JP2004253862A - 電話システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】親機30の親機制御部39は、親機30A,30Bからの無線子機の子機オフフック通知および載置なし検出通知に基づき、その子機オフフック通知に対する操作判定を行い、載置なし検出通知の通知元親機30Bへ着信中であった場合には、子機オフフック通知が載置なし検出通知の通知元親機30Bへの着信に対する応答操作を示すと判断し、載置なし検出通知の通知元親機30Bへの着信を子機オフフック通知の通知元親機30Aに対応する無線子機40Aへ接続する。また、親機30Aからの子機オフフック通知に基づき、その子機オフフック通知に対する操作判定を行い、そのとき着信中の親機30Bへの着信を子機オフフック通知の通知元親機30Aに対応する無線子機40Aへ接続する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電話システムに関し、特に内線電話機として、親機と無線子機とからなる無線電話機を有する電話システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
網からの電話回線に接続された主装置と、この主装置に内線収容された複数の内線電話機とからなり、電話回線と内線電話機との間を主装置で交換接続するボタン電話装置などの電話システムでは、内線電話機の一部または全部に無線電話機を用いる場合がある(例えば、特許文献1など参照)。
【0003】
この種の無線電話機は、親機とその親機の上に載置されるハンドセット型の無線子機とから構成されている。一般的な内線電話機では、当該内線電話機とハンドセットとがカールコードにより有線で接続されているが、この種の無線電話機では、親機と無線子機との間が、予め設定された当該無線電話機に固有のシステムIDを用いた無線回線で接続されている。親機は、有線の内線伝送路で主装置と接続されており、主装置とデータ通信を行うことにより、一般的な内線電話機と同様の電話機能を提供する。
【0004】
なお、出願人は、本明細書に記載した先行技術文献情報で特定される先行技術文献以外には、本発明に関連する先行技術文献を出願時までに発見するには至らなかった。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−350243号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このような電話システムで用いられている無線電話機では、親機に無線子機を載置して充電などを行う充電台すなわち載置場所が設けられており、通常、未使用時に親機の載置場所に無線子機が載置されるものの、無線子機が親機と無線接続されているため、必要に応じて親機からある程度離れた場所へ無線子機を持ち運ぶことができる。
したがって、例えば、無線子機での通話の内容に応じて利用者が他の部屋へ移動し、その移動先の部屋に設置されている他の親機に無線子機が載置されていない場合、終話に応じてその無線子機を移動先の親機上へ誤って載置する場合もある。
【0007】
従来の電話システムでは、無線子機の誤載置が発生した場合、電話システムの主装置は、各無線子機が対となる親機に載置されていることを前提として制御しているため、次のような不具合が生ずる。
例えば、図7では、親機Aおよび無線子機Aからなる無線電話機Aと、親機Bおよび無線子機Bからなる無線電話機Bとが主装置に接続されており、無線子機Aが親機B上に誤載置されているものとする(ステップ200)。
この状態で網側から無線電話機Bに対する個別着信があった場合(ステップ201)、主装置は無線電話機Bに対応する親機Bへ着信を通知し(ステップ202)、これに応じて親機Bで着信表示が行われる(ステップ203)。
【0008】
ここで、利用者が、親機Bへの着信に応答するため、親機Bのハンドセット、すなわち親機B上に誤載置されている無線子機Aを取り上げた場合(ステップ210)、その無線子機Aがオフフックを検出し(ステップ211)、元の親機Aとの無線回線を介して親機Aへオフフックを通知する(ステップ212)。
これに応じて、親機Aでは、無線子機Aのオフフックを主装置へ通知し(ステップ213)、この通知に応じて、主装置は、無線電話機Aには着信がないことから、無線子機Aでのオフフックを発信要求と判断し、いずれか空き状態の電話回線を捕捉する(ステップ214)。なお、空き状態の電話回線がない場合、あるいは電話回線が1つの場合、主装置から親機Aを介して無線子機Aへビジートーンが通知される。
【0009】
したがって、利用者が、親機Bへの着信へ応答しようとして、親機Bのハンドセットすなわち親機B上に誤載置されている無線子機を取り上げたにもかかわらず外線発信状態あるいはビジー状態となるともに、親機Bへの着信表示が継続され、利用者は親機Bへの着信に応答できないという問題点がある。
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、親機への着信に対して当該親機に誤載置されている無線子機で応答できる電話システムを提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、本発明にかかる電話システムは、網からの電話回線に接続された主装置と、この主装置に内線伝送路を介して収容された複数の内線電話機とを備えるとともに、内線電話機として、主装置に内線伝送路を介して収容される親機と無線回線を介して対となる親機に接続される無線子機とからなり、親機に無線子機を載置する載置場所が設けられた無線電話機を複数有し、電話回線と内線電話機との間を主装置で交換接続する電話システムであって、無線子機に、利用者による親機からの当該無線子機の取り上げをオフフック状態として検出する状態検出部と、この状態検出部でのオフフック状態の検出に応じて親機へ無線回線を介してオフフック検出を通知する無線子機制御部とを設けるとともに、親機に、利用者による当該親機への無線子機の載置有無を検出する載置検出部と、この載置検出部での載置なし検出に応じて主装置へ内線伝送路を介して載置なし検出を通知するとともに、無線回線を介した無線子機からのオフフック検出の通知に応じて主装置へ内線伝送路を介して子機オフフックを通知する親機制御部とを設け、主装置の制御部で、内線伝送路を介して載置なし検出通知および子機オフフック通知を受信した場合、載置なし検出通知の通知元親機が電話回線から着信中の際には、当該着信へ応答してその電話回線と載置なし検出通知の通知元親機との間を接続するようにしたものである。
【0011】
また、本発明にかかる他の電話システムは、網からの電話回線に接続された主装置と、この主装置に内線伝送路を介して収容された複数の内線電話機とを備えるとともに、内線電話機として、主装置に内線伝送路を介して収容される親機と無線回線を介して対となる親機に接続される無線子機とからなる無線電話機を複数有し、電話回線と内線電話機との間を主装置で交換接続する電話システムであって、無線子機に、利用者による親機からの当該無線子機の取り上げをオフフック状態として検出する状態検出部と、この状態検出部でのオフフック状態の検出に応じて親機へ無線回線を介してオフフック検出を通知する無線子機制御部とを設けるとともに、親機に、無線回線を介した無線子機からのオフフック検出の通知に応じて主装置へ内線伝送路を介して子機オフフックを通知する親機制御部を設け、主装置の制御部で、内線伝送路を介して受信した子機オフフック通知が着信への応答操作を示す場合は、子機オフフック通知の通知元親機を介して当該親機と対となる無線子機へ着信を接続するようにしたものである。
【0012】
また、主装置に、各無線子機がどの親機に載置されているかを示す無線子機管理情報を記憶する記憶部を設け、主装置の制御部で、記憶部の無線子機管理情報を参照して、子機オフフック通知の通知元親機と対となる無線子機が載置されていた親機を検索し、その検索された親機が着信中である場合には、子機オフフック通知が検索された親機に対する着信への応答操作を示すと判定するようにしてもよい。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明の一実施の形態にかかる電話システムの構成を示すブロック図である。
この電話システムは、網からの1つ以上の電話回線11に接続された主装置10と、この主装置10に内線収容された複数の無線電話機20A,20B〜20Nとから構成されており、主装置10で、電話回線11と無線電話機20A,20B〜20Nのいずれかの間における、例えば音声通話やデータ通信などの呼を交換接続する。
【0014】
無線電話機20Aは、主装置10と内線伝送路17を介して接続された親機30Aと、この親機30Aと無線回線を介して接続されるハンドセット型の無線子機40Aとの対から構成されている。この親機30には、無線子機40Aを載置して充電などを行う充電台すなわち載置場所が設けられており、通常、未使用時には親機の載置場所に無線子機が載置される。
無線電話機20Aでは、予め設定された当該無線電話機20Aに固有のシステムIDを用いて親機30Aと無線子機40Aとの間で無線通信が行われる。また、無線電話機20B〜20Nの構成は、無線電話機20Aと同様であり、それぞれ親機30B〜30Nと無線子機40B〜40Nとの対から構成されている。
本発明では、各無線電話機20A〜20Nからの通知に基づき、主装置10で各無線電話機20A〜20Nにおける無線子機の載置状態を確認し、その載置状態に基づき呼制御を行うものである。
【0015】
主装置10には、電話回線11を終端制御する外線インターフェース部(以下、外線I/F部という)12、有線の内線伝送路17を介して無線電話機20A〜20Nとデータ伝送を行う内線インターフェース部(以下、内線I/F部という)13、これら外線I/F部12と内線I/F部13との間を交換接続するスイッチ14、主装置10の各部を制御して、電話回線11と各無線電話機20A〜20Nの呼制御を行う制御部15、および制御部15での制御に必要な情報、例えば親機や子機の動作状態を示す管理情報16Aやプログラムを記憶する記憶部16が設けられている。
特に、制御部15は、CPUなどのマイクロプロセッサを有し、記憶部16のプログラムを読み込んで実行することにより、上記ハードウェアと協働して各種呼制御のほか当該電話システムの各種管理処理を行う。
【0016】
図2に親機30(30A,30B〜30N)の構成例を示す。親機30には、内線インターフェース部(以下、内線I/F部という)31、無線インターフェース部(以下、無線I/F部という)32、音声処理部33、表示部34、キー入力部35、記憶部36、給電部37、載置検出部38、および親機制御部39が設けられている。
内線I/F部31は、内線伝送路17を介して主装置10とデータ伝送を行う回路部である。無線I/F部32は、無線回線を介して無線子機40(40A,40B〜40N)とデータ通信を行う回路部である。音声処理部33は、親機30で無線子機すなわちハンドセットを用いずに通話を行うためのスピーカホン機能や各種報知音の生成機能を有する回路部である。
【0017】
表示部34は、データ伝送で主装置10から受け取った指示に基づきLEDやLCDを制御して各種表示を行う回路部である。キー入力部35は、利用者によるキー操作を検出する回路部である。記憶部36は、親機制御部39での処理動作に用いる各種情報やプログラムを記憶するメモリである。給電部37は、充電端子37Aを介して電気的に接続された無線子機40の電池を充電するための電力を供給する回路部である。載置検出部38は当該親機30に対する無線子機40の載置有無を検出する回路部である。親機制御部39は、CPUなどのマイクロプロセッサを有し、記憶部36のプログラムを読み込んで実行することにより、上記ハードウェアと協働して親機30の各部を制御する機能部である。
【0018】
図3に無線子機40の構成例を示す。無線子機40には、無線インターフェース部(以下、無線I/F部という)41、音声処理部42、電池43、充電部44、状態検出部45、記憶部46、表示部47、キー入力部48、および無線子機制御部49が設けられている。
無線I/F部41は、無線回線を介して親機30とデータ通信を行う回路部である。音声処理部42は、スピーカやマイク(図示せず)を用いた音声通話機能や各種報知音の生成機能を有する回路部である。電池43は無線子機40の各部で用いる動作電源を蓄電する回路部である。充電部44は、充電端子44Aを介して親機30から供給された電力を電池43へ充電する回路部である。状態検出部45は、当該無線子機40のオンフック/オフフックの状態すなわち載置状態を検出する回路部である。
【0019】
記憶部46は、無線子機制御部49での処理動作に用いる各種情報やプログラムを記憶するメモリである。表示部47は、データ通信で親機30から受け取った指示に基づきLEDやLCDを制御して各種表示を行う回路部である。キー入力部48は、利用者によるキー操作を検出する回路部である。無線子機制御部49は、CPUなどのマイクロプロセッサを有し、記憶部46のプログラムを読み込んで実行することにより、上記ハードウェアと協働して無線子機40の各部を制御する機能部である。
【0020】
状態検出部45については、公知技術として、親機30に対する無線子機40の載置により機械的に動作する例えばフックスイッチ、あるいは電気的に動作するフォトインタラプタなど、一般的なスイッチで実現される例もあり、載置検出部38でも同様のスイッチを用いてもよい。
また、状態検出部45として、親機30と無線子機40との間で充電動作に用いる充電端子37Aと充電端子44Aとの電気的接続を検出する例もあり、載置検出部38でも同様に電気的接続を検出するようにしてもよい。
【0021】
この場合、充電端子37Aと充電端子44Aとの電気的接続により変化する電気量、例えば電流値や電圧値を、給電部37や充電部44から取り込み、その変化に応じて、親機30に対する無線子機40の載置有無を検出してもよい。
なお、無線子機40の電池43が満充電状態となった場合、親機30から無線子機40に対する充電電力はゼロとなる。したがって、例えば充電端子37A,44A間に常時所定値以上の電流を流しておく、あるいは所定の電位を印加しておくことにより、満充電状態であっても充電端子37Aと充電端子44Aとの電気的接続の有無を検出してもよい。
【0022】
次に、図4を参照して、本実施の形態にかかる電話システムの動作について、誤載置状態にある親機への呼処理を例として説明する。図4は本実施の形態にかかる電話システムの動作(誤載置状態にある親機への呼処理)を示すシーケンス図である。
まず、利用者が、無線子機40Aと予め対として設定されている親機30A以外の親機30Bへ、無線子機40Aを誤載置した状態で(ステップ100)、電話回線11から無線電話機20Bを着信先とする個別着信があった場合(ステップ101)、主装置10の制御部15は、外線I/F部12からの通知によりその個別着信を検出する。そして、内線I/F部13から内線伝送路17を介して、その着信先である無線電話機20Bの親機30Bへ着信を通知する(ステップ102)。なお、この親機30Bが着信中状態となったことは、記憶部16の管理情報16Aへ登録される。
【0023】
親機30Bの親機制御部39は、内線I/F部31を介して主装置10からの着信通知を受信し、音声処理部33を制御して着信音を出力するとともに、表示部34のLEDさらにはLCDを制御して着信表示を行う(ステップ103)。
これに応じて、利用者は無線電話機20Bへの着信を確認し、親機30Bのハンドセット、この場合は無線子機40Aを取り上げる(ステップ110)。これにより、無線子機40Aの無線子機制御部49は、状態検出部45からの出力によりオフフックを検出し(ステップ111)、その旨を無線I/F部41から無線回線を介して親機30Aへ通知する(ステップ112)。
【0024】
親機30Aの親機制御部39は、無線I/F部32を介して無線子機40Aからのオフフックの通知を受信し、内線I/F部31から内線伝送路17を介して主装置10へ子機オフフックを通知する(ステップ113)。
一方、親機30Bの親機制御部39は、載置検出部38により任意の無線子機40が取り上げられたことを載置なしとして検出し(ステップ114)、内線I/F部31から内線伝送路17を介して主装置10へその載置なし検出を通知する(ステップ115)。
【0025】
主装置10の制御部15では、内線I/F部13を介して、親機30Aからの子機オフフック通知、および親機30Bからの載置なし検出通知をそれぞれ受信し、その子機オフフック通知が着信への応答操作かどうかの操作判定を行う(ステップ120)。
この場合、いずれか一方の通知と、その一方の通知が受信された時点から所定時間差以内に受信された他方の通知とを組として、操作判定を行う。すなわち所定時間差以内で続けて受信された子機オフフック通知と載置なし検出通知とを判定対象とする。これにより、他の通知の組と区別できる。なお、この所定時間差は、両通知の到着時間差を許容する値として当該電話システムごとに設定すればよい。
【0026】
この操作判定では、まず、これら通知を受信した内線伝送路17の内線I/F部13での収容位置に基づき、それぞれの通知の通知元を判定する。この場合には、載置なし検出通知の通知元が親機30Bであると判定され、子機オフフック通知の通知元が親機30Aであると判定される。
なお、これら通知の通知元を判断するため、その通知に通知元を示す識別情報を格納しておいてもよい。
【0027】
そして、記憶部16の管理情報16Aを参照して、ステップ102で通知した着信が載置なし検出通知の通知元親機30Bへの着信であり、載置なし検出通知の通知元親機30Bへ着信中であることから、当該子機オフフック通知が、個別着信中の親機30Bに無線子機40Aが誤載置されている状態で、無線子機40Aが取り上げられた応答操作を示すと判断し、制御部15は、親機30Bへの個別着信を無線子機40Aへ接続するための呼処理を開始する。
【0028】
まず、制御部15は、親機30Bへ着信停止を通知し(ステップ121)、親機30Bの親機制御部39で、着信表示を停止させる(ステップ122)。
また、外線I/F部12を制御して電話回線11からの親機30Bへの個別着信へ応答し(ステップ123)、スイッチ14を制御してその電話回線11の通話パスと親機30Aの通話パスとを接続するとともに、無線子機40Aと対となる親機30Aに対して回線接続を通知する(ステップ124)。
【0029】
これに応じて、親機30Aの親機制御部39は、無線I/F部32から無線子機40Aへ回線接続を通知し(ステップ125)、無線回線を介して無線子機40Aとの間で通話パスを形成するとともに、その通話パスを主装置10との間の通話パスと接続する。
これにより、無線電話機20Bへの着信に対応する電話回線11から無線子機40Aまでの通話パスが接続され、当該個別着信の発呼側と無線子機40Aとの通話が開始される(ステップ126)。
【0030】
そして、その通知開始に応じて、主装置10の制御部15から親機30Bに対し、通話相手情報、通話時間、通話料金などの情報を表示する通話中表示が適時通知され(ステップ127)、親機30Bの親機制御部39により、これら情報が通話中表示として表示部34で表示される(ステップ128)。
【0031】
このように、親機に、無線子機の載置有無を検出する載置検出部を設け、この載置検出部での載置なしの検出に応じてその載置なし検出を当該親機から主装置へ通知し、主装置では親機からの載置なし検出通知および無線子機の子機オフフック通知に基づき、その子機オフフック通知に対する操作判定を行い、載置なし検出通知の通知元親機へ着信中であった場合には、子機オフフック通知が載置なし検出通知の通知元親機への着信に対する応答操作を示すと判定し、載置なし検出通知の通知元親機への着信を子機オフフック通知の通知元親機に対応する無線子機へ接続するようにしたので、親機への着信をその親機に誤載置されている無線子機で応答することができる。
【0032】
また、主装置の制御部では、操作判定を行う際、所定時間差以内に続けて受信された載置なし検出通知および子機オフフック通知を判定対象とするようにしたので、同一無線子機のオフフック操作に起因する載置なし検出通知および子機オフフック通知を、他の無線子機の操作のものと容易に識別できる。
なお、以上の説明では、親機30Bへの着信として個別着信を例として説明したが、これに限定されるものではなく着信先を指定しない通常着信や内線着信についても、前述と同様に本発明を適用でき、同様の作用効果が得られる。
【0033】
また、以上の説明では、主装置10の制御部15における操作判定の際、その無線子機40Aに対応する子機オフフック通知とほぼ同時刻に受信した載置なし検出通知の通知元として親機30Aを判定し、その親機30Aへの着信を、無線子機40Aに接続させる着信として判定する場合を例として説明したが、無線子機40Aでのオフフック操作に対する操作判定方法としては、これに限定されるものではない。
例えば、上記では電話回線11が複数あって、複数の着信が同時に発生する場合を想定したが、電話回線11が1つの場合には、着信も1つしか発生しない。このような場合には、無線子機40Aでのオフフック操作が着信への応答操作であると判定することもできる。したがって、図4におけるステップ114,115で、親機30Bから主装置10に対する載置なし検出の通知、さらには親機30での載置検出部38を省くこともできる。
【0034】
また、主装置10の制御部15が、図5に示すような無線子機管理情報16Bを記憶部16に設けて、各無線子機40が載置されている親機30を管理している場合も考えられる。
このような場合には、ステップ120において、主装置10の制御部15で、その無線子機管理情報16Bに基づき、子機オフフック通知に対応する無線子機40Aが親機30Bに載置されていたことを把握できる。したがって、このような場合にも、図4におけるステップ114,115で、親機30Bから主装置10への載置なし検出の通知、さらには親機30での載置検出部38を省くこともできる。
【0035】
図5は、無線子機管理情報16Bの説明図であり、図5(a)は、無線子機管理情報の構成例であり、図5(b)は無線子機の誤載置例である。
親機30の載置検出部38で検出された載置状態を示す載置情報は、その変化に応じて親機制御部39へ出力され、ここからデータ伝送により主装置10の制御部15へ通知される。また、無線子機40の状態検出部45で検出されたオンフック/オフフック状態で示される載置情報は、その変化に応じて無線子機制御部49へ出力され、ここから無線通信により親機30の親機制御部39へ通知され、上記と同様にして主装置10の制御部15へ通知される。
【0036】
主装置10の制御部15では、親機30および無線子機40から通知された載置情報の通知元を比較する。そして、その通知元となる親機30および無線子機40の組み合わせにより、当該無線子機40がどの親機30に載置されているかを判断し、その対応関係を無線子機管理情報16Bで管理する。
この際、親機30および無線子機40から通知された載置情報は、その載置状態の変化に応じて主装置10へ通知されるため、無線子機40を親機30へ載置した場合、親機30および無線子機40からほぼ等しいタイミングで制御部15へ届く。したがって、制御部15では、いずれか一方の載置情報と、その一方の載置情報が届いた時点から所定時間差以内に届いた他方の載置情報とを組として比較する。これにより、他の載置状態の組と区別できる。
【0037】
各親機30および無線子機40には、予め個別の識別情報が付与されており、図5(a)の例では、各無線子機識別情報ごとに親機識別情報が対応付けて管理されている。
例えば、図5(b)のように、無線子機40Aが元の親機30Aとは異なる親機30B上に誤載置されている場合、図5(a)の無線子機管理情報16Bでは、無線子機40Aに対応する親機識別情報として「30B」が登録される。また、この例では無線子機40Bがいずれの親機30にも載置されていない放置状態にあることから、無線子機40Bに対応する親機識別情報として「放置」が登録される。
【0038】
次に、図6を参照して、本実施の形態にかかる電話システムの動作について、異なる親機への着信に対して誤載置状態にあった無線子機で応答した際に、当該無線子機の無線電話機へ個別着信があった場合の呼処理を例として説明する。図6は本実施の形態にかかる電話システムの他の動作(誤載置状態での話中着信処理)を示すシーケンス図である。以下では、主装置と無線電話機との間の通話パスが1つの場合を例として説明する。
【0039】
まず、前述した図4の呼処理に基づき、無線電話機20Bへの個別着信を無線子機40Aで応答して通話している状態にあるとする(ステップ130)。このような状態で、無線電話機20Aを着信先とする個別着信があった場合(ステップ131)、主装置10の制御部15は、外線I/F部12からの通知によりその個別着信を検出する。
この際、その着信先である無線電話機20Aとの間の通話パスが1つしかないことから、記憶部16に格納されている管理情報16Aを参照して、その着信先である無線電話機20Aが通話中である場合には、その唯一の通話パスが使用されていると判断し、親機30Aへ話中着信を通知する(ステップ132)。
【0040】
これに応じて、親機30Aの親機制御部39は、その通話中着信を無線子機40Aへ通知する(ステップ133)。
これにより、無線子機40Aの無線子機制御部49は、音声処理部42を制御して、受話音声に話中着信音を加えて出力することにより、話中着信を表示する(ステップ134)。
【0041】
その後、無線子機40Aで通話中の利用者が話中着信に気づき、その話中着信へ応答するため、その無線子機40Aを親機30Bへ載置した場合(ステップ140)、無線子機40Aの無線子機制御部49は、状態検出部45からの出力に応じてオンフックを検出し(ステップ141)、その旨を親機30Aへ通知する(ステップ142)。これに応じて、親機30Aの親機制御部39は、そのオンフックを子機オンフックとして主装置10へ通知する(ステップ143)。
一方、親機30Bの親機制御部39は、載置検出部38からの出力により任意の無線子機40の載置ありを検出し(ステップ144)、その旨を主装置10へ通知する(ステップ145)。
【0042】
主装置10の制御部15では、内線I/F部13を介して、親機30Aからの子機オンフック通知、および親機30Bからの載置あり検出通知をそれぞれ受信し、子機オンフック通知に対する操作判定を行う(ステップ150)。
この場合、いずれか一方の通知と、その一方の通知が受信された時点から所定時間差以内に受信された他方の通知とを組として、操作判定を行う。すなわち所定時間差以内で続けて受信された子機オンフック通知と載置あり検出通知とを判定対象とする。これにより、他の通知の組と区別できる。なお、この所定時間差は、両通知の所要時間差から、当該電話システムに固有の値として選択される。
【0043】
この操作判定では、まず、これら通知を受信した内線伝送路17の内線I/F部13での収容位置に基づき、それぞれの通知の通知元を判定する。この場合には、載置あり通知の通知元が親機30Bであると判定され、子機オンフック通知の通知元が親機30Aであると判定される。
そして、記憶部16の管理情報16Aを参照して、子機オンフック通知の通知元親機30Aの無線子機40Aが、異なる親機30Bへ誤載置されたと判断するとともに、親機30Aが通話状態にあることから、無線子機40Aのオンフック操作が無線電話機20Aでの通話に対する終話操作であると判断する。
【0044】
これにより制御部15は、当該通話に対応する電話回線11を切断するとともに、スイッチ14を制御して親機30Aへの通話パスを切断して終話処理する(ステップ151)。また、親機30Aに対して終話を通知するとともに(ステップ152)、親機30Bに対して通話終了を通知する(ステップ154)。
親機30Aの親機制御部39では、この終話通知に応じて無線子機40Aへ回線解放を通知し(ステップ153)、無線子機40Aとの通話パスを切断するとともに、主装置10との通話パスも切断する。
また、親機30Bの親機制御部39では、主装置10からの通話終了通知に応じて、終話されたことを表示する(ステップ155)。
【0045】
そして、制御部15は、無線子機40Aのオンフックに応じて無線電話機20Aでの通話が終了したことから、親機30Aへの話中着信ではなく通常の着信を通知する(ステップ156)。これにより、親機40Aで、通常の着信表示が行われる(ステップ157)。
【0046】
このように、異なる親機への着信を当該親機に載置されていた無線子機へ接続した後、その無線子機の無線電話機への着信があった場合、その無線電話機へ話中着信を通知するようにしたので、主装置とその無線電話機との間の通話パスが1つしかなく、かつ当該無線子機で異なる親機への着信へ応答して唯一の通話パスが使用されている場合でも、当該無線子機の元の無線電話機への着信を話中着信として知ることができ、その終話に応じて元の無線電話機への着信へ応答できる。
【0047】
以上では、主装置10と無線電話機20Aとの間の通話パスが1つの場合を例として説明したが、通話パスが複数あり、いずれかの通話パスが利用可能な状態にある場合、主装置10の制御部15で、上記の話中着信に代えて通常の着信をその着信先である親機30Aへ通知してもよい。これにより、親機30Aの音声処理部33が持つスピーカホン機能を用いてその着信へ応答でき、無線子機40Aが他の親機30Bへの着信に応答中の場合でも、無線電話機20Aへの着信に対して親機30Aで応答して通話を行うことができる。
【0048】
なお、以上では、内線電話機として無線電話機20A〜20Nが主装置10に接続されている場合を例として説明したが、これら無線電話機以外に一般的な内線電話機が接続されている電話システムにも、上記と同様にして、本発明を実施することができる。
また、電話回線11としては、アナログ電話回線に限定されるものではなく、ISDN回線のほか、VoIP回線を外線I/F部12で終端接続する電話システムであってもよい。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、無線子機に、利用者による親機からの当該無線子機の取り上げをオフフック状態として検出する状態検出部と、この状態検出部でのオフフック状態の検出に応じて親機へ無線回線を介してオフフック検出を通知する無線子機制御部とを設けるとともに、親機に、利用者による当該親機への無線子機の載置有無を検出する載置検出部と、この載置検出部での載置なし検出に応じて主装置へ内線伝送路を介して載置なし検出を通知するとともに、無線回線を介した無線子機からのオフフック検出の通知に応じて主装置へ内線伝送路を介して子機オフフックを通知する親機制御部とを設け、主装置の制御部で、内線伝送路を介して載置なし検出通知および子機オフフック通知を受信した場合、載置なし検出通知の通知元親機が電話回線から着信中の際には、当該着信へ応答してその電話回線と載置なし検出通知の通知元親機との間を接続するようにしたものである。
【0050】
また、無線子機に、利用者による親機からの当該無線子機の取り上げをオフフック状態として検出する状態検出部と、この状態検出部でのオフフック状態の検出に応じて親機へ無線回線を介してオフフック検出を通知する無線子機制御部とを設けるとともに、親機に、無線回線を介した無線子機からのオフフック検出の通知に応じて主装置へ内線伝送路を介して子機オフフックを通知する親機制御部を設け、主装置の制御部で、内線伝送路を介して受信した子機オフフック通知が着信への応答操作を示す場合は、子機オフフック通知の通知元親機を介して当該親機と対となる無線子機へ着信を接続するようにしたものである。
したがって、親機に対して異なる親機と対となる無線子機が誤載置されている状態で、当該親機に着信があった場合でも、当該親機に誤載置されている無線子機でその着信へ応答することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態にかかる電話システムの構成を示すブロック図である。
【図2】親機の構成を示すブロック図である。
【図3】無線子機の構成を示すブロック図である。
【図4】本実施の形態にかかる電話システムの動作(誤載置状態での着信処理)を示すシーケンス図である。
【図5】無線子機管理情報の構成例である。
【図6】本実施の形態にかかる電話システム他の動作(誤載置状態での話中着信処理)を示すシーケンス図である。
【図7】従来の電話システムの動作(誤載置)を示すシーケンス図である。
【符号の説明】
10…主装置、11…電話回線、12…外線I/F部、13…内線I/F部、14…スイッチ、15…制御部、16…記憶部、16A…管理情報、16B…無線子機管理情報、17…内線伝送路、20,20A,20B,〜,20N…無線電話機、30,30A,30B,〜,30N…親機、31…内線I/F部、32…無線I/F部、33…音声処理部、34…表示部、35…キー入力部、36…記憶部、37…給電部、37A…充電端子、38…載置検出部、39…親機制御部、40,40A,40B,〜,40N…無線子機、41…無線I/F部、42…音声処理部、43…電池、44…充電部、44A…充電端子、45…状態検出部、46…記憶部、47…表示部、48…キー入力部、49…無線子機制御部。
Claims (3)
- 網からの電話回線に接続された主装置と、この主装置に内線伝送路を介して収容された複数の内線電話機とを備えるとともに、前記内線電話機として、前記主装置に前記内線伝送路を介して収容される親機と無線回線を介して対となる前記親機に接続される無線子機とからなり、前記親機に前記無線子機を載置する載置場所が設けられた無線電話機を複数有し、前記電話回線と前記内線電話機との間を主装置で交換接続する電話システムであって、
前記無線子機は、利用者による前記親機からの当該無線子機の取り上げをオフフック状態として検出する状態検出部と、この状態検出部でのオフフック状態の検出に応じて前記親機へ無線回線を介してオフフック検出を通知する無線子機制御部とを備え、
前記親機は、利用者による当該親機への前記無線子機の載置有無を検出する載置検出部と、この載置検出部での載置なし検出に応じて前記主装置へ前記内線伝送路を介して載置なし検出を通知するとともに、前記無線回線を介した前記無線子機からの前記オフフック検出の通知に応じて前記主装置へ前記内線伝送路を介して子機オフフックを通知する親機制御部とを備え、
前記主装置は、前記内線伝送路を介して前記載置なし検出通知および前記子機オフフック通知を受信した場合、前記載置なし検出通知の通知元親機が前記電話回線から着信中の際には、当該着信へ応答してその電話回線と前記載置なし検出通知の通知元親機との間を接続する制御部を備えることを特徴とする電話システム。 - 網からの電話回線に接続された主装置と、この主装置に内線伝送路を介して収容された複数の内線電話機とを備えるとともに、前記内線電話機として、前記主装置に前記内線伝送路を介して収容される親機と無線回線を介して対となる前記親機に接続される無線子機とからなる無線電話機を複数有し、前記電話回線と前記内線電話機との間を主装置で交換接続する電話システムであって、
前記無線子機は、利用者による前記親機からの当該無線子機の取り上げをオフフック状態として検出する状態検出部と、この状態検出部でのオフフック状態の検出に応じて前記親機へ無線回線を介してオフフック検出を通知する無線子機制御部とを備え、
前記親機は、前記無線回線を介した前記無線子機からの前記オフフック検出の通知に応じて前記主装置へ前記内線伝送路を介して子機オフフックを通知する親機制御部を備え、
前記主装置は、前記内線伝送路を介して受信した前記子機オフフック通知が前記着信への応答操作を示す場合は、前記子機オフフック通知の通知元親機を介して当該親機と対となる無線子機へ前記着信を接続する制御部を備えることを特徴とする電話システム。 - 請求項2に記載の電話システムにおいて、
前記主装置は、前記各無線子機がどの親機に載置されているかを示す無線子機管理情報を記憶する記憶部を有し、
前記主装置の制御部は、前記記憶部の無線子機管理情報を参照して、前記子機オフフック通知の通知元親機と対となる無線子機が載置されていた親機を検索し、その検索された親機が着信中である場合には、前記子機オフフック通知が前記検索された親機に対する着信への応答操作を示すと判定することを特徴とする電話システム。
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