JP2004255318A5 - - Google Patents
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Description
【書類名】 明細書
【発明の名称】 真空ポンプ場及びその運転方法
【特許請求の範囲】
【請求項1】 集水タンクと、真空ポンプと、該集水タンクに接続された汚水流入管及び汚水圧送管とを具備し、前記真空ポンプによって前記集水タンク内を減圧することで汚水流入管から該集水タンク内に汚水を集水し、該集水タンク内を加圧することで該集水タンク内の汚水を前記汚水圧送管から排水する構成の汚水集排水ユニットを具備する真空ポンプ場において、
前記汚水集排水ユニットを2組設け、
前記真空ポンプとして正逆回転運転可能なルーツ型真空ポンプを用い、該真空ポンプの一方の吸・吐口を圧力管を介して前記集水タンクに接続し、他方の吸・吐口を大気仕切弁を介して大気に接続すると共に排気管に接続し、該真空ポンプの正回転運転で前記集水タンク内を排気して減圧し、逆回転運転で前記集水タンク内を加圧するように構成したことを特徴とする真空ポンプ場。
【請求項2】 請求項1に記載の真空ポンプ場において、
前記2組の汚水集排水ユニットの内、一方の汚水集排水ユニットの集水タンク内を加圧とするとき他方の汚水集排水ユニットの集水タンク内を減圧とする運転を行う制御手段を設けたことを特徴とする真空ポンプ場。
【請求項3】 請求項1又は2に記載の真空ポンプ場において、
前記2組の汚水集排水ユニットの前記圧力管を均圧弁を介して接続したことを特徴とする真空ポンプ場。
【請求項4】 請求項1又は2又は3に記載の真空ポンプ場において、
前記各汚水集排水ユニットの汚水圧送管には汚水対応の逆止弁が設けられていることを特徴とする真空ポンプ場。
【請求項5】 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の真空ポンプ場において、
前記汚水流入管は汚水対応の逆止弁を介して複数の汚水管から汚水が流れ込むシステムボリューム管に接続されていることを特徴とする真空ポンプ場。
【請求項6】 集水タンクと、正逆回転可能なルーツ型の真空ポンプと、該集水タンクに接続された汚水流入管及び汚水圧送管とを具備し、前記真空ポンプの一方の吸・吐口を圧力管を介して前記集水タンクに接続し、他方の吸・吐口を大気仕切弁を介して大気に接続すると共に排気管に接続し、該真空ポンプの正回転運転で前記集水タンク内を排気して減圧することで前記汚水流入管から該集水タンク内に汚水を集水し、逆回転運転で前記集水タンク内を加圧することで該集水タンク内の汚水を前記汚水圧送管から排水するように構成した汚水集排水ユニットを2組具備し、
前記2組の汚水集排水ユニットの一方の集水タンクを加圧するとき、他方の集水タンクを減圧するように交互運転し、一方の集水タンクを減圧から加圧へ、他方の集水タンクを加圧から減圧へ切替えるとき、前記均圧弁を開いて両集水タンクの圧力差を減少させることを特徴とする真空ポンプ場の運転方法。
【請求項7】 集水タンクと、真空ポンプと、該集水タンクに接続された汚水流入管、及び汚水圧送管とを具備し、
前記真空ポンプによって前記集水タンク内を減圧することで汚水流入管から該集水タンク内に汚水を集水し、該集水タンク内を加圧することで該集水タンク内の汚水を前記汚水圧送管から排水する構成の汚水集排水ユニットを具備する真空ポンプ場において、
前記集水タンクは地中に埋設されたマンホール内に設置され、前記真空ポンプとして正逆回転運転可能なルーツ型真空ポンプを用い、該真空ポンプの一方の吸・吐口を圧力管を介して前記集水タンクに接続し、他方の吸・吐口を大気仕切弁を介して大気に接続すると共に排気管に接続し、該真空ポンプの正回転運転で前記集水タンク内を排気して減圧し、逆回転運転で前記集水タンク内に加圧するように構成したことを特徴とする真空ポンプ場。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、真空汚水管からの汚水を一旦集水した後に汚水処理場などへ送水する真空ポンプ場に関し、汚水を集水する集水タンクを2台具備する二槽式の真空ポンプ場及びその運転方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来この種の真空ポンプ場は、一般的に独立したRC建物(地上1階、地下1階)の地下1階部分に集水タンク、圧送ポンプ2台、真空ポンプ3台等の機器が設置され、地上1階部分に制御盤、給水タンク、脱臭塔が設置されて構成されている。少人数(人口1000人未満)の汚水収集を行う真空ポンプ場の場合は、圧送ポンプの異物による閉塞の問題や、設備価格が高価になるなどの問題が考えられる。そのため、小規模の真空ポンプ場では、圧送ポンプを使わず、汚水を圧送する技術が求められていた。また、小規模の真空ポンプ場では用地買収等の問題から建物を設置するスペースが地上にない場合が多く、地下に埋設するタイプのものが求められていた。
【0003】
例えば特許文献1に開示されている真空式汚水集排水装置は、ルーツ式多段真空ポンプを1台使用し、正転と逆転の自動運転をさせて、タンク内の汚水の吸入と、該タンク内の汚水の排出を交互に行うように構成したものである。
【0004】
また、特許文献2に開示されている吸排水装置は、1台のルーツ式多段真空ポンプを正転のみの自動運転で、汚水の吸引と排出を行うもので、ルーツ式多段真空ポンプの運転により第1タンク室を負圧にして汚水を吸引し、その排気を第2タンク室に入れて同時に排水を行い、第1タンク室と第2タンク室は汚水の吸引と排水を交互に行う。
【0005】
また、特許文献3に開示されている二槽式真空ポンプ場は、集水タンクを二槽設け、各々に真空ポンプを設置し、この真空ポンプの正転運転のみにより汚水の吸引と排出を行うものである。集水タンクは二槽とも同時に汚水吸引が可能であり、真空ポンプの排気は外部に出すようにしている。汚水の排水は一方の集水タンクのみで行い、真空ポンプに設置してある三方弁の切替えによって真空ポンプは大気を吸い込み、その排気を一方の集水タンク内に入れて正圧にし排水を行う。
【0006】
上記従来の特許文献1乃至3に記載の技術はそれぞれ、圧送ポンプを用いることなく汚水の集排水をできるという特徴を有するが、例えば特許文献1に記載の真空式汚水集排水装置では集水タンク及びルーツ型の真空ポンプが1台であることから、万一故障した場合汚水の集排水ができないという問題がある。
【0007】
また、特許文献2に記載の吸排水装置では、汚水吸引と排水が連動、即ち第1タンク室に対する空気の吸入若しくは排出と第2タンク室に対する空気の吸入若しくは排出を交互に切替え、第1タンク室と第2タンク室への汚水の吸引と排出を交互に連続しているため、一方のタンク室から汚水が排出されてしまった後に、他方のタンク室からの排気が流入し、脱臭処理されない排気が放出される恐れがある。
【0008】
また、特許文献3に開示されている二槽式真空ポンプ場では、4個の高価な電動三方弁を用いるのでコストが高くなるのと、切替え部が多いことから長寿命が得られないという問題もある。また、2基の集水タンクがそれぞれ大気圧状態から真空状態、真空状態から大気圧状態へと運転され、相互に関連させていないので、エネルギーが無駄に使用されるという問題があった。
【0009】
【特許文献1】
特許第2684526号公報
【特許文献2】
特開平9−303299号公報
【特許文献3】
特開平11−148456号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、上記問題点を除去し、コストダウン、エネルギー効率の向上及びシステム安定性の向上を図った真空ポンプ場及びその運転方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため請求項1に記載の発明は、集水タンクと、真空ポンプと、該集水タンクに接続された汚水流入管及び汚水圧送管とを具備し、真空ポンプによって集水タンク内を減圧することで汚水流入管から該集水タンク内に汚水を集水し、該集水タンク内を加圧することで該集水タンク内の汚水を汚水圧送管から排水する構成の汚水集排水ユニットを具備する真空ポンプ場において、汚水集排水ユニットを2組設け、真空ポンプとして正逆回転運転可能なルーツ型真空ポンプを用い、該真空ポンプの一方の吸・吐口を圧力管を介して集水タンクに接続し、他方の吸・吐口を大気仕切弁を介して大気に接続すると共に排気管に接続し、該真空ポンプの正回転運転で集水タンク内を排気して減圧し、逆回転運転で集水タンク内を加圧するように構成したことを特徴とする。
【0012】
上記のように汚水集排水ユニットを2組設け、ルーツ型真空ポンプの正回転運転で集水タンク内を排気して減圧し、逆回転運転で集水タンク内を加圧するように構成したことにより、2台の圧送ポンプを必要とすることなく、汚水の集水(吸引)・排水(圧送)が可能となる。また、万一一方の汚水集排水ユニットの真空ポンプが故障しても、他方の汚水集排水ユニットで汚水の集水・排水は可能となる。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の真空ポンプ場において、2組の汚水集排水ユニットの内、一方の汚水集排水ユニットの集水タンク内を加圧とするとき他方の汚水集排水ユニットの集水タンク内を減圧とする運転を行う制御手段を設けたことを特徴とする。
【0014】
上記のように制御手段で一方の汚水集排水ユニットの集水タンク内を加圧するとき他方の汚水集排水ユニットの集水タンク内を減圧する運転を行うので、2組の汚水集排水ユニットの交互運転となり、両ユニットが均等に運転されるから、長寿命が確保できる。
【0015】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の真空ポンプ場において、2組の汚水集排水ユニットの圧力管を均圧弁を介して接続したことを特徴とする。
【0016】
上記のように2組の汚水集排水ユニットの圧力管を均圧弁を介して接続したことにより、一方の汚水集排水ユニットの集水タンク内を減圧から加圧に切替えると共に、他方の汚水集排水ユニットの集水タンク内を加圧から減圧に切替えるとき、この均圧弁を開くことにより両集水タンクの空気が混合し圧力が均等になるまで、一方の集水タンクを加圧、他方の集水タンクを減圧できるから、エネルギーを無駄なく有効に使うことができる。
【0017】
請求項4に記載の発明は、請求項1又は2又は3に記載の真空ポンプ場において、各汚水集排水ユニットの汚水圧送管には汚水対応の逆止弁が設けられていることを特徴とする。
【0018】
上記のように汚水圧送管に汚水対応の逆止弁(例えば、ボールチェッキ弁やフラップ弁等)を設けているので、異物閉塞の問題がなくなる。
【0019】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の真空ポンプ場において、汚水流入管は汚水対応の逆止弁を介して複数の汚水管から汚水が流れ込むシステムボリューム管に接続されていることを特徴とする。
【0020】
上記のように汚水流入管を逆止弁を介してシステムボリューム管に接続することにより、管路内ボリュームが大きくなり、その分集水タンクを小さくできる。また、このシステムボリューム管が一種のバッファとなって汚水を収容し、真空ポンプの起動頻度を減らすことができるため、システムの安定性がより向上する。
【0021】
請求項6に記載の発明は、集水タンクと、正逆回転可能なルーツ型の真空ポンプと、該集水タンクに接続された汚水流入管及び汚水圧送管とを具備し、真空ポンプの一方の吸・吐口を圧力管を介して集水タンクに接続し、他方の吸・吐口を大気仕切弁を介して大気に接続すると共に排気管に接続し、真空ポンプの正回転運転で集水タンク内を排気して減圧することで汚水流入管から該集水タンク内に汚水を集水し、逆回転運転で集水タンク内を加圧することで該集水タンク内の汚水を汚水圧送管から排水するように構成した汚水集排水ユニットを2組具備し、2組の汚水集排水ユニットの一方の集水タンクを加圧するとき、他方の集水タンクを減圧するように交互運転し、一方の集水タンクを減圧から加圧へ、他方の集水タンクを加圧から減圧へ切替えるとき、均圧弁を開いて両集水タンクの圧力差を減少させることを特徴とする真空ポンプ場の運転方法にある。
【0022】
真空ポンプ場を上記の運転方法で運転することにより、一方の汚水集排水ユニットの集水タンク内を減圧から加圧へ、他方の汚水集排水ユニットの集水タンクを加圧から減圧へ切替えるとき、この均圧弁を開くことにより両集水タンクの空気が混合し圧力が均等になるまで、一方の集水タンクを加圧、他方の集水タンクを減圧できるから、エネルギーを無駄なく有効に使うことができる。
【0023】
請求項7に記載の発明は、集水タンクと、真空ポンプと、該集水タンクに接続された汚水流入管及び汚水圧送管とを具備し、真空ポンプによって集水タンク内を減圧することで、汚水流入管から該集水タンク内に汚水を集水し、該集水タンク内を加圧することで該集水タンク内の汚水を汚水圧送管から排水する構成の汚水集排水ユニットを具備する真空ポンプ場において、汚水集排水ユニットを2組設け、集水タンクは地中に埋設されたマンホール内に設置され、真空ポンプとして正逆回転運転可能なルーツ型真空ポンプを用い、該真空ポンプの一方の吸・吐口を圧力管を介して集水タンクに接続し、他方の吸・吐口を大気仕切弁を介して大気に接続すると共に排気管に接続し、該真空ポンプの正回転運転で集水タンク内を排気して減圧し、逆回転運転で前記集水タンク内に加圧するように構成したことを特徴とする。
【0024】
上記のように、集水タンクは地中に埋設されたマンホール内に設置されているので、集水タンクを設置するための用地買収が不要となり、真空ポンプ場の施工の低価格化と早期完了化が可能となる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態例を図面に基づいて説明する。図1は本発明に係る真空ポンプ場の概略構成例を示す図である。図示するように、本真空ポンプ場は、2組の汚水集排水ユニットA、Bを具備する。各汚水集排水ユニットは集水タンク3と、ルーツ型の真空ポンプ7を具備する。集水タンク3には、逆止弁2を介して汚水流入管1が接続され、更に逆止弁4を介して汚水圧送管5が接続されている。また集水タンク3と真空ポンプ7の一方の吸・吐出口が圧力管6で接続され、真空ポンプ7の他方の吸・吐出口には逆止弁8を介して排気管9が接続されると共に、大気仕切弁10が接続されている。集水タンク3には水位センサ11が設けられ、圧力管6には圧力センサ15が接続されている。
【0026】
汚水集排水ユニットAの汚水圧送管5と汚水集排水ユニットBの汚水圧送管5は、汚水を所定の場所(例えば、汚水処理場)に送る汚水圧送管12に接続されている。また、汚水集排水ユニットAの圧力管6と汚水集排水ユニットBの圧力管6は互いに均圧弁13を介して接続されている。また、汚水集排水ユニットAの排気管9と汚水集排水ユニットBの排気管9は脱臭装置14に接続されている。汚水集排水ユニットAの汚水流入管1と汚水集排水ユニットBの汚水流入管1はシステムボリューム管16に接続され、該システムボリューム管16には複数本の汚水流入管17が接続されている。
【0027】
汚水集排水ユニットAの集水タンク3内に汚水を吸引し、汚水集排水ユニットBの集水タンク3内の汚水を排出する場合は、図2に示すように、汚水集排水ユニットAの大気仕切弁10を閉じ、ルーツ型の真空ポンプ7を正転運転し、汚水集排水ユニットBの大気仕切弁10を開き、ルーツ型の真空ポンプ7を逆転運転し、更に均圧弁13を閉じる。これにより、汚水集排水ユニットAの集水タンク3内の気体は、矢印Cに示すように、圧力管6を通して真空ポンプ7に吸引され、該気体は矢印Dに示すように、排気管9を通して脱臭装置14に送られ、脱臭処理された後大気中に放出される。その結果、集水タンク3内は減圧され、汚水流入管1を通して汚水が集水タンク3内に流入する。
【0028】
一方、汚水集排水ユニットBにおいては、真空ポンプ7は大気仕切弁10を通して大気を吸引し、矢印Eに示すように、圧力管6を通して集水タンク3内に送気する。これにより、逆止弁2が汚水流入管1をシールし、集水タンク3内が加圧されるため、集水タンク3内の汚水は、矢印Fに示すように、逆止弁4、汚水圧送管5及び汚水圧送管12を通って所定の場所に送られる。このとき汚水流入管1及び汚水圧送管5に設けられている逆止弁2及び逆止弁4には、例えばボールチェッキ弁やフラップ弁等の汚水対応の逆止弁を用いているので異物閉塞の問題はない。汚水集排水ユニットBの集水タンク3内に汚水を吸引し、汚水集排水ユニットAの集水タンク3内の汚水を排出する場合は、上記とは逆、即ち汚水集排水ユニットBの大気仕切弁10を閉じ、ルーツ型の真空ポンプ7を正転運転し、汚水集排水ユニットAの大気仕切弁10を開き、ルーツ型の真空ポンプ7を逆転運転する。
【0029】
図3は真空ポンプ場の汚水集排水ユニットA及びBの運転モードを示す図である。図示するように、汚水集排水ユニットAが汚水収集モード101のとき、汚水集排水ユニットBは汚水圧送モード103と待機モード104となり、汚水集排水ユニットAが切替モード102のとき、汚水集排水ユニットBは切替モード105となる。また、汚水集排水ユニットAが汚水圧送モード103と待機モード104のとき、汚水集排水ユニットBは汚水収集モード101となり、汚水集排水ユニットAが切替モード105のとき、汚水集排水ユニットBは切替モード102となる。
【0030】
図4は図3の運転モードを図表化したもので、本真空ポンプ場の各汚水集排水ユニットA、Bは、図示するように汚水収集モード101、切替モード102、汚水圧送モード103、待機モード104及び切替モード105を1サイクルとして運転が行われる。
【0031】
ここで、汚水収集モード101は集水タンク3内に汚水を収集(吸引)するモード、切替モード102は汚水収集モード101から汚水圧送モード103へ切替えるモード、汚水圧送モード103は集水タンク3内の汚水を圧送するモード、待機モード104はルーツ型の真空ポンプ7の運転が停止しているモード、切替モード105は汚水圧送モード103又は待機モード104から汚水収集モード101に切替えるモードである。
【0032】
図3において、汚水集排水ユニットAが汚水収集モード101のときは、ルーツ型の真空ポンプ7を正転運転、大気仕切弁10を閉とする。そして汚水集排水ユニットAと汚水集排水ユニットBの間の均圧弁13を閉とする。これにより集水タンク3内は減圧(−)され、汚水流入管1を通して汚水を集水タンク3内に収集(吸引)する。このとき汚水集排水ユニットBでは汚水圧送モード103で真空ポンプ7を逆転運転、大気仕切弁10を開とする。これにより、汚水集排水ユニットBの集水タンク3内は加圧(+)され、該集水タンク3内の汚水は汚水圧送管5及び12を通して圧送される。そして待機モード104では真空ポンプ7を停止すると共に、大気仕切弁10を閉とする。
【0033】
続いて汚水集排水ユニットAが切替モード102、汚水集排水ユニットBが切替モード105となると、汚水集排水ユニットAでは真空ポンプ7を停止、大気仕切弁10を開、汚水集排水ユニットBでは真空ポンプ7を停止のまま、大気仕切弁10を閉のままとする。そして汚水集排水ユニットAと汚水集排水ユニットBの間の均圧弁13を開とする。これにより、減圧(−)下にある汚水集排水ユニットAの集水タンク3の空気と加圧(+)下にある汚水集排水ユニットBの集水タンク3内の空気が混合し、両集水タンク3内の圧力が等しくなるまで汚水集排水ユニットAの集水タンク3内が加圧(+方向に加圧)され、汚水集排水ユニットBの集水タンク3内が減圧(−方向に減圧)される。
【0034】
続いて汚水集排水ユニットAが汚水圧送モード103では真空ポンプ7を逆転運転、大気仕切弁10を開いたままとする。このとき汚水集排水ユニットAと汚水集排水ユニットBの間の均圧弁13を閉とする。これにより、集水タンク3内は加圧(+)され、該集水タンク3内の汚水は汚水圧送管5及び12を通して圧送される。そして待機モード104に切替え、真空ポンプ7を停止し、大気仕切弁10を閉とする。このとき汚水集排水ユニットBでは汚水収集モード101で真空ポンプ7を正転運転、大気仕切弁10を閉じたままとする。これにより、集水タンク3内は減圧(−)され、汚水流入管1を通して汚水を集水タンク3内に収集(吸引)する。また、このとき汚水集排水ユニットAと汚水集排水ユニットBの間の均圧弁13を閉のままとする。
【0035】
続いて汚水集排水ユニットAが切替モード105、汚水集排水ユニットBが切替モード102となると、汚水集排水ユニットAでは真空ポンプ7を停止したまま、大気仕切弁10を閉じたままとし、汚水集排水ユニットBでは真空ポンプ7を停止、大気仕切弁10を開とする。このとき汚水集排水ユニットAと汚水集排水ユニットBの間の均圧弁13を開とする。これにより、加圧(+)下にある汚水集排水ユニットAの集水タンク3の空気と減圧(−)下にある汚水集排水ユニットBの集水タンク3内の空気が混合し、両集水タンク3内の圧力が等しくなるまで汚水集排水ユニットAの集水タンク3内が減圧(−方向に減圧)され、汚水集排水ユニットBの集水タンク3内の圧力が加圧(+方向に加圧)される。
【0036】
上記のように切替モード102と切替モード105で汚水集排水ユニットAと汚水集排水ユニットBの間の均圧弁13を開とし、汚水集排水ユニットAの集水タンク3の空気と汚水集排水ユニットBの集水タンク3の空気を混合させて両タンク内の圧力が等しくなるように加圧又は減圧させるので、真空ポンプ7の加圧又は減圧のために使用したエネルギーを無駄なく使用できる。
【0037】
真空下水システムにおける真空ポンプは、高頻度の起動・停止によって電動機への負担を減らすために、起動インターバルが15分以上となるように技術マニュアルで決められている。真空ポンプ7の起動頻度を減らすには、集水タンク3を含め管路内ボリュームを大きくすることが有効であり、必要に応じて図1に示すようにシステムボリューム管16を設けることができる。これにより、管路内ボリュームを大きくすることができるため、その分集水タンク3の容量を小さくできる。その結果、例えば、地面に埋設するマンホール内に集水タンクを設置するような場合、マンホール自体が小さくなるため、材料費、工事費等のコストダウンに貢献する。
【0038】
万一、2組の汚水集排水ユニットA、Bの一方の汚水集排水ユニット(A又はB)の真空ポンプ7が故障しても、もう一方の汚水集排水ユニット(B又はA)で汚水の収集と圧送が可能である。この場合、汚水を圧送する時間帯には汚水収集をできなくなるが、図1に示すようにシステムボリューム管16を設ければ、このシステムボリューム管16が一種のバッファとなって汚水を収容することができ、システムの安全性を高めることができる。
【0039】
図5及び図6は本発明に係る真空ポンプ場の具体的構成例を示す図で、図5は平面図、図6は側面図である。図において、20は地面に埋設したマンホールであり、マンホール20は上記汚水集排水ユニットA、Bに対応して2個設けられている。21は地面上に配置された制御盤であり、該制御盤21の下部には汚水集排水ユニットA、Bに対応して2台のルーツ型の真空ポンプ7、7が配置されている。また、それぞれのマンホール20内には集水タンク3が配置されている。各集水タンク3には逆止弁(真空逆止弁)2を介して汚水流入管1、逆止弁(真空逆止弁)4を介して汚水圧送管5が接続されている。
【0040】
また、真空ポンプ7、7の一方の吸・吐出口に大気仕切弁10、10が接続されると共に逆止弁8、8が接続され、該逆止弁8、8には排気管9、9が接続され、更に排気管9、9は脱臭装置14に接続されている。2つの集水タンク3、3にはそれぞれ圧力管6、6が接続され、該圧力管6、6は真空ポンプ7、7の他方の吸・吐出口に接続されている。また、真空ポンプ7、7の他方の吸・吐出口近傍の圧力管6と圧力管6の間には均圧弁13が接続されている。
【0041】
各集水タンク3、3に接続された汚水流入管1、1はシステムボリューム管16に接続され、システムボリューム管16には複数の汚水流入管17が接続されている。このようにシステムボリューム管16を設け各集水タンク3、3に接続された汚水流入管1、1をシステムボリューム管16に接続することにより、上記のように管路内ボリュームを大きくすることができるため、その分集水タンク3、3の容量を小さくでき、該集水タンク3、3を収容するマンホール20、20も小さくなり、材料費、工事費等のコストダウンに貢献する。
【0042】
本発明の実施形態例では、真空ポンプ場に上記構成を採用することにより、以下の事由から設備のコストダウンが可能となる。
(1)集水タンクユニット(集水タンク3、水位センサ11、逆止弁2、逆止弁4等)は2基となるが、小規模のこの種の真空ポンプ場では、集水タンク3、3の容量が小さくなるためそれほど高価にはならない。
【0043】
(2)真空ポンプ7にルーツ型の真空ポンプ7、7を用い、真空ポンプ7、7で汚水の圧送もできるため、2台の圧送ポンプは不要となる。
【0044】
(3)集水タンクユニットは市販の地下埋設用マンホール内に設置することができるため、用地買収が不要となり、施工の低価格化と早期完了化が可能である(建屋の建設が不要となることが大きい)。図5及び図6に示すように、地上には制御盤21のみが設置され、その内部には真空ポンプユニットを設置し、メンテナンスが容易となるようにしている。また、真空ポンプ7が屋外設置可能なものであれば、マンホール内の集水タンクユニット上部に真空ポンプ7を設置することもでき、これにより制御盤21をよりコンパクトにすることができる。
【0045】
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお、直接明細書及び図面に記載がない何れの形状や構造や材質であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように各請求項に記載の発明によれば下記のような優れた効果が得られる。
【0047】
請求項1に記載の発明によれば、汚水集排水ユニットを2組設け、ルーツ型真空ポンプの正回転運転で集水タンク内を排気して減圧し、逆回転運転で集水タンク内を加圧するように構成したことにより、2台の圧送ポンプを必要とすることなく、汚水の集水(吸引)・排水(圧送)が可能となる真空ポンプ場を提供できる。また、万一一方の汚水集排水ユニットの真空ポンプが故障しても、他方の汚水集排水ユニットで汚水の集水・排水は可能となる。
【0048】
請求項2に記載の発明によれば、制御手段で一方の汚水集排水ユニットの集水タンク内を加圧するとき他方の汚水集排水ユニットの集水タンク内を減圧する運転を行うので、2組の汚水集排水ユニットの交互運転となり、両ユニットが均等に運転されるから、長寿命の真空ポンプ場を提供できる。
【0049】
請求項3に記載の発明によれば、2組の汚水集排水ユニットの圧力配管を均圧弁を介して接続したことにより、一方の汚水集排水ユニットの集水タンク内を減圧から加圧に切替えると共に、他方の汚水集排水ユニットの集水タンク内を加圧から減圧に切替えるとき、この均圧弁を開くことにより両集水タンクの空気が混合し圧力が均等になるまで、一方の集水タンクを加圧、他方の集水タンクを減圧できるから、エネルギーを無駄なく有効に使用する真空ポンプ場を提供できる。
【0050】
請求項4に記載の発明によれば、汚水圧送管に汚水対応の逆止弁(例えば、ボールチェッキ弁やフラップ弁等)を設けているので、異物閉塞の問題がなくなる。
【0051】
請求項5に記載の発明によれば、汚水流入管を汚水対応の逆止弁を介してシステムボリューム管に接続することにより、管路内ボリュームが大きくなり、その分集水タンクを小さくできる。また、このシステムボリューム管が一種のバッファとなって汚水を収容し、真空ポンプの起動頻度を減らすことができるため、システムの安定性がより向上する真空ポンプ場を提供できる。
【0052】
請求項6に記載の発明によれば、一方の汚水集排水ユニットの集水タンク内を減圧から加圧へ、他方の汚水集排水ユニットの集水タンクを加圧から減圧へ切替えるとき、この均圧弁を開くことにより両集水タンクの空気が混合し圧力が均等になるまで、一方の集水タンクを加圧、他方の集水タンクを減圧できるから、エネルギーを無駄なく有効に使うことができる真空ポンプ場の運転方法を提供できる。
【0053】
請求項7に記載の発明によれば、集水タンクは地中に埋設されたマンホール内に設置されているので、集水タンク設置するための用地買収が不要となり、真空ポンプ場の施工の低価格化と早期完了化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明に係る真空ポンプ場の概略構成を示す図である。
【図2】
本発明に係る真空ポンプ場の動作を説明する概略構成図である。
【図3】
本発明に係る真空ポンプ場の汚水集排水ユニットの運転モードを示す図である。
【図4】
図3の運転モードを図表化した図である。
【図5】
本発明に係る真空ポンプ場の具体的構成例を示す平面図である。
【図6】
本発明に係る真空ポンプ場の具体的構成例を示す側面図である。
【符号の説明】
A 汚水集排水ユニット
B 汚水集排水ユニット
1 汚水流入管
2 逆止弁
3 集水タンク
4 逆止弁
5 汚水圧送管
6 圧力管
7 真空ポンプ
8 逆止弁
9 排気管
10 大気仕切弁
11 水位センサ
12 汚水圧送管
13 均圧弁
14 脱臭装置
15 圧力センサ
16 システムボリューム管
17 汚水流入管
20 マンホール
21 制御盤
【発明の名称】 真空ポンプ場及びその運転方法
【特許請求の範囲】
【請求項1】 集水タンクと、真空ポンプと、該集水タンクに接続された汚水流入管及び汚水圧送管とを具備し、前記真空ポンプによって前記集水タンク内を減圧することで汚水流入管から該集水タンク内に汚水を集水し、該集水タンク内を加圧することで該集水タンク内の汚水を前記汚水圧送管から排水する構成の汚水集排水ユニットを具備する真空ポンプ場において、
前記汚水集排水ユニットを2組設け、
前記真空ポンプとして正逆回転運転可能なルーツ型真空ポンプを用い、該真空ポンプの一方の吸・吐口を圧力管を介して前記集水タンクに接続し、他方の吸・吐口を大気仕切弁を介して大気に接続すると共に排気管に接続し、該真空ポンプの正回転運転で前記集水タンク内を排気して減圧し、逆回転運転で前記集水タンク内を加圧するように構成したことを特徴とする真空ポンプ場。
【請求項2】 請求項1に記載の真空ポンプ場において、
前記2組の汚水集排水ユニットの内、一方の汚水集排水ユニットの集水タンク内を加圧とするとき他方の汚水集排水ユニットの集水タンク内を減圧とする運転を行う制御手段を設けたことを特徴とする真空ポンプ場。
【請求項3】 請求項1又は2に記載の真空ポンプ場において、
前記2組の汚水集排水ユニットの前記圧力管を均圧弁を介して接続したことを特徴とする真空ポンプ場。
【請求項4】 請求項1又は2又は3に記載の真空ポンプ場において、
前記各汚水集排水ユニットの汚水圧送管には汚水対応の逆止弁が設けられていることを特徴とする真空ポンプ場。
【請求項5】 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の真空ポンプ場において、
前記汚水流入管は汚水対応の逆止弁を介して複数の汚水管から汚水が流れ込むシステムボリューム管に接続されていることを特徴とする真空ポンプ場。
【請求項6】 集水タンクと、正逆回転可能なルーツ型の真空ポンプと、該集水タンクに接続された汚水流入管及び汚水圧送管とを具備し、前記真空ポンプの一方の吸・吐口を圧力管を介して前記集水タンクに接続し、他方の吸・吐口を大気仕切弁を介して大気に接続すると共に排気管に接続し、該真空ポンプの正回転運転で前記集水タンク内を排気して減圧することで前記汚水流入管から該集水タンク内に汚水を集水し、逆回転運転で前記集水タンク内を加圧することで該集水タンク内の汚水を前記汚水圧送管から排水するように構成した汚水集排水ユニットを2組具備し、
前記2組の汚水集排水ユニットの一方の集水タンクを加圧するとき、他方の集水タンクを減圧するように交互運転し、一方の集水タンクを減圧から加圧へ、他方の集水タンクを加圧から減圧へ切替えるとき、前記均圧弁を開いて両集水タンクの圧力差を減少させることを特徴とする真空ポンプ場の運転方法。
【請求項7】 集水タンクと、真空ポンプと、該集水タンクに接続された汚水流入管、及び汚水圧送管とを具備し、
前記真空ポンプによって前記集水タンク内を減圧することで汚水流入管から該集水タンク内に汚水を集水し、該集水タンク内を加圧することで該集水タンク内の汚水を前記汚水圧送管から排水する構成の汚水集排水ユニットを具備する真空ポンプ場において、
前記集水タンクは地中に埋設されたマンホール内に設置され、前記真空ポンプとして正逆回転運転可能なルーツ型真空ポンプを用い、該真空ポンプの一方の吸・吐口を圧力管を介して前記集水タンクに接続し、他方の吸・吐口を大気仕切弁を介して大気に接続すると共に排気管に接続し、該真空ポンプの正回転運転で前記集水タンク内を排気して減圧し、逆回転運転で前記集水タンク内に加圧するように構成したことを特徴とする真空ポンプ場。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、真空汚水管からの汚水を一旦集水した後に汚水処理場などへ送水する真空ポンプ場に関し、汚水を集水する集水タンクを2台具備する二槽式の真空ポンプ場及びその運転方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来この種の真空ポンプ場は、一般的に独立したRC建物(地上1階、地下1階)の地下1階部分に集水タンク、圧送ポンプ2台、真空ポンプ3台等の機器が設置され、地上1階部分に制御盤、給水タンク、脱臭塔が設置されて構成されている。少人数(人口1000人未満)の汚水収集を行う真空ポンプ場の場合は、圧送ポンプの異物による閉塞の問題や、設備価格が高価になるなどの問題が考えられる。そのため、小規模の真空ポンプ場では、圧送ポンプを使わず、汚水を圧送する技術が求められていた。また、小規模の真空ポンプ場では用地買収等の問題から建物を設置するスペースが地上にない場合が多く、地下に埋設するタイプのものが求められていた。
【0003】
例えば特許文献1に開示されている真空式汚水集排水装置は、ルーツ式多段真空ポンプを1台使用し、正転と逆転の自動運転をさせて、タンク内の汚水の吸入と、該タンク内の汚水の排出を交互に行うように構成したものである。
【0004】
また、特許文献2に開示されている吸排水装置は、1台のルーツ式多段真空ポンプを正転のみの自動運転で、汚水の吸引と排出を行うもので、ルーツ式多段真空ポンプの運転により第1タンク室を負圧にして汚水を吸引し、その排気を第2タンク室に入れて同時に排水を行い、第1タンク室と第2タンク室は汚水の吸引と排水を交互に行う。
【0005】
また、特許文献3に開示されている二槽式真空ポンプ場は、集水タンクを二槽設け、各々に真空ポンプを設置し、この真空ポンプの正転運転のみにより汚水の吸引と排出を行うものである。集水タンクは二槽とも同時に汚水吸引が可能であり、真空ポンプの排気は外部に出すようにしている。汚水の排水は一方の集水タンクのみで行い、真空ポンプに設置してある三方弁の切替えによって真空ポンプは大気を吸い込み、その排気を一方の集水タンク内に入れて正圧にし排水を行う。
【0006】
上記従来の特許文献1乃至3に記載の技術はそれぞれ、圧送ポンプを用いることなく汚水の集排水をできるという特徴を有するが、例えば特許文献1に記載の真空式汚水集排水装置では集水タンク及びルーツ型の真空ポンプが1台であることから、万一故障した場合汚水の集排水ができないという問題がある。
【0007】
また、特許文献2に記載の吸排水装置では、汚水吸引と排水が連動、即ち第1タンク室に対する空気の吸入若しくは排出と第2タンク室に対する空気の吸入若しくは排出を交互に切替え、第1タンク室と第2タンク室への汚水の吸引と排出を交互に連続しているため、一方のタンク室から汚水が排出されてしまった後に、他方のタンク室からの排気が流入し、脱臭処理されない排気が放出される恐れがある。
【0008】
また、特許文献3に開示されている二槽式真空ポンプ場では、4個の高価な電動三方弁を用いるのでコストが高くなるのと、切替え部が多いことから長寿命が得られないという問題もある。また、2基の集水タンクがそれぞれ大気圧状態から真空状態、真空状態から大気圧状態へと運転され、相互に関連させていないので、エネルギーが無駄に使用されるという問題があった。
【0009】
【特許文献1】
特許第2684526号公報
【特許文献2】
特開平9−303299号公報
【特許文献3】
特開平11−148456号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、上記問題点を除去し、コストダウン、エネルギー効率の向上及びシステム安定性の向上を図った真空ポンプ場及びその運転方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため請求項1に記載の発明は、集水タンクと、真空ポンプと、該集水タンクに接続された汚水流入管及び汚水圧送管とを具備し、真空ポンプによって集水タンク内を減圧することで汚水流入管から該集水タンク内に汚水を集水し、該集水タンク内を加圧することで該集水タンク内の汚水を汚水圧送管から排水する構成の汚水集排水ユニットを具備する真空ポンプ場において、汚水集排水ユニットを2組設け、真空ポンプとして正逆回転運転可能なルーツ型真空ポンプを用い、該真空ポンプの一方の吸・吐口を圧力管を介して集水タンクに接続し、他方の吸・吐口を大気仕切弁を介して大気に接続すると共に排気管に接続し、該真空ポンプの正回転運転で集水タンク内を排気して減圧し、逆回転運転で集水タンク内を加圧するように構成したことを特徴とする。
【0012】
上記のように汚水集排水ユニットを2組設け、ルーツ型真空ポンプの正回転運転で集水タンク内を排気して減圧し、逆回転運転で集水タンク内を加圧するように構成したことにより、2台の圧送ポンプを必要とすることなく、汚水の集水(吸引)・排水(圧送)が可能となる。また、万一一方の汚水集排水ユニットの真空ポンプが故障しても、他方の汚水集排水ユニットで汚水の集水・排水は可能となる。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の真空ポンプ場において、2組の汚水集排水ユニットの内、一方の汚水集排水ユニットの集水タンク内を加圧とするとき他方の汚水集排水ユニットの集水タンク内を減圧とする運転を行う制御手段を設けたことを特徴とする。
【0014】
上記のように制御手段で一方の汚水集排水ユニットの集水タンク内を加圧するとき他方の汚水集排水ユニットの集水タンク内を減圧する運転を行うので、2組の汚水集排水ユニットの交互運転となり、両ユニットが均等に運転されるから、長寿命が確保できる。
【0015】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の真空ポンプ場において、2組の汚水集排水ユニットの圧力管を均圧弁を介して接続したことを特徴とする。
【0016】
上記のように2組の汚水集排水ユニットの圧力管を均圧弁を介して接続したことにより、一方の汚水集排水ユニットの集水タンク内を減圧から加圧に切替えると共に、他方の汚水集排水ユニットの集水タンク内を加圧から減圧に切替えるとき、この均圧弁を開くことにより両集水タンクの空気が混合し圧力が均等になるまで、一方の集水タンクを加圧、他方の集水タンクを減圧できるから、エネルギーを無駄なく有効に使うことができる。
【0017】
請求項4に記載の発明は、請求項1又は2又は3に記載の真空ポンプ場において、各汚水集排水ユニットの汚水圧送管には汚水対応の逆止弁が設けられていることを特徴とする。
【0018】
上記のように汚水圧送管に汚水対応の逆止弁(例えば、ボールチェッキ弁やフラップ弁等)を設けているので、異物閉塞の問題がなくなる。
【0019】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の真空ポンプ場において、汚水流入管は汚水対応の逆止弁を介して複数の汚水管から汚水が流れ込むシステムボリューム管に接続されていることを特徴とする。
【0020】
上記のように汚水流入管を逆止弁を介してシステムボリューム管に接続することにより、管路内ボリュームが大きくなり、その分集水タンクを小さくできる。また、このシステムボリューム管が一種のバッファとなって汚水を収容し、真空ポンプの起動頻度を減らすことができるため、システムの安定性がより向上する。
【0021】
請求項6に記載の発明は、集水タンクと、正逆回転可能なルーツ型の真空ポンプと、該集水タンクに接続された汚水流入管及び汚水圧送管とを具備し、真空ポンプの一方の吸・吐口を圧力管を介して集水タンクに接続し、他方の吸・吐口を大気仕切弁を介して大気に接続すると共に排気管に接続し、真空ポンプの正回転運転で集水タンク内を排気して減圧することで汚水流入管から該集水タンク内に汚水を集水し、逆回転運転で集水タンク内を加圧することで該集水タンク内の汚水を汚水圧送管から排水するように構成した汚水集排水ユニットを2組具備し、2組の汚水集排水ユニットの一方の集水タンクを加圧するとき、他方の集水タンクを減圧するように交互運転し、一方の集水タンクを減圧から加圧へ、他方の集水タンクを加圧から減圧へ切替えるとき、均圧弁を開いて両集水タンクの圧力差を減少させることを特徴とする真空ポンプ場の運転方法にある。
【0022】
真空ポンプ場を上記の運転方法で運転することにより、一方の汚水集排水ユニットの集水タンク内を減圧から加圧へ、他方の汚水集排水ユニットの集水タンクを加圧から減圧へ切替えるとき、この均圧弁を開くことにより両集水タンクの空気が混合し圧力が均等になるまで、一方の集水タンクを加圧、他方の集水タンクを減圧できるから、エネルギーを無駄なく有効に使うことができる。
【0023】
請求項7に記載の発明は、集水タンクと、真空ポンプと、該集水タンクに接続された汚水流入管及び汚水圧送管とを具備し、真空ポンプによって集水タンク内を減圧することで、汚水流入管から該集水タンク内に汚水を集水し、該集水タンク内を加圧することで該集水タンク内の汚水を汚水圧送管から排水する構成の汚水集排水ユニットを具備する真空ポンプ場において、汚水集排水ユニットを2組設け、集水タンクは地中に埋設されたマンホール内に設置され、真空ポンプとして正逆回転運転可能なルーツ型真空ポンプを用い、該真空ポンプの一方の吸・吐口を圧力管を介して集水タンクに接続し、他方の吸・吐口を大気仕切弁を介して大気に接続すると共に排気管に接続し、該真空ポンプの正回転運転で集水タンク内を排気して減圧し、逆回転運転で前記集水タンク内に加圧するように構成したことを特徴とする。
【0024】
上記のように、集水タンクは地中に埋設されたマンホール内に設置されているので、集水タンクを設置するための用地買収が不要となり、真空ポンプ場の施工の低価格化と早期完了化が可能となる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態例を図面に基づいて説明する。図1は本発明に係る真空ポンプ場の概略構成例を示す図である。図示するように、本真空ポンプ場は、2組の汚水集排水ユニットA、Bを具備する。各汚水集排水ユニットは集水タンク3と、ルーツ型の真空ポンプ7を具備する。集水タンク3には、逆止弁2を介して汚水流入管1が接続され、更に逆止弁4を介して汚水圧送管5が接続されている。また集水タンク3と真空ポンプ7の一方の吸・吐出口が圧力管6で接続され、真空ポンプ7の他方の吸・吐出口には逆止弁8を介して排気管9が接続されると共に、大気仕切弁10が接続されている。集水タンク3には水位センサ11が設けられ、圧力管6には圧力センサ15が接続されている。
【0026】
汚水集排水ユニットAの汚水圧送管5と汚水集排水ユニットBの汚水圧送管5は、汚水を所定の場所(例えば、汚水処理場)に送る汚水圧送管12に接続されている。また、汚水集排水ユニットAの圧力管6と汚水集排水ユニットBの圧力管6は互いに均圧弁13を介して接続されている。また、汚水集排水ユニットAの排気管9と汚水集排水ユニットBの排気管9は脱臭装置14に接続されている。汚水集排水ユニットAの汚水流入管1と汚水集排水ユニットBの汚水流入管1はシステムボリューム管16に接続され、該システムボリューム管16には複数本の汚水流入管17が接続されている。
【0027】
汚水集排水ユニットAの集水タンク3内に汚水を吸引し、汚水集排水ユニットBの集水タンク3内の汚水を排出する場合は、図2に示すように、汚水集排水ユニットAの大気仕切弁10を閉じ、ルーツ型の真空ポンプ7を正転運転し、汚水集排水ユニットBの大気仕切弁10を開き、ルーツ型の真空ポンプ7を逆転運転し、更に均圧弁13を閉じる。これにより、汚水集排水ユニットAの集水タンク3内の気体は、矢印Cに示すように、圧力管6を通して真空ポンプ7に吸引され、該気体は矢印Dに示すように、排気管9を通して脱臭装置14に送られ、脱臭処理された後大気中に放出される。その結果、集水タンク3内は減圧され、汚水流入管1を通して汚水が集水タンク3内に流入する。
【0028】
一方、汚水集排水ユニットBにおいては、真空ポンプ7は大気仕切弁10を通して大気を吸引し、矢印Eに示すように、圧力管6を通して集水タンク3内に送気する。これにより、逆止弁2が汚水流入管1をシールし、集水タンク3内が加圧されるため、集水タンク3内の汚水は、矢印Fに示すように、逆止弁4、汚水圧送管5及び汚水圧送管12を通って所定の場所に送られる。このとき汚水流入管1及び汚水圧送管5に設けられている逆止弁2及び逆止弁4には、例えばボールチェッキ弁やフラップ弁等の汚水対応の逆止弁を用いているので異物閉塞の問題はない。汚水集排水ユニットBの集水タンク3内に汚水を吸引し、汚水集排水ユニットAの集水タンク3内の汚水を排出する場合は、上記とは逆、即ち汚水集排水ユニットBの大気仕切弁10を閉じ、ルーツ型の真空ポンプ7を正転運転し、汚水集排水ユニットAの大気仕切弁10を開き、ルーツ型の真空ポンプ7を逆転運転する。
【0029】
図3は真空ポンプ場の汚水集排水ユニットA及びBの運転モードを示す図である。図示するように、汚水集排水ユニットAが汚水収集モード101のとき、汚水集排水ユニットBは汚水圧送モード103と待機モード104となり、汚水集排水ユニットAが切替モード102のとき、汚水集排水ユニットBは切替モード105となる。また、汚水集排水ユニットAが汚水圧送モード103と待機モード104のとき、汚水集排水ユニットBは汚水収集モード101となり、汚水集排水ユニットAが切替モード105のとき、汚水集排水ユニットBは切替モード102となる。
【0030】
図4は図3の運転モードを図表化したもので、本真空ポンプ場の各汚水集排水ユニットA、Bは、図示するように汚水収集モード101、切替モード102、汚水圧送モード103、待機モード104及び切替モード105を1サイクルとして運転が行われる。
【0031】
ここで、汚水収集モード101は集水タンク3内に汚水を収集(吸引)するモード、切替モード102は汚水収集モード101から汚水圧送モード103へ切替えるモード、汚水圧送モード103は集水タンク3内の汚水を圧送するモード、待機モード104はルーツ型の真空ポンプ7の運転が停止しているモード、切替モード105は汚水圧送モード103又は待機モード104から汚水収集モード101に切替えるモードである。
【0032】
図3において、汚水集排水ユニットAが汚水収集モード101のときは、ルーツ型の真空ポンプ7を正転運転、大気仕切弁10を閉とする。そして汚水集排水ユニットAと汚水集排水ユニットBの間の均圧弁13を閉とする。これにより集水タンク3内は減圧(−)され、汚水流入管1を通して汚水を集水タンク3内に収集(吸引)する。このとき汚水集排水ユニットBでは汚水圧送モード103で真空ポンプ7を逆転運転、大気仕切弁10を開とする。これにより、汚水集排水ユニットBの集水タンク3内は加圧(+)され、該集水タンク3内の汚水は汚水圧送管5及び12を通して圧送される。そして待機モード104では真空ポンプ7を停止すると共に、大気仕切弁10を閉とする。
【0033】
続いて汚水集排水ユニットAが切替モード102、汚水集排水ユニットBが切替モード105となると、汚水集排水ユニットAでは真空ポンプ7を停止、大気仕切弁10を開、汚水集排水ユニットBでは真空ポンプ7を停止のまま、大気仕切弁10を閉のままとする。そして汚水集排水ユニットAと汚水集排水ユニットBの間の均圧弁13を開とする。これにより、減圧(−)下にある汚水集排水ユニットAの集水タンク3の空気と加圧(+)下にある汚水集排水ユニットBの集水タンク3内の空気が混合し、両集水タンク3内の圧力が等しくなるまで汚水集排水ユニットAの集水タンク3内が加圧(+方向に加圧)され、汚水集排水ユニットBの集水タンク3内が減圧(−方向に減圧)される。
【0034】
続いて汚水集排水ユニットAが汚水圧送モード103では真空ポンプ7を逆転運転、大気仕切弁10を開いたままとする。このとき汚水集排水ユニットAと汚水集排水ユニットBの間の均圧弁13を閉とする。これにより、集水タンク3内は加圧(+)され、該集水タンク3内の汚水は汚水圧送管5及び12を通して圧送される。そして待機モード104に切替え、真空ポンプ7を停止し、大気仕切弁10を閉とする。このとき汚水集排水ユニットBでは汚水収集モード101で真空ポンプ7を正転運転、大気仕切弁10を閉じたままとする。これにより、集水タンク3内は減圧(−)され、汚水流入管1を通して汚水を集水タンク3内に収集(吸引)する。また、このとき汚水集排水ユニットAと汚水集排水ユニットBの間の均圧弁13を閉のままとする。
【0035】
続いて汚水集排水ユニットAが切替モード105、汚水集排水ユニットBが切替モード102となると、汚水集排水ユニットAでは真空ポンプ7を停止したまま、大気仕切弁10を閉じたままとし、汚水集排水ユニットBでは真空ポンプ7を停止、大気仕切弁10を開とする。このとき汚水集排水ユニットAと汚水集排水ユニットBの間の均圧弁13を開とする。これにより、加圧(+)下にある汚水集排水ユニットAの集水タンク3の空気と減圧(−)下にある汚水集排水ユニットBの集水タンク3内の空気が混合し、両集水タンク3内の圧力が等しくなるまで汚水集排水ユニットAの集水タンク3内が減圧(−方向に減圧)され、汚水集排水ユニットBの集水タンク3内の圧力が加圧(+方向に加圧)される。
【0036】
上記のように切替モード102と切替モード105で汚水集排水ユニットAと汚水集排水ユニットBの間の均圧弁13を開とし、汚水集排水ユニットAの集水タンク3の空気と汚水集排水ユニットBの集水タンク3の空気を混合させて両タンク内の圧力が等しくなるように加圧又は減圧させるので、真空ポンプ7の加圧又は減圧のために使用したエネルギーを無駄なく使用できる。
【0037】
真空下水システムにおける真空ポンプは、高頻度の起動・停止によって電動機への負担を減らすために、起動インターバルが15分以上となるように技術マニュアルで決められている。真空ポンプ7の起動頻度を減らすには、集水タンク3を含め管路内ボリュームを大きくすることが有効であり、必要に応じて図1に示すようにシステムボリューム管16を設けることができる。これにより、管路内ボリュームを大きくすることができるため、その分集水タンク3の容量を小さくできる。その結果、例えば、地面に埋設するマンホール内に集水タンクを設置するような場合、マンホール自体が小さくなるため、材料費、工事費等のコストダウンに貢献する。
【0038】
万一、2組の汚水集排水ユニットA、Bの一方の汚水集排水ユニット(A又はB)の真空ポンプ7が故障しても、もう一方の汚水集排水ユニット(B又はA)で汚水の収集と圧送が可能である。この場合、汚水を圧送する時間帯には汚水収集をできなくなるが、図1に示すようにシステムボリューム管16を設ければ、このシステムボリューム管16が一種のバッファとなって汚水を収容することができ、システムの安全性を高めることができる。
【0039】
図5及び図6は本発明に係る真空ポンプ場の具体的構成例を示す図で、図5は平面図、図6は側面図である。図において、20は地面に埋設したマンホールであり、マンホール20は上記汚水集排水ユニットA、Bに対応して2個設けられている。21は地面上に配置された制御盤であり、該制御盤21の下部には汚水集排水ユニットA、Bに対応して2台のルーツ型の真空ポンプ7、7が配置されている。また、それぞれのマンホール20内には集水タンク3が配置されている。各集水タンク3には逆止弁(真空逆止弁)2を介して汚水流入管1、逆止弁(真空逆止弁)4を介して汚水圧送管5が接続されている。
【0040】
また、真空ポンプ7、7の一方の吸・吐出口に大気仕切弁10、10が接続されると共に逆止弁8、8が接続され、該逆止弁8、8には排気管9、9が接続され、更に排気管9、9は脱臭装置14に接続されている。2つの集水タンク3、3にはそれぞれ圧力管6、6が接続され、該圧力管6、6は真空ポンプ7、7の他方の吸・吐出口に接続されている。また、真空ポンプ7、7の他方の吸・吐出口近傍の圧力管6と圧力管6の間には均圧弁13が接続されている。
【0041】
各集水タンク3、3に接続された汚水流入管1、1はシステムボリューム管16に接続され、システムボリューム管16には複数の汚水流入管17が接続されている。このようにシステムボリューム管16を設け各集水タンク3、3に接続された汚水流入管1、1をシステムボリューム管16に接続することにより、上記のように管路内ボリュームを大きくすることができるため、その分集水タンク3、3の容量を小さくでき、該集水タンク3、3を収容するマンホール20、20も小さくなり、材料費、工事費等のコストダウンに貢献する。
【0042】
本発明の実施形態例では、真空ポンプ場に上記構成を採用することにより、以下の事由から設備のコストダウンが可能となる。
(1)集水タンクユニット(集水タンク3、水位センサ11、逆止弁2、逆止弁4等)は2基となるが、小規模のこの種の真空ポンプ場では、集水タンク3、3の容量が小さくなるためそれほど高価にはならない。
【0043】
(2)真空ポンプ7にルーツ型の真空ポンプ7、7を用い、真空ポンプ7、7で汚水の圧送もできるため、2台の圧送ポンプは不要となる。
【0044】
(3)集水タンクユニットは市販の地下埋設用マンホール内に設置することができるため、用地買収が不要となり、施工の低価格化と早期完了化が可能である(建屋の建設が不要となることが大きい)。図5及び図6に示すように、地上には制御盤21のみが設置され、その内部には真空ポンプユニットを設置し、メンテナンスが容易となるようにしている。また、真空ポンプ7が屋外設置可能なものであれば、マンホール内の集水タンクユニット上部に真空ポンプ7を設置することもでき、これにより制御盤21をよりコンパクトにすることができる。
【0045】
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお、直接明細書及び図面に記載がない何れの形状や構造や材質であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように各請求項に記載の発明によれば下記のような優れた効果が得られる。
【0047】
請求項1に記載の発明によれば、汚水集排水ユニットを2組設け、ルーツ型真空ポンプの正回転運転で集水タンク内を排気して減圧し、逆回転運転で集水タンク内を加圧するように構成したことにより、2台の圧送ポンプを必要とすることなく、汚水の集水(吸引)・排水(圧送)が可能となる真空ポンプ場を提供できる。また、万一一方の汚水集排水ユニットの真空ポンプが故障しても、他方の汚水集排水ユニットで汚水の集水・排水は可能となる。
【0048】
請求項2に記載の発明によれば、制御手段で一方の汚水集排水ユニットの集水タンク内を加圧するとき他方の汚水集排水ユニットの集水タンク内を減圧する運転を行うので、2組の汚水集排水ユニットの交互運転となり、両ユニットが均等に運転されるから、長寿命の真空ポンプ場を提供できる。
【0049】
請求項3に記載の発明によれば、2組の汚水集排水ユニットの圧力配管を均圧弁を介して接続したことにより、一方の汚水集排水ユニットの集水タンク内を減圧から加圧に切替えると共に、他方の汚水集排水ユニットの集水タンク内を加圧から減圧に切替えるとき、この均圧弁を開くことにより両集水タンクの空気が混合し圧力が均等になるまで、一方の集水タンクを加圧、他方の集水タンクを減圧できるから、エネルギーを無駄なく有効に使用する真空ポンプ場を提供できる。
【0050】
請求項4に記載の発明によれば、汚水圧送管に汚水対応の逆止弁(例えば、ボールチェッキ弁やフラップ弁等)を設けているので、異物閉塞の問題がなくなる。
【0051】
請求項5に記載の発明によれば、汚水流入管を汚水対応の逆止弁を介してシステムボリューム管に接続することにより、管路内ボリュームが大きくなり、その分集水タンクを小さくできる。また、このシステムボリューム管が一種のバッファとなって汚水を収容し、真空ポンプの起動頻度を減らすことができるため、システムの安定性がより向上する真空ポンプ場を提供できる。
【0052】
請求項6に記載の発明によれば、一方の汚水集排水ユニットの集水タンク内を減圧から加圧へ、他方の汚水集排水ユニットの集水タンクを加圧から減圧へ切替えるとき、この均圧弁を開くことにより両集水タンクの空気が混合し圧力が均等になるまで、一方の集水タンクを加圧、他方の集水タンクを減圧できるから、エネルギーを無駄なく有効に使うことができる真空ポンプ場の運転方法を提供できる。
【0053】
請求項7に記載の発明によれば、集水タンクは地中に埋設されたマンホール内に設置されているので、集水タンク設置するための用地買収が不要となり、真空ポンプ場の施工の低価格化と早期完了化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明に係る真空ポンプ場の概略構成を示す図である。
【図2】
本発明に係る真空ポンプ場の動作を説明する概略構成図である。
【図3】
本発明に係る真空ポンプ場の汚水集排水ユニットの運転モードを示す図である。
【図4】
図3の運転モードを図表化した図である。
【図5】
本発明に係る真空ポンプ場の具体的構成例を示す平面図である。
【図6】
本発明に係る真空ポンプ場の具体的構成例を示す側面図である。
【符号の説明】
A 汚水集排水ユニット
B 汚水集排水ユニット
1 汚水流入管
2 逆止弁
3 集水タンク
4 逆止弁
5 汚水圧送管
6 圧力管
7 真空ポンプ
8 逆止弁
9 排気管
10 大気仕切弁
11 水位センサ
12 汚水圧送管
13 均圧弁
14 脱臭装置
15 圧力センサ
16 システムボリューム管
17 汚水流入管
20 マンホール
21 制御盤
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