JP2004255522A - 表面処理方法および焼結部品 - Google Patents

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寛久 小野目
Masazumi Onishi
昌澄 大西
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秀雄 相原
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Abstract

【課題】焼結部品を対象に固体潤滑剤皮膜を安定的に形成することを可能にし、もって低摩擦係数の長期的な持続に大きく寄与する表面処理方法を提供する。
【解決手段】焼結部品1の表面に、固体潤滑剤粒子3と硬質粒子4との混合物をショットピーニングし、硬質粒子4の衝突エネルギーにより固体潤滑剤3を焼結部品1に存在する空孔2に十分に浸透させる。また、硬質粒子4の衝突で表層部に塑性変形を起こし、空孔2の口部を絞り、あるいは封口して固体潤滑剤3の剥離を防止する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、焼結部品の表面処理方法に係り、特に固体潤滑皮膜を効果的に形成するための表面処理方法とこの表面処理が施された焼結部品とに関する。
【0002】
【従来の技術】
摺動特性の改善や耐摩耗性の向上を目的に、部品表面に固体潤滑皮膜を形成することが従来より行われており、最近では、焼結部品を対象に、この固体潤滑皮膜を形成することも行われている。部品表面に固体潤滑皮膜を形成する方法としては、イオンプレーティング法、CVD法、真空蒸着法、スパッタリング法、ショットピーニング法等、種々の方法があるが、処理が簡単で生産性に優れていることから、ショットピーニング法が多用される傾向にある。
【0003】
図4は、焼結部品1を対象に、ショットピーニング法により固体潤滑皮膜を形成する場合の実施状況を模式的に示したものである。このショットピーニングにおいては、焼結部品1に多数の空孔2が存在することから、焼結部品1に向けて高速度で投射された固体潤滑剤(粒子)3は、表面の空孔2内に浸透し、該空孔2内に保持されるようになる。
【0004】
なお、溶製材からなる部品を対象にした例ではあるが、一部では、固体潤滑皮膜の密着性を高めるため、固体潤滑剤粉末と樹脂粒子との混合物をショットピーニングすることが行われている(特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−239829号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ショットピーニングにより固体潤滑皮膜を形成する従来一般の表面処理方法によれば、図5に示すように、焼結部品1の表面に存在する空孔2が複雑形状になっている場合には、固体潤滑剤3が空孔2の内部に十分に浸透せず、長期的に低摩擦係数を持続させることが困難である、という問題があった。また、表面に存在する空孔2が浅く、かつその口部が広くなっている場合には、空孔2内に充填された固体潤滑剤3が焼結部品1の表面から容易に剥離し、摩擦係数が早期に増大してしまう、という問題があった。
【0007】
なお、上記特許文献1に記載されたショットピーニング法、すなわち潤滑剤粉末と樹脂粒子との混合物をショットピーニングする方法を焼結部品に適用した場合は、固定潤滑剤のみをショットピーニングする場合に比べて、空孔内への固体潤滑剤の浸透効果が高まるものと期待されるが、投射材として用いる樹脂粒子が軟質であることから、いわゆるショットピーニング効果は不十分で、低摩擦係数の長期的な持続にはあまりつながらない。
【0008】
本発明は、上記した従来の問題点に鑑みてなされたもので、その課題とするところは、焼結部品を対象に固体潤滑剤皮膜を安定的に形成することを可能にし、もって低摩擦係数の長期的な持続に大きく寄与する表面処理方法および焼結部品を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明に係る表面処理方法は、焼結部品の表面に、固体潤滑剤粒子と硬質粒子との混合物をショットピーニングすることを特徴とする。
このように行う表面処理方法においては、ショットピーニングの投射材として硬質粒子を用いているので、その衝突エネルギーにより固体潤滑剤が、複雑形状の空孔内にも十分に浸透する。また、硬質粒子の衝突で表層部が塑性変形を起こすので、空孔の口部が絞られ、あるいは封口されるようになり、固体潤滑剤の剥離が抑制される。
本発明の表面処理方法において、上記硬質粒子としては、鉄系、セラミック系等の種々の材料を用いることができるが、比較的安価に入手可能であることから、鉄系の、いわゆるスチールショットを用いるのが望ましい。
【0010】
上記課題を解決するため、本発明に係る焼結部品は、固体潤滑剤粒子と硬質粒子との混合物をショットピーニングすることにより、表面に固体潤滑剤皮膜を形成したことを特徴とする。
このように構成された焼結部品は、上記したように固体潤滑剤が空孔内に十分浸透しかつ空孔の口部が絞られ、あるいは封口された状態となるので、固体潤滑剤皮膜が長期的に安定維持される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明に係る表面処理方法の実施状況を模式的に示したものである。本表面処理方法においては、前記焼結部品1を対象に、その表面に前記固体潤滑剤(粒子)3とスチールショット(硬質粒子)4との混合物をショットピーニングする。
本実施の形態において、上記固体潤滑剤3の種類は任意であり、黒鉛、フッ素樹脂、二硫化モリブデン(MoS)、二硫化タングステン(WS)等を用いることができる。
【0012】
焼結部品1には、前記したように多数の空孔2が存在しており、上記したように固体潤滑剤粒子3とスチールショット4との混合物を焼結部品1に対してショットピーニングすると、図2に示すように、スチールショット4の衝突エネルギーにより固体潤滑剤3が、表面に存在する空孔2内にはもちろん、表面に連通する内部側の空孔2内にも十分に浸透する。また、硬質粒子であるスチールショット4の衝突で表層部が塑性変形を起こし、空孔2の口部が絞られ、場合によっては該空孔2が封口されるようになり、この結果、焼結部品1の表面からの固体潤滑剤3の剥離は大幅に抑制される。
【0013】
すなわち、本発明に係る表面処理が施された焼結部品1は、表面に固体潤滑剤皮膜が安定的に形成されるので、低摩擦係数が長期的に持続し、所望の摺動特性が長期的に確保される。また、硬質粒子であるスチールショット4の衝突により、表面硬さが増すとともに、表面に大きな圧縮残留応力が付与されるので、耐摩耗性が十分となるばかりか、疲労強度も向上する。
【0014】
【実施例】
平均粒径10μmの二硫化モリブデン(MoS)粉末と平均粒径300μmのスチールショットとを1:1の割合で配合し、この混合物を、汎用のショットピーニング機械を用いて、高周波焼入を施した鉄系焼結体(0.6%C−0.2%Mn−0.6%Mo)に対して大気中でショットピーニングした。ショットピーニングの条件は、投射圧力:約400kPa、投射時間:5秒/cmとし、ショットピーニング後、焼結体(本発明品)について摩擦試験を行った。摩擦試験は、ピン・オン・ディスク式摩擦試験機を用い、荷重:4.9N、速度:2m/sec、室温、潤滑なしの条件で60分まで行い、摩擦係数の経時変化を求めた。なお、相手材には、SUJ2を用いた。
また、比較のため、二硫化モリブデン粉末のみを上記と同じ条件で焼結体にショットピーニングした比較品(固体潤滑処理品)および全くショットピーニングを行わない比較品(非処理品)についても、上記条件で摩擦試験を行い、同様に摩擦係数の経時変化を求めた。
【0015】
図3は、上記摩擦試験結果を示したものである。同図に示す結果より、本発明品の摩擦係数は、試験時間60分まで、ほぼ0.2の低レベルを推移しており、固体潤滑皮膜が長期的に安定的に維持されることが明らかになった。これに対し、固体潤滑剤のみをショットピーニングした固体潤滑処理品の摩擦係数は、試験初期には、本発明品と同等のレベルとなっているが、試験時間の延長に従って直線的に増大し、試験時間30時間で、非処理品と同等レベルまで増大している。これは、ショットピーニングにより形成された潤滑材皮膜が早期に剥離したためと推定される。
【0016】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明に係る表面処理方法および焼結部品によれば、固体潤滑剤粒子を硬質粒子と一緒にショットピーニングすることで、焼結部品表面に固体潤滑剤皮膜が安定して形成されるようになり、低摩擦係数が長期的に持続して、摺動特性が長期的に安定維持される。
また、硬質粒子の投射により表面硬さが増すとともに、表面に大きな圧縮残留応力が付与されるので、耐摩耗性が十分となるばかりか、疲労強度も向上し、本発明の及ぼす効果は、総じて大なるものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る表面処理方法の実施状況を示す模式図である。
【図2】本表面処理方法を実施した後の焼結品の状態を示す模式図である。
【図3】本表面処理方法を施した発明品に対する摩擦試験結果を、固体潤滑剤のみをショットピーニングした比較品および非処理品と対比して示すグラフである。
【図4】固体潤滑剤のみをショットピーニングする従来の表面処理方法の実施状況を示す模式図である。
【図5】本表面処理方法を実施した後の焼結品の状態を示す模式図である。
【符号の説明】
1 焼結部品
2 空孔
3 固体潤滑剤(粒子)
4 スチールショット(硬質粒子)

Claims (3)

  1. 焼結部品の表面に、固体潤滑剤粒子と硬質粒子との混合物をショットピーニングすることを特徴とする表面処理方法。
  2. 硬質粒子として、スチールショットを用いることを特徴とする請求項1に記載の表面処理方法。
  3. 固体潤滑剤粒子と硬質粒子との混合物をショットピーニングすることにより、表面に固体潤滑剤皮膜を形成したことを特徴とする焼結部品。
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