JP2004254644A - 樹木の支持施工方法と、その支持施工方法に使用される樹木の支持具 - Google Patents

樹木の支持施工方法と、その支持施工方法に使用される樹木の支持具 Download PDF

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Abstract

【課題】樹木の支持施工方法と、その支持施工方法において使用される樹木支持具に関し、樹木の支持固定状態を外部から確認することができ、また支持施工のための支持具の部品点数を削減することができ、しかも樹木の支持施工のための作業が従来に比べて著しく容易となり、その作業に従来ほどの熟練した造園技術を要することがない樹木の支持施工方法を提供することを課題とする。
【解決手段】両端部に開口部を有する複数のパイプ杆に、それぞれスライド杆がスライド自在に挿通され、該スライド杆に立ち上がり支持杆の下部が移動可能に取り付けられているとともに、該スライド杆にそれぞれ取り付けられた複数の立ち上がり支持杆の上部が収束されて構成された樹木の支持具の、前記パイプ杆に根鉢を載置し、前記複数の立ち上がり支持杆の収束部分に樹木の幹部を固定して施工することを特徴とする。
【選択図】 図11

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹木の支持施工方法と、その支持施工方法に使用される樹木の支持具、さらに詳しくは、公園,舗道,その他博覧会場等で、人為的に植設される樹木を支持しながら施工するための樹木の支持施工方法と、その支持施工方法において使用される樹木支持具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、樹木を支持施工する技術として多くの技術が開発されており、その中でたとえば下記特許文献1及び2のような技術がある。
【0003】
【特許文献1】
特許第2719903 号公報
【特許文献2】
特開平9−107821号公報
【0004】
特許文献1は、樹木の根元部の周囲にワイヤーロープや結合ロープを配置するとともに、そのワイヤーロープや結合ロープを結合板に結合し、結合板は根鉢の肩部に当て、さらに結合板に結合杆を結合し、結合杆を地中に打ち込んで根鉢を支持施工する技術である。
【0005】
また、特許文献2も、樹木の根元部の周囲にワイヤーロープや結合ロープを配置するとともに、そのワイヤーロープや結合ロープを結合板(多孔板)に結合し、多孔板は根鉢の肩部に当てる点で上記特許文献1の技術と共通するものであるが、特許文献2では、地中に打ち込む結合杆を用いず、抵抗体の上に根鉢を載置し、その抵抗体に連結環を介してワイヤーロープを取り付けている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記特許文献1や特許文献2のような従来の樹木の支持施工技術は、結合杆を地中に打ち込み或いは抵抗体の上に根鉢を載置し、またいずれの場合も根鉢の肩部に結合板(多孔板)を当て、さらにいずれの場合もワイヤーロープや結合ロープを根鉢に掛け回すとともに、そのワイヤーロープ等をウインチ等の締め付け具で締め付ける必要があり、その樹木の支持施工のための作業に手間がかかるという問題点があった。
【0007】
また、このような結合杆の打ち込み、抵抗体上への根鉢の載置、ワイヤーロープ等を根鉢に掛け回す作業、そのワイヤーロープ等を締め付ける作業等の一連の作業には熟練や専門的技術を要し、その技術の習得は決して容易なものではない。その一方で、近年においては、専門的な造園技術者は減少する傾向にあり、それ故に、上記のような問題点は決して無視できないものとなっている。
【0008】
さらに、上記特許文献1及び2のいずれの場合であっても、樹木の支持用具の部品点数が多く、その削減が望まれている。
【0009】
さらに、上記のように支持施工された樹木は、時間の経過とともに生育して樹根が伸長し、一定期間経過後には自立できるようになるので、上記のような支持用具で緊締している状態等をある程度解除する必要がある場合もある。
しかし、上記のような従来の技術は、打ち込まれる結合杆、抵抗体、根鉢の肩部の結合板(多孔板)、根鉢に掛け回されるワイヤーロープ等がすべて土で埋設された地下部分に存在するため、樹木がどの程度生育し、樹根がどの程度伸長し、それに伴い支持具による緊締状態等を解除する必要があるか否かを外部から判断することは必ずしも容易ではない。
【0010】
ところで、支持施工された樹木には、風等により多大な力がかかり、上記のような支持用具での支持施工が十分でないと、樹木が傾倒するおそれがある場合もある。従って、上記のような問題点があったとしても、上記のような支持施工のための作業を省略することはできず、また支持具の部品点数を安易に削減することはできない。
【0011】
しかし、樹木が大型のものではなく、たとえば幼木や苗木のように樹木が比較的小形のものの場合には、あえて上記特許文献1及び2のような支持施工技術を採用しなくとも、樹木の傾倒等を生じさせずに支持施工が可能となる場合もある。
【0012】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、樹木の支持固定状態を外部から確認することができ、また支持施工のための支持具の部品点数を削減することができ、しかも樹木の支持施工のための作業が従来に比べて著しく容易となり、その作業に従来ほどの熟練した造園技術を要することがない樹木の支持施工方法を提供することを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、このような課題を解決するために、樹木の支持施工方法と、その支持施工方法に使用される根鉢用支持具としてなされたもので、樹木の支持施工方法としての特徴は、両端部に開口部4,4を有する複数のパイプ杆2に、それぞれスライド杆3がスライド自在に挿通され、該スライド杆3に立ち上がり支持杆9の下部が移動可能に取り付けられているとともに、該スライド杆3にそれぞれ取り付けられた複数の立ち上がり支持杆9の上部が収束されて構成された樹木の支持具の、前記パイプ杆2に根鉢を載置し、前記複数の立ち上がり支持杆9の収束部分に樹木の幹部を固定して施工することである。
【0014】
また、他の樹木の支持施工方法としての特徴は、予め地面に形成された植穴9内に根鉢13を収納するとともに、該植穴9を土等により閉塞して樹木を植設する樹木の支持施工方法において、両端部に開口部4,4を有する複数のパイプ杆2に、それぞれスライド杆3がスライド自在に挿通され、該スライド杆3に立ち上がり支持杆9の下部が移動可能に取り付けられているとともに、該スライド杆3にそれぞれ取り付けられた複数の立ち上がり支持杆9の上部が収束されて構成された樹木の支持具の、前記パイプ杆2に根鉢を載置し、前記複数の立ち上がり支持杆9の収束部分に樹木の幹部を固定して施工することである。
【0015】
さらに、根鉢用支持具としての特徴は、両端部に開口部4,4を有する複数のパイプ杆2に、それぞれスライド杆3がスライド自在に挿通され、該スライド杆3に立ち上がり支持杆9の下部が移動可能に取り付けられているとともに、該スライド杆3にそれぞれ取り付けられた複数の立ち上がり支持杆9の上部が収束されて、該立ち上がり支持杆9の収束部分で樹木の幹部が固定可能に構成されていることである。
【0016】
スライド杆3の先端には、抵抗板8を設けることも可能である。
【0017】
また、根鉢用支持具1は、たとえば3本のパイプ杆2,…で平面略三角形状に形成したものが用いられる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面に従って説明する。
【0019】
先ず、一実施形態としての樹木の支持具1の構成について説明するに、この支持具1は、図1に示すように、3本のパイプ杆2,…を、平面略三角形状に組み合わせて構成されている。
【0020】
この場合、3本のパイプ杆2のうち、図3に示すように1本のパイプ杆2aは水平に配設され、他のパイプ杆2bは、同図のようにその一端部が前記1本のパイプ杆2aの端部の上面に位置するように水平に配設され、さらに他のパイプ杆2cは、同図のようにその一端部が前記パイプ杆2aの端部の上面に位置するとともに、他端部が前記パイプ杆2bの端部の下面に位置するように、わずかに斜めに傾斜するように配設されている。
【0021】
パイプ杆2は、図2及び図3に示すように、端面略四角筒状に形成され、各パイプ杆2,…の両端部には、開口部4,4が形成されている。そして各パイプ杆2は、隣接する2本のパイプ杆2,2の上面、下面等に、溶接によって固着されている。
【0022】
そして、計3本配置されたパイプ杆2,…内には、それぞれスライド杆3,…がスライド自在に挿通されている。
また図示しないが、スライド杆3の先端部の上面側には打込杆挿着部が固着され、該打込杆挿着部内に、植穴の側壁面に打込可能な打込杆が挿着されている。
【0023】
またパイプ杆2内に挿通されたスライド杆3の下面側には、嵩上部7を介して平面三角形状の抵抗板8が固着されている。
さらに、各スライド杆3には、異形鉄筋からなる立ち上がり支持杆9がそれぞれスライド杆3に対して移動可能に取り付けられている。
【0024】
この立ち上がり支持杆9は、図4に示すように2箇所に湾曲部を有して側面が略くの字状に湾曲した形状からなり、上部は円弧状に湾曲されて巻締部10が形成され、下部は略L字状に折り曲げられて連結部11が形成されている。
【0025】
そして、立ち上がり支持杆9の下部の連結部11が、止め具12を介してスライド杆3に移動可能に取り付けられることによって、3本の立ち上がり支持杆9が、それぞれスライド杆3に対して移動可能となるのである。
【0026】
従って、本実施形態の樹木の支持具1は、パイプ杆2に対してスライド杆3がスライド自在であり、さらに立ち上がり支持杆9がスライド杆3に対して移動可能であるので、パイプ杆2に対してスライド杆3をスライドして支持具全体の径を拡張又は縮小して調整することができ、さらに、根鉢の大きさや樹木の幹部の位置等によって、立ち上がり支持杆9をスライド杆3に対して前後に若干移動させることで、立ち上がり支持杆9の位置を微調整することができるので、立ち上がり支持杆9の位置は、2段階的に調整することができるのである。
【0027】
本実施形態の樹木の支持具1は、各パイプ杆2,…の両端部に開口部4,4が形成され、各パイプ杆2にスライド杆3が1本ずつ挿通されているため、スライド杆3は、パイプ杆2の全長分に近い距離にわたってスライドさせることができる。
この場合において、パイプ杆2の両端部には開口部4,4が形成されているため、スライド杆3は、パイプ杆2の略全長分スライドさせることができる。従って、樹木の支持具1の拡張寸法を大きくすることができ、根鉢の径に応じて根鉢用載置体1の寸法を設定することができる。
【0028】
次に、上記のような樹木の支持具1を用いて樹木を支持施工する支持施工方法の実施形態について説明する。
【0029】
先ず、図5及び図6に示すように予め形成された植穴5の底面6に樹木の支持具1を載置する。
【0030】
次に、図7及び図8に示すように、上記のような樹木の支持具1の計3本のスライド杆3, …を、それぞれ外向きにスライドさせて樹木の支持具1を拡張し、前記スライド杆3の先端部に固着された抵抗板8を植穴5の内壁面13に打ち込む。また、図示しないが、打ち込み杆も同様に打ち込む。
【0031】
このように抵抗板8等が植穴5の内壁面13に打ち込まれて樹木の支持具1が固定された後、図9に示すようにその樹木の支持具上に根鉢14を載置し、さらに、3本の立ち上がり支持杆9の上部に巻締部10を形成し、その巻締部10が形成された立ち上がり支持杆9の上部を収束させ、図10に示すように、その収束部分に紐状の巻装具18を巻装し、さらにその立ち上がり支持杆9の巻締部10の収束部分と樹木15の幹部16とに跨がって金属製の止め具17を外装着して止着する。
【0032】
このように3本の立ち上がり支持杆9の上部は収束されて、その収束された部分を中心部として上記巻装具18で固定され、さらに樹木15の幹部16は、上記のように固定された3本の立ち上がり支持杆9の収束部分に隣接して該立ち上がり支持杆9の収束部分とともに止め具17で固定されるので、
立ち上がり支持杆9の収束部分の中心部と樹木15の中心部とは偏心した状態でその外側から止め具17で固定されることになるので、樹木15は安定した状態で支持されることとなるのである。
【0033】
また上記止め具17は、図10に示すように、樹木15の幹部16との間に隙間を形成しつつ該樹木15の幹部16に外嵌され、巻締部10の収束部分には隙間を形成せずに外嵌される。そして、巻締部10の収束部分に外嵌される止め具17の部分17aと、樹木15の幹部16に外嵌される止め具17の部分17bとは、連結具19によって連結されている。
【0034】
そして、止め具17と樹木15の幹部16との間に隙間を形成しつつ止め具17を外嵌することで、樹木15が成長して幹部16が太くなっても、金属製の止め具17が直ちに幹部16に食い込むこともないのである。一方、止め具17の内周面に接触する程度に樹木15が成長し幹部16が太くなれば、樹木15は自立可能となり、止め具17を外しても支障が生じない。このような樹木15の成長の程度や幹部16の太さ等も、その止め具17が外嵌されている樹木15の幹部16や立ち上がり支持杆9の収束部分が地上に裸出しているので、止め具17を外すべき時期を容易に判断することができるのである。
【0035】
しかも、樹木自体は、その幹部16において上記のような立ち上がり支持杆9の収束部分に固定されているだけであるので、上記のように樹木15が生育して固定状態を解除する場合でも、上記のように地上部に裸出している止め具17を外すことによって、容易に解除を行うことができる。
【0036】
尚、止め具17と樹木15の幹部16との間には隙間が存在するので、樹木15が成長し幹部16が太くなって止め具17に接触するようになるまでは、風等によって樹木が揺動する場合もあるが、その場合でも止め具17によって樹木が支持されるので、樹木が不用意に傾倒することもないのである。
【0037】
このように、樹木15の幹部16とともに立ち上がり支持杆9の上部の収束部分を止め具17で巻装して止着することによって、根鉢14が固定されるとともに、樹木が支持されることとなる。この場合、収束される3本の立ち上がり支持杆9の収束部分が中央に位置して、樹木15の幹部16に当たらないように、立ち上がり支持杆9を予めスライド杆3に対して移動させ、上記収束部分の位置を中心から若干ずれるように微調整しておく必要がある。
【0038】
以上のようにして根鉢14を固定し、樹木15の幹部16を支持した後、図11に示すように植穴5内に土20等を埋めることによって、樹木の支持施工が完成する。
【0039】
本実施形態においては、3本の立ち上がり支持杆9の上部の巻締部10を収束させ、その収束部分を樹木15の幹部16とともに止め具17で巻装して止着するだけの作業で、根鉢を固定するとともに樹木を支持することができるため、樹木の支持施工のための作業が従来に比べて著しく容易となった。
【0040】
しかも、パイプ杆2、スライド杆3、抵抗板8等からなる載置部分と、立ち上がり支持杆9の2点の構成部材のみで、樹木を支持施工することができるので、支持具の部品点数も従来に比べて減少するという効果がある。
【0041】
さらに、根鉢14はパイプ杆2に単に載置されているだけであり、根鉢14の固定及び樹木の支持は、地下部ではなく、上記のような立ち上がり支持杆9によって地上部でなされているため、樹木の成長によって、上記立ち上がり支持杆9とともに幹部を固定していることが不要となったか否か、すなわち樹木が自立可能となったか否かを外部から容易に判断することができる。
【0042】
尚、上記実施形態においては、根鉢14の載置部分が、3本のパイプ杆2,…で平面略三角形状に形成されていたが、根鉢14の載置部分の形状やパイプ杆2の本数は該実施形態に限定されるものではなく、たとえば図12に示すように、縦横にパイプ杆2を2本ずつ計4本配置して井桁状に組んで構成することにより、根鉢の載置部分が平面略四角形状になるように構成してもよい。
【0043】
この場合には、同図に示すようにスライド杆3も4本となり、さらに立ち上がり支持杆9も4本となる。
【0044】
この図12の実施形態においても、スライド杆3は両端に開口部4,4を有するパイプ杆2に挿通されているため、パイプ杆2の略全長の寸法分の距離をスライドさせることができ、従って、図13に示すようにスライド杆3を外向きにスライドさせることによって支持具1の寸法を元の寸法(図12に示される)に比べて著しく拡張することができる。
【0045】
しかも、本実施形態においても、立ち上がり支持杆9の収束部分が幹部とともに止め具等で固定されるので、上記図1等の実施形態と同様に、少ない部品点数で、地上部において根鉢の固定及び樹木の支持が可能となった。
【0046】
尚、上記実施形態では、スライド杆3の先端部に抵抗板8を設け、その抵抗板8を植穴の内壁面に打ち込むことによって、樹木の支持具1を位置ずれさせることなく植穴の底壁面に確実に設置でき、また、このような抵抗板8をスライド杆3の下面側に固着することで、支持具1を安定した状態で植穴5の底壁面6に載置できるという好ましい効果が得られたが、このような抵抗板8を設けることも本発明において条件とはならない。
【0047】
たとえば内壁面を押圧するような部材をスライド杆3に取付け、その部材で内壁面を押圧するだけでもよい。
【0048】
さらに、該実施形態では、スライド杆3の下面側に取り付けられた抵抗板8が、平面略三角形状に形成されていたが、抵抗板8の形状はこれに限定されるものではなく、たとえば平面略五角形状等に形成されていてもよい。
【0049】
さらに、上記実施形態では、パイプ杆2が断面略四角筒状に形成されていたが、パイプ杆2の断面形状はこれに限定されるものではなく、たとえば断面略円形状に形成されていてもよい。
【0050】
また、パイプ杆2やスライド杆3は、主として金属製のものが用いられるが、金属以外の材質で構成することも可能である。
【0051】
さらに、上記実施形態では、立ち上がり支持杆9として異形鉄筋で構成されたものを用いたが、立ち上がり支持杆9の材質はこれに限定されるものではなく、他の金属製のもの、或いは金属以外の材質のものを用いることも可能である。
【0052】
ただし、上記実施形態のような異形鉄筋は樹木の幹部を固定するのに適した強度を有するとともに、安価であるため、本発明の立ち上がり支持杆9として用いるのに適した素材といえる。また、このような異形鉄筋は、建築現場等で使用済みのものを再利用することもできるので、コストの低廉化に一層寄与するとともに、建築現場等での廃材の有効利用も図れるという利点がある。
【0053】
さらに、上記実施形態では、立ち上がり支持杆9が、2箇所に湾曲部を有して側面が略くの字状に湾曲した形状で構成されていたが、立ち上がり支持杆9の形状は該実施形態に限定されるものではなく、その形状は問わない。
【0054】
さらに、上記実施形態では、止め具17として、金属製のものを用いたが、
止め具17の材質はこれに限定されるものではなく、合成樹脂や麻,白縄等の天然繊維のものであってもよく、またその形態も紐状、ベルト状等問わない。また、巻装具18の材質も麻,白縄等の天然繊維のもの、合成樹脂製のものの他、金属製のものを使用することも可能である。
【0055】
さらに、上記実施形態では、止め具17と樹木15の幹部16との間に隙間を形成しつつ止め具17を外嵌したため、上記のような好ましい効果が得られたが、このような隙間を形成することは本発明に必須の条件ではなく、合成樹脂や天然繊維からなる止め具17であれば、樹木15の幹部16に接触するように巻装してもよい。
【0056】
さらに、上記実施形態では、一般の地盤に予め形成された植穴内に根鉢を収納して樹木を支持施工する場合について説明したが、上記のような一般の地盤の他、たとえば屋上緑化を行う場合のように、人工地盤における樹木の支持施工に本発明を適用することも可能である。
【0057】
このような人工地盤に用いる場合には、植穴の形成は必要なく、図14に示すように、人工地盤21上に、パイプ杆2、スライド杆3、立ち上がり支持杆9からなる支持具1を介して根鉢14を載置し、さらに、図示しないが根鉢14を埋設するよう人工土壌を積層することによって樹木の支持施工をすることができる。
【0058】
【発明の効果】
以上のように、本発明は、両端部に開口部を有する複数のパイプ杆に、それぞれスライド杆がスライド自在に挿通され、該スライド杆に立ち上がり支持杆の下部が移動可能に取り付けられているとともに、該スライド杆にそれぞれ取り付けられた複数の立ち上がり支持杆の上部が収束されて構成された樹木の支持具の、前記パイプ杆に根鉢を載置し、前記複数の立ち上がり支持杆の収束部分に樹木の幹部を固定して施工するものであるため、立ち上がり支持杆の上部の収束部分を樹木の幹部とともに止め具等で固定するだけの作業で、根鉢を固定し且つ樹木を支持することができるため、従来のようにアンカー(結合杆)を地中に打ち込む作業、或いは根鉢の肩部にパット(結合板,多孔板)を当てる作業、根鉢にワイヤーロープや結合ロープ等を掛け回す作業、そのワイヤーロープ等をウインチ等の締付具で締め付ける作業等が不要となり、その樹木の支持施工のための作業が従来に比べて著しく容易になるという効果を得た。
【0059】
また、このような熟練や専門的技術を要する一連の作業が不要となるので、専門的な造園技術者が減少した近年においても、簡易に作業することができる。
【0060】
さらに、パイプ杆やスライド杆等からなる樹木の載置部分と、立ち上がり支持杆の2点の構成部材のみで樹木を支持施工することができるので、支持具の部品点数も従来に比べて削減することができるという効果がある。
【0061】
さらに、根鉢はパイプ杆に単に載置されるだけで、根鉢の固定及び樹木の支持は、地下部ではなく、上記のような立ち上がり支持杆によって地上部でなされているため、樹木の成長によって、上記立ち上がり支持杆とともに幹部を固定することが不要となったか否か、すなわち樹木が自立可能となったか否かを外部から容易に判断することができ、樹木の生育程度に応じて緊締状態等を迅速に解除することができるという効果がある。
【0062】
また、簡易な構成で樹木や根鉢を地上部で固定することができるので、たとえば幼木や苗木のように比較的小形の樹木の支持施工に好適に使用することができる。
【0063】
さらに、土面への打込用の部材を必要としないので、従来の支持施工方法や支持具と比較しても、屋上緑化等の人工土壌により好適に使用することができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態としての樹木の支持具の概略平面図。
【図2】同概略斜視図。
【図3】パイプの配置状態の概略斜視図。
【図4】立ち上がり支持杆の側面図。
【図5】樹木の支持具を植穴の底壁面に載置した状態の一部断面概略平面図。
【図6】同植穴の底壁面に載置した状態の一部断面側面図。
【図7】スライド杆をスライドさせ、抵抗板を側壁面に打ち込む工程の一部断面概略平面図。
【図8】同抵抗板を側壁面に打ち込む工程の一部断面側面図。
【図9】支持具に根鉢を載置し、立ち上がり支持杆で幹部を固定した状態の一部断面側面図。
【図10】止め具で樹木の幹部及び立ち上がり支持杆の収束部分を止着した状態の断面図。
【図11】植穴を土で閉塞した状態の一部断面側面図。
【図12】他実施形態の支持具の概略平面図。
【図13】同スライド杆をスライドさせて支持具を拡張した状態を示す概略平面図。
【図14】他実施形態の一部断面側面図。
【符号の説明】
1…樹木の支持具 2…パイプ杆
3…スライド杆 9…立ち上がり支持杆

Claims (5)

  1. 両端部に開口部(4),(4) を有する複数のパイプ杆(2) に、それぞれスライド杆(3) がスライド自在に挿通され、該スライド杆(3) に立ち上がり支持杆(9) の下部が移動可能に取り付けられているとともに、該スライド杆(3) にそれぞれ取り付けられた複数の立ち上がり支持杆(9) の上部が収束されて構成された樹木の支持具の、前記パイプ杆(2) に根鉢(14)を載置し、前記複数の立ち上がり支持杆(9) の収束部分に樹木(15)の幹部(16)を固定して施工することを特徴とする樹木の支持施工方法。
  2. 予め地面に形成された植穴(5) 内に根鉢(14)を収納するとともに、該植穴(14)を土等により閉塞して樹木を植設する樹木の支持施工方法において、両端部に開口部(4),(4) を有する複数のパイプ杆(2) に、それぞれスライド杆(3) がスライド自在に挿通され、該スライド杆(3) に立ち上がり支持杆(9) の下部が移動可能に取り付けられているとともに、該スライド杆(3) にそれぞれ取り付けられた複数の立ち上がり支持杆(9) の上部が収束されて構成された樹木の支持具の、前記パイプ杆(2) に根鉢(14)を載置し、前記複数の立ち上がり支持杆(9) の収束部分に樹木(15)の幹部(16)を固定して施工することを特徴とする樹木の支持施工方法。
  3. 両端部に開口部(4),(4) を有する複数のパイプ杆(2) に、それぞれスライド杆(3) がスライド自在に挿通され、該スライド杆(3) に立ち上がり支持杆(9) の下部が移動可能に取り付けられているとともに、該スライド杆(3) にそれぞれ取り付けられた複数の立ち上がり支持杆(9) の上部が収束されて、該立ち上がり支持杆(9) の収束部分で樹木(15)の幹部(16)が固定可能に構成されていることを特徴とする樹木の支持具。
  4. スライド杆(3) の先端に抵抗板(8) が設けられている請求項3記載の樹木の支持具。
  5. 3本のパイプ杆(2),…で平面略三角形状に形成されてなる請求項3又は4記載の樹木の支持具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR102032649B1 (ko) * 2018-04-23 2019-10-15 백관석 수목 이식을 위한 지주목 세트
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