JP2004255254A - 混合装置 - Google Patents

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Motonori Tanaka
元宣 田中
Yasuhiro Takagi
康広 高木
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Aichi Electric Co Ltd
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Abstract

【課題】粉体原料の攪拌・混合時に発生する摩擦熱によって粉体原料の品質等に悪影響が及ぶのを防ぐ。
【解決手段】上部容器と下部容器とによって分割可能に形成した混合容器の前記下部容器は、基台に支承される椀状の外側容器と、前記外側容器内にその内周面との間に所定間隔を設けた状態で取外し可能に配設される椀状の内側容器とを備えており、前記外側容器内周面と内側容器との間に形成される空隙に、必要に応じて冷水等の冷却媒体を流通させるように構成した。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数種類の粉体原料を攪拌・混合するための混合装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、複数種類の粉体原料を攪拌・混合する混合装置として、例えば、山形鋼,みぞ形鋼等の鋼材を枠組みして形成した基台に支承され、電動機の駆動によって所定の角度範囲で揺動・反転する下部容器及び前記下部容器に保持手段を用いて取外し可能に連結・保持される上部容器とによって分割可能に形成した混合容器と、前記混合容器の下部容器内に回転可能に配設した攪拌羽根及び解砕羽根と、前記攪拌羽根及び解砕羽根を一体的に回転駆動する電動機とを備えた混合装置が開発されている。前記混合装置において粉体原料を攪拌・混合する場合は、攪拌羽根の回転によって気流を発生させて、粉体原料を混合容器内において混濁状態で対流・循環させるとともに、解砕羽根の回転によって粉体原料中に生じた塊を破砕しながら、前記粉体原料の攪拌・混合を行うようにしていた(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−66290号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
然るに、前記構成の混合装置においては、粉体原料の攪拌・混合時に、電動機の駆動により高速で回転する攪拌羽根及び解砕羽根と前記粉体原料とが接触することにより摩擦熱が発生するとともに、前記摩擦熱によって温められた(加熱された)粉体原料が、攪拌羽根及び解砕羽根の回転により混合容器内を対流・循環することで、前記混合容器内の温度が徐々に上昇するため、粉体原料は比較的高温下で攪拌・混合が行われることとなり、この結果、前記粉体原料の種類・大きさ(粒径)等によっては、必要以上に温められる(加熱される)ことにより溶融する等して、品質等に悪影響を及ぼすおそれがあった。
【0005】
また、混合容器の下部容器底面と、前記下部容器の底面に垂設した電動機との間には、一般に前記電動機の出力軸が貫通する下部容器底面から粉体原料が外部に漏出しないように封止するシール部材が、前記出力軸を囲繞するようにして配設されているが、前記シール部材が電動機の出力軸と摺接することにより発生する摩擦熱や、シール部材内部への粉体原料の侵入等によって劣化・損傷等した際に交換作業等を行う場合には、前記電動機を下部容器底面から取外さなければならないため、多大な労力と時間が必要となり非常に面倒であった。
【0006】
本発明は、前記種々の問題点に鑑み、粉体原料の攪拌・混合時に発生する摩擦熱によって粉体原料の品質等に悪影響が及ぶのを防ぐことが可能で、しかも、シール部材の劣化・損傷等に伴う交換作業等を簡易に行うことが可能な混合装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するために、山形鋼,みぞ形鋼等の鋼材を枠組みして形成した基台に支承され、電動機の駆動によって所定の角度範囲で揺動・反転する下部容器及び前記下部容器に保持手段を用いて取外し可能に連結・保持される上部容器とによって分割可能に形成した混合容器と、前記混合容器の下部容器内に回転可能に配設した攪拌羽根及び解砕羽根と、前記攪拌羽根及び解砕羽根を一体的に回転駆動する駆動手段とを備えた混合装置において、前記下部容器は、基台に支承される椀状の外側容器と、前記外側容器内にその内周面との間に所定間隔を設けた状態で配設される椀状の内側容器とを備え、前記外側容器内周面と内側容器との間に形成される空隙には、必要に応じて冷水等の冷却媒体を流通させるように構成したことを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の混合装置において、前記内側容器は、外側容器内に取外し可能な状態で収容・固定するように構成したことを特徴とする。
【0009】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の混合装置において、前記駆動手段は、下部容器の外側容器下部側に中空状のカバー体を介して垂設した電動機と、基端側を前記カバー体内に突出する電動機の出力軸に取外し自在に嵌着し、かつ、前記下部容器の内側容器内に突出する先端側に攪拌羽根及び解砕羽根を一体的に取付けた駆動軸と、前記駆動軸をカバー体内において回転自在に支承する軸受部材と、前記外側容器と内側容器との間に軸受部材と近接する状態で配設したシール部材からなり、前記駆動軸,軸受部材及びシール部材を、外側容器の内側から取外し可能となして構成したことを特徴とする。
【0010】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の混合装置において、前記保持手段は、上部容器を下部容器側に押圧・保持する押圧板と、前記押圧板を上下方向に駆動するシリンダとによって構成したことを特徴とする。
【0011】
請求項5記載の発明は、請求項1ないし4記載の混合装置において、前記保持手段を構成するシリンダに供給されるエアの一部を分岐・供給して、シール部材側から内側容器内に向けて噴射させるように構成したことを特徴とする。
【0012】
本発明は、混合容器の下部容器を外側容器と内側容器とによって構成し、前記外側容器と内側容器との間に形成される空隙に、必要に応じて冷水等の冷却媒体を流通させるようにしたので、前記混合容器内に収容される粉体原料は、その攪拌・混合時、前記冷却媒体によって冷却される低温下の内側容器内に落下して冷却されるとともに、前記内側容器内に配設した攪拌羽根及び解砕羽根と接触することとなるため、前記攪拌羽根及び解砕羽根と粉体原料とが接触することによる摩擦熱の発生、及び混合容器内の温度上昇を良好に抑制することが可能となり、この結果、前記粉体原料が必要以上に温められる(加熱される)ことにより、その品質等に悪影響が及ぶのを良好に防ぐことができる。また、内側容器を外側容器内から取外し可能とするとともに、駆動手段を構成する駆動軸,軸受部材及びシール部材を外側容器の内側から取外し可能としたので、粉体原料の品種替え等に際しての洗浄作業を円滑・良好に行うことができるとともに、シール部材の交換作業等を多大な労力や時間を要することなく、迅速・容易に行うことができる。更に、シール部材側から内側容器内に向けてエアを噴射させるようにしたので、前記シール部材側に粉体原料が侵入するのを良好に防ぐことが可能となり、この結果、前記シール部材が早期に摩耗・損傷するのを良好に阻止することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図1ないし図19により説明する。図1ないし図3において、1は本発明における混合装置である。2は前記混合装置1の基台であり、前記基台2は、山形鋼,みぞ形鋼等の鋼材を枠組みして形成した平面コ字状のベースフレーム2aと、前記ベースフレーム2a上に取付けた左右一対の支持枠体2b,2cとによって構成されている。なお、2d,2dは前記支持枠体2b,2c上に配置した軸受部材である。
【0014】
3は複数種類の粉体原料を収納して攪拌・混合を行うための混合容器であり、前記混合容器3は、図8(a)及び図17で示すように、上部容器4と下部容器6とに分割可能に構成されており、後述する保持手段13,13によって連結状態が保持される。
【0015】
前記上部容器4は、図3,8で示すように、中空円筒状に形成されており、その漏斗状となした先端側(図1の上側)には、粉体原料の排出口4aを開閉する排出バルブ4bが設けられている。また、基端側(図1の下側)の開口部周縁には、図8で示すように、所定の幅寸法で平板状のフランジ5が周設されており、更に、前記フランジ5の外周縁上面には係止リング5aが溶着されている。なお、図1において、4cは前記上部容器4を図示しない搬送用の台車に乗載する際に使用する載架板である。
【0016】
一方、下部容器6は、図4,5で示すように、椀状の外側容器7と内側容器9とを備えて構成されている。前記外側容器7は、図4,5で示すように、所定の深さ寸法及び径寸法で椀状に形成されており、その外周面には平面コ字状の支持部7a,7aを介して一対の支軸8a,8bが互いに相反する方向に向けて突設されている。そして、図1,3で示すように、前記一対の支軸8a,8bを支持枠体2b,2c上に配置した軸受部材2d,2dにそれぞれ挿通することにより、前記外側容器7は、基台2に対して所定の角度範囲で揺動・反転可能に支承される。なお、7bは前記外側容器7の開口部周縁に周設した鉤状の鍔受部である。
【0017】
また、前記内側容器9は、図5で示すように、外側容器7内にその内周面との間に所定間隔を設けた状態で収容することができるように、前記外側容器7よりも深さ寸法及び径寸法を若干小さくして形成されている。9aは前記内側容器9の開口部周縁に所定の幅寸法で周設した鍔部であり、前記鍔部9aには、その裏面から下方に向けて複数の螺軸9bが、周方向に所定の角度間隔を設けた状態で突設されている(図4参照)。そして、前記内側容器9は、図12で示すように、その鍔部9aと外側容器7の鍔受部7bとの間に円板状のパッキン10を介在させた状態で、前記鍔部9aに突設した螺軸9bを前記鍔受部7bに穿設した透孔7cに挿通し、かつ、図5で示すように、前記鍔受部7bから突出する螺軸9bの先端部にナット11を螺着することにより、外側容器7内に着脱可能に、かつ、鍔部9aと鍔受部7bとの間の密封性を保った状態で収容・固定される。
【0018】
なお、図4において、12aは外側容器7と内側容器9との間に形成される空隙S(図5参照)に、冷水等の冷却媒体を流入させるための流入部、12bは前記空隙Sから冷却媒体を流出させるための流出部であり、前記流入部12a及び流出部12bは、それぞれ前記外側容器7に所定の角度間隔を設けた状態で突設されている。そして、前記流入部12a及び流出部12bには、それぞれ図示しない媒体供給管を接続し、必要に応じて前記空隙Sに冷却媒体を流通させることにより、前記内側容器9を冷却する。
【0019】
次に、図1ないし図3において、13,13は上部容器4と下部容器6との連結状態を保持するための保持手段であり、前記保持手段13,13は、図4及び図6ないし図8で示すように、前記下部容器6の外側容器7外周に設けた平面コ字状の支持部7aの左右両側(図4の上下方向)に、平面L字状の取付片14,14を介して取付けた一対のシリンダ15a,15b及び15c,15dと、前記シリンダ15a,15b及び15c,15dの各駆動ロッド16a,16b及び16c,16dの先端部に、長さ方向(図4の上下方向)の各端部を止着した横長な押圧板17とによって構成されている。
【0020】
なお、前記シリンダ15a,15b及び15c,15dは、図9で示すように、エア供給管a1〜a4,b1〜b4,cの途中に空気圧調整ユニットU,切換弁V1等を配設した状態でエア供給源Pに接続されている。また、前記押圧板17には、図7で示すように、その長さ方向(図7の左右方向)中央部に所定寸法で係止爪17aが突設されている。
【0021】
そして、前記切換弁V1を切換操作してシリンダ15a,15b及び15c,15dの各駆動ロッド16a,16b及び16c,16dを進・退動作させることにより、前記駆動ロッド16a,16b及び16c,16dの先端部に止着した押圧板17によって上部容器4を下部容器6側に押圧して連結状態を保持したり(図8(b)参照)、上部容器4の下部容器6側への押圧を解除して連結状態を解除したり(図8(a)参照)することができる。なお、図8において、18は上部容器4と下部容器6との連結部に介在されるパッキンであり、粉体原料の攪拌・混合時に、前記連結部から粉体原料が外部に漏出するのを阻止する。
【0022】
次に、図1ないし図3において、19は支持枠体2c上に取付けた軸受部材2dから突出する支軸8bの先端部(図1,3の右端)に止着したスプロケットであり、前記支持枠体2c下部に設置した減速装置付の電動機20とチェーン等の駆動連結手段21を介して駆動可能に連結される。そして、前記電動機20を起動すると、その駆動力は駆動連結手段21→スプロケット19→支軸8bを介して、該支軸8bを突設した下部容器6(外側容器7)に伝達され、前記下部容器6及び上部容器4からなる混合容器3を180°の角度範囲で反転させたり、所定の角度範囲(例えば、図2に実線で示す垂直な位置から、図2に2点鎖線で示すように時計方向及び反時計方向にそれぞれ50°の範囲)で揺動させたりすることが可能となる。
【0023】
つづいて、図1,2において、22は後述する攪拌羽根35及び解砕羽根37を一体的に回転駆動するための駆動手段であり、前記駆動手段22は、図5で示すように、下部容器6の外側容器7底面(下部側)にボルト等を用いて締着・固定した中空状のカバー体23と、前記カバー体23内に出力軸24aを突出させた状態で、該カバー体23の下部側にボルト等を用いて垂直に締着・固定した電動機24と、前記カバー体23内において外側容器7の底面にボルト等を用いて締着・固定した中空状の軸受ハウジング25と、基端側が前記カバー体23内に突出する電動機24の出力軸24aに着脱可能に嵌着され、かつ、外側容器7及び内側容器9を貫通して前記内側容器9内に突出する先端側に、後述する攪拌羽根35及び解砕羽根37を取外し可能に取付けた駆動軸26と、前記軸受ハウジング25内に収容・保持されて、駆動軸26を回転自在に支承する一対の軸受部材27a,27bと、前記軸受ハウジング25と隣接する状態で、外側容器7底面と内側容器9底面との間に配設した中空状のシールハウジング29と、前記シールハウジング29内に軸受ハウジング25の上端部(図5,11の上側)と近接する状態で収容され、前記軸受部材27a,27b側に粉体原料が侵入するのを防ぐオイルシール等からなるシール部材30とを備えて構成されている。
【0024】
なお、前記一対の軸受部材27a,27bは、図10,14で示すように、その一方の軸受部材27aを、駆動軸26に形成した段部26bにて位置決めした状態で固定するとともに、他方の軸受部材27bを、一方の軸受部材27aとの間に径寸法の異なるカラー28a,28bを介在させることによって所定間隔を設けた状態で固定することにより、駆動軸26の軸方向(図10の上下方向)略中央部に固定されている。
【0025】
次に、前記駆動手段22の組立動作について、図10ないし図14を参照しながら説明する。はじめに、図10で示すように、下部容器6の外側容器7底面(下部側)にボルト等を用いて締着・固定したカバー体23の下部側に、電動機24をその出力軸24aをカバー体23内に突出させた状態で、ボルト等を用いて垂直に締着・固定する。つづいて、前述のように軸方向略中央部に一対の軸受部材27a,27bを固定した駆動軸26の基端側(図10の下側)を、外側容器7の内側から軸受ハウジング25を貫通させてカバー体23内に挿入し、図11で示すように、前記基端側内周に形成したキー溝26aに、前記カバー体23内に突出する電動機24の出力軸24aに設けたキー24bを係合することにより、前記駆動軸26を出力軸24aに対して共動回転可能に、かつ、着脱可能に嵌着する。また、駆動軸26の基端側を電動機24の出力軸24aに嵌着することに伴い、前記駆動軸26の軸方向略中央部に固定した一対の軸受部材27a,27bは、図11で示すように、軸受ハウジング25内に収容・保持され、前記駆動軸26を回転自在に支承する。
【0026】
つづいて、内部にシール部材30を収容したシールハウジング29を、図11で示すように、内周面に駆動軸26を貫通させた状態で、その一方端側(図11の下部側)に形成したねじ部29aを、外側容器7の内側から該外側容器7の底面に螺着する(図12参照)。この後、前述のように外側容器7内に内側容器9を着脱自在に収容・固定することにより、図13で示すように、シールハウジング29の他方端側(図12の上部側)に形成したねじ部29bを、前記内側容器9の底面を貫通させて該内側容器9内に突出させ、前記ねじ部29bに断面台形状の固定部材31を内側容器9の内側から螺着する(図14参照)。この結果、前記シールハウジング29は、外側容器7底面と内側容器9底面との間に配設される。
【0027】
なお、図14において、32は軸受部材27bとシール部材30との間に介挿した押圧部材、また、33は駆動軸24と押圧部材32及びシール部材30との間に介挿したカラーをそれぞれ示す。更に、軸受ハウジング25の上端部と外側容器7の底面との間、シールハウジング29の鍔部29cと外側容器7底面との間、シールハウジング29の鍔部29cと内側容器9底面との間には、それぞれ外側容器7と内側容器9との間に形成される空隙Sに流通される冷水等の冷却媒体が前記空隙S外部に漏出するのを防ぐOリング等からなる封止部材34a〜34cが介挿されている。
【0028】
また、図14で示すように、軸受ハウジング25及びシールハウジング29には、前記軸受ハウジング25の側面と上端面(図14の上側)とを結ぶように穿設したL字状の第1のエア流路A1と、前記軸受ハウジング25の上端面に第1のエア流路A1と連通可能な状態で凹設した環状の第2のエア流路A2と、前記シールハウジング29の内周面と前記第2のエア流路A2と対向する一方端面(図14の下側)とを結ぶように穿設した逆L字状の第3のエア流路A3と、前記シールハウジング29の内周面とカラー33との間に軸方向(図14の上下方向)に沿って形成した第4のエア流路A4とが、前記軸受ハウジング25側から内側容器9内に向けてエアを流通させることができるように設けられている。なお、前記第1,第3のエア流路A1,A3は、図14中には1ヶ所しか図示していないが、軸受ハウジング25及びシールハウジング27の周方向に沿って複数個所に形成されている。
【0029】
そして、前記第1のエア流路A1は、図9で示すように、エア供給管d及びその途中に配設した減圧弁V2等を介して、保持手段13,13のシリンダ15a,15b及び15c,15dにエアを供給するためのエア供給管cに分岐・接続されており、エア供給源Pから空気圧調整ユニットUを介して供給され、かつ、前記減圧弁V2によって所定の圧力に減圧されたエアは、軸受ハウジング25及びシールハウジング29に形成した第1のエア流路A1→第2のエア流路A2→第3のエア流路A3→第4のエア流路A4を経て、内側容器9内に突出するシールハウジング29の他方端(図14の上端)と、後述する攪拌羽根35のボス部35a内に収容したオイルシール等からなるシール部材35dとの間の微小な隙間から、内側容器9内に向けて噴射される。
【0030】
次に、図4,5において、35は電動機24の出力軸24aに嵌着した駆動軸26の内側容器9内に突出する先端側(図5の上側)に取外し可能に取付けられ、前記内側容器9内において粉体原料を対流・循環させるための気流を発生させる攪拌羽根、37は前記攪拌羽根35に対して一体的に、かつ、取外し可能に取付けられ、粉体原料の攪拌・混合時に湿気等の影響で前記粉体原料が凝集して生じる塊を破砕するための解砕羽根である。
【0031】
前記攪拌羽根35を駆動軸26に取付ける場合は、図15で示すように、内側容器9内に突出する駆動軸26の先端側を、攪拌羽根35の凸状のボス部35a内に挿入して、前記ボス部35a内に形成したキー溝35bと、駆動軸26の先端側に設けたキー26cとを係合させるとともに、前記駆動軸26の先端部に円板状の抜止板36を、該駆動軸26と攪拌羽根35のボス部35a上端部とに跨らせた状態でボルト等を用いて締着・固定することにより、前記攪拌羽根35は、図14,16で示すように、駆動軸26の先端側に共動回転可能に、かつ、着脱可能に取付けられる。
【0032】
また、前記解砕羽根37を攪拌羽根35に取付ける場合は、図16で示すように、解砕羽根37の中央部に穿設した貫通孔37aに攪拌羽根35のボス部35a上端側に設けたねじ部35eを貫通させた状態で、前記貫通孔37a周縁の裏面に突設した一対の係合突起37b,37bを、攪拌羽根35のボス部35a上面に穿設した嵌合孔35f,35fに嵌合するとともに、前記解砕羽根37の上方から尖頭状のキャップ38を、該キャップ38下端部に周設した保持部38aを貫通孔37aに貫通させた状態で、攪拌羽根35のねじ部35eに螺着することにより、前記解砕羽根37は、図5,14で示すように、攪拌羽根35に対して一体的に、かつ、着脱可能に取付けられる。この結果、前記攪拌羽根35及び解砕羽根37は、駆動軸26を介して伝達される電動機24の回転により、一体的に回転駆動させることができる。
【0033】
なお、図14ないし図16において、35cは攪拌羽根35のボス部35aの外周面に所定の角度間隔を設けた状態で突設した複数枚(本実施例においては図4で示す如く120°間隔で3枚)の羽根部材である。また、図14,15において、35dは前記ボス部35a内にシールハウジング29の他方端側(図14,15の上側)と接触する状態で収容されるオイルシール等からなるシール部材である。更に、図14,16において、37c,37cは解砕羽根37の貫通孔37a周縁に互いに相反する方向に向けて突設した一対の羽根部材である。
【0034】
次に、本発明の混合装置1の動作について説明する。はじめに、粉体原料の攪拌・混合を行うに際して、前記粉体原料を収容した上部容器4を下部容器6に連結する場合は、図17で示すように、上部容器4を図示しない台車に乗載した状態で混合装置1の位置まで搬送し、その基端側開口部と下部容器6の内側容器9の開口部とを対向させる。このとき、前記上部容器4の基端側開口部周縁に周設したフランジ5は、図8(a)及び図17で示すように、下部容器6の外側容器7の開口部周縁に周設した鍔受部7aと、保持手段13の押圧板17との間に挿入される。
【0035】
つづいて、保持手段13,13のシリンダ15a,15b及び15c,15dを起動して、その駆動ロッド16a,16b及び16c,16dを後退(図8(a)の上方向)させる。前記駆動ロッド16a,16b及び16c,16dの後退により、該駆動ロッド16a,16b及び16c,16dの先端部に取付けた押圧板17の係止爪17aが上部容器4のフランジ5と当接し、前記フランジ5を介して上部容器4を下部容器6側に上動させる(持ち上げる)。
【0036】
そして、前記駆動ロッド16a,16b及び16c,16dは、図8(b)で示すように、上部容器4の基端側開口部端縁が下部容器6の内側容器9の鍔部9aと当接する位置まで後退すると停止する。この結果、前記上部容器4は、図8(b)及び図18で示すように、そのフランジ5が保持手段13,13の押圧板17,17によって下部容器6側に押圧・付勢された状態で、前記下部容器6と連結される。
【0037】
次に、前記下部容器6と連結した上部容器4を、その漏斗状の先端側が下向きの状態から上向きの状態となるように反転させる場合は、電動機20を起動して、その駆動力を駆動連結手段21→スプロケット19を介して支軸8bに伝達し、前記支軸8bを突設した下部容器6と、該下部容器6に連結した上部容器4とを一体的に、前記上部容器4の漏斗状の先端側が図18で示す下向きの状態から、図1,2で示す上向きの状態となるように徐々に反転させる。
【0038】
この際、前記上部容器4は、その基端側開口部周縁に周設したフランジ5に溶着した係止リング5aの内周面に当接する保持手段13,13の押圧板17,17に突設した係止爪17a,17aによって係止・保持されているため(図6参照)、粉体原料の重量により下部容器6との連結状態が解除されて脱落するというようなことは全くない。
【0039】
前記混合容器3(上部容器4及び下部容器6)の反転動作は、図示しない角度検出手段(スプロケット19側に取付けた検出片と支持枠体2c側に取付けた近接センサとの組合せや、ロータリーエンコーダ等)によって監視されており、前記角度検出手段が、混合容器3が180°反転したこと(即ち、図1,2で示すように、上部容器4の漏斗状の先端側が上向きの状態となったこと)を検出すると、前記電動機20は一旦停止する。
【0040】
次に、粉体原料を攪拌・混合する場合は、電動機24を起動して、その出力軸24aに嵌着した駆動軸26に一体的に取付けた攪拌羽根35及び解砕羽根37を回転させるとともに、電動機20を再度起動し、混合容器3を図2に実線で示す位置を中心として、例えば、反時計方向に50°,時計方向に50°の範囲(図2に2点鎖線で示す範囲)で揺動させる。
【0041】
前記混合容器3の揺動動作は、反転動作と同様、図示しない角度検出手段によって監視されており、例えば、電動機20を起動することにより、混合容器3が図2に実線で示す位置から反時計方向に揺動し、図2の左側に2点鎖線で示す位置に達したことを角度検出手段が検出すると、前記電動機20の回転方向が切換わり、前記混合容器3を今度は時計方向に揺動させる。また、混合容器3が時計方向に揺動し、図2の右側に2点鎖線で示す位置に達したことを角度検出手段が検出すると、再度電動機20の回転方向を切換えて、前記混合容器3を反時計方向に揺動させる。前記の動作を繰り返すことにより、混合容器3は、図2に2点鎖線で示す範囲において揺動させることができる。
【0042】
そして、前記混合容器3内に収納された粉体原料は、図19(a)で示すように、攪拌羽根35の高速回転に伴って発生する気流により、混合容器3の周方向外側に向かって旋回しながら上方に移動するとともに、前記上方に移動した粉体原料は、今度は混合容器3の中心方向に収束しながら内側容器9内に落下する。前記粉体原料は、前記の動作を繰り返すことにより、混合容器3内を懸濁状態で対流・循環して、良好に攪拌・混合が行われる。
【0043】
また、図2に2点鎖線で示す範囲において混合容器3を揺動させると、前記混合容器3内に収納した粉体原料は、図19(b),(c)で示すように、どちらか一方に傾斜した状態となり、この結果、前記粉体原料には層の厚い部分と層の薄い部分とが形成されることとなる。前記層の薄い部分における粉体原料の周方向への旋回及び上方への移動は、層の厚い部分と比較して活発な状態となるので、粉体原料の攪拌・混合が促進され(即ち、層の厚い部分における粉体原料の周方向への旋回及び上方への移動は、層の薄い部分に比較してやや停滞するものの、粉体原料が傾斜した状態となっている関係上、層の厚い部分から層の薄い部分へ向かっての粉体原料の移動(流下)は良好な状態となるので、前記粉体原料の攪拌・混合が円滑に進行することとなる)、前記粉体原料をより迅速・確実に攪拌・混合することが可能となる。
【0044】
更に、粉体原料が湿気を帯びている場合に、攪拌・混合中の粉体原料の一部に塊が生じたときは、前記攪拌羽根35と一体的に回転する解砕羽根37によって破砕する。即ち、混合容器3の中心方向に収束しながら落下する、塊を生じた粉体原料は、前記混合容器3の底部側中央に配設した、攪拌羽根35と一体的に高速回転する解砕羽根37の羽根部材37c,37cと接触することにより、良好に破砕される結果、粉体原料をムラなく均一に攪拌・混合することが可能となる。
【0045】
なお、粉体原料の攪拌・混合時、上部容器4は、保持手段13,13によって下部容器6側に強固に押圧・保持されているので、前記のように揺動させても脱落等の問題は発生しない。また、前記上部容器4と下部容器6とは、パッキン18を介して連結されているので、混合容器3内の粉体原料が外部に漏出することは全くない。
【0046】
また、粉体原料の攪拌・混合時、下部容器6を構成する外側容器7と内側容器9との間に形成される空隙Sには、必要に応じて冷水等の冷却媒体を流通させるようにしているので、前記粉体原料は、前記冷却媒体によって冷却される低温下の内側容器9内に落下して冷却されるとともに、前記内側容器9内に配設されて高速で回転駆動する攪拌羽根35及び解砕羽根37の各羽根部材35c,37cと接触することとなり、この結果、前記攪拌羽根35及び解砕羽根37の各羽根部材35c,37cと粉体原料とが接触することによる摩擦熱の発生、及び混合容器3内の温度上昇を良好に抑制することができるため、前記粉体原料が必要以上に温められる(加熱される)ことにより、その品質等に悪影響を及ぶのを良好に防ぐことが可能となる。
【0047】
その上、前記冷却媒体によって、外側容器7底面と内側容器9底面との間の空隙Sに配設したシールハウジング29も冷却することができるので、前記シールハウジング29内に収容したシール部材30が、駆動軸26と摺接することにより発生する摩擦熱等によって早期に劣化・損傷するのを良好に防ぐことが可能となる。
【0048】
なお、このとき、外側容器7の鍔受部7bと内側容器9の鍔部9aとの間にはパッキン10が介在させてあり、また、シールハウジング29の鍔部29cと外側容器7底面及び内側容器9底面との間、並びに、軸受ハウジング25と外側容器7底面との間には封止部材34a〜34cが介在させてあるので、前記冷却媒体が空隙Sから外部に漏出することはない。
【0049】
更に、粉体原料の攪拌・混合時、内側容器9内に突出するシールハウジング29の他方端と、攪拌羽根35のボス部35a内に収容したシール部材35dとの間に形成される微小な隙間からは、軸受ハウジング25及びシールハウジング29に形成したエア流路A1〜A4にエア供給源Pからエア供給管dを介して分岐・供給されるエアが、常時内側容器9内に向けて噴射されているため、前記シールハウジング29内に粉体原料が侵入するのを良好に防ぐことができるとともに、前記エアによってシールハウジング29内に収容したシール部材30を間接的に冷却することが可能となり、この結果、シールハウジング29内に収容したシール部材30が、粉体原料の侵入や、駆動軸26と摺接することにより発生する摩擦熱等によって早期に摩耗・劣化して損傷するのを良好に回避することができる。
【0050】
しかも、前記内側容器9内に突出するシールハウジング29の他方端と、攪拌羽根35のボス部35a内に収容したシール部材35dとの間に形成される微小な隙間から噴射されるエアによって、攪拌羽根35及び解砕羽根37を冷却することができるので、外側容器7と内側容器9との間の空隙Sを流通する冷水等の冷却媒体による内側容器9内の冷却効果とも相まって、前記攪拌羽根35及び解砕羽根37と粉体原料とが接触することによる摩擦熱の発生、及び混合容器3内の温度上昇を良好に抑制することが可能となり、この結果、粉体原料の品質等に悪影響が及ぶのを良好に防ぐことができる。
【0051】
この後、予め設定した粉体原料の攪拌・混合時間が経過したら、電動機20,24を停止して、前記粉体原料の攪拌・混合作業を終了する。つづいて、攪拌・混合の終了した粉体原料を排出するに当たり、上部容器4と下部容器6との連結を解除する場合は、電動機20を起動して、混合容器3をその漏斗状の先端側が図1,2で示す上向きの状態から、図18で示す下向きの状態となるよう徐々に反転させる。
【0052】
図18で示すように、混合容器3を攪拌・混合時の状態から180°反転させたら(即ち、上部容器4の漏斗状の先端側が下向きの状態となったら)、保持手段13,13のシリンダ15a,15b及び15c,15dを起動して、その駆動ロッド16a,16b及び16c,16dを前進(図8(b)の下方向)させる。
【0053】
前記駆動ロッド16a,16b及び16c,16dの前進により、上部容器4は下部容器6との連結が解除されるとともに、図示しない台車上に載架板4cを介して乗載される。また、前記駆動ロッド16a,16b及び16c,16dは、図示しない台車上に状態した上部容器4を搬出する際に、押圧板17が前記上部容器4の係止リング5aと接触しない位置まで前進して停止する(図8(a)及び図17参照)。
【0054】
前記のように下部容器6との連結状態が解除された上部容器4は、図示しない台車に乗載した状態で排出工程に搬送され、その漏斗状の先端側に設けた排出バルブ4bを開放することにより、排出口4aから図示しない排出容器等に粉体原料を排出する。粉体原料を排出した後の上部容器4には、再度攪拌・混合を行う粉体原料を投入(収納)するとともに、塵埃等が混入しないように図示しない覆蓋を被着して、次回の攪拌・混合に備える。以下、粉体原料の攪拌・混合を行う場合は、前記の動作を繰り返し行えばよい。
【0055】
なお、本発明の混合装置1においては、上部容器4が下部容器6から分割(取外し)できるように構成されているので、上部容器4を複数個用意し、予め粉体原料を投入(収納)しておくことにより、攪拌・混合作業が終了する毎に上部容器4を交換して、迅速・円滑に作業を行うことができる。また、上部容器4を複数個用意しておけば、攪拌・混合作業の終了後、すぐに粉体原料を排出することなく、保管しておくことも可能である。
【0056】
次に、攪拌・混合する粉体原料の品種替え等に際して下部容器6及び攪拌羽根35,解砕羽根37を洗浄する場合や、シール部材30及び軸受部材27a,27bのメンテナンス作業や交換作業等を行う場合について説明する。はじめに、下部容器6を、図16で示すように、その内側容器9の開口部側が上向きとなるようにした状態で、尖頭状のキャップ38と攪拌羽根35のねじ部35eとの螺着を解除して、解砕羽根37を前記攪拌羽根35のねじ部35eから取外すとともに、図15で示すように、駆動軸26と抜止板36とのボルト等による固定を解除して、攪拌羽根35を前記駆動軸26から取外す。
【0057】
つづいて、図13で示すように、断面台形状の固定部材31と内側容器9内に突出するシールハウジング29の他方端側のねじ部29bとの螺合を解除するとともに、図12で示すように、前記内側容器9の鍔部9aに突設した螺軸9bとナット11との螺合を解除して、前記内側容器9を外側容器7内から取外す。
【0058】
このように、前記攪拌羽根35及び解砕羽根37は駆動軸26から、内側容器9は外側容器7内から、それぞれ簡易に取外すことができるので、粉体原料の品種替え等に伴う内側容器9及び攪拌羽根35,解砕羽根37の洗浄作業を円滑・容易に行うことができるとともに、前記内側容器9及び攪拌羽根35,解砕羽根37に付着している粉体原料を良好に洗い流すことが可能となり、この結果、粉体原料の品種替えに当たり、異なる品種の粉体原料が混入する等といった問題を未然に防ぐことができる。また、内側容器9を外側容器7内から取外すことにより、前記外側容器7内も洗浄することができるので、前記外側容器7と内側容器9との間に形成される空隙Sに冷水等の冷却媒体を流通させることによって前記外側容器7の内周面に付着する水垢等の汚れを良好に清掃・除去することが可能となり、利便である。
【0059】
なお、シール部材30及び軸受部材27a,27bのメンテナンス作業や交換作業等を行う場合には、この後、図11で示すように、シールハウジング29の一方端側のねじ部29aと外側容器7底面との螺合を解除して、前記シールハウジング29を外側容器7底面から取外すとともに、図10で示すように、駆動軸26を外側容器7の内側から上方に持上げ、その基端側内周に形成したキー溝26aと電動機24の出力軸24aに設けたキー24bとの係合を解除することにより、前記駆動軸26を電動機24の出力軸24aから取外す。
【0060】
この際、前記駆動軸26の軸方向略中央部に固定した一対の軸受部材27a,27bは、前記のように駆動軸26を外側容器7の内側から上方に持上げて電動機24の出力軸24aから取外すことにより、容易に軸受ハウジング25内から取出すことができる。
【0061】
前記のように、本発明においては、シール部材30を収容したシールハウジング29や、駆動軸26に固定した軸受部材27a,27bを外側容器7の内側から簡易に取外すことができるので、前記シール部材30や軸受部材27a,27bのメンテナンス作業、あるいは、交換作業等は、前記外側容器7の下部側から電動機24を取外すことなく迅速・容易に行うことが可能となり、大変利便である。
【0062】
なお、本実施例においては、混合容器3の反転動作から揺動動作への移行時及び揺動動作から反転動作への移行時に、電動機20を一旦停止させるようにしているが、前記電動機20を停止させることなく、連続的に混合容器3を反転動作から揺動動作へ、あるいは、揺動動作から反転動作へ移行させるようにしてもよい。この場合、電動機24の起動・停止のタイミングは、例えば、混合容器3が床面等に対して垂直な状態(図2に実線で示す状態)となったことを角度検出手段が検出した時点とすればよい。
【0063】
また、本実施例においては、混合容器3を揺動させながら粉体原料の攪拌・混合を行う例について説明したが、混合容器3を揺動させることなく、所定の角度で傾斜させた状態(図2に2点鎖線で示す如く上部容器の漏斗状の先端側を斜め上向きとした状態)、あるいは、垂直な状態(図2に実線で示す状態)のままで粉体原料の攪拌・混合を行うようにしてもよい。
【0064】
更に、本実施例においては、下部容器6を構成する外側容器7と内側容器9との間に形成される空隙Sに、冷水等からなる冷却媒体を流通させるようにしているが、攪拌・混合を行う粉体原料が熱による悪影響を受けにくい種類のものであれば、特別に前記空隙Sに冷却媒体を流通させる必要はない(即ち、前記空隙Sに冷却媒体を流通させるか否かは、必要に応じて適宜決定すればよい)。
【0065】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、基台に揺動・反転可能に支承される混合容器の下部容器を内側容器と外側容器とによって構成し、前記内側容器と外側容器との間に形成される空隙に、必要に応じて冷水等の冷却媒体を流通させるようにしたので、混合容器内に収容される粉体原料は、その攪拌・混合時、前記冷却媒体によって冷却される低温下の内側容器内に落下して冷却されるとともに、前記内側容器内に配設した攪拌羽根及び解砕羽根と接触することとなり、この結果、前記攪拌羽根及び解砕羽根と粉体原料との接触による摩擦熱の発生、及び混合容器内の温度上昇を良好に抑制することができるため、前記粉体原料が必要以上に温められて(加熱されて)、その品質等に悪影響を及ぼすのを良好に防ぐことが可能となる。
【0066】
請求項2記載の発明によれば、下部容器を構成する内側容器を、外側容器内から取外し可能としたので、攪拌・混合を行う粉体原料の品種替え等に際して洗浄処理を行うような場合には、基台に支承される外側容器内から内側容器のみを取外して洗浄を行うことができるため、前記内側容器を円滑・容易に、しかも、隅々まで洗浄することが可能となり、この結果、粉末材料の品種替えに際して異なる品種の粉体原料が混入するのを未然に防ぐことができる。その上、内側容器を外側容器内から取外すことにより、前記外側容器内も洗浄することができるので、外側容器と内側容器との間に形成される空隙に冷水等の冷却媒体を流通させた際に、前記外側容器の内周面に付着する水垢等の汚れを良好に清掃・除去することが可能となり、この結果、外側容器及び内側容器からなる下部容器を常時清潔な状態に保つことができる。
【0067】
請求項3記載の発明によれば、駆動手段を構成する駆動軸,軸受部材及びシール部材を、下部容器の外側容器の内側から取外し可能となして構成したので、前記軸受部材及びシール部材は、電動機を外側容器の底面(下部側)から取外すことなく、迅速・容易に外側容器の内側から取外すことが可能となり、この結果、軸受部材及びシール部材のメンテナンス作業や交換作業等を、電動機のような重量物を取外すための労力や時間を要することなく、円滑、かつ、簡易に行うことができる。
【0068】
請求項4記載の発明によれば、分割可能となした混合容器の上部容器と下部容器との連結状態を保持する保持手段を、押圧板とシリンダとによって構成したので、前記シリンダを起動することにより、押圧板による上部容器と下部容器との連結状態を簡易に解除することが可能となり、この結果、下部容器の洗浄作業や、軸受部材及びシール部材のメンテナンス作業等は、上部容器を取外した状態で円滑・容易に行うことができ、利便である。また、粉体原料の攪拌・混合時には、前記シリンダを起動することにより、上部容器と下部容器との連結状態を押圧板によって強固に保持することができるので、上部容器と下部容器との連結部から粉体原料が漏出したり、混合容器の揺動・反転時等に、粉体原料の重量等により上部容器と下部容器との連結状態が解除されて分解したりするようなことは全くなく、安全に粉体原料の攪拌・混合を行うことが可能となる。
【0069】
請求項5記載の発明によれば、シール部材側から内側容器内に向けてエアを噴射させるようにしたので、前記シール部材側に粉体原料が侵入しようとするのを良好に防ぐことができるとともに、前記エアによってシール部材を間接的に冷却することが可能となり、この結果、前記シール部材が粉体原料の侵入や、駆動軸との摺接により発生する摩擦熱等によって早期に劣化・損傷するのを良好に防ぐことができ、その上、前記シール部材の劣化・損傷によって軸受部材側に粉体原料が侵入することにより、前記軸受部材の機能が低下するのを良好に防ぐことができる。また、内側容器内に向けてエアを噴射することで、前記内側容器内に配設した攪拌羽根及び解砕羽根を冷却することができるので、内側容器と外側容器との間に形成された空隙に流通される冷却媒体による内側容器内の冷却効果とも相まって、前記攪拌羽根及び解砕羽根と粉体原料との接触による摩擦熱の発生、及び混合容器内の温度上昇を良好に抑制することが可能となり、この結果、粉体原料が必要以上に温められて(加熱されて)、その品質等に悪影響が及ぶのを良好に防ぐことができる。更に、前記エアは、保持手段を駆動するシリンダに供給されるエアの一部が分岐・供給されるので、エアの供給源を複数用意する必要がなくなり、この結果、混合装置が大形化するのを良好に防ぐことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の混合装置を示す正面図である。
【図2】同じく、混合装置の側面図である。
【図3】同じく、混合装置の平面図である。
【図4】下部容器の内部を示す平面図である。
【図5】下部容器を示す縦断正面図である。
【図6】保持手段の平面図である。
【図7】同じく、保持手段の側面図である。
【図8】(a)は上部容器と下部容器とを連結する前の状態を示す要部断面図、(b)は上部容器と下部容器とを連結した状態を示す要部断面図である。
【図9】本発明の混合装置における空圧系統図である。
【図10】駆動軸を電動機の出力軸に取付ける動作を示す縦断正面図である。
【図11】シールハウジングを外側容器の底面に螺合する動作を示す縦断正面図である。
【図12】内側容器を外側容器に取付ける動作を示す縦断正面図である。
【図13】固定部材をシールハウジングに螺合する動作を示す縦断正面図である。
【図14】駆動手段の要部を拡大して示す縦断面図である。
【図15】攪拌羽根を駆動軸に取付ける動作を示す縦断正面図である。
【図16】解砕羽根を攪拌羽根に取付ける動作を示す縦断正面図である。
【図17】上部容器と下部容器とを連結する前の状態を示す混合装置の正面図である。
【図18】上部容器と下部容器とを連結した状態を示す混合装置の正面図である。
【図19】(a)は混合容器を揺動させる前の粉体原料の動きを説明するための説明図、(b),(c)は混合容器を揺動させた時の粉体原料の動きを説明するための説明図である。
【符号の説明】
1 混合装置
3 混合容器
4 上部容器
6 下部容器
7 外側容器
9 内側容器
13 保持手段
15a〜15d シリンダ
20,24 電動機
25 軸受ハウジング
26 駆動軸
27a,27b 軸受部材
29 シールハウジング
30 シール部材
35 攪拌羽根
37 解砕羽根
A1〜A4 エア流路

Claims (5)

  1. 山形鋼,みぞ形鋼等の鋼材を枠組みして形成した基台に支承され、電動機の駆動によって所定の角度範囲で揺動・反転する下部容器及び前記下部容器に保持手段を用いて取外し可能に連結・保持される上部容器とによって分割可能に形成した混合容器と、前記混合容器の下部容器内に回転可能に配設した攪拌羽根及び解砕羽根と、前記攪拌羽根及び解砕羽根を一体的に回転駆動する駆動手段とを備えた混合装置において、前記下部容器は、基台に支承される椀状の外側容器と、前記外側容器内にその内周面との間に所定間隔を設けた状態で配設される椀状の内側容器とを備え、前記外側容器内周面と内側容器との間に形成される空隙には、必要に応じて冷水等の冷却媒体を流通させるように構成したことを特徴とする混合装置。
  2. 前記内側容器は、外側容器内に取外し可能な状態で収容・固定するように構成したことを特徴とする請求項1記載の混合装置。
  3. 前記駆動手段は、下部容器の外側容器下部側に中空状のカバー体を介して垂設した電動機と、基端側を前記カバー体内に突出する電動機の出力軸に取外し自在に嵌着し、かつ、前記下部容器の内側容器内に突出する先端側に攪拌羽根及び解砕羽根を取外し可能に取付けた駆動軸と、前記駆動軸をカバー体内において回転自在に支承する軸受部材と、前記外側容器と内側容器との間に軸受部材と近接する状態で配設したシール部材からなり、前記駆動軸,軸受部材及びシール部材を、外側容器の内側から取外し可能となして構成したことを特徴とする請求項1または2記載の混合装置。
  4. 前記保持手段は、上部容器を下部容器側に押圧・保持する押圧板と、前記押圧板を上下方向に駆動するシリンダとによって構成したことを特徴とする請求項1記載の混合装置。
  5. 前記保持手段を構成するシリンダに供給されるエアの一部を分岐・供給して、シール部材側から内側容器内に向けて噴射させるように構成したことを特徴とする請求項1ないし4記載の混合装置。
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