JP2004253484A - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、T型ゲート電極の脚が長く、頭の部分と半導体基板上の絶縁層との間に広い中空構造が設けられることにより寄生容量が低減された半導体装置を提供するものである。また、電極を短絡の虞なく形成でき、寄生容量の低減を可能にするT型ゲート電極の形成を、工程数を増やすことなく可能とし、さらに、素子の微細化を図ることが可能な半導体装置の製造方法を提供するものである。
【解決手段】半導体基板2上に形成された絶縁層4と、絶縁層4上に、この絶縁層4に形成された穴9を通じて半導体基板2に接続して形成されたT型ゲート電極5とを有し、T型ゲート電極5の周囲の半導体基板2上に電極61,62が形成され、T型ゲート電極5の頭の部分52と絶縁層4との間が中空構造7とされ、この中空構造7により、T型ゲート電極5の頭の部分52と半導体基板2上の電極61,62とが離間されている半導体装置1を構成する。
【選択図】 図1
【解決手段】半導体基板2上に形成された絶縁層4と、絶縁層4上に、この絶縁層4に形成された穴9を通じて半導体基板2に接続して形成されたT型ゲート電極5とを有し、T型ゲート電極5の周囲の半導体基板2上に電極61,62が形成され、T型ゲート電極5の頭の部分52と絶縁層4との間が中空構造7とされ、この中空構造7により、T型ゲート電極5の頭の部分52と半導体基板2上の電極61,62とが離間されている半導体装置1を構成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置、特にゲート電極がT型ゲート電極とされた電界効果トランジスタを有する半導体装置及びその製造方法である。
【0002】
【従来の技術】
従来より、電界効果トランジスタのゲート抵抗を低減させるために、ゲート電極にT型ゲート電極を用いる構成が知られている。このようなT型ゲート電極は、例えば多層のレジストマスクを用いたリフトオフ法により形成することが一般的である(特許文献1参照)。
【0003】
先ず、図7に、ゲート電極がT型ゲート電極とされた電界効果トランジスタを有する半導体装置の一例を示す。尚、図7の例では電極部付近の構成を示している。
半導体装置50は、半導体基板51、例えばInAlAs層511の表面にn+InGaAs層512が形成された多層の半導体基板51上に、絶縁層53が形成され、絶縁層53の所定の位置に形成された穴54を通じて、半導体基板51のInAlAs層511に接続してT型ゲート電極55が形成されている。
【0004】
T型ゲート電極55は、脚の部分551と頭の部分552から構成されており、その脚の部分551が穴54を通じて半導体基板51のInAlAs層511に接続して形成され、この接続部分の周囲、即ち半導体基板51表面のn+InGaAs層512におけるT型ゲート電極55の脚の部分551の周囲にはリセス溝52が形成されている。
【0005】
半導体基板51上にはそれぞれ電極(自己整合的に形成されたオーミック電極)561,562が形成されている。
これらオーミック電極561,562は、半導体基板51上の絶縁層53が除去された部分に形成され、図中破線で示すように、その側壁面がT型ゲート電極55の側壁面と同一面上になるように形成されている。
【0006】
次に、このような半導体装置の製造方法、特に、T型ゲート電極の形成方法を図8〜図11に示す。尚、図8〜図11の例では図7と同様に電極部付近の断面を示している。
先ず、図8Aに示すように、InAlAs層511の表面にn+InGaAs層512が形成された多層の半導体基板51上に例えばSiO2からなる薄い絶縁層53を形成し、さらに絶縁層53上に第1のレジスト層57を成膜する。
【0007】
次に、図8Bに示すように、例えば電子描画法を用いて第1のレジスト層57を露光・現像することにより、T型ゲート電極55のパターン(T型ゲート電極55の脚の部分551のパターン)を有する第1のレジストマスク571を形成する。
【0008】
次に、図8Cに示すように、第1のレジストマスク571を用いて、ドライエッチング、例えば反応性イオンエッチング(RIE)により、絶縁層53にT型ゲート電極55の脚の部分551のパターンを転写する。これにより、第1のレジストマスク571に形成された脚の部分551のパターンである穴と、絶縁層53に転写された、即ちエッチングにより絶縁層53に形成された穴とからなり、半導体基板51の表面まで露出した穴58が形成される。
【0009】
次に、図9Dに示すように、穴58を含んで第1のレジストマスク571上の全面に第2のレジスト層59、第3のレジスト層60を順次成膜する。
【0010】
次に、第3のレジスト層60に対して露光・現像を行うことで、図9Eに示すT型ゲート電極55の頭の部分552のパターンを有する第3のレジストマスク601を形成する。
【0011】
次に、第2のレジスト層59を現像液により除去する。この際、図9Fに示すように、現像液が第3のレジストマスク601の下に廻りこんで、第2のレジスト層59にサイドエッチによる空洞61が形成される。そして、さらに穴58内の第2のレジスト層59も除去される。
【0012】
次に、例えば選択エッチング(ウェットエッチング)を用いて、半導体基板51の表面のn+InGaAs層512のみにサイドエッチをいれて、図10Gに示すリセス溝52を形成する。
【0013】
次に、図10Hに示すように、全面に金属膜64を蒸着する。
続いて、リフトオフ法を行って第1のレジストマスク571、第2のレジスト層59及び第3のレジストマスク601をすべて同時に除去することにより、図11Iに示すT型ゲート電極55が形成される。この際、T型ゲート電極55の頭の部分552と半導体基板51上の絶縁層53との間に中空構造70が形成される。
この後、例えば形成されたT型ゲート電極55をマスクとして絶縁膜53をドライエッチングで除去し、引き続き同じT型ゲート電極55をマスクとして金属膜を蒸着し、図11Jに示すように、半導体基板51上に自己整合的にオーミック電極561,562を形成する。
【0014】
ここで、例えばT型ゲート電極55の脚の部分551の幅、つまりゲート長dを現状のままとし、素子サイズを微細化していった場合、図8Cに示す工程においてアスペクト比の高い穴58が形成されるため、この後の金属膜64の蒸着の際に、図12Aに示すように、金属膜64が横方向に埋積し、穴58内への埋め込み性が悪化して、頭の部分552と脚の部分551で金属膜64が分離してT型形状が形成されなかったり、図12Bに示すように、T型ゲート電極55中に空洞(所謂ボイド)68が形成されるといった問題が生じる。
【0015】
このような問題を回避する方法として、絶縁層53上に成膜される第1のレジスト層57の厚さを薄くして、絶縁層53と第1のレジストマスク571の積層膜の高さを低くすることで(即ち形成される穴58の高さhを低くすることで)、アスペクト比の低い穴58を形成し、穴58内への金属膜64の埋め込み性を良好にする方法が知られている(非特許文献1参照)。
【0016】
一方、他の方法として、例えばSiO2膜(下層)531とSiN膜(上層)532の2つの膜からなる絶縁層53(図13A参照)を用いて、SiO2膜531,SiN膜532の選択エッチングとSiN膜532のサイドエッチングを利用することで、形成される穴58を階段状として、穴58内への金属膜の埋め込み性を良好にする方法も知られている(非特許文献2参照)。
具体的に説明すると、前述したように、絶縁膜53をSiO2膜531及びSiN膜532から構成し、上述した図8A〜図8Bと同様の工程を行うことにより、図13Aに示す、T型ゲート電極の脚の部分のパターンを有する第1のレジストマスク571を形成する。そして、C2F6による反応性イオンエッチング(RIE)により、SiO2膜531及びSiN膜532をエッチング除去して開口を形成した後、図13Bに示すように、例えばSF6ガスを用いた反応性イオンエッチングにより、絶縁膜53の上層のSiN膜532のみにサイドエッチによる空洞68をそれぞれ形成し、第1のレジストマスク571を除去して、図13Cに示すように、形成される穴58を階段状の穴58として、金属膜の埋め込み性を良好にする方法である。
この後は、再び上述した図9D〜図11Hと同様の工程を行うことで、図13Dに示すように、脚が2段式とされたT型ゲート電極(以下、2段式T型ゲート電極と示す)55が形成される。
【0017】
【特許文献1】
特開平7−169669号公報
【非特許文献1】
電子情報通信学会信学技報,2001.1(p.43〜p.47)
【非特許文献2】
榎木孝知/博士学位論文/東京工業大学,(p.97〜p.101)
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前者の第1のレジスト層57を薄く形成する方法では、穴58の高さhが低くなる分、T型ゲート電極55の脚の部分551が短く形成され、脚の部分551が長いT型ゲート電極55を形成することはできない。
【0019】
このように、T型ゲート電極55の脚の部分551が短く形成された場合、上述したように、T型ゲート電極55をマスクとして自己整合的にオーミック電極561,562を形成した際に、図14に示すように、オーミック電極561,562の上端部とT型ゲート電極55の頭の部分552の下端部とが接触して短絡を起こしてしまう。
また、このように、オーミック電極561,562とT型ゲート電極55の頭の部分552とが接触することで、T型ゲート電極55の頭の部分552の下が閉空間(空洞)71となってしまうため、例えばリフトオフ法を行った際に汚れが入り込んでしまうと、洗浄しても汚れが抜けきらなくなるため、汚れが溜まってデバイス特性の悪化を招いてしまう。
【0020】
また、後者の2段式ゲートを形成する方法では、例えばT型ゲート電極55をマスクとして自己整合的にオーミック電極561,562を形成する場合は、短絡を防ぐために上述したように脚の部分551が長いT型ゲート電極55を形成し、且つ寄生容量を低減するためにT型ゲート電極55の頭の部分552とその下の半導体基板51との間に広い中空構造70を形成する必要があるが、図13Dに示したように、第1のレジストマスク571をリフトオフした後もT型ゲート電極(2段式T型ゲート電極)55の頭の部分552と半導体基板51との間に絶縁層53が残存している。従って、オーミック電極561,562を形成する前に、この部分を中空構造70にするために絶縁層53(例えば上層のSiN膜532)を除去する工程が必要となり工程数が増加してしまう。
【0021】
従って、脚の部分551が長く、頭の部分552と半導体基板51との間に中空構造70が形成されるT型ゲート電極55を上述したような問題が生じることなく形成する方法が望まれる。
【0022】
本発明は、上述の点に鑑み、脚の部分が長いT型ゲート電極を有し、寄生容量が低減された半導体装置を提供するものである。
また、本発明は、電極を短絡の虞なく形成でき、寄生容量を低減することを可能にする、脚の部分が長いT型のゲート電極を、工程数を増やすことなく形成することができる半導体装置の製造方法を提供するものである。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る半導体装置は、半導体基板上に形成された絶縁層と、絶縁層上に、この絶縁層中に形成された穴を通じて半導体基板に接続して形成されたT型ゲート電極とを有し、T型ゲート電極の周囲の半導体基板上に電極が形成され、T型ゲート電極の頭の部分と絶縁層との間が中空構造とされ、中空構造により、T型ゲート電極の頭の部分と半導体基板上の電極とが離間されている構成とする。
【0024】
本発明に係る半導体装置によれば、T型ゲート電極の頭の部分と前記絶縁層との間が中空構造とされているので、寄生容量が低減でき高周波特性を向上できる。また、中空構造により、T型ゲート電極の頭の部分と半導体基板上の電極とが離間されているので、半導体基板上に形成された電極とT型ゲート電極とが短絡しないようにすることができる。
【0025】
本発明に係る半導体装置の製造方法は、半導体基板上に絶縁層を形成する工程と、絶縁層上に第1のレジスト層を形成しこの第1のレジスト層に所定パターンの穴を形成する工程と、第1のレジスト層を用いて絶縁層をパターニングする工程と、表面を覆って、少なくとも最下層が第1のレジスト層と材料が異なるレジスト層である第2のレジスト層を形成する工程と、第2のレジスト層にT型ゲート電極の頭の部分に対応するパターンを形成する工程と、少なくとも穴内の第2のレジスト層を除去する工程と、全面に金属膜を形成する工程と、第1のレジスト層及び第2のレジスト層を同時に除去してT型ゲート電極を形成する工程と、T型ゲート電極の周囲の半導体基板上に電極を形成する工程とを有し、第1のレジスト層を用いて絶縁層をパターニングする工程の後、或いは少なくとも穴内の第2のレジスト層を除去する工程の後の少なくとも一方で、第1のレジスト層に形成された穴の幅を広げる工程を行い、その後金属膜を形成する工程を行う。
【0026】
本発明に係る半導体装置の製造方法によれば、少なくとも、絶縁層上に第1のレジスト層を形成しこの第1のレジスト層に所定パターンの穴を形成する工程、さらに第1のレジスト層を用いて絶縁層をパターニングする工程とを行った後に、穴の幅を広げる工程を行うので、第1のレジスト層を用いて絶縁層をパターニングする工程でT型ゲート電極のゲート長を絶縁層に転写してゲート長を決定した後に、このゲート長自体を変化させることなく第1のレジスト層に形成された穴の幅を広げて階段状の穴を形成することができる。これにより、この後金属膜を形成する工程を行った際、穴内に金属膜を良好に埋め込むことが可能となり、脚の部分の長いT型ゲート電極を形成することが可能となる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
本発明に係る半導体装置、特にゲート電極がT型ゲート電極とされた電界効果トランジスタを有する半導体装置の一実施の形態を図1に示す。
尚、図1では、電極部付近の断面を示している。
本実施の形態に係る半導体装置1は、半導体基板2、例えばInAlAs層21の表面にn+InGaAs層22が形成された多層の半導体基板2上に、絶縁層4が形成され、絶縁層4の所定の位置に形成された穴9を通じて、半導体基板2に接続するようにT型ゲート電極5が形成されている。
【0028】
T型ゲート電極5は下側の脚の部分51と上側の頭の部分52から構成されており、このうち脚の部分51は幅の異なる2つの段511,512から構成されていて、幅の狭い下段511は穴9を通じて半導体基板2のInAlAs層21に接続して形成されている。
また、本実施の形態では、半導体基板2表面のn+InGaAs層22の穴9の周囲の所定の領域にリセス溝3が形成されている。
【0029】
T型ゲート電極5の周囲の半導体基板2上には電極(自己整合的に形成されたオーミック電極)61,62が形成されている。
これらオーミック電極61及び62(例えばソース電極及びドレイン電極)は、半導体基板2上の絶縁層4が除去された部分に形成され、図中破線で示すように、その側壁面がT型電極5の頭の部分52の側壁面と同一面上となるように形成されている。尚、63はオーミック電極61,62を形成した際にT型ゲート電極5上に形成されたオーミック電極材料である。
そして、T型ゲート電極5の頭の部分52と半導体基板2上の絶縁層4との間には中空構造7が形成されている。これにより、T型ゲート電極5の頭の部分52と半導体基板2上のオーミック電極61及び62は離間された構成となる。
【0030】
本実施の形態では、半導体基板2として、例えば化合物半導体に用いられるInAlAs層21,n+InGaAs層22の多層からなる半導体基板2を用いており、表面のn+InGaAs層22にリセス溝3を形成するようにしているが、半導体基板の構成によっては、リセス溝3は、必要とされる特性に応じて形成することができる。
【0031】
本実施の形態の半導体装置によれば、T型ゲート電極5の頭の部分52と半導体基板2上の絶縁層4との間に中空構造7が形成されているので、T型ゲート電極5と半導体基板2との間で発生する寄生容量が低減され、半導体装置の高周波特性を良好にできる。
また、絶縁層4の上面から充分高い位置にT型ゲート電極5の頭の部分52があり、T型ゲート電極5の頭の部分52と半導体基板1上に自己整合的に形成されたオーミック電極61,62とが接触しないように形成することができる。
T型ゲート電極5をマスクに、自己整合的に形成されたオーミック電極(例えばソース電極及びドレイン電極)61,62を有する場合は、オーミック電極61,62間が充分近接しているのでオン抵抗を低減できる。
【0032】
次に、本発明の半導体装置の製造方法の一実施の形態を図2〜図6を用いて説明する。
本実施の形態では、図1に示した、ゲート電極がT型ゲート電極とされた電界効果トランジスタを有する半導体装置を製造する方法を示す。尚、図2〜図6では、図1と同様に電極部付近の断面図を示す。
先ず、図2Aに示すように、半導体基板、例えば上述したようなInAlAs層21の表面にn+InGaAs層22が形成された多層の半導体基板2上に、例えば真空蒸着法を用いて絶縁層(SiO2膜)4を例えば30nmの膜厚に形成する。
ここで、絶縁層4は例えばプラズマCVD法等により形成されたSiO2膜やSiN膜でも構わない。絶縁層4は後述するT型のゲート電極5の脚の部分51のパターンが転写される膜であるので、転写時のドライエッチング等によってパターン寸法が変化しないようにするために数十nmの膜厚に抑えることが好ましい。
【0033】
次に、図2Bに示すように、絶縁層4上に1層目となる第1のレジスト層8、例えばポリメチルメタクリレート(PMMA)やポリスチレン系共重合体を、例えば500nmの膜厚に成膜し、例えば電子線描画法を用いて露光・現像することにより、T型ゲート電極5の脚の部分51の形成パターンを有する第1のレジストマスク81を形成する。
尚、この工程は、電子線描画法の他にもレジスト層の組み合わせを変えて公知のリソグラフィ法を用いて同様に行うこともできる。
【0034】
次に、図2Cに示すように、ドライエッチング、例えばCF4ガスを用いた反応性イオンエッチングにより絶縁層4にT型ゲート電極5の脚の部分51のパターンを転写する。これにより、第1のレジストマスク81に形成された脚の部分51のパターンである穴11Aと、絶縁層4に転写された、即ちエッチングにより絶縁層4に形成された穴11Bとで穴11が形成される。
絶縁層4への脚の部分51のパターンの転写にはCF4ガスを用いたが、F系ガス(例えばSF6,CF4ガス等)を用いた高密度のドライエッチング、例えば誘導結合プラズマ(ICP)、電子サイクロトロン共鳴反応性イオンエッチング(ECRRIE)等の方法を用いて行うこともできる。
【0035】
次に、図3Dに示すように、本実施の形態では、アッシング(1回目)により、上側の第1のレジストマスク81の穴11Bの幅Bdを広げる。ここで、T型ゲート電極5の脚の部分51の幅(所謂ゲート長)は既に前の工程(図2C参照)で絶縁層4に転写され、アッシングの際に絶縁層4の穴11Aの幅は広がらないので、第1のレジストマスク81の穴11Bの幅Bdが広がってもゲート長自体は変化しない。
【0036】
アッシングは、例えばO2ガス=400sccm(流量)/0.6Torr(圧力)/250W(電力)/20秒の条件で行うことで、第1のレジストマスクの穴11Bの幅Bdをそれぞれ50nmずつ広げることができる。これにより、階段状の穴11が形成される。
このような階段状の穴11とすることで、後述する金属膜の蒸着工程(図5J参照)にて、金属膜の埋め込み性が良好となる。
第1のレジストマスク81の穴11Bの幅Bdを広げるには、アッシング等のO2ガスを用いたドライエッチングにより行ったが、これ以外にも、O2プラズマを用いた乾式エッチングであってもよく、例えば反応性イオンエッチング(RIE)、また高密度のドライエッチング、例えば誘導結合プラズマ(ICP)、電子サイクロトロン共鳴反応性イオンエッチング(ECRRIE)等の方法を用いることができる。
【0037】
次に、図3Eに示すように、階段状の穴11を含んで第1のレジストマスク81の全面に、2層目となる第2のレジスト層13、3層目となる第3のレジスト層14を順次成膜する。第2のレジスト層としては、例えばポリメチルグルタルイミド(PMGI)13を膜厚200nmで成膜し、第3のレジスト層14としては、例えばポリメチルメタクリレート(PMMA)やポリスチレン系共重合体を膜厚1000nmで成膜する。
【0038】
次に、例えば電子線描画法を用いて第3のレジスト層14を露光・現像して、図4Fに示すように、第3のレジストマスク141を形成する。
この工程においても、上述したように、レジスト層の組み合わせを変えて公知のリソグラフィ技術を用いて同様に行うことができる。
【0039】
次に、現像液を用いたウェットエッチングにより、第2のレジスト層13をエッチング除去する。この際、現像液が第3のレジストマスク141の下まで廻り込み、図4Gに示すように、第2のレジスト層13にサイドエッチによる空洞15が形成される。
【0040】
次に、本実施の形態では、再びアッシング(2回目)を行い、穴11の上側の第1のレジストマスク81にサイドエッチによる空洞12をいれ、上側の第1のレジストマスク81の穴11Bの幅Bdをさらに拡大する。これにより、本実施の形態では、図2Dに示した工程と合わせて2回アッシングを行ったこととなる。
この2回目のアッシング工程も上述した1回目のアッシング工程の際と同じ条件で行うことができる。これにより、図4Hに示すように、穴11Bの幅Bdが図2Cに示した状態からそれぞれ100nm(50×2)が広がることになる。
【0041】
次に、穴11より例えば選択エッチングを用いて半導体基板2の表面のn+InGaAs層22にサイドエッチをいれて、図5Iに示すようにリセス溝3を形成する。これは、例えば表面のn+InGaAs層22は除去できるがInAlAs層21は除去できないエッチング溶液、例えばクエン酸、琥珀酸、アジピン酸等のカルボン酸と過酸化水素水との混合液を用いて行うことができる。
【0042】
次に、図5Jに示すように、穴11を含んで第3のレジストマスク141を覆って全面に金属膜10を蒸着する。この際、上述したように、穴11は2回のアッシング工程により(図2D及び図4H参照)、第1のレジストマスク81の穴11Bの幅Bdが拡大された階段状の穴11となっているので、金属膜10を穴11内に良好に埋め込むことができる。
この後、例えばnメチル2ピロリドン(NMP)等の薬剤を用いてリフトオフ法を行い、第1のレジストマスク81、第2のレジストマスク13、第3のレジストマスク141を同時に除去することにより、図6Kに示すT型ゲート電極5が形成される。
ここで、形成されたT型ゲート電極5は、上述したように、脚の部分51が2段式に形成され、頭の部分52と半導体基板2上の絶縁層4との間に中空構造7が形成されている。即ち、本実施の形態では、リフトオフが終了した時点で、その頭の部分52と半導体基板2上の絶縁層4との間に中空構造7を有するT型ゲート電極5が形成される。
【0043】
次に、このT型ゲート電極5をマスクとして、半導体基板2上の絶縁層4を除去し、さらに、T型ゲート電極5をマスクとした状態のまま、金属膜(図示せず)を全面に蒸着することにより、図6Lに示すように、半導体基板2上の絶縁層4が除去された部分に自己整合的にオーミック電極61,62が形成される。
ここで、半導体基板2上に形成されたオーミック電極61,62は、T型ゲート電極5をマスクとして形成されたので、図中破線で示すように、その側壁面がT型ゲート電極5の側壁面と同一面上になって形成される。
尚、63はオーミック電極61,62を形成した際にT型ゲート電極5上に形成されたオーミック電極材料である。
【0044】
本実施の形態の半導体装置の製造方法によれば、T型ゲート電極5の脚の部分51のパターンとなる穴11の幅、特に上側の第1のレジストマスク81の穴11Bの幅Bdを広げるようにしたので、深い穴11であったとしても、穴11内に金属膜10を良好に埋め込むことが可能となり、これにより、脚の部分51の長いT型ゲート電極5を形成することが可能となる。
【0045】
従来は、このような上側の穴の幅が拡大された穴(即ち階段状の穴)を形成するために、絶縁層を2つの層(SiO2膜,SiN膜)から構成していたので、2種類の膜を形成する必要があり、また従来は、SiO2膜とSiN膜の選択エッチングの条件を吟味がする必要があったが、本実施の形態では、形成する絶縁層4は1つの層のみでよく、また、アッシング等の方法により、O2ガス1種類の単純なエッチングにより階段状の穴11を形成できる。
【0046】
また、リフトオフ工程が終了した時点でT型ゲート電極5の頭の部分52と半導体基板2上の絶縁層4との間に中空構造7が自動的に形成されるので、リフトオフ工程の後に、T型ゲート電極5の頭の部分52と半導体基板2との間に中空構造7を形成するためのエッチング工程を行う必要がなく、工程数が増加することがない。
【0047】
従って、本実施の形態では、頭の部分52と半導体基板2上の絶縁層4との間に中空構造7を有し、階段状の穴11を有するT型ゲート電極5を、製造工程数を増やすことなく容易に形成できる。
【0048】
また、本実施の形態においては、必然的にT型ゲート電極5の頭の部分52と半導体基板2上の絶縁層4との間に中空構造7が形成されるので、T型ゲート電極5を利用してオーミック電極61,62を形成する際に、半導体基板2上のオーミック電極61,62とT型ゲート電極5の頭の部分52とが接触して短絡することを抑制できる。
さらに、この中空構造7によって、寄生容量を低減することができる。
【0049】
上述した実施の形態では、半導体基板2として、例えば化合物半導体で用いられる多層の半導体基板を用いたが、例えばGaAsの単一層からなる半導体基板を用いることも可能である。
尚、このように、半導体基板をGaAsの単一層で形成した場合は、図5Iに示したような、選択エッチングによりリセス溝3を形成することができないため、リセス溝3の形成は例えば絶縁層4が形成される前に行う(図2A参照)。
【0050】
また、上述した実施の形態では、絶縁層4上に第1のレジスト層8を形成しこの第1のレジスト層8に所定パターンの穴を形成する工程(図2C参照)の後と、第2のレジスト層13を除去する工程(図4G参照)の後の2回にわたってアッシングを行ったが、このアッシングはどちらか一方で行っても構わない。
例えば、本実施の形態のように2回にわたって行った場合は、2回目のアッシング工程の際に、階段状の穴11の各面に残った第2のレジスト層13を除去することができる。
【0051】
上述した実施の形態では、第1のレジスト層8と、第3のレジスト層14は、同じ材料膜(ポリメチルメタクリレート)を用いており、第2のレジスト層13のみ第1及び第3のレジスト層8及び14と異なる材料膜(PMGI)を用いている。
このように、第2のレジスト層13のみ異なる材料膜を用いるのは、本実施の形態では、第1のレジスト層8及び第3のレジスト層14に、それぞれT型ゲート電極5の脚の部分51のパターン及び頭の部分52のパターンを形成する際、T型ゲート電極5の脚の部分51や頭の部分52のパターンの寸法精度を高いものとするために例えば電子描画法を用いているが、例えば第3のレジスト層14にT型ゲート電極5の頭の部分52のパターンを形成する際、第2のレジスト層13も同時に除去されて、第1のレジストマスク81の形状に影響を与えないようにするためである。
【0052】
また、上述した実施の形態では、3つのレジスト層8,13,14をそれぞれ用いてT型ゲート電極5を形成しているが、2つのレジスト層8,13を用いてT型ゲート電極5を形成することもできる。この場合は、それぞれのレジスト層8,13を異なる材料膜で形成して、T型ゲート電極5の頭の部分52を形成することができるようにする。
【0053】
尚、本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でその他様々な構成が取り得る。
【0054】
【発明の効果】
本発明の半導体装置によれば、T型ゲート電極の頭の部分と半導体基板上の絶縁層との間に中空構造が設けられ、また脚の部分が長いので寄生容量を低減することができる。従って、高周波特性が向上された半導体装置を得ることができる。
【0055】
本発明の半導体装置の製造方法によれば、脚の部分が長く、頭の部分と半導体基板上の絶縁層との間に中空構造を有する階段状のT型ゲート電極を、製造工程数を増やすことなく形成することが可能となる。
これにより、素子を微細化しても穴内に金属膜を良好に埋め込むことが可能となる。
また、半導体基板上の電極との短絡の虞がなく電極を形成することができ、寄生容量が低減されたT型ゲート電極を容易に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る半導体装置の一実施の形態、特にゲート電極を示す概略断面図である。
【図2】A〜D 本発明に係る半導体装置の製造方法の一実施の形態を示す製造工程図(その1)である。
【図3】E〜F 本発明に係る半導体装置の製造方法の一実施の形態を示す製造工程図(その2)である。
【図4】G〜H 本発明に係る半導体装置の製造方法の一実施の形態を示す製造工程図(その3)である。
【図5】I〜J 本発明に係る半導体装置の製造方法の一実施の形態を示す製造工程図(その4)である。
【図6】K〜L 本発明に係る半導体装置の製造方法の一実施の形態を示す製造工程図(その5)である。
【図7】従来の半導体装置、特にゲート電極の部分の概略断面図である。
【図8】A〜C 従来の半導体装置の製造方法を示す製造工程図(その1)である。
【図9】D〜F 従来の半導体装置の製造方法を示す製造工程図(その2)である。
【図10】G〜H 従来の半導体装置の製造方法を示す製造工程図(その3)である。
【図11】I〜J 従来の半導体装置の製造方法を示す製造工程図(その4)である。
【図12】A、B 従来の問題点を示す説明図である。
【図13】A〜D 2層の絶縁膜を用いる方法の説明図である。
【図14】従来の問題点を示す説明図である。
【符号の説明】
1・・・半導体装置、2・・・半導体基板、21・・・InGaAl層、22・・・InGaAs層、3・・・リセス溝、4・・・絶縁層、5・・・T型ゲート電極、51・・・脚の部分、511,512・・・段、52・・・頭の部分、61,62・・・オーミック電極、7・・・中空構造、8・・・第1のレジスト層、10・・・金属膜、9,11(11A,11B)・・・穴、12・・・空洞、13・・・第2のレジスト層、14・・・第3のレジスト層
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置、特にゲート電極がT型ゲート電極とされた電界効果トランジスタを有する半導体装置及びその製造方法である。
【0002】
【従来の技術】
従来より、電界効果トランジスタのゲート抵抗を低減させるために、ゲート電極にT型ゲート電極を用いる構成が知られている。このようなT型ゲート電極は、例えば多層のレジストマスクを用いたリフトオフ法により形成することが一般的である(特許文献1参照)。
【0003】
先ず、図7に、ゲート電極がT型ゲート電極とされた電界効果トランジスタを有する半導体装置の一例を示す。尚、図7の例では電極部付近の構成を示している。
半導体装置50は、半導体基板51、例えばInAlAs層511の表面にn+InGaAs層512が形成された多層の半導体基板51上に、絶縁層53が形成され、絶縁層53の所定の位置に形成された穴54を通じて、半導体基板51のInAlAs層511に接続してT型ゲート電極55が形成されている。
【0004】
T型ゲート電極55は、脚の部分551と頭の部分552から構成されており、その脚の部分551が穴54を通じて半導体基板51のInAlAs層511に接続して形成され、この接続部分の周囲、即ち半導体基板51表面のn+InGaAs層512におけるT型ゲート電極55の脚の部分551の周囲にはリセス溝52が形成されている。
【0005】
半導体基板51上にはそれぞれ電極(自己整合的に形成されたオーミック電極)561,562が形成されている。
これらオーミック電極561,562は、半導体基板51上の絶縁層53が除去された部分に形成され、図中破線で示すように、その側壁面がT型ゲート電極55の側壁面と同一面上になるように形成されている。
【0006】
次に、このような半導体装置の製造方法、特に、T型ゲート電極の形成方法を図8〜図11に示す。尚、図8〜図11の例では図7と同様に電極部付近の断面を示している。
先ず、図8Aに示すように、InAlAs層511の表面にn+InGaAs層512が形成された多層の半導体基板51上に例えばSiO2からなる薄い絶縁層53を形成し、さらに絶縁層53上に第1のレジスト層57を成膜する。
【0007】
次に、図8Bに示すように、例えば電子描画法を用いて第1のレジスト層57を露光・現像することにより、T型ゲート電極55のパターン(T型ゲート電極55の脚の部分551のパターン)を有する第1のレジストマスク571を形成する。
【0008】
次に、図8Cに示すように、第1のレジストマスク571を用いて、ドライエッチング、例えば反応性イオンエッチング(RIE)により、絶縁層53にT型ゲート電極55の脚の部分551のパターンを転写する。これにより、第1のレジストマスク571に形成された脚の部分551のパターンである穴と、絶縁層53に転写された、即ちエッチングにより絶縁層53に形成された穴とからなり、半導体基板51の表面まで露出した穴58が形成される。
【0009】
次に、図9Dに示すように、穴58を含んで第1のレジストマスク571上の全面に第2のレジスト層59、第3のレジスト層60を順次成膜する。
【0010】
次に、第3のレジスト層60に対して露光・現像を行うことで、図9Eに示すT型ゲート電極55の頭の部分552のパターンを有する第3のレジストマスク601を形成する。
【0011】
次に、第2のレジスト層59を現像液により除去する。この際、図9Fに示すように、現像液が第3のレジストマスク601の下に廻りこんで、第2のレジスト層59にサイドエッチによる空洞61が形成される。そして、さらに穴58内の第2のレジスト層59も除去される。
【0012】
次に、例えば選択エッチング(ウェットエッチング)を用いて、半導体基板51の表面のn+InGaAs層512のみにサイドエッチをいれて、図10Gに示すリセス溝52を形成する。
【0013】
次に、図10Hに示すように、全面に金属膜64を蒸着する。
続いて、リフトオフ法を行って第1のレジストマスク571、第2のレジスト層59及び第3のレジストマスク601をすべて同時に除去することにより、図11Iに示すT型ゲート電極55が形成される。この際、T型ゲート電極55の頭の部分552と半導体基板51上の絶縁層53との間に中空構造70が形成される。
この後、例えば形成されたT型ゲート電極55をマスクとして絶縁膜53をドライエッチングで除去し、引き続き同じT型ゲート電極55をマスクとして金属膜を蒸着し、図11Jに示すように、半導体基板51上に自己整合的にオーミック電極561,562を形成する。
【0014】
ここで、例えばT型ゲート電極55の脚の部分551の幅、つまりゲート長dを現状のままとし、素子サイズを微細化していった場合、図8Cに示す工程においてアスペクト比の高い穴58が形成されるため、この後の金属膜64の蒸着の際に、図12Aに示すように、金属膜64が横方向に埋積し、穴58内への埋め込み性が悪化して、頭の部分552と脚の部分551で金属膜64が分離してT型形状が形成されなかったり、図12Bに示すように、T型ゲート電極55中に空洞(所謂ボイド)68が形成されるといった問題が生じる。
【0015】
このような問題を回避する方法として、絶縁層53上に成膜される第1のレジスト層57の厚さを薄くして、絶縁層53と第1のレジストマスク571の積層膜の高さを低くすることで(即ち形成される穴58の高さhを低くすることで)、アスペクト比の低い穴58を形成し、穴58内への金属膜64の埋め込み性を良好にする方法が知られている(非特許文献1参照)。
【0016】
一方、他の方法として、例えばSiO2膜(下層)531とSiN膜(上層)532の2つの膜からなる絶縁層53(図13A参照)を用いて、SiO2膜531,SiN膜532の選択エッチングとSiN膜532のサイドエッチングを利用することで、形成される穴58を階段状として、穴58内への金属膜の埋め込み性を良好にする方法も知られている(非特許文献2参照)。
具体的に説明すると、前述したように、絶縁膜53をSiO2膜531及びSiN膜532から構成し、上述した図8A〜図8Bと同様の工程を行うことにより、図13Aに示す、T型ゲート電極の脚の部分のパターンを有する第1のレジストマスク571を形成する。そして、C2F6による反応性イオンエッチング(RIE)により、SiO2膜531及びSiN膜532をエッチング除去して開口を形成した後、図13Bに示すように、例えばSF6ガスを用いた反応性イオンエッチングにより、絶縁膜53の上層のSiN膜532のみにサイドエッチによる空洞68をそれぞれ形成し、第1のレジストマスク571を除去して、図13Cに示すように、形成される穴58を階段状の穴58として、金属膜の埋め込み性を良好にする方法である。
この後は、再び上述した図9D〜図11Hと同様の工程を行うことで、図13Dに示すように、脚が2段式とされたT型ゲート電極(以下、2段式T型ゲート電極と示す)55が形成される。
【0017】
【特許文献1】
特開平7−169669号公報
【非特許文献1】
電子情報通信学会信学技報,2001.1(p.43〜p.47)
【非特許文献2】
榎木孝知/博士学位論文/東京工業大学,(p.97〜p.101)
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前者の第1のレジスト層57を薄く形成する方法では、穴58の高さhが低くなる分、T型ゲート電極55の脚の部分551が短く形成され、脚の部分551が長いT型ゲート電極55を形成することはできない。
【0019】
このように、T型ゲート電極55の脚の部分551が短く形成された場合、上述したように、T型ゲート電極55をマスクとして自己整合的にオーミック電極561,562を形成した際に、図14に示すように、オーミック電極561,562の上端部とT型ゲート電極55の頭の部分552の下端部とが接触して短絡を起こしてしまう。
また、このように、オーミック電極561,562とT型ゲート電極55の頭の部分552とが接触することで、T型ゲート電極55の頭の部分552の下が閉空間(空洞)71となってしまうため、例えばリフトオフ法を行った際に汚れが入り込んでしまうと、洗浄しても汚れが抜けきらなくなるため、汚れが溜まってデバイス特性の悪化を招いてしまう。
【0020】
また、後者の2段式ゲートを形成する方法では、例えばT型ゲート電極55をマスクとして自己整合的にオーミック電極561,562を形成する場合は、短絡を防ぐために上述したように脚の部分551が長いT型ゲート電極55を形成し、且つ寄生容量を低減するためにT型ゲート電極55の頭の部分552とその下の半導体基板51との間に広い中空構造70を形成する必要があるが、図13Dに示したように、第1のレジストマスク571をリフトオフした後もT型ゲート電極(2段式T型ゲート電極)55の頭の部分552と半導体基板51との間に絶縁層53が残存している。従って、オーミック電極561,562を形成する前に、この部分を中空構造70にするために絶縁層53(例えば上層のSiN膜532)を除去する工程が必要となり工程数が増加してしまう。
【0021】
従って、脚の部分551が長く、頭の部分552と半導体基板51との間に中空構造70が形成されるT型ゲート電極55を上述したような問題が生じることなく形成する方法が望まれる。
【0022】
本発明は、上述の点に鑑み、脚の部分が長いT型ゲート電極を有し、寄生容量が低減された半導体装置を提供するものである。
また、本発明は、電極を短絡の虞なく形成でき、寄生容量を低減することを可能にする、脚の部分が長いT型のゲート電極を、工程数を増やすことなく形成することができる半導体装置の製造方法を提供するものである。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る半導体装置は、半導体基板上に形成された絶縁層と、絶縁層上に、この絶縁層中に形成された穴を通じて半導体基板に接続して形成されたT型ゲート電極とを有し、T型ゲート電極の周囲の半導体基板上に電極が形成され、T型ゲート電極の頭の部分と絶縁層との間が中空構造とされ、中空構造により、T型ゲート電極の頭の部分と半導体基板上の電極とが離間されている構成とする。
【0024】
本発明に係る半導体装置によれば、T型ゲート電極の頭の部分と前記絶縁層との間が中空構造とされているので、寄生容量が低減でき高周波特性を向上できる。また、中空構造により、T型ゲート電極の頭の部分と半導体基板上の電極とが離間されているので、半導体基板上に形成された電極とT型ゲート電極とが短絡しないようにすることができる。
【0025】
本発明に係る半導体装置の製造方法は、半導体基板上に絶縁層を形成する工程と、絶縁層上に第1のレジスト層を形成しこの第1のレジスト層に所定パターンの穴を形成する工程と、第1のレジスト層を用いて絶縁層をパターニングする工程と、表面を覆って、少なくとも最下層が第1のレジスト層と材料が異なるレジスト層である第2のレジスト層を形成する工程と、第2のレジスト層にT型ゲート電極の頭の部分に対応するパターンを形成する工程と、少なくとも穴内の第2のレジスト層を除去する工程と、全面に金属膜を形成する工程と、第1のレジスト層及び第2のレジスト層を同時に除去してT型ゲート電極を形成する工程と、T型ゲート電極の周囲の半導体基板上に電極を形成する工程とを有し、第1のレジスト層を用いて絶縁層をパターニングする工程の後、或いは少なくとも穴内の第2のレジスト層を除去する工程の後の少なくとも一方で、第1のレジスト層に形成された穴の幅を広げる工程を行い、その後金属膜を形成する工程を行う。
【0026】
本発明に係る半導体装置の製造方法によれば、少なくとも、絶縁層上に第1のレジスト層を形成しこの第1のレジスト層に所定パターンの穴を形成する工程、さらに第1のレジスト層を用いて絶縁層をパターニングする工程とを行った後に、穴の幅を広げる工程を行うので、第1のレジスト層を用いて絶縁層をパターニングする工程でT型ゲート電極のゲート長を絶縁層に転写してゲート長を決定した後に、このゲート長自体を変化させることなく第1のレジスト層に形成された穴の幅を広げて階段状の穴を形成することができる。これにより、この後金属膜を形成する工程を行った際、穴内に金属膜を良好に埋め込むことが可能となり、脚の部分の長いT型ゲート電極を形成することが可能となる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
本発明に係る半導体装置、特にゲート電極がT型ゲート電極とされた電界効果トランジスタを有する半導体装置の一実施の形態を図1に示す。
尚、図1では、電極部付近の断面を示している。
本実施の形態に係る半導体装置1は、半導体基板2、例えばInAlAs層21の表面にn+InGaAs層22が形成された多層の半導体基板2上に、絶縁層4が形成され、絶縁層4の所定の位置に形成された穴9を通じて、半導体基板2に接続するようにT型ゲート電極5が形成されている。
【0028】
T型ゲート電極5は下側の脚の部分51と上側の頭の部分52から構成されており、このうち脚の部分51は幅の異なる2つの段511,512から構成されていて、幅の狭い下段511は穴9を通じて半導体基板2のInAlAs層21に接続して形成されている。
また、本実施の形態では、半導体基板2表面のn+InGaAs層22の穴9の周囲の所定の領域にリセス溝3が形成されている。
【0029】
T型ゲート電極5の周囲の半導体基板2上には電極(自己整合的に形成されたオーミック電極)61,62が形成されている。
これらオーミック電極61及び62(例えばソース電極及びドレイン電極)は、半導体基板2上の絶縁層4が除去された部分に形成され、図中破線で示すように、その側壁面がT型電極5の頭の部分52の側壁面と同一面上となるように形成されている。尚、63はオーミック電極61,62を形成した際にT型ゲート電極5上に形成されたオーミック電極材料である。
そして、T型ゲート電極5の頭の部分52と半導体基板2上の絶縁層4との間には中空構造7が形成されている。これにより、T型ゲート電極5の頭の部分52と半導体基板2上のオーミック電極61及び62は離間された構成となる。
【0030】
本実施の形態では、半導体基板2として、例えば化合物半導体に用いられるInAlAs層21,n+InGaAs層22の多層からなる半導体基板2を用いており、表面のn+InGaAs層22にリセス溝3を形成するようにしているが、半導体基板の構成によっては、リセス溝3は、必要とされる特性に応じて形成することができる。
【0031】
本実施の形態の半導体装置によれば、T型ゲート電極5の頭の部分52と半導体基板2上の絶縁層4との間に中空構造7が形成されているので、T型ゲート電極5と半導体基板2との間で発生する寄生容量が低減され、半導体装置の高周波特性を良好にできる。
また、絶縁層4の上面から充分高い位置にT型ゲート電極5の頭の部分52があり、T型ゲート電極5の頭の部分52と半導体基板1上に自己整合的に形成されたオーミック電極61,62とが接触しないように形成することができる。
T型ゲート電極5をマスクに、自己整合的に形成されたオーミック電極(例えばソース電極及びドレイン電極)61,62を有する場合は、オーミック電極61,62間が充分近接しているのでオン抵抗を低減できる。
【0032】
次に、本発明の半導体装置の製造方法の一実施の形態を図2〜図6を用いて説明する。
本実施の形態では、図1に示した、ゲート電極がT型ゲート電極とされた電界効果トランジスタを有する半導体装置を製造する方法を示す。尚、図2〜図6では、図1と同様に電極部付近の断面図を示す。
先ず、図2Aに示すように、半導体基板、例えば上述したようなInAlAs層21の表面にn+InGaAs層22が形成された多層の半導体基板2上に、例えば真空蒸着法を用いて絶縁層(SiO2膜)4を例えば30nmの膜厚に形成する。
ここで、絶縁層4は例えばプラズマCVD法等により形成されたSiO2膜やSiN膜でも構わない。絶縁層4は後述するT型のゲート電極5の脚の部分51のパターンが転写される膜であるので、転写時のドライエッチング等によってパターン寸法が変化しないようにするために数十nmの膜厚に抑えることが好ましい。
【0033】
次に、図2Bに示すように、絶縁層4上に1層目となる第1のレジスト層8、例えばポリメチルメタクリレート(PMMA)やポリスチレン系共重合体を、例えば500nmの膜厚に成膜し、例えば電子線描画法を用いて露光・現像することにより、T型ゲート電極5の脚の部分51の形成パターンを有する第1のレジストマスク81を形成する。
尚、この工程は、電子線描画法の他にもレジスト層の組み合わせを変えて公知のリソグラフィ法を用いて同様に行うこともできる。
【0034】
次に、図2Cに示すように、ドライエッチング、例えばCF4ガスを用いた反応性イオンエッチングにより絶縁層4にT型ゲート電極5の脚の部分51のパターンを転写する。これにより、第1のレジストマスク81に形成された脚の部分51のパターンである穴11Aと、絶縁層4に転写された、即ちエッチングにより絶縁層4に形成された穴11Bとで穴11が形成される。
絶縁層4への脚の部分51のパターンの転写にはCF4ガスを用いたが、F系ガス(例えばSF6,CF4ガス等)を用いた高密度のドライエッチング、例えば誘導結合プラズマ(ICP)、電子サイクロトロン共鳴反応性イオンエッチング(ECRRIE)等の方法を用いて行うこともできる。
【0035】
次に、図3Dに示すように、本実施の形態では、アッシング(1回目)により、上側の第1のレジストマスク81の穴11Bの幅Bdを広げる。ここで、T型ゲート電極5の脚の部分51の幅(所謂ゲート長)は既に前の工程(図2C参照)で絶縁層4に転写され、アッシングの際に絶縁層4の穴11Aの幅は広がらないので、第1のレジストマスク81の穴11Bの幅Bdが広がってもゲート長自体は変化しない。
【0036】
アッシングは、例えばO2ガス=400sccm(流量)/0.6Torr(圧力)/250W(電力)/20秒の条件で行うことで、第1のレジストマスクの穴11Bの幅Bdをそれぞれ50nmずつ広げることができる。これにより、階段状の穴11が形成される。
このような階段状の穴11とすることで、後述する金属膜の蒸着工程(図5J参照)にて、金属膜の埋め込み性が良好となる。
第1のレジストマスク81の穴11Bの幅Bdを広げるには、アッシング等のO2ガスを用いたドライエッチングにより行ったが、これ以外にも、O2プラズマを用いた乾式エッチングであってもよく、例えば反応性イオンエッチング(RIE)、また高密度のドライエッチング、例えば誘導結合プラズマ(ICP)、電子サイクロトロン共鳴反応性イオンエッチング(ECRRIE)等の方法を用いることができる。
【0037】
次に、図3Eに示すように、階段状の穴11を含んで第1のレジストマスク81の全面に、2層目となる第2のレジスト層13、3層目となる第3のレジスト層14を順次成膜する。第2のレジスト層としては、例えばポリメチルグルタルイミド(PMGI)13を膜厚200nmで成膜し、第3のレジスト層14としては、例えばポリメチルメタクリレート(PMMA)やポリスチレン系共重合体を膜厚1000nmで成膜する。
【0038】
次に、例えば電子線描画法を用いて第3のレジスト層14を露光・現像して、図4Fに示すように、第3のレジストマスク141を形成する。
この工程においても、上述したように、レジスト層の組み合わせを変えて公知のリソグラフィ技術を用いて同様に行うことができる。
【0039】
次に、現像液を用いたウェットエッチングにより、第2のレジスト層13をエッチング除去する。この際、現像液が第3のレジストマスク141の下まで廻り込み、図4Gに示すように、第2のレジスト層13にサイドエッチによる空洞15が形成される。
【0040】
次に、本実施の形態では、再びアッシング(2回目)を行い、穴11の上側の第1のレジストマスク81にサイドエッチによる空洞12をいれ、上側の第1のレジストマスク81の穴11Bの幅Bdをさらに拡大する。これにより、本実施の形態では、図2Dに示した工程と合わせて2回アッシングを行ったこととなる。
この2回目のアッシング工程も上述した1回目のアッシング工程の際と同じ条件で行うことができる。これにより、図4Hに示すように、穴11Bの幅Bdが図2Cに示した状態からそれぞれ100nm(50×2)が広がることになる。
【0041】
次に、穴11より例えば選択エッチングを用いて半導体基板2の表面のn+InGaAs層22にサイドエッチをいれて、図5Iに示すようにリセス溝3を形成する。これは、例えば表面のn+InGaAs層22は除去できるがInAlAs層21は除去できないエッチング溶液、例えばクエン酸、琥珀酸、アジピン酸等のカルボン酸と過酸化水素水との混合液を用いて行うことができる。
【0042】
次に、図5Jに示すように、穴11を含んで第3のレジストマスク141を覆って全面に金属膜10を蒸着する。この際、上述したように、穴11は2回のアッシング工程により(図2D及び図4H参照)、第1のレジストマスク81の穴11Bの幅Bdが拡大された階段状の穴11となっているので、金属膜10を穴11内に良好に埋め込むことができる。
この後、例えばnメチル2ピロリドン(NMP)等の薬剤を用いてリフトオフ法を行い、第1のレジストマスク81、第2のレジストマスク13、第3のレジストマスク141を同時に除去することにより、図6Kに示すT型ゲート電極5が形成される。
ここで、形成されたT型ゲート電極5は、上述したように、脚の部分51が2段式に形成され、頭の部分52と半導体基板2上の絶縁層4との間に中空構造7が形成されている。即ち、本実施の形態では、リフトオフが終了した時点で、その頭の部分52と半導体基板2上の絶縁層4との間に中空構造7を有するT型ゲート電極5が形成される。
【0043】
次に、このT型ゲート電極5をマスクとして、半導体基板2上の絶縁層4を除去し、さらに、T型ゲート電極5をマスクとした状態のまま、金属膜(図示せず)を全面に蒸着することにより、図6Lに示すように、半導体基板2上の絶縁層4が除去された部分に自己整合的にオーミック電極61,62が形成される。
ここで、半導体基板2上に形成されたオーミック電極61,62は、T型ゲート電極5をマスクとして形成されたので、図中破線で示すように、その側壁面がT型ゲート電極5の側壁面と同一面上になって形成される。
尚、63はオーミック電極61,62を形成した際にT型ゲート電極5上に形成されたオーミック電極材料である。
【0044】
本実施の形態の半導体装置の製造方法によれば、T型ゲート電極5の脚の部分51のパターンとなる穴11の幅、特に上側の第1のレジストマスク81の穴11Bの幅Bdを広げるようにしたので、深い穴11であったとしても、穴11内に金属膜10を良好に埋め込むことが可能となり、これにより、脚の部分51の長いT型ゲート電極5を形成することが可能となる。
【0045】
従来は、このような上側の穴の幅が拡大された穴(即ち階段状の穴)を形成するために、絶縁層を2つの層(SiO2膜,SiN膜)から構成していたので、2種類の膜を形成する必要があり、また従来は、SiO2膜とSiN膜の選択エッチングの条件を吟味がする必要があったが、本実施の形態では、形成する絶縁層4は1つの層のみでよく、また、アッシング等の方法により、O2ガス1種類の単純なエッチングにより階段状の穴11を形成できる。
【0046】
また、リフトオフ工程が終了した時点でT型ゲート電極5の頭の部分52と半導体基板2上の絶縁層4との間に中空構造7が自動的に形成されるので、リフトオフ工程の後に、T型ゲート電極5の頭の部分52と半導体基板2との間に中空構造7を形成するためのエッチング工程を行う必要がなく、工程数が増加することがない。
【0047】
従って、本実施の形態では、頭の部分52と半導体基板2上の絶縁層4との間に中空構造7を有し、階段状の穴11を有するT型ゲート電極5を、製造工程数を増やすことなく容易に形成できる。
【0048】
また、本実施の形態においては、必然的にT型ゲート電極5の頭の部分52と半導体基板2上の絶縁層4との間に中空構造7が形成されるので、T型ゲート電極5を利用してオーミック電極61,62を形成する際に、半導体基板2上のオーミック電極61,62とT型ゲート電極5の頭の部分52とが接触して短絡することを抑制できる。
さらに、この中空構造7によって、寄生容量を低減することができる。
【0049】
上述した実施の形態では、半導体基板2として、例えば化合物半導体で用いられる多層の半導体基板を用いたが、例えばGaAsの単一層からなる半導体基板を用いることも可能である。
尚、このように、半導体基板をGaAsの単一層で形成した場合は、図5Iに示したような、選択エッチングによりリセス溝3を形成することができないため、リセス溝3の形成は例えば絶縁層4が形成される前に行う(図2A参照)。
【0050】
また、上述した実施の形態では、絶縁層4上に第1のレジスト層8を形成しこの第1のレジスト層8に所定パターンの穴を形成する工程(図2C参照)の後と、第2のレジスト層13を除去する工程(図4G参照)の後の2回にわたってアッシングを行ったが、このアッシングはどちらか一方で行っても構わない。
例えば、本実施の形態のように2回にわたって行った場合は、2回目のアッシング工程の際に、階段状の穴11の各面に残った第2のレジスト層13を除去することができる。
【0051】
上述した実施の形態では、第1のレジスト層8と、第3のレジスト層14は、同じ材料膜(ポリメチルメタクリレート)を用いており、第2のレジスト層13のみ第1及び第3のレジスト層8及び14と異なる材料膜(PMGI)を用いている。
このように、第2のレジスト層13のみ異なる材料膜を用いるのは、本実施の形態では、第1のレジスト層8及び第3のレジスト層14に、それぞれT型ゲート電極5の脚の部分51のパターン及び頭の部分52のパターンを形成する際、T型ゲート電極5の脚の部分51や頭の部分52のパターンの寸法精度を高いものとするために例えば電子描画法を用いているが、例えば第3のレジスト層14にT型ゲート電極5の頭の部分52のパターンを形成する際、第2のレジスト層13も同時に除去されて、第1のレジストマスク81の形状に影響を与えないようにするためである。
【0052】
また、上述した実施の形態では、3つのレジスト層8,13,14をそれぞれ用いてT型ゲート電極5を形成しているが、2つのレジスト層8,13を用いてT型ゲート電極5を形成することもできる。この場合は、それぞれのレジスト層8,13を異なる材料膜で形成して、T型ゲート電極5の頭の部分52を形成することができるようにする。
【0053】
尚、本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でその他様々な構成が取り得る。
【0054】
【発明の効果】
本発明の半導体装置によれば、T型ゲート電極の頭の部分と半導体基板上の絶縁層との間に中空構造が設けられ、また脚の部分が長いので寄生容量を低減することができる。従って、高周波特性が向上された半導体装置を得ることができる。
【0055】
本発明の半導体装置の製造方法によれば、脚の部分が長く、頭の部分と半導体基板上の絶縁層との間に中空構造を有する階段状のT型ゲート電極を、製造工程数を増やすことなく形成することが可能となる。
これにより、素子を微細化しても穴内に金属膜を良好に埋め込むことが可能となる。
また、半導体基板上の電極との短絡の虞がなく電極を形成することができ、寄生容量が低減されたT型ゲート電極を容易に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る半導体装置の一実施の形態、特にゲート電極を示す概略断面図である。
【図2】A〜D 本発明に係る半導体装置の製造方法の一実施の形態を示す製造工程図(その1)である。
【図3】E〜F 本発明に係る半導体装置の製造方法の一実施の形態を示す製造工程図(その2)である。
【図4】G〜H 本発明に係る半導体装置の製造方法の一実施の形態を示す製造工程図(その3)である。
【図5】I〜J 本発明に係る半導体装置の製造方法の一実施の形態を示す製造工程図(その4)である。
【図6】K〜L 本発明に係る半導体装置の製造方法の一実施の形態を示す製造工程図(その5)である。
【図7】従来の半導体装置、特にゲート電極の部分の概略断面図である。
【図8】A〜C 従来の半導体装置の製造方法を示す製造工程図(その1)である。
【図9】D〜F 従来の半導体装置の製造方法を示す製造工程図(その2)である。
【図10】G〜H 従来の半導体装置の製造方法を示す製造工程図(その3)である。
【図11】I〜J 従来の半導体装置の製造方法を示す製造工程図(その4)である。
【図12】A、B 従来の問題点を示す説明図である。
【図13】A〜D 2層の絶縁膜を用いる方法の説明図である。
【図14】従来の問題点を示す説明図である。
【符号の説明】
1・・・半導体装置、2・・・半導体基板、21・・・InGaAl層、22・・・InGaAs層、3・・・リセス溝、4・・・絶縁層、5・・・T型ゲート電極、51・・・脚の部分、511,512・・・段、52・・・頭の部分、61,62・・・オーミック電極、7・・・中空構造、8・・・第1のレジスト層、10・・・金属膜、9,11(11A,11B)・・・穴、12・・・空洞、13・・・第2のレジスト層、14・・・第3のレジスト層
Claims (8)
- 半導体基板上に形成された絶縁層と、
前記絶縁層上に、前記絶縁層に形成された穴を通じて前記半導体基板に接続して形成されたT型ゲート電極とを有し、
前記T型ゲート電極の周囲の前記半導体基板上に電極が形成され、
前記T型ゲート電極の頭の部分と前記絶縁層との間が中空構造とされ、
前記中空構造により、前記T型ゲート電極の頭の部分と前記半導体基板上の前記電極とが離間されている
ことを特徴とする半導体装置。 - 前記電極は前記T型ゲート電極に対して自己整合的に形成されたオーミック電極であることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
- 前記半導体基板の表面の前記T型ゲート電極との接続部分の周囲にリセス溝が形成されていることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
- 半導体基板上に絶縁層を形成する工程と、
前記絶縁層上に第1のレジスト層を形成し該第1のレジスト層に所定パターンの穴を形成する工程と、
前記第1のレジスト層を用いて前記絶縁層をパターニングする工程と、
表面を覆って、少なくとも最下層が前記第1のレジスト層と材料が異なるレジスト層である第2のレジスト層を形成する工程と、
前記第2のレジスト層にT型ゲート電極の頭の部分に対応するパターンを形成する工程と、
少なくとも前記穴内の前記第2のレジスト層を除去する工程と、
全面に金属膜を形成する工程と、
前記第1のレジスト層及び前記第2のレジスト層を同時に除去して前記T型ゲート電極を形成する工程と、
前記T型ゲート電極の周囲の前記半導体基板上に電極を形成する工程とを有し、
前記第1のレジスト層を用いて前記絶縁層をパターニングする工程の後、或いは少なくとも前記穴内の前記第2のレジスト層を除去する工程の後の少なくとも一方で、前記第1のレジスト層に形成された穴の幅を広げる工程を行い、その後前記金属膜を形成する工程を行う
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 前記第2のレジスト層は、それぞれ異なる材料からなる2つのレジスト層が積層されていることを特徴とする請求項4記載の半導体装置の製造方法。
- 前記半導体基板上に前記電極を形成する工程は、前記T型ゲート電極をマスクとして自己整合的にオーミック電極を形成することを特徴とする請求項4記載の半導体装置の製造方法。
- 前記全面に金属膜を形成する工程の前に、前記半導体基板にリセス構造となる溝を形成することを特徴とする請求項4記載の半導体装置の製造方法。
- 前記穴の幅を広げる工程は、O2ガスを用いたドライエッチングにより行うことを特徴とする請求項4記載の半導体装置の製造方法。
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- 2003-02-18 JP JP2003040316A patent/JP2004253484A/ja active Pending
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