JP2005014012A - 描画装置および描画方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】描画装置10は、基板Sの表面および裏面に回路パターンおよび基準マークを描画可能な光学ユニット12と、基準マークP1、P2の相対位置を測定するためのCCDカメラ20、22とを備える。光学ユニット12によって基板Sの表面に回路パターンおよび基準マークP1、P2を描画した後、基板Sを反転し、CCDカメラ20、22を用いて表面の基準マークP1、P2の相対位置を測定し、測定された基準マークP1、P2の相対位置に基づいて裏面の回路パターンの表面の回路パターンに対する描画位置を調整し、光学ユニット12によって前記基板の裏面に回路パターンを描画する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、感光性の基板をレーザビームで走査しつつ、このレーザビームを描画データに基づいて変調させることにより、基板に所定のパターンを直接描画する描画装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の描画装置としては、例えばプリント配線板の製造に使用されるダイレクトイメージャが挙げられ、表面にフォトレジスト層を設けた銅張積層板のパターンに相当する部分にレーザビームを照射してフォトレジストを硬化させることによって、パターンを積層板に直接描画するものである。描画装置でパターンが描画された銅張積層板は、さらに現像、エッチング、フォトレジスト除去等の処理が施され、これにより銅箔から成るパターンを積層板上に形成することができる。そして上記一連の処理を積層板の片面あるいは両面に対して施し、さらに積層板を積層することによってプリント配線板が得られる。
【0003】
描画装置では、各層のパターン同士の相対的な描画位置についてミクロン単位の位置合せ精度が要求される。このため、従来では積層板のパターン以外の領域(例えば4隅)に少なくとも2つ以上の基準穴をドリル加工により形成し、この基準穴の位置をCCDカメラ等により測定し、基準穴に対するパターンの描画位置を調整することによって各層のパターンの位置合せを行っていた(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
しかしながら、基準穴による位置合わせの精度は基準穴の加工精度に拠るところが大きく、基準穴の位置ずれや寸法形状が悪いとパターンの描画位置が各層で一致しないという問題があった。特に、積層板の表面および裏面の双方にパターンを描画する場合には、表裏でパターンの位置ずれが生じ易い。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−95452号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題点に鑑みて成されたものであり、描画装置においてパターンの表裏位置合せ精度を向上することが課題である。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る描画装置は、基板の表面および裏面にパターンおよび基準マークを描画可能な描画手段と、基準マークの位置を測定する測定手段とを備え、描画手段によって基板の表面にパターンと共に基準マークを描画させた後、測定手段によって表面の基準マークの位置を測定し、測定された基準マークの位置に基づいて裏面のパターンの表面のパターンに対する描画位置を調整し、描画手段によって基板の裏面にパターンを描画することを最も主要な特徴とする。これにより、パターンの描画精度と略同等の精度で両面パターンの位置合わせを行うことができる。さらに、パターンの描画と同時に基準マークを形成するためドリル加工等で基準穴を形成する必要がなく、製造工程が単純化され、作業時間の短縮およびコスト削減が図れる。
【0008】
上記描画装置において、測定手段は基板を挟んで描画手段の反対側に設けられることが好ましい。
【0009】
上記描画装置が、基板が載置されるとともに描画手段に対して相対移動する描画テーブルを備え、測定手段は描画テーブルに固定されてもよい。また上記描画装置が、描画手段を固定する基台と、基板が載置されるとともに基台に対して相対移動する描画テーブルとを備え、測定手段は基台に固定されてもよい。さらに、描画テーブルには基板の基準マークに対応する位置に検出穴が形成され、測定手段が、検出穴を通って描画テーブルに載置された基板を照明する照明光を出射する光源と、光源によって照明された基準マークを検出する撮像センサとを備え、制御手段が撮像センサの検出結果に基づいて描画テーブルに対する基準マークの位置を求めることが好ましい。
【0010】
また本発明に係る描画方法は、描画装置により基板の表面にパターンと共に基準マークを描画する第1処理と、基準マークの位置を測定する第2処理と、基準マークの位置に基づいて裏面のパターンの表面のパターンに対する描画位置を調整する第3処理と、基板の裏面にパターンを描画する第4処理とを備えたことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。
【0012】
図1は、本発明の第1実施形態である描画装置の概略を示す斜視図である。この描画装置10は、プリント基板の内層板となるべき銅張積層板(以下、基板Sと記載する)をレーザビームによって所定の回路パターンに対応する部位を露光することにより、基板Sの両面に回路パターンを直接描画するものである。基板Sは長方形の板状を呈し、表面および裏面にそれぞれフォトレジスト層が設けられている。なお、基板Sの先に描画する面を表面、後に描画する面を裏面と定義する。
【0013】
描画装置10即ち光学ユニット12および描画テーブル14の動作は制御装置30によって制御され、この制御装置30には基板Sの両面にそれぞれ描画すべき回路パターンのベクタデータと、描画すべき基板Sの寸法情報とが保存されており、基板Sを描画する際には、制御装置30は回路パターンのベクタデータをRAMから読み出してラスタデータに変換し、予め描画装置10に転送する。
【0014】
描画装置10は、所定位置に固定された光学ユニット12と、基板Sが水平に載置される描画テーブル14とを備える。光学ユニット12は図示しないレーザ光源と光学系とを備え、描画テーブル14上の基板Sに向かって紫外光帯域の波長(350〜400nm)を有するレーザビームLBを主走査方向に沿って出射し、制御装置30から転送された回路パターンのラスタデータに基づいてレーザビームLBを変調する。基板Sのフォトレジスト層はレーザビームLBが照射された部位だけが光硬化させられる。
【0015】
描画テーブル14即ち基板Sに対する主走査方向の走査開始位置は任意に変更可能である。描画テーブル14は光学ユニット12の略鉛直下方に位置する描画開始位置(破線で示す)と、基板を搬入または搬出するために外部に引き出されて露出した準備位置(実線で示す)との間で、副走査方向に沿って移動自在である。
【0016】
描画装置10は、光学ユニット12による主走査方向に沿うレーザビームLBの走査と、描画テーブル14の副走査方向に沿う相対移動とを繰り返し行い、これにより基板Sに回路パターンが順次描画される。描画装置10はμm単位の精度で描画することが可能である。描画テーブル14の移動平面上には描画装置10の機枠に対して不動となったXY2次元直交座標系が設定され、この座標系のX軸は副走査方向に延び、またY軸は主走査方向に延びる。X軸方向において準備位置から描画開始位置に向かう方向を正の方向に、描画開始位置から準備位置に向かう方向を負の方向に定義する。また、Y軸方向において図1の左斜め下に向かう方向を正の方向に、右斜め上に向かう方向を負の方向に定義する。
【0017】
描画装置10の動作を説明する。まず描画テーブル14が実線の準備位置に位置決めされ、適当な搬送装置、例えば複数個の中空の吸引パッドを基板Sに当てシリンダにより吸引パッド内の空気圧を調節して基板Sを吸着するあるいは離す吸引部をY軸に沿って移動自在に設けた搬送装置(図示せず)、または手作業によって、未処理の基板Sが描画テーブル14上に載置され、適当なクランプ部材、具体的には描画テーブル14の載置面に突設された固定ピン16a、18aおよび可動ピン16b、18bによって、基板Sは描画テーブルの所定位置にmm単位の精度で位置決めされる。このとき基板Sの裏面が描画テーブルに密着し、表面が露出している。
【0018】
基板SはY軸方向に平行な一対の辺Se1およびSe3の一方の辺、具体的にはX軸方向正側の辺Se1において2つの固定ピン16aに当接し、1つの可動ピン16bは制御装置30の制御信号に基づいてX軸方向に相対移動し、基板Sを他方(X軸方向負側)の辺Se3から固定ピン16aに向かって付勢する。従って固定ピン16aおよび可動ピン16bにより基板Sは実質的に隙間なく挟持され描画テーブル14に対してX軸方向に位置決めされる。同様に、X軸方向に平行な一対の辺Se2およびSe4にはそれぞれ固定ピン18aおよびY軸方向に移動自在な可動ピン18bが当接し、可動ピン18bが基板Sを固定ピン18aに向かって付勢することにより、基板Sは描画テーブル14に対してY方向に位置決めされる。
【0019】
次に、基板Sは描画テーブル14によって準備位置から描画開始位置に向かって、即ちX軸の正方向に移動させられる。そして、描画テーブル14は描画開始位置に到達した後、今度は破線で示す描画開始位置から実線で示す準備位置に向かって、即ちX軸の負方向に所定の速度で微少量ずつ移動させられ、このとき描画処理が行われる。この描画処理においては、基板Sは光学ユニット12で変調されたレーザビームLBによってY軸の正方向に走査されるとともに、X軸の負方向に所定の速度で微少量ずつ移動させられる。これにより基板Sの表面のフォトレジスト層に回路パターンが順次描画され、描画テーブル14が再び準備位置に戻ったときには、基板Sのフォトレジスト層のうち回路パターンに対応する部分だけが光硬化させられることになる。
【0020】
基板Sの表面を描画する際には、回路パターンが描かれる領域の外側に、裏面の描画処理の際に座標基準となるべき2つの基準マークP1およびP2が同時に描画される。これら基準マークP1およびP2は、基板SのY軸方向に平行な2辺Se1およびSe3の外縁部に配され、かつY軸方向に関して基板Sの略中央に配される。基準マークP1およびP2は例えば直径2〜3mmの円形を呈する。図1では基準マークP1およびP2を黒丸で示し、X軸方向正側の基準マークに符号P1、負側の基準マークに符号P2を付している。
【0021】
表面の描画処理が終了すると、表面の描画処理が済んだ基板Sが固定ピン16a、18aおよび可動ピン16b、18bから開放されて、準備位置に戻された描画テーブル14から搬送装置(または手作業)により取り除かれる。
【0022】
次に、基板Sの裏面に回路パターンを描画すべく、基板Sが反転させられて再び準備位置にある描画テーブル14上に載置され、固定される。図1に示す表面の描画処理と異なる点は、基板Sの表面が描画テーブルに密着して裏面が露出しており、辺Se2およびSe4の位置が入れ替わっている点である。さらに、裏面の描画処理に先立って、既に描画された表面の回路パターンに対して裏面に描画すべき回路パターンを整合させるためのアラインメント処理が行われる。
【0023】
アラインメント処理は、描画テーブル14において基板Sが本来置かれるべき位置と実際に置かれた位置とのずれ量をμm単位で計測し、表裏の回路パターンの位置ずれが相殺されるように描画テーブル14の描画開始位置および光学ユニット12の走査開始位置を調整するものである。アラインメント処理では、描画テーブル14に対する表面の回路パターンの位置が、基板Sに形成された基準マークP1およびP2のX座標およびY座標により示される。以下、これらの座標データを相対位置データと称する。
【0024】
描画テーブル14には、基準マークP1およびP2の光学像を検出する撮像センサであるCCDカメラ20、22が組み込まれている。CCDカメラ20によって基準マークP1が、CCDカメラ22によって基準マークP2が撮影され、この撮影により得られた映像信号が制御装置30に送られ、ここで適当な画像処理、例えばパターンマッチング法により、描画テーブル14に対する基準マークP1およびP2の相対位置データ、詳しくはXY2次元直交座標系における基準マークP1およびP2の中心のX座標およびY座標が算出される。
【0025】
基準マークP1およびP2の相対位置データが得られると、制御装置30では、この相対位置データに基づいて基板SのX軸方向に関するずれ量X’、Y軸方向に関するずれ量Y’およびθ方向に関するずれ量θ’がそれぞれ求められ、アラインメント処理が終了し、裏面の描画処理に進む。裏面の描画処理においては、アラインメント処理により求められたずれ量X’、Y’およびθ’に基づいて、描画テーブル14の描画開始位置が調整され、光学ユニット12のY軸方向に関する走査開始位置が調整される。即ち、描画テーブル14は設計上定められた描画開始位置よりもX軸に沿って調整量(−X’)だけ移動し、さらに回転中心周りに調整量(−θ’)だけ回転した位置から相対移動を開始し、光学ユニット12は設計上定められた走査開始位置よりも調整量(−Y’)だけ移動した位置から走査を開始することになる。これにより、裏面に描かれる回路パターンは、表面に描かれる回路パターンに対して高精度に位置合せされたものになる。
【0026】
次に図2〜図5を参照して、描画テーブル14の構成について詳述する。図2は鉛直上方から見た平面図、図3は図2のIII−III線における断面図、図4は図2のIV−IV線における断面図である。図5は図3の部分拡大図である。図2〜図5では、基板Sは2点鎖線で示され、裏面を描画する状態が示される。
【0027】
描画装置10は、床面に截置されるケーシングの一部を成す基台40(図2では図示しない)を備え、基台40の上面にはX軸方向に延びる一対のガイドレール42およびその中間に配されるリニアモータ用のレール44が固定されている。描画テーブル14は、ガイドレール42に支持されるXテーブル46を有し、このXテーブル46の下面にはレール44と組合されるリニアモータ48と、ガイドレール42のそれぞれに係合するレール係合部50とが設けられる。Xテーブル46はリニアモータ48によってガイドレール42にガイドされつつX軸方向に移動自在である。X軸方向におけるXテーブル46の位置、具体的にはXテーブル46の中心のX座標は、ガイドレール42の一方に固定されたリニアスケール52の検出結果に基づいて求められる。
【0028】
Xテーブル46の上には、CCDカメラ20、22を固定するための第1フレーム54が一体的に固設され、さらにその上には光源ユニット70を固定するための第2フレーム58が固設される。そして、第2フレーム58の上にはXテーブル46に対してθ方向に回転可能な第3フレーム60と、第3フレーム60に一体的なθテーブル62とが設けられる。基板Sはθテーブル62の上面である載置面に置かれる。なお、θテーブル62および可動ピン16b、18bの駆動機構については省略する。
【0029】
図5を参照すると、θテーブル62には、基板Sの基準マークP1に対応する位置に検出穴64が形成されており、第2フレーム58および第3フレーム60には検出穴64よりも直径が大きい同軸の穴66、68が形成される。第2フレーム58には穴66の周囲に配された複数個のLEDから成る光源ユニット70が埋め込まれており、各LEDは図3の上方、具体的には検出穴64を覆う基板Sの基準マークP1に向かって照明光を出射する。検出穴64の大きさは基板Sが多少位置ずれしても基準マークP1を常に検出できる程度であることが好ましく、基準マークP1が直径2〜3mmの円形であれば、検出穴64は直径10mm程度の穴に形成される。
【0030】
また、基準マークP2に対応して、θテーブル62には検出穴74が形成され、第2フレーム58および第3フレーム60には検出穴74と同軸の穴76、78がそれぞれ形成される。穴76の周囲には基板Sの基準マークP2を照明するための光源ユニット80が埋め込まれている。2つの検出穴64および74の中心間距離は、基準マークP1およびP2の中心間距離に実質的に等しい。
【0031】
CCDカメラ20、22は、基板Sの載置面よりも下方に設けられ、X軸方向に平行に並びかつY軸方向に関して描画テーブル14の略中央に位置している。図5を参照して詳述すると、第1フレーム54のX軸方向正側(図5の左側)の端部にはX軸方向正側に開口した凹部82が形成され、この凹部82にはX軸方向負側(図5の右側)に向かって水平に取り付けられたCCDカメラ20の先端部が収容される。CCDカメラ20の光軸はX軸に平行である。凹部82における検出穴64の鉛直下方の位置には反射ミラー84が固定され、この反射ミラー84は照明された基板S(基準マークP1)からの反射光をCCDカメラ20へ導く。
【0032】
第1フレーム54のX軸方向負側の端部には、CCDカメラ22と反射ミラー94とを固定するための凹部92が形成される。CCDカメラ22はX軸方向正側に向かって取り付けられ、その光軸はCCDカメラ20の光軸に実質的に一致する。照明された基板S(基準マークP2)からの反射光は、検出穴74、穴78、76、反射ミラー94を介してCCDカメラ22へ入射する。
【0033】
光源ユニット70、80を構成する各LEDは、基板Sのフォトレジストを感光させないように、紫外光以外の帯域の光、例えば赤色域以上の波長(約640nm以上)を有する光を出射する。CCDカメラ20、22は、赤色域を検出できる感度のCCDを備える。
【0034】
CCDカメラ20は第3フレーム60およびθテーブル62から外れた位置にあり、外部に露出しているが、CCDカメラ22はその上方の第3フレーム60およびθテーブル62により覆われている。CCDカメラ20、22の性能を安定して発揮させるためにはメンテナンスが必要であるため、第2フレーム58、第3フレーム60およびθテーブル62には外部からCCDカメラ22を管理できるように、凹部92に連通する四角形のメンテナンス用穴96が形成される。
【0035】
このように、第1実施形態の描画装置10は、基板Sの描画テーブル14に密着する面(鉛直下方側の表面)から基準マークP1、P2を検出し、その基準マークP1、P2の相対位置データに基づいて反対側の面(鉛直上方の裏面)に回路パターンを描画している。描画装置10でパターンが描画された基板Sは、さらに現像、エッチング、フォトレジスト除去等の処理が施され、これにより銅箔から成るパターンが基板Sの両面に形成される。さらに複数枚の基板Sを積層することによってプリント配線板が得られる。
【0036】
基準マークP1およびP2は表面の回路パターンの描画と同時に形成されるので、従来のように基準穴をドリル加工する必要がなく、製造工程数が減りかつ作業時間短縮が図れるだけでなく、基準穴の加工誤差による表裏のパターンずれが回避される。また、基準マークP1およびP2と表面の回路パターンとが同時に描画されることによって、両者の相対位置は描画精度と略同等のμm単位の精度で一致し、なおかつ基板Sの裏面の回路パターンは表面に描画された基準マークP1、P2に基づいて位置決めされるので、表裏の回路パターンの位置合わせが高精度に行える。
【0037】
また、CCDカメラ20、22は描画テーブル14に埋め込まれているので、描画装置10の大型化が避けられ、アラインメント処理から描画処理へ短時間で移行できる。
【0038】
なお、第1実施形態では、表面のアラインメント処理は省かれている。これは、プリント基板を構成する内層板の場合、表裏の位置合わせ精度が高ければよく、必ずしも基板Sの端からの位置精度が要求されないためである。また、同じ理由により、ピン16a、16b、18aおよび18bによる位置決め精度も高くなくてよい。
【0039】
第1実施形態では、1台の描画装置10を用いて表面と裏面との双方の回路パターンを描画する構成を説明したが、例えば表面描画用と裏面描画用との2台の描画装置を並べて、表面描画用の描画装置から排出された基板を反転して裏面描画用の描画装置に供給する構成であってもよい。
【0040】
また、第1実施形態では基準マークP1、P2をX軸方向に2つ並んで設ける例を示したが、基準マークの位置や数は特に限定されず、図6の第2実施形態で示すようにY軸方向に2つ並んでいてもよいし、図7の第3実施形態で示すように基板Sの4隅に設けてもよい。CCDカメラおよび検出穴の位置および数は基準マークの位置および数に応じて決定されることはいうまでもない。またさらに、第1実施形態では基台40に対して移動自在な描画テーブル14にCCDカメラ20、22を取り付けているが、図8の第4実施形態で示すようにCCDカメラを基台40に取り付けてもよい。
【0041】
図6を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。図6は描画テーブル近傍の構成を示す平面図であり、第1実施形態の図2に対応している。第1実施形態と同じ構成には同符号を付し、その説明を省略する。第1実施形態と異なる点は、基準マークおよびこれらを検出するCCDカメラ等の配置である。
【0042】
基板Sの表面には、回路パターンと共に2つの基準マークP1およびP2が描画され、これら基準マークP1およびP2は基板SのX軸方向正側(図6の左側)の側辺Se1の両端に位置する。描画テーブル14のθテーブル62には、基準マークP1およびP2に対応する位置、即ちX軸方向正側であってY軸方向に並ぶ位置に2つの検出穴102および104が形成される。検出穴102の鉛直下方には光源ユニット(図示せず)が設けられ、光源ユニットにより照明された基板S(基準マークP1)からの反射光は反射ミラー(図示せず)によってCCDカメラ112により検出される。基準マークP2についても同様、基板S(基準マークP2)からの反射光がCCDカメラ114によって検出される。そして、基準マークP1およびP2の相対位置データに基づいて裏面に回路パターンが描画される。基準マークP1およびP2の中心間距離と、検出穴102および104の中心間距離とは実質的に等しい。
【0043】
第2実施形態も、第1実施形態と同様に、基板Sの裏面の回路パターンは表面に回路パターンと共に描画された基準マークP1、P2に基づいて位置決めされるので、表裏の回路パターンの位置合わせが高精度に行え、製造工程数の削減および作業時間の短縮が実現できる。
【0044】
図7を参照して、本発明の第3実施形態について説明する。図7は描画テーブル近傍の構成を示す平面図であり、第1実施形態の図2に対応している。第1実施形態と同じ構成には同符号を付し、その説明を省略する。第1実施形態と異なる点は、基準マークおよびこれらを検出するCCDカメラ等の数および配置である。
【0045】
基板Sの表面には、回路パターンと共に4つの基準マークP1、P2、P3およびP4が描画される。これら基準マークP1〜P4は基板Sの4隅に位置する。描画テーブル14のθテーブル62には、基準マークP1〜P4に対応する位置に4つの検出穴202、204、206および208がそれぞれ形成される。検出穴202の鉛直下方には光源ユニット(図示せず)が設けられ、光源ユニットにより照明された基板S(基準マークP1)からの反射光は反射ミラー(図示せず)によってCCDカメラ212により検出される。基準マークP2〜P4についても同様、基板S(基準マークP2〜P4)からの反射光がCCDカメラ214、216および218によって検出される。そして、基準マークP1〜P4の相対位置データに基づいて裏面に回路パターンが描画される。基準マークP1およびP2の中心間距離と検出穴202および204の中心間距離とは実質的に等しく、基準マークP2およびP3の中心間距離と、検出穴204および206の中心間距離とは実質的に等しく、基準マークP3およびP4の中心間距離と、検出穴206および208の中心間距離とは実質的に等しく、基準マークP4およびP1の中心間距離と、検出穴208および202の中心間距離とは実質的に等しい。
【0046】
第3実施形態も、第1および第2実施形態と同様に、基板Sの裏面の回路パターンは表面に回路パターンと共に描画された基準マークP1〜P4に基づいて位置決めされるので、表裏の回路パターンの位置合わせが高精度に行え、製造工程数の削減および作業時間の短縮が実現できる。さらに、基準マークの数が多いので、第1および第2実施形態に比べてさらに高精度な表裏位置合わせが可能である。
【0047】
図8を参照して、本発明の第4実施形態について説明する。図8は描画テーブル近傍の構成を示す断面図であり、第1実施形態の図3に対応している。第1実施形態と同じ構成には同符号を付し、その説明を省略する。第1実施形態と異なる点は、CCDカメラの向きおよび取付け位置である。
【0048】
基準マークP1を検出するCCDカメラ302は、その光軸が鉛直方向に一致するように鉛直上方に向けられ、基端部において基台40に固定される。第1フレーム306には鉛直方向に貫通する穴308が形成され、Xテーブル312にも鉛直方向に貫通する穴314が形成される。光源ユニット70によって照明された基板S(基準マークP1)からの反射光は、θテーブル62の検出穴64、第3フレーム60の穴68、第2フレーム58の穴66、第1フレーム306の穴308、Xテーブル312の穴314と通ってCCDカメラ302に入射し、CCDカメラ302によって基準マークP1の光学像が検出される。基準マークP2を検出する構成も同様であり、光源ユニット80によって照明された基板S(基準マークP2)からの反射光は、θテーブル62の検出穴74、第3フレーム60の穴76、第2フレーム58の穴76、第1フレーム306の穴310、Xテーブル312の穴316と通ってCCDカメラ304に入射し、CCDカメラ304によって基準マークP2の光学像が検出される。
【0049】
第4実施形態も、第1〜3実施形態と同様に、基板Sの裏面の回路パターンは表面に回路パターンと共に描画された基準マークP1、P2に基づいて位置決めされるので、表裏の回路パターンの位置合わせが高精度に行え、製造工程数の削減および作業時間の短縮が実現できる。さらに、第4実施形態では、光路を変更するための反射ミラーは設けられないので、第1実施形態に比べて部品点数が少なく、コストおよび作業時間を削減できる。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の描画装置は、基板Sの表面に回路パターンと共に基準マークを描画し、基板Sの裏面の回路パターンを表面の基準マークの位置に基づいて位置決めするため、表裏の回路パターンの位置合わせが高精度に行えるという利点がある。また製造工程数の削減および作業時間の短縮が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態である描画装置の概略を示す斜視図である。
【図2】図2は描画テーブル近傍の構成を鉛直上方から見た平面図である。
【図3】図2のIII−III線における断面図である。
【図4】図2のIV−IV線における断面図である。
【図5】図3の部分拡大図である。
【図6】本発明の第2実施形態である描画装置を示す図であって、描画テーブル近傍の構成を示す平面図である。
【図7】本発明の第3実施形態である描画装置を示す図であって、描画テーブル近傍の構成を示す平面図である。
【図8】本発明の第4実施形態である描画装置を示す図であって、描画テーブル近傍の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
10 描画装置
12 光学ユニット
14 描画テーブル
20、22 CCDカメラ
S 基板
P1、P2 基準マーク
Claims (6)
- 基板の表面および裏面に所定のパターンおよび基準マークを描画可能な描画手段と、基準マークの位置を測定する測定手段とを備え、前記描画手段によって前記基板の表面にパターンと共に基準マークを描画させた後、前記測定手段によって表面の基準マークの位置を測定し、測定された基準マークの位置に基づいて裏面のパターンの表面のパターンに対する描画位置を調整し、前記描画手段によって前記基板の裏面にパターンを描画することを特徴とする描画装置。
- 前記測定手段が、前記基板を挟んで前記描画手段の反対側に設けられることを特徴とする請求項1に記載の描画装置。
- 前記基板が載置されるとともに前記描画手段に対して相対移動する描画テーブルを備え、前記測定手段は前記描画テーブルに固定されることを特徴とする請求項1に記載の描画装置。
- 前記描画手段を固定する基台と、前記基板が載置されるとともに前記基台に対して相対移動する描画テーブルとを備え、前記測定手段は前記基台に固定されることを特徴とする請求項1に記載の描画装置。
- 前記描画テーブルには前記基板の基準マークに対応する位置に検出穴が形成され、前記測定手段が前記検出穴を通って前記描画テーブルに載置された前記基板を照明する照明光を出射する光源と、前記光源によって照明された基準マークを検出する撮像センサとを備え、前記撮像センサの検出結果に基づいて前記描画テーブルに対する基準マークの相対位置を求めることを特徴とする請求項3または4に記載の描画装置。
- 描画装置により基板の表面にパターンと共に基準マークを描画する第1処理と、基準マークの位置を測定する第2処理と、基準マークの相対位置に基づいて裏面のパターンの表面のパターンに対する描画位置を調整する第3処理と、前記基板の裏面にパターンを描画する第4処理とを備えたことを特徴とする描画方法。
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