JP2004253570A - 部品搭載装置、位置ズレ補正方法、及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、吸着ノズルによる電子部品に対する吸着位置のズレ量を簡易な構成で検出し、プリント基板上に、より正確に当該電子部品を搭載する部品搭載装置を提供することを目的とする。
【解決手段】吸着ノズルによる電子部品の吸着状態を撮影する部品認識カメラ10と、該部品認識カメラと相対位置が保たれる位置に配置される基準マーク11と、前記吸着ノズルと相対位置が保たれ、前記部品認識カメラで前記吸着状態を撮影する際には前記基準マークを撮影可能な範囲に含む基準マーク撮影用カメラ12とを有し、前記吸着状態を前記部品認識カメラで撮影させると同時に前記基準マーク撮影用カメラで前記基準マークを撮影させ、基準マーク画像データの該基準マークの位置に基づいて前記部品認識カメラによる部品画像データの前記吸着ノズルの位置を算出し、吸着位置のズレを補正制御する制御手段と、を有する部品搭載装置。
【選択図】 図1
【解決手段】吸着ノズルによる電子部品の吸着状態を撮影する部品認識カメラ10と、該部品認識カメラと相対位置が保たれる位置に配置される基準マーク11と、前記吸着ノズルと相対位置が保たれ、前記部品認識カメラで前記吸着状態を撮影する際には前記基準マークを撮影可能な範囲に含む基準マーク撮影用カメラ12とを有し、前記吸着状態を前記部品認識カメラで撮影させると同時に前記基準マーク撮影用カメラで前記基準マークを撮影させ、基準マーク画像データの該基準マークの位置に基づいて前記部品認識カメラによる部品画像データの前記吸着ノズルの位置を算出し、吸着位置のズレを補正制御する制御手段と、を有する部品搭載装置。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリント基板に電子部品を搭載する部品搭載技術に関し、特に、電子部品をプリント基板上に搭載する際の位置ズレを補正する部品搭載技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子機器等に使用されているプリント基板に構成される抵抗・コンデンサ・トランジスタ・IC等のような電子部品の当該プリント基板上への搭載装置として、マウンタと呼ばれる部品搭載装置が一般的に知られている。
【0003】
上記部品搭載装置は、コンベアベルトなどの搬送部によって外部からプリント基板を取り込み、このプリント基板を電子部品の搭載処理を行なう領域に位置決めして固定し、プリント基板の平面上の互いに直交する2軸(X軸、Y軸)とX−Y平面に対して直交する軸(Z軸)との3軸に沿った移動と、そのZ軸を中心とした360度の回転(θ方向への回転)が行なえる、作業ヘッド先端に装着させた吸着ノズルによって、コンピュータ制御の下、部品供給装置により供給された部品供給位置の電子部品を吸着し、上記プリント基板上の搭載位置にその電子部品を吸着した状態で運んで搭載する。
【0004】
上記電子部品の吸着は、上記作業ヘッドのX方向及びY方向への水平移動と吸着ノズルのZ軸方向への下降動作に基づく吸着ノズル先端の部品供給位置への位置制御と、その位置にプリント基板への搭載面が下向きになるように供給される電子部品の上面を、その位置に位置制御を受けた吸着ノズルがその先端の吸着面で吸着することによって行なわれる。
【0005】
吸着面に電子部品が吸着されると、その電子部品を吸着面に吸着させたまま、吸着ノズルのZ軸方向への上昇動作と作業ヘッドのX方向及びY方向への水平移動により吸着ノズルの位置が制御され、下方向から当該電子部品の吸着状態を撮影する部品認識カメラの上空を通過してプリント基板に電子部品が移動される。
【0006】
部品認識カメラは、上記位置の制御により吸着ノズルが部品認識カメラの撮影範囲内にさしかかると、吸着ノズルに吸着した電子部品の吸着状態を電子部品の下方向(搭載面側)から撮影し、その画像データを画像解析する。この画像解析では、予め登録された電子部品の特徴を示すデータを基に、当該電子部品が搭載予定の電子部品であるか、当該電子部品が不良品でないかどうかなどを解析する。若し、上記チェックにひっかかったならば、直ちに部品搭載処理を停止し、部品搭載装置に備えられた液晶モニタや警報ランプを通じてオペレータにエラー処理を促し、エラー修正をさせて正常な部品搭載処理の流れに復旧させる。
【0007】
上記エラーチェックを通過して吸着ノズルがプリント基板に移動させられると、作業ヘッドに下向きに取り付けられた基板撮影用カメラによりプリント基板が撮影される。
そして、その撮影された画像データと撮影時の吸着ノズルの位置から、予め部品搭載プログラムに記述された当該電子部品のプリント基板に対する搭載位置までの吸着ノズルの移動量を算出する(位置合わせする)。そして、この算出した移動量に基づいて、作業ヘッドのX方向及びY方向への水平移動と吸着ノズルのZ軸方向への下降動作を行なって吸着ノズルの位置制御をし、上記特定したプリント基板上の搭載位置でその先端に吸着していた当該電子部品を解放し、プリント基板に対する一電子部品の搭載を終える。
【0008】
【特許文献1】
特開平5−63398号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、部品供給装置による部品供給位置への電子部品の供給ミス、作業ヘッドのX方向及びY方向への水平移動や吸着ノズルのZ軸方向への昇降に伴う移動誤差、或いは吸着ノズルによる電子部品の吸着ミスなどにより、部品供給位置で吸着ノズルが電子部品を吸着する際に、吸着ノズルの吸着面が電子部品上面の所定の吸着位置(例えば中心位置など)から方々に位置ズレして電子部品を吸着してしまうことは多いに起こりうる。
【0010】
この吸着位置の位置ズレを考慮に入れずに電子部品の搭載をプリント基板上に施してしまうと、正しい搭載位置に電子部品を搭載することができず、不良基板を増発させてしまうこととなる。
そのため従来はこの位置ズレを解消するために以下の対策が採られていた。
【0011】
第一の対策は、作業ヘッドをX−Y平面上に水平移動させるモータに内蔵され、そのモータの回転から作業ヘッドの移動量を測定する光学エンコーダを用い、その光学エンコーダによって測定された作業ヘッドの移動量から、部品供給位置における、電子部品に対する吸着ノズルの吸着位置を検出する方法である。
【0012】
しかし、この方法では、作業ヘッドの駆動系に機械的な変位が生じてしまうと、その変位により吸着位置の位置ズレを生じてしまう問題がある。
第二の対策ではこの問題を解消しており、部品供給位置で吸着ノズルに電子部品を吸着させた後、部品供給位置とプリント基板との間に上向きに構成され、電子部品の吸着状態を撮影する上記部品認識用カメラを使用して、上記下方向からの電子部品の吸着状態の撮影時に、吸着ノズルの吸着面の近傍位置でX−Y平面内における距離が一定の位置に配置され上記部品認識用カメラの撮影範囲内に配置されたマークを同時に写り込ませ、生成された画像データのマーク位置から、電子部品の搭載面によってその位置が見えない同一の画像データ内の吸着ノズルの吸着面の配置(吸着位置)を割り出し、予め決められた所定の吸着位置(例えば電子部品上面の中心位置)からのズレ量を検出し、当該電子部品をプリント基板の搭載位置に搭載する際には、そのズレ量を補正した位置に作業ヘッドを駆動させて電子部品を搭載する。
【0013】
しかし、このような第二の対策を用いて電子部品の搭載を実施する場合、上記マークは、作業ヘッドの動作に支障のない場所に構成しなければならないため、一般的に、吸着ノズルの吸着面側から見て吸着面よりもかなり奥まった位置(例えば作業ヘッドの縁など)に構成しなければならない。
【0014】
このような吸着面とマークとの配置関係で電子部品の吸着状態とマークとを部品認識カメラにより同時撮影する場合、電子部品の搭載面とマークとの焦点位置に大きな差が生じ、部品認識カメラに対して非常に大きな被写界深度を持つ光学系を用いなければならなくなる。
【0015】
そして、そのような大きな被写界深度を持つ光学系では、部品認識カメラの絞りを大きく絞り、被写体に対する照度を非常に高くする必要が生じる。
従って、第二の対策においては、装置の実現自体が非常に困難であり問題である。
【0016】
そこで本発明は、吸着ノズルによる電子部品に対する吸着位置のズレ量を簡易な構成で検出し、プリント基板上に、より正確に当該電子部品を搭載する部品搭載装置、位置ズレ補正方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するために以下のように構成する。
すなわち本発明の部品搭載装置は、部品供給位置に供給される電子部品をプリント基板上に搭載するに当たり、上記部品供給位置から上記プリント基板上の搭載位置までの範囲の作業ヘッドによる移動に伴い、上記部品供給位置での上記電子部品の吸着と上記搭載位置での上記電子部品の搭載を上記作業ヘッドに装着された吸着ノズルによって行なう事を前提とし、上記吸着ノズルに吸着した上記電子部品の吸着状態を撮影する部品認識カメラと、上記部品認識カメラと相対位置が保たれる位置に配置される基準マーク(例えば発光部材や反射部材など)と、上記吸着ノズルと相対位置が保たれ、上記吸着ノズルに吸着した電子部品の吸着状態を上記部品認識カメラで撮影する際には上記基準マークを撮影可能な範囲に含む基準マーク撮影用カメラと、上記吸着ノズルに吸着した電子部品の吸着状態を上記部品認識カメラで撮影させると同時に上記基準マーク撮影用カメラで上記基準マークを撮影させる撮影制御手段と、上記基準マーク撮影用カメラの撮影により生成される基準マーク画像データの上記基準マークの位置に基づいて、上記部品認識カメラの撮影により生成される部品画像データの上記吸着ノズルの位置を算出して、上記算出した部品画像データにおける吸着ノズルの位置と上記部品画像データの電子部品の位置との相互位置から、上記吸着ノズルに対する上記電子部品の吸着位置のズレを算出する算出手段と、上記算出手段で算出した上記ズレを補正するように上記作業ヘッドを制御して上記電子部品を上記搭載位置に搭載させる位置ズレ制御手段と、を有する。
【0018】
なお、上記基準マーク撮影用カメラは、上記プリント基板の位置を撮影するために上記作業ヘッドに下向きに設けられた、プリント基板撮影用カメラとすることもできる。この場合、上記基準マークを上記プリント基板撮影用カメラで撮影する際の、上記基準マークの上記プリント基板撮影用カメラからの距離は、上記プリント基板撮影用カメラで上記プリント基板を撮影する際の、上記プリント基板撮影用カメラから上記プリント基板までの距離に略等しい、ことが望ましい。
【0019】
本発明の位置ズレ補正方法は、部品供給位置に供給される電子部品を吸着ノズルで吸着してプリント基板上に搭載する部品搭載装置における、上記部品供給位置から上記電子部品を上記吸着ノズルで吸着する際の上記電子部品に対する上記吸着ノズルの吸着位置のズレを補正することを前提とし、上記吸着ノズルに吸着した電子部品の吸着状態を部品認識カメラで撮影し、同時に、上記部品認識カメラと相互配置が一定の位置に設けた基準マークを、上記吸着ノズルと相互配置が一定の基準マーク撮影用カメラで撮影し、上記基準マーク撮影用カメラの撮影により生成される基準マーク画像データの上記基準マークの位置に基づいて、上記部品認識カメラの撮影により生成される部品画像データの上記吸着ノズルの位置を算出し、上記算出した部品画像データにおける吸着ノズルの位置と上記部品画像データの電子部品の位置との相互位置から、上記吸着ノズルに対する上記電子部品の吸着位置のズレを算出し、上記算出したズレを補正して上記電子部品を上記プリント基板上に搭載する。
【0020】
本発明のプログラムは、部品供給位置に供給される電子部品を吸着ノズルで吸着してプリント基板上に搭載する部品搭載装置における、上記部品供給位置から上記電子部品を上記吸着ノズルで吸着する際の上記電子部品に対する上記吸着ノズルの吸着位置のズレを補正する処理を、コンピュータに実行させることを前提とし、上記吸着ノズルに吸着した電子部品の吸着状態を部品認識カメラで撮影させるステップと、同時に、上記部品認識カメラと相互配置が一定の位置に設けた基準マークを、上記吸着ノズルと相互配置が一定の基準マーク撮影用カメラで撮影させるステップと、上記基準マーク撮影用カメラの撮影により生成される基準マーク画像データの上記基準マークの位置に基づいて、上記部品認識カメラの撮影により生成される部品画像データの上記吸着ノズルの位置を算出するステップと、上記算出した部品画像データにおける吸着ノズルの位置と上記部品画像データの電子部品の位置との相互位置から、上記吸着ノズルに対する上記電子部品の吸着位置のズレを算出するステップと、上記算出したズレを補正して上記電子部品を上記プリント基板上に搭載させるステップと、をコンピュータに実行させる。
【0021】
本発明においては、部品供給位置に供給された電子部品を吸着ノズルで吸着させた後、その電子部品の吸着状態を部品認識カメラで撮影するため、その部品画像データから電子部品の吸着状態がわかる。さらに、部品認識カメラで電子部品の吸着状態を撮影する際に、部品認識カメラと相互配置が一定の基準マークを吸着ノズルと相互配置が一定の基準マーク撮影用カメラで撮影しているので、その基準マーク画像データの基準マークの位置を算出することにより、部品画像データの電子部品に対する吸着ノズルの位置を算出でき、電子部品と吸着ノズルの位置ズレが求まる。そして、この位置ズレを補正するように電子部品を搭載位置に搭載することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態における部品搭載装置の一例である。
同図には、上部保護カバーが外され、内部機構が剥き出しになった部品搭載装置が斜め方向から図示されている。
【0023】
同図の部品搭載装置1において、下部の基台2の上には、中央に、固定と可動の一対の平行する基板案内レール3がプリント基板4の搬送方向(X軸方向、図の斜め右下から斜め左上方向)に水平に延在して配設されている。これらの基板案内レール3の下部に接して、図には見えないループ状のコンベアベルトが走行可能に配設されている。
【0024】
コンベアベルトは、それぞれ数ミリ幅のベルト脇部を基板案内レール3の下から基板搬送路に覗かせて、不図示のベルト駆動モータにより駆動され、基板搬送方向に走行し、プリント基板4の裏面両側を下から支持しながら、装置本体内に部品搭載前の、配線パターンが印刷されたプリント基板4をライン上流側(右下側)から搬入し、電子部品の搭載を終えたプリント基板4を順次ライン下流側(左上側)に搬出する。なお、このプリント基板4は、電子部品の搭載時は位置決めされ、電子部品の搭載が終了するまでその位置に固定されている。
【0025】
基台2の内部には、同図には示されていないが、プリント基板の位置決め装置、プリント基板を一対の基板案内レール3間に固定する基板固定機構、各部の制御や演算処理等を行なうコンピュータなどが備えられている。
基台2の前後には、それぞれ部品供給台5が形成されている。部品供給台5には、複数の電子部品を収容し、種類によって異なる方式で電子部品を送出する部品供給装置が装着される。本実施の形態においてはテープカセット式部品供給装置6(一般には単に、テープフィーダ、カセット式、又はテープ部品供給装置などと簡略に呼ばれている)が、50個〜70個と多数配置できるようになっている(同図には、テープカセット式部品供給装置6の一つを示している)。このテープカセット式部品供給装置6は、ロール状に巻き取られた張り合わせのテープに所定間隔で収容される電子部品を、張り合わせテープを剥がして一つずつ部品供給位置に送り出す構造のものである。
【0026】
基台6の上方には、上記一対の基板案内レール3を跨いで、基板搬送方向に直角の方向(前後方向)に平行に延在する左右一対の固定レール(Y軸レール)7が配設されている。これらY軸レール7に移動レール(X軸レール)8がY軸レール7に沿って滑動自在に係合し、このX軸レール8に、電子部品をプリント基板4に搭載する作業を行なう作業ヘッド9がX軸レールに沿って滑動自在に係合している。同図には定かに示していないが、上記のX軸レール8には、その長手方向(X軸方向)に沿って作業ヘッド9を自在に移動させる不図示のX軸モータが配設され、基台2上には、X軸レール8をY軸レール7に沿って前後(Y軸方向)に進退させるY軸モータ14が配設されている。
【0027】
また、この作業ヘッド9には、特に図示されていないが、基台2に対して垂直方向(Z軸方向)に延在するシャフトと、このシャフトをZ軸方向に昇降移動させる不図示のZ軸モータやシャフトの軸を中心にこのシャフトを360度回転させるθ軸モータなどが配設されている。さらに、このシャフトの先端には、同じく不図示であるが、電子部品を吸着する着脱式の吸着ノズルが装着されている。吸着ノズルは、その下端の吸着面で電子部品の上面を垂直に吸引し、その吸着面に電子部品を吸着させる構造をとっている。
【0028】
上記各モータには、不図示であるが光学エンコーダが備えられ、モータの回転駆動により移動する上記作業ヘッド9のXY方向への移動位置や上記吸着ノズルの昇降位置やθ方向への回転角を測定することができる。
これら各モータや光学エンコーダは、不図示であるが信号コードを介して基台2内部のコンピュータと接続され、これらの信号コードを介して、そのコンピュータから電力及び制御信号の供給を受け、光学エンコーダで検出した上記移動位置・昇降位置・回転角などをそのコンピュータに対して送信する。
【0029】
上記部品供給台5と位置決めして固定されたプリント基板4との間には、吸着ノズルにより吸着された電子部品を撮影する部品認識カメラ10が同図の上向きに配設されている(部品搭載装置の後方の部品認識カメラは、手前のX軸レール8に隠れて見えない位置に配設されている)。この部品認識カメラ10は、例えばCCD(Charge Coupled Device)カメラなどにより構成される。この部品認識カメラ10も、不図示であるが信号コードを介して基台2内部のコンピュータと接続され、この信号コードを介して、そのコンピュータから電力及び制御信号の供給を受け、撮影した画像データ(部品画像データ)をそのコンピュータに対して送信する。
【0030】
そして、本発明の実施の形態においては、上記部品認識カメラ10の近傍位置に、基台2に対して位置が固定された基準マーク11が配設されている。この基準マーク11は、基台2に直接構成しても良いし、基台2に新たに構造物を追加して構成してもよい。この基準マーク11は、同図においてプリント基板4と高さが略一致する位置に設けられ、例えば、基台2内部のコンピュータから電力や発光のタイミングの制御を受けるLED素子や蛍光部材などの発光体や、周囲の物体と輝度差が十分に得られる反射部材などにより構成されている。反射部材にあっては、外光により十分輝度差が得られるものであれば特に照明を照射する必要はないが、照明を必要とする場合には、従来から据え付けられている例えば作業ヘッド9などの不図示の照明装置を照射させたり、新たに、簡易な構成の照明装置を、例えば後述する撮影カメラ12や基台2など、基準マーク11にその照明を照射できる位置に設けたりすることもできる。
【0031】
さらに、本発明の実施の形態においては、同図の作業ヘッド9に、プリント基板4の位置や上記基準マーク11を同図の上方から撮影する撮影カメラ12が取り付けられている。なお、撮影カメラ12が作業ヘッド9の背後に位置しているため、同図ではこれを破線で示すものとした。この撮影カメラ12は、例えばCCDカメラなどにより構成される。この撮影カメラ12には、屈曲自在の帯状のチェーン体13に保護・収容された複数本の不図示の信号コードを介して装置本体の基台2内部のコンピュータと連結されている。撮影カメラ12は、これらの信号コードを介して、コンピュータから電力及び制御信号の供給を受け、プリント基板4上の部品搭載位置の情報を示す画像データや上記基準マークを含む画像データ(基準マーク画像データ)などをコンピュータに対して送信する。
【0032】
なお、本発明の実施に形態のように、撮影カメラ12は、従来から使用されている基板撮影用のカメラであることが望ましいが、それとは別に、基準マーク5を撮影する専用カメラとして新たに設けたものであっても良い。前者の場合、プリント基板4の位置の撮影に使用されるため、基準マーク11の位置は、撮影カメラ12が基準マーク11を撮影する際に、プリント基板4の撮影時と焦点が一致する距離に構成されることが望ましい。また、前述したようにその焦点が一致しない位置に基準マーク11を構成する場合には、撮影距離に合わせて撮影カメラ12の設定を制御して撮影カメラ12側でその焦点を適宜合わせるようにしてもよい。また、撮影カメラ12が基準マーク11のみを撮影する専用カメラである場合には、撮影カメラ12と基準マーク11の配置を入れ替えて構成させることもできる。
【0033】
図2は、図1の部品搭載装置1における部品搭載処理の制御を説明するためのブロック図である。(但し、図1と対応する個所には同一の番号を付すものとした)
同図には、図1の基台2内部に備えられたコンピュータの、本部品搭載装置全体の制御を司る制御手段20、及び制御手段20による制御の下で動作する画像処理手段21が示され、X軸方向(同図の手前から奥)及びY軸方向(同図の左から右)への作業ヘッドの往復移動と、Z軸方向(同図の上から下)への吸着ノズルの昇降移動や吸着ノズルのθ方向への回転などを駆動させる上記X軸モータ・Y軸モータ・Z軸モータ・θ軸モータ(光エンコーダも含むものとする)などを駆動手段22としてまとめて示している。なお、制御手段20には、その他にも、図1に不図示の保護カバーに備えられた、CRT等の表示装置や、外部からの入力操作や各種の画面表示がなされる液晶等の表示入力パネルなど、その他部分の制御も行なうが、本発明の内容を分かり易くするため、同図からは省略するものとした。そして、部品搭載装置の一般的な処理の流れの説明は、従来技術に譲って、ここでは簡易的な説明とするに留め、以下においては、本発明の要となる位置ズレ補正の制御例を中心に示すものとする。
【0034】
同図の制御手段20は、予め決められた手順で駆動手段22や画像処理手段21を制御する。制御手段20は、駆動手段22を駆動させてテープカセット式部品供給装置6の部品供給位置に吸着ノズル23を移動する。吸着ノズル23は、テープカセット式部品供給装置6によって部品供給位置に供給された電子部品24を吸着ノズル23の先端(吸着面)で吸着する。電子部品を吸着した吸着ノズル23は、再び、制御手段20による駆動手段22の駆動の下、部品認識カメラ10上方を経由してプリント基板4に移動させられ、プリント基板の搭載位置に電子部品24を搭載する。
【0035】
駆動手段22では、作業ヘッド9や吸着ノズル23の駆動に伴い、光エンコーダで検出する作業ヘッド9や吸着ノズル23の移動位置を示す信号を制御手段20に定期的に送信している。制御手段20では、駆動手段22から送信される信号に基づいて、吸着ノズル23の先端が部品認識カメラ10の所定の撮影範囲を通過するタイミング(同図に示す吸着ノズル23と部品認識カメラ10の配置が成り立つタイミング)の検出を行ない、画像処理手段21に対して、そのタイミングで部品認識カメラ10及び撮影カメラ12で撮影を行なうように制御する。なお、このタイミングにおける部品認識カメラ10及び撮影カメラ12での撮影は、略同時に行なうことが望ましいが、上記撮影範囲で作業ヘッドの移動を停止して、その状態を維持したまま、夫々のカメラで時間差撮影を行なわせても良い。続いて、撮影した画像データは信号コードを介して画像処理手段21に送信され、この画像データが解析され、吸着ノズル23先端に対する電子部品24の吸着位置のズレ量を制御手段20で算出する。制御手段は、このズレ量を基に駆動手段22を制御して、予め決められたプリント基板4の搭載位置に対する位置を補正して搭載を行なわせる。
【0036】
同図の構成からも明らかなように、吸着ノズル23と撮影カメラ12とは相対位置が固定されており、吸着ノズル23の先端が部品認識カメラ10の所定の撮影範囲を通過する上記タイミングの際、撮影カメラ12の撮影範囲内の、部品認識カメラ10と相対位置が固定された位置に、基準マーク11は配置される。
【0037】
つまり、上述したように吸着ノズル23に吸着させた電子部品24を部品認識カメラ10で撮影するタイミングで撮影カメラ12を作動させれば、吸着ノズル24に吸着させた電子部品24が吸着ノズルの中心軸からズレていても、その中心軸と基準マーク11とは常に同じ配置関係で撮影データとして取り込まれる。
【0038】
この吸着ノズル23の中心軸と基準マーク11の配置関係を予め求めておく事によって、常に、電子部品24の陰に隠れて吸着ノズル23の先端が認識できない部品認識カメラに撮影された画像データからでも、吸着ノズル23の先端の位置を把握することができるようになり、吸着ノズル23先端に対する電子部品24の吸着位置のズレ量を求める事ができる。
【0039】
図3は、上記ズレ量を求める際のフローチャートである。
図2の制御手段20では、図2の駆動手段22から送信される作業ヘッド9と吸着ノズル23の移動情報から、吸着ノズル23が部品認識カメラ10の撮影範囲に位置したかどうかを判定する(S30)。
【0040】
この判定により、吸着ノズル23が部品認識カメラ10の撮影範囲に位置したことが制御手段20で認識されると制御手段20は画像処理手段21にこれを通知し、画像処理手段21は部品認識カメラ10及び撮影カメラ12を同時に駆動させて、吸着ノズル23に吸着した電子部品(吸着部品)24の画像(部品画像)及び基準マーク11の画像(基準マーク画像)を各カメラから読み込む(S31)。
【0041】
画像処理手段21は、ステップS31で読み込んだ各画像の画像処理を施し、部品画像データからは部品画像データ上の吸着部品24の位置を算出し(S32)、基準マークデータからは基準マークデータ上の基準マークの位置を算出する(S33)。ここで、一例として矩形形状の吸着部品と基準マークとを例に挙げ、それらの各画像データを参照しながら説明する。
【0042】
図4は、矩形形状の吸着部品と基準マークに対する、上記同時撮影により生成される各画像データの一配置例である。図4(4−1)には部品画像データ40が示され、部品画像データ40には吸着部品24が左上の位置に写り込んでいる。また、図4(4−2)は基準マーク画像データ41が示され、基準マーク画像データ41には基準マーク11が左下の位置に写り込んでいる。
【0043】
図3のステップS32における吸着部品の位置の算出は、図4(4−1)の部品画像データ40の例で述べると、例えば、吸着部品24の四方の輪郭42を抽出して吸着部品24の外形を特定し、その中心位置25(同図の×印)を吸着部品の位置として算出することができる。また、ステップS33における基準マークの位置の算出は、吸着部品の位置の算出と同様の方法により図4(4−2)の基準マーク画像データ41の基準マーク11の位置26(同図の×印)を算出できる。
【0044】
このように吸着部品及び基準マークの位置の算出を図3のステップS31及びステップS32において行なうと、続いて、図3のフローチャートにおいては、ステップS33で算出した基準マークの位置(図4の26)から、予めその配置関係が特定されている部品画像データ上の吸着ノズルの中心軸の位置(図4の例には、破線で示される吸着ノズル先端27の中心に黒点28で示されている)を推定する(S34)。
【0045】
そして、その推定位置(図4の28)とステップS32で算出した吸着部品の位置(図4の25)とから、予め決められた、電子部品24に対する吸着ノズル23の吸着位置に対する、吸着位置のズレを算出する(S35)。図4の例では、吸着部品の位置25と、予め決められた、電子部品24に対する吸着ノズル23の吸着位置とを等しいものとしたため、吸着位置の位置ズレは同図のようにΔlで示されている。
【0046】
最後に、制御手段20は、この算出されたズレの情報(図4のΔlで示される情報)を基に駆動手段22を制御し、電子部品に対する吸着ノズル23の吸着位置のズレによって生じる、プリント基板4の搭載位置のズレ(図4のΔl)を補正し、その搭載位置に対して電子部品の搭載を正確に行なう(S36)。
【0047】
なお、以上説明してきた各処理はプログラムの形態で配布することもできる。その場合、フロッピー(登録商標)ディスク、CD−ROM、DVDなどの記録媒体に上記プログラムを記録させて配布したり、或いは、公衆網等で用いられる伝送媒体を介して、そのプログラムの一部、若しくは全部を配信するようにしたりすることができる。
【0048】
そして、上記形態で配布されたプログラムを取得したユーザーは、コンピュータに構成される、例えば、記録媒体に記録された情報を読み取る読み取り部や外部機器とデータ通信を行う通信部などを介して、各々とバスを介して接続されるRAMやROMなどのメモリに上記プログラムを読み込ませ、上記メモリとバスを介して接続されるCPU(中央演算処理装置)にそのプログラムを実行させることで、上記位置ズレ補正処理をユーザーの部品搭載装置において実現することが可能となる。
【0049】
以上のように、本発明の実施の形態によれば、部品搭載処理において、部品供給位置に供給された電子部品を吸着ノズルで吸着させた後の、その電子部品の吸着状態を部品認識カメラで撮影する際に、部品認識カメラと相互配置が一定の基準マークを吸着ノズルと相互配置が一定の撮影カメラで撮影させるので、その基準マーク画像データの基準マークの位置を算出することにより、部品画像データの電子部品に対する吸着ノズルの位置を算出でき、吸着ノズルによる電子部品の吸着位置を求めることができる。そして、この吸着位置と予め登録されている吸着位置との差を算出することで吸着位置の位置ズレが求まり、当該電子部品を搭載位置に搭載する際は、この位置ズレを補正するように電子部品を搭載位置に搭載することで搭載位置への正確な搭載が可能となる。
【0050】
そして、これにより、不良基板の増発を抑えることができるようになる。
また、本発明の実施の形態においては、基準マークや撮影装置を簡易な構成で実現できる。特に、基準マークを撮影する撮影カメラをプリント基板用撮影カメラとすることにより、低コストでの実施が可能である。
【0051】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、部品供給位置に供給された電子部品を吸着ノズルで吸着させた後、その電子部品の吸着状態を部品認識カメラで撮影するため、その部品画像データから電子部品の吸着状態がわかる。さらに、部品認識カメラで電子部品の吸着状態を撮影する際に、部品認識カメラと相互配置が一定の基準マークを吸着ノズルと相互配置が一定の基準マーク撮影用カメラで撮影しているので、その基準マーク画像データの基準マークの位置を算出することにより、部品画像データの電子部品に対する吸着ノズルの位置を算出でき、電子部品と吸着ノズルの位置ズレが求まる。そして、この位置ズレを補正するように電子部品を搭載位置に搭載することができる。
【0052】
このように搭載される部品搭載装置では、プリント基板の搭載位置に正確に電子部品が搭載されるため、不良基板の増発を抑えることが可能である。さらに、大掛かりな照明装置を必要とせずに簡易な方法で、吸着ノズルによる電子部品の吸着位置のズレから生じる電子部品の搭載位置のズレを補正することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における部品搭載装置の一例である。
【図2】図1の部品搭載装置1における部品搭載処理の制御を説明するためのブロック図である。
【図3】吸着ノズルによる電子部品の吸着位置のズレ量を求めるフローチャートである。
【図4】矩形形状の吸着部品と基準マークが同時撮影された際に生成される各画像データの一配置例である。
【符号の説明】
1 部品搭載装置
2 基台
4 プリント基板
6 部品供給装置
9 作業ヘッド
10 部品認識カメラ
11 基準マーク
12 撮影カメラ
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリント基板に電子部品を搭載する部品搭載技術に関し、特に、電子部品をプリント基板上に搭載する際の位置ズレを補正する部品搭載技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子機器等に使用されているプリント基板に構成される抵抗・コンデンサ・トランジスタ・IC等のような電子部品の当該プリント基板上への搭載装置として、マウンタと呼ばれる部品搭載装置が一般的に知られている。
【0003】
上記部品搭載装置は、コンベアベルトなどの搬送部によって外部からプリント基板を取り込み、このプリント基板を電子部品の搭載処理を行なう領域に位置決めして固定し、プリント基板の平面上の互いに直交する2軸(X軸、Y軸)とX−Y平面に対して直交する軸(Z軸)との3軸に沿った移動と、そのZ軸を中心とした360度の回転(θ方向への回転)が行なえる、作業ヘッド先端に装着させた吸着ノズルによって、コンピュータ制御の下、部品供給装置により供給された部品供給位置の電子部品を吸着し、上記プリント基板上の搭載位置にその電子部品を吸着した状態で運んで搭載する。
【0004】
上記電子部品の吸着は、上記作業ヘッドのX方向及びY方向への水平移動と吸着ノズルのZ軸方向への下降動作に基づく吸着ノズル先端の部品供給位置への位置制御と、その位置にプリント基板への搭載面が下向きになるように供給される電子部品の上面を、その位置に位置制御を受けた吸着ノズルがその先端の吸着面で吸着することによって行なわれる。
【0005】
吸着面に電子部品が吸着されると、その電子部品を吸着面に吸着させたまま、吸着ノズルのZ軸方向への上昇動作と作業ヘッドのX方向及びY方向への水平移動により吸着ノズルの位置が制御され、下方向から当該電子部品の吸着状態を撮影する部品認識カメラの上空を通過してプリント基板に電子部品が移動される。
【0006】
部品認識カメラは、上記位置の制御により吸着ノズルが部品認識カメラの撮影範囲内にさしかかると、吸着ノズルに吸着した電子部品の吸着状態を電子部品の下方向(搭載面側)から撮影し、その画像データを画像解析する。この画像解析では、予め登録された電子部品の特徴を示すデータを基に、当該電子部品が搭載予定の電子部品であるか、当該電子部品が不良品でないかどうかなどを解析する。若し、上記チェックにひっかかったならば、直ちに部品搭載処理を停止し、部品搭載装置に備えられた液晶モニタや警報ランプを通じてオペレータにエラー処理を促し、エラー修正をさせて正常な部品搭載処理の流れに復旧させる。
【0007】
上記エラーチェックを通過して吸着ノズルがプリント基板に移動させられると、作業ヘッドに下向きに取り付けられた基板撮影用カメラによりプリント基板が撮影される。
そして、その撮影された画像データと撮影時の吸着ノズルの位置から、予め部品搭載プログラムに記述された当該電子部品のプリント基板に対する搭載位置までの吸着ノズルの移動量を算出する(位置合わせする)。そして、この算出した移動量に基づいて、作業ヘッドのX方向及びY方向への水平移動と吸着ノズルのZ軸方向への下降動作を行なって吸着ノズルの位置制御をし、上記特定したプリント基板上の搭載位置でその先端に吸着していた当該電子部品を解放し、プリント基板に対する一電子部品の搭載を終える。
【0008】
【特許文献1】
特開平5−63398号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、部品供給装置による部品供給位置への電子部品の供給ミス、作業ヘッドのX方向及びY方向への水平移動や吸着ノズルのZ軸方向への昇降に伴う移動誤差、或いは吸着ノズルによる電子部品の吸着ミスなどにより、部品供給位置で吸着ノズルが電子部品を吸着する際に、吸着ノズルの吸着面が電子部品上面の所定の吸着位置(例えば中心位置など)から方々に位置ズレして電子部品を吸着してしまうことは多いに起こりうる。
【0010】
この吸着位置の位置ズレを考慮に入れずに電子部品の搭載をプリント基板上に施してしまうと、正しい搭載位置に電子部品を搭載することができず、不良基板を増発させてしまうこととなる。
そのため従来はこの位置ズレを解消するために以下の対策が採られていた。
【0011】
第一の対策は、作業ヘッドをX−Y平面上に水平移動させるモータに内蔵され、そのモータの回転から作業ヘッドの移動量を測定する光学エンコーダを用い、その光学エンコーダによって測定された作業ヘッドの移動量から、部品供給位置における、電子部品に対する吸着ノズルの吸着位置を検出する方法である。
【0012】
しかし、この方法では、作業ヘッドの駆動系に機械的な変位が生じてしまうと、その変位により吸着位置の位置ズレを生じてしまう問題がある。
第二の対策ではこの問題を解消しており、部品供給位置で吸着ノズルに電子部品を吸着させた後、部品供給位置とプリント基板との間に上向きに構成され、電子部品の吸着状態を撮影する上記部品認識用カメラを使用して、上記下方向からの電子部品の吸着状態の撮影時に、吸着ノズルの吸着面の近傍位置でX−Y平面内における距離が一定の位置に配置され上記部品認識用カメラの撮影範囲内に配置されたマークを同時に写り込ませ、生成された画像データのマーク位置から、電子部品の搭載面によってその位置が見えない同一の画像データ内の吸着ノズルの吸着面の配置(吸着位置)を割り出し、予め決められた所定の吸着位置(例えば電子部品上面の中心位置)からのズレ量を検出し、当該電子部品をプリント基板の搭載位置に搭載する際には、そのズレ量を補正した位置に作業ヘッドを駆動させて電子部品を搭載する。
【0013】
しかし、このような第二の対策を用いて電子部品の搭載を実施する場合、上記マークは、作業ヘッドの動作に支障のない場所に構成しなければならないため、一般的に、吸着ノズルの吸着面側から見て吸着面よりもかなり奥まった位置(例えば作業ヘッドの縁など)に構成しなければならない。
【0014】
このような吸着面とマークとの配置関係で電子部品の吸着状態とマークとを部品認識カメラにより同時撮影する場合、電子部品の搭載面とマークとの焦点位置に大きな差が生じ、部品認識カメラに対して非常に大きな被写界深度を持つ光学系を用いなければならなくなる。
【0015】
そして、そのような大きな被写界深度を持つ光学系では、部品認識カメラの絞りを大きく絞り、被写体に対する照度を非常に高くする必要が生じる。
従って、第二の対策においては、装置の実現自体が非常に困難であり問題である。
【0016】
そこで本発明は、吸着ノズルによる電子部品に対する吸着位置のズレ量を簡易な構成で検出し、プリント基板上に、より正確に当該電子部品を搭載する部品搭載装置、位置ズレ補正方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するために以下のように構成する。
すなわち本発明の部品搭載装置は、部品供給位置に供給される電子部品をプリント基板上に搭載するに当たり、上記部品供給位置から上記プリント基板上の搭載位置までの範囲の作業ヘッドによる移動に伴い、上記部品供給位置での上記電子部品の吸着と上記搭載位置での上記電子部品の搭載を上記作業ヘッドに装着された吸着ノズルによって行なう事を前提とし、上記吸着ノズルに吸着した上記電子部品の吸着状態を撮影する部品認識カメラと、上記部品認識カメラと相対位置が保たれる位置に配置される基準マーク(例えば発光部材や反射部材など)と、上記吸着ノズルと相対位置が保たれ、上記吸着ノズルに吸着した電子部品の吸着状態を上記部品認識カメラで撮影する際には上記基準マークを撮影可能な範囲に含む基準マーク撮影用カメラと、上記吸着ノズルに吸着した電子部品の吸着状態を上記部品認識カメラで撮影させると同時に上記基準マーク撮影用カメラで上記基準マークを撮影させる撮影制御手段と、上記基準マーク撮影用カメラの撮影により生成される基準マーク画像データの上記基準マークの位置に基づいて、上記部品認識カメラの撮影により生成される部品画像データの上記吸着ノズルの位置を算出して、上記算出した部品画像データにおける吸着ノズルの位置と上記部品画像データの電子部品の位置との相互位置から、上記吸着ノズルに対する上記電子部品の吸着位置のズレを算出する算出手段と、上記算出手段で算出した上記ズレを補正するように上記作業ヘッドを制御して上記電子部品を上記搭載位置に搭載させる位置ズレ制御手段と、を有する。
【0018】
なお、上記基準マーク撮影用カメラは、上記プリント基板の位置を撮影するために上記作業ヘッドに下向きに設けられた、プリント基板撮影用カメラとすることもできる。この場合、上記基準マークを上記プリント基板撮影用カメラで撮影する際の、上記基準マークの上記プリント基板撮影用カメラからの距離は、上記プリント基板撮影用カメラで上記プリント基板を撮影する際の、上記プリント基板撮影用カメラから上記プリント基板までの距離に略等しい、ことが望ましい。
【0019】
本発明の位置ズレ補正方法は、部品供給位置に供給される電子部品を吸着ノズルで吸着してプリント基板上に搭載する部品搭載装置における、上記部品供給位置から上記電子部品を上記吸着ノズルで吸着する際の上記電子部品に対する上記吸着ノズルの吸着位置のズレを補正することを前提とし、上記吸着ノズルに吸着した電子部品の吸着状態を部品認識カメラで撮影し、同時に、上記部品認識カメラと相互配置が一定の位置に設けた基準マークを、上記吸着ノズルと相互配置が一定の基準マーク撮影用カメラで撮影し、上記基準マーク撮影用カメラの撮影により生成される基準マーク画像データの上記基準マークの位置に基づいて、上記部品認識カメラの撮影により生成される部品画像データの上記吸着ノズルの位置を算出し、上記算出した部品画像データにおける吸着ノズルの位置と上記部品画像データの電子部品の位置との相互位置から、上記吸着ノズルに対する上記電子部品の吸着位置のズレを算出し、上記算出したズレを補正して上記電子部品を上記プリント基板上に搭載する。
【0020】
本発明のプログラムは、部品供給位置に供給される電子部品を吸着ノズルで吸着してプリント基板上に搭載する部品搭載装置における、上記部品供給位置から上記電子部品を上記吸着ノズルで吸着する際の上記電子部品に対する上記吸着ノズルの吸着位置のズレを補正する処理を、コンピュータに実行させることを前提とし、上記吸着ノズルに吸着した電子部品の吸着状態を部品認識カメラで撮影させるステップと、同時に、上記部品認識カメラと相互配置が一定の位置に設けた基準マークを、上記吸着ノズルと相互配置が一定の基準マーク撮影用カメラで撮影させるステップと、上記基準マーク撮影用カメラの撮影により生成される基準マーク画像データの上記基準マークの位置に基づいて、上記部品認識カメラの撮影により生成される部品画像データの上記吸着ノズルの位置を算出するステップと、上記算出した部品画像データにおける吸着ノズルの位置と上記部品画像データの電子部品の位置との相互位置から、上記吸着ノズルに対する上記電子部品の吸着位置のズレを算出するステップと、上記算出したズレを補正して上記電子部品を上記プリント基板上に搭載させるステップと、をコンピュータに実行させる。
【0021】
本発明においては、部品供給位置に供給された電子部品を吸着ノズルで吸着させた後、その電子部品の吸着状態を部品認識カメラで撮影するため、その部品画像データから電子部品の吸着状態がわかる。さらに、部品認識カメラで電子部品の吸着状態を撮影する際に、部品認識カメラと相互配置が一定の基準マークを吸着ノズルと相互配置が一定の基準マーク撮影用カメラで撮影しているので、その基準マーク画像データの基準マークの位置を算出することにより、部品画像データの電子部品に対する吸着ノズルの位置を算出でき、電子部品と吸着ノズルの位置ズレが求まる。そして、この位置ズレを補正するように電子部品を搭載位置に搭載することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態における部品搭載装置の一例である。
同図には、上部保護カバーが外され、内部機構が剥き出しになった部品搭載装置が斜め方向から図示されている。
【0023】
同図の部品搭載装置1において、下部の基台2の上には、中央に、固定と可動の一対の平行する基板案内レール3がプリント基板4の搬送方向(X軸方向、図の斜め右下から斜め左上方向)に水平に延在して配設されている。これらの基板案内レール3の下部に接して、図には見えないループ状のコンベアベルトが走行可能に配設されている。
【0024】
コンベアベルトは、それぞれ数ミリ幅のベルト脇部を基板案内レール3の下から基板搬送路に覗かせて、不図示のベルト駆動モータにより駆動され、基板搬送方向に走行し、プリント基板4の裏面両側を下から支持しながら、装置本体内に部品搭載前の、配線パターンが印刷されたプリント基板4をライン上流側(右下側)から搬入し、電子部品の搭載を終えたプリント基板4を順次ライン下流側(左上側)に搬出する。なお、このプリント基板4は、電子部品の搭載時は位置決めされ、電子部品の搭載が終了するまでその位置に固定されている。
【0025】
基台2の内部には、同図には示されていないが、プリント基板の位置決め装置、プリント基板を一対の基板案内レール3間に固定する基板固定機構、各部の制御や演算処理等を行なうコンピュータなどが備えられている。
基台2の前後には、それぞれ部品供給台5が形成されている。部品供給台5には、複数の電子部品を収容し、種類によって異なる方式で電子部品を送出する部品供給装置が装着される。本実施の形態においてはテープカセット式部品供給装置6(一般には単に、テープフィーダ、カセット式、又はテープ部品供給装置などと簡略に呼ばれている)が、50個〜70個と多数配置できるようになっている(同図には、テープカセット式部品供給装置6の一つを示している)。このテープカセット式部品供給装置6は、ロール状に巻き取られた張り合わせのテープに所定間隔で収容される電子部品を、張り合わせテープを剥がして一つずつ部品供給位置に送り出す構造のものである。
【0026】
基台6の上方には、上記一対の基板案内レール3を跨いで、基板搬送方向に直角の方向(前後方向)に平行に延在する左右一対の固定レール(Y軸レール)7が配設されている。これらY軸レール7に移動レール(X軸レール)8がY軸レール7に沿って滑動自在に係合し、このX軸レール8に、電子部品をプリント基板4に搭載する作業を行なう作業ヘッド9がX軸レールに沿って滑動自在に係合している。同図には定かに示していないが、上記のX軸レール8には、その長手方向(X軸方向)に沿って作業ヘッド9を自在に移動させる不図示のX軸モータが配設され、基台2上には、X軸レール8をY軸レール7に沿って前後(Y軸方向)に進退させるY軸モータ14が配設されている。
【0027】
また、この作業ヘッド9には、特に図示されていないが、基台2に対して垂直方向(Z軸方向)に延在するシャフトと、このシャフトをZ軸方向に昇降移動させる不図示のZ軸モータやシャフトの軸を中心にこのシャフトを360度回転させるθ軸モータなどが配設されている。さらに、このシャフトの先端には、同じく不図示であるが、電子部品を吸着する着脱式の吸着ノズルが装着されている。吸着ノズルは、その下端の吸着面で電子部品の上面を垂直に吸引し、その吸着面に電子部品を吸着させる構造をとっている。
【0028】
上記各モータには、不図示であるが光学エンコーダが備えられ、モータの回転駆動により移動する上記作業ヘッド9のXY方向への移動位置や上記吸着ノズルの昇降位置やθ方向への回転角を測定することができる。
これら各モータや光学エンコーダは、不図示であるが信号コードを介して基台2内部のコンピュータと接続され、これらの信号コードを介して、そのコンピュータから電力及び制御信号の供給を受け、光学エンコーダで検出した上記移動位置・昇降位置・回転角などをそのコンピュータに対して送信する。
【0029】
上記部品供給台5と位置決めして固定されたプリント基板4との間には、吸着ノズルにより吸着された電子部品を撮影する部品認識カメラ10が同図の上向きに配設されている(部品搭載装置の後方の部品認識カメラは、手前のX軸レール8に隠れて見えない位置に配設されている)。この部品認識カメラ10は、例えばCCD(Charge Coupled Device)カメラなどにより構成される。この部品認識カメラ10も、不図示であるが信号コードを介して基台2内部のコンピュータと接続され、この信号コードを介して、そのコンピュータから電力及び制御信号の供給を受け、撮影した画像データ(部品画像データ)をそのコンピュータに対して送信する。
【0030】
そして、本発明の実施の形態においては、上記部品認識カメラ10の近傍位置に、基台2に対して位置が固定された基準マーク11が配設されている。この基準マーク11は、基台2に直接構成しても良いし、基台2に新たに構造物を追加して構成してもよい。この基準マーク11は、同図においてプリント基板4と高さが略一致する位置に設けられ、例えば、基台2内部のコンピュータから電力や発光のタイミングの制御を受けるLED素子や蛍光部材などの発光体や、周囲の物体と輝度差が十分に得られる反射部材などにより構成されている。反射部材にあっては、外光により十分輝度差が得られるものであれば特に照明を照射する必要はないが、照明を必要とする場合には、従来から据え付けられている例えば作業ヘッド9などの不図示の照明装置を照射させたり、新たに、簡易な構成の照明装置を、例えば後述する撮影カメラ12や基台2など、基準マーク11にその照明を照射できる位置に設けたりすることもできる。
【0031】
さらに、本発明の実施の形態においては、同図の作業ヘッド9に、プリント基板4の位置や上記基準マーク11を同図の上方から撮影する撮影カメラ12が取り付けられている。なお、撮影カメラ12が作業ヘッド9の背後に位置しているため、同図ではこれを破線で示すものとした。この撮影カメラ12は、例えばCCDカメラなどにより構成される。この撮影カメラ12には、屈曲自在の帯状のチェーン体13に保護・収容された複数本の不図示の信号コードを介して装置本体の基台2内部のコンピュータと連結されている。撮影カメラ12は、これらの信号コードを介して、コンピュータから電力及び制御信号の供給を受け、プリント基板4上の部品搭載位置の情報を示す画像データや上記基準マークを含む画像データ(基準マーク画像データ)などをコンピュータに対して送信する。
【0032】
なお、本発明の実施に形態のように、撮影カメラ12は、従来から使用されている基板撮影用のカメラであることが望ましいが、それとは別に、基準マーク5を撮影する専用カメラとして新たに設けたものであっても良い。前者の場合、プリント基板4の位置の撮影に使用されるため、基準マーク11の位置は、撮影カメラ12が基準マーク11を撮影する際に、プリント基板4の撮影時と焦点が一致する距離に構成されることが望ましい。また、前述したようにその焦点が一致しない位置に基準マーク11を構成する場合には、撮影距離に合わせて撮影カメラ12の設定を制御して撮影カメラ12側でその焦点を適宜合わせるようにしてもよい。また、撮影カメラ12が基準マーク11のみを撮影する専用カメラである場合には、撮影カメラ12と基準マーク11の配置を入れ替えて構成させることもできる。
【0033】
図2は、図1の部品搭載装置1における部品搭載処理の制御を説明するためのブロック図である。(但し、図1と対応する個所には同一の番号を付すものとした)
同図には、図1の基台2内部に備えられたコンピュータの、本部品搭載装置全体の制御を司る制御手段20、及び制御手段20による制御の下で動作する画像処理手段21が示され、X軸方向(同図の手前から奥)及びY軸方向(同図の左から右)への作業ヘッドの往復移動と、Z軸方向(同図の上から下)への吸着ノズルの昇降移動や吸着ノズルのθ方向への回転などを駆動させる上記X軸モータ・Y軸モータ・Z軸モータ・θ軸モータ(光エンコーダも含むものとする)などを駆動手段22としてまとめて示している。なお、制御手段20には、その他にも、図1に不図示の保護カバーに備えられた、CRT等の表示装置や、外部からの入力操作や各種の画面表示がなされる液晶等の表示入力パネルなど、その他部分の制御も行なうが、本発明の内容を分かり易くするため、同図からは省略するものとした。そして、部品搭載装置の一般的な処理の流れの説明は、従来技術に譲って、ここでは簡易的な説明とするに留め、以下においては、本発明の要となる位置ズレ補正の制御例を中心に示すものとする。
【0034】
同図の制御手段20は、予め決められた手順で駆動手段22や画像処理手段21を制御する。制御手段20は、駆動手段22を駆動させてテープカセット式部品供給装置6の部品供給位置に吸着ノズル23を移動する。吸着ノズル23は、テープカセット式部品供給装置6によって部品供給位置に供給された電子部品24を吸着ノズル23の先端(吸着面)で吸着する。電子部品を吸着した吸着ノズル23は、再び、制御手段20による駆動手段22の駆動の下、部品認識カメラ10上方を経由してプリント基板4に移動させられ、プリント基板の搭載位置に電子部品24を搭載する。
【0035】
駆動手段22では、作業ヘッド9や吸着ノズル23の駆動に伴い、光エンコーダで検出する作業ヘッド9や吸着ノズル23の移動位置を示す信号を制御手段20に定期的に送信している。制御手段20では、駆動手段22から送信される信号に基づいて、吸着ノズル23の先端が部品認識カメラ10の所定の撮影範囲を通過するタイミング(同図に示す吸着ノズル23と部品認識カメラ10の配置が成り立つタイミング)の検出を行ない、画像処理手段21に対して、そのタイミングで部品認識カメラ10及び撮影カメラ12で撮影を行なうように制御する。なお、このタイミングにおける部品認識カメラ10及び撮影カメラ12での撮影は、略同時に行なうことが望ましいが、上記撮影範囲で作業ヘッドの移動を停止して、その状態を維持したまま、夫々のカメラで時間差撮影を行なわせても良い。続いて、撮影した画像データは信号コードを介して画像処理手段21に送信され、この画像データが解析され、吸着ノズル23先端に対する電子部品24の吸着位置のズレ量を制御手段20で算出する。制御手段は、このズレ量を基に駆動手段22を制御して、予め決められたプリント基板4の搭載位置に対する位置を補正して搭載を行なわせる。
【0036】
同図の構成からも明らかなように、吸着ノズル23と撮影カメラ12とは相対位置が固定されており、吸着ノズル23の先端が部品認識カメラ10の所定の撮影範囲を通過する上記タイミングの際、撮影カメラ12の撮影範囲内の、部品認識カメラ10と相対位置が固定された位置に、基準マーク11は配置される。
【0037】
つまり、上述したように吸着ノズル23に吸着させた電子部品24を部品認識カメラ10で撮影するタイミングで撮影カメラ12を作動させれば、吸着ノズル24に吸着させた電子部品24が吸着ノズルの中心軸からズレていても、その中心軸と基準マーク11とは常に同じ配置関係で撮影データとして取り込まれる。
【0038】
この吸着ノズル23の中心軸と基準マーク11の配置関係を予め求めておく事によって、常に、電子部品24の陰に隠れて吸着ノズル23の先端が認識できない部品認識カメラに撮影された画像データからでも、吸着ノズル23の先端の位置を把握することができるようになり、吸着ノズル23先端に対する電子部品24の吸着位置のズレ量を求める事ができる。
【0039】
図3は、上記ズレ量を求める際のフローチャートである。
図2の制御手段20では、図2の駆動手段22から送信される作業ヘッド9と吸着ノズル23の移動情報から、吸着ノズル23が部品認識カメラ10の撮影範囲に位置したかどうかを判定する(S30)。
【0040】
この判定により、吸着ノズル23が部品認識カメラ10の撮影範囲に位置したことが制御手段20で認識されると制御手段20は画像処理手段21にこれを通知し、画像処理手段21は部品認識カメラ10及び撮影カメラ12を同時に駆動させて、吸着ノズル23に吸着した電子部品(吸着部品)24の画像(部品画像)及び基準マーク11の画像(基準マーク画像)を各カメラから読み込む(S31)。
【0041】
画像処理手段21は、ステップS31で読み込んだ各画像の画像処理を施し、部品画像データからは部品画像データ上の吸着部品24の位置を算出し(S32)、基準マークデータからは基準マークデータ上の基準マークの位置を算出する(S33)。ここで、一例として矩形形状の吸着部品と基準マークとを例に挙げ、それらの各画像データを参照しながら説明する。
【0042】
図4は、矩形形状の吸着部品と基準マークに対する、上記同時撮影により生成される各画像データの一配置例である。図4(4−1)には部品画像データ40が示され、部品画像データ40には吸着部品24が左上の位置に写り込んでいる。また、図4(4−2)は基準マーク画像データ41が示され、基準マーク画像データ41には基準マーク11が左下の位置に写り込んでいる。
【0043】
図3のステップS32における吸着部品の位置の算出は、図4(4−1)の部品画像データ40の例で述べると、例えば、吸着部品24の四方の輪郭42を抽出して吸着部品24の外形を特定し、その中心位置25(同図の×印)を吸着部品の位置として算出することができる。また、ステップS33における基準マークの位置の算出は、吸着部品の位置の算出と同様の方法により図4(4−2)の基準マーク画像データ41の基準マーク11の位置26(同図の×印)を算出できる。
【0044】
このように吸着部品及び基準マークの位置の算出を図3のステップS31及びステップS32において行なうと、続いて、図3のフローチャートにおいては、ステップS33で算出した基準マークの位置(図4の26)から、予めその配置関係が特定されている部品画像データ上の吸着ノズルの中心軸の位置(図4の例には、破線で示される吸着ノズル先端27の中心に黒点28で示されている)を推定する(S34)。
【0045】
そして、その推定位置(図4の28)とステップS32で算出した吸着部品の位置(図4の25)とから、予め決められた、電子部品24に対する吸着ノズル23の吸着位置に対する、吸着位置のズレを算出する(S35)。図4の例では、吸着部品の位置25と、予め決められた、電子部品24に対する吸着ノズル23の吸着位置とを等しいものとしたため、吸着位置の位置ズレは同図のようにΔlで示されている。
【0046】
最後に、制御手段20は、この算出されたズレの情報(図4のΔlで示される情報)を基に駆動手段22を制御し、電子部品に対する吸着ノズル23の吸着位置のズレによって生じる、プリント基板4の搭載位置のズレ(図4のΔl)を補正し、その搭載位置に対して電子部品の搭載を正確に行なう(S36)。
【0047】
なお、以上説明してきた各処理はプログラムの形態で配布することもできる。その場合、フロッピー(登録商標)ディスク、CD−ROM、DVDなどの記録媒体に上記プログラムを記録させて配布したり、或いは、公衆網等で用いられる伝送媒体を介して、そのプログラムの一部、若しくは全部を配信するようにしたりすることができる。
【0048】
そして、上記形態で配布されたプログラムを取得したユーザーは、コンピュータに構成される、例えば、記録媒体に記録された情報を読み取る読み取り部や外部機器とデータ通信を行う通信部などを介して、各々とバスを介して接続されるRAMやROMなどのメモリに上記プログラムを読み込ませ、上記メモリとバスを介して接続されるCPU(中央演算処理装置)にそのプログラムを実行させることで、上記位置ズレ補正処理をユーザーの部品搭載装置において実現することが可能となる。
【0049】
以上のように、本発明の実施の形態によれば、部品搭載処理において、部品供給位置に供給された電子部品を吸着ノズルで吸着させた後の、その電子部品の吸着状態を部品認識カメラで撮影する際に、部品認識カメラと相互配置が一定の基準マークを吸着ノズルと相互配置が一定の撮影カメラで撮影させるので、その基準マーク画像データの基準マークの位置を算出することにより、部品画像データの電子部品に対する吸着ノズルの位置を算出でき、吸着ノズルによる電子部品の吸着位置を求めることができる。そして、この吸着位置と予め登録されている吸着位置との差を算出することで吸着位置の位置ズレが求まり、当該電子部品を搭載位置に搭載する際は、この位置ズレを補正するように電子部品を搭載位置に搭載することで搭載位置への正確な搭載が可能となる。
【0050】
そして、これにより、不良基板の増発を抑えることができるようになる。
また、本発明の実施の形態においては、基準マークや撮影装置を簡易な構成で実現できる。特に、基準マークを撮影する撮影カメラをプリント基板用撮影カメラとすることにより、低コストでの実施が可能である。
【0051】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、部品供給位置に供給された電子部品を吸着ノズルで吸着させた後、その電子部品の吸着状態を部品認識カメラで撮影するため、その部品画像データから電子部品の吸着状態がわかる。さらに、部品認識カメラで電子部品の吸着状態を撮影する際に、部品認識カメラと相互配置が一定の基準マークを吸着ノズルと相互配置が一定の基準マーク撮影用カメラで撮影しているので、その基準マーク画像データの基準マークの位置を算出することにより、部品画像データの電子部品に対する吸着ノズルの位置を算出でき、電子部品と吸着ノズルの位置ズレが求まる。そして、この位置ズレを補正するように電子部品を搭載位置に搭載することができる。
【0052】
このように搭載される部品搭載装置では、プリント基板の搭載位置に正確に電子部品が搭載されるため、不良基板の増発を抑えることが可能である。さらに、大掛かりな照明装置を必要とせずに簡易な方法で、吸着ノズルによる電子部品の吸着位置のズレから生じる電子部品の搭載位置のズレを補正することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における部品搭載装置の一例である。
【図2】図1の部品搭載装置1における部品搭載処理の制御を説明するためのブロック図である。
【図3】吸着ノズルによる電子部品の吸着位置のズレ量を求めるフローチャートである。
【図4】矩形形状の吸着部品と基準マークが同時撮影された際に生成される各画像データの一配置例である。
【符号の説明】
1 部品搭載装置
2 基台
4 プリント基板
6 部品供給装置
9 作業ヘッド
10 部品認識カメラ
11 基準マーク
12 撮影カメラ
Claims (6)
- 部品供給位置に供給される電子部品をプリント基板上に搭載するに当たり、前記部品供給位置から前記プリント基板上の搭載位置までの範囲の作業ヘッドによる移動に伴い、前記部品供給位置での前記電子部品の吸着と前記搭載位置での前記電子部品の搭載を前記作業ヘッドに装着された吸着ノズルによって行なう部品搭載装置であって、
前記吸着ノズルに吸着した前記電子部品の吸着状態を撮影する部品認識カメラと、
該部品認識カメラと相対位置が保たれる位置に配置される基準マークと、
前記吸着ノズルと相対位置が保たれ、該吸着ノズルに吸着した前記電子部品の吸着状態を前記部品認識カメラで撮影する際には前記基準マークを撮影可能な範囲に含む基準マーク撮影用カメラと、
前記吸着ノズルに吸着した電子部品の吸着状態を前記部品認識カメラで撮影させると同時に前記基準マーク撮影用カメラで前記基準マークを撮影させる撮影制御手段と、
前記基準マーク撮影用カメラの撮影により生成される基準マーク画像データの前記基準マークの位置に基づいて、前記部品認識カメラの撮影により生成される部品画像データの前記吸着ノズルの位置を算出して、該算出した部品画像データにおける吸着ノズルの位置と前記部品画像データの電子部品の位置との相互位置から、前記吸着ノズルに対する前記電子部品の吸着位置のズレを算出する算出手段と、
該算出手段で算出した前記ズレを補正するように前記作業ヘッドを制御して前記電子部品を前記搭載位置に搭載させる位置ズレ制御手段と、
を有することを特徴とする部品搭載装置。 - 前記基準マーク撮影用カメラは、前記プリント基板の位置を撮影するために前記作業ヘッドに下向きに設けられた、プリント基板撮影用カメラである、ことを特徴とする請求項1に記載の部品搭載装置。
- 前記基準マークを前記プリント基板撮影用カメラで撮影する際の、前記基準マークの前記プリント基板撮影用カメラからの距離は、該プリント基板撮影用カメラで前記プリント基板を撮影する際の、前記プリント基板撮影用カメラから該プリント基板までの距離に略等しい、ことを特徴とする請求項2に記載の部品搭載装置。
- 前記基準マークは、発光部材または反射部材である、ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一つに記載の部品搭載装置。
- 部品供給位置に供給される電子部品を吸着ノズルで吸着してプリント基板上に搭載する部品搭載装置における、前記部品供給位置から前記電子部品を前記吸着ノズルで吸着する際の前記電子部品に対する前記吸着ノズルの吸着位置のズレを補正する位置ズレ補正方法であって、
前記吸着ノズルに吸着した電子部品の吸着状態を部品認識カメラで撮影し、
同時に、該部品認識カメラと相互配置が一定の位置に設けた基準マークを、前記吸着ノズルと相互配置が一定の基準マーク撮影用カメラで撮影し、
該基準マーク撮影用カメラの撮影により生成される基準マーク画像データの前記基準マークの位置に基づいて、前記部品認識カメラの撮影により生成される部品画像データの前記吸着ノズルの位置を算出し、
該算出した部品画像データにおける吸着ノズルの位置と前記部品画像データの電子部品の位置との相互位置から、前記吸着ノズルに対する前記電子部品の吸着位置のズレを算出し、
該算出したズレを補正して前記電子部品を前記プリント基板上に搭載する、
ことを特徴とする位置ズレ補正方法。 - 部品供給位置に供給される電子部品を吸着ノズルで吸着してプリント基板上に搭載する部品搭載装置における、前記部品供給位置から前記電子部品を前記吸着ノズルで吸着する際の前記電子部品に対する前記吸着ノズルの吸着位置のズレを補正する処理を、コンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記吸着ノズルに吸着した電子部品の吸着状態を部品認識カメラで撮影させるステップと、
同時に、該部品認識カメラと相互配置が一定の位置に設けた基準マークを、前記吸着ノズルと相互配置が一定の基準マーク撮影用カメラで撮影させるステップと、
該基準マーク撮影用カメラの撮影により生成される基準マーク画像データの該基準マークの位置に基づいて、前記部品認識カメラの撮影により生成される部品画像データの前記吸着ノズルの位置を算出するステップと、
該算出した部品画像データにおける吸着ノズルの位置と前記部品画像データの電子部品の位置との相互位置から、前記吸着ノズルに対する前記電子部品の吸着位置のズレを算出するステップと、
該算出したズレを補正して前記電子部品を前記プリント基板上に搭載させるステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2003041630A JP2004253570A (ja) | 2003-02-19 | 2003-02-19 | 部品搭載装置、位置ズレ補正方法、及びプログラム |
Applications Claiming Priority (1)
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008004657A (ja) * | 2006-06-21 | 2008-01-10 | Juki Corp | 表面実装装置 |
CN112945092A (zh) * | 2021-01-27 | 2021-06-11 | 深圳市卓兴半导体科技有限公司 | 一种多工位设备的模板定位方法及系统 |
CN114290324A (zh) * | 2020-10-07 | 2022-04-08 | 精工爱普生株式会社 | 带式输送机校准方法、机器人控制方法、机器人系统及存储介质 |
-
2003
- 2003-02-19 JP JP2003041630A patent/JP2004253570A/ja active Pending
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