JP2004255161A - ミシン及びミシンの制動機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】 針と加工布を相対的に移動させるパルスモータの駆動力に安定した制動力を作用させることが可能なミシン及びミシンの制動機構を提供する。
【解決手段】 ミシンの制動機構7Dは、パルスモータ5の出力軸16に固定された円筒状の被制動部106を有し磁性体からなる被制動部材100と、円弧状の6個の永久磁石片からなり静止側のケース部材102に付設された制動部材101と、被制動部材100と制動部材101との相対位置を調節するための位置調節機構と、位置調節機構を介してモータケース5aに取り付けられたケース部材102とを備えている。パルスモータ5が回転駆動されると、被制動部材100も回転駆動され、磁性体からなる被制動部106が永久磁石片からなる制動部材101から制動力を受け、この制動力がパルスモータ5に制動力として作用する。
【選択図】 図10

Description

本発明はミシン及びミシンの制動機構に関し、特に、安定した制動が可能なミシン及びミシンの制動機構に関するものである。
従来、ミシンに設けられた制御手段によりパルスモータを制御することで、針と加工布を相対的に移動可能なミシンが提供されている。例えば、ジグザグ縫いなどをする為に針棒を揺動させる針棒揺動機構をパルスモータにより駆動するミシンや、刺繍枠が装着された移動枠をパルスモータにより移動させるミシンなど、種々のミシンが提供されている。
特許文献1には、パルスモータに連結されてパルスモータの出力軸の周りを揺動する針振り駆動腕と、縫針が先端に装着された針棒を支持する針棒支持台とを針棒支持台軸により連結し、針振り駆動腕の揺動を針棒支持台軸を介して針棒支持台に伝達して針棒及び縫針を揺動し、ジクザグ縫い目を縫製するミシンが記載されている。
特許文献2には、パルスモータにより揺動されるリンク部材の一端に連結レバーが連結され、その連結レバーと針棒を上下動可能に支持している針棒支持枠とがシャフトにより連結されたミシンが記載されている。このミシンにおいては、パルスモータにより揺動されたリンク部材の揺動駆動を連結レバー、シャフトにより針棒支持枠に伝達させて針棒及び縫針を揺動してジクザグ縫い目を縫製している。
これらの針棒を揺動させるためのパルスモータは、駆動力の大きなものが適用されることが多い。なぜなら、駆動力の小さなパルスモータにより針棒を揺動させると、パルスモータの立ち上がりが遅いため、揺動駆動する針棒の周期が長くなり、ミシンモータによる針棒の上下方向の往復駆動に追随することができないなどの問題が生じるからである。
特開2001−314673号公報(3頁〜4頁、図1〜図5) 特開平11−159592号公報(5頁〜7頁、図1〜図4)
しかし、針棒の揺動のために大きな駆動力を有するパルスモータを適用すると、立ち上がりは速くなるが、必然的にロータイナーシャが大きくなる(例えば、ホールディングトルク1.568N・mの5相パルスモータにおいて、ロータイナーシャ0.423×10-4kg・m
)。従って、針棒を揺動させるための揺動駆動の両端において、駆動停止が正確な位置で行われないため、縫針の針落ち位置や縫針の揺動幅が安定せず、ジクザグ縫目が不揃いになるなどの問題や、駆動停止直後に反転させることでパルスモータが脱調を起こすなどの問題が生じる。
そこで、特許文献1のミシンでは、針棒支持台軸の中間部に押圧部材を外嵌し、その押圧部材をコイルバネにより針棒支持台軸の方向へ付勢して針棒支持体軸と押圧部材との間で摩擦を生じさせて常時制動することで、所定の駆動停止位置で正確に揺動駆動を停止可能に構成している。一方、特許文献2のミシンでは、リンク部材の他端に板バネを連結することで、板バネによりリンク部材の揺動方向とは逆方向にリンク部材を付勢してリンク部材に中心位置への復元力を与えることで、所定の駆動停止位置で正確に揺動駆動を停止可能に構成している。
しかし、特許文献1のように針棒支持台軸に外嵌させた押圧部材との摩擦により制動するように構成すると、押圧部材と針棒支持台軸とが摩耗し、また、コイルバネにより押圧部材を付勢させているのでコイルバネの劣化により押圧部材と針棒支持台軸との間の摩擦力が変化し、安定した制動を行うことができず、揺動駆動が一定しない。一方、特許文献2においても、板バネの復元力により制動するように構成すると、板バネの劣化により安定した制動を行うことができず、揺動駆動が一定しない。
本発明の目的は、針と加工布を相対的に移動させるパルスモータの駆動力に安定した制動力を作用させることが可能なミシン及びミシンの制動機構を提供することにある。
請求項1に記載のミシンは、針と加工布を相対的に移動させるパルスモータと、パルスモータの駆動力を制動するための制動機構と、ミシンの制御全般を司る制御手段とを備えたミシンにおいて、前記制動機構は、磁束を発生させる為のコイルを有するヒステリシスブレーキからなり、前記制御手段は、前記制動機構を制御してパルスモータの駆動力を制動するものである。
このミシンによれば、制御手段が、制動機構のヒステリシスブレーキに設けられたコイルに電流を流して磁束を発生させ、ヒステリシス効果による制動力によりパルスモータの駆動力を制動する。
請求項2に記載のミシンは、針と加工布を相対的に移動させるパルスモータと、パルスモータの駆動力を制動するための制動機構と、ミシンの制御全般を司る制御手段とを備えたミシンにおいて、前記制動機構は、磁束を発生させる為のコイルを有するパウダブレーキからなり、前記制御手段は、前記制動機構を制御してパルスモータの駆動力を制動するものである。
このミシンによれば、制御手段が、制動機構のパウダブレーキに設けられたコイルに電流を流して磁束を発生させ、パウダを磁化させて連結することでパルスモータの駆動力を制動する。
請求項3に記載のミシンは、針と加工布を相対的に移動させるパルスモータの駆動力を制動するためのミシンの制動機構において、前記パルスモータの出力軸若しくは出力軸に連結された軸部材に固定されフィンを有する回転体と、前記回転体が回転している状態で、回転体に制動力を作用させる粘性流体と、前記粘性流体を収容するケースとを備えたものである。
このミシンの制動機構によれば、針と加工布を相対的に移動させるためにパルスモータが駆動すると、パルスモータの出力軸若しくは出力軸に連結された軸部材に固定されフィンを有する回転体が、ケースに収容された粘性流体内を回転するので、フィンを介して回転体に抵抗力が作用し、その抵抗力により出力軸若しくは軸部材を介してパルスモータの駆動力を制動する。
請求項4に記載のミシンは、針と加工布を相対的に移動させるパルスモータの駆動力を制動するためのミシンの制動機構において、前記パルスモータの出力軸の軸心と同軸に設けられた永久磁石と、前記永久磁石の磁束によりパルスモータの出力軸に制動力を作用させる磁性流体であって磁性粉体が溶解された磁性流体と、前記磁性流体に永久磁石の磁束を導くための磁性体とを備えたものである。
このミシンの制動機構によれば、針と加工布を相対的に移動させるためにパルスモータが駆動すると、パルスモータの出力軸の軸心と同軸に設けられた永久磁石の磁束が磁性体により磁性流体に導かれ、その磁束により磁性流体に溶解された磁性粉体が磁化されて連結するので、パルスモータの出力軸に制動力が作用し、パルスモータの駆動力を制動する。
請求項5に記載のミシンの制動機構は、請求項4に記載のミシンの制動機構において、前記パルスモータの出力軸若しくは出力軸に連結された軸部材に立設された突出片を備え、前記突出片はパルスモータの出力軸若しくは軸部材と共に磁性流体内を回転するものである。
このミシンの制動機構によれば、パルスモータが駆動すると、そのパルスモータの出力軸若しくは軸部材が突出片と共に回転するので、突出片は磁性流体内で磁化されて連結している磁性粉体から抵抗力を受け、その抵抗力が出力軸若しくは軸部材を介してパルスモータの駆動力を制動する。
請求項6に記載のミシンの制動機構は、針と加工布を相対的に移動させるパルスモータの駆動力を制動するためのミシンの制動機構において、前記パルスモータの出力軸に固定された回転体状の被制動部材と、前記被制動部材に非接触にて外嵌され且つ静止側のケース部材に付設された回転体状の制動部材とを備え、前記被制動部材又は前記制動部材の一方が永久磁石からなり、その他方が前記永久磁石による磁力を受ける磁性体からなるものである。
このミシンの制動機構によれば、針と加工布を相対的に移動させるパルスモータの駆動力を制動するためのミシンの制動機構において、パルスモータが回転駆動されると、パルスモータの回転軸に固定された回転体状の被制動部材も共に回転駆動され、この磁性体(若しくは永久磁石)からなる被制動部材は、被制動部材に非接触にて外嵌され且つ静止側のケース部材に付設された回転体状の制動部材であって永久磁石(若しくは磁性体)からなる制動部材から制動力を受け、この制動力が被制動部材が固定されているパルスモータに制動力として作用する。
請求項7に記載のミシンの制動機構は、請求項6に記載のミシンの制動機構において、永久磁石からなる前記制動部材若しくは前記被制動部材が、複数の円弧状部材から構成されているものである。このミシンの制動機構によれば、永久磁石からなる制動部材若しくは被制動部材が複数の円弧状部材によって回転体状に構成されている。
請求項8に記載のミシンの制動機構は、請求項6又は7に記載のミシンの制動機構において、前記制動部材が永久磁石からなるものである。このミシンの制動機構によれば、被制動部材に外嵌され被制動部材より直径の大きい制動部材が永久磁石からなり、この制動部材により、内側で磁性体からなる被制動部材に制動力が作用する。
請求項9に記載のミシンの制動機構は、請求項6〜8に記載のミシンの制動機構において、前記制動部材の前記被制動部材に対する相対位置を調整する為に、前記制動部材の前記出力軸の軸心方向の位置を調節可能な位置調節機構を有する。このミシンの制動機構によれば、位置調節機構により制動部材がパルスモータの出力軸の軸心方向で位置を調節されて、制動部材と被制動部材の相対位置が調整される。
請求項10に記載のミシンの制動機構は、請求項6〜9に記載のミシンの制動機構において、前記ケース部材は、位置調節機構を介してパルスモータのモータケースに取り付けられているものである。このミシンの制動機構によれば、パルスモータのモータケースに位置調節機構を介してケース部材が一体的に取り付けられている。
請求項11に記載のミシンの制動機構は、針と加工布を相対的に移動させるパルスモータの駆動力を制動するためのミシンの制動機構において、パルスモータの出力軸と共に回転され非磁性体からなる回転体状の被制動部材と、前記被制動部材に非接触で外嵌され且つ回転不能に固定された永久磁石からなる回転体状の第1制動部材と、前記被制動部材に非接触で内嵌され且つ回転不能に固定され前記第1制動部材と引き合うような方向に極性を有する永久磁石からなる回転体状の第2制動部材とを備えたものである。
このミシンの制動機構によれば、針と加工布を相対的に移動させるパルスモータの駆動力を制動するためのミシンの制動機構において、パルスモータが回転駆動されると、このパルスモータの出力軸に固定され非磁性体からなる回転対状の被制動部材が回転駆動される。この回転駆動される被制動部材は、被制動部材に非接触で外嵌され且つ回転不能に固定された永久磁石からなる回転体状の第1制動部材と、被制動部材に非接触で内嵌され且つ回転不能に固定され第1制動部材と引き合うような方向に極性を有する永久磁石からなる回転体状の第2制動部材との間に亙って形成された磁力線を横切るように回転されるので、過電流が被制動部材に流れて磁気摩擦が発生し、被制動部材に制動力が作用し、この制動力がパルスモータに作用する。
請求項1に記載のミシンは、パルスモータの駆動力をヒステリシスブレーキにより制動している、即ち、非接触でパルスモータの駆動力を制動しているので、制動機構が破損及び摩耗することがなく、パルスモータの駆動力を安定した状態で制動することができる。
請求項2に記載のミシンは、パルスモータの駆動力をパウダブレーキにより制動している、即ち、パウダを磁化し連結させることでパルスモータの駆動力を制動しているので、制動機構が破損及び摩耗することがなく、パルスモータの駆動力を安定した状態で制動することができる。
請求項3に記載のミシンの制動機構は、回転体を粘性流体の中で回転させているだけなので、回転体が損傷若しくは摩耗することがなく、パルスモータの駆動力を安定した状態で常時制動することができる。ミシンの制動機構の構成を非常に簡単化することができ且つ安価に製造することができる。
請求項4に記載のミシンの制動機構は、永久磁石の磁束により磁化されて連結された磁性粉体によりパルスモータの駆動力を制動しているので、パルスモータの出力軸などが破損若しくは磨耗することがなく、パルスモータの駆動力を安定した状態で常時制動することができる。ミシンの制動機構の構成を簡単化することができ且つ安価に製造することができる。
請求項5に記載のミシンの制動機構は、突出片が連結された磁性粉体から抵抗力を受けるので、更に強い制動力を得ることができる。その他、請求項4と同じ効果を奏することができる。
請求項6に記載のミシンの制動機構によれば、磁性体(若しくは永久磁石)からなる被制動部材は、非接触で外嵌された永久磁石(若しくは磁性体)からなる制動部材から制動力を受けるので、被制動部材若しくは制動部材が摩耗などにより劣化することなく、安定した制動力を被制動部材を介してパルスモータに作用させることができる。
請求項7に記載のミシンの制動機構によれば、複数の円弧状部材により永久磁石からなる制動部材若しくは被制動部材を構成することで、1つの回転体状の部材により永久磁石を構成する場合に比べ、永久磁石の成形を簡単化することができる。
請求項8に記載のミシンの制動機構によれば、外嵌されている制動部材、即ち、被制動部材より直径の大きい制動部材を永久磁石で構成することで、直径の小さい被制動部材を永久磁石で構成する場合に比べ、磁力の大きい永久磁石を適用することができ、大きい制動力を被制動部材を介してパルスモータに作用させることができる。
請求項9に記載のミシンの制動機構によれば、制動部材と被制動部材の相対位置を調節することで、磁性体からなる被制動部材(若しくは制動部材)に作用する磁力線を調節し、被制動部材に作用する制動力を調節することができる。
請求項10に記載のミシンの制動機構によれば、パルスモータのモータケースにケース部材を位置調節機構によって一体的に取り付けることで、ミシンの制動機構を小型化することができる。
請求項11に記載のミシンの制動機構によれば、被制動部材は、非接触で被制動部材に外嵌及び内嵌された第1,第2制動部材から制動力を受けるので、被制動部材及び第1,第2制動部材が摩耗などにより劣化するのことを防ぐことができ、安定した制動力を被制動部材に作用させることができる。
針と加工布を相対的に移動させるパルスモータの駆動力に安定した制動力を作用させることが可能なミシン及びミシンの制動機構を提供するという本発明の目的を達成するために、非接触,流体,粉体により被制動部材に制動力を作用させるように構成することで実現した。
以下、本発明の第1の実施例を図面を参照して説明する。本実施例は、ジグザグ縫いが可能なミシンに本発明の制動機構を適用した場合の例である。尚、図1において紙面手前側に作業者が位置するので、紙面手前側を前方とし、作業者から見て左右を左右とする。
図1,図2に示すように、ミシン1は、針棒3を上下動可能に支持してその針棒3に揺動駆動を伝達するためにヘッド部2に設けられた針棒揺動機構4と、パルスモータ5を有し針棒揺動機構4を介して針棒3を加工布に対して相対的に揺動させるためにアーム部9の後端部に設けられた揺動機構6と、パルスモータ5の駆動力を制動するための制動機構7と、ミシン1の制御全般を司る制御装置8などを備えている。
まず、針棒揺動機構4について説明する。ミシン1のアーム部9の先端部には、揺動機構6の揺動駆動を伝達するシャフト11の先端部に正面視略コ字状の針棒支持枠12が配設され、その針棒支持枠12の左端部に針棒3が上下動可能に支持され、針棒3の下端部には縫針13が装着されている。揺動機構6から伝達された揺動駆動は、軸受14a,14bに摺動可能に支持されたシャフト11を介して針棒支持枠12に伝達されて、縫針13と共に針棒3を左右方向に揺動させる。更に、針棒3と縫針13は、ミシンモータ46(図4参照)を含む針棒上下動機構(図示略)により上下駆動されて、ミシンベッド部(図示略)に設けられた糸輪捕捉用釜との協動により加工布にジグザグ縫目を縫製する。
次に、揺動機構6について説明する。揺動機構6は、パルスモータ5の回転駆動を揺動駆動に変換して針棒揺動機構4に伝達する為のものである。揺動機構6は、前方に延びる出力軸15と後方に延びる出力軸16とを有するパルスモータ5と、出力軸15に固定された駆動レバー17と、中央部やや上方で駆動レバー17にピン18を介して回動可能に連結されたリンク部材19と、一端をリンク部材19の上端にピン20を介して回動可能に連結され他端をシャフト11に連結された連結部材21にピン22を介して回動可能に連結された連結レバー23と、ベースプレート24に固定された枢支軸部材25とを備えている。リンク部材19の下端部には、二股部26が形成され、その二股部26は、前方に延びる枢支軸部材25の枢支部27を摺動可能に嵌合している。
揺動機構6は、パルスモータ5が回転駆動すると、駆動レバー17が出力軸15の軸心の周りを揺動し、その駆動レバー17の回動駆動によりリンク部材19が、二股部26で枢支部27に摺動されつつ、枢支部27を軸心として揺動駆動し、その揺動駆動がリンク部材19の上端部に連結された連結レバー23を介して針棒揺動機構4に伝達されて、図1の実線で示す針棒3の原点位置から左方に位置する左揺動位置Lと原点位置の右方に位置する右揺動位置Rとの間を、縫針13と共に針棒3を揺動させる。
次に、制動機構7について説明する。図2に示すように、制動機構7は、パルスモータ5から後方に延びる出力軸16にカップリング30により連結された軸部材31を制動するヒステリシスブレーキ32からなる。ヒステリシスブレーキ32は一般的なものであるので簡単に説明すると、このヒステリシスブレーキ32は、固定部材33により軸部材31に固定されたヒステリシス特性を有するカップ状の回転子34と、磁束28を発生させるための励磁コイル35と、励磁された磁束28を回転子34に導くための円筒状の1対の磁性体36,37と、軸部材31を受けるための1対の玉軸受け38a,38bと、磁性体36,37や励磁コイル35などを支持する本体部39などを有する。尚、磁束28の矢印の向きは一例であり、逆方向であっても構わない。
1対の磁性体36,37は、図3に示すように、外側の磁性体36の内周側には断面円状の凹部36aが周方向適当間隔に形成され、内側の磁性体37の外周側には凹部36aとは周方向にずれた位置に同様の凹部37aが形成されているので、回転子34を貫く磁束28は周方向適当間隔で強弱が形成される。
制動機構7は、励磁コイル35に電流が流されて磁束28が発生すると、1対の磁性体36,37の凸部36b,37bを貫くように強い磁束28が形成され、その磁束28は周方向適当間隔で強弱が形成されるので、この磁束28の中をヒステリシス特性を有する回転子34が回転すると、ヒステリシスループに基づいて回転子34が磁化され、回転子34に制動トルクが作用するため、その回転子34が固定された軸部材31を介してパルスモータ5の駆動力を制動する。
次に、ミシン1の制御全般を司る制御装置8について、図4を参照して説明する。制御装置8には、CPU40とROM41とRAM42と、これらを接続するバス43等を含むコンピュータ44と、このコンピュータ44に入出力するための入出力インターフェース45と、その入出力インターフェース45に接続されたミシンモータ46を駆動するための駆動回路47と、パルスモータ5を駆動するための駆動回路48と、励磁コイル35を駆動するための駆動回路49等を有する。
入出力インターフェース45には、針棒3を左右方向に揺動するタイミングを決定するために、針棒3の上下位置を検出するための位置検出器50も接続されている。ROM41には、針棒3を揺動させる為の第1針棒揺動プログラムなどが読出し可能に記録されている。RAM42には、位置検出器50から受信した位置データなどの各種データが格納される。
第1針棒揺動プログラムは、パルスモータ5及び励磁コイル35を制御するために制御装置8のコンピュータ44に実行させる為のものである。この針棒揺動プログラムについて図5のフローチャートを参照して説明する。尚、Si(i=10,11,・・・)はステップ番号を示す。
まず、針棒3が右方に位置している状態で、ミシンモータ46が駆動し、位置検出器50により針棒3の揺動タイミングを検出すると(S10)、所定数のパルスをパルスモータ5に送信し(S11)、針棒3を左方に揺動さながら励磁コイル35に電流を流すことで(S12)制動機構7のヒステリシスブレーキ32によりパルスモータ5を制動して、図1に二点鎖線で示す左揺動位置Lで針棒3を停止させ、その左揺動位置Lで縫針13と共に針棒3をミシンモータ46を含む針棒上下動機構により上下駆動させる。次に、位置検出器50により針棒3の揺動タイミングを検出すると(S13)、S11と正負が逆のパルスを所定数パルスモータ5に送信し(S14)、針棒3を右方に揺動させながら、励磁コイル35に電流を流すことで(S15)、制動機構7のヒステリシスブレーキ32によりパルスモータ5を制動して、図1に二点鎖線で示す右揺動位置Rで針棒3を停止させ、その右揺動位置Rで縫針13と共に針棒3をミシンモータ46を含む針棒上下動機構により上下駆動させる。このS10〜S15の処理を繰り返すことでジグザグ縫目が縫製される。尚、最初に針棒3を右方から左方へ揺動させたが、左方から右方へ揺動させてもよい。
次に、第1の実施例の作用及び効果について説明する。この実施例においては、パルスモータ5の駆動力を、ヒステリシスブレーキ32の回転子34が回転することで得られる制動トルクにより制動している。即ち、回転子34と1対の磁性体36,37が非接触の状態で、回転子34が制動トルクを得ているので、制動機構7の構成部材、特に回転子34や1対の磁性体36,37が破損若しくは磨耗することがなく、パルスモータ5の駆動力を安定した状態で制動することができる。制御装置8により、パルスモータ5の駆動力を反転時のみ制動しているので、パルスモータ5及び制動機構7の消費電力を削減することができ、ミシン1の運転コストを削減することができる。ヒステリシスブレーキ32は、励磁コイル35に流される電流と制動力が略比例するので、制御装置8による制御が容易にできる。
次に、この第1の実施例を部分的に変更した変更例について説明する。
1)ヒステリシスブレーキ32は、上記の構成に限定されるものではなく、適宜変更可能である。
2)ヒステリシスブレーキ32による制動を常時制動にしてもよく、このような構成にすることで制御装置8による制御を簡単化することができる。また、パルスモータ5の駆動期間内における所定の駆動終了期間のみ、パルスモータ5の駆動力を制動するようにしてもよい。
3)針振りの大小により、励磁コイル35に流す電流若しくは電圧の大きさを制御し、制動力を調整してもよい。このように制御することで、針振りの小さなときは消費電力を削減することができ、針振りの大きなときは大きな制動力を作用させることでジグザグ縫いの精度を高めることができる。
次に、第2の実施例について図6を参照して説明する。この実施例は、針棒揺動機構4、揺動機構6、制御装置8などは第1の実施例と同じ構成であるので説明を省略し、パルスモータ5の駆動力を制動するための制動機構7Aについてのみ説明する。この制動機構7Aは、パルスモータ5の出力軸16にカップリング30(図2参照)を介して連結された軸部材31aにパウダブレーキ55を設けたものである。
パウダブレーキ55は、一般的なものなので簡単に説明すると、このパウダブレーキ55は、内周部の中央部にパウダ室57が形成された略円筒状の本体部58と、本体部58に内包され磁束63を発生させるための励磁コイル59と、軸部材31aにスプライン結合された磁性体の回転体60と、パウダ室57のパウダが漏れるのを防ぐための1対のシール部材61a,61bと、軸部材31aを受ける1対の玉軸受け56a,56bとを有する。本体部58は、固定部材62によりベースプレート24(図2参照)に固定され、本体部58のパウダ室57と軸部材31aの間の空隙部には、磁性体の粉末が収容されている。
パウダブレーキ55は、励磁コイル59に電流が流されると、図6の点線で示すように磁束63が発生するので、パウダ室57の磁束63に貫かれる位置では、磁性体の粉末であるパウダ同士が連結される。そのため、回転体60と本体部58との間でパウダのリング64が全周に亙って形成されるので、パウダのリング64と本体部58との間、及び、パウダのリング64と回転体60との間で抵抗が生じ、パルスモータ5の駆動力を制動する。
次に、第2針棒揺動プログラムについて簡単に説明する。この第2針棒揺動プログラムは、パルスモータ5及び励磁コイル59を制御するために制御装置8のコンピュータ44に実行させる為のものである。尚、フローチャートについては、第1針棒揺動プログラムと略同様であるため省略する。
まず、針棒3が右方に位置している状態で、ミシンモータ46が駆動して、位置検出器50により針棒3の揺動タイミングを検出すると、所定数のパルスをパルスモータ5に送信して針棒3を左方に揺動させながら、励磁コイル59に電流を流すことで制動機構7のパウダブレーキ55によりパルスモータ5を制動して、図1に二点鎖線で示す左揺動位置Lで針棒3を停止させて、その左揺動位置Lで縫針13と共に針棒3を針棒上下動機構により上下駆動させる。次に、位置検出器50により針棒3の揺動タイミングを検出すると、左方に揺動させたときとは正負が逆のパルスを所定数パルスモータ5に送信し、針棒3を右方に揺動させながら、励磁コイル59に電流を流すことで、制動機構7Aのパウダブレーキ55によりパルスモータ5を制動して、図1に二点鎖線で示す右揺動位置Rで針棒3を停止させ、右揺動位置Rで縫針13と共に針棒3を針棒上下動機構により上下駆動させる。この一連の処理を繰り返すことでジグザグ縫目が形成される。
次に、この第2の実施例の作用及び効果について説明する。制動機構7Aは、パルスモータ5の駆動力を、励磁コイル59が発生させた磁束63により磁性粉体のリング64を形成し、本体部58とパウダのリング64との間、及び、回転体60とパウダのリング64との間に抵抗力を生じさせ、その抵抗力によりパルスモータ5の駆動力を制動するので、パウダブレーキ55の本体部58や回転体60が破損及び磨耗することがなく、パルスモータ5の駆動力を安定した状態で制動することができる。制御装置8によりパルスモータ5の駆動力を反転時のみ制動しているので、パルスモータ5及び制動機構7Aの消費電力を削減することができ、ミシン1の運転コストを削減することができる。パウダブレーキ55は、励磁コイル59に流される電流と制動力が略比例するので、制御装置8による制御が容易にできる。
次に、この第2の実施例を一部変更した変更例について説明する。
1)パウダブレーキ55は、上記の構成に限定されるものではなく、適宜変更可能である
2)パウダブレーキによる制動を常時制動にしてもよく、このような構成にすることで制御装置による制御を簡単化することができる。また、パルスモータ5の駆動期間内における所定の駆動終了期間のみ、パルスモータ5の駆動力を制動するようにしてもよい。
3)針振りの大小により、励磁コイル59に流す電流若しくは電圧の大きさを制御し、制動力を調整してもよい。このように制御することで、針振りの小さなときは消費電力を削減することができ、針振りの大きなときは大きな制動力を作用させることでジグザグ縫いの精度を高めることができる。
次に、第3の実施例について図7,図8を参照して説明する。この実施例は、針棒揺動機構4、揺動機構6などは第1の実施例と同じ構成であるので説明を省略し、パルスモータ5の駆動力を制動するための制動機構7Bについてのみ説明する。この制動機構7Bは、パルスモータ5の出力軸16にカップリング30(図2参照)を介して連結された軸部材31bに4枚のフィン71を有する回転体70をビス70aで固定し、ベースプレート24に固定された円筒状のケース72にシリコンオイルである粘性流体73を収容したものである。
回転体70は、ディスク状の板部74の一部を矩形状に切り起こしてフィン71を周方向90°間隔で形成したものである。ケース72の前後両端部には、粘性流体73の流出を防ぐためのシール75が、軸部材31bに外嵌するように装着されている。制動機構7Bは、パルスモータ5が回転駆動すると軸部材31bが回転体70と共にケース72に充填された粘性流体73の中を回転するので、フィン71が粘性流体73から抵抗力を受け、その抵抗力によりパルスモータ5の駆動力を常時制動する。
次に、この第3の実施例の作用及び効果について説明する。制動機構7Bは、パルスモータ5が駆動すると、回転体70が粘性流体73内で回転し、フィン71が粘性流体73から抵抗力を得て、その抵抗力によりパルスモータ5の駆動力を制動している。従って、回転体70等の制動機構7Bの構成部材が破損若しくは磨耗することなく、パルスモータ5の駆動力を安定した状態で常時制動することができる。制動機構7Bの構成は非常に簡単であり、製造コストを安価にすることができる。
次に、この第3の実施例を部分的に変更した変更例について説明する。
1)回転体70は、上記の実施例に限定されるものではなく、フィン71を斜めに傾斜させてもよい。
2)粘性流体は、シリコンオイルに限定されるものではなく、必要な制動力を得ることができる適当な粘性を有する流体なら、特に限定するものではない。
次に、第4の実施例について説明する。この実施例は、針棒揺動機構4、揺動機構6などは第1の実施例と同じ構成であるので説明を省略し、パルスモータ5の駆動力を制動するための制動機構7Cについてのみ説明する。制動機構7Cは、固定部材90を介してベースプレート24に固定されパルスモータ5の出力軸16にカップリング30(図2参照)を介して連結された軸部材31cを回動可能に内嵌する非磁性体のケース80と、そのケース80の内部に内嵌されパルスモータ5の出力軸16の軸心と同軸に設けられた円筒状の永久磁石81と、永久磁石81と軸部材31cとの間に嵌合された非磁性体82と、軸部材31cの外周部に形成され磁性粉体が溶解された磁性流体83と、磁性流体83が充填される磁性流体室84と、ケース80に回転不能に固定され永久磁石81の磁束85を磁性流体室84に導くための円筒状の磁性体86とを有する。ケース80の前後両端部と非磁性体82の前端部には、磁性流体83が流出するのを防ぐためのシール87が設けられている。軸部材31cには、磁性流体室84に対応する位置に周方向適当間隔で矩形状の8枚の突出片88が立設されている。尚、磁束85の矢印の向きは一例であり、逆方向であっても構わない。
制動機構7Cは、図9に点線で示すように、永久磁石81の磁束85が磁性体86により磁性流体室84に導かれ、その磁束85により磁性流体83に溶解している磁性粉体が連結されて軸部材31の外周部に磁性粉体のリング89が形成される。この状態でパルスモータ5を回転駆動すると、磁性粉体のリング89は、磁性体86と軸部材31cを連結するように形成されるので、この連結により磁性体86と磁性粉体のリング89との間、及び、軸部材31cと磁性粉体のリング89との間に抵抗が生じ、パルスモータ5の駆動力を制動する。また、軸部材31cに設けられた突出片88が軸部材31cと共に磁性流体83内を回転し、磁性流体室84に形成された磁性粉体のリング89に当接するので、軸部材31cに抵抗が作用し、パルスモータ5の駆動力を制動する。
次に、第4の実施例の作用及び効果について説明する。制動機構7Cは、永久磁石81の磁束85により磁化されて連結した磁性粉体が軸部材31cの外周部を覆うリング89になり、磁性体86と磁性粉体のリング89との間、及び、軸部材31cと磁性粉体のリング89との間で抵抗力を生じさせ、その抵抗力によりパルスモータ5の駆動力を制動しているので、軸部材31c等の制動機構7Cの構成部材が破損若しくは磨耗することがなく、パルスモータ5の駆動力を安定した状態で常時制動することができる。この制動機構7Cは、軸部材31cに設けられた突出片88が磁性粉体のリング89から抵抗力を受けるので、更に、強い制動力を得ることができる。尚、軸部材31cに設けられた突出片88は省略してもよい。制動機構7Cは、構成が非常に簡単なため、製造コストを安価にすることができる。
次に、第5の実施例について説明する。この実施例は、針棒揺動機構4、揺動機構6、制御装置8などは第1の実施例と同じ構成であるので説明を省略し、パルスモータ5を支持する支持機構と、パルスモータ5の駆動力を制動するための制動機構7Dについてのみ図10〜図14を参照して説明する。
まず、パルスモータ5の支持機構について説明する。図10,図11に示すように、パルスモータ5は、ベースプレート4に固定された前側取付板95と、この前側取付板95に2本の支持棒96により連結されたディスク状の後側取付板97とに前後方向から挟持されて支持されている。図11に示すように、後側取付板97には、後述するケース部材102の2枚の部分円筒片112a,112bの切れ目から外側へ伸び、支持棒96が固定される2本の枝部98a,98bが一体的に設けられている。
制動機構7Dは、被制動部材100と、制動部材101と、ケース部材102と、位置調整機構103などを備えている。被制動部材100は、磁性体である鉄で回転体状に構成されている。被制動部材100は、パルスモータ5の出力軸16に外嵌され、ビス105によって固定されている。被制動部材100の前側には、制動部材101から制動力を受ける円筒状の被制動部106が一体的に形成されている。被制動部材100の後側は、前側に比べやや小径に形成され、制動部材101と共にケース部材102を前後にガイドするガイド部107が形成されている。
図13に示すように、制動部材101は、部分円弧状の永久磁石片108(円弧状部材)であって、内周側がN極,外周側がS極の6個の永久磁石片108からなる。これらの6個の永久磁石片108はケース部材102の内周面に磁力によって付設され円筒状に構成されている。制動部材101は、被制動部106に非接触で外嵌され、制動部材101の内周面と被制動部106の外周部との間には、1mm以下の隙間が全周に亙って形成されている。
図10〜図12に示すように、ケース部材102は、制動部材101などを収容可能な円筒状の円筒部111と、パルスモータ5に外嵌される2枚の部分円筒片112a,112bと、ガイド部107に軸受113と被ガイド部材114を介して前後方向に移動可能に支持される支持部115とを有する。部分円筒片112bの外周側には、ケース部材102を前後方向に位置調節するための長穴116が形成されたスライド部117が一体的に設けられている。
パルスモータ5が回転駆動されると、パルスモータ5の出力軸16に装着された被制動部材100も共に回転駆動される。回転駆動される被制動部106は、制動部材101の磁力線が被制動部材106を貫くので、被制動部材106に誘導起電流が発生し、この誘導起電流が流れることで、被制動部材100の運動エネルギーが熱エネルギーに変換、即ち、被制動部材102に制動力が作用し、この制動力が被制動部材100を介してパルスモータ5に制動力として作用する。
位置調節機構103は、ケース部材102を後側取付板97を介してモータケース5aに取り付けるためのものであって、また、ケース部材102や制動部材101出力軸16の軸心方向に移動させて制動部材101と被制動部材100の相対位置を調節するためのものである。位置調節機構103は、後側取付板97の枝部98aにビス119で固定された連結板120と、スライド部117の長穴116に挿通され連結板120とスライド部117を連結するスライドネジ121とを備えている。連結板120の上端部には、水平方向に延びる水平板部122が形成され、この水平板部122にはスライドネジ121が挿通されるネジ孔(図示略)が形成されている。
縫製時など、ケース部材102及び制動部材101などを前後方向にスライド不能に固定する場合には、ネジ孔に挿通されたスライドネジ121と水平板部122によりスライド部117が挟持されて固定される。一方、パルスモータ5への制動力を調整するために、ケース部材102及び制動部材101を前後方向にスライドさせる場合には、スライドネジ121が緩められて、スライドネジ121と水平板部122によるスライド部117の固定が解除される。図14に示すように、この状態でガイド部107及び後側取付板97に固定されたガイドディスク123によってケース部材102がガイドされつつ、ケース部材102と共に制動部材101が、前後方向にスライドされて被制動部材100との相対位置が位置調節され、所望の位置でスライドネジ121が締められてケース部材102が固定される。即ち、制動部材101と被制動部材100との前後方向における重なる領域が調節されることになり、制動部材101から受ける被制動部材100の制動力が調節される。
次に、実施例5の作用及び効果について説明する。この制動機構7Dは、制動部材101と被制動部材100とが接触することなく、制動部材101が被制動部材100に制動力を作用させるので、破損や摩耗などによる制動部材101や被制動部材100の劣化を防ぐことができ、常に安定した制動力をパルスモータ5に作用させることができる。外周側に設けられている制動部材101を永久磁石片108により構成したので、内周側に設けられている被制動部材100を永久磁石片で構成する場合に比べ、大きな制動力を被制動部材100に作用させることができる。
この制動機構7Dは、位置調節機構103によって制動部材101と被制動部材100との前後方向で重なる領域を調節することで、被制動部材100に作用する制動力、即ち、パルスモータ5に作用する制動力を所望の大きさにすることができる。ケース部材102は、位置調節機構103を介してパルスモータ5のモータケース5aに装着されているので、制動機構7Dの小型化を実現することができる。
次に、実施例5を部分的に変更した変更例について説明する。
1)上述の実施例においては、制動部材101を永久磁石片108により構成したが制動部材を磁性体で構成し、被制動部材を永久磁石片で構成し、被制動部材の磁性が作用するように所定間隔を空けて制動部材を外嵌するように構成してもよい。
3)永久磁石片108の代わりに、電磁石を用いてもよい。
4)被制動部材を電磁石、制動部材を永久磁石(若しくはその逆)で構成しても良い。但し、このように構成する場合には、被制動部材に制動力が作用するように電磁石を制御しなければならない。
5)上述の実施例においては、6個の永久磁石片108で制動部材101を構成したが、永久磁石片の数は6個に限定されるものではなく、例えば、1個の円筒状の永久磁石により構成してもよく適宜変更可能である。
6)上述の実施例においては、永久磁石片108がN極が内周側になるように構成したが、外周側がN極となるように構成してもよい。また、永久磁石片の半分をN極が内周側に向くように構成し、半分をS極が内周側に向くように構成し、これらの磁石を周方向に交互に配設してもよい。
次に、実施例6について説明する。この実施例は、針棒揺動機構4、揺動機構6、制御装置8などは第1の実施例と同じ構成であるので説明を省略し、パルスモータ5の駆動力を制動するための制動機構7Eについてのみ図15〜図16を参照して説明する。
図15,図16に示すように、制動機構7Eは、被制動部材130と、第1制動部材131と、第2制動部材132と、ミシン1に固定されたケース部材133とを備えている。被制動部材130は、非磁性体からなりパルスモータ5の出力軸16に固定されるリング状の固定部130aと、円筒状の被制動部130bとを有する。第1制動部材131は、円筒状の永久磁石からなり、所定間隔空けて被制動部130bに外嵌されてケース部材133に回転不能に固定されている。図16に示すように、第1制動部材131の極性は、内周側がN極、外周側がS極となるように構成されている。第2制動部材132は、円筒状の永久磁石からなり、所定間隔空けて被制動部130bに内嵌されてケース部材133に回転不能に固定されている。図16に示すように、第2制動部材131の極性は、内周側がN極、外周側がS極、即ち、第1制動部材131と引き合うよう方向に極性が構成されている。
パルスモータ5の出力軸16が回転駆動されると、出力軸16に固定された被制動部材130も共に回転駆動される。回転駆動される被制動部材130の被制動部130bは、第1制動部材131の内周側から第2制動部材132の外周側へ延びる磁束を横切るように回転することになるので、表面に過電流が流れ、第1制動部材131と被制動部130b及び第2制動部材132と被制動部130bとの間に磁気摩擦が発生し、この磁気摩擦が被制動部材130が固定されているパルスモータ5に制動力として作用する。
このように制動機構7Eは、1対の直径の異なる円筒状の永久磁石である第1,第2制動部材131,132の間に所定間隔を空けて被制動部130bを嵌入するだけの簡単な構造で制動力をパルスモータ5に作用させることができる。また、被制動部130bは、第1,第2制動部材131,132から接触することなく制動力を得ることができるので、摩耗などによる制動力の低下などがなく、安定した制動力を得ることができる。
尚、上述の実施例において、第1,第2制動部材131,132の永久磁石の磁性の向きを内周側がN極となるように構成したが、第1,第2制動部材131,132の永久磁石の磁性の向きを外周側がN極となるように構成してもよい。
次に第1〜第5の実施例を部分的に変更した変更例について説明する。
1)上述した実施例においては、揺動機構6のパルスモータ5に設けられているが、加工布を支持する支持枠を移動させる移動枠を駆動するためのパルスモータに制動機構7,7A,7B,7Cを設けてもよい。
2)出力軸15を長くし、出力軸15に制動機構7,7A,7B,7C,7Dを取り付けてもよい。このように構成することで、ミシン1の内部構成を小型化することができる
3)制動機構7,7A,7B,7Cによるパルスモータ5の駆動力の制動を針棒3の揺動の両端部のみならず、縫製終了時などに原点で停止させるときにも、制動機構7,7A,7B,7Cによる制動を行ってもよい。
本発明は以上説明した実施例に限定されるものではなく、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、前記実施例に種々の変更を付加して実施をすることができ、本発明はそれらの変更例をも包含するものである。
本発明の実施例1に係るミシンの正面図である。 図1におけるII−II線の断面図である。 図2におけるIII−III線の断面図である。 制御装置の概略構成のブロック図である。 揺動制御プログラムのフローチャートである。 第2の実施例の制動機構の断面図である。 第3の実施例の制動機構の断面図である。 回転体の正面図である。 第4の実施例の制動機構の断面図である。 第5の実施例の制動機構の断面図である。 第5の実施例の制動機構の後面図である。 第5の実施例の制動機構の部分平面図である。 図10におけるXIII−XIII線の断面図である。 位置調節を説明する図10相当図である。 第6の実施例の制動機構を説明する断面図である。 図15におけるXVI−XVI線の断面図である。
符号の説明
1 ミシン
5 パルスモータ
7,7A,7B,7C,7D,7E 制動機構
8 制御装置
13 縫針
15,16 出力軸
28 磁束
31,31a,31b,31c 軸部材
32 ヒステリシスブレーキ
35 励磁コイル
55 パウダブレーキ
59 励磁コイル
63 磁束
70 回転体
71 フィン
72 ケース
73 粘性流体
80 ケース
81 永久磁石
83 磁性流体
85 磁束
86 磁性体
88 突出片
100 被制動部材
101 制動部材
102 ケース部材
103 位置調節機構
108 永久磁石片
130 被制動部材
131 第1制動部材
132 第2制動部材



Claims (11)

  1. 針と加工布を相対的に移動させるパルスモータと、パルスモータの駆動力を制動するための制動機構と、ミシンの制御全般を司る制御手段とを備えたミシンにおいて、
    前記制動機構は、磁束を発生させる為のコイルを有するヒステリシスブレーキからなり、
    前記制御手段は、前記制動機構を制御してパルスモータの駆動力を制動することを特徴とするミシン。
  2. 針と加工布を相対的に移動させるパルスモータと、パルスモータの駆動力を制動するための制動機構と、ミシンの制御全般を司る制御手段とを備えたミシンにおいて、
    前記制動機構は、磁束を発生させる為のコイルを有するパウダブレーキからなり、
    前記制御手段は、前記制動機構を制御してパルスモータの駆動力を制動することを特徴とするミシン。
  3. 針と加工布を相対的に移動させるパルスモータの駆動力を制動するためのミシンの制動機構において、
    前記パルスモータの出力軸若しくは出力軸に連結された軸部材に固定されフィンを有する回転体と、
    前記回転体が回転している状態で、回転体に制動力を作用させる粘性流体と、
    前記粘性流体を収容するケースとを備えたことを特徴とするミシンの制動機構。
  4. 針と加工布を相対的に移動させるパルスモータの駆動力を制動するためのミシンの制動機構において、
    前記パルスモータの出力軸の軸心と同軸に設けられた永久磁石と、
    前記永久磁石の磁束によりパルスモータの出力軸に制動力を作用させる磁性流体であって磁性粉体が溶解された磁性流体と、
    前記磁性流体に永久磁石の磁束を導くための磁性体と、
    を備えたことを特徴とするミシンの制動機構。
  5. 前記パルスモータの出力軸若しくは出力軸に連結された軸部材に立設された突出片を備え、
    前記突出片はパルスモータの出力軸若しくは軸部材と共に磁性流体内を回転することを特徴とする請求項4に記載のミシンの制動機構。
  6. 針と加工布を相対的に移動させるパルスモータの駆動力を制動するためのミシンの制動機構において、
    前記パルスモータの出力軸に固定された回転体状の被制動部材と、
    前記被制動部材に非接触にて外嵌され且つ静止側のケース部材に付設された回転体状の制動部材とを備え、
    前記被制動部材又は前記制動部材の一方が永久磁石からなり、その他方が前記永久磁石による磁力を受ける磁性体からなることを特徴とするミシンの制動機構。
  7. 永久磁石からなる前記制動部材若しくは前記被制動部材が、複数の円弧状部材から構成されていることを特徴とする請求項6に記載のミシンの制動機構。
  8. 前記制動部材が永久磁石からなることを特徴とする請求項6又は7に記載のミシンの制動機構。
  9. 前記制動部材の前記被制動部材に対する相対位置を調整する為に、前記制動部材の前記出力軸の軸心方向の位置を調節可能な位置調節機構を有することを特徴とする請求項6〜8の何れかに記載のミシンの制動機構。
  10. 前記ケース部材は、位置調節機構を介してパルスモータのモータケースに取り付けられていることを特徴とする請求項6〜9の何れかに記載のミシンの制動機構。
  11. 針と加工布を相対的に移動させるパルスモータの駆動力を制動するためのミシンの制動機構において、
    パルスモータの出力軸と共に回転され非磁性体からなる回転体状の被制動部材と、
    前記被制動部材に非接触で外嵌され且つ回転不能に固定された永久磁石からなる回転体状の第1制動部材と、
    前記被制動部材に非接触で内嵌され且つ回転不能に固定され前記第1制動部材と引き合うような方向に極性を有する永久磁石からなる回転体状の第2制動部材とを備えたことを特徴とするミシンの制動機構。




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