JP2004255479A - 電解加工方法及び電解加工装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】加工後の加工表面の残留物や付着物を極力少なくできるようにした電解加工方法及び電解加工装置を提供する。
【解決手段】加工電極86aと、被加工物Wに給電する給電電極86bとを配置し、加工電極と給電電極との間に電圧を印加し、加工電極と被加工物との間に液体と接触部材90,96を介在させ、被加工物Wを加工電極82に接触又は近接させ、被加工物と加工電極とを相対運動させて被加工物の表面を電解加工し、被加工物表面の電解加工が所定量加工した後に、加工電極及び給電電極の間の電圧の印加を停止し、加工電極82と被加工物Wとの間の相対運動を一定時間行った後に、被加工物Wを加工電極82から離間させる。
【選択図】 図11

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電解加工方法及び電解加工装置に係り、特に半導体ウェハ等の被加工物を加工電極に近接又は接触させて電解加工を行う電解加工方法及び電解加工装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体ウェハ等の基板上に回路を形成するための配線材料として、アルミニウム又はアルミニウム合金に代えて、電気抵抗率が低くエレクトロマイグレーション耐性が高い銅(Cu)を用いる動きが顕著になっている。この種の銅配線は、基板の表面に設けた微細凹みの内部に銅を埋め込むことによって一般に形成される。この銅配線を形成する方法としては、化学気相成長法(CVD:Chemical Vapor Deposition)、スパッタリング及びめっきといった手法があるが、いずれにしても、基板のほぼ全表面に銅を成膜して、化学機械的研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)により不要の銅を除去するようにしている。
【0003】
図1(a)乃至図1(c)は、この種の銅配線基板Wの一製造例を工程順に示すものである。図1(a)に示すように、半導体素子が形成された半導体基材1上の導電層1aの上にSiOからなる酸化膜やLow−k材膜などの絶縁膜2が堆積され、リソグラフィ・エッチング技術によりコンタクトホール3と配線用の溝4が形成されている。これらの上にTaN等からなるバリア膜5、更にその上に電解めっきの給電層としてスパッタリングやCVD等によりシード層7が形成されている。
【0004】
そして、基板Wの表面に銅めっきを施すことで、図1(b)に示すように、半導体基材1のコンタクトホール3及び溝4内に銅を充填するとともに、絶縁膜2上に銅膜6を堆積する。その後、化学機械的研磨(CMP)により、絶縁膜2上の銅膜6を除去して、コンタクトホール3及び配線用の溝4に充填させた銅膜6の表面と絶縁膜2の表面とをほぼ同一平面にする。これにより、図1(c)に示すように銅膜6からなる配線が形成される。
【0005】
また、最近ではあらゆる機器の構成要素において微細化かつ高精度化が進み、サブミクロン領域での物作りが一般的となるにつれて、加工法自体が材料の特性に与える影響は益々大きくなっている。このような状況下においては、従来の機械加工のように、工具が被加工物を物理的に破壊しながら除去していく加工方法では、加工によって被加工物に多くの欠陥を生み出してしまうため、被加工物の特性が劣化してしまう。したがって、いかに材料の特性を損なうことなく加工を行うことができるかが問題となってくる。
【0006】
この問題を解決する手段として開発された特殊加工法に、化学研磨や電解加工、電解研磨がある。これらの加工方法は、従来の物理的な加工とは対照的に、化学的溶解反応を起こすことによって、除去加工等を行うものである。したがって、塑性変形による加工変質層や転位等の欠陥は発生せず、上述の材料の特性を損なわずに加工を行うといった課題が達成される(例えば、特許文献1、2参照)。
【0007】
例えば、CMP工程は、一般にかなり複雑な操作が必要で、制御も複雑となり、加工時間もかなり長い。更に、CMP工程は、研磨後の基板の後洗浄を十分に行う必要があるばかりでなく、スラリーや洗浄液の廃液処理のための負荷が大きい等の課題がある。また、今後、絶縁膜も誘電率の小さいLow−k材に変わると予想され、このLow−k材は強度が弱く従来のCMPによるストレスに耐えられなくなる。したがって、基板にストレスを与えることなく、平坦化できるようにしたプロセスが望まれている。
【0008】
なお、化学機械的電解研磨のように、めっきをしながらCMPで削るというプロセスも発表されているが、めっき成長面に機械加工が付加されることで、めっきの異常成長を促すことにもなり、膜質に問題を起こす可能性がある。
【0009】
また、半導体装置の製造プロセスにおいて、Low−k材などの脆弱な材料を加工する場合には、素材の座屈等による破壊が懸念されるため、CMP等の加工においては基板と研磨面との間に高い面圧をかけることができず、十分な研磨性能を発揮することができない。特に、最近では、基板の配線材料として銅や低誘電率の材料を使用することが望まれており、このような脆弱な材料を用いた場合には、上述の問題が顕著になる。電解加工においては、基板と加工電極との間に面圧をかける必要はないが、基板と加工電極とを接触させる際に面圧が発生して半導体デバイスを破壊する可能性がある。したがって、電解加工においても基板に高荷重がかかることを避ける必要がある。
【0010】
【特許文献1】
特開2000−246194号公報
【特許文献2】
特開2001−20099号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
電解加工でイオン交換体を使用する場合、イオン交換体は、官能基が電荷を有するために加工の際には、被加工物と加工電極との間に発生する電界に応じてその被加工物側もしくは加工電極側に引き寄せられる。すなわち、このイオン交換体は、被加工物と加工電極とが相対運動して摺接するときには磨耗することから、一部が屑となって電界に応じて被加工物側もしくは加工電極側に引き寄せられて吸着してしまう。
【0012】
また、電解加工後の表面には少量ながら加工生成物や未反応の残留金属等の残留物が存在し、加工電極と給電電極が被加工物に対し、同一側に配置されている場合においては、細かい残留物に対して加工電極と給電電極の両方が接するのが困難になり、加工が進まず残留量が多くなる傾向がある。
【0013】
このような従来の電解加工においては、加工生成物や未反応の残留金属等の付着物や残留物が多くなると、この付着物や残留物が被加工物に吸着したものは汚染物質となり、その信頼性を低下させてしまうおそれがある。特に、半導体基板の加工時においては、これらの残留物が配線間の短絡等に繋がり、デバイスの信頼性に影響する。
【0014】
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、加工後の加工表面の残留物や付着物を極力少なくできるようにした電解加工方法及び電解加工装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
このような従来技術における問題点を解決するために、本発明の第1の態様は、加工電極と、被加工物に給電する給電電極とを配置し、前記加工電極と前記給電電極との間に電圧を印加し、前記加工電極と被加工物との間に液体と接触部材を介在させ、前記被加工物を前記加工電極に接触又は近接させ、前記被加工物と前記加工電極とを相対運動させて前記被加工物の表面を電解加工し、前記被加工物表面の電解加工が所定量加工した後に、前記加工電極及び前記給電電極の間の電圧の印加を停止し、前記加工電極と前記被加工物との間の相対運動を一定時間行った後に、前記被加工物を前記加工電極から離間させることを特徴とする電解加工方法である。
【0016】
この場合において、前記被加工物と前記加工電極又は前記給電電極の少なくとも一方との間に、イオン交換体が配置される。また、前記接触部材は、前記加工電極又は前記給電電極を被覆するように配置したイオン交換体、緩衝部材、または前記加工電極の近傍に配置した隔壁である。
【0017】
本発明の第2の態様は、複数の電極を配置した電極部と、前記電極に被加工物を接触乃至近接自在に保持する保持部と、前記電極部の各電極に接続される電源と、前記複数の電極の間に配置した前記被加工物の表面に接触する接触部材と、前記電極及び前記接触部材と前記被加工物との間に液体を供給する手段と、前記電極側又は前記被加工物側の一方あるいは双方を運動させて一方に対して他方を相対運動させる駆動源と、所定量加工した後に電圧の印加を停止するとともに、前記電極及び前記接触部材と前記被加工物との間に前記液体を供給しつつ相対運動を一定時間行わせる制御手段とを備えたことを特徴とする電解加工装置である。
【0018】
ここで、図2及び図3は、電解加工の加工原理を示すものである。図2は、被加工物10の表面に、加工電極14に取り付けたイオン交換体12aと、給電電極16に取り付けたイオン交換体12bとを接触又は近接させ、加工電極14と給電電極16との間に電源17を介して電圧を印加しつつ、加工電極14及び給電電極16と被加工物10との間に流体供給部19から超純水等の液体18を供給した状態を示している。図3は、被加工物10の表面に、加工電極14に取り付けたイオン交換体12aを接触又は近接させ、給電電極16を被加工物10に直接接触させて、加工電極14と給電電極16との間に電源17を介して電圧を印加しつつ、加工電極14と被加工物10との間に流体供給部19から超純水等の液体18を供給した状態を示している。
【0019】
超純水のような流体自身の抵抗値が大きい液体を使用する場合には、イオン交換体12aを被加工物10の表面に「接触させる」ことが好ましく、このようにイオン交換体12aを被加工物10の表面に接触させることにより、電気抵抗を低減させることができ、印加電圧も小さくて済み、消費電力も低減できる。したがって、本発明に係る電解加工方法及び電解加工装置における「接触」は、例えばCMPのように物理的なエネルギー(応力)を被加工物に与えるために「押し付ける」ものではないことが好ましい。
【0020】
これにより、超純水等の流体18中の水分子20をイオン交換体12a,12bで水酸化物イオン22と水素イオン24に解離し、例えば生成された水酸化物イオン22を、被加工物10と加工電極14との間の電界と超純水等の流体18の流れによって、被加工物10の加工電極14と対面する表面に供給して、ここでの被加工物10近傍の水酸化物イオン22の密度を高め、被加工物10の原子10aと水酸化物イオン22を反応させる。反応によって生成された反応物質26は、超純水18中に溶解し、被加工物10の表面に沿った超純水等の流体18の流れによって被加工物10から除去される。これにより、被加工物10の表面層の除去加工が行われる。
【0021】
このように、本発明に係る電解加工方法及び電解加工装置は、CMPのような研磨部材と被加工物との物理的な相互作用及び研磨液中の化学種との化学的相互作用の混合による加工とは加工原理が異なって、純粋に被加工物との電気化学的相互作用のみにより被加工物の除去加工を行うのが好ましい。これにより、材料の特性を損なわずに除去加工を行うことが可能であり、例えば上述したLow−k材に挙げられる機械的強度の小さい材料に対しても、物理的な相互作用を及ぼすことなく除去加工が可能である。また、加工液に電気伝導度が500μS/cm以下の液体、好ましくは純水、更に好ましくは超純水を用いたときには、通常の電解液を用いる電解加工と比較しても、被加工物表面への汚染も大幅に低減させることが可能であり、また加工後の廃液の処理も容易となる。また、この方式では、被加工物10の加工電極14と対面する部分が加工されるので、加工電極14を移動させることで、被加工物10の表面を所望の表面形状に加工することができる。
【0022】
本発明によれば、電解加工が所望の加工量に達した被加工物の表面に存在していたイオン交換体の屑等付着物や酸化物層および未反応微量金属などの残留物は、一定時間の間、加工電極及び給電電極の間の電圧印加を停止した状態で、被加工物に対して電極側が相対運動することにより、その被加工物の表面に接触する部材によって、また、被加工物の表面に供給される液体の流れにより除去される。これにより、電解加工後の被加工物の加工表面を清浄にすることができ、電解加工後の洗浄の負担を低減するとともに、被加工物の信頼性の低下を防止することができる。なお、電極部とは、電極の集合体もしくは電極を支持する部材も含めた構造体であり、電極を被覆するように配置されたイオン交換体等を含む概念である。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る電解加工方法及び電解加工装置の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明では、被加工物として半導体基板を使用し、電解加工装置で半導体基板を加工するようにした例を示しているが、本発明を半導体基板以外の被加工物に適用できることは言うまでもない。
【0024】
図4は、本発明の第1の実施形態における電解加工装置を備えた基板処理装置の構成を示す平面図である。図4に示すように、この基板処理装置は、例えば、図1(b)に示すように、表面に導電体膜(被加工物)としての銅膜6を有する基板Wを収納したカセットを搬出入する搬出入部としての一対のロード・アンロード部30と、基板Wを反転させる反転機32と、電解加工装置34とを備えている。これらの機器は直列に配置されており、これらの機器の間で基板Wを搬送して授受する搬送装置としての搬送ロボット36がこれらの機器と平行に配置されている。また、電解加工装置34による電解加工の際に、後述する加工電極と給電電極との間に印加する電圧又はこれらの間を流れる電流をモニタして基板Wの電解加工量を判断し、本発明に係る電解加工方法を実行するように装置全体を制御するモニタ制御部38がロード・アンロード部30に隣接して配置されている。
【0025】
図5は本発明の第1の実施形態における電解加工装置を模式的に示す平面図、図6は図5の縦断面図である。図5及び図6に示すように、本実施形態における電解加工装置34は、上下動可能かつ水平面に沿って往復運動可能なアーム40と、アーム40の自由端に垂設されて基板Wを下向き(フェイスダウン)に吸着保持する基板保持装置としての基板保持部42と、アーム40が取り付けられる可動フレーム44と、矩形状の電極部46と、電極部46に接続される電源48とを備えている。本実施形態では、電極部46の大きさは基板保持部42で保持する基板Wの外径よりも一回り大きな大きさに設定されている。なお、基板保持部42としては、基板Wを真空吸着して保持する機構を採用した基板保持装置を用いることができる。
【0026】
図5及び図6に示すように、可動フレーム44の上部には上下動用モータ50が設置されており、この上下動用モータ50には上下方向に延びるボールねじ52が連結されている。ボールねじ52にはアーム40の基部40aが取り付けられており、上下動用モータ50の駆動に伴ってアーム40がボールねじ52を介して上下動するようになっている。また、可動フレーム44自体も、水平方向に延びるボールねじ54に取り付けられており、往復運動用モータ56の駆動に伴って可動フレーム44及びアーム40が水平面に沿って往復運動するようになっている。
【0027】
基板保持部42は、アーム40の自由端に設置された自転用モータ58に接続されており、この自転用モータ58の駆動に伴って回転(自転)できるようになっている。また、上述したように、アーム40は上下動及び水平方向に往復運動可能となっており、基板保持部42はアーム40と一体となって上下動及び水平方向に往復運動可能となっている。
【0028】
また、電極部46の下方には中空モータ60が設置されており、この中空モータ60の主軸62には、この主軸62の中心から偏心した位置に駆動端64が設けられている。電極部46は、その中央において上記駆動端64に軸受(図示せず)を介して回転自在に連結されている。また、電極部46と中空モータ60との間には、周方向に3つ以上の自転防止機構が設けられている。
【0029】
図7(a)は本実施形態における自転防止機構を示す平面図、図7(b)は図7(a)のA−A線断面図である。図7(a)及び図7(b)に示すように、電極部46と中空モータ60との間には、周方向に3つ以上(図7(a)においては4つ)の自転防止機構66が設けられている。図7(b)に示すように、中空モータ60の上面と電極部46の下面の対応する位置には、周方向に等間隔に複数の凹所68,70が形成されており、これらの凹所68,70にはそれぞれ軸受72,74が装着されている。軸受72,74には、距離eだけずれた2つの軸体76,78の一端部がそれぞれ挿入されており、軸体76,78の他端部は連結部材80により互いに連結される。ここで、中空モータ60の主軸62の中心に対する駆動端64の偏心量も上述した距離eと同じになっている。したがって、電極部46は、中空モータ60の駆動に伴って、主軸62の中心と駆動端64との間の距離eを半径とした、自転を行わない公転運動、いわゆるスクロール運動(並進回転運動)をすることにより、基板Wに対する相対運動を行うようになっている。
【0030】
次に、本実施形態における電極部46について説明する。図8に示すように、本実施形態における電極部46は複数の電極部材82を備えている。図8は電極部46の縦断面図である。図5及び図8に示すように、電極部46は、X方向(図5参照)に延びる複数の電極部材82を備えており、これらの電極部材82は平板状のベース84上に並列に等ピッチで配置されている。
【0031】
図8に示すように、各電極部材82は、電源に接続される電極86と、電極86の表面を一体的に覆うイオン交換体(イオン交換膜)90とを備えている。イオン交換体90は、電極86の両側に配置された保持プレート85により電極86に取り付けられている。
【0032】
本実施形態では、隣り合う電極部材82の電極86に、電源の陰極と陽極とが交互に接続されている。例えば、電極86a(図8参照)を電源48の陰極に接続し、電極86b(図8参照)を陽極に接続する。例えば、銅を加工する場合においては、陰極側に電解加工作用が生じるので、陰極に接続した電極86aが加工電極となり、陽極に接続した電極86bが給電電極となる。このように、本実施形態では、加工電極86aと給電電極86bとが並列に交互に配置される。
【0033】
なお、加工材料によっては、電源の陰極に接続される電極を給電電極とし、陽極に接続される電極を加工電極としてもよい。すなわち、被加工材料が例えば銅やモリブデン、鉄である場合には、陰極側に電解加工作用が生じるため、電源の陰極に接続した電極86aが加工電極となり、陽極に接続した電極86bが給電電極となる。一方、被加工材料が例えばアルミニウムやシリコンである場合には、陽極側で電解加工作用が生じるため、電源の陽極に接続した電極86bが加工電極となり、陰極に接続した電極86aが給電電極となる。
【0034】
このように、加工電極86aと給電電極86bとの双方を電極部46のY方向(電極部材82の長手方向と垂直な方向)に交互に設けて基板Wに対面させることで、基板Wの導電体膜(被加工物)に給電を行う給電部を設ける必要がなくなり、基板Wの全面の加工が可能となる。また、電極86間に印加される電圧の正負をパルス状(例えば、方形波又はサイン波あるいはそれらの一部)に変化させることで、電解生成物を溶解させ、加工の繰り返しの多重性によって平坦度を向上させることができる。
【0035】
図8に示すように、電極部46のベース84の内部には、被加工面に純水、より好ましくは超純水を供給するための流路92が形成されており、この流路92は純水供給管94を介して純水供給源(図示せず)に接続されている。各電極部材82の両側には、基板Wの表面に接触する隔壁部材96が設置されている。この隔壁部材96の内部には、流路92に連通する連通孔96a(流体供給部)が形成されており、この連通孔96aを介して純水又は超純水等の液体が基板Wと電極部材82のイオン交換体90との間に供給される。
【0036】
各電極部材82の電極86の内部には、流路92からイオン交換体90に通じる貫通孔99が形成されている。このような構成により、流路92内の純水又は超純水は、貫通孔99を通ってイオン交換体90に供給される。ここで、純水は、例えば電気伝導度が10μS/cm以下の水であり、超純水は、例えば電気伝導度が0.1μS/cm以下の水である。
【0037】
このように、隣り合う電極86に電源48から電圧を印加して加工電極及び給電電極として機能させつつ、基板Wの銅膜6との間に電解質を含まない純水又は超純水を供給することにより基板Wの表面を電解加工することができる。
【0038】
なお、純水又は超純水の代わりに電気伝導度が500μS/cm以下の液体、例えば純水又は超純水に電解質を添加した電解液を使用してもよい。電解液を使用することで、電気抵抗を低減して消費電力を削減することができる。この電解液としては、例えば、NaClやNaSO等の中性塩、HClやHSO等の酸、更には、アンモニア等のアルカリなどの溶液を使用することができ、被加工物の特性によって適宜選択して使用することができる。
【0039】
更に、純水又は超純水の代わりに、純水又は超純水に界面活性剤等を添加して、電気伝導度が500μS/cm以下、好ましくは、50μS/cm以下、更に好ましくは、0.1μS/cm以下(比抵抗で10MΩ・cm以上)にした液体を使用してもよい。このように、純水又は超純水に界面活性剤を添加することで、基板Wとイオン交換体90の界面にイオンの移動を防ぐ一様な抑制作用を有する層を形成し、これによって、イオン交換(金属の溶解)の集中を緩和して被加工面の平坦性を向上させることができる。ここで、界面活性剤濃度は、100ppm以下が好ましい。なお、電気伝導度の値が高すぎると電流効率が下がり、加工速度が遅くなるが、500μS/cm以下、好ましくは、50μS/cm以下、更に好ましくは、0.1μS/cm以下の電気伝導度を有する液体を使用することで、所望の加工速度を得ることができる。
【0040】
ここで、本発明は、イオン交換体を用いた電解加工に限られるものではない。例えば、加工液として電解液を用いた場合は、電極の表面に取り付けられる加工部材としては、純水や超純水に最適なイオン交換体に代えて、柔らかい研磨パッドや不織布のようなものであってもよい。その場合においても、上述した接触部材や基板保持装置は、良好な加工性能を得る上で有用である。
【0041】
一方、電極部材82の電極86は、電解反応により、酸化又は溶出が一般に問題となる。このため、電極の素材として、電極に広く使用されている金属や金属化合物よりも、炭素、比較的不活性な貴金属、導電性酸化物又は導電性セラミックスを使用することが好ましい。この貴金属を素材とした電極としては、例えば、下地の電極素材にチタンを用い、その表面にめっきやコーティングで白金又はイリジウムを付着させ、高温で焼結して安定化と強度を保つ処理を行ったものが挙げられる。セラミックス製品は、一般に無機物質を原料として熱処理によって得られ、各種の非金属・金属の酸化物・炭化物・窒化物などを原料として、様々な特性を持つ製品が作られている。この中に導電性を持つセラミックスもある。電極が酸化すると電極の電気抵抗値が増加し、印加電圧の上昇を招くが、このように、白金などの酸化しにくい材料やイリジウムなどの導電性酸化物で電極表面を保護することで、電極素材の酸化による導電性の低下を防止することができる。
【0042】
また、電極部46を覆うイオン交換体90としては通水性(通液性)に優れたものを使用することがより好ましい。純水又は超純水がイオン交換体90を通過するように流すことで、水の解離反応を促進させる官能基(強酸性陽イオン交換材料ではスルホン酸基)に十分な水を供給して水分子の解離量を増加させ、水酸化物イオン(もしくはOHラジカル)との反応により発生した加工生成物(ガスも含む)を水の流れにより除去して、加工効率を高めることができる。このような通水性を有する部材としては、例えば、通液性を有するスポンジ状の部材やナフィオン(デュポン社の商標)のような膜状部材に開孔を設けて通水性をもたせるようにしたものを使用することができる。
【0043】
このイオン交換体90は、例えば、アニオン交換能又はカチオン交換能を付与した不織布で構成することができる。カチオン交換体は、好ましくは強酸性カチオン交換基(スルホン酸基)を担持したものであるが、弱酸性カチオン交換基(カルボキシル基)を担持したものでもよい。また、アニオン交換体は、好ましくは強塩基性アニオン交換基(4級アンモニウム基)を担持したものであるが、弱塩基性アニオン交換基(3級以下のアミノ基)を担持したものでもよい。
【0044】
ここで、例えば強塩基アニオン交換能を付与した不織布は、繊維径20〜50μmで空隙率が約90%のポリオレフィン製の不織布に、γ線を照射した後グラフト重合を行ういわゆる放射線グラフト重合法により、グラフト鎖を導入し、次に導入したグラフト鎖をアミノ化して第4級アンモニウム基を導入して作製される。導入されるイオン交換基の容量は、導入するグラフト鎖の量により決定される。グラフト重合を行うためには、例えばアクリル酸、スチレン、メタクリル酸グリシジル、更にはスチレンスルホン酸ナトリウム、クロロメチルスチレン等のモノマーを用い、これらのモノマー濃度、反応温度及び反応時間を制御することで、重合するグラフト量を制御することができる。したがって、グラフト重合前の素材の重量に対し、グラフト重合後の重量の比をグラフト率と呼ぶが、このグラフト率は、最大で500%が可能であり、グラフト重合後に導入されるイオン交換基は、最大で5meq/gが可能である。
【0045】
強酸性カチオン交換能を付与した不織布は、上記強塩基性アニオン交換能を付与する方法と同様に、繊維径20〜50μmで空隙率が約90%のポリオレフィン製の不織布に、γ線を照射した後グラフト重合を行ういわゆる放射線グラフト重合法により、グラフト鎖を導入し、次に導入したグラフト鎖を、例えば加熱した硫酸で処理してスルホン酸基を導入して作製される。また、加熱したリン酸で処理すればリン酸基が導入できる。ここでグラフト率は、最大で500%が可能であり、グラフト重合後に導入されるイオン交換基は、最大で5meq/gが可能である。
【0046】
なお、イオン交換体90の素材の材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系高分子、又はその他有機高分子が挙げられる。また素材形態としては、不織布の他に、織布、シート、多孔質材、短繊維等が挙げられる。また、イオン交換体90の内部にC膜(不織布イオン交換体)を配置して弾性を高めてもよい。ここで、ポリエチレンやポリプロピレンは、放射線(γ線と電子線)を先に素材に照射する(前照射)ことで、素材にラジカルを発生させ、次にモノマーと反応させてグラフト重合することができる。これにより、均一性が高く、不純物が少ないグラフト鎖ができる。一方、その他の有機高分子は、モノマーを含浸させ、そこに放射線(γ線、電子線、紫外線)を照射(同時照射)することで、ラジカル重合することができる。この場合、均一性に欠けるが、ほとんどの素材に適用できる。
【0047】
このように、イオン交換体90をアニオン交換能又はカチオン交換能を付与した不織布で構成することで、純水又は超純水や電解液等の液体が不織布の内部を自由に移動して、不織布内部の水分解触媒作用を有する活性点に容易に到達することが可能となって、多くの水分子が水素イオンと水酸化物イオンに解離される。更に、解離によって生成した水酸化物イオンが純水又は超純水や電解液等の液体の移動に伴って効率良く電極86の表面に運ばれるため、低い印加電圧でも高電流が得られる。
【0048】
なお、イオン交換体90をアニオン交換能又はカチオン交換能の一方を付与したもののみで構成すると、電解加工できる被加工材料が制限されるばかりでなく、極性により不純物が生成しやすくなる。そこで、アニオン交換能を有するアニオン交換体とカチオン交換能を有するカチオン交換体とを重ね合わせたり、イオン交換体90自体にアニオン交換能とカチオン交換能の双方の交換基を付与するようにしたりしてもよく、これにより、被加工材料の範囲を拡げるとともに、不純物を生成しにくくすることができる。
【0049】
ここで、すべての電極部材82のイオン交換体90に対して基板Wが均一に接触することが理想的である。本実施形態のように、弾性を有するイオン交換体90を並列に配置した場合には、イオン交換体90がCMPにおける研磨面ほどの剛性を持っていないため、図9(a)に示すように、電極部材82と基板Wとの相対運動や純水の供給等により基板Wが傾いて、イオン交換体90に均一に接触しないことが考えられる。特に、基板Wを真空吸着する基板保持装置は、基板全面の電極86との接触を制御しようとするため、複数の電極86(イオン交換体90)が配置された場合にはすべての電極86(イオン交換体90)に対して基板Wが均一に接触するように制御することは困難である。
【0050】
このような観点から、本実施形態では、各電極部材82の両側に隔壁部材96を設けている。この隔壁部材96の高さは、電極部材82のイオン交換体90の高さよりも少し低くなるように設定されている。したがって、基板Wを電極部材82のイオン交換体90に接触させた場合には、基板Wの表面が隔壁部材96により支持されることとなる。すなわち、図9(b)に示すように、基板Wをある程度イオン交換体90に押し付けた後は、基板Wは隔壁部材96の上面に接触するため、基板Wをそれ以上押し付けようとしても、その押圧力を隔壁部材96が受けるので、基板Wとイオン交換体90との接触面積は変化しない。このように、本実施形態では、基板Wが傾くことが防止され、接触面積が均一になるので、均一な加工を実現することができる。
【0051】
隔壁部材96の上面には、図9(b)に示すように、基板Wの表面と密着しつつ傷つけない程度の弾性を有する材質により形成された緩衝部材98を取り付けることが好ましい。このような緩衝部材98としては、例えば、発泡ウレタンなどの多孔質高分子、不織布や織布などの繊維状のもの、各種研磨パッド等が好適であり、ポリテックスパッド(ロデール社の商標)などを用いることができる。なお、電解液を用いた電解加工を行う場合には、電極を覆うイオン交換体90の代わりに、電極と基板Wの間に研磨パッドなどの通液性の接触部材を介しても良い。
【0052】
次に、本実施形態における基板処理装置を用いた基板処理(電解加工)について説明する。まず、例えば、図1(b)に示すように、表面に導電体膜(被加工部)として銅膜6を形成した基板Wを収納したカセットをロード・アンロード部30にセットし、このカセットから1枚の基板Wを搬送ロボット36で取り出す。搬送ロボット36は、取り出した基板Wを必要に応じて反転機32に搬送し、基板Wの導電体膜(銅膜6)を形成した表面が下を向くように反転させる。
【0053】
搬送ロボット36は反転させた基板Wを受け取り、これを電解加工装置34に搬送し、基板保持部42に真空吸着させて保持させる。そして、アーム40を揺動させて基板Wを保持した基板保持部42を電極部46の直上方の加工位置まで移動させる。次に、上下動用モータ50を駆動して基板保持部42を下降させ、この基板保持部42で保持した基板Wの導電体膜(銅膜6)を電極部46のイオン交換体90(弾性部材)の表面に接触させるとともに、隔壁部材96上部の緩衝部材98(弾性部材)に接触する程度(接触する直前の位置でもよい)で基板Wを位置決め保持する。この状態で、自転用モータ58(第1駆動源)を駆動して基板Wを回転させ、同時に中空モータ60(第2駆動源)を駆動して電極部46をスクロール運動させる。このとき、隔壁部材96の連通孔96aから基板Wと電極部材82との間に純水又は超純水を供給し、また、各電極部46の貫通孔99を通じて純水又は超純水をイオン交換体90に含ませる。本実施形態では、イオン交換体90に供給された純水又は超純水は各電極部材82の長手方向端部から排出される。
【0054】
そして、電源48により隣接する電極86間に所定の電圧を印加し、イオン交換体90により生成された水素イオン又は水酸化物イオンによって、陰極側の電極86a(以下、加工電極86aともいう)側において基板Wの表面の導電体膜(銅膜6)を溶解除去する電解加工を行う。このとき、加工電極86aと対面する部分において加工が進行するが、基板Wと加工電極86aとを相対移動(運動)させることにより基板Wの全面の加工を行っている。電解加工中に印加する電圧は、方形波、サイン波、またはそれらの正の電位のみのパルス波としてもよい。
【0055】
電解加工中には、電極86間に印加する電圧、又はこの間を流れる電流をモニタ制御部38(判断部、制御部)でモニタして、エンドポイント(加工終点)を検知する。すなわち、同じ電圧(電流)を印加した状態で電解加工を行うと、材料によって流れる電流(印加される電圧)に違いが生じる。例えば、図10(a)に示すように、表面に材料Bと材料Aとを順次成膜した基板Wの該表面に電解加工を施したときに流れる電流をモニタすると、材料Aを電解加工している間は一定の電流が流れるが、異なる材料Bの加工に移行する時点で流れる電流が変化する。同様に、電極86間に印加される電圧にあっても、図10(b)に示すように、材料Aを電解加工している間は一定の電圧が印加されるが、異なる材料Bの加工に移行する時点で印加される電圧が変化する。なお、図10(a)は、材料Bを電解加工するときの方が、材料Aを電解加工するときよりも電流が流れにくくなる場合を、図10(b)は、材料Bを電解加工するときの方が、材料Aを電解加工するときよりも電圧が高くなる場合の例を示している。これにより、この電流又は電圧の変化をモニタすることでエンドポイントを確実に検知することができる。
【0056】
なお、モニタ制御部38で電極86間に印加する電圧、又はこの間を流れる電流をモニタして加工終点を検知するようにした例を説明したが、このモニタ制御部38で、加工中の基板の状態の変化をモニタして、任意に設定した加工終点を検知するようにしてもよい。この場合、加工終点は、被加工面の指定した部位について、所望の加工量に達した時点、又は加工量と相関関係を有するパラメータが所望の加工量に相当する量に達した時点を指す。このように、加工の途中においても、加工終点を任意に設定して検知できるようにすることで、多段プロセスでの電解加工が可能となる。
【0057】
例えば、基板が異材料に達したときに生じる摩擦係数の違いによる摩擦力の変化や、基板の表面の凹凸を平坦化する際、凹凸を除去したことにより生じる摩擦力の変化等を検出することで加工量を判断し、加工終点を検出することとしてもよい。また、被加工面の電気抵抗による発熱や、加工電極と被加工面との間に液体(純水)の中を移動するイオンと水分子の衝突による発熱が生じ、例えば基板の表面に堆積した銅膜を定電圧制御で電解研磨する際には、電解加工が進み、バリア層や絶縁膜が露出するのに伴って、電気抵抗が大きくなり電流値が小さくなって発熱量が順に減少する。したがって、この発熱量の変化を検出することで加工量を判断し、加工終点を検出することとしてもよい。あるいは、異材料に達した時に生じる反射率の違いによる反射光の強度の変化を検出して、基板上の被加工膜の膜厚を検知し、これにより加工終点を検出してもよい。また、銅膜等の導電性膜の内部にうず電流を発生させ、基板の内部を流れるうず電流をモニタし、例えば周波数の変化を検出して、基板上の被加工膜の膜厚を検知し、これにより加工終点を検出してもよい。更に、電解加工にあっては、電極86間を流れる電流値で加工レートが決まり、加工量は、この電流値と加工時間の積で求められる電気量に比例する。したがって、電流値と加工時間の積で求められる電気量を積算し、この積算値が所定の値に達したことを検出することで加工量を判断し、加工終点を検出してもよい。
【0058】
モニタ制御部38は、電解加工完了と判断したとき、電源48の接続を切って電極86の間の電圧印加を停止する。そして、この後の一定時間、例えば、1〜60秒程度、好ましくは5〜30秒程度、より好ましくは5〜15秒程度、図11(a)に示すように、基板Wをイオン交換体90の頂部および隔壁部材96の頂部に接触させた状態のまま、自転用モータ58(第1駆動源)を駆動して基板Wを回転させるとともに、中空モータ60(第2駆動源)を駆動して電極部46をスクロール運動させて、基板Wと電極部46とを相対運動させる。同時に、隔壁部材96の連通孔96aから、および電極86の連通孔99から、基板Wとイオン交換体90および隔壁部材96との間に純水又は超純水等の液体を供給し、その液体は各電極部材82の長手方向端部から排出する。この時、基板Wの加工電極部への押圧力は、電圧印加時と同じ、または被加工物がイオン交換体90(接触部材)に接触する範囲で低くする。尚、加工量を厳密に測定しなくても、時間管理で所定時間電解加工を行った後、電圧オフでスクラブを行ってもよい。
【0059】
ここで、通電による電解加工直後の基板Wの加工表面には、図11(b)に示すように、様々な付着物・残留物が存在している。例えば、基板Wの導電体膜(銅膜6)の電解加工により溶解されて付着する加工生成物D1がある。この付着物D1は、CuとOHイオンとの反応により加工現象が生じた際に生成される物質である。また、基板Wと電極部46の相対運動により削られて電圧印加による電界効果により付着するイオン交換体90の屑D2もある。また、電解加工により酸化して絶縁体となる極薄の酸化物層、および未通電状態となって残留している未反応微量金属D3等が残留物として存在する。
【0060】
このとき、付着物および残留物D1〜D3は、基板W及び電極部46が電解加工完了後にも一定時間の間だけ純水又は超純水の供給を受けつつ相対運動するので、イオン交換体90および隔壁部材96上部の接触部により除去されて純水又は超純水等の液体と共に一部が排出される。また、付着物および残留物D1〜D3の一部は、イオン交換体90内または隔壁部材96に捕捉される。
【0061】
この後に、モニタ制御部38は、基板保持部42の回転と電極部46のスクロール運動を停止させ、しかる後、基板保持部42を上昇させることにより、電極部46から基板Wを離間させ、アーム40を移動させてその基板Wを搬送ロボット36に受け渡す。基板Wを受け取った搬送ロボット36は、必要に応じて反転機32に搬送して反転させた後、基板Wをロード・アンロード部30のカセットに戻す。
【0062】
本実施形態においては、電解加工後に電圧の印加を停止するとともに液体を供給しつつ相対運動を一定時間行わせることで、図11(c)に示すように、基板Wの表面に上記付着物および残留物D1〜D3が残存しなくなる。このことは、電解加工直後の基板Wと、上記電圧を印加しない状態での相対運動完了後の基板Wとを目視で比較してみても、明らかに付着物・残留物が除去され、きれいになっていることが分かる。このため、溶解した銅イオン等の析出や微粒子等の付着物や残留物により基板Wが汚染されたままになってしまうことがない。そして、被加工物表面への電解加工に伴う汚染を大幅に低減させることが可能であり、また、加工液に導電度が500μS/cm以下の液体、好ましくは純水、更に好ましくは超純水を用いると、加工後の廃液の処理も容易となる。
【0063】
したがって、基板Wの表面を清浄にして、銅膜6により形成した配線間を短絡させる要因を除去することができ、電解加工後の洗浄の負担を低減しつつ、作製した基板Wの信頼性を向上させることができる。
【0064】
次に、図12は、本発明の第2の実施形態における電解加工装置の要部を示す縦断面図で、図13は、図12の要部を拡大して示す要部拡大図である。図12に示すように、この電解加工装置100は、表面を下向きにして基板Wを吸着する基板保持部102と、矩形状の電極部104とを上下に備えている。この基板保持部102は、前述の図5乃至図9に示す第1実施形態の基板保持部42と同様に、上下動、左右動及び回転自在に構成されている。電極部104は、中空スクロールモータ106(駆動源)を備えており、この中空スクロールモータ106の駆動により、自転を行わない円運動、いわゆるスクロール運動(並進回転運動)を行うようになっている。
【0065】
電極部104は、紙面に対して垂直方向に直線状に延びる複数の電極部材108と、上方に開口する容器110とを備えており、複数の電極部材108は容器110内に並列に等ピッチで配置されている。更に、この容器110の上方に位置して、該容器110の内部に超純水や純水等の液体を供給する液体供給ノズル112が配置されている。各電極部材108は、装置内の電源に接続される電極114を備えており、この各電極114に電源の陰極と陽極とが交互に、つまり、電極114aに電源の陰極が、電極114bに陽極が交互に接続されている。これによって、前述と同様に、例えば、銅を加工する場合においては、陰極側に電解加工作用が生じるので、陰極に接続した電極114aが加工電極となり、陽極に接続した電極114bが給電電極となるようになっている。
【0066】
そして、この陰極に接続した加工電極114aにあっては、図13に詳細に示すように、この上部に、例えば不織布からなるイオン交換体116aが取り付けられ、この加工電極114a及びイオン交換体116aは、液体の通過を遮断しイオンのみを通過可能に構成されたイオン交換膜からなる第2のイオン交換体118aで一体に覆われている。陽極に接続した給電電極114bにあってもほぼ同様に、この上部に、例えば不織布からなるイオン交換体116bが取り付けられ、この加工電極114a及びイオン交換体116bは、液体の通過を遮断しイオンのみを通過可能に構成されたイオン交換膜からなる第2のイオン交換体118bで一体に覆われている。これにより、不織布からなるイオン交換体116a,116bにあっては、電極114の長さ方向に沿った所定の位置に設けられた貫通孔(図示せず)を通過した超純水や液体が、この内部を自由に移動して、不織布内部の水分解触媒作用を有する活性点に容易に到達することができるが、この液体は、イオン交換膜からなるイオン交換体118a,118bで流れを遮断されて、このイオン交換体118a,118bが、下記の第2の隔壁を構成するようになっている。
【0067】
電源の陰極に接続された加工電極114aの両側には、一対の液体吸引ノズル120が配置され、この液体吸引ノズル120の内部には、長さ方向に沿って延びる流体流通路120aが設けられ、更に、長さ方向に沿った所定の位置に、上面に開口し液体流通路120aに連通する液体吸引孔120bが設けられている。更に、この液体流通路120aは、図12に示すように、液体排出路121に連通し、この液体排出路121から外部に排出されるようになっている。
【0068】
そして、加工電極114aと一対の液体吸引ノズル120は、一対のタップバー122を介して一体化され、一対のインサートプレート124に挟持されてベース126に固定されている。一方、給電電極114bは、その表面をイオン交換体118bで覆った状態で、一対の保持プレート128で挟持されてベース126に固定されている。
【0069】
なお、イオン交換体116a,116bは、例えば、アニオン交換基又はカチオン交換基を付与した不織布で構成されているが、アニオン交換基を有するアニオン交換体とカチオン交換基を有するカチオン交換体とを重ね合わせたり、イオン交換体116a,116b自体にアニオン交換基とカチオン交換基の双方の交換基を付与するようにしたりしてもよく、また、素材の材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系高分子、又はその他有機高分子が挙げられることは前述と同様である。また、電極部材108の電極114の素材として、電極に広く使用されている金属や金属化合物よりも、炭素、比較的不活性な貴金属、導電性酸化物又は導電性セラミックスを使用することが好ましいことは前述と同様である。
【0070】
そして、各液体吸引ノズル120の上面には、例えば弾性を有する連続気孔多孔体からなる隔壁(接触部材)130がその長さ方向の全長にわたって取り付けられている。この隔壁130の肉厚は、基板保持部102で保持した基板Wを、電極部材108のイオン交換体118a,118bに接触乃至近接させて、この基板Wに電解加工を施す際に、この隔壁130の上面が基板保持部102で保持された基板Wに圧接する厚さに設定されている。これによって、電解加工を行う際に、電極部104と基板保持部102との間に、隔壁130で隔離された、加工電極114aと基板Wとの間に形成される流路132(流体供給部)と、給電電極114bと基板との間に形成される流路134(流体供給部)が並列に形成され、しかも、加工電極114aと基板Wとの間に形成される流路132は、イオン交換膜で構成された第2の隔壁としてのイオン交換体118aで2つの流路132a,132bに隔離され、給電電極114bと基板Wとの間に形成される流路134は、イオン交換膜で構成された第2の隔壁としてのイオン交換体118bで2つの流路134a,134bに隔離されるようになっている。
【0071】
そして、これらの流路132,134に沿って流れる液体は、液体排出路121に接続した吸引ポンプを駆動することによって、隔壁130の内部を通過した後、液体吸引孔120b、流体流通路120a及び液体排出路121を通過して外部に排出される。なお、このように、隔壁130として、連続気孔多孔体を使用すると、液体の流れを完全に隔離(遮断)することはできず部分的に隔離することになるが、液体の隔離は、液体を完全に隔離(遮断)する必要はなく、液体の流れをある程度妨げられればよい。
【0072】
この隔壁130を構成する弾性を有する連続気孔多孔体としては、ポリウレタンスポンジを挙げることができるが、この隔壁130を、不織布、発泡ポリウレタン、PVDスポンジまたはイオン交換体で構成するようにしてもよい。
【0073】
本実施形態では、容器110の内部は液体供給ノズル112から供給された超純水や純水等の液体で満たされ、一方、電極114に設けた貫通孔(図示せず)から加工電極114a及び給電電極114bの上部に配置された不織布からなるイオン交換体116a,116bに超純水や純水等の液体が供給された状態で電解加工が行われる。容器110の外側には、この容器110の外周壁110aをオーバフローした液体を排出するオーバフロー路136が設けられており、外周壁110aをオーバフローした液体は、オーバフロー路136を介して排液タンク(図示せず)に入るようになっている。
【0074】
この電解加工時に、液体排出路121に接続した吸引ポンプを駆動することによって、加工電極114aと基板Wとの間に形成される流路132と、給電電極114bと基板Wとの間に形成される流路134に沿って流れる液体を外部に排出するのであり、これにより、電気化学的加工である電解加工の際に、気泡(ガス)発生の反応が主に生じる給電電極114bと基板Wとの間を流れる液体の流れと、加工電極114aと基板Wとの間を流れる液体の流れを少なくとも部分的に隔離し、独立して流れを制御することにより、発生する気泡を効果的に除去することができる。
【0075】
このように、いわゆるマルチバー電極系において、例えばポリウレタンスポンジからなる隔壁130を用いて、加工電極114aと基板Wとの間に形成される流路132と、給電電極114bと基板との間に形成される流路134とを隔離した場合、ピットの発生量は、約1桁減少することが確認されている。これは、▲1▼隔壁により給電電極側の気泡の被加工物表面への到達が遮断されたこと、▲2▼隔壁により加工電極側の流路が制限(流路断面積が減少)されることで、加工電極側の超純水の流速が増加したことの2つが原因として考えられる。
【0076】
図14は、電極部104の変形例を示すもので、この例は、隔壁(接触部材)130aとして、例えばゴム製等の弾性体で、かつ通液性がないものを使用し、更に、液体吸引ノズル120として、隔壁130aの両側に開口する2つの液体吸引孔120cを有するものを使用したものである。その他の構成は、前述の例と同様である。この例によれば、加工電極114aと基板Wとの間に形成される流路132と、給電電極114bと基板との間に形成される流路134との隔離を完全なものとすることができる。
【0077】
なお、図示しないが、加工電極の両側に配置する一対の液体吸引ノズルの一方の代わりに、長手方向に沿った所定位置に液体供給孔を設けた液体供給ノズルを使用し、液体供給ノズルによる液体の供給と液体吸引ノズルによる液体の吸引とを同時に行うことで、加工電極114aと基板Wとの間に形成される流路132に沿って流れる液体と、給電電極114bと基板との間に形成される流路134に沿って流れる液体の流れをより確実に制御して、隔壁を越えて隣接する空間へ流れる液体の量を減らすようにすることができる。また、加工電極の両側に配置されるノズルの両方を液体供給ノズルとして、電極に沿った液体流れを押し出すことにより形成してもよい。この時も、容器110の内部を液体で満たし、基板を浸漬した状態で加工させるため、液体供給ノズル112から加工液を供給するのが望ましい。
【0078】
また、前述の実施形態では電極にイオン交換体を装着した例を示しているが、電極の形状や、加工に用いる液体は、特に限定されない。隣り合う電極の間に、隔壁部材96や隔壁130を設けるようにすればよい。即ち、電極の形状は、棒状のものに限られず、被加工物に対して複数の電極が対向するようにした任意の形状が選択される。電極にイオン交換体以外の通液性スクラブ部材を取付けるようにしてもよい。また、隔壁部材や隔壁を電極面よりも高くして、被加工物と電極が直接接しないようにすることで、電極の表面を露出させることができる。電極表面にイオン交換体を装着しない場合でも、被加工物と電極の間の液体の流れを仕切る第2の隔壁はあった方が好ましい。
【0079】
そして、本実施形態においても前述の第1実施形態と同様に、基板処理(電解加工)を行うことにより電解加工完了と判断した後にも、一定時間の間(例えば10秒程度)、電源の供給を遮断して純水又は超純水等の液体を供給しつつ基板W及び電極部104を相対運動させる。そして、この後に、その基板Wを電極部104から離間させて、電解加工の工程を完全に終了する。この電源の供給を遮断した状態での相対運動により、基板Wの加工表面に残留している付着物・残留物は、前述の第1実施形態と同様に、隔壁(接触部材)130,130aおよびイオン交換体116a,116b,118a,118bに捕捉されて除去され、一部が純水又は超純水等の液体と共に排出される。このため、本実施形態においても、この電解加工完了後の処理により、基板Wの表面に電解加工に伴う付着物・残留物などを除去することができる。なお、電解加工によって溶解した銅イオン等はイオン交換体116a,116b,118a,118bにイオン交換反応で即座に捕捉されるとともに、未反応微量金属などもそのイオン交換体116a,116b,118a,118bに捕捉され、溶解した銅イオン等の析出や微量金属により基板Wが汚染されたままになってしまうことがない。
【0080】
したがって、基板Wの表面を清浄にして、銅膜6により形成した配線間を短絡させる等の要因を除去することができ、電解加工後の洗浄の負担を低減しつつ、作製した基板Wの信頼性を向上させることができる。
【0081】
これまで本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。例えば、加工電極及び給電電極を同一面に並べた電解加工装置に限るものではなく、また、隔壁部材や隔壁を設けずに基板Wを電極部材のイオン交換体で受けるようにした電解加工装置としても本発明の目的は達成される。電極形状も実施例に示した長尺状のものに限定されない。
【0082】
【発明の効果】
上述したように、本発明によれば、電解加工工程において被加工物の加工表面から付着物・残留物を除去することができ、これによって、例えば、半導体基板の配線間に余分な不純物が付着したり、残留したりすることをなくすことができる。このことから、電解加工後の洗浄工程を簡略化しつつ、半導体基板の配線間の短絡等の可能性を少なくするなど被加工物の信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】銅配線基板の一製造例を工程順に示す図である。
【図2】加工電極及び給電電極を基板(被加工物)に近接させ、加工電極及び給電電極と基板(被加工物)との間に純水又は電気伝導度が500μS/cm以下の液体を供給するようにしたときの本発明による電解加工の原理の説明に付する図である。
【図3】加工電極のみにイオン交換体を取り付けて、加工電極と基板(被加工物)との間に液体を供給するようにしたときの本発明による電解加工の原理の説明に付する図である。
【図4】本発明の第1の実施形態における電解加工装置を備えた基板処理装置の構成を示す平面図である。
【図5】本発明の第1の実施形態における電解加工装置を模式的に示す平面図である。
【図6】図5の縦断面図である。
【図7】図7(a)は図5の電解加工装置における自転防止機構を示す平面図、図7(b)は図7(a)のA−A線断面図である。
【図8】図5の電解加工装置における電極部を示す縦断面図である。
【図9】図9(a)は隔壁部材を設けない場合を示す模式図、図9(b)は隔壁部材を設けた場合を示す模式図である。
【図10】図10(a)は、異なる材料を成膜した基板の表面に電解加工を施したときに流れる電流と時間の関係を、図10(b)は、同じく印加される電圧と時間の関係をそれぞれ示すグラフである。
【図11】図9(a)〜図9(b)は本発明の第1の実施形態における電解加工装置の作用を説明するための模式図であり、図9(a)は電解加工後の状態を示す図、図9(b)は加工直後での基板(被加工物)側の状態を示す図、図9(c)は加工後の一定時間後でのイオン交換体の状態を示す図である。
【図12】本発明の第2の実施形態における電解加工装置の要部を示す断面図である。
【図13】図12の一部を拡大して示す要部拡大図である。
【図14】電極部の変形例を示す図13相当図である。
【符号の説明】
6 銅膜(導電体膜)
7 シード層
10 被加工物
12a,12b イオン交換体
14 加工電極
16 給電電極
17 電源
18 超純水
19 流体供給部
20 水分子
22 水酸化物イオン
24 水素イオン
26 反応物質
30 ロード・アンロード部
32 反転機
34,100 電解加工装置
36 搬送ロボット
38 モニタ制御部
40 アーム
42,102 基板保持部(基板保持装置)
44 可動フレーム
46,104 電極部
48 電源
50 上下動用モータ
54 ボールねじ
56 往復運動用モータ
58 自転用モータ
60 中空モータ
62 主軸
64 駆動端
82,108 電極部材
84,126 ベース
85 保持プレート
86,114 電極(加工電極、給電電極)
90,116a,116b,118a,118b イオン交換体
92 流路
94 純水供給管
96 隔壁部材
96a 連通孔
98 緩衝部材
99 貫通孔
106 中空スクロールモータ
112 液体供給ノズル
130,130a 隔壁

Claims (14)

  1. 加工電極と、被加工物に給電する給電電極とを配置し、前記加工電極と前記給電電極との間に電圧を印加し、前記加工電極と被加工物との間に液体と接触部材を介在させ、前記被加工物を前記加工電極に接触又は近接させ、前記被加工物と前記加工電極とを相対運動させて前記被加工物の表面を電解加工し、
    前記被加工物表面の電解加工が所定量加工した後に、前記加工電極及び前記給電電極の間の電圧の印加を停止し、前記加工電極と前記被加工物との間の相対運動を一定時間行った後に、前記被加工物を前記加工電極から離間させることを特徴とする電解加工方法。
  2. 前記被加工物と前記加工電極又は前記給電電極の少なくとも一方との間に、イオン交換体を配置したことを特徴とする請求項1に記載の電解加工方法。
  3. 前記加工電極と被加工物の間に介在する接触部材は、前記加工電極又は前記給電電極を被覆するように配置したイオン交換体、緩衝部材、または前記加工電極の近傍に配置した隔壁であることを特徴とする請求項1に記載の電解加工方法。
  4. 前記加工電極及び前記給電電極の双方が前記被加工物の前記加工表面に対面するように配設したことを特徴とする請求項1に記載の電解加工方法。
  5. 前記電圧の印加を停止した状態での相対運動は、1〜60秒程度行うことを特徴とする請求項1に記載の電解加工方法。
  6. 複数の電極を配置した電極部と、前記電極に被加工物を接触乃至近接自在に保持する保持部と、前記電極部の各電極に接続される電源と、前記複数の電極の間に配置した前記被加工物の表面に接触する接触部材と、前記電極及び前記接触部材と前記被加工物との間に液体を供給する手段と、前記電極側又は前記被加工物側の一方あるいは双方を運動させて一方に対して他方を相対運動させる駆動源と、
    所定量加工した後に電圧の印加を停止するとともに、前記電極及び前記接触部材と前記被加工物との間に前記液体を供給しつつ相対運動を一定時間行わせる制御手段とを備えたことを特徴とする電解加工装置。
  7. 前記電極には、イオン交換体が該電極を被覆するように配置されていることを特徴とする請求項6に記載の電解加工装置。
  8. 前記電極は、加工電極と給電電極とからなり、前記加工電極及び前記給電電極の双方が前記被加工物に対面するように配設されたことを特徴とする請求項6に記載の電解加工装置。
  9. 前記加工電極と給電電極との間に、前記接触部材となる隔壁を配置したことを特徴とする請求項8に記載の電解加工装置。
  10. 前記接触部材は、イオン交換体、多孔質高分子材料、繊維状材料あるいは研磨パッドであることを特徴とする請求項6に記載の電解加工装置。
  11. 加工電極を有する加工電極部と、
    給電電極を有する給電電極部と、
    前記加工電極部に接触乃至近接自在に被加工物を保持する保持部と、
    前記加工電極及び給電電極に接続される電源と、
    前記いずれかの電極部と被加工物の間に配置され、被加工物と接触することが可能な接触部材と、
    少なくともいずれかの前記電極部と被加工物の間に液体を供給する液体供給手段と、
    少なくともいずれかの前記電極部と被加工物の間に相対運動を生じさせる駆動源と、
    被加工物を所定量加工後、前記電源は各電極部への電圧の印加を停止し、前記駆動源は、電圧印加停止後もいずれかの前記電極と被加工物との間に相対運動を一定時間行わせる制御手段とを備えたことを特徴とする電解加工装置。
  12. 前記接触部材は、イオン交換体もしくは弾性を有する緩衝部材であることを特徴とする請求項11に記載の電解加工装置。
  13. 前記加工電極と給電電極は、被加工物に対して同一方向に配置されていることを特徴とする請求項11に記載の電解加工装置。
  14. 前記所定量の加工をしたか否かを、加工量測定手段もしくは時間管理により判定することを特徴とする請求項11に記載の電解加工装置。
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