JP2004255247A - 有機性排水の処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】有機性排水中のCODと窒素分との処理をトラブルなく安定して行い、煩雑さを解消し、かつ設備の小型化を可能とする。
【解決手段】本発明は、▲1▼前記還元処理により原水中の亜硝酸と硝酸を還元する機能を有する一次処理(金属触媒還元型反応槽1で行う。)▲2▼前記電解処理と原水中のアンモニアと易分解性COD成分の酸化処理とを並行して行う二次処理(完全混合型反応槽2で行う。)▲3▼二次処理で残留した難分解性COD成分を酸化処理する三次処理(二酸化マンガン触媒酸化型反応槽3で行う。)に分割して行う。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、海浜部に立地したゴミ埋め立て地の浸出液、海水など食塩成分を高濃度に含み、かつ窒素成分、COD成分を含む有機性排水を対象とした処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、そのような処理技術としては、生物処理法による易分解性COD(BOD成分中心)と窒素成分の処理と、促進酸化法による難分解性CODの処理が知られている。生物処理法は、易分解性COD成分を分解した後に窒素成分を硝酸化合物に変換し、更にメタノールなどの水素供与体を添加して硝酸化合物を窒素ガスに還元する方法である(非特許文献1を参照)が、維持管理が難しいうえに反応速度が小さいことに起因して設備が大型化する欠点があった。加えて、高塩類を含む排水を処理する場合は硝化菌と脱窒菌の反応が不安定なために、処理不足などのトラブルが発生した。
【0003】
一方、促進酸化法は、紫外線,オゾンを併用する処理法(非特許文献2を参照)が主流であるが、前段の生物処理法とは別の設備を必要とし、設備全体が大規模なものとなるために、処理能力・規模の割にイニシャルコストが嵩む欠点があった。
【0004】
【非特許文献1】
掲載誌名「環境技術」、発行1995年:Vol.24 No.5:第306〜308頁
【非特許文献2】
掲載誌名「エバラ時報」、発行1999年4月:No.183:第58〜65頁
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、有機性排水中のCODと窒素分との処理をトラブルなく安定して行い、生物処理のような煩雑さを解消し、かつ設備の小型化を可能とする窒素成分、COD成分を含む有機性排水の処理方法を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の問題は、原水を、銅、アルミニウムおよび亜鉛から選ばれた金属単体または2種以上の金属混合物からなる還元触媒に接触させて還元処理した後、その原水に含有される食塩を電解法により次亜塩素酸ナトリウムに変換する電解処理を行うとともに、発生した次亜塩素酸ナトリウムにより原水に含有されるアンモニアとCOD成分を酸化処理することを特徴とする本発明の有機性排水の処理方法によって、解決することができる。
【0007】
また、本発明は、前記の有機性排水の処理方法において、前記還元処理により原水中の亜硝酸と硝酸を還元する機能を有する一次処理と、前記電解処理と原水中のアンモニアと易分解性COD成分の酸化処理とを並行して行う二次処理と、二次処理で残留した難分解性COD成分を酸化処理する三次処理とを分割して行う形態に具体化でき、この場合、前記一次処理を金属触媒還元型反応槽、二次処理を完全混合型反応槽、三次処理を二酸化マンガン触媒酸化型反応槽のそれぞれで行うのが好ましい。
【0008】
また、本発明は、前記の有機性排水の処理方法において、食塩を次亜塩素酸ナトリウムに変換する電解処理を電解槽で行うとともに、アンモニアとCOD成分の酸化処理を二酸化マンガン触媒酸化型反応槽単独で行う形態に好ましく具体化できる。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の有機性排水の処理方法に係る実施形態について、図1〜11を参照しながら説明する。
本発明は、▲1▼原水を、銅、アルミニウムおよび亜鉛から選ばれた金属単体または2種以上の金属混合物からなる還元触媒に接触させて還元処理する、▲2▼その原水に含有される食塩を電解法により次亜塩素酸ナトリウムに変換する電解処理する、▲3▼発生した次亜塩素酸ナトリウムにより原水に含有されるアンモニアとCOD成分を酸化処理する、という点を特徴とするが、次にその第1実施形態によって、詳細に説明する。
【0010】
(第1実施形態)
第1実施形態の要点は、次の一次〜三次処理に分割する点にある。(図1参照)以下、フローに従って説明する。
▲1▼前記還元処理により原水中の亜硝酸と硝酸を還元する機能を有する一次処理(金属触媒還元型反応槽で行う。)
▲2▼前記電解処理と原水中のアンモニアと易分解性COD成分の酸化処理とを並行して行う二次処理(完全混合型反応槽で行う。)
▲3▼二次処理で残留した難分解性COD成分を酸化処理する三次処理(二酸化マンガン触媒酸化型反応槽で行う。)
【0011】
(一次処理)
先ず、処理すべき有機性排水である原水aは、銅、アルミニウム、亜鉛の金属混合粒子が充填されている還元触媒層11(固定床)を備えた金属触媒還元型反応槽1に入る。ここで原水aは還元触媒層11を通過する際に、ゴミ埋め立て時の好気性醗酵により生成されて含むNO―N及びNO―Nが還元され、NH―Nに変換される。
【0012】
この還元処理では、図9および図10に示すように、窒素酸化物濃度にもよるが、NO―Nが10mg/l程度の場合、LV=50m/日以下、SV=2/Hr以下とした処理条件が、80%以上のNOx―N変換率を保つために必要である。
また、図11に示すように、処理水温としては30℃以上が好ましいが、前記SVを小さくすることでNH―Nへの変換率を高めることができる。
【0013】
なお、この処理に使用される還元触媒は、銅、アルミニウムおよび亜鉛から選ばれた金属単体または2種以上の金属混合物からなるものであり、混合物の場合は、Cu:Al:Zn=10:9:1、Cu:Zn=3:2、Al:Zn=3:2、の配合比が好ましい。また、これら金属単体または混合物は、1〜5mm程度の粒状がよく、金属触媒還元型反応槽1内において還元触媒層11を構成する。
【0014】
(二次処理)
一次処理で窒素酸化物がNH―Nへと変換された一次処理水bは、食塩の電解処理を行う完全混合型反応槽2に送られる。このとき、原水(一次処理水b)中に食塩が含有されない場合には、食塩濃度が少なくとも0.2%になるよう必要量の食塩溶液が添加される。
【0015】
この反応槽2には、陽極側には白金系電極21、陰極側にはニッケル系電極22が配設されており、両極間に電解電流を流すことにより、原水に溶け込んでいるNaClが電気分解され、次式に従って次亜塩素酸ナトリウムが生成する。
2NaCl+2HO → 2NaOH+Cl+H
2NaOH+Cl → NaClO+NaCl+H
このとき、Clは陽極側に、また、Hは陰極側に生成し、Clは同時に生成したNaOHと反応して次亜塩素酸ナトリウムNaClOとなるのである。
【0016】
この反応式から理解できるように、例えば、1000mg/lの有効塩素を発生させようとした場合、必要NaClは1650mg/lであり、3%もの食塩を含む海浜地域に立地したごみ埋め立て地の浸出液では1.8%もの有効塩素を生成する量の食塩が存在することになる。
【0017】
この完全混合型反応槽2では、槽内処理液は十分に攪拌、混合されているので、生成した次亜塩素酸ナトリウムにより原水中COD成分およびNH―Nが次のように分解される。
・COD成分分解
COD成分+NaClO → CO↑+HO+NaCl
・NH―N分解
2NH―N+3NaClO → N+3NaCl+3HO+2H
【0018】
これら反応式が示すように、有効塩素の必要量は、COD成分の分解の場合でCODの4.44倍重量、NH―N分解の場合で7.61倍重量となる。例えば、CODが100mg/l、NH―Nが30mg/lの原水の場合には、次亜塩素酸ナトリウムとして845.2mg/lの有効塩素が理論必要量となる。ところが、原水中には処理の目的成分以外にも有効塩素を消費する成分も含まれており、それらを勘案して理論必要量にプラスαした有効塩素の添加倍率を決定しなければならない。また、CODおよびNH―Nの分解速度の観点からも有効塩素は過剰に添加するほうが分解速度が大きくなるので好ましく、過剰添加によって処理時間を短縮することができる。
【0019】
図3は、COD(易分解性CODと難分解性CODの合計)が130mg/l程度、NH―Nが30mg/l程度の原水(一次処理水b)について有効塩素添加倍率をパラメーターとして処理時間とCOD除去率の関係を調査した結果を示したものであるが、有効塩素の添加倍率を高めたほうが処理時間が短くて済むことがわかる。このように、処理時間および目的成分以外の有効塩素消費量も勘案して有効塩素の添加倍率を決定すべきであるが、通常は原水水質が明確ではないことが多く、完全混合型反応槽2の出口で二次処理水cの残留COD(難分解性COD)と残留塩素濃度とを測定して、有効塩素量を制御することが好ましい。
【0020】
また、第1実施形態では、一次処理水aについて次亜塩素酸ナトリウムが生成する電解処理と、易分解性COD+難分解性CODからなるCODのうちの易分解性CODと、NH―N全量とを前記のように酸化分解する酸化処理とを完全混合型反応槽2で行わせ、残留する難分解性CODについては、後述する後段の二酸化マンガン触媒酸化型反応槽3において分解する方法であるので、全CODの一定倍率以上の有効塩素が必要となる。このアンモニアと全CODの分解に必要な有効塩素と他の塩素消費成分により消費されるプラス有効塩素を賄い、かつ完全混合型反応槽2における易分解性CODとNH―Nの分解速度を向上させるために、過剰な有効塩素を発生させ、完全混合型反応槽2の出口(二次処理水)においてなお有効塩素を残留するよう制御するのである。
【0021】
図4は、図3と同様の原水について、残留塩素濃度とCOD、NH―Nの除去率の関係を示したものであり、また、処理時間との関係についても併記した。
この結果から明かなように、残留塩素が200mg/l程度となるように制御すれば、NH―N除去率はほぼ100%になると同時にCOD除去率も80%程度で平衡に達する。この例では原水の20%程度(30mg/l程度)のCODが難分解性CODとして残留し、同時に200mg/l程度の有効塩素(残留塩素)も残留することになるので、二次処理水cとしてのCODと有効塩素の理論添加倍率を求めると、
200/(30×4.44)=1.50
と計算され、後述する二酸化マンガン触媒酸化型反応槽3の処理条件に合致するので好ましい。
【0022】
以上説明したように、前記した処理を行う完全混合型反応槽2において発生させる有効塩素濃度の制御条件としては、処理槽2出口の二次処理水の残留塩素濃度が含有CODの有効塩素理論必要量の1.5倍以上になるように制御すればよいことになる。この程度の添加倍率であれば、図4にみられるように処理時間も1時間程度でよい。
【0023】
この残留塩素濃度を制御するには、前記電解処理における電解電流を制御すればよい。また、この電解処理を行う上で、消費電力を小さくするには極間電圧を極力低減する必要があるが、食塩濃度を増加させれば極間電圧は低減できるものの、海水由来の埋立地浸出液などでは含有する食塩の濃度は一定であることが多いので、この場合には極間距離を5mm程度以下とし、できるだけ小さくすることが重要である。
【0024】
なお、完全混合型反応槽2では、次亜塩素酸ナトリウム生成の式からも明らかなように、電解装置からは水素等のガスが発生するので、これらを除去しつつ反応を促進するためにも槽内を完全混合型にできる攪拌装置23を設ける。
【0025】
(三次処理)
このようにして完全混合型反応槽2で易分解性CODとNH―Nが除去された二次処理水cは二酸化マンガン触媒酸化型反応槽3へ送られる。この二酸化マンガン触媒酸化型反応槽3には、粒状の電解二酸化マンガンを充填した酸化触媒層31が配設されており、これを処理水が通過する際に、次のように難分解性のCODが分解される。
COD+MnO → CO+HO+MnO
この結果、二酸化マンガンは酸化マンガンに変化するが、共存する次亜塩素酸ナトリウムの作用により、次のように再生される。
MnO+NaClO → MnO+NaCl
この二つの反応が繰り返されることにより難分解性のCOD成分は分解される。
【0026】
この二酸化マンガン触媒酸化型反応槽3における処理条件としては、前述した有効塩素の添加倍率が最も重要であり、その他SV、LVも処理性能に影響を及ぼす。
例えば、図5は、難分解性COD31mg/l残留した完全混合型反応槽の処理水に有効塩素を段階的に添加してその処理性を確認した結果を示したものである。CODに対する有効塩素の添加倍率が1.5倍以上ではCODの除去率が一定しており、この程度の有効塩素の添加倍率で処理限界まで処理が可能になることが分る。
【0027】
一方、SVのCOD処理性能に及ぼす影響について調査したものが図6であり、処理限界まで達するまでの反応が比較的速いことからSVは3/Hr以下であれば処理は十分行われる。
なお、LVについては通常の活性炭吸着などの場合と同様に、200m/日程度以下であれば十分処理は行われる。また、処理温度のCOD処理に及ぼす影響は小さいものの低温下では反応低下の傾向がみられ、高温下では電解により生成した塩素ガスが揮散しやすくなるので、10〜40℃程度で処理を行うのが好ましい。
【0028】
このように本発明では、一次〜三次処理を経て、原水中のCOD成分およびアンモニアが処理される。また、埋め立て地の浸出液では、埋め立て地内部の嫌気雰囲気からくる還元性物質の多く含まれている場合もあるが、これら成分も同様に処理される。なお、二酸化マンガン触媒反応槽3から排出する三次処理水dには残留塩素が多く含まれることから、活性炭処理あるいは亜硫酸ナトリウム等による還元処理工程を二酸化マンガン触媒反応槽3の後段に設置することが好ましい。
【0029】
(第2実施形態)
次に、図2に基づき本発明の第2実施形態を説明する。
この実施形態の要点は、次の3工程からなる点にある。
▲1▼原水を、銅、アルミニウムおよび亜鉛から選ばれた金属単体または2種以上の金属混合物からなる還元触媒に接触させ還元処理する。
▲2▼その原水に含有される食塩を電解法により次亜塩素酸ナトリウムに変換する電解処理を電解槽で行う。
▲3▼原水に含有されるアンモニアとCOD成分の酸化処理を二酸化マンガン触媒酸化型反応槽単独で行う。
【0030】
この第2実施形態を第1実施形態と比較すると、金属触媒還元型反応槽1における還元処理により原水中の亜硝酸と硝酸を還元する処理は双方とも同様であるが、第1実施形態では易分解性のCOD成分とNH―Nを酸化触媒を用いないで分解するのに対して、第2実施形態は、二酸化マンガン酸化触媒の存在下で対象成分を全て処理する方法をとっている。これは第1実施形態における完全混合型反応槽2を削減することにより処理設備をコンパクトにするためである。
【0031】
フローに従って説明すると次のようになる。
(▲1▼還元処理)
この部分は、第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
(▲2▼電解処理)
前記還元処理され窒素酸化物がNH―Nへと変換された還元処理水eは、食塩の電解処理を行う電解槽4に送られる。このとき、原水(還元処理水e)中に食塩が含有されない場合には、食塩濃度が少なくとも0.2%になるよう必要量の食塩溶液が添加される。
なお、この電解槽4における電解反応は、第1実施形態の場合と同様であるので説明を省略する。
【0032】
そして、この電解槽4において、電解により所要量の次亜塩素酸ナトリウムを生成させるのであるが、第1実施形態にように易分解性CODとNH―N全量とを酸化処理する必要がない。従って、電解槽4に流入する原水には、電解により所要量の次亜塩素酸ナトリウムを生成するだけの必要量の食塩が存在すればよいので、第1実施形態にように処理対象の原水全量を電解槽4を流入させ、所要時間滞留させる必要がないから、電解槽4は第1実施形態の完全混合型反応槽2に比較して大幅に小型化できる。この場合、処理対象原水の一部をバイパスライン41で迂回させ、再び電解槽4から流出した電解処理水fと合流、混合させてもよい。
【0033】
(▲3▼アンモニアとCOD成分の酸化処理)
次いで、必要量の次亜塩素酸ナトリウムを含む電解処理水fは、二酸化マンガン触媒型反応槽3に送られ、酸化触媒層31において、電解処理水中のアンモニアと全CODが次亜塩素酸ナトリウムと反応して酸化除去されるのである。
【0034】
図7は、COD(易分解性COD+難分解性COD)が130mg/l程度、NH―Nが30mg/l程度の原水について有効塩素添加倍率を変化させ、そのときの残留塩素とCOD除去率の関係を調査した結果を示したものであるが、残留塩素が120mg/l程度以上でCOD除去は完結しており、二酸化マンガン触媒酸化型反応槽3の出口の酸化処理水gの残留塩素がこの程度の濃度になるように電解装置の電流を制御すればよいことがわかる。そこで、この二酸化マンガン触媒酸化型反応槽3の出口の酸化処理水gの残留塩素を検出して電解槽4における電解装置の電流制御を行い、次亜塩素酸ナトリウムの生成量を調節するのが好ましい。
【0035】
この第2実施形態における二酸化マンガン触媒酸化型反応槽3の処理条件としては、第1実施形態と同様、SV,LV,処理温度があるが、LVおよび処理温度は第1実施形態と同条件でよい(LV=200m/日以下,処理温度=10〜40℃)が、SVについてはより厳しい条件が必要となる。
【0036】
図8は、この二酸化マンガン触媒型反応槽3におけるSVとCOD除去率の関係を示したものであるが、SVが2/Hr以下にしなければ処理の限界まで達しないことが分る。従って、SVについては第1実施形態では3/Hr以下でよいものの、この第2実施形態では2/Hr以下が必要となる。
【0037】
このようにして処理されて二酸化マンガン触媒酸化型反応槽3から流出する酸化処理水gは、通常、残留塩素を含有しており、第1実施形態と同様、残留塩素の除去を行うのが望まい。ただし、NH―N除去を主体とした場合には、残留塩素を10mg/l程度に制御してもNH―Nを高い除去率で除去できるから、そのまま放流することも可能である。
【0038】
以上、詳細に説明したように、第2実施形態では、CODの処理性能は第1実施形態に比較して、やや、低いものの、アンモニアの処理性能は同等である。しかも、処理設備をコンパクトにできる利点とともに、処理水に含有する残留塩素もほぼ半減することもできる利点がある。
【0039】
【実施例】
海浜地区に立地したごみ埋め立て地の浸出液を試料として、1L/Hrの処理速度で本発明を適用した実施例につき、その結果を表1に示す。
この結果によれば、従来の生物処理による比較例に較べて、処理水の水質に優れ、処理システムの安定性、処理所要時間、設備の設置面積、など比較して極めて有利であることが分った。
【0040】
【表1】
Figure 2004255247
【0041】
【発明の効果】
本発明の有機性排水の処理方法は、以上説明したように構成されているので、次にまとめたような優れた効果がある。よって本発明は、従来の問題点を解消した有機性排水の処理方法として、技術的価値はきわめて大なるものがある。
1)高塩類を含む排水について、従来では処理が不安定であった生物処理に換わって、物理化学的処理法で処理することにより処理システム自体がより安定し、不測のトラブルが防止できる。
2)従来の生物処理法では、生物の馴養に長期間を要したり、設備の休止時においても生物の維持が必要であったものが、本発明によって、これらの煩雑さを解消できる。
3)生物処理法では、処理に要する時間は8時間以上であるが、本発明では2〜3時間で済み、設備を従来の1/6程度にまで削減できるから、設備のイニシャルコストおよび敷地面積を大幅に削減できる。
4)排水中のアンモニアだけではなく、窒素酸化物まで除去できるので窒素除去法としてより優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を説明するための要部ブロック図。
【図2】本発明の第2実施形態を説明するための要部ブロック図。
【図3】処理時間、塩素添加倍率とCOD除去率との関係を例示するグラフ。
【図4】完全混合型反応槽での残留塩素濃度に対すると成分除去率と処理時間との関係を例示するグラフ。
【図5】二酸化マンガン触媒型反応槽での有効塩素添加倍率とCOD除去率との関係を例示するグラフ。
【図6】二酸化マンガン触媒型反応槽でのSVがCOD処理性能に及ぼす影響を例示するグラフ。
【図7】二酸化マンガン触媒型反応槽の流出水の残留塩素と除去率との関係を例示するグラフ。
【図8】第2実施形態での二酸化マンガン触媒型反応槽におけるSVとCOD除去率との関係を例示するグラフ。
【図9】金属触媒還元型反応槽でのLVとNOx−N変換率の関係を例示するグラフ。
【図10】金属触媒還元型反応槽でのSVとNOx−N変換率の関係を例示するグラフ。
【図11】金属触媒還元型反応槽でのNOx−N変換率に及ぼす水温の影響を例示するグラフ。
【符号の説明】
1 金属触媒還元型反応槽、11 還元触媒層、2 完全混合型反応槽、21 白金系電極、22 ニッケル系電極、23 攪拌装置、3 二酸化マンガン触媒酸化型反応槽、31 酸化触媒層、a 原水、b 一次処理水、c 二次処理水、d 三次処理水。

Claims (5)

  1. 原水を、銅、アルミニウムおよび亜鉛から選ばれた金属単体または2種以上の金属混合物からなる還元触媒に接触させて還元処理した後、その原水に含有される食塩を電解法により次亜塩素酸ナトリウムに変換する電解処理を行うとともに、発生した次亜塩素酸ナトリウムにより原水に含有されるアンモニアとCOD成分を酸化処理することを特徴とする有機性排水の処理方法。
  2. 請求項1に記載の有機性排水の処理方法において、前記還元処理により原水中の亜硝酸と硝酸を還元する機能を有する一次処理と、前記電解処理と原水中のアンモニアと易分解性COD成分の酸化処理とを並行して行う二次処理と、二次処理で残留した難分解性COD成分を酸化処理する三次処理とを分割して行うことを特徴とする有機性排水の処理方法。
  3. 前記一次処理を金属触媒還元型反応槽、二次処理を完全混合型反応槽、三次処理を二酸化マンガン触媒酸化型反応槽のそれぞれで行う請求項2に記載の有機性排水の処理方法。
  4. 請求項1に記載の有機性排水の処理方法において、食塩を次亜塩素酸ナトリウムに変換する電解処理を電解槽で行うとともに、アンモニアとCOD成分の酸化処理を二酸化マンガン触媒酸化型反応槽単独で行うことを特徴とする有機性排水の処理方法。
  5. 前記二酸化マンガン触媒酸化型反応槽の流入水および流出水の少なくとも一方に含まれる次亜塩素酸ナトリウムの濃度により、電解処理における電解電流を制御する請求項3または4に記載の有機性排水の処理方法。
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