伸中空成形し、ラベルが貼着された中空容器を得た。
これら成形中におけるラベル装着性と、得られたラベル貼着した中空容器を以下に示す方法で評価した。
5−1)ラベル装着(インサート)性
各100ショットの中空成形におけるラベルの装着状況を以下に示す基準で評価判定した。
○: 全て指定された場所に問題なく装着した。
△: ラベルの落下は無いがラベル指定位置にズレがみられ、実用上問題がある。
×: 装着時ラベルの落下やラベル指定位置にズレがみられた。
5−2)ブリスタリング性
各得られた容器20個の貼着されたラベルのブリスター発生状況を以下に示す基準で判定し、
5点: ブリスター発生が全くなかったもの
4点: ブリスター発生がラベル面積の10%未満
3点: ブリスター発生がラベル面積の10%以上20%未満
2点: ブリスター発生がラベル面積の20%以上50%未満
1点: ブリスター発生がラベル面積の50%以上
容器20個の総点数で評価した(100点満点)。
○: 100点
△: 80〜99点
×: 79点以下
5−3)ラベル密着性
ラベルが貼着された容器のラベル部分を15mm幅に4点切り取り、ラベル端部の一部を剥がし引張り試験機(オリエンテック(株)製:RTM型)で200mm/分の速度で剥離強度(g)を測定し、その平均値を求めて以下に示す基準で判定した。
○: 200g以上
△: 100〜200g未満
×: 100g未満
6)ヒートシール性樹脂コート層面の印刷適性
実施例1、比較例1、7のヒートシール性樹脂コート層を設けた面に下記の条件でインクジェットプリンター印刷およびグラビア印刷し、内面装飾用の絵柄を作成した後に縦70mm、横60mmに打ち抜きラベルを作成した。
<インクジェットプリンター印刷>
プリンター:CANON BJF−850C(6色、染料インク)
印字絵柄:日本規格協会SCID ワインと食器「A4」
印字設定:普通紙モード、ドライバによる色補正なし
使用環境:Windows(登録商標)ME Pentium(登録商標) 4 1.8GHz、
RAM512MB パラレルI/F
使用ソフト:Adobe Photoshop 5.0J
<グラビア印刷>
印刷機:DNK製 10色機
印刷絵柄:日本規格協会SCID ワインと食器「A4」
インク:大日精化工業(株)製 CSUP(黄、藍、紅の3色)
版ロール:175線
図2に示すように、インクジェットプリンター印刷およびグラビア印刷を施したヒートシール性樹脂が塗工された面(1−b)とは反対側の印刷面(1−a)が中空容器製造用成形機の25℃に設定された金型(2)の内壁(2−a)に接するように真空減圧吸引孔(5)から減圧吸引して装着固定した。その後160℃に加熱溶融した低密度ポリエチレン(LDPE、日本ポリケム(株)製:商品名「ZE41」)をショットサイクル12秒で中空成形し、ラベルが貼着された中空容器を得た。
更に、図3に示すようにインクジェットプリンター印刷およびグラビア印刷を施したヒートシール性樹脂が塗工された面(11−b)とは反対側の印刷面(11−a)が、延伸ブロー成形機(ヨーキ産業(株)製:「商品名PET−2W型」)の25℃に設定された金型(12)の内壁(12−a)に接するように真空減圧吸引孔(15)から減圧吸引して装着固定した。その後、予めインジェクション成形機にて小型容器形状のプリフォーム(13)に成形したポリエチレンテレフタレート(PET、日本ユニペット(株)製:商品名「ユニペットRT543」)を赤外線ヒーターにて95℃に加熱し、ショットサイクル30秒で延伸中空成形し、ラベルが貼着された中空容器を得た。
これら成形により得られたラベル貼着した中空容器について上記方法によりブリスタリング性及びラベル密着性を評価した。実施例1のインモールドラベルは、中空容器として低密度ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレートのいずれを使用しても、ブリスタリング性及びラベル密着性が良好であった。
また、ラベルが貼着された透明な中空容器を通して、ヒートシール性樹脂コート層(E)面に施した印刷状態を目視観察し、以下に示す基準で評価判定した。
○:ヒートシール性樹脂コート層(E)面に施した印刷が明瞭に観察された。
×:ヒートシール性樹脂コート層(E)面に施した印刷が不明瞭であった。
各試験結果を表4および表5に示した。
Figure 2004255864
Figure 2004255864
Figure 2004255864
以上の結果から明らかなように、液体吸収係数が良好な基材フィルムに水系ヒートシール性樹脂コート層を設けて製造した本発明の樹脂延伸フィルムは、優れたインモールドラベル適性を発揮する(実施例1〜9)。これに対して、本発明の条件を外れている樹脂延伸フィルムは適性が劣り実用性がない(比較例1〜7)。
本発明の樹脂延伸フィルムは、液体の吸収性に優れている基材フィルムと水系ヒートシール性樹脂コート層を有するものであり、優れたインモールドラベル適性を示すものである。本発明の樹脂延伸フィルムは、従来より少ない塗工量で製造することができ、従来行っていた空気を逃がすためのエンボス等の表面加工の必要がないため、効率よく製造することができる。また、本発明の樹脂延伸フィルムを構成するヒートシール性樹脂コート層は、広範な材料で構成することが可能であり、また、塗工及び加工設備に係わる制限も従来に比べて大幅に緩和されている。これらの特徴を有することから、本発明の樹脂延伸フィルムは、ポリオレフィンはもとより、ポリスチレンやポリエステルなどの非ポリオレフィン樹脂容器用のインモールド成形用ラベルとして極めて有用である。
空孔の短辺長さを説明する図である。 ポリエチレン又はポリスチレン中空容器用インモールドラベル適性試験に用いられる成形機の断面図である。 ポリエチレンテレフタレート中空容器用のインモールドラベル適性試験に用いられる成型機の断面図である。
符号の説明
1−a: ラベル印刷面
1−b: ラベル接着面
2: 金型
2−a: 内壁
3: ダイ
4: バリソン
5: 吸引孔
6: 空気吹き込みノズル
11−a: ラベル印刷面
11−b: ラベル接着面
12: 金型
12−a: 内壁
13: プリフォーム
14: 吸引孔
15: 延伸ロッド

Claims (23)

  1. 液体吸収係数が5ml/m2・(ms)1/2以上である基材フィルムに、水系ヒートシール性樹脂コート層(E)を設けたことを特徴とする樹脂延伸フィルム。
  2. 基材フィルムの表面開口率が7%以上であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂延伸フィルム。
  3. 基材フィルムが、熱可塑性樹脂(A)、少なくとも1種類の表面処理剤(D)により表面処理された無機微細粉末(B)、および分散剤(C)を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の樹脂延伸フィルム。
  4. 基材フィルムが、熱可塑性樹脂(A)20〜80重量%、無機微細粉末(B)80〜20重量%、有機フィラー0〜50重量%の割合で配合した樹脂組成物100重量部に対し、分散剤(C)0.01〜100重量部を含有することを特徴とする請求項3に記載の樹脂延伸フィルム。
  5. 熱可塑性樹脂(A)が結晶性ポリオレフィン系樹脂であることを特徴とする請求項3又は4に記載の樹脂延伸フィルム。
  6. 分散剤(C)が、酸変性ポリオレフィン及び/又はシラノール変性ポリオレフィンであることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の樹脂延伸フィルム。
  7. 酸変性ポリオレフィンの酸変性率が0.01〜20%であることを特徴とする請求項6に記載の樹脂延伸フィルム。
  8. 無機微細粉末(B)の表面が表面処理剤(D)によって親水化処理されていることを特徴とする請求項3〜7のいずれかに記載の樹脂延伸フィルム。
  9. 表面処理剤(D)が水溶性カチオンコポリマー及び/又は水溶性アニオン系界面活性剤であることを特徴とする請求項3〜8のいずれかに記載の樹脂延伸フィルム。
  10. 水溶性カチオンコポリマーが、ジアリルアミン塩及び/又はアルキルジアリルアミン塩と非イオン親水性ビニルモノマーとを構成単位とすることを特徴とする請求項9に記載の樹脂延伸フィルム。
  11. 基材フィルムが少なくとも1軸方向に延伸され、かつ面積延伸倍率が2〜80倍であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の樹脂延伸フィルム。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載の基材フィルムが水系ヒートシール性樹脂コート層(E)と接する層となるように、他の樹脂フィルムを積層した構造を有する樹脂延伸フィルム。
  13. 水系ヒートシール性樹脂コート層(E)が水系のディスパージョンを含む塗工液を塗工して乾燥することにより設けられたことを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の樹脂延伸フィルム。
  14. ディスパージョンの平均粒子径が基材フィルム表面の平均開口径より大きいことを特徴とする請求項13に記載の樹脂延伸フィルム。
  15. ディスパージョンが粒子形態で表面にコートされていることを特徴とする請求項13又は14に記載の樹脂延伸フィルム。
  16. 水系ヒートシール性樹脂コート層(E)に含まれるヒートシール性樹脂の相転移温度が50〜140℃であることを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載の樹脂延伸フィルム。
  17. 水系ヒートシール性樹脂コート層(E)がインラインコート及び/又はアウトラインコートにより設けられたことを特徴とする請求項1〜16のいずれかに記載の樹脂延伸フィルム。
  18. 樹脂延伸フィルムの水系ヒートシール性樹脂コート層(E)の反対面に印刷及び/又は印字により装飾されたことを特徴とする請求項1〜17のいずれかに記載の樹脂延伸フィルム。
  19. 水系ヒートシール性樹脂コート層(E)面が印刷及び/又は印字により装飾されたことを特徴とする請求項1〜18のいずれかに記載の樹脂延伸フィルム。
  20. 請求項1〜19のいずれかに記載の樹脂延伸フィルムを用いたことを特徴とするインモールド成形用ラベル。
  21. 請求項20に記載のラベルが貼着されたインモールド成形容器。
  22. インモールド成形容器が差圧成形、中空成形、射出成形、発泡成形、延伸ブロー成形又は圧縮成形によって製造される請求項21に記載のインモールド成形容器。
  23. インモールド成形容器が、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニルおよびポリカーボネートからなる群より選択される材料からなることを特徴とする請求項21又は22に記載のインモールド成形容器。
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