JP2004084054A - 電解加工方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】例えばCMP処理そのものを省略したり、CMP処理の負荷を極力低減しつつ、基板表面に設けられた導電性材料を平坦に加工したり、更には基板等の被加工物の表面に付着した付着物を除去(洗浄)できるようにした電解加工方法及び装置を提供する。
【解決手段】基板Wを複数の加工電極72に接触又は近接させ、加工電極72と基板Wに給電する給電電極70との間に電圧を印加し、基板Wと加工電極72又は上記給電電極70の少なくとも一方との間に流体を供給し、基板Wの被加工面上の一の点に対して、電極ごとの単位時間当たりの加工量が不均一な複数の加工電極72が通過するように、加工電極72と基板Wとを相対運動させて基板Wの表面を加工する。
【選択図】  図7

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電解加工方法及び装置に係り、特に半導体ウェハ等の基板の表面に形成された導電性材料を加工したり、基板の表面に付着した不純物を除去したりするために使用される電解加工方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体ウェハ等の基板上に回路を形成するための配線材料として、アルミニウム又はアルミニウム合金に代えて、電気抵抗率が低くエレクトロマイグレーション耐性が高い銅(Cu)を用いる動きが顕著になっている。この種の銅配線は、基板の表面に設けた微細凹みの内部に銅を埋め込むことによって一般に形成される。この銅配線を形成する方法としては、化学気相成長法(CVD:Chemical Vapor Deposition)、スパッタリング及びめっきといった手法があるが、いずれにしても、基板のほぼ全表面に銅を成膜して、化学機械的研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)により不要の銅を除去するようにしている。
【0003】
図1(a)乃至図1(c)は、この種の銅配線基板Wの一製造例を工程順に示すものである。図1(a)に示すように、半導体素子が形成された半導体基材1上の導電層1aの上にSiOからなる酸化膜やLow−k材膜などの絶縁膜2が堆積され、リソグラフィ・エッチング技術によりコンタクトホール3と配線用の溝4が形成されている。これらの上にTaN等からなるバリア膜5、更にその上に電解めっきの給電層としてスパッタリングやCVD等によりシード層7が形成されている。
【0004】
そして、基板Wの表面に銅めっきを施すことで、図1(b)に示すように、半導体基材1のコンタクトホール3及び溝4内に銅を充填するとともに、絶縁膜2上に銅膜6を堆積する。その後、化学機械的研磨(CMP)により、絶縁膜2上の銅膜6及びシード層7を除去して、コンタクトホール3及び配線用の溝4に充填させた銅膜6の表面と絶縁膜2の表面とをほぼ同一平面にする。これにより、図1(c)に示すように銅膜6からなる配線が形成される。
【0005】
また、最近ではあらゆる機器の構成要素において微細化かつ高精度化が進み、サブミクロン領域での物作りが一般的となるにつれて、加工法自体が材料の特性に与える影響は益々大きくなっている。このような状況下においては、従来の機械加工のように、工具が被加工物を物理的に破壊しながら除去していく加工方法では、加工によって被加工物に多くの欠陥を生み出してしまうため、被加工物の特性が劣化してしまう。したがって、いかに材料の特性を損なうことなく加工を行うことができるかが問題となってくる。
【0006】
この問題を解決する手段として開発された特殊加工法に、化学研磨や電解加工、電解研磨がある。これらの加工方法は、従来の物理的な加工とは対照的に、化学的溶解反応を起こすことによって、除去加工等を行うものである。したがって、塑性変形による加工変質層や転位等の欠陥は発生せず、上述の材料の特性を損なわずに加工を行うといった課題が達成される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
例えば、CMP工程は、一般にかなり複雑な操作が必要で、制御も複雑となり、加工時間もかなり長い。更に、研磨後の基板の後洗浄を十分に行う必要があるばかりでなく、スラリーや洗浄液の廃液処理のための負荷が大きい等の課題がある。このため、CMP自体を省略する、あるいはこの負荷を軽減することが強く求められている。また、今後、絶縁膜も誘電率の小さいLow−k材に変わると予想され、このLow−k材は強度が弱くCMPによるストレスに耐えられなくなる。したがって、CMPのような過大なストレスを基板に与えることなく、平坦化できるようにしたプロセスが望まれている。
【0008】
なお、化学機械的電解研磨のように、めっきをしながらCMPで削るというプロセスも発表されているが、めっき成長面に機械加工が付加されることで、めっきの異常成長を促すことにもなり、膜質に問題を起こしている。
【0009】
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、例えばCMP処理そのものを省略したり、CMP処理の負荷を極力低減しつつ、基板表面に設けられた導電性材料を平坦に加工したり、更には基板等の被加工物の表面に付着した付着物を除去(洗浄)できるようにした電解加工方法及び装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
このような従来技術における問題点を解決するために、本発明の第1の態様は、被加工物を複数の加工電極に接触又は近接させ、上記加工電極と上記被加工物に給電する給電電極との間に電圧を印加し、上記被加工物と上記加工電極又は上記給電電極の少なくとも一方との間に流体を供給し、上記被加工物の被加工面上の一の点に対して、電極ごとの単位時間当たりの加工量が不均一な複数の加工電極が通過するように、上記加工電極と上記被加工物とを相対運動させて上記被加工物の表面を加工することを特徴とする電解加工方法である。
【0011】
本発明の第2の態様は、複数の加工電極と、被加工物に給電する給電電極と、上記被加工物を保持して上記複数の加工電極に接触又は近接させる保持部と、上記加工電極と上記給電電極との間に電圧を印加する電源と、上記被加工物と上記加工電極又は上記給電電極の少なくとも一方との間に流体を供給する流体供給部と、上記保持部で保持した被加工物の被加工面上の一の点に対して、単位時間当たりの加工量が不均一な複数の加工電極が通過するように上記加工電極と上記被加工物とを相対運動させる駆動部とを備えたことを特徴とする電解加工装置である。
【0012】
図2及び図3は、本発明の加工原理を示すものである。図2は、被加工物10の表面に、加工電極14に取り付けたイオン交換体12aと、給電電極16に取り付けたイオン交換体12bとを接触又は近接させ、加工電極14と給電電極16との間に電源17を介して電圧を印加しつつ、加工電極14及び給電電極16と被加工物10との間に流体供給部19から超純水等の流体18を供給した状態を示している。図3は、被加工物10の表面に、加工電極14に取り付けたイオン交換体12aを接触又は近接させ、給電電極16を被加工物10に直接接触させて、加工電極14と給電電極16との間に電源17を介して電圧を印加しつつ、加工電極14と被加工物10との間に流体供給部19から超純水等の流体18を供給した状態を示している。
【0013】
超純水のような流体自身の抵抗値が大きい液体を使用する場合には、イオン交換体12aを被加工物10の表面に「接触させる」ことが好ましく、このようにイオン交換体12aを被加工物10の表面に接触させることにより、電気抵抗を低減させることができ、印加電圧も小さくて済み、消費電力も低減できる。したがって、本発明に係る加工における「接触」は、例えばCMPのように物理的なエネルギー(応力)を被加工物に与えるために「押し付ける」ものではない。
【0014】
図2及び図3において、超純水等の流体18中の水分子20をイオン交換体12a,12bで水酸化物イオン22と水素イオン24に解離し、例えば生成された水酸化物イオン22を、被加工物10と加工電極14との間の電界と超純水等の流体18の流れによって、被加工物10の加工電極14と対面する表面に供給して、ここでの被加工物10近傍の水酸化物イオン22の密度を高め、被加工物10の原子10aと水酸化物イオン22を反応させる。反応によって生成された反応物質26は、超純水18中に溶解し、被加工物10の表面に沿った超純水等の流体18の流れによって被加工物10から除去される。これにより、被加工物10の表面層の除去加工が行われる。
【0015】
このように、本加工法は純粋に被加工物との電気化学的相互作用のみにより被加工物の除去加工を行うものであり、CMPのような研磨部材と被加工物との物理的な相互作用及び研磨液中の化学種との化学的相互作用の混合による加工とは加工原理が異なるものである。この方法では、被加工物10の加工電極14と対面する部分が加工されるので、加工電極14を移動させることで、被加工物10の表面を所望の表面形状に加工することができる。
【0016】
なお、本発明に係る電解加工装置は、電気化学的相互作用による溶解反応のみにより被加工物の除去加工を行うため、CMPのような研磨部材と被加工物との物理的な相互作用及び研磨液中の化学種との化学的相互作用の混合による加工とは加工原理が異なるものである。したがって、材料の特性を損なわずに除去加工を行うことが可能であり、例えば上述したLow−k材に挙げられる機械的強度の小さい材料に対しても、物理的な相互作用を及ぼすことなく除去加工が可能である。また、通常の電解液を用いる電解加工装置と比較しても、加工液に500μS/cm以下の流体、好ましくは純水、更に好ましくは超純水を用いるため、被加工物表面への汚染も大幅に低減させることが可能であり、また加工後の廃液の処理も容易となる。
【0017】
電気化学的な加工は、反応種であるイオンと被加工物との電気化学的相互作用であり、被加工物の表面での各点における加工速度は、被加工材料の物性を除けば、基本的には電流密度及び被加工物上の加工電極の存在頻度に依存する。また、実際には、加工過程において被加工物とイオンとの電気化学的反応により被加工物の表面に生じる加工生成物や、被加工物及び電極の表面における副反応により生じる気泡などによって、反応種であるイオンが被加工物の表面に移動することが阻害され、また、電気化学的な相互作用であるため、温度変化等による反応速度の変化も生じる。これらの影響により、単一の加工電極を用いた場合においては、加工電極内における加工速度のバラツキが生じ、また、複数の加工電極を用いた場合においても、各加工電極間で加工速度にバラツキが生じる。
【0018】
したがって、被加工物の表面を複数の加工電極により均一な加工速度で加工しようとする場合、上述した基本的な特性を考慮して、加工生成物や気泡の除去及び被加工物上の加工電極の存在頻度の均一化が行われるが、それでも各加工電極間で加工速度にバラツキが生じる。このため、nm/minオーダでの加工速度の均一化が困難となる。本発明に係る電解加工方法によれば、複数の加工電極間で加工速度にバラツキが生じた場合においても、被加工物の被加工面上の一の点に対して複数の加工電極が通過するように加工電極と被加工物とを相対運動させているので、各加工電極間で生じる加工速度のバラツキを平均化させることができる。したがって、被加工物の全面において上述したようなnm/minオーダでの加工速度の均一化を図ることが可能となる。
【0019】
本発明の好ましい一態様は、上記給電電極が複数であることを特徴としている。
本発明の好ましい一態様は、上記複数の加工電極は、上記相対運動中に上記被加工物の被加工面上の各点における存在頻度が略均一となるように配置されていることを特徴としている。
【0020】
本発明の好ましい一態様は、上記複数の給電電極は、上記相対運動中に上記被加工物の被加工面上の各点における存在頻度が略均一となるように配置されていることを特徴としている。
本発明の好ましい一態様は、上記複数の加工電極が同一の形状であることを特徴としている。
【0021】
本発明の第3の態様は、被加工物を加工電極に接触又は近接させ、上記加工電極と上記被加工物に給電する少なくとも1つの給電電極との間に電圧を印加し、上記被加工物と上記加工電極又は上記給電電極の少なくとも一方との間に流体を供給し、上記被加工物の被加工面上の一の点に対して、単位時間当たりの加工量が不均一な加工電極内の複数の点が通過するように、上記加工電極と上記被加工物とを相対運動させて上記被加工物の表面を加工することを特徴とする電解加工方法である。
【0022】
本発明の第4の態様は、加工電極と、被加工物に給電する少なくとも1つの給電電極と、上記被加工物を保持して上記加工電極に接触又は近接させる保持部と、上記加工電極と上記給電電極との間に電圧を印加する電源と、上記被加工物と上記加工電極又は上記給電電極の少なくとも一方との間に流体を供給する流体供給部と、上記保持部で保持した被加工物の被加工面上の一の点に対して、単位時間当たりの加工量が不均一な加工電極内の複数の点が通過するように、上記加工電極と上記被加工物とを相対運動させる駆動部とを備えたことを特徴とする電解加工装置である。
【0023】
本発明の好ましい一態様は、上記給電電極は、上記相対運動中に上記被加工物の被加工面上の各点における存在頻度が略均一となるように配置されていることを特徴としている。
【0024】
本発明の好ましい一態様は、上記給電電極は複数あり、該複数の給電電極は同一の形状であることを特徴としている。
【0025】
本発明の好ましい一態様は、上記相対運動は、回転運動、往復運動、偏心回転運動、及びスクロール運動の少なくとも1つ又はこれらの任意の組み合わせであることを特徴としている。
【0026】
本発明の好ましい一態様は、上記被加工物と上記加工電極又は上記給電電極の少なくとも一方との間にイオン交換体を配置したことを特徴としている。
【0027】
本発明の好ましい一態様は、上記流体は、純水、超純水、又は電気伝導度が500μS/cm以下の流体であることを特徴としている。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る電解加工装置及びこれを組み込んだ基板処理装置の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明では、被加工物として基板を使用し、電解加工装置で基板を加工するようにした例を示しているが、本発明を基板以外にも適用できることは言うまでもない。
【0029】
図4は、本発明の第1の実施形態における基板処理装置の構成を示す平面図である。図4に示すように、この基板処理装置は、例えば、図1(b)に示すように、表面に導電体膜(被加工物)としての銅膜6を有する基板Wを収納したカセットを搬出入する搬出入部としての一対のロード・アンロード部30と、基板Wを反転させる反転機32と、電解加工装置34とを備えている。これらの機器は直列に配置されており、これらの機器の間で基板Wを搬送して授受する搬送装置としての搬送ロボット36がこれらの機器と平行に配置されている。また、電解加工装置34による電解加工の際に、後述する加工電極と給電電極との間に印加する電圧又はこれらの間を流れる電流をモニタするモニタ部38がロード・アンロード部30に隣接して配置されている。
【0030】
図5は基板処理装置内の電解加工装置34を模式的に示す縦断面図、図6は図5の平面図である。図5に示すように、電解加工装置34は、上下動可能かつ水平方向に揺動自在なアーム40と、アーム40の自由端に垂設されて基板Wを下向き(フェイスダウン)に吸着保持する基板保持部42と、基板保持部42の下方に配置される円板状の電極部44と、電極部44に接続される電源46とを備えている。電極部44の上面には膜状のイオン交換体47が取り付けられている。
【0031】
アーム40は、揺動用モータ48に連結された揺動軸50の上端に取り付けられており、揺動用モータ48の駆動に伴って水平方向に揺動するようになっている。また、この揺動軸50は、上下方向に延びるボールねじ52に連結されており、ボールねじ52に連結された上下動用モータ54の駆動に伴ってアーム40とともに上下動するようになっている。
【0032】
基板保持部42は、基板保持部42で保持した基板Wと電極部44とを相対移動させる第1駆動部としての自転用モータ56に接続されており、この自転用モータ56の駆動に伴って回転(自転)するようになっている。また、上述したように、アーム40は上下動及び水平方向に揺動可能となっており、基板保持部42はアーム40と一体となって上下動及び水平方向に揺動可能となっている。また、電極部44は、基板Wと電極部44とを相対移動させる第2駆動部としての中空モータ60に直結されており、中空モータ60の駆動に伴って回転(自転)するようになっている。
【0033】
電極部44の上方には、電極部44の直径方向に沿って延びる純水噴射ノズル(流体供給部)62が配置されている。この純水噴射ノズル62は、純水又は超純水を電極部44の上面に供給する複数の噴射口を有している。ここで、純水は、例えば電気伝導度(1atm、25℃換算値、以下同じ)が10μS/cm以下の水であり、超純水は、例えば電気伝導度が0.1μS/cm以下の水である。このように電解質を含まない純水又は超純水を使用して電解加工を行うことで、基板Wの表面に電解質等の余分な不純物が付着したり、残留したりすることをなくすことができる。更に、電解によって溶解した銅イオン等が、イオン交換体47にイオン交換反応で即座に捕捉されるため、溶解した銅イオン等が基板Wの他の部分に再度析出したり、酸化されて微粒子となり基板Wの表面を汚染したりすることがない。
【0034】
また、純水又は超純水の代わりに電気伝導度500μS/cm以下の液体や、任意の電解液、例えば純水又は超純水に電解質を添加した電解液を使用してもよい。電解液を使用することで、電気抵抗を低減して消費電力を削減することができる。この電解液としては、例えば、NaClやNaSO等の中性塩、HClやHSO等の酸、更には、アンモニア等のアルカリなどの溶液を使用することができ、被加工物の特性によって適宜選択して使用することができる。
【0035】
更に、純水又は超純水の代わりに、純水又は超純水に界面活性剤等を添加して、電気伝導度が500μS/cm以下、好ましくは、50μS/cm以下、更に好ましくは、0.1μS/cm以下(比抵抗で10MΩ・cm以上)にした液体を使用してもよい。このように、純水又は超純水に界面活性剤を添加することで、基板Wとイオン交換体47の界面にイオンの移動を防ぐ一様な抑制作用を有する層を形成し、これによって、イオン交換(金属の溶解)の集中を緩和して被加工面の平坦性を向上させることができる。ここで、界面活性剤濃度は、100ppm以下が好ましい。なお、電気伝導度の値があまり高いと電流効率が下がり、加工速度が遅くなるが、500μS/cm以下、好ましくは、50μS/cm以下、更に好ましくは、0.1μS/cm以下の電気伝導度を有する液体を使用することで、所望の加工速度を得ることができる。
【0036】
図7は電極部44を示す平面図、図8は図7の部分拡大図である。図7及び図8に示すように、電極部44は、円板状の給電電極70と、給電電極70の略全面に配置された多数の加工電極72とを備えている。各加工電極72は、絶縁体74を介して給電電極70と分離されている。これらの給電電極70及び加工電極72の上面は上述したイオン交換体47により一体に覆われている。各加工電極72は同一形状であり、基板Wと電極部44とを相対移動させたときに、基板Wの被加工面上の各点における存在頻度が略均一となるように給電電極70の内部の略全面に配置されている。
【0037】
本実施形態では、給電電極70はスリップリング64(図5参照)を介して電源46の陽極に接続され、加工電極72はスリップリング64を介して電源46の陰極に接続されている。例えば、銅を加工する場合においては、陰極側に電解加工作用が生じるので、陰極に接続した電極が加工電極となり、陽極に接続した電極が給電電極となる。一方、加工材料によっては、給電電極70を電源46の陰極に接続し、加工電極72を電源46の陽極に接続してもよい。例えば、被加工材料が例えばアルミニウムやシリコンである場合には、陽極側で電解加工作用が生じるため、電源の陽極に接続した電極が加工電極となり、陰極に接続した電極が給電電極となる。
【0038】
ここで、給電電極70及び加工電極72は、電解反応により、酸化又は溶出が一般に問題となる。このため、電極の素材として、電極に広く使用されている金属や金属化合物よりも、炭素、比較的不活性な貴金属、導電性酸化物又は導電性セラミックスを使用することが好ましい。この貴金属を素材とした電極としては、例えば、下地の電極素材にチタンを用い、その表面にめっきやコーティングで白金又はイリジウムを付着させ、高温で焼結して安定化と強度を保つ処理を行ったものが挙げられる。セラミックス製品は、一般に無機物質を原料として熱処理によって得られ、各種の非金属・金属の酸化物・炭化物・窒化物などを原料として、様々な特性を持つ製品が作られている。この中に導電性を持つセラミックスもある。電極が酸化すると電極の電気抵抗値が増加し、印加電圧の上昇を招くが、このように、白金などの酸化しにくい材料やイリジウムなどの導電性酸化物で電極表面を保護することで、電極素材の酸化による導電性の低下を防止することができる。
【0039】
電極部44の上面に取り付けられたイオン交換体47は、例えば、アニオン交換能又はカチオン交換能を付与した不織布で構成されている。カチオン交換体は、好ましくは強酸性カチオン交換基(スルホン酸基)を担持したものであるが、弱酸性カチオン交換基(カルボキシル基)を担持したものでもよい。また、アニオン交換体は、好ましくは強塩基性アニオン交換基(4級アンモニウム基)を担持したものであるが、弱塩基性アニオン交換基(3級以下のアミノ基)を担持したものでもよい。
【0040】
ここで、例えば強塩基性アニオン交換能を付与した不織布は、繊維径20〜50μmで空隙率が約90%のポリオレフィン製の不織布に、γ線を照射した後グラフト重合を行ういわゆる放射線グラフト重合法により、グラフト鎖を導入し、次に導入したグラフト鎖をアミノ化して4級アンモニウム基を導入して作製される。導入されるイオン交換基の容量は、導入するグラフト鎖の量により決定される。グラフト重合を行うためには、例えばアクリル酸、スチレン、メタクリル酸グリシジル、更にはスチレンスルホン酸ナトリウム、クロロメチルスチレン等のモノマーを用い、これらのモノマー濃度、反応温度及び反応時間を制御することで、重合するグラフト量を制御することができる。したがって、グラフト重合前の素材の重量に対し、グラフト重合後の重量の比をグラフト率と呼ぶが、このグラフト率は、最大で500%が可能であり、グラフト重合後に導入されるイオン交換基は、最大で5meq/gが可能である。
【0041】
強酸性カチオン交換能を付与した不織布は、上記強塩基性アニオン交換能を付与する方法と同様に、繊維径20〜50μmで空隙率が約90%のポリオレフィン製の不織布に、γ線を照射した後グラフト重合を行ういわゆる放射線グラフト重合法により、グラフト鎖を導入し、次に導入したグラフト鎖を、例えば加熱した硫酸で処理してスルホン酸基を導入して作製される。また、加熱したリン酸で処理すればリン酸基が導入できる。ここでグラフト率は、最大で500%が可能であり、グラフト重合後に導入されるイオン交換基は、最大で5meq/gが可能である。
【0042】
イオン交換体47の素材の材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系高分子、又はその他有機高分子が挙げられる。また素材形態としては、不織布の他に、織布、シート、多孔質材、短繊維等が挙げられる。
【0043】
ここで、ポリエチレンやポリプロピレンは、放射線(γ線と電子線)を先に素材に照射する(前照射)ことで、素材にラジカルを発生させ、次にモノマーと反応させてグラフト重合することができる。これにより、均一性が高く、不純物が少ないグラフト鎖ができる。一方、その他の有機高分子は、モノマーを含浸させ、そこに放射線(γ線、電子線、紫外線)を照射(同時照射)することで、ラジカル重合することができる。この場合、均一性に欠けるが、ほとんどの素材に適用できる。
【0044】
このように、イオン交換体47をアニオン交換能又はカチオン交換能を付与した不織布で構成することで、純水又は超純水や電解液等の液体が不織布の内部を自由に移動して、不織布内部の水分解触媒作用を有する活性点に容易に到達することが可能となって、多くの水分子が水素イオンと水酸化物イオンに解離される。更に、解離によって生成した水酸化物イオンが純水又は超純水や電解液等の液体の移動に伴って効率良く加工電極72の表面に運ばれるため、低い印加電圧でも高電流が得られる。
【0045】
ここで、イオン交換体47をアニオン交換能又はカチオン交換能の一方を付与したもののみで構成すると、電解加工できる被加工材料が制限されるばかりでなく、極性により不純物が生成しやすくなる。そこで、アニオン交換能を有するアニオン交換体とカチオン交換能を有するカチオン交換体とを重ね合わせたり、イオン交換体47自体にアニオン交換能とカチオン交換能の双方の交換基を付与するようにしたりしてもよく、これにより、被加工材料の範囲を拡げるとともに、不純物を生成しにくくすることができる。
【0046】
次に、本実施形態における基板処理装置を用いた基板処理(電解加工)について説明する。まず、例えば、図1(b)に示すように、表面に導電体膜(被加工部)として銅膜6を形成した基板Wを収納したカセットをロード・アンロード部30にセットし、このカセットから1枚の基板Wを搬送ロボット36で取り出す。搬送ロボット36は、取り出した基板Wを必要に応じて反転機32に搬送し、基板Wの導電体膜(銅膜6)を形成した表面が下を向くように反転させる。次に、搬送ロボット36は反転させた基板Wを受け取り、この基板Wを電解加工装置34のプッシャ66(図6参照)上に載置する。
【0047】
そして、プッシャ66上に載置した基板Wを基板保持部42により吸着保持させ、アーム40を移動させて基板Wを保持した基板保持部42を電極部44の直上方の加工位置まで移動させる。次に、上下動用モータ54を駆動して基板保持部42を下降させ、この基板保持部42で保持した基板Wを電極部44のイオン交換体47の表面に接触又は近接させる。この状態で、中空モータ60を駆動して電極部44を回転させるとともに、自転用モータ56を駆動して基板保持部42及び基板Wを回転させ、基板Wと電極部44とを相対運動(偏心回転運動)させる。このとき、純水噴射ノズル62の噴射口から基板Wと電極部44との間に純水又は超純水を噴射する。そして、電源46により加工電極72と給電電極70との間に所定の電圧を印加し、イオン交換体47により生成された水素イオン又は水酸化物イオンによって、加工電極(陰極)において基板Wの表面の導電体膜(銅膜6)の電解加工を行う。
【0048】
本実施形態のように、電極を多数設けると、各電極の形状を同一にしようとしても電極の接触面の大きさの違いや高さの違い、電極に取り付けられるイオン交換体の厚さの違いが多少生じたり、イオン交換体の取り付け方に不均一が生じたりして、実際には各加工電極間において単位時間当たりの加工量に違いが生じる。本実施形態においては、電解加工において電極部44と基板Wとを相対運動させると、基板Wの被加工面上の一の点に対して、単位時間当たりの加工量が不均一な複数の加工電極72が通過することとなる。すなわち、基板Wの被加工面上の一の点に対して、単位時間当たりの加工量が不均一な複数の加工電極72ができるだけ多く通過するように加工電極72と被加工物Wとを相対運動させている。このため、各加工電極72間で加工速度のバラツキがあっても、この加工速度のバラツキを平均化させることができ、基板Wの全面においてnm/minオーダでの加工速度の均一化を図ることが可能となる。
【0049】
なお、各加工電極72は、その表面(上面)が給電電極70の表面と同一平面をなすように給電電極70の内部に均一高さで埋設されていることが望ましい。これにより、各電極の表面と被加工物との距離に差が出て、各電極の表面と被加工物との間の抵抗が変化し、電流にバラツキが生じてしまうことを防止することができる。
また、個々の加工電極72、若しくは複数の加工電極72をグループ化して、一定の領域毎に印加する電圧または流れる電流を独立に制御するようにしてもよい。
【0050】
電解加工中には、加工電極と給電電極との間に印加する電圧、又はこの間を流れる電流をモニタ部38でモニタして、エンドポイント(加工終点)を検知する。すなわち、同じ電圧(電流)を印加した状態で電解加工を行うと、材料によって流れる電流(印加される電圧)に違いが生じる。例えば、図9(a)に示すように、表面に材料Bと材料Aとを順次成膜した基板Wの該表面に電解加工を施したときに流れる電流をモニタすると、材料Aを電解加工している間は一定の電流が流れるが、異なる材料Bの加工に移行する時点で流れる電流が変化する。同様に、加工電極と給電電極との間に印加される電圧にあっても、図9(b)に示すように、材料Aを電解加工している間は一定の電圧が印加されるが、異なる材料Bの加工に移行する時点で印加される電圧が変化する。なお、図9(a)は、材料Bを電解加工するときの方が、材料Aを電解加工するときよりも電流が流れにくくなる場合を、図9(b)は、材料Bを電解加工するときの方が、材料Aを電解加工するときよりも電圧が高くなる場合の例を示している。これにより、この電流又は電圧の変化をモニタすることでエンドポイントを確実に検知することができる。
【0051】
なお、モニタ部38で加工電極と給電電極との間に印加する電圧、又はこの間を流れる電流をモニタして加工終点を検知するようにした例を説明したが、このモニタ部38で、加工中の基板の状態の変化をモニタして、任意に設定した加工終点を検知するようにしてもよい。この場合、加工終点は、被加工面の指定した部位について、所望の加工量に達した時点、もしくは加工量と相関関係を有するパラメータが所望の加工量に相当する量に達した時点を指す。このように、加工の途中においても、加工終点を任意に設定して検知できるようにすることで、多段プロセスでの電解加工が可能となる。
【0052】
例えば、基板が異材料に達したときに生じる摩擦係数の違いによる摩擦力の変化や、基板の表面の凹凸を平坦化する際、凹凸を除去したことにより生じる摩擦力の変化等を検出することで加工量を判断し、加工終点を検出することとしてもよい。また、被加工面の電気抵抗による発熱や、加工面と被加工面との間に液体(純水)の中を移動するイオンと水分子の衝突による発熱が生じ、例えば基板の表面に堆積した銅膜を定電圧制御で電解研磨する際には、電解加工が進み、バリア層や絶縁膜が露出するのに伴って、電気抵抗が大きくなり電流値が小さくなって発熱量が順に減少する。したがって、この発熱量の変化を検出することで加工量を判断し、加工終点を検出することとしてもよい。あるいは、異材料に達した時に生じる反射率の違いによる反射光の強度の変化を検出して、基板上の被加工膜の膜厚を検知し、これにより加工終点を検出してもよい。また、銅膜等の導電性膜の内部にうず電流を発生させ、基板の内部を流れるうず電流をモニタし、例えば周波数の変化を検出して、基板上の被加工膜の膜厚を検知し、これにより加工終点を検出してもよい。更に、電解加工にあっては、加工電極と給電電極との間を流れる電流値で加工レートが決まり、加工量は、この電流値と加工時間の積で求められる電気量に比例する。したがって、電流値と加工時間の積で求められる電気量を積算し、この積算値が所定の値に達したことを検出することで加工量を判断し、加工終点を検出してもよい。
【0053】
電解加工完了後、電源46の接続を切り、電極部44及び基板保持部4の回転を停止させ、しかる後、基板保持部42を上昇させ、アーム40を移動させて基板Wを搬送ロボット36に受け渡す。基板Wを受け取った搬送ロボット36は、必要に応じて反転機32に搬送して反転させた後、基板Wをロード・アンロード部30のカセットに戻す。
【0054】
ここで、超純水のような液自身の抵抗値が大きい液体を使用する場合には、イオン交換体47を基板Wに接触させることにより、電気抵抗を低減させることができ、印加電圧も小さくて済み、消費電力も低減できる。この「接触」は、例えばCMPのように物理的なエネルギー(応力)を被加工物に与えるために、「押し付ける」ことを意味するものではない。したがって、本実施形態における電解加工装置では、基板Wの電極部44への接触又は近接には上下動用モータ54を用いており、例えばCMP装置において基板と研磨部材を積極的に押し付ける押圧機構は具備していない。すなわち、CMPにおいては、一般に20〜50kPa程度の押圧力で基板を研磨面に押し付けているが、本実施形態の電解加工装置では、例えば、20kPa以下の圧力でイオン交換体47を基板Wに接触させればよく、10kPa以下の圧力でも十分除去加工効果が得られる。
【0055】
本実施形態では、電極部44と基板Wをともに回転させ、基板Wと電極部44とを偏心回転運動させた例を説明したが、これに限られるものではない。すなわち、被加工物の被加工面上の一の点に対して複数の加工電極が通過するように加工電極と被加工物とを相対運動させればよく、そのような相対運動は、回転運動、往復運動、偏心回転運動、及びスクロール運動の少なくとも1つ、あるいは、回転運動、往復運動、偏心回転運動、及びスクロール運動の任意の組み合わせとすることができる。
【0056】
また、上述の実施形態において加工電極と給電電極とを入れ替えてもよい。図10及び図11は、第1の実施形態の電極部において加工電極と給電電極とを入れ替えた第2の実施形態を示すものである。図10及び図11に示すように、本実施形態における電極部144は、円板状の加工電極146と、加工電極146の略全面に配置された多数の給電電極148とを備えている。各給電電極148は、絶縁体150を介して加工電極146と分離されている。これらの加工電極146及び給電電極148の上面は上述したイオン交換体により一体に覆われている。各給電電極148は同一形状であり、基板Wと電極部144とを相対移動させたときに、基板Wの被加工面上の各点における存在頻度が略均一となるように加工電極146の内部の略全面に配置されている。
【0057】
本実施形態においては、単一の加工電極146を用いているが、単一の加工電極においても位置によって単位時間当たりの加工量にバラツキが生じることがある。本実施形態においては、電解加工において電極部144と基板Wとを相対運動させると、基板Wの被加工面上の一の点に対して、単位時間当たりの加工量が不均一な加工電極146内の複数の点が通過することとなる。すなわち、基板Wの被加工面上の一の点に対して、単位時間当たりの加工量が不均一な加工電極146内の複数の点ができるだけ多く通過するように電極部144と被加工物Wとを相対運動させている。このため、加工電極146内において単位時間当たりの加工量にバラツキがあっても、この加工速度のバラツキを平均化させることができ、基板Wの全面においてnm/minオーダでの加工速度の均一化を図ることが可能となる。
【0058】
なお、この場合にあっても、前述と同様に、各給電電極148は、その表面(上面)が加工電極146の表面と同一平面をなすように均一高さで加工電極146の内部に埋設されていることが望ましく、また、個々の給電電極148、若しくは複数の給電電極148をグループ化して、一定の領域毎に印加する電圧または流れる電流を独立に制御するようにしてもよい。
【0059】
図12は、本発明の第3実施形態における電極部244を示す平面図、図13は図12の部分拡大図である。図12及び図13に示すように、電極部244は、円板状で、例えば樹脂等の絶縁材料からなる電極板246と、この電極板246の略全面に配置された、同一形状の多数の電極248とを備えている。各電極248は、その外周部を絶縁体250で覆われた状態で電極板246の内部に埋設されている。これらの電極248の上面は、上述したイオン交換体47(図5参照)により一体に覆われている。
【0060】
そして、各電極248のうち、この例では、格子状に縦方向に並ぶ各列の一つ置きの列に位置する電極248aがスリップリング64(図5参照)を介して電源46の陽極に、他の列に位置する電極248bがスリップリング64を介して電源46の陰極にそれぞれ接続されている。これによって、電源46の陽極に接続された電極248aが給電電極となり、陰極に接続された電極248bが加工電極となって、電極部244と基板とを相対移動させたとき、基板Wの被加工面上の各点におけるこれらの給電電極248aと加工電極248bの存在頻度が略均一となるように電極部244の略全面に配置されている。なお、加工材料によっては、電源の陰極に接続した電極を給電電極とし、陽極に接続した電極を加工電極としても良いことは前述と同様である。また、各電極248の配置の仕方も、電極板246と基板Wとの相対運動の組合せで、基板Wの単位面積当たりの電極248の存在確率が均一になるように任意に選択してもよい。
【0061】
なお、この例にあっても、前述と同様に、各電極248は、その表面(上面)が電極板246の表面と同一平面をなすように均一高さで電極板246の内部に埋設されている方が、電極部全体の平坦度を得る上で望ましい。しかし、加工のし易さによって、電極板246よりも電極248の方が数μm程度突出するようにしてもよい。また、個々の給電電極248aと加工電極248b、若しくは複数の給電電極248aと加工電極248bをグループ化して、一定の領域毎に印加する電圧または流れる電流を独立に制御するようにしてもよい。
【0062】
更に、この例では、給電電極248aと加工電極248bの数がほぼ同じになるようにしているが、加工速度を上げるため、加工電極の数を増やす等、加工条件等に応じて、給電電極248aと加工電極248bの数を任意に変更するようにしても良い。また、電極板246の全面をイオン交換体で覆うことで、超純水を用いた電解加工を行うことができるようにしているが、電解液を用いる場合には、各種スクラブ部材(多孔質材料など通液性を持たせたもの)で電極板の全体を覆うようにしてもよい。
【0063】
これまで本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。
【0064】
【発明の効果】
上述したように、本発明によれば、基板等の被加工物に物理的な欠陥を与えて被加工物の特性を損なうことを防止しつつ、電気化学的作用によって、例えばCMPに代わる電解加工等を施すことができ、これによって、CMP処理そのものを省略したり、CMP処理の負荷を低減したり、更には基板等の被加工物の表面に付着した付着物を除去(洗浄)することができる。しかも、純水又は超純水のみを使用しても基板を加工することができ、これによって、基板の表面に電解質等の余分な不純物が付着したり、残留したりすることをなくして、除去加工後の洗浄工程を簡略化できるばかりでなく、廃液処理の負荷を極めて小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】銅配線基板の一製造例を工程順に示す図である。
【図2】加工電極及び給電電極を基板(被加工物)に近接させ、加工電極及び給電電極と基板(被加工物)との間に純水又は電気伝導度が500μS/cm以下の流体を供給するようにしたときの本発明による電解加工の原理の説明に付する図である。
【図3】加工電極のみにイオン交換体を取り付けて、加工電極と基板(被加工物)との間に流体を供給するようにしたときの本発明による電解加工の原理の説明に付する図である。
【図4】本発明の第1の実施形態における基板処理装置の構成を示す平面図である。
【図5】図4に示す基板処理装置の電解加工装置を模式的に示す縦断面図である。
【図6】図5の平面図である。
【図7】図5の電解加工装置における電極部を示す平面図である。
【図8】図7の部分拡大図である。
【図9】図9(a)は、異なる材料を成膜した基板の表面に電解加工を施したときに流れる電流と時間の関係を、図9(b)は、同じく印加される電圧と時間の関係をそれぞれ示すグラフである。
【図10】本発明の第2の実施形態における電極部を示す平面図である。
【図11】図10の部分拡大図である。
【図12】本発明の第3の実施形態における電極部を示す平面図である。
【図13】図12の部分拡大図である。
【符号の説明】
6  銅膜(導電体膜)
7  シード層
10  被加工物
12a,12b  イオン交換体
14  加工電極
16  給電電極
17  電源
18  超純水
19  流体供給部
20  水分子
22  水酸化物イオン
24  水素イオン
26  反応物質
30  ロード・アンロード部
32  反転機
34  電解加工装置
36  搬送ロボット
38  モニタ部
40  アーム
42  基板保持部
44,144  電極部
46  電源
47  イオン交換体
48  揺動用モータ
50  揺動軸
52  ボールねじ
54  上下動用モータ
56  自転用モータ
60  中空モータ
62  純水噴射ノズル
64  スリップリング
66  プッシャ
70,148,248a  給電電極
72,146,248b  加工電極
74,150,250  絶縁体
248 電極

Claims (22)

  1. 被加工物を複数の加工電極に接触又は近接させ、
    前記加工電極と前記被加工物に給電する給電電極との間に電圧を印加し、
    前記被加工物と前記加工電極又は前記給電電極の少なくとも一方との間に流体を供給し、
    前記被加工物の被加工面上の一の点に対して、電極ごとの単位時間当たりの加工量が不均一な複数の加工電極が通過するように、前記加工電極と前記被加工物とを相対運動させて前記被加工物の表面を加工することを特徴とする電解加工方法。
  2. 前記給電電極が複数であることを特徴とする請求項1に記載の電解加工方法。
  3. 前記複数の加工電極は、前記相対運動中に前記被加工物の被加工面上の各点における存在頻度が略均一となるように配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電解加工方法。
  4. 前記複数の給電電極は、前記相対運動中に前記被加工物の被加工面上の各点における存在頻度が略均一となるように配置されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の電解加工方法。
  5. 前記複数の加工電極が同一の形状であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電解加工方法。
  6. 被加工物を加工電極に接触又は近接させ、
    前記加工電極と前記被加工物に給電する少なくとも1つの給電電極との間に電圧を印加し、
    前記被加工物と前記加工電極又は前記給電電極の少なくとも一方との間に流体を供給し、
    前記被加工物の被加工面上の一の点に対して、単位時間当たりの加工量が不均一な加工電極内の複数の点が通過するように、前記加工電極と前記被加工物とを相対運動させて前記被加工物の表面を加工することを特徴とする電解加工方法。
  7. 前記給電電極は、前記相対運動中に前記被加工物の被加工面上の各点における存在頻度が略均一となるように配置されていることを特徴とする請求項6に記載の電解加工方法。
  8. 前記給電電極は複数あり、該複数の給電電極は同一の形状であることを特徴とする請求項6又は7に記載の電解加工方法。
  9. 前記相対運動は、回転運動、往復運動、偏心回転運動、及びスクロール運動の少なくとも1つ又はこれらの任意の組み合わせであることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の電解加工方法。
  10. 前記被加工物と前記加工電極又は前記給電電極の少なくとも一方との間にイオン交換体を配置したことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の電解加工方法。
  11. 前記流体は、純水、超純水、又は電気伝導度が500μS/cm以下の流体であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の電解加工方法。
  12. 複数の加工電極と、
    被加工物に給電する給電電極と、
    前記被加工物を保持して前記複数の加工電極に接触又は近接させる保持部と、
    前記加工電極と前記給電電極との間に電圧を印加する電源と、
    前記被加工物と前記加工電極又は前記給電電極の少なくとも一方との間に流体を供給する流体供給部と、
    前記保持部で保持した被加工物の被加工面上の一の点に対して、単位時間当たりの加工量が不均一な複数の加工電極が通過するように前記加工電極と前記被加工物とを相対運動させる駆動部とを備えたことを特徴とする電解加工装置。
  13. 前記給電電極が複数であることを特徴とする請求項12に記載の電解加工装置。
  14. 前記複数の加工電極は、前記相対運動中に前記被加工物の被加工面上の各点における存在頻度が略均一となるように前記給電電極の内部に配置されていることを特徴とする請求項12又は13に記載の電解加工装置。
  15. 前記複数の給電電極は、前記相対運動中に前記被加工物の被加工面上の各点における存在頻度が略均一となるように配置されていることを特徴とする請求項13又は14に記載の電解加工装置。
  16. 前記複数の加工電極が同一の形状であることを特徴とする請求項12乃至15のいずれか一項に記載の電解加工装置。
  17. 加工電極と、
    被加工物に給電する少なくとも1つの給電電極と、
    前記被加工物を保持して前記加工電極に接触又は近接させる保持部と、
    前記加工電極と前記給電電極との間に電圧を印加する電源と、
    前記被加工物と前記加工電極又は前記給電電極の少なくとも一方との間に流体を供給する流体供給部と、
    前記保持部で保持した被加工物の被加工面上の一の点に対して、単位時間当たりの加工量が不均一な加工電極内の複数の点が通過するように、前記加工電極と前記被加工物とを相対運動させる駆動部とを備えたことを特徴とする電解加工装置。
  18. 前記給電電極は、前記相対運動中に前記被加工物の被加工面上の各点における存在頻度が略均一となるように配置されていることを特徴とする請求項17に記載の電解加工装置。
  19. 前記給電電極は複数あり、該複数の給電電極は同一の形状であることを特徴とする請求項17又は18に記載の電解加工装置。
  20. 前記相対運動は、回転運動、往復運動、偏心回転運動、及びスクロール運動の少なくとも1つ又はこれらの任意の組み合わせであることを特徴とする請求項12乃至19のいずれか一項に記載の電解加工装置。
  21. 前記被加工物と前記加工電極又は前記給電電極の少なくとも一方との間にイオン交換体を配置したことを特徴とする請求項12乃至20のいずれか一項に記載の電解加工装置。
  22. 前記流体は、純水、超純水、又は電気伝導度が500μS/cm以下の流体であることを特徴とする請求項12乃至21のいずれか一項に記載の電解加工装置。
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