JP2004255038A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】中央装置16の下部には略平面状のステージ70が形成されており、ワープ口から入球した遊技球は出口72から出て曲面74を転動しステージ70に至り、ステージ70の前部には矩形の窪みである貯留部80に貯留される。貯留部80の前部は開放可能な前板82となっており、通常は閉じている。普通図柄が当たる場合には、第一種始動口の翼片が開くタイミングで前板82が開放され、(b)の状態になる。すると、貯留部80内に貯留されていた遊技球76cが前方へ転動し、下方へ落下し第一種始動口17に達する。翼片が開いていれば、貯留部80に貯留されていた遊技球76cは、ほぼ確実に第一種始動口17に入る。
【選択図】 図12
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技機に関し、特にセブン機と呼ばれる弾球遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の弾球遊技機として、いわゆるフィーバー機、権利物、あるいはアレンジ等と呼ばれる種々のゲーム内容のものが普及している。このうち、フィーバー機は、始動入賞口に遊技球が入賞または通過すると、可変表示装置に図柄を変動表示させる。その可変表示装置の表示状態が特定のものとなった場合、例えば、大当り時には、まずリーチ表示を行い、そして3つの表示部に表示される図柄の組合わせが「777」等の特定のゾロ目の組合わせになった場合に、大入賞口が開放されるように構成されている。大入賞口は、所定個数の遊技球が入賞するか所定時間が経過することにより一旦閉鎖されるが、上記開放中において大入賞口内に形成された特定領域を遊技球が通過していれば再び開放し、この開放及び閉鎖の動作を最大16回繰り返す(いわゆる特別遊技)ように構成されている。
【0003】
始動入賞口の両脇には1対の翼片が立設されており、普通図柄として特定の図柄が表示されると、翼片が開放して、遊技球が始動入賞口に入るのを補助するようにされている(例えば、特許文献1)。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−323428号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術によれば、通常状態において翼片が開放するのは一瞬であり、実際には遊技球はなかなか入らない。遊技者の中には翼片が開くのを待って遊技球を打つ者もおり、これでは遊技機の稼働率が下がってしまう。
【0006】
本発明はかかる課題と上記事実に鑑みてなされたもので、遊技者が容易に遊技球を始動入賞口に入れることができる遊技機を提供することにある。
本発明の他の目的は、遊技機の稼働率が下がるのを防止することにある。
本発明の他の目的は、遊技者に一層有利な遊技機を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
かかる課題を解決するためになされた請求項1に記載の遊技機は、遊技領域が形成された遊技盤と、前記遊技盤に設けられ、複数種類の識別情報からなる図柄を変動表示可能な可変表示手段と、前記遊技盤に設けられた特定入賞口と、前記可変表示手段に特定の図柄が表示されると開放して前記特定入賞口への遊技球の入球を容易にする翼片とを備えた遊技機において、前記特定入賞口より上方に配置され、遊技球を貯留する貯留部と、該貯留部に貯留された遊技球の貯留状態を保持する貯留保持手段と、前記翼片が開放するタイミングと同調して、前記貯留部に貯留された遊技球を排出する貯留球排出手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
このように構成された遊技機によれば、貯留部に貯留された遊技球を、貯留球排出手段が、翼片が開放されるタイミングに同調して排出するので、特定入賞口(例えば、始動入賞口)へ入賞するという期待が大きくなる。
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の遊技機において、前記貯留球排出手段は、前記翼片が開放されない場合にも、前記貯留部に貯留された遊技球を排出するものであることを特徴とする。
【0009】
例えば、特定の図柄が可変表示手段に表示されなかった場合でも特定の図柄以外の図柄が表示されたとき翼片を開放してもよい。このように構成された遊技機によれば、翼片が開放されない場合にも、貯留部に貯留された遊技球が排出されるので、遊技者はこの遊技球が排出される都度、貯留部に遊技球を貯留する必要に迫られ、遊技機の稼働率が改善される。また、遊技球が長時間に渡って遊技盤上に貯留される状態を防止することができる。すなわち、翼片が開放されないと遊技球を排出しない構成とすると、既に発射球がなくなった場合にも遊技球が遊技盤上に貯留されたままとなる状態を想定できる。そのような不具合を防止するため、例えば、所定時間の経過や所定条件の成立をもって、翼片の開放がなくとも遊技球を排出するようにしたほうが良い。
【0010】
なお、発射球がなくなり、普通図柄保留の消化を残すのみとなった場合、遊技者がその抽選結果を待つこととなる。普通図柄の抽選の結果、当選した場合は、貯留部が開放し、貯留されていた遊技球が始動入賞し特別図柄が変動する。特別図柄が大当たりとなった場合は特別遊技状態となる。その場合、前記始動口の入賞賞球から特別遊技状態を消化することができる。したがって、敗北から一気に勝利感を味わうことができる。また、たとえ普通図柄が大当たりとならない場合でも、前記記載の勝利への期待感があるので、遊技者は発射球が無くなった場合でも、すぐに席を立たずに、普通図柄の抽選結果に期待することとなる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を示す実施例について図面に基づいて説明する。
ここでは遊技機として、いわゆるセブン機と呼ばれるタイプの第一種パチンコ機(弾球遊技機)を例に取り、その構造について図1〜図3を参照して説明する。
【0012】
パチンコ機1の前面部は、主として本体枠2と、中枠3と、前面枠4と、上皿部5と、下皿部6と、施錠装置7とから構成されている。本体枠2は、木製の板状体を略長方形の額縁状に組立て固着したものである。中枠3は、全体がプラスチック製で、枠体部(図示略)と下板部(図示略)とを有し、本体枠2に対して開閉可能に軸支されている。中枠3の右端中央には施錠装置7が設けられ、施錠装置7は、正面視すると鍵穴を備えた略長方形状を呈し、前面枠4を閉鎖した場合に施錠するためのものである。
【0013】
ここで枠体部は、上端から下方へ中枠3全体の略2/3程度に略長方形の額縁状に形成され、上端部には、前面枠4の略三角形状の枠飾りLED用レンズ4c,4eに対応して、左側に賞球表示LED(図示略)及び賞球表示LED基板4d(図5参照)が、右側にストップ表示LED(図示略)及びストップ表示LED基板4f(図5参照)が配設されている。
【0014】
また、下板部は、下端から上方へ中枠3全体の略1/3程度を占め、左端には、上皿部5に形成されたスピーカー面5aに対応すべく、遊技状態に応じた効果音その他の音(音声)を発生させるスピーカー400a(図5参照)が配設され、略中央には、遊技球を発射する発射装置ユニット(図示略)に対し、上皿部5に貯留された遊技球を供給する供給装置等(図示略)が設けられている。
【0015】
さらに、下板部の下方には、灰皿や玉抜きレバー等を備えた下皿部6が設けられ、下皿部6の略中央には、パチンコ機1の内部から遊技球を排出するための排出口6aが開設され、右端に発射装置ユニット(図示略)を操作する発射ハンドル9が設けられている。また、この発射ハンドル9には、遊技者がタッチしていることを検出するタッチスイッチ9aが装着され、その近傍には、発射停止を一時的に指令する発射停止スイッチ9bが配置されている。
【0016】
前面枠4は、図1及び図2に示すように、全体がプラスチック製であり、遊技盤10(図3参照)を前方から視認するべく、遊技盤10に形成された遊技領域11(図3参照)の形状に対応して略円周状に開設された開口部4aを有している。そして、その裏面には、開口部4aに応じてガラス板4rが嵌められた略長方形状のガラス枠4s(図2参照)が装着されている。尚、本実施例では、ガラス枠4sが、前面枠4の裏面に装着され、このガラス枠4sによって、ガラス板4rの周縁部が保持されている。そして、遊技者を基準とすれば、遊技盤10に形成された遊技領域11は、ガラス板4rの後方に形成されている。尚、前面枠4の前面側にガラス枠4sを装着し、前面枠4の前面側で、ガラス板4rを保持してもよい。また、ガラス板4r以外の透明板(例えば、透明な樹脂板)を、前面枠4に装着された透明板枠で保持することもできる。
【0017】
また、この前面枠4は、パチンコ機1の前面全体の約2/3のサイズを占め、中枠3の左端に軸着され開閉可能に形成されている。さらに、上端部には、枠飾りランプ用レンズ4bも設けられ、この枠飾り用レンズ4b内部には、開口部4a上端の円弧部分に沿って、枠飾りランプ基板4g(図5参照)及び複数個の遊技効果ランプ(図示略)が配設されている。
【0018】
上皿部5は、前面枠4の下側で、中枠3の左端に軸着され開閉可能に形成されている。皿外縁部5bには、球抜きボタンや遊技球の貸出・返却ボタン等が配設されている。また、上皿部5には、パチンコ機1の内部から遊技球を排出するための排出口5cが開設されている。左端には、複数の長孔を有するスピーカー面5aが形成され、その裏面には、音量スイッチ基板12(図5参照)が設けられている。パチンコ機1の左端側には、プリペイドカードユニット13が装着されている。
【0019】
次に、本実施形態の遊技盤10の表面構造について図3を参照して説明する。遊技盤10は、略長方形の木製の板状体であって中枠3(図1及び図2参照)に保持されるとともに、後述する裏機構盤102(図4参照)によりその背面側が覆われている。遊技盤10には、遊技盤10の表面に設けられた外レール14と内レール15とにより略円形状の遊技領域11が形成され、遊技領域11内には、中央装置16と、第一種始動口(普通電動役物)17と、変動入賞装置18と、左入賞口19、右入賞口20、左下入賞口21、右下入賞口22と、多数の障害釘23と、一対のランプ風車24、25等が配設されている。
【0020】
中央装置16は、遊技領域11の略中央部に配置され、センター役物26と、液晶ディスプレイに様々な図柄を表示する表示装置27と、ランプ装置800、850とを備えている。
センター役物26は、表示装置27の前面周辺部に額縁状に突設して装着されており、上方に配置される上方突出部261と、下方に配置されるステージ262と、左右両側方に配置される側方突出部263,264とを備えている。尚、このセンター役物26には、上方突出部261若しくは側方突出部263,264の球受口(図示を省略)で受け入れた遊技球を、ステージ262上に導くための通路(ワープ通路)が設けられている(図示を省略)。
【0021】
普通図柄表示装置32は、中央装置16の上部中央に配置されている。普通図柄表示装置32は、1〜9の奇数数字を変動表示させるもので、普通図柄作動ゲート36、37のいずれかを遊技球が通過することにより変動して、所定時間経過後に1種類の奇数数字が停止表示される。そして、例えば「7」で停止表示すると、第一種始動口(普通電動役物)17が所定時間(例えば、0.5秒)開放される。なお、普通図柄表示装置32の上部両脇には遊技球が入るワープ入口があり、ここに入った遊技球は中央装置16の下部のステージ(後述)に誘導される。
【0022】
普通図柄作動ゲート36、37は中央装置16の左右斜め下方に、それぞれ設けられ、この左右の普通図柄作動ゲート36、37内に左、右普通図柄作動ゲート検知スイッチ36s、37s(図5参照)が配設されている。そして、遊技球の普通図柄作動ゲート通過検知スイッチ36s、37sのいずれかの通過により、普通図柄表示装置32が変動表示する。
【0023】
普通図柄保留表示LED32bは、4個の丸形の赤色LEDで構成され、7セグメント表示器32aの左右両側に近接して配置されている。これは、左右の普通図柄作動ゲート36、37を通過した遊技球の数を4個まで保留とし、通過ごとに順次点灯しシフト表示するものである。次の7セグメント表示器32aの変動表示が開始するたびに、未始動回数が消化され、1個の普通図柄保留表示LED32bは消灯される。
【0024】
特別図柄保留表示LED16aは、センター役物26の上部であって、普通図柄表示装置32の左右両側に2個ずつに分けて並列状に配置され、4個の赤色LEDで構成されている。これは、第一種始動口(普通電動役物)17に入球した遊技球の数を4個まで保留とし、入球ごとに順次点灯しシフト表示するものである。次の特別図柄の変動が開始するたびに、未始動回数が消化され、1個の特別図柄保留表示LED16aは消灯される。
【0025】
第一種始動口(普通電動役物)17は、中央装置16の中央位置の下方に離れて配設されている。第一種始動口(普通電動役物)17は、いわゆるチューリップ式で左右に一対の翼片部が開閉するべく形成され、その前面に飾りを備えて後述する基板34に取り付けられている。内部には、遊技球の通過を検知する第一種始動口(普通電動役物)入賞検知スイッチ17s(図5参照)と、翼片17aを作動させるための第一種始動口(普通電動役物)ソレノイド17c(図5参照)とが備えられている。この一対の翼片17aが左右に開くと、遊技球の入球可能性が大きくなる開放状態となり、一対の翼片17aが立設され、遊技球の入球可能性が小さくなる通常状態となる。
【0026】
変動入賞装置18は、上記第一種始動口(普通電動役物)17の下方に配設されており、前面側が略逆台形状に形成された基板34に、大入賞装置31と、左下入賞口21と右下入賞口22とを備えている。ここで、大入賞装置31は、略中央に形成され、帯状に開口された大入賞口311と、この大入賞口311を開放・閉鎖する開閉板312と、この開閉板312を開閉するための大入賞口ソレノイド313(図5参照)と、大入賞口311に入賞した後に遊技球が通過する特定領域(V入賞口及び一般入賞口/図示略)と、連動杆(図示略)と、入賞球を検知する入賞球検知スイッチ318(図5参照)と、裏箱(図示略)と、大入賞口中継基板(図示略)とから主に構成されている。
【0027】
また、左下入賞口21は、第一種始動口(普通電動役物)17の略真横の左側に配設されて、内部に左下入賞口通過検知スイッチ21s(図5参照)が設けられている。そして、この左下入賞口21の下方には複数個の左下入賞口LED223〜225が左下入賞口LED基板21f(図5参照)に取り付けられ、飾りレンズによって被覆されている。さらに、右下入賞口22は、第一種始動口(普通電動役物)17の略真横の右側に配設されて、内部に右下入賞口通過検知スイッチ22s(図5参照)が設けられている。
【0028】
変動入賞装置18の左右斜め上方には、左入賞口19及び右入賞口20がそれぞれ配設されている。そして、その内部にはそれぞれ、左入賞口通過検知スイッチ19s(図5参照)、右入賞口通過検知スイッチ20s(図5参照)が設けられている。さらに、遊技領域11の左右両端部には、一対のサイドランプ38、39がそれぞれ縦円弧状で相対称状に配設されている。なお、多数の釘23は、以上説明した各遊技装置との位置バランスを考慮して、遊技領域11にパチンコ遊技に適するべく、配設されている。
【0029】
遊技盤10の下方にはアウト口48が設けられ、そのアウト口48の下部にはバック球防止部材58が設けられており、遊技領域11に到達せず戻ってきた遊技球が再び発射位置に戻ることを防止している。一方、ファール球防止部材59は、内レール15の先端部に取り付けられ、返しゴム60は、ファール球防止部材59の位置とは略正反対側の、遊技盤10の右半分側の位置であって、外レール14に沿って嵌合状に取り付けられている。
【0030】
次に、本実施例のパチンコ機1の裏面構造について図4を参照して説明する。前面枠4(図1及び図2参照)は中枠3にあって、前面枠4の上下端の位置に設けられた一対のヒンジ101により、開閉可能に支持されている。裏機構盤102は中枠3にあって裏機構盤102の上下端の位置に設けられた一対のヒンジ103により、開閉可能に支持されている。遊技盤10(図3参照)は中枠3の表面側に着脱可能に取り付けられている。上端側にあるヒンジ101の配設位置からみて左側には、タンク球切れ検知スイッチ104をタンク底部に備えた賞球タンク105と、この賞球タンク105に接続されるタンクレール106とが取り付けられている。また、タンクレール106の右側には、球抜きレバー107が設けられ、その下流側には、補給球切れ検知スイッチ(図示を省略)が、さらに、その下流側には、裏側遊技装置としての賞球払出装置109が配設されている。
【0031】
続いて、遊技球の振り分け部(図示略)が賞球払出装置109の下流側に設けられている。タンクレール106の下側には、表示装置27(図3参照)を格納した蓋付きの裏ケース111が設けられ、この裏ケース111の下側には、後述する主制御部140(図5参照)として、裏側遊技装置としての遊技制御基板54{図6(a)参照}を格納した格納容器としての収納ボックス55が配設されている。収納ボックス55の背面下側には、発射制御部193(図5参照)として発射装置制御基板を格納した発射装置制御基板ケース113、及び発射制御集合中継基板(図示略)が設けられている。裏機構盤102の左下方部には、上述した発射装置ユニット(図示略)が、同じく右下方部には、払出制御部150(図5参照)として、払出制御基板350{図6(b)参照}を格納した格納容器としての払出制御基板ケース118が設けられている。収納ボックス55の右側上方に裏側遊技装置としての中継基板190が装着されている。
【0032】
中継基板190は、図5にも示すように、入賞球検知スイッチ318,19s〜22s等と主制御部140とを中継するための基板とされている。本実施例においては、収納ボックス55、中継基板190及び払出制御基板ケース118は、金属板(図示を省略)に着脱自在に装着され、この金属板は裏機構盤102に対して回動自在に懸架されている。
【0033】
一方、裏機構盤102の右上端部には、ヒューズボックス119、電源スイッチ120、電源ターミナル基板121及び大当り、発射装置制御、球切れ、扉開放、賞球、球貸し用等の遊技機枠用外部接続端子を備えた端子基板122が設けられている。また、外部からの電力の供給を受けるための電源ケーブル123も端子基板122の上側に配設されている。払出制御基板350{図6(b)参照}を格納した払出制御基板ケース118からは接続ケーブル124が上方へ延出し、電源ケーブル125を備えたプリペイドカードユニット13に接続されている。また、裏機構盤102の略中央下端部には、下皿部用球通路部材126が設けられている。なお、電源ターミナル基板121には、「RAMクリア信号」を発生させるための図示しないRAMクリアスイッチが接続されている。
【0034】
次に、本実施例のパチンコ機1の電子制御装置130について、図5〜図7を参照して説明する。まず、電子制御装置130は、主制御部140と、信号伝送経路500aにより主制御部140に接続された払出制御部(主として賞球の払出制御を行う賞球払出制御部)150、信号伝送経路500bにより主制御部140に接続された音声ランプ制御部170、及び信号伝送経路500cにより音声ランプ制御部170に接続された特別図柄制御部160とを含んで構成されている。主制御部140は、遊技制御基板54を備え、主制御部140以外の上記3つの制御部150、160、170はそれぞれ、払出制御基板350、特別図柄制御基板360、音声ランプ制御基板を備えている。
【0035】
遊技制御基板54は、図6(a)に示すように、CPU401を含む主回路部400と、入出力回路部500とを備えている(図15参照)。そして、この遊技制御基板54は、通常、開閉困難なケース(後述する収納ボックス55)に収納されている。
【0036】
また、入出力回路部500には、外部端子部145が接続され、この外部端子部145には、パチンコホールの「ホールコンピュータ」が接続される。そして、遊技制御基板54は、RAMクリア処理の実行後に、RAMクリア信号をONし、一定時間経過後にOFFするが、このRAMクリア信号をパチンコ機1の外部に出力し、パチンコホールのシステム等に報知できる。このため、不正行為者が判らない間に、パチンコホールの管理者側が不正行為を知ることができる。
【0037】
図16に示すように、CPU401はCPUコア480を備え、内蔵ROM482に格納された制御プログラムにより、内蔵RAM481をワークエリアとしてパチンコ機1全体の作動制御(すなわち、遊技の基本進行制御)を司る。また、内蔵ROM482に記憶された当否判定プログラムにより、CPU401が主体となって当否判断制御を行う(当否判定手段)。
【0038】
主回路部400は、図15に示すように、CPU401、発振部410、リセット回路部450、I/Oデコード回路部420、データバス安定化部411、及び第1外部入力回路部430を有している。また、CPU401は、図16に示すように、CPUコア480、内蔵RAM481、内蔵ROM482、メモリ制御回路483、クロック発生器484、アドレスデコーダ485、ウオッチドッグタイマ486、カウンタ/タイマ487、パラレル入出力ポート488、リセット/割り込みコントローラ489、外部バスインターフェース490、出力制御回路491を備えている。
【0039】
図6(a)に示す入出力回路部500には前記した信号伝送経路500aが接続され、入出力回路部500からその信号伝送経路500aへ、各制御部150、160、170へ処理内容を指示する指令信号たるコマンドデータを送信する。尚、主制御部140から各制御部150、160、170へは、一方向形式若しくは双方向形式でデータが伝送される。また、各制御部140〜170には、電源受電基板415から電源ユニット425、さらには分電基板435を介して電源が供給されており、後述する電源立上げ時のシステムリセット信号が全制御基板に送信される。
【0040】
中継基板190には、入賞球検知スイッチ318,19s〜22s等が接続され、中継基板190の出力端子は、主制御部140の入出力回路部500と接続されている。また、第一種始動口(普通電動役物)入賞検知スイッチ17s、普通図柄表示装置基板32f、各種ソレノイド17c,313、右普通図柄作動ゲート通過検知スイッチ37s、左普通図柄作動ゲート通過検知スイッチ36sが主制御部140の入出力回路部500に接続されている。
【0041】
払出用端子基板191には、タッチスイッチ9a、発射停止スイッチ9b、ヴォリュームスイッチ192、タンク球切れ検知スイッチ104及び補給球切れ検知スイッチ108等が接続され、払出用端子基板191の出力端子は、図6(b)に示す払出制御部150の入出力回路部700と接続されている。
【0042】
払出制御部150は、図6(b)に示すように、主制御部140と同様の主回路部600及び入出力回路部700を含んで構成され、入出力回路部700において図5に示す信号伝送経路500aに接続されている。また、入出力回路部700には、賞球払出装置109、発射装置制御部193等が接続されている。
【0043】
特別図柄制御部160は、図7に示すように、演算回路構成要素として、CPU161と、RAM162と、ROM163と、入出力ポート164と、駆動回路167とを含み、それら演算回路構成要素はバス165により相互に接続して構成され、入出力ポート164において信号伝送経路500aに接続されている。入出力ポート164には、表示装置27が接続され、CPU161はROM163に格納された制御プログラムにより、RAM162をワークエリアとして中央装置16の作動制御を行なっている。
【0044】
図8に示すように、音声ランプ制御部170を構成するランプ制御基板部370は、演算回路構成要素として、CPU171と、RAM172と、ROM173と、入出力ポート174とを含んで構成されている。そして、これらの要素(171、172、173、及び174)はバス175により相互に接続して構成され、入出力ポート174において信号電送経路500bに接続されている。そして、入出力ポート174には、図5に示す枠飾りランプ基板4gと、各種ランプ基板261f、262fと、各種LED基板4d、4f、21f、22f等が接続されている。これら各基板にランプあるいはLED等が1又は複数個接続される。これらのランプ等はゲームの進行に対応して点灯・消灯または点滅する。更に、ランプ制御基板370は、可動部分等を構成するソレノイドやモータ等の駆動制御を行う。
【0045】
図8に示すように、音声ランプ制御部170を構成する音声制御基板部380は、ランプ制御基板370と同様の演算回路構成要素181〜185、及びサウンドジェネレーター188を含んで構成され、入出力ポート184において信号電送経路500bに接続されている。サウンドジェネレーター188は、格納された音声データと音声出力モジュールとに基づいて、図5に示す音量スイッチ基板12を介して接続されたスピーカー400aより、ゲームの進行に対応した各種の音声出力を行う。入出力ポート184に接続された音量スイッチ基板12は、音量スイッチ(図示略)の操作に伴い、出力音量の設定を行うものである。
【0046】
さらに、枠飾りランプ基板4g等の各種ランプやサウンドジェネレーター188は、特別図柄制御部160の制御による特別図柄の変動・停止表示態様、リーチ発生の有無、リーチ表示態様(後述する)、特別遊技態様、及び遊技モード(確率変動、時短など)等に応じてその態様は制御される。その制御指令の指令信号は、音声ランプ制御部170を作動指令対象とする指令信号として、前記した信号伝送経路500aを介して送信される。
【0047】
なお、上述した特別図柄制御部160、及び音声ランプ制御部170は、主制御部140や払出制御部150と同様の回路部から構成されるものとすることもできる。すなわち、主回路部と入出力回路部とから構成されるものとし、内部にROM、RAMが内蔵されたCPUを用いることもできる。
【0048】
次に、賞球動作は、以下の順序で実行される。
主制御部140は、遊技球が入賞球検知スイッチ318を通過したら15個の賞球個数データを、第一種始動口(普通電動役物)入賞検知スイッチ17sを通過したら6個の賞球個数データを、それ以外の場合、例えば、左右下入賞口21、22の通過検知スイッチ21s、22sの通過を検知した場合などにおいては、10個の賞球個数データを、払出制御部150に対してその検知順に、払出制御部150を作動指令対象とする指令信号として、前記した信号伝送経路500aを介して送信する。(すなわち、固有賞球数はここでは、4個、7個あるいは15個である。)払出制御部150は、主制御部140からの賞球個数データを受け取り、賞球払出信号の送信により賞球払出装置109を作動させる。
【0049】
また、主制御部140は、上述の各種検知スイッチの出力に基づいて遊技状態を判断し、また、その遊技状態に基づいて当否判定を行うとともに、判定内容に応じて対応する図柄表示態様で画像表示制御を行うためのデータを読み込む。例えば、主制御部140は、第一種始動口(普通電動役物)入賞検知スイッチ17s、入賞球検知スイッチ318等の検知結果や、特別図柄当否判定乱数の取得値などを使用して、遊技が行われていない客待ちの状態、遊技は行われているが始動入賞がない状態(変動準備状態)、始動入賞があった状態、及び特別遊技状態なども判断する。また、始動入賞が検知されると後述する乱数値に基づいて当否判定が行われ、その判定結果に基づいて特別図柄の変動(リーチ表示態様を含む)、または確定などの表示態様制御のためのデータが読み込まれる。このデータは、特別図柄制御部160を作動指令対象とする指令信号として、前記した信号伝送経路500bを介して一旦、音声ランプ制御部170に送られ、そこから信号伝送経路500cを介して特別図柄制御部160に送信される。
【0050】
次に、主制御部140により実行されるメインジョブについて図9等を参照して説明する。これは、主制御部140の内蔵ROM482(図16参照)に格納されたプログラムに基づき、CPU401により実行されるジョブの一例である。先ず、スタックポインタを内蔵RAM481(図16参照)の所定のアドレスに設定した後(S10)、RAMクリアスイッチが操作(押下)されているか否かを判断し(S12)、操作されていれば内蔵RAM481の初期化処理が行われ(S800)、操作されていなければ、バックアップフラグが設定されているか否かが判断される(S15)。そして、バックアップフラグが設定されていれば(S15:YES)、図11の「電源断に対する復電処理」が行われる。
【0051】
尚、本実施例では、停電等によって電源断が発生したときに、図10に示すように、使用レジスタを内蔵RAM481に退避し(S630)、スタックポインタの値を内蔵RAM481に保存する(S632)。そして、大入賞口ソレノイド、第1種始動口ソレノイドをOFFにし(S634)、賞球センサのポーリング処理時間(例えば、約85m秒)を設定し(S636)、賞球計数前センサ及び賞球計数後センサで遊技球の通過を監視する(S638)。次いで、ポーリング処理時間が経過すると(S640)、使用している内蔵RAM481のチェックサム(チェックサム、バックアップフラグ、スタック領域は除く)を作成し(S642)、保存し、バックアップフラグを内蔵RAM481に設定する(S646)。そして、内蔵RAM481のアクセスを禁止し(S648)、無限ループ処理にて電源ダウンに備える。なお、上記無制限ループ処理に替えてHALT処理やSTOP処理を実行することも可能である。
【0052】
図11の「復電処理」においては、チェックサムの算出(S664)を実行し、電源断時に保存していたチェックサムの値を比較し(S666)、一致しなければ、内蔵RAM481の初期化処理を行う(S800)。一致すれば、電源断前のスタックポインタを復帰し(S668)、バックアップフラグをクリアし(S670)、サブ基板を電源断前の状態に復帰させるためのコマンドを送信する(S672)。そして、各レジスタを電源断前の状態に復帰し(S674)、割込みの許可/不許可を電源断前の状態に復帰等し(S676,S678)、電源断前の番地に戻る(S680)。本実施例では、パチンコ機1に対し、電源断対策用のバックアップ電源を付加しているため、パチンコホールの停電時等においても、停電前に生じていた「遊技者にとって有利な情報」を保存できる。
【0053】
図9に戻り、バックアップフラグが設定されていなければ(S15:NO)、初期化終了の判定が行われる(S20)。初期化が終了していれば(S20:YES)、LEDジョブ(S30)からスイッチジョブ(S70)までのジョブが実行される。また、初期化が終了していなければ(S20:NO)、初期化ジョブ(S190)が実行され、再び、初期化終了の判定が行われる(S20)。尚、パチンコ機1が出荷状態から最初の電源投入時であったり、RAMクリアスイッチが操作(押下)されていたり、バックアップフラグに異常があったり、チェックサムが一致しなかった場合には、内蔵RAM481の初期化処理が行われる。
【0054】
LEDジョブ(S30)においては、普通図柄及び普通図柄未始動回数の表示態様データや、特別図柄未始動回数の表示態様データなどが出力される。等速乱数ジョブ(S40)では、後述する内蔵RAM481の特別図柄当否判定乱数メモリや汎用カウントメモリなどが更新される。非等速乱数ジョブ(S50)では、初期値カウンタ、外れ普通図柄乱数メモリ(図示略)が更新される。なお、汎用カウントメモリ(図示略)は、例えば割り込みごとの「0」〜「255」の値の作成や、コマンドジョブ、飾りジョブの実行などに使用される。
【0055】
また、音声ジョブ(S60)では、音楽や音声に関するデータの読み込みが行われ、スイッチジョブ(S70)では、各種検知スイッチの読み込みが行われる。すなわち、左右入賞口通過検知信号などの各種信号が中継基板190を介して主制御部140に、発射停止検知信号、タッチ検知信号、ヴォリューム検知信号などの各種信号が払出用端子基板191を介して枠制御部150にそれぞれ取り込まれ、また、第一種始動口(普通電動役物)入賞検知スイッチ17sから第一種始動口入賞検知信号、大入賞装置31から入賞球検知信号、及び普通図柄作動ゲート通過検知信号が主制御部140に取り込まれる。
【0056】
さらに、カウント検知スイッチ、カウント検知及び特定領域通過検知スイッチ等のスイッチ318(図5参照)に異常があるか否かが判定され(S80)、異常がなければ(S80:YES)、特別図柄メインジョブ(S90)から音声ジョブ(S110)までのジョブが実行される。また、異常(球詰まりや断線など)があれば(S80:NO)、エラージョブ(S130)が実行される。
【0057】
特別図柄メインジョブ(S90)においては、主制御部140と特別図柄制御部160とが協調して動作するために必要なデータに関するジョブが実行される。また、普通図柄メインジョブ(S100)では、普通図柄及び普通図柄未始動回数の表示態様データの読み込みが行われる。
【0058】
この後、各フラグ状態がバックアップメモリにセットされ(S140)、賞球信号ジョブ(S150)、情報信号ジョブ(S160)、コマンドジョブ(S170)、及び残余時間ジョブ(S180)が実行される。賞球信号ジョブ(S150)においては、賞球払出しに関するデータの読み込みや出力が行われ、情報信号ジョブ(S160)では、他の制御部への情報出力に必要なデータの読み込みが行われる。さらに、コマンドジョブ(S170)では、特別図柄管理等のためのコマンドの出力が行われ、残余時間ジョブ(S180)では、非等速乱数の呼出しが行われる。尚、残余時間ジョブ(S180)においても、初期値乱数の更新が行われる。
【0059】
大当り判定により、表示装置27(図3参照)には所定の配列態様で特別図柄が確定表示されると(例えば、「777」の3桁同一図柄の配列態様)、その後、特別遊技が実行される(特別遊技状態もしくは大当り遊技状態)。特別遊技状態においては、まず、大入賞装置31(図3参照)の開閉板312が開放状態となり、大入賞口311への遊技球の入賞が遊技者にとって優位な遊技球受入状態となる。
【0060】
この特別遊技状態においては、大入賞装置31は、終了条件が成立するまで遊技球受入状態が継続される。例えば、開放状態が所定時間t1(例えば30秒)経過したとき、もしくは入賞球検知スイッチ318(図5参照)に所定数n1(例えば10個)の入賞が検知されたときに終了条件が成立し、遊技球受入状態が一旦終了して、開閉板312が閉鎖状態となって1ラウンドが終了する。この開閉板312が閉鎖されて所定時間t2(例えば0.5秒)が経過した後に、所定の継続条件(図示しない特定領域への通過)が成立していれば、再び開閉板312が開放状態となり大入賞装置31が遊技球受入状態となる。なお、このような終了条件までを1ラウンドとする遊技球受入状態は、所定の最高継続ラウンド数(本実施例では16ラウンド)まで繰り返し継続される。また、終了条件成立時に継続条件が不成立の場合は、特別遊技状態がそのラウンドで終了(いわゆるパンク)するものとなっている。
【0061】
なお、パチンコ機1においては、当り判定により中央装置16の表示装置27(図3参照)に停止表示された特別図柄に基づき、上記特別遊技状態の終了後、次の大当りまで当否判定の確率(大当り確率)を変更(向上)させる確率変動手段が備えられている。具体的には、予め記憶されている上記大当り図柄決定乱数値が、確率変動用乱数値と非確率変動用乱数値とから構成され、各乱数値の取得に応じた特別図柄が停止表示される。
【0062】
図12に、中央装置16の下部を斜視図にて示す。本図に示すように中央装置16の下部には略平面状のステージ70が形成されており、ワープ口から入球した遊技球は出口72から出て曲面74を転動しステージ70に至る。ステージ70は前方(遊技者側)が低くされており、ステージ70に至った遊技球76bは前方へ転動する。ステージの前部には矩形の窪みである貯留部80が設けられており、その前板82が矢印のように下方に収納される様に作動する。図12(a)が前板82が閉じた状態、図12(b)が前板82が収納された状態である。前板82が閉じた状態では、貯留部80に3,4個の遊技球を貯留可能となっている。また、前板82が収納されると、貯留部80内に貯留されていた遊技球76cが前方へ転動し、下方へ落下していく。前板82の下方には第一種始動口17が位置しており、翼片17aが開いていれば、貯留部80に貯留されていた遊技球76cは、ほぼ確実に第一種始動口17に入る。
【0063】
また、通常前板82は、遊技機が稼働していない状態又は普通図柄が変動していない状態において、下方に収納された状態となっており、遊技機が稼働し且つ普通図柄が変動開始した状態において、閉じた(遊技球の貯留を可能にする)状態となる。そして、遊技者が遊技を終了し且つ遊技機が稼働していない状態となると、前板82は下方に収納された状態となる。
【0064】
次に、上記メインジョブの普通図柄メインジョブ(S100)に関連して実行される、貯留部稼働処理に関して図13を参照して説明する。なお、これらのジョブで使用する各種メモリ等は、図6に示す主制御部140の内蔵RAM481(図16参照)に格納され、代表的なもの(481a〜481n、481v、481w)を図14に示す。
【0065】
本処理が起動されるとまず7セグメント表示器32aにおいて普通図柄が変動中か否かを判定する(S300)。普通図柄が変動していない場合(S300:NO)は本処理を終了する。普通図柄が変動している場合(S300:YES)はS310に進み、現在が、変動中の普通図柄の停止タイミングか否かを判定する。停止タイミングとは、今まさに普通図柄の変動表示が停止する、という事ではなく、前板82を収納させた場合に、貯留部80に貯留されていた遊技球が、第一種始動口17に到達する頃に、ちょうど普通図柄の変動表示が停止するタイミングを言う。従って、実際に普通図柄の変動表示が停止するタイミングよりも前の時点となり、パチンコ機1では実際の停止の1秒前となっている。
【0066】
停止タイミングではない場合(S310:NO)はS310に戻り、停止タイミングになるのを待つ。停止タイミングである場合(S310:YES)はS320に戻り、変動中の普通図柄が当たるか否かを判定する。普通図柄の当否は普通図柄作動ゲート36を遊技球が通過した際に取得される乱数により決まっている。つまり変動表示が停止する以前に当否は決定している。そしてこの乱数は普通図柄当否判定乱数メモリ481aに格納されているから、これを参照することにより停止前に当否を判定することができる。当たりではない、つまりはずれの場合(S320:NO)は本処理を終了する。当たりの場合(S320:YES)はS330に進み、前板82を開放するか否かを判定する。これは、図柄決定乱数や判定乱数とは別途用意された乱数を発生させ、取得した乱数値が予め定められた数値範囲内にある場合に「開放する」と判定することにより行われる。乱数値が前記数値範囲内にない場合(S330:NO)は、本処理を終了する。乱数値が前記数値範囲内にある場合(S330:YES)は、S340に進んで、前板82を開放し遊技球を第一種始動口17に向けて落下させる。そして遊技球が全て落下した頃を見計らって(所定時間の経過により(例えば、開放から1秒後))前板82を元に戻し(S350)、本処理を終了する。
【0067】
本処理によれば、翼片17aが開放するタイミングで遊技球を第一種始動口17の近傍に落下させるので、ほぼ確実な第一種始動口17への入賞を期待できる。また、当たっても抽選により前板82が開放されない場合があるので、意外な遊技性も持った遊技機となる。
【0068】
ここで本実施例の構成と本発明の構成要件との対応関係を示す。普通図柄表示装置32が本発明の可変表示手段に相当し、第一種始動口17が本発明の特定入賞口に相当し、前板82及び電磁石が本発明の貯留保持手段に相当し、貯留部稼働処理が本発明の貯留球排出制御部としての処理に相当する。
【0069】
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
【0070】
例えば、図13に示した貯留部稼働処理では、普通図柄が当たる(S320:YES)ことと、乱数抽選に当たる(S330:NO)ことの2つの条件が成立しないと前板82を開放しなかったが、普通図柄が当たらなくても前板82が開放するようにしても良い。これには、貯留部稼働処理を例えば図17に示すようなものにすれば良い。なお、図13に示した貯留部稼働処理と同じ処理については同じステップ番号を使用し、説明を省略する。本処理では、変動中の普通図柄が停止タイミングであった場合(S310:YES)に、S330に直行し、開放するか否かの乱数抽選による判定をする。このようにすることにより、普通図柄が当たらなかった場合にも、貯留部80に貯留された遊技球は第一種始動口17に向かって落とされることになる。これにより、遊技者は、貯留部80に遊技球を貯める頻度が増加するので、パチンコ機1の稼働率を上げることが出来る。
【0071】
また、更に貯留部稼働処理を図18に示すような物にしても良い。本処理では、図17に示した処理から更にS320の乱数抽選による判定を除去している。これにより、普通図柄が停止するごとに必ず貯留部が開放する(前述したように実際には普通図柄が停止する約1秒前に前板82は開放する)ので、普通図柄が停止するごとに貯留部80に再び遊技球を貯留する必要に迫られ、パチンコ機1の稼働率を更に上げることが出来る。
【0072】
なお、図13に示した貯留部稼働処理から、図18に示した貯留部稼働処理と同様、S320の乱数抽選による判定を除去してもよい。こうすることにより、普通図柄が当たったときには必ず前板82が開放されるので、遊技者が更に大きな利益を受けられる遊技機となる。
【0073】
また、貯留部を図19に示すような物にしても良い。図19(a)に示した態様では、貯留部80が、ステージ70の前方に遊技球76bが丁度1個入る程度の窪みにされている(もちろん複数個の遊技球を貯留できる大きさとしてもよい)。貯留部80には前板82に相当する物は設けられておらず、底面84aと両側面84bが電磁石となり貯留保持手段、貯留排出手段を形成している。この態様では、遊技球を貯留するときは貯留部84を励磁しておき、貯留部80に1個だけ貯留する。そして、第一種始動口17に向かって遊技球を落とすときに消磁する。また、通常電磁石は、遊技機が稼働していない状態又は普通図柄が変動していない状態において、消磁された状態となっており、遊技機が稼働し且つ普通図柄が変動開始した状態において、励磁(遊技球の貯留を可能にする)された状態となる。そして、遊技者が遊技を終了し且つ遊技機が稼働していない状態となると、電磁石は消磁された状態となる。底面84aは前方が低くなるように傾斜されており、励磁が解かれると、貯留されていた遊技球が前方へ転動する。この態様では、前板82を開く代わりに励磁を解くことにより、第一種始動口17に遊技球を誘導することが出来る。
【0074】
また、励磁をする位置は、ステージ70の前方ではなく、図19(b)に示す中央装置86のように、中央奥の位置88でもよい。
また、貯留部80の設置場所は、ステージ上に限定されるものではなく、貯留部80から排出した遊技球が第一種始動口17に入賞可能な位置であればよい。
【0075】
尚、前板82又は電磁石は、遊技機が稼働していない状態又は普通図柄が変動していない状態において、閉じた又は励磁した状態とすることもできる。その場合、遊技中に普通図柄が変動しない場合があっても、貯留された遊技球を排出できるようにする必要がある。例えば、所定時間の経過又は所定条件の成立を持って、一旦前板82を下方に収納する又は電磁石を消磁するようにすれば良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る遊技機を示す正面図である。
【図2】本発明の実施例に係る遊技機において、前面枠を開いた状態を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施例に係る遊技機の遊技盤を示す正面図である。
【図4】本発明の実施例に係る遊技機を示す裏面図である。
【図5】本発明の実施例に係る遊技機が備える電子制御装置を示すブロック図である。
【図6】(a)は本発明の実施例に係る遊技機が備える電子制御装置を構成する主制御部の説明図であり、(b)は本発明の実施例に係る遊技機が備える電子制御装置を構成する枠制御部の説明図である。
【図7】本発明の実施例に係る遊技機が備える電子制御装置を構成する特別図柄制御部の説明図である。
【図8】本発明の実施例に係る遊技機が備える電子制御装置を構成する音ランプ制御部の説明図である。
【図9】本発明の実施例に係る遊技機の主制御部が行うメインジョブを説明するためのフローチャートである。
【図10】本発明の実施例に係る遊技機において、電源断(停電等)が発生したときの処理を示すフローチャートである。
【図11】本発明の実施例に係る遊技機において、電源断(停電等)が発生したときの復電処理を示すフローチャートである。
【図12】本発明の実施例に係る遊技機において、中央装置の下部を示す斜視図であり、(a)は前板が開いた様子であり、(b)は前板が収納された様子である。
【図13】本発明の実施例に係る遊技機において実行される貯留部稼働処理のフローチャートである。
【図14】本発明の実施例に係る遊技機において、主制御部の内蔵RAMに格納された各種メモリ等の代表例を示す説明図である。
【図15】本発明の実施例に係る遊技機において、主制御部を示す説明図である。
【図16】本発明の実施例に係る遊技機において、主制御部を構成するCPUを示す説明図である。
【図17】本発明の他の実施例に係る遊技機において実行される貯留部稼働処理のフローチャートである。
【図18】本発明の他の実施例に係る遊技機において実行される貯留部稼働処理のフローチャートである。
【図19】本発明の他の実施例に係る遊技機において、中央装置の下部を示す斜視図である。
【符号の説明】
1…パチンコ機(遊技機) 11…遊技領域
16…中央装置 17a…翼片
32…普通図柄表示装置(可変表示装置)
31…大入賞装置 80…貯留部
82…前板(貯留保持手段、貯留排出手段)
84a…貯留保持手段、貯留排出手段
84b…貯留保持手段、貯留排出手段
Claims (2)
- 遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技盤に設けられ、複数種類の識別情報からなる図柄を変動表示可能な可変表示手段と、
前記遊技盤に設けられた特定入賞口と、
前記可変表示手段に特定の図柄が表示されると開放して前記特定入賞口への遊技球の入球を容易にする翼片と、
を備えた遊技機において、
前記特定入賞口より上方に配置され、遊技球を貯留する貯留部と、
該貯留部に貯留された遊技球の貯留状態を保持する貯留保持手段と、
前記翼片が開放するタイミングと同調して、前記貯留部に貯留された遊技球を排出する貯留球排出手段と
を備えたことを特徴とする遊技機。 - 前記貯留球排出手段は、
前記翼片が開放されない場合にも、前記貯留部に貯留された遊技球を排出するものであることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
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Cited By (3)
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JP2006167444A (ja) * | 2004-11-22 | 2006-06-29 | Sophia Co Ltd | 遊技機 |
JP2009165886A (ja) * | 2004-11-22 | 2009-07-30 | Sophia Co Ltd | 遊技機 |
JP2021535865A (ja) * | 2018-09-06 | 2021-12-23 | クノル−ブレムゼ ジステーメ フューア ヌッツファールツォイゲ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングKnorr−Bremse Systeme fuer Nutzfahrzeuge GmbH | 車両用の電気空気圧式のブレーキシステムに用いられる電気空気圧式のモジュレータのためのハウジング、ハウジングを備えた電気空気圧式のモジュレータ、および電気空気圧式のモジュレータを製造するための方法 |
-
2003
- 2003-02-27 JP JP2003051266A patent/JP2004255038A/ja active Pending
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