JP2004255782A - 耐熱カード - Google Patents
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Abstract
【課題】自己融着性および高耐熱性を有し、かつ低温での転写印刷が可能で、かつ品質の安定したカード用の多層シートを提供する。
【解決手段】共重合ポリエステル樹脂とポリカーボネート樹脂からなる樹脂に無機充填剤、ゴム性弾性体、酸化チタンを配合した樹脂組成物からなるコアシート〔I〕と、共重合ポリエステル樹脂とポリカーボネート樹脂からなる融着層(A)、共重合ポリエステル樹脂とポリカーボネート樹脂からなる耐熱層(B)、及び共重合ポリエステル樹脂とポリカーボネート樹脂からなる表面層(C)の少なくとも3層からなるオーバーシート〔II〕とを貼り合わせて得られた耐熱カードにおいて、エンボス処理後のカールが2.5mm以内に抑えられかつ低温融着性、打ち抜き特性に優れていることを特徴とする耐熱カードである。
【解決手段】共重合ポリエステル樹脂とポリカーボネート樹脂からなる樹脂に無機充填剤、ゴム性弾性体、酸化チタンを配合した樹脂組成物からなるコアシート〔I〕と、共重合ポリエステル樹脂とポリカーボネート樹脂からなる融着層(A)、共重合ポリエステル樹脂とポリカーボネート樹脂からなる耐熱層(B)、及び共重合ポリエステル樹脂とポリカーボネート樹脂からなる表面層(C)の少なくとも3層からなるオーバーシート〔II〕とを貼り合わせて得られた耐熱カードにおいて、エンボス処理後のカールが2.5mm以内に抑えられかつ低温融着性、打ち抜き特性に優れていることを特徴とする耐熱カードである。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コアシートとオーバーシートを積層して制作されたICカードや磁気ストライプカード等のカードに関するものである。また、高速道路でのノンストップ自動料金収受システム等でも使用可能な耐熱特性を有するカードに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般的にカードの材料は、コアシートと称せられる白色に着色された中心層とコアシートの表面に積層され、カード表裏面に一対として被覆される透明なオーバーシートから構成される。コアシート及びオーバーシートの積層面の融着は熱融着を介してのドライラミネート、もしくは熱融着接着剤を用いてのプレス融着が使用される。
【0003】
これらのカード用シートは、一般に塩化ビニルシートが用いられてきたが、焼却処理の問題からポリ塩化ビニール樹脂を敬遠する動きが近年見られている。
ポリ塩化ビニール樹脂の代替品としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂やポリエチレンテレフタレート樹脂のエチレングリコール成分をシクロヘキサンジメタノールに置換してなる共重合ポリエステル樹脂が急速に市場に出回るようになってきている。
【0004】
しかしながら、ポリエチレンテレフタレート樹脂より生産された延伸PETフィルムは熱融着特性に乏しく、プレス融着による生産ができない。よって、熱融着接着剤をフィルムに塗布することになるが工数とコストが掛かってしまう。また、エンボス工程で文字を入れても文字の型が鮮明に出ないなどの問題があった。
【0005】
また、ポリエチレンテレフタレート樹脂のエチレングリコール成分をシクロヘキサンジメタノールに置換してなる共重合ポリエステル樹脂を使用した場合には、ポリ塩化ビニール樹脂で使用している生産ラインで同様にエンボス文字を入れてもカードのカールが規格である2.5mm以下にならなかった。その為、設備の変更や改良、新設が必要となりコストアップや生産効率が極端に低下するなど非常に問題になっていた。
更に高速道路でノンストップ自動料金収受システムが稼動したことにより、高温下(90℃)にカードが曝された時にでも反りやたわみのないことが要求されるようになった。しかしながら、ポリエチレンテレフタレート樹脂のエチレングリコール成分をシクロヘキサンジメタノールに置換してなる共重合ポリエステル樹脂は耐熱性が低い為変形してしまう問題があった。
【0006】
ポリエチレンテレフタレート樹脂のエチレングリコール成分をシクロヘキサンジメタノールに置換してなる共重合ポリエステル樹脂に耐熱特性を付与する技術は、多数報告されている。例えば、特許文献1、2、3、4、5等が挙げられる。前述の文献には、ポリエチレンテレフタレート樹脂のエチレングリコール成分をシクロヘキサンジメタノールに置換してなる共重合ポリエステル樹脂にポリカーボネート等の耐熱樹脂をブレンドしたり、ポリカーボネート樹脂層を積層することによって実施できることが報告されている。しかしながら、耐熱特性が付与できる反面、エンボス(文字を打刻する作業)を入れたときのカードの反り(カール)が2.5mm以内の規格に収まらない、プレス時の融着温度が高くなりプレス版に樹脂がしみ出す、ポリカーボネート層単体やポリカーボネートの添加比率が高い為低温で転写印刷ができない等のいずれかの不具合が発生し問題となっていた。
【0007】
また、ポリエチレンテレフタレート樹脂のエチレングリコール成分をシクロヘキサンジメタノールに置換してなる共重合ポリエステル樹脂に耐熱特性を付与しかつエンボス時のカールを抑制する技術も多数報告されている。例えば、特許文献6,7,8ではポリエチレンテレフタレート樹脂のエチレングリコール成分をシクロヘキサンジメタノールに置換してなる共重合ポリエステル樹脂とポリカーボネート樹脂の混合物に無機充填材を添加し改善できることが報告されている。しかしながら、無機充填材の添加によりカードが脆くなったり低温で転写印刷することができないという問題があった。また、表面層にも無機充填材が添加されるため透明なオーバーシートは作製できない。故に、コアシートに印刷がある用途では使用が制限されていた。
【特許文献1】
特開2001−283175号公報
【特許文献2】
特開2002−36765号公報
【特許文献3】
特開2000−231618号公報
【特許文献4】
特開2001−347614号公報
【特許文献5】
特許第3045112号公報
【特許文献6】
特開2002−1891号公報
【特許文献7】
特開平11−227136号公報
【特許文献8】
特開平11−1607号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ポリ塩化ビニール樹脂以外の樹脂を使用して作成され、低温で転写印刷の可能なカードにおいて、エンボス処理後のカールが規格である2.5mm以内に抑えられ、かつ低温融着性、打ち抜き特性に優れた耐熱カードを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の問題点を解決するため鋭意探索した結果、特定の配合処方を施したコアシートとオーバーシートを貼り合わせる事により解決できることを見い出した。
即ち本発明は、ポリエチレンテレフタレート樹脂のエチレングリコール成分10〜70モル%をシクロヘキサンジメタノールに置換してなる共重合ポリエステル樹脂60〜30重量部とポリカーボネート樹脂40〜70重量部からなる樹脂100重量部に無機充填剤5〜25重量部、ゴム性弾性体5〜25重量部、酸化チタン5〜20重量部配合した樹脂組成物からなるコアシート〔I〕と、ポリエチレンテレフタレート樹脂のエチレングリコール成分の10〜70モル%をシクロヘキサンジメタノールに置換してなる共重合ポリエステル樹脂40〜85重量部とポリカーボネート樹脂60〜15重量部からなる融着層(A)、ポリエチレンテレフタレート樹脂のエチレングリコール成分の10〜70モル%をシクロヘキサンジメタノールに置換してなる共重合ポリエステル樹脂30〜60重量部とポリカーボネート樹脂70〜40重量部からなる耐熱層(B)、及びポリエチレンテレフタレート樹脂のエチレングリコール成分の10〜70モル%をシクロヘキサンジメタノールに置換してなる共重合ポリエステル樹脂60〜85重量部とポリカーボネート樹脂40〜15重量部からなる表面層(C)の少なくとも3層からなり、耐熱層(B)の厚みが50ミクロン以上でその厚み構成比率が50〜90%であり、カード表層側からC/B/Aの順に積層したことを特徴とするオーバーシート〔II〕とを貼り合わせて得られた耐熱カードである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明に用いるコアシートは、ポリエチレンテレフタレート樹脂のエチレングリコール成分10〜70モル%をシクロヘキサンジメタノールに置換してなる共重合ポリエステル樹脂60〜30重量部とポリカーボネート樹脂40〜70重量部からなる樹脂100重量部に無機充填剤5〜25重量部、ゴム性弾性体5〜25重量部、酸化チタン5〜20重量部配合した樹脂組成物からなる。
【0011】
本発明で使用される共重合ポリエステル樹脂は、ポリエチレンテレフタレート樹脂においてエチレングリコール成分の10〜70モル%をシクロヘキサンジメタノールに置換してなるものを使用するが、エチレングリコール成分の置換量が10モル%未満では熱融着性が劣り、融着後のシートの弾性率が低下する。これは、ポリエチレンテレフタレート樹脂は結晶性樹脂であるため融着後の冷却時にシートの再結晶化が進むことにより熱融着性が無くなり、シートの弾性率が低下するためである。また逆に、エチレングリコール成分の置換量が70モル%を越えると共重合ポリエステル樹脂の弾性率が下がり、熱融着性が下がる。これは、共重合ポリエステル樹脂の置換量が多くなると再結晶化が早く進み、熱融着性が無くなってしまう為である。
【0012】
即ち、エチレングリコール成分の10〜70モル%をシクロヘキサンジメタノールに置換する事により、共重合ポリエステル樹脂は非結晶性の樹脂となり、熱融着性を持ち、シートの弾性率の低下が無くなる。従って、エチレングリコール成分のシクロヘキサンジメタノールへの置換量は10〜70モル%が良く、好ましくは20〜35モル%である。
【0013】
コアシート中のポリカーボネート樹脂の配合量が40重量部未満になると、90℃以上の耐熱特性が得られずたわみやへこみといった不具合が生じてしまう。また、70重量部を超えるとエンボス処理後のカールが2.5mm以上になってしまう。
【0014】
本発明で使用するポリカーボネート樹脂は、種々のジヒドロキシジアリール化合物とホスゲンとを反応させるホスゲン法、またはジヒドロキシジアリール化合物とジフェニルカーボネートなどの炭酸エステルとを反応させるエステル交換法によって得られる重合体である。
【0015】
上記ジヒドロキシジアリール化合物としては、ビスフェノールAの他に、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)プロパンのようなビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンのようなビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルエーテルのようなジヒドロキシジアリールエーテル類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルフィドのようなジヒドロキシジアリールスルフィド類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホキシドのようなジヒドロキシジアリールスルホキシド類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホンのようなジヒドロキシジアリールスルホン類等が挙げられ、これらは単独だけでなく2種類以上混合して使用してもよい。
【0016】
本発明に使用されるポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量には特に制限はないが、成形加工性、強度、耐熱性の面より通常10000〜100000、好ましくは15000〜35000である。また、かかるポリカーボネート樹脂を製造するに際し分子量調節剤、触媒等を必要に応じて添加しても差し支えない。
【0017】
本発明において使用する無機充填剤としては、タルク、マイカ、炭酸カルシウム等が挙げられる。中でも、平均粒子径0.5〜50μmのタルクが好ましい。
【0018】
コアシート中の無機充填剤が5重量部未満になるとカード作成後、エンボス加工を行うとカードの反りが大きくなってしまう。また、25重量部を越えると樹脂との相溶性が悪くなり衝撃強度が低下しカードが脆くなる。ゴム性弾性体は5重量部未満になると衝撃特性が低下しカードが脆くなる。また、25重量部を越えると耐熱性が低下するので好ましくない。
【0019】
本発明において使用するゴム性弾性体としては、アルキルアクリレートやアルキルメタクリレートを主体とするアクリル系重合体やメタクリル系重合体、ブタジエンやイソプレンなどの共役ジエンを主体とするジエン系重合体、ポリオルガノシロキサンを主体とするシリコーン系重合体の一種又は二種以上の共重合体、メチルメタアクリレート・ブチルアクリレート・スチレン樹脂、メチルメタアクリレート・ブタジエン・スチレン樹脂(以下、MBS樹脂と略す)、ブチルアクリレート・イソプレン・スチレン樹脂などがあり公知のものを用いることができる。特に、MBS樹脂が好ましい。
【0020】
上記以外のゴム性弾性体としては、例えばブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン、イソブチレン−イソプレンゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンゴム、スチレン−ブタジエンゴムの水素化物、スチレン−イソプレン−スチレンゴム、スチレン−イソプレンゴムの水素化物などを挙げることができる。
これらの上記ゴム性弾性体は、一種あるいは二種以上組み合わせて使用しても良い。
【0021】
コアシート中の酸化チタンは、5重量部未満になるとICチップ等の隠蔽性が低下し透けてしまったり、カード打ち抜き時にバリ(ひげ)が発生することによる生産効率の低下といった問題が起こる。20重量部を超えると樹脂との相溶性が悪くなり衝撃強度が低下しカードが脆くなる。
【0022】
本発明のオーバーシートは融着層と耐熱層と表面層の少なくとも三層構成からなる。前記融着層のポリカーボネート樹脂は、15重量部未満になると流れ出しが大きくなってしまい、60重量部を超えると融着温度が140℃以上になってしまう。前記耐熱層のポリカーボネート樹脂は、40重量部未満になると耐熱性が不足してしまい、70重量部を超えるとエンボス処理後のカールが2.5mm以上になってしまう。前記表面層のポリカーボネート樹脂は、15重量部未満になるとプレス時に融着層の流れ出しが大きくなりプレス板が汚れてしまい、40重量部を超えると110℃以下での転写印刷が不可能となってしまう。
【0023】
耐熱層の厚み層構成比率は、50%〜90%の範囲が好ましい。耐熱層の層構成比率が50%未満では、耐熱性が低下し、90%を超えると融着性や磁気テープの埋め込み性が低下する。
【0024】
本発明のオーバーシートの耐熱層の厚さは、50ミクロン以上であることが好ましい。50ミクロン以下になると耐熱性が不足しカードのたわみ等が発生する。
【0025】
本発明のオーバーシート及びコアシートには、所望により通常に使用される添加剤、例えば相溶化剤、安定剤、滑剤、補強剤、加工助剤、顔料、帯電防止剤、酸化防止剤、中和剤、紫外線吸収剤、分散剤、増粘剤、その他無機充填剤等、または他の合成樹脂を含有させることもできる。
本発明のオーバーシート及びコアシートをシート状に加工するためには、従来よりカレンダリング法、押し出し法、プレス法、キャスト法などがあるが、ここで特に限定するものではない。
【0026】
【実施例】
以下実施例により本発明を説明するが、これは単なる例示であり、本発明はこれに限定されるものではない。
《オーバーシートの作製》
表1に示した融着層A、耐熱層B、表面層Cを、表2に示した構成比率で押し出し法を用いて、100μm厚のオーバーシートを作製した。
《コアシートの作製》
表3の組成内容のペレットを作成した後、シート状に押し出し、コアシートを作製した。シートの厚みは、600μmとした。
《実施例、比較例》
作製したオーバーシート及びコアシートを用い、融着性、耐熱特性、エンボス時のカール及び転写印刷性のテストを実施した。この結果を表4に示す。各種評価については、下記に基づいて実施した。
(1)融着性:表3のコアシートと表2の比率で作成したオーバーシートを、オーバーシート/コアシート/オーバーシートの構成でプレス板に挟み、130℃で10分間プレスした後、切り込みを入れ3枚のシートが剥離してしまうかどうか確認した。
○:シートが完全に融着しているもの
×:シートが完全に剥離してしまったもの、あるいはプレス時に流れ出しがひどくプレス板が汚れてしまうもの
(2)一般耐熱試験:プレスにより得られた多層シート(オーバーシート/コアシート/オーバーシート)をカード打ち抜き用金型を用いてカード状に打ち抜いた。得られたカード状の多層シートを90℃のオーブンに45度の角度で立て掛けて、JIS X 6301に従い反りを測定した。
○:反りが1.5mm以下であるもの
×:反りが1.5mmより大きいもの
(3)チャッキング耐熱試験:プレスにより得られた多層シート(オーバーシート/コアシート/オーバーシート)をカード打ち抜き用金型を用いてカード状に打ち抜いた。得られたカード状の多層シートを90℃のオーブンに入れ、チャッキング試験を行った(車載器:EP221 三菱電機製)。
○:凹みのないもの
×:凹みのあるもの
(4)エンボス打刻後の反り:プレスにより得られた多層シート(オーバーシート/コアシート/オーバーシート)をカード打ち抜き用金型を用いてカード状に打ち抜いた。得られたカードに日本データカード製エンボッサーDC9000により打刻テストを行った後、JIS X 6301に従い反りを測定した。
○:エンボス打刻後の反りが2.5mm未満であったもの
×:エンボス打刻後の反りが2.5mm以上又は割れてしまったもの
(5)打ち抜き性:プレスにより得られた多層シート(オーバーシート/コアシート/オーバーシート)をカード打ち抜き用金型を用いてカード状に打ち抜いた。その際、割れ、バリ等が発生しないか確認した。
○:割れ、バリのないもの
×:割れ、バリが発生したもの
(6)転写印刷の確認:オーバーシートの表面層(C)に転写印刷を施し、インキの転写具合を観察した。
○:110℃以下で転写印刷が可能なもの
×:110℃以下で転写印刷が不可能なもの
【0027】
表中の記号は、以下の通りである。
(1)PETG樹脂 :PETG6763 イーストマンケミカルジャパン(株)製
(2)PC樹脂 :カリバー301−10 住友ダウ(株)製
(3)タルク :MW HS−T 林化成(株)製
(4)ゴム状弾性体 :B−56 鐘淵化学工業(株)製
(5)酸化チタン :チタンCR−60 石原産業(株)製
【0028】
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【0029】
【発明の効果】
本発明によれば、ポリ塩化ビニール樹脂以外の樹脂を使用して作成され、低温で転写印刷の可能なカードにおいて、エンボス処理後のカールが規格である2.5mm以内に抑えられることができ、かつ低温融着性、打ち抜き特性に優れていることを特徴とする耐熱カードを提供することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、コアシートとオーバーシートを積層して制作されたICカードや磁気ストライプカード等のカードに関するものである。また、高速道路でのノンストップ自動料金収受システム等でも使用可能な耐熱特性を有するカードに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般的にカードの材料は、コアシートと称せられる白色に着色された中心層とコアシートの表面に積層され、カード表裏面に一対として被覆される透明なオーバーシートから構成される。コアシート及びオーバーシートの積層面の融着は熱融着を介してのドライラミネート、もしくは熱融着接着剤を用いてのプレス融着が使用される。
【0003】
これらのカード用シートは、一般に塩化ビニルシートが用いられてきたが、焼却処理の問題からポリ塩化ビニール樹脂を敬遠する動きが近年見られている。
ポリ塩化ビニール樹脂の代替品としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂やポリエチレンテレフタレート樹脂のエチレングリコール成分をシクロヘキサンジメタノールに置換してなる共重合ポリエステル樹脂が急速に市場に出回るようになってきている。
【0004】
しかしながら、ポリエチレンテレフタレート樹脂より生産された延伸PETフィルムは熱融着特性に乏しく、プレス融着による生産ができない。よって、熱融着接着剤をフィルムに塗布することになるが工数とコストが掛かってしまう。また、エンボス工程で文字を入れても文字の型が鮮明に出ないなどの問題があった。
【0005】
また、ポリエチレンテレフタレート樹脂のエチレングリコール成分をシクロヘキサンジメタノールに置換してなる共重合ポリエステル樹脂を使用した場合には、ポリ塩化ビニール樹脂で使用している生産ラインで同様にエンボス文字を入れてもカードのカールが規格である2.5mm以下にならなかった。その為、設備の変更や改良、新設が必要となりコストアップや生産効率が極端に低下するなど非常に問題になっていた。
更に高速道路でノンストップ自動料金収受システムが稼動したことにより、高温下(90℃)にカードが曝された時にでも反りやたわみのないことが要求されるようになった。しかしながら、ポリエチレンテレフタレート樹脂のエチレングリコール成分をシクロヘキサンジメタノールに置換してなる共重合ポリエステル樹脂は耐熱性が低い為変形してしまう問題があった。
【0006】
ポリエチレンテレフタレート樹脂のエチレングリコール成分をシクロヘキサンジメタノールに置換してなる共重合ポリエステル樹脂に耐熱特性を付与する技術は、多数報告されている。例えば、特許文献1、2、3、4、5等が挙げられる。前述の文献には、ポリエチレンテレフタレート樹脂のエチレングリコール成分をシクロヘキサンジメタノールに置換してなる共重合ポリエステル樹脂にポリカーボネート等の耐熱樹脂をブレンドしたり、ポリカーボネート樹脂層を積層することによって実施できることが報告されている。しかしながら、耐熱特性が付与できる反面、エンボス(文字を打刻する作業)を入れたときのカードの反り(カール)が2.5mm以内の規格に収まらない、プレス時の融着温度が高くなりプレス版に樹脂がしみ出す、ポリカーボネート層単体やポリカーボネートの添加比率が高い為低温で転写印刷ができない等のいずれかの不具合が発生し問題となっていた。
【0007】
また、ポリエチレンテレフタレート樹脂のエチレングリコール成分をシクロヘキサンジメタノールに置換してなる共重合ポリエステル樹脂に耐熱特性を付与しかつエンボス時のカールを抑制する技術も多数報告されている。例えば、特許文献6,7,8ではポリエチレンテレフタレート樹脂のエチレングリコール成分をシクロヘキサンジメタノールに置換してなる共重合ポリエステル樹脂とポリカーボネート樹脂の混合物に無機充填材を添加し改善できることが報告されている。しかしながら、無機充填材の添加によりカードが脆くなったり低温で転写印刷することができないという問題があった。また、表面層にも無機充填材が添加されるため透明なオーバーシートは作製できない。故に、コアシートに印刷がある用途では使用が制限されていた。
【特許文献1】
特開2001−283175号公報
【特許文献2】
特開2002−36765号公報
【特許文献3】
特開2000−231618号公報
【特許文献4】
特開2001−347614号公報
【特許文献5】
特許第3045112号公報
【特許文献6】
特開2002−1891号公報
【特許文献7】
特開平11−227136号公報
【特許文献8】
特開平11−1607号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ポリ塩化ビニール樹脂以外の樹脂を使用して作成され、低温で転写印刷の可能なカードにおいて、エンボス処理後のカールが規格である2.5mm以内に抑えられ、かつ低温融着性、打ち抜き特性に優れた耐熱カードを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の問題点を解決するため鋭意探索した結果、特定の配合処方を施したコアシートとオーバーシートを貼り合わせる事により解決できることを見い出した。
即ち本発明は、ポリエチレンテレフタレート樹脂のエチレングリコール成分10〜70モル%をシクロヘキサンジメタノールに置換してなる共重合ポリエステル樹脂60〜30重量部とポリカーボネート樹脂40〜70重量部からなる樹脂100重量部に無機充填剤5〜25重量部、ゴム性弾性体5〜25重量部、酸化チタン5〜20重量部配合した樹脂組成物からなるコアシート〔I〕と、ポリエチレンテレフタレート樹脂のエチレングリコール成分の10〜70モル%をシクロヘキサンジメタノールに置換してなる共重合ポリエステル樹脂40〜85重量部とポリカーボネート樹脂60〜15重量部からなる融着層(A)、ポリエチレンテレフタレート樹脂のエチレングリコール成分の10〜70モル%をシクロヘキサンジメタノールに置換してなる共重合ポリエステル樹脂30〜60重量部とポリカーボネート樹脂70〜40重量部からなる耐熱層(B)、及びポリエチレンテレフタレート樹脂のエチレングリコール成分の10〜70モル%をシクロヘキサンジメタノールに置換してなる共重合ポリエステル樹脂60〜85重量部とポリカーボネート樹脂40〜15重量部からなる表面層(C)の少なくとも3層からなり、耐熱層(B)の厚みが50ミクロン以上でその厚み構成比率が50〜90%であり、カード表層側からC/B/Aの順に積層したことを特徴とするオーバーシート〔II〕とを貼り合わせて得られた耐熱カードである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明に用いるコアシートは、ポリエチレンテレフタレート樹脂のエチレングリコール成分10〜70モル%をシクロヘキサンジメタノールに置換してなる共重合ポリエステル樹脂60〜30重量部とポリカーボネート樹脂40〜70重量部からなる樹脂100重量部に無機充填剤5〜25重量部、ゴム性弾性体5〜25重量部、酸化チタン5〜20重量部配合した樹脂組成物からなる。
【0011】
本発明で使用される共重合ポリエステル樹脂は、ポリエチレンテレフタレート樹脂においてエチレングリコール成分の10〜70モル%をシクロヘキサンジメタノールに置換してなるものを使用するが、エチレングリコール成分の置換量が10モル%未満では熱融着性が劣り、融着後のシートの弾性率が低下する。これは、ポリエチレンテレフタレート樹脂は結晶性樹脂であるため融着後の冷却時にシートの再結晶化が進むことにより熱融着性が無くなり、シートの弾性率が低下するためである。また逆に、エチレングリコール成分の置換量が70モル%を越えると共重合ポリエステル樹脂の弾性率が下がり、熱融着性が下がる。これは、共重合ポリエステル樹脂の置換量が多くなると再結晶化が早く進み、熱融着性が無くなってしまう為である。
【0012】
即ち、エチレングリコール成分の10〜70モル%をシクロヘキサンジメタノールに置換する事により、共重合ポリエステル樹脂は非結晶性の樹脂となり、熱融着性を持ち、シートの弾性率の低下が無くなる。従って、エチレングリコール成分のシクロヘキサンジメタノールへの置換量は10〜70モル%が良く、好ましくは20〜35モル%である。
【0013】
コアシート中のポリカーボネート樹脂の配合量が40重量部未満になると、90℃以上の耐熱特性が得られずたわみやへこみといった不具合が生じてしまう。また、70重量部を超えるとエンボス処理後のカールが2.5mm以上になってしまう。
【0014】
本発明で使用するポリカーボネート樹脂は、種々のジヒドロキシジアリール化合物とホスゲンとを反応させるホスゲン法、またはジヒドロキシジアリール化合物とジフェニルカーボネートなどの炭酸エステルとを反応させるエステル交換法によって得られる重合体である。
【0015】
上記ジヒドロキシジアリール化合物としては、ビスフェノールAの他に、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)プロパンのようなビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンのようなビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルエーテルのようなジヒドロキシジアリールエーテル類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルフィドのようなジヒドロキシジアリールスルフィド類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホキシドのようなジヒドロキシジアリールスルホキシド類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホンのようなジヒドロキシジアリールスルホン類等が挙げられ、これらは単独だけでなく2種類以上混合して使用してもよい。
【0016】
本発明に使用されるポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量には特に制限はないが、成形加工性、強度、耐熱性の面より通常10000〜100000、好ましくは15000〜35000である。また、かかるポリカーボネート樹脂を製造するに際し分子量調節剤、触媒等を必要に応じて添加しても差し支えない。
【0017】
本発明において使用する無機充填剤としては、タルク、マイカ、炭酸カルシウム等が挙げられる。中でも、平均粒子径0.5〜50μmのタルクが好ましい。
【0018】
コアシート中の無機充填剤が5重量部未満になるとカード作成後、エンボス加工を行うとカードの反りが大きくなってしまう。また、25重量部を越えると樹脂との相溶性が悪くなり衝撃強度が低下しカードが脆くなる。ゴム性弾性体は5重量部未満になると衝撃特性が低下しカードが脆くなる。また、25重量部を越えると耐熱性が低下するので好ましくない。
【0019】
本発明において使用するゴム性弾性体としては、アルキルアクリレートやアルキルメタクリレートを主体とするアクリル系重合体やメタクリル系重合体、ブタジエンやイソプレンなどの共役ジエンを主体とするジエン系重合体、ポリオルガノシロキサンを主体とするシリコーン系重合体の一種又は二種以上の共重合体、メチルメタアクリレート・ブチルアクリレート・スチレン樹脂、メチルメタアクリレート・ブタジエン・スチレン樹脂(以下、MBS樹脂と略す)、ブチルアクリレート・イソプレン・スチレン樹脂などがあり公知のものを用いることができる。特に、MBS樹脂が好ましい。
【0020】
上記以外のゴム性弾性体としては、例えばブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン、イソブチレン−イソプレンゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンゴム、スチレン−ブタジエンゴムの水素化物、スチレン−イソプレン−スチレンゴム、スチレン−イソプレンゴムの水素化物などを挙げることができる。
これらの上記ゴム性弾性体は、一種あるいは二種以上組み合わせて使用しても良い。
【0021】
コアシート中の酸化チタンは、5重量部未満になるとICチップ等の隠蔽性が低下し透けてしまったり、カード打ち抜き時にバリ(ひげ)が発生することによる生産効率の低下といった問題が起こる。20重量部を超えると樹脂との相溶性が悪くなり衝撃強度が低下しカードが脆くなる。
【0022】
本発明のオーバーシートは融着層と耐熱層と表面層の少なくとも三層構成からなる。前記融着層のポリカーボネート樹脂は、15重量部未満になると流れ出しが大きくなってしまい、60重量部を超えると融着温度が140℃以上になってしまう。前記耐熱層のポリカーボネート樹脂は、40重量部未満になると耐熱性が不足してしまい、70重量部を超えるとエンボス処理後のカールが2.5mm以上になってしまう。前記表面層のポリカーボネート樹脂は、15重量部未満になるとプレス時に融着層の流れ出しが大きくなりプレス板が汚れてしまい、40重量部を超えると110℃以下での転写印刷が不可能となってしまう。
【0023】
耐熱層の厚み層構成比率は、50%〜90%の範囲が好ましい。耐熱層の層構成比率が50%未満では、耐熱性が低下し、90%を超えると融着性や磁気テープの埋め込み性が低下する。
【0024】
本発明のオーバーシートの耐熱層の厚さは、50ミクロン以上であることが好ましい。50ミクロン以下になると耐熱性が不足しカードのたわみ等が発生する。
【0025】
本発明のオーバーシート及びコアシートには、所望により通常に使用される添加剤、例えば相溶化剤、安定剤、滑剤、補強剤、加工助剤、顔料、帯電防止剤、酸化防止剤、中和剤、紫外線吸収剤、分散剤、増粘剤、その他無機充填剤等、または他の合成樹脂を含有させることもできる。
本発明のオーバーシート及びコアシートをシート状に加工するためには、従来よりカレンダリング法、押し出し法、プレス法、キャスト法などがあるが、ここで特に限定するものではない。
【0026】
【実施例】
以下実施例により本発明を説明するが、これは単なる例示であり、本発明はこれに限定されるものではない。
《オーバーシートの作製》
表1に示した融着層A、耐熱層B、表面層Cを、表2に示した構成比率で押し出し法を用いて、100μm厚のオーバーシートを作製した。
《コアシートの作製》
表3の組成内容のペレットを作成した後、シート状に押し出し、コアシートを作製した。シートの厚みは、600μmとした。
《実施例、比較例》
作製したオーバーシート及びコアシートを用い、融着性、耐熱特性、エンボス時のカール及び転写印刷性のテストを実施した。この結果を表4に示す。各種評価については、下記に基づいて実施した。
(1)融着性:表3のコアシートと表2の比率で作成したオーバーシートを、オーバーシート/コアシート/オーバーシートの構成でプレス板に挟み、130℃で10分間プレスした後、切り込みを入れ3枚のシートが剥離してしまうかどうか確認した。
○:シートが完全に融着しているもの
×:シートが完全に剥離してしまったもの、あるいはプレス時に流れ出しがひどくプレス板が汚れてしまうもの
(2)一般耐熱試験:プレスにより得られた多層シート(オーバーシート/コアシート/オーバーシート)をカード打ち抜き用金型を用いてカード状に打ち抜いた。得られたカード状の多層シートを90℃のオーブンに45度の角度で立て掛けて、JIS X 6301に従い反りを測定した。
○:反りが1.5mm以下であるもの
×:反りが1.5mmより大きいもの
(3)チャッキング耐熱試験:プレスにより得られた多層シート(オーバーシート/コアシート/オーバーシート)をカード打ち抜き用金型を用いてカード状に打ち抜いた。得られたカード状の多層シートを90℃のオーブンに入れ、チャッキング試験を行った(車載器:EP221 三菱電機製)。
○:凹みのないもの
×:凹みのあるもの
(4)エンボス打刻後の反り:プレスにより得られた多層シート(オーバーシート/コアシート/オーバーシート)をカード打ち抜き用金型を用いてカード状に打ち抜いた。得られたカードに日本データカード製エンボッサーDC9000により打刻テストを行った後、JIS X 6301に従い反りを測定した。
○:エンボス打刻後の反りが2.5mm未満であったもの
×:エンボス打刻後の反りが2.5mm以上又は割れてしまったもの
(5)打ち抜き性:プレスにより得られた多層シート(オーバーシート/コアシート/オーバーシート)をカード打ち抜き用金型を用いてカード状に打ち抜いた。その際、割れ、バリ等が発生しないか確認した。
○:割れ、バリのないもの
×:割れ、バリが発生したもの
(6)転写印刷の確認:オーバーシートの表面層(C)に転写印刷を施し、インキの転写具合を観察した。
○:110℃以下で転写印刷が可能なもの
×:110℃以下で転写印刷が不可能なもの
【0027】
表中の記号は、以下の通りである。
(1)PETG樹脂 :PETG6763 イーストマンケミカルジャパン(株)製
(2)PC樹脂 :カリバー301−10 住友ダウ(株)製
(3)タルク :MW HS−T 林化成(株)製
(4)ゴム状弾性体 :B−56 鐘淵化学工業(株)製
(5)酸化チタン :チタンCR−60 石原産業(株)製
【0028】
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【0029】
【発明の効果】
本発明によれば、ポリ塩化ビニール樹脂以外の樹脂を使用して作成され、低温で転写印刷の可能なカードにおいて、エンボス処理後のカールが規格である2.5mm以内に抑えられることができ、かつ低温融着性、打ち抜き特性に優れていることを特徴とする耐熱カードを提供することができる。
Claims (1)
- ポリエチレンテレフタレート樹脂のエチレングリコール成分10〜70モル%をシクロヘキサンジメタノールに置換してなる共重合ポリエステル樹脂60〜30重量部とポリカーボネート樹脂40〜70重量部からなる樹脂100重量部に無機充填剤5〜25重量部、ゴム性弾性体5〜25重量部、酸化チタン5〜20重量部配合した樹脂組成物からなるコアシート〔I〕と、ポリエチレンテレフタレート樹脂のエチレングリコール成分の10〜70モル%をシクロヘキサンジメタノールに置換してなる共重合ポリエステル樹脂40〜85重量部とポリカーボネート樹脂60〜15重量部からなる融着層(A)、ポリエチレンテレフタレート樹脂のエチレングリコール成分の10〜70モル%をシクロヘキサンジメタノールに置換してなる共重合ポリエステル樹脂30〜60重量部とポリカーボネート樹脂70〜40重量部からなる耐熱層(B)、及びポリエチレンテレフタレート樹脂のエチレングリコール成分の10〜70モル%をシクロヘキサンジメタノールに置換してなる共重合ポリエステル樹脂60〜85重量部とポリカーボネート樹脂40〜15重量部からなる表面層(C)の少なくとも3層からなり、耐熱層(B)の厚みが50ミクロン以上でその厚み層構成比率が50〜90%であり、カード表層側からC/B/Aの順に積層されたことを特徴とするオーバーシート〔II〕とを貼り合わせて得られた耐熱カード。
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