JP2004255001A - 椅子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】座ステー(6)に座受ブラケット(11)を回動自在に取り付ける。この座受ブラケット(11)の上面に座(12)を固定する。上記座受ブラケット(11)の先端には掛止部(27)があり、この掛止部(27)に対応する位置に引掛部(28)を有する座裏カバー(13)を形成する。この座裏カバー(13)は、上記掛止部(27)に引掛部(28)を係合させ、上記座ステー(6)の下面を覆うように座(12)の下面側に装着される。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、座をはね上げできるようにした椅子に関し、特に座をはね上げて前後方向に重ね合わせできるようにした椅子に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
座をはね上げて前後方向に重ね合わせるようにした椅子は種々知られている(例えば特許文献1)。この種の椅子は、重ね合わせる際に、座をはね上げると、座の裏側やはね上げ機構等が外面から見えるので体裁が良くなく、また座を着座位置に載置するための載置部と座の間に手指等を挟み込むおそれもあった。なお、劇場用の椅子では、はね上げ機構が内部に隠されているが、機構が複雑であり、簡単に組み立てることができず、廃棄する際の分別処理も面倒である。その上、前後方向に重ね合わせる形式の椅子では、クッション性に乏しいものが多い。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−50995号公報(図1〜図6)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の解決課題は、座をはね上げできる椅子、特に前後方向に重ね合わせることができるようにした椅子において、座をはね上げたとき座の裏面やはね上げ機構等が外面に表われれず、はね上げ機構の構成も簡素で容易に組み立てでき、手指等を挟み込むおそれもなく、廃棄する際の分別も簡単にできるようにした椅子を提供することであり、また、上記椅子において、クッション性のある着座感を有する椅子を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、座と該座の下面側を覆う座裏カバーを有し、座ステーに回動可能に設けた座受ブラケットの上面に上記座を固定し、該座が着座位置まで回動したとき上記座受ブラケットの回動を阻止するよう上記座ステーにストッパーを設け、上記座受ブラケットの端部に掛止部を形成すると共に該掛止部に対向する上記座裏カバーの内面に引掛部を形成し、該座裏カバーの引掛部を上記掛止部に係合させ上記座ステーの下面を覆って該座裏カバーを上記座の下面側に装着した椅子が提供され、また、上記座ステーの上方に一連に形成された肘掛枠及び背枠に弾性部材を介して背板を取り付けた椅子が提供され、上記課題が解決される。
【0006】
【発明の実施の形態】
図1〜図3は本発明の一実施例を示し、椅子のフレーム(1)は、下端にキャスター(2)を有する前脚(3),(3)、後脚(4),(4)を両側に有し、該前脚(3)及び後脚(4)は略中央部で交叉するように斜め上方に向けて延び、該中央部で連結(5)しており、該連結部(5)には両側の脚を結ぶ座ステー(6)が設けられている。なお上記前脚(3),(3)の間隔は後脚(4),(4)を前後方向に挿入できるよう後脚(4),(4)の外寸より広く形成されている。また、上記後脚(4)の上端には前方に延びる短い座枠(7)が一連に形成され、該座枠(7)の先端には上方に立上る起立枠(8)が設けられ、該起立枠(8)の上端は後方に屈曲して肘掛枠(9)に連なり、左右の肘掛枠(9)は背枠(10)で一連に連結されている。
【0007】
上記座ステー(6)には座受ブラケット(11)が回動可能に取り付けられ、該座受ブラケット(11)の上面には座(12)が固定され、下面側には上記座の下面を覆う座裏カバー(13)が後記するように取り付けられる。
【0008】
上記座受ブラケット(11)は、断面L字形、断面ロ字形等種々の形状に形成することができるが、好ましくは上記座(12)に接する座受部(14)と該座受部(14)の両側縁から下方に対向して延びる側壁部(15),(15) を有するほぼ断面コ字状に形成され、側壁部(15),(15) には上記座ステー(6)に回動可能に嵌合するよう下方に開口する軸受溝(16)が形成されている。図4を参照し、上記座受部(14)には取付ねじ(17),(18) を挿通する取付孔(19),(20) が形成され、座(12)に設けたナット(21)に該取付ねじ(17),(18) をねじ着することにより座(12)と座受ブラケット(11)が固定される。
【0009】
上記座受ブラケット(11)の下面側には、上記座ステー(6)を挟み込むように断面略コ字状の回転受ブラケット(22)が嵌着されている。該回転受ブラケット(22)の側壁部(23),(23) には上記座ステー(6)に嵌合するよう軸受溝(24)を形成してあり、該側壁部(23),(23) を上記座受ブラケット(11)の側壁部(15),(15) に沿わせて当てねじ(25)で止着している。なお、上記座受ブラケット(11)の座受部(14)の一部を適宜の形状に切欠いて上方に開口する軸受溝を形成し、座ステー(6)の下面側から座受ブラケットを嵌合させるようにすれば、回転受ブラケットを省略することもできる(図示略)。
【0010】
上記座ステー(6)には、上記座(12)が着座位置まで回動したとき、上記座受ブラケット(11)の回動を阻止するようストッパー(26)が設けられている。該ストッパー(26)は上記座ステー(6)の適宜位置に略棒状等に突設させることもできるが、図3に示すように、断面略コ字状に形成したストッパーを座受ブラケット(11)の側壁部(15),(15) 間に位置させ、着座位置で座受部(14)の下面が当接するよう上記座ステー(6)の前面側に溶接等により固定することが好ましい。この構成により該ストッパー(26)を座受ブラケット(11)内に収納でき、安全であり、また同時に該座受ブラケット(11)を位置決めすることができ、上記座(12)を回動した際、該座受ブラケット(11)が座ステー(6)に沿って横方向に移動しないようにでき、確実に作動させることができる。
【0011】
上記座受ブラケット(11)の前方若しくは後方の端部、図に示す実施例においては、前端側には側壁部(15),(15) の一部を切欠いて形成した掛止部(27)を設けてあり、上記座裏カバー(13)には該掛止部(27)に対向して引掛部(28),(28) が形成されている。該座裏カバー(13)は、ポリプロピレン等の合成樹脂材料で下方に弧状にわん曲するシェル状に形成され、前方略中央部を内方に凹陥して手掛部(29)を形成してあり、上記引掛部(28),(28) は該手掛部(29)の両側に後方に開口(30)した状態に形成されている。なお、上記掛止部(27)を座受ブラケット(11)の後端側に設けることもでき、その場合には上記引掛部(28)は対応する位置に前方に開口させて設ければよい。また、座受ブラケットの前端側と後端側に適宜構造の掛止部を形成し、各掛止部に対向して引掛部も前後に設けてそれぞれ係合させるよいにしてもよい(図示略)。
【0012】
上記座裏カバー(13)の側面部(31)には、上記座ステー(6)に嵌着するように受溝(32)を形成してあり、また上記座受ブラケット(11)の取付孔(20)に対応する位置には内面側に突出する取付筒(33)が形成されている。該取付筒(33)は大径部(34)と小径部(35)を有し、取付ねじ(18)を挿入した際、ねじの頭部が大径部(34)内に入り込み座裏カバーの下面側に突出しないようにしてある。
【0013】
而して、上記座部を組み立てるには、図5に示すように、座受ブラケット(11)の軸受溝(16)を座ステー(6)に嵌着し、下面側から回転受ブラケット(22)を当てがい、該回転受ブラケット(22)を座受ブラケット(11)にねじ(25)で固定する。次に、座受ブラケット(11)の前方の取付孔(19)にねじ(17)を挿入して座(12)を固定し、上記座裏カバー(13)の引掛部(28)を座受ブラケット(11)の掛止部(27)に係合させると共に受溝(32)を座ステー(6)に嵌着し、最後に取付ねじ(18)を上記取付筒(33)に挿入し、座受ブラケット(11)の取付孔(20)を介して座(12)にねじ着すればよい。また、上述と逆の手順で行えば簡単に分解することもできる。
【0014】
上記フレーム(1)の肘掛枠(9)と背枠(10)に沿う形状の背板(36)が設けられている。該背板(36)は、ポリプロピレン等の合成樹脂材料で形成され、背面部(37)及び肘掛部(38)の裏面には、図6に示すように取付用ボス(39)…が設けられ、該取付用ボス(39)には、外周にねじ状に係止片(40)…を列設したナット(41)をねじ着してある(図7)。そして、ポリプロピレン系エラストマー等の弾性材料で略筒状の弾性部材(42)を形成し、該弾性部材(42)の基端側が背板に当るように上記取付用ボス(39)に嵌着し、端面側を上記肘掛枠(9)、背枠(10)にそれぞれ当接させ、取付ねじ(43)を上記肘掛枠(9)及び背枠(10)に設けた取付孔(44)を通して上記ナット(41)にねじ着してある。このような構成により、着座状態で背板(36)にもたれかかると、上記肘掛枠(9)、背枠(10)、背板(36)及び上記弾性部材(42)が弾性的にたわむことにより適度のクッション作用が得られ、座り心地がよい。
【0015】
上記椅子は、座(12)を展開し、座受ブラケット(11)をストッパー(26)に当る位置まで回転すると図1に示すように座(12)は着座位置に維持され、使用することができる。また、不使用時は、該座(12)をはね上げれば、図8に示すように複数の椅子を前後方向に重ね合わせて収納することができる。
【0016】
【発明の効果】
本発明は上記のように構成され、座受ブラケットを座ステーに回転可能に嵌着し、該座受ブラケットの上面に座を固定し、該座受ブラケットの端部に形成した掛止部に座裏カバーの引掛部を係合し、座ステーの下面を覆って該座裏カバーを座の下面側に装着するようにしたので、座をはね上げた際、座の裏面や、はね上げ機構が外部に表われず、体裁が良く、その上、座を着座位置まで回動させると上記座裏カバー内に存する座受ブラケットがストッパーに当って止まり、該座を着座位置に保持することができ、従来のように座を載置する載置部等に手指等を挟み込むようなおそれもなく、安全である。
【0017】
また、上記座裏カバーの取り付けが容易であり、部品点数も少なく、座受ブラケットの構成も簡単であるから、経済的に得られ、組立、分解も容易であり、簡単に分別して廃棄することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す斜視図。
【図2】断面図。
【図3】分解斜視図。
【図4】主として座部分の説明図。
【図5】組立順を示す説明図。
【図6】背部分の分解斜視図。
【図7】背部分の一部の拡大断面図。
【図8】収納状態を示す説明図。
【符号の説明】
1…フレーム
6…座ステー
9…肘掛枠
10…背枠
11…座受ブラケット
12…座
13…座裏カバー
22…回転受ブラケット
26…ストッパー
27…掛止部
28…引掛部
29…手掛部
33…取付筒
36…背板
39…取付用ボス
42…弾性部材
Claims (7)
- 座と該座の下面側を覆う座裏カバーを有し、座ステーに回動可能に設けた座受ブラケットの上面に上記座を固定し、該座が着座位置まで回動したとき上記座受ブラケットの回動を阻止するよう上記座ステーにストッパーを設け、上記座受ブラケットの端部に掛止部を形成すると共に該掛止部に対向する上記座裏カバーの内面に引掛部を形成し、該座裏カバーの引掛部を上記掛止部に係合させ上記座ステーの下面を覆って該座裏カバーを上記座の下面側に装着した椅子。
- 上記座受ブラケットは、座に接する座受部と該座受部の両側縁から下方に対向して延びる側壁部を有し、上記ストッパーは上記側壁部間に位置している請求項1に記載の椅子。
- 上記座受ブラケットは、上記座ステーに回動可能に嵌合する軸受溝を有する請求項1または2に記載の椅子。
- 上記座受ブラケットの下面側には上記座ステーを挟み込むよう回転受ブラケットが設けられている請求項3に記載の椅子。
- 上記座裏カバーは内面側に突出する取付筒を有し、該取付筒に取付ねじを挿入し上記座受ブラケットを介して上記座にねじ着した請求項1に記載の椅子。
- 上記座裏カバーは内方に凹陥する手掛部を有する請求項1または5に記載の椅子。
- 上記椅子は起立枠を介して上記座ステーの上方に一連に形成された肘掛枠及び背枠を含むフレームと、該肘掛枠と背枠に沿う形状の背板を有し、該背板は弾性部材を介して上記背枠及び肘掛枠に取り付けられている請求項1に記載の椅子。
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