JP2004252395A - 残渣削減安定濃縮物 - Google Patents
残渣削減安定濃縮物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004252395A JP2004252395A JP2003128145A JP2003128145A JP2004252395A JP 2004252395 A JP2004252395 A JP 2004252395A JP 2003128145 A JP2003128145 A JP 2003128145A JP 2003128145 A JP2003128145 A JP 2003128145A JP 2004252395 A JP2004252395 A JP 2004252395A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- scum
- residue
- solution
- photoresist
- substrate
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- G—PHYSICS
- G03—PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
- G03F—PHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
- G03F7/00—Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
- G03F7/26—Processing photosensitive materials; Apparatus therefor
- G03F7/30—Imagewise removal using liquid means
- G03F7/32—Liquid compositions therefor, e.g. developers
- G03F7/322—Aqueous alkaline compositions
Landscapes
- Physics & Mathematics (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
- Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
- Materials For Photolithography (AREA)
- Detergent Compositions (AREA)
- Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
Abstract
【課題】基体上の残渣およびスカム生成を削減または防止する濃縮現像液の提供。
【解決手段】無機アルカリ及び有機アルカノールアミンから選ばれる塩基生成分と、基体上の残渣およびスカム生成を削減または防止するのに十分な量の別の化合物、たとえば、グリコシド、ポリグリコシドなどの糖類、芳香族スルホン酸などの芳香族硫黄化合物、とからなる濃縮物。安定性濃縮物は、半導体、プリント配線板などの製造における現像工程で利用され得る。
【選択図】なし
【解決手段】無機アルカリ及び有機アルカノールアミンから選ばれる塩基生成分と、基体上の残渣およびスカム生成を削減または防止するのに十分な量の別の化合物、たとえば、グリコシド、ポリグリコシドなどの糖類、芳香族スルホン酸などの芳香族硫黄化合物、とからなる濃縮物。安定性濃縮物は、半導体、プリント配線板などの製造における現像工程で利用され得る。
【選択図】なし
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、残渣ならびにスカムの生成を削減または防止するための濃縮物に関する。さらに詳細には、本発明は、アルカリ成分および残基ならびにスカムの生成を削減または防止するための成分を含む安定濃縮物に関する。
【背景技術】
【0002】
フォトリソグラフィック組成物からの蓄積有機残渣およびスカムなどの汚染物質は、エレクトロニクス業界に困難な洗浄問題を呈している。フォトレジストなどからのフォトリソグラフィック残渣およびスカムは、各種の製品および装置に蓄積することがある。フォトレジスト材料は、半導体デバイス、および集積回路などの電子部品、集積回路製造用のフォトマスク、プリント配線板および平版印刷プレートの製造に利用される。フォトリソグラフィック加工において、基体表面は、フォトレジストでコーティングされ、化学線照射に感受性を持つ層を与え、これは化学線照射によってパターン状に照射される。照射されたフォトレジストを次に現像溶液によって現像して、基体表面をエッチング、めっきまたはドーパントの拡散から選択的に防止する役割を果たすパターン化フォトレジスト層を形成する。
【0003】
フォトレジストはポジ型でも、ネガ型でもよい。そのようなフォトレジストは液体、またはドライフィルムでもよい。ポジ型フォトレジスト組成物は、組成物が不溶のまま残っている紫外線光で露光されないエリア上に、パターン化フォトレジスト層が形成されるように、現像溶液中の組成物の溶解度が光への露光によって上昇するような光感受性を持つ。ネガ型フォトレジスト組成物は、ポジ型フォトレジストと反対の感受性および溶解性挙動を示す。
【0004】
半導体デバイスの集積密度の上昇傾向に適合するように1ミクロンまたはさらに細いライン幅のさらに細かい高品位パターン化への要求を伴う、半導体デバイス技術における最近の進歩に加えて、ポジ型フォトレジストを用いたパターン化のフォトリソグラフィック工程も、困難な問題に直面している。細かいパターンにおいてきわめて細かなコンタクトホールのパターン化が要求される場合、基体表面の水性現像溶液による濡れ性を上昇させる目的で、アルカリ性現像溶液を界面活性剤と混合する。現像溶液への界面活性剤の添加における1つの問題は、フォトレジスト層ができるだけ完全かつ清浄に溶け流されねばならない露光エリアに、フィルム残渣およびスカムが場合により生じることである。フィルム残渣およびスカムは、表面を酸素プラズマまたはスパッタリングで穏やかに処理することによって除去できるが、そのような処理はよく制御された面倒な条件下で実施する必要があり、スカムの滑らかな除去という点で効果的でなく、または直径約1ミクロン以下のコンタクトホールを持つ細かくパターン化されたエリアにおいて均質な処理効果を与えないため、問題の完全な解決はそのような方法によって得ることができない。さらに、この処理は高コストである。
【0005】
Tanakaらに対する米国特許第4,820,621号(特許文献1)は、ポリオキシエチレンアルキル置換フェニルエーテルである非イオン性界面活性剤の添加により現像溶液を改良することによって、残渣およびスカム形成も問題に対処している。エーテルは、50から5000ppm(パーツパーミリオン)の量で現像溶液に含まれる。現像溶液は、アルカリ可溶性ノボラック樹脂およびナフトキノンジアジド化合物より成るポジ型フォトレジスト組成物を用いたパターン化で利用される。米国特許第4,820,621号(特許文献1)は、ポリオキシエチレンアルキル置換フェニルエーテルを含む現像剤を用いたポジティブフォトレジストのパターン化は、現像後の残渣およびスカムの生成を防止すると断言している。
【0006】
同様の残渣およびスカム生成は、ネガ型フォトレジストを利用した場合にも起こる。たとえばプリント基板の製造時には、UV硬化性ネガ型フォトレジストを使用できる。フォトレジストの露光部分はアルカリ性現像溶液に不溶となり、エッチングおよびめっき溶液などの他の処理化学薬品に対して保護バリアを形成する。フォトレジストの非露光部分は、1%炭酸ナトリウム1水和物水溶液などのアルカリ溶液によってプリント基板からすすいで遊離される。フォトレジスト中のポリマーが酸官能基を持つために現像が起こる。ポリマー内のそのような酸官能基は、アルカリ溶液中で中和され、水溶性有機塩を生成する。溶解したフォトレジストが溶液中に蓄積すると(現像剤ローディング)、非硬化フォトレジストなどの不溶性有機物質が、現像タンク内で生成され始めて、最終的には非水溶性残渣またはスカムを生成する。添加された消泡剤の存在(従来、発泡を最小限に抑えるために現像溶液に添加)は、残渣およびスカムが生成する傾向を大幅に上昇させる。スカムのレベルが上昇するにつれ、これらに非水溶性残渣が現像された回路基板に不注意により再沈積する可能性が上昇する。そのような再沈積により、そのような再沈積残渣は、エッチング溶液の遅延を引き起こす(エッチング化学物質は、有機残渣に浸透するのが困難となる)。エッチングが遅延する場合、短絡によって欠陥回路基板が作成される。欠陥回路基板の可能性が上昇するのに加えて、残渣も装置の洗浄を困難にするため、保守時間が延長される。そのような残渣およびスカムは、現像装置表面に付着して、ノズルを目詰まりさせて、プリント配線板の表面に再沈積して基板に欠陥を引き起こすことがある。
【0007】
一次フォトレジストによる蓄積残渣およびスカムの生成問題に加えて、二次フォトレジストによる残渣およびスカムの蓄積問題もある。そのような二次フォトレジストは、ソルダマスクで利用できる。残渣およびスカムは、ソルダマスクにおける成分分離の結果として基体上に沈積する。そのような成分分離は、不適切なバランスのソルダマスク現像溶液、すなわち不適切な現像条件および/またはソルダマスク現像溶液化学物質がソルダマスクに接触した場合に悪化し得る。二次フォトレジストによる蓄積残渣およびスカムは、現像装置などの基体上の明緑色コーティングとしてしばしば現れる。
【0008】
残渣およびスカムを除去、すなわち洗浄するために使用される洗浄剤は、組成が異なる場合がある。洗浄剤は、活性成分として水酸化ナトリウムなどの強塩基と、四酢酸エチレンジアミン(EDTA)などのキレート化剤を含む。界面活性剤、溶媒および乳化剤も洗浄剤に含まれ得る。洗浄剤は、約45℃から約55℃の温度範囲で利用される。しかし、洗浄剤を使用する分野の作業者は、残渣問題がさらに悪化することが多いことを発見した。フォトレジストからおよび、洗浄剤からの残渣を除去するために、装置を手動で洗浄しなければならないことが多い。そのような手動洗浄は、労力と時間の両方がかかる作業であり、生産時間の大幅な損失を生じさせることがある。さらに、上述したように、そのような洗浄剤は、多くの疎水性芳香族物質を有する新世代のフォトレジストから残渣を除去するには効果が不十分である。そのような疎水性物質は再乳化、すなわち洗浄剤による洗浄が特に困難である。したがって残渣およびスカム生成を削減または防止する組成物が非常に望ましい。
【0009】
Barrらへの米国特許第5,922,522号(特許文献2)、Lundyらへの米国特許第6,063,550号(特許文献3)、およびLundyらへの米国特許第6,248,506B1号(特許文献4)は、回路基板および回路基板製造装置上での残渣およびスカム生成を削減または防止する現像溶液に含まれる界面活性剤および界面活性剤混合物を開示している。そのような界面活性剤は、疎水性基、アルコキシル化親水性基および非イオン性またはアニオン性キャッピング基で構成される。適切な疎水性基の例は、ノニルフェノール、オクチルフェノールおよびトリスチリルフェノールを含む。適切なアルコキシル化親水性基の例は、エチレンオキシド、プロピレンオキシドおよびエチレンオキシド/プロピレンオキシド基を含む。適切なキャッピング基の例は、ヒドロキシル基、カルボキシル基、スルホニル基、ホスホニル基またはその混合物を含む。そのような残渣およびスカム削減化合物は、現像溶液中に約0.05重量%から約1.0重量%の量で含まれる。
【0010】
現像溶液は炭酸ナトリウム溶液などの、水性アルカリ溶液でもよい。水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエタノールアミン、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウムおよび重炭酸カリウムなどの他の塩基も、現像溶液のアルカリ度を与えるために利用される。そのような現像溶液は使用する前に、その濃縮形から希釈される。希釈比は変化し得る。通常、炭酸ナトリウムは1重量%溶液として利用される。現像溶液のアルカリ度は、カルボン酸官能基などの、フォトレジストのバインダポリマーの酸官能基とともに塩を生成し、バインダを水性アルカリ溶液に混和させる。フォトレジストは基体に層として適用され、パターン化化学線照射で露光され、フォトレジストがネガ型フォトレジストである場合は、フォトレジスト層の露光されない非重合部分を洗い流す水性アルカリ溶液で現像される。フォトレジストがポジ型である場合は、フォトレジストの露光部分が洗い流される。
【0011】
【特許文献1】
米国特許第4,820,621号明細書
【特許文献2】
米国特許第5,922,522号明細書
【特許文献3】
米国特許第6,063,550号明細書
【特許文献4】
米国特許第6,248,506B1号明細書
【考案の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
米国特許第5,922,522号(特許文献2)、米国特許第6,063,550号(特許文献3)、および米国特許第6,248,506B1号(特許文献4)で開示された現像溶液は、回路基板および電子部品製造に使用される装置などの、フォトレジストを含む基体上の残渣およびスカムの蓄積量を削減する有効な手段となるが、作業者はフォトレジストを現像するためのさらに濃縮した形からそれらを調製する場合は、現像溶液に二次添加を行う必要がある。そのような沈積物は、残渣およびスカム生成の削減または防止に無効であり、残渣生成の原因となり得る。沈積物の再溶解は困難であり、それゆえ沈積物は溶液から濾過される。沈積物質の二次添加は残渣削減化合物の損失を補償するために行われ、それゆえ現像液調製のコストが上昇する。そのような問題は、組成物の2つ以上の成分間の不適合によるものである。したがって、貯蔵中に安定なままの現像剤濃縮物に対する需要がある。
【0013】
従来のスピン現像機、または現像溶液が基体表面にスプレーされるスプレー現像機などの現像装置における残渣およびスカムの蓄積を防止する努力にもかかわらず、そのような器具の反復使用は必然的に残渣およびスカムの蓄積を引き起こす。ある時点において、洗浄のために装置をシャットダウンする程度まで残渣およびスカムが蓄積するため、生成物のアウトプットが減少する。そのような残渣およびスカムは、光開始剤、染料などの疎水性芳香族物質、(メタ)アクリルモノマー、フォトレジストおよび消泡剤および界面活性剤を構成する他の有機物質を含む。そのような残渣およびスカムは、現像機洗浄剤で再乳化または洗浄するのが困難な場合が多い。
したがって、残渣およびスカム生成を削減または防止し且つ、貯蔵安定性濃縮物であり、洗浄剤をさらに有効にする組成物に対する需要がある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
(発明の概要)
本発明は、基体上または溶液中での残渣生成を削減または防止する化合物と組み合わせたアルカリ性成分で構成される、安定性濃縮物に関する。
【0015】
本発明の濃縮物は好都合に貯蔵中安定であるため、溶液から沈積した成分を復元するためや、成分を再溶解させるために、組成物に成分の二次添加をする必要はない。安定性濃縮物の別の利点は、ポジ型およびネガ型フォトレジストの両方による有機残渣およびスカムなどの、フォトリソグラフィック組成物によって基体上に沈積する残渣生成を削減または防止するために利用できることである。そのような基体の例は、これに限定されるわけではないが、現像溶液をフォトレジストを適用するのに使用する現像機および、プリント配線板の製造に使用する他の器具も含む。現像機の例は、これに限定されるわけではないが、フォトレジスト上に現像剤がスプレーされる、または従来のスピン現像機、スプレー現像機、浸漬現像機、あるいはバッチまたはフィード・アンド・ブリード動作器具などを含む。本発明の安定性濃縮物は、残渣およびスカムが溶液中で生成するのを削減および防止するためにも利用できる。
【0016】
フォトレジストの適用に利用されるプリント配線板などのフォトリソグラフィックデバイスの製造中に、あるいはフォトレジストと接触する装置の連続または長期使用は装置への望ましくない残渣の蓄積を引き起こす。蓄積残渣は、装置のラインまたは可動部品を閉塞または目詰まりさせ、製造休止を引き起こす。さらにプリント配線板上の残渣蓄積により、電気的短絡などの、基板の欠陥が生じる。残渣およびスカムは多くの洗浄剤によって再乳化、すなわち洗浄することが困難な化学物質を含むため、洗浄は必ずしも有効ではない。洗浄剤もさらに、装置や製造品を汚染することがある。本発明の組成物は蓄積残渣およびスカムを基体から、または溶液中で形成された残渣およびスカムを洗浄する際の問題を消滅または少なくとも低減する。
【0017】
残渣およびスカム生成を削減するための貯蔵安定性濃縮物であることに加えて、本発明の組成物は、フォトレジストを現像する現像剤である。したがって、本発明は現像剤およびフォトレジストの現像方法にも関する。
【0018】
本発明の第一の目的は、貯蔵安定性濃縮物を提供することである。
【0019】
本発明の別の目的は、フォトリソグラフィック組成物から生じる残渣およびスカムの生成を削減または防止するために利用できる安定性濃縮物を提供することである。
【0020】
本発明のさらなる目的は、ポジ型およびネガ型フォトレジストによって生じる残渣およびスカムの生成を削減または防止するために利用できる安定性濃縮物を提供することである。
【0021】
本発明の別の目的は、改良された現像溶液を提供することである。
【0022】
さらなる、本発明の別の目的は、フォトレジストを現像する改良された方法を提供することである。
【0023】
他の利点は、当業者が発明の以下の説明および添付請求項を読むことによって確認できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
(発明の詳細な説明)
本発明の安定性組成物は、基体上または溶液中での残渣およびスカム生成を削減または防止する化合物と組み合わせたアルカリ性成分で構成される濃縮物である。フォトレジストを現像するアルカリ性成分は組成物中で濃縮レベルにあり、残渣およびスカム生成を削減または防止する化合物は、阻害機能を果たすために十分な量が使用される。本発明の濃縮物は好都合に、現像溶液がポジ型およびネガ型フォトレジストの両方を現像するのに適しており、同時にフォトリソグラフィック組成物からの残渣およびスカム生成を削減する。本発明の範囲内のフォトリソグラフィック組成物は、プリント配線板の製造などのフォトリソグラフィック工程で利用される化学組成物を含む。そのようなフォトリソグラフィック組成物はこれに限定されるわけではないが、フォトレジスト、フォトリソグラフィック器具の洗浄組成物および現像溶液などを含む。フォトレジストは残渣およびスカム蓄積の源であるが、現像溶液および洗浄溶液などの他の溶液で利用される多くの界面活性剤および消泡剤も残渣およびスカムの蓄積を増加させる。
【0025】
本発明の濃縮物は貯蔵安定性である。本発明の範囲内の貯蔵安定性濃縮物は、濃縮物または溶液が二次添加を必要としないことを意味する。不安定性濃縮物は、貯蔵中に溶液から成分が分離または沈積する問題があるため、成分を溶液から再溶解または濾過する必要があり、組成物がその所望の機能を果たすために、新たな成分を十分な量で添加する必要がある。
【0026】
炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、メタケイ酸ナトリウム、NaOH、KOH、トリエタノールアミン、炭酸カリウムなどの塩基は、フォトレジストを現像するのに必要なアルカリ度を供給するためにアルカリ性成分として使用できる。アルカリ性成分は、濃縮物としての生成物の約15重量%から約80重量%を構成する。さらに詳細には、アルカリ性成分は、濃縮物としての生成物の約30重量%から約50重量%を構成する。濃縮物の適切な希釈後、溶液はフォトレジストを現像するために使用される。現像溶液のアルカリ度は、バインダポリマーの酸官能基、通常はカルボン酸官能基と塩を形成し、バインダポリマーをアルカリ性水溶液に混和させる。それゆえフォトレジストは基体に層として適用され、パターン化化学線照射で露光されて、フォトレジスト層の部分を洗い流すアルカリ性溶液中で現像される。
【0027】
残渣およびスカム生成を削減および防止する成分は、基体上または溶液中でのスカム生成を削減または防止し、濃縮物、特にアルカリ性濃縮物で安定である、どの適切な化学化合物または化学化合物の組合せでもよい。そのような化合物の例は、これに限定されるわけではないが、芳香族スルホン酸およびスルホン酸塩などのその塩などの、化合物を含む芳香族硫黄含有化合物、および糖ならびに糖誘導体を含む。本発明の範囲内の芳香族硫黄化合物の例は式:
【化学式1】
(式中、nは0から20の整数、好ましくはnは1から10の整数、さらに好ましくはnは1から3の整数、最も好ましくは、nは1である。Aは未置換または置換のフェニル、あるいは未置換または置換のナフチルである。置換基はこれに限定されるわけではないが、アミン、ハロゲン、ヒドロキシルまたはアルキルを含む。Yは水素、ハロゲン、脂肪族、芳香族、環式脂肪族、ヒドロキシルであり、好ましくは水素または脂肪族であり、最も好ましくは水素である。下付き文字uおよびvは0から4である。uまたはvが0の場合、水素がMXの代わりとなる。ZはZ酸素、窒素、硫黄、スルホニル、スルホンネート、−CO−、−(CH2)m−であり、式中、mは1から5の整数であり、好ましくは、mは1に等しく、あるいはZは直接結合である。Mは−COO−、−SO3 −、−SO4 2−、PO4 3−、−PO4(R´)2であり、式中、R´は炭化水素、好ましくは(C1−C5)アルキルである)を持つ。式1の化合物はその構造内に、少なくとも1個の硫黄原子を持つ。XはH+などの対カチオン、または他の適切なカチオンである。他の適切なカチオンの例は、これに限定されるわけではないが、リチウム、ナトリウムおよびカリウムなどのアルカリ金属カチオン、マグネシウムおよびカルシウムなどのアルカリ土類金属、クロム、鉄、マンガン、コバルト、ニッケル、バナジウム、チタン、ルテニウム、プラチナなどの遷移金属カチオン、亜鉛、アンモニウム(NH4 +)、プロトン化エチレンジアミンなどの他のプロトン化アミン、コリンなどを含む。
【0028】
好ましい芳香族硫黄化合物は、式:
【化学式2】
(式中、Z、MおよびXは、式に少なくとも1個の硫黄原子があるという条件で上のように定義され、uおよびvは0から1の整数であり、R1およびR2は独立に、水素、未置換または置換脂肪族、未置換または置換環式脂肪族、未置換または置換芳香族、ハロゲンまたはヒドロキシルである。置換基はこれに限定されるわけではないが、ハロゲンおよびヒドロキシルを含む。上の式1のYは水素およびn=1である。
【0029】
適切な脂肪族基の例はこれに限定されるわけではないが、1から25、好ましくは5から12個の炭素原子の直鎖または分岐アルキル基を含む。脂肪族基の例はメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ペンタデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、ドデシルなどである。適切な環式脂肪族の例はこれに限定されるわけではないが、5から10個の炭素原子、好ましくは5から6個の炭素原子を持つ環式脂肪族基を含む。疎水性芳香族基の例はこれに限定されるわけではないが、5から14の炭素原子、好ましくは5から6個の炭素原子を持つ芳香族基を含む。
【0030】
対イオンXはこれに限定されるわけではないが、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウムまたはアミンを含む。アンモニウムイオンラジカルは、式(R¨)3NH+(式中、各R¨は独立に、水素、C1−C4アルキルまたはC1−C4ヒドロキシアルキルラジカルである)である。C1−C4アルキルおよびヒドロキシラジカルの例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ヒドロキシメチルおよびヒドロキシエチルを含む。代表的なアンモニウムイオンラジカルは、アンモニウム(N+H4)、メチルアンモニウム(CH3N+H3)、エチルアンモニウム(C2H5N+H3)、ジメチルアンモニウム((CH3)2NH2 +)、メチルエチルアンモニウム(CH3N+H2C2H5)、トリメチルアンモニウム((CH3)3N+H2)、ジメチルブチルアンモニウム((CH3)2N+HC4H9)、ヒドロキシエチルアンモニウム(HOCH2CH2N+H3)およびメチルヒドロキシエチルアンモニウム(CH3N+H2CH2CH2OH)を含む。好ましくは、Xは水素、ナトリウム、カルシウム、カリウムまたはアンモニウムである。
【0031】
好ましくは、Mは−SO3 −、およびR1およびR2は同じかまたは異なり、R1またはR2の一方が水素であり、もう一方が脂肪族または芳香族基であるという条件で、水素または1から20の炭素の脂肪族基、または5から6の疎水性芳香族基である。
【0032】
上の式2の化合物は、当業界で既知の適切な方法によって調製され得るジフェニルオキシドを含む。アルキル化ジフェニルオキシドは、三酸化硫黄、二酸化硫黄および三酸化硫黄の混合物、クロロスルホン酸などの任意の適切なスルホン化剤を用いて、従来の手順によってスルホン化され得る。結果として生じたスルホン酸は、炭酸ナトリウムまたは水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物または炭酸塩を用いて、またはアンモニウムまたはアルカリ金属塩あるいはアリールスルホン酸の調製で従来利用されてきた、他の任意の適切な塩基の使用により、中和できる。ジフェニルオキシドの調製方法は、その開示全体が参照により本明細書に組み入れられている、米国特許第3,248,335号および米国特許第4,687,593号に開示されている。開示の両方の特許は、本発明の任意のジフェニルオキシドを作成するための十分な情報を当業者に提供する。
【0033】
本発明の範囲内のジフェニルオキシドは、市販品として入手してもよい。市販の、アルキル化ジフェニルオキシドスルホン酸塩界面活性剤を含む溶液は、DOWFAX(登録商標)C10L、DOWFAX(登録商標)8390およびDOWFAX(登録商標)8390Aである("DOWFAX(登録商標)は、ダウケミカル社の、これらのアニオン性界面活性剤のブランドの、登録商標である)。アルキル基R1およびR2は主に、8390および8390A組成物においてヘキサデシル(C16)基である。DOWFAX(登録商標)8390Aは、Xが水素である、約25%の界面活性剤の酸の形を含む。DOWFAX(登録商標)8390は、Xがナトリウムである、約35%の界面活性剤のナトリウム塩を含む。DOWFAX(登録商標)8390A溶液は、水酸化アンモニウムによって全部または一部が中和されている。
【0034】
上述のジフェニル硫黄化合物に加えて、他の適切な芳香族硫黄化合物は、以下の式:
【化学式3】
(式中、Xは上で定義したとおりであり、nは0であり、Yは上の式1の水素であり、R3は5から20の炭素の、飽和または不飽和脂肪族炭化水素基である。好ましくは、R3は10から12の炭素である)を持つ直鎖アルキルベンゼンスルホン酸およびその塩を含み得る。
【0035】
本発明の範囲内の別の適切なアリールスルホン酸またはその塩は、式:
【化学式4】
(式中、Xは上で定義したとおりであり、Yは水素であり、nは上の式1で0であり、R4は、8から18の炭素原子、好ましくは10から16の炭素原子を持つ飽和または不飽和脂肪族炭化水素である)を持つアルキルナフタレンスルホン酸塩である。
【0036】
残渣およびスカムの生成を削減または防止し、アルカリ性濃縮物中で安定であるどの適切な糖または糖誘導体も、本発明を実施するために利用できる。そのような糖または糖誘導体は、グリコシド、ポリグリコシドおよびそのエーテルを含む。
【0037】
アルコキシル化グリコシドを含む各種のグリコシドおよびポリグリコシド化合物が使用できる。有用なポリグリコシドは、式:
【化学式5】
(式中、Wはグルコースより由来し、Rはアルキル基、アルキルフェニル基、ヒドロキシアルキルフェニル基およびその混合物より選択される疎水性基であり、ここでアルキル基は、8から18の炭素原子を含む直鎖または分岐でもよく、pは2または3であり、rは0から10の整数であり、xは1から8の値である)によるポリグリコシドである。
【0038】
本発明の実施での使用に適したアルキルグルコシドのさらなる基は、以下の式6で表される:
【化学式6】
(式中、R4は、6から30、好ましくは8から18の炭素原子を含む一価有機ラジカルであり、R3は、2から4の炭素原子を含む二価炭化水素ラジカルであり、Oは酸素原子であり、yは0から1の整数であり、Gは5から6の炭素原子を含む還元糖類に由来する部分であり、xは1から5の整数であり、WはO2M1、
【化学式7】
O(CH2)、CO2M1、OSO3M1、またはO(CH2)SO3M1であり、R6は(CH2)CO2M1またはCH=CHCO2M1であり、(Wが、主要なヒドロキシル基を持つ炭素原子、−CH2OHが酸化されて
【化学式8】
基を形成する、主要なヒドロキシル基の代わりになる場合のみに、ZはO2M1になり得る)、bは0から3k+1、好ましくはグルコサル基あたりの平均で0.5から2であり、kは1から10であり、M1はH+あるいは有機または無機対イオン、好ましくはたとえば、アルカリ金属カチオン、アンモニウムカチオン、モノエタノールアミンカチオン、またはカルシウムカチオンなどのカチオンである。)
【0039】
上述したそのようなアルキルグリコシドの例は、これに限定されるわけではないが、50%C9−C11アルキルポリグリコシドであるとして説明され、一般にD−グルコピラノシドとも呼ばれる、APGTM325CSGlycoside(登録商標)(ペンシルバニア州アンブラーのヘンケル社より市販)、および50%C10−C16アルキルポリグリコシドであるとして説明され、一般にD−グルコピラノシドとも呼ばれる、GlucoponTM625CS(ペンシルバニア州アンブラーのヘンケル社より市販)を含む。
【0040】
本発明の実施での使用に適したアルキルグルコシドの例は、式:
【化学式9】
(式中、R5はアルキル基、好ましくはC8−C16アルキル基などの直鎖アルキル鎖であり、qは0から3を含めた整数である)によって表されるアルキルグルコシドを含む。
【0041】
構造式9によるそのようなアルキルポリグリコシド化合物の例は:R5がC8およびC10アルキル鎖で構成され、分子あたり約9.1のアルキル炭素の平均値を生じる場合(Glucopon(登録商標)220UP、Glucopon(登録商標)225DK);R5がC8、C10、C12、C14およびC16アルキル鎖で構成され、分子あたり約10.3のアルキル炭素の平均値を生じる場合(Glucopon(登録商標)425);R5がC12、C14およびC16アルキル鎖で構成され、分子あたり約12.8のアルキル炭素の平均値を生じる場合(Glucopon(登録商標)600UP、Glucopon(登録商標)625CSUP、およびGlucopon(登録商標)625FE、これらすべてはペンシルバニア州アンブラーのヘンケル社より入手可能)を含む。アルキルポリグリコシド化合物として有用なのは、Triton(登録商標)CG−110(ユニオンカーバイド社)である。別の有用なアルキルグリコシドは、C9−C11アルキルポリグリコシドであるとして説明され、一般にD−グルコピラノシドとも呼ばれる、GLUCOPON(登録商標)325Nである(ペンシルバニア州アンブラーのヘンケル社より)。
【0042】
市販されている他の適切なアルキルポリグリコシドは、これに限定されるわけではないが、ペンシルバニア州アンブラー、19002のヘンケル社による、GLUCOPON(登録商標)またはPLANTAREN(登録商標)を含む。そのようなアルキルポリグリコシドの例は、これに限定されるわけではないが:
1.GLUCOPON(登録商標)225界面活性剤――アルキル基が8から10の炭素原子を含み、1.7の平均重合度を持つ、アルキルポリグリコシド。
2.GLUCOPON(登録商標)425界面活性剤――アルキル基が8から16の炭素原子を含み、1.6の平均重合度を持つ、アルキルポリグリコシド。
3.GLUCOPON(登録商標)625界面活性剤――アルキル基が12から16の炭素原子を含み、1.6の平均重合度を持つ、アルキルポリグリコシド。
4.APG(登録商標)325界面活性剤――アルキル基が9から11の炭素原子を含み、1.6の平均重合度を持つ、アルキルポリグリコシド。
5.GLUCOPON(登録商標)600界面活性剤――アルキル基が12から16の炭素原子を含み、1.4の平均重合度を持つ、アルキルポリグリコシド。
6.PLANTAREN(登録商標)2000界面活性剤――アルキル基が8から16の炭素原子を含み、1.4の平均重合度を持つ、C8−16アルキルポリグリコシド。
7.PLANTAREN(登録商標)1300界面活性剤――アルキル基が12から16の炭素原子を含み、1.6の平均重合度を持つ、C12−16アルキルポリグリコシドを含む。
【0043】
残渣およびスカム生成を削減または防止する化合物は、本発明の安定な組成物内に、濃縮物としての組成物の、約15重量%から約60重量%、好ましくは濃縮物の約20重量%から約40重量%の量で含まれる。
【0044】
上述の化合物に加えて安定濃縮物は場合により、添加により組成物が不安定にならない条件で、補助界面活性剤、消泡剤、キレート化剤、および溶媒を含んでもよい。適切な溶媒は、水、または組成物の成分が溶液に可溶性のままである任意の有機溶媒を含む。溶媒は、濃縮物を100重量%にするように添加できる。本発明の濃縮物は本質的に、アルカリ性成分、芳香族硫黄化合物、糖またはその誘導体、消泡剤および溶媒で構成される。好ましくは本発明の安定な濃縮物は、アルカリ性成分、芳香族スルホン酸またはその塩、糖および糖誘導体および溶媒で構成される。本発明の範囲内の濃縮物は、当業者がフォトレジストを現像するために利用する組成物よりも、その成分が高い濃度である溶液を指す。
【0045】
驚くべきことに本発明の安定組成物は、ポジ型(液体とドライフィルムの両方)およびネガ型フォトレジスト(液体とドライフィルムの両方)の両者からの有機残渣および有機スカムを削減または防止する。基体上または溶液中のそのような有機残渣および有機スカムは、フォトレジスト、特に疎水性芳香族特性の多くの化合物を含む新世代のフォトレジストで使用される化学物質のタイプのため、多くの洗浄剤および界面活性剤によって除去しにくい。
【0046】
加えて、本発明の組成物も二次フォトレジストによって沈積された残渣およびスカムの生成を削減または防止する。そのようなフォトレジストは、ソルダマスクで利用できる。残渣およびスカムは、ソルダマスク中の成分分離の結果として基体上に沈積される。そのような成分分離は、不適切なバランスのソルダマスク現像溶液、すなわち不適切な現像条件および/またはソルダマスク現像溶液化学作用がソルダマスクに接触する場合に、悪化することがある。残渣およびスカムは、プリント配線板およびソルダマスク現像機などの基体上に蓄積する。蓄積残渣およびスカムは、現像機表面上で明緑色コーティングとして見えることがある。明緑色コーティングは、フォトレジストからの顔料が濃縮する、二次フォトレジストからの水不溶性物質の油性層より生じる。一般に、二次フォトレジスト調合物中の疎水性芳香族化合物のレベルは、一次フォトレジスト調合物よりも高い。それゆえ二次フォトレジストによって沈積した残渣およびスカムを削減または防止することは、本発明の組成物のさらなる改良である。
【0047】
フォトレジストからの残渣およびスカムは、これに限定されるわけではないが、光開始剤、熱開始剤、染料などの疎水性芳香族物質、アクリルおよびメタクリルモノマーなどの化学物質を含む。光酸発生剤、光塩基発生剤またはフリーラジカル発生剤などの光開始剤は基体にいったん残渣およびスカムとして蓄積すると、残渣およびスカムを構成する他の成分の多くよりも、除去するのがさらに困難である。そのような物質はフォトリソグラフィック製造器具などの基体にいったん蓄積すると、容易に再乳化しない。そのような物質は通常、疎水性芳香族化合物である。
【0048】
フォトレジストは、組成物が変化する。一般にフォトレジスト組成物は、約20重量%から約90重量%のバインダポリマーと、約15重量%から約50重量%のモノマーおよび短鎖オリゴマーなどのα,β−エチレン性不飽和化合物(架橋剤)と、約0.1重量%から約25重量%、好ましくは約5重量%から約15重量%の光開始剤または光開始剤化学系で構成される。液体フォトレジストは、ポリマーバインダに関してより高い濃度のモノマーまたは短鎖オリゴマーを含み得るが、これに対してドライフィルムは、より高い濃度のポリマーバインダを含み得る。そのような濃度は当業界で既知である。残渣およびスカム蓄積の原因となり得るフォトレジストで利用される他の成分は、以下で考察する。液体フォトレジスからの蓄積残渣およびスカムは、基体上に結晶物質として出現する。
【0049】
基体上の望ましくない蓄積残渣またはスカムを引き起こすフォトレジストを構成する成分の例は、これに限定されるわけではないが、重合単位として1以上のエチレン性またはアセチレン性不飽和モノマーを含むようなポリマーバインダを含む。モノマーの例は、これに限定されるわけではないが:(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸アルキル、(メタ)アクリル酸アルケニル、芳香族(メタ)アクリレート、ビニル芳香族モノマー、窒素含有化合物およびそのチオ類似体、置換エチレンモノマー、環状オレフィン、置換環状オレフィンなどを含む。好ましいモノマーは、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸アルキルおよびビニル芳香族モノマーを含む。そのようなポリマーバインダは、ホモポリマーまたはコポリマー、および好ましくはコポリマーであり得る。
【0050】
残渣またはスカム蓄積を引き起こす架橋剤は、ジ−、トリ−、テトラ−、またはより高次多官能性エチレン不飽和モノマーを含む。そのような架橋剤の例は、これに限定されるわけではないが:トリビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルピリジン、ジビニルナフタレンならびにジビニルキシレン、およびエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート("TMPTA¨)、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリビニルシクロヘキサン、アリルメタクリレート("ALMA¨)、エチレングリコールジメタクリレート("EGDMA¨)、ジエチレングリコールジメタクリレート("DEGDMA¨)、プロピレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート("TMPTMA¨)、ジビニルベンゼン("DVB¨)、グリシジルメタクリレート、2,2−ジメチルプロパン1,3ジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール200ジアクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジメタアクリレート、ポリエチレングリコール600ジメタクリレート、ポリ(ブタンジオール)ジアクリレート、ペンタエリトリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリエトキシトリアクリレート、グリセリルプロポキシトリアクリレート、ペンタエリトリトールテトラアクリレート、ペンタエリトリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリトリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、エトキシル化ジアクリレート、エトキシル化TMPTAおよびエトキシル化TMPTMAなどのエトキシル化トリアクリレート、エトキシル化テトラアクリレート、ジビニルシラン、トリビニルシラン、ジメチルジビニルシラン、ジビニルメチルシラン、メチルトリビニルシラン、ジフェニルジビニルシラン、ジビニルフェニルシラン、トリビニルフェニルシラン、ジビニルメチルフェニルシラン、テトラビニルシラン、ジメチルビニルジシロキサン、ポリ(メチルビニルシロキサン)、ポリ(ビニルヒドロシロキサン)、ポリ(フェニルビニルシロキサン)、ジ−、トリ−およびテトラ−グリコシル尿素を含む、グリコシル尿素、エポキシおよびその混合物などを含む。そのような架橋剤は、一般に市販されている。
【0051】
フォトイメージアブル(photoimageable)組成物は、1以上の光活性成分を含む。光活性成分は、光酸発生剤、光塩基発生剤またはフリーラジカル発生剤でもよい。そのような光活性成分は、残渣およびスカム生成の主要な供給源である。
【0052】
光酸発生剤の例はハロゲン化トリアジン、オニウム塩、スルホン化エステル、ハロゲン化スルホニルオキシジカルボキシイミド、ジアゾジスルホン、α−シアノオキシアミンスルホン酸塩、イミドスルホン酸塩、ケトジアゾスルホン、スルホニルジアゾエステル、1,2−ジ(アリールスルホニル)ヒドラジンなどを含む。
【0053】
フリーラジカル発生剤は、これに限定されるわけではないが、n−フェニルグリシン、ベンゾフェノン、N、N´−テトラメチル−4,4´−ジアミノベンゾフェノン[ミヒラーケトン]、N、N´−エチル−4,4´−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4´−ジメチルアミノベンゾフェノン、3,3´−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、p,p´−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、p,p´−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、アントラキノン、2−エチルアントラキノン、ナフタキノンおよびフェナントラキノンなどの芳香族ケトン;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、メチルベンゾインおよびエチルベンゾインなどのベンゾイン;ジベンジル、ベンジルジフェニルジスルフィドおよびベンジルジメチルケタールなどのベンジル誘導体;9−フェニルアクリジンおよび1,7−ビス(9−アクリジニル)ヘプタンなどのアクリジン誘導体;2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、および2−イソプロピルチオキサントンなどのチオキサントン;1,1−ジクロロアセトフェノン、p−t−ブチルジクロロアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、および2,2−ジクロロ−4−フェノキシアセトフェノンなどのアセトフェノン;2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾールダイマー、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニルイミダゾールダイマー、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾールダイマー、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾールダイマー、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾールダイマー、2,4−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニルイミダゾールダイマー、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾールダイマーおよび2−(p−メチルメルカプトフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾールダイマーなどの2,4,5−トリアリールイミダゾールダイマーなどを含む。しかしフリーラジカル発生剤ではないトリフェニルホスフィンは、触媒として光活性化学系に含まれ得る。
【0054】
フォトイメージアブル組成物に使用され、残渣およびスカムを発生する任意の添加剤は、これに限定されるわけではないが:抗光条剤、可塑剤、速度向上剤、充填剤、染料、フィルム形成剤、非重合性有機酸などを含む。適切な可塑剤は、ジベンゾエートエステルなどのエステルを含む。非重合性有機酸もフォトレジスト組成物に添加できる。そのような有機酸は、ポリマーバインダ、任意の架橋剤またはその両方と実質的に非重合性である。さまざまな有機酸をフォトレジスト組成物に適切に添加することができる。適切な有機酸は、これに限定されるわけではないが、アルカンカルボン酸およびアリールカルボン酸;アルカンスルホン酸およびアリールスルホ酸などのスルホン酸;アルキルリン酸およびアリールリン酸などのリン酸;などを含む。カルボン酸の例は、これに限定されるわけではないが、(C1−C12)アルキルカルボン酸、(C1−C12)アルキルジカルボン酸、(C1−C12)アルキルトリカルボン酸、置換(C1−C12)アルキルカルボン酸、置換(C1−C12)アルキルジカルボン酸、置換(C1−C12)アルキルトリカルボン酸、エチレンジアミン四酢酸などのアミンカルボン酸、アリールモノカルボン酸、アリールジカルボン酸およびアリールトリカルボン酸などのアリールカルボン酸、および置換アリールカルボン酸を含む。好ましい有機酸は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、グリコール酸、乳酸、酒石酸、クエン酸またはリンゴ酸、エチレンジアミン四酢酸、フタル酸、ベンゼントリカルボン酸、サルチル酸、シクロヘキサンカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸およびセバシン酸を含む。
【0055】
さまざまなフォトレジスト剥離促進剤もフォトレジストに使用されることがある。そのような剥離促進剤は、残渣およびスカム蓄積の原因となり得る。フォトレジスト剥離促進剤の例は、陰電荷を安定させることのできる基に対するα位に、1以上のトリハロメチル置換基を含む化合物である。
【0056】
本発明の安定な組成物は、フォトレジストを現像するためのどの適切な方法においても利用できる。本発明の安定な組成物は、濃縮物として調製される。使用前、特に現像溶液として使用する前に、濃縮物は適切な現像剤範囲に希釈される。希釈組成物中のアルカリ性成分は、組成物の0.1重量%から約14重量%、好ましくは約1重量%から約10重量%の範囲である。残渣およびスカム生成を削減または防止する化合物はフォトレジストの現像に利用される場合は、現像溶液の約0.01重量%から約14重量%の範囲である。好ましくは、残渣またはスカム生成を削減または防止する化合物は、現像溶液の約0.5重量%から約10重量%、さらに好ましくは約1重量%から約5重量%の範囲である
【0057】
例示のためにプリント基板を形成する方法を使用して、フォトイメージアブル組成物は導電性物質のパターンが上に配置された基体に適用される。基体は銅積層体基体でも、他の金属基体でもよい。他の適切な基体は、ビア(スルーホール)およびはんだを含むインターコネクションを備えたプリント基板製造用の多層板を貼り合せることによって作成されるものも含む。
【0058】
フォトレジストは従来技術を用いて、銅積層基体にコーティングされる。コーティングは沈積されて、少なくとも厚さ約0.50ミルのドライフィルムを生成する。コーティングの後、形成されたウェットフィルムを適切な温度で乾燥させて溶媒を除去する。
【0059】
画像をフォトレジストコーティングに転写する工程は、露光エリアにおいて光反応を開始させるために、パターン化活性化照射源でコーティングを露光することを含む。適切な活性化照射源は、化学線、X線などを含む。露光の後、層を低温ベークにかけ、光発生触媒の遊離により、バインダの露光部分の架橋を開始させる。ベーク条件は、硬化反応を開始できる温度まで加熱することを含むが、熱架橋が未露光エリアで起こる温度以下である必要がある。
【0060】
フォトレジストがネガ型である場合、活性化照射で露光されないエリアは、水酸化ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、エチレンジアミンなどのアルカリ性水溶液によって容易に溶解される。ポジ型フォトレジストはネガ型フォトレジストと反対に作用する。本発明の濃縮物は、フォトレジストを現像するために適用される前に、溶媒によって希釈される。濃縮物は、現像溶液中のアルカリ性成分が約0.1重量%から約14重量%になるよう希釈される。現像溶液は現像中にpHが、約8.0から約14.0、好ましくは約10.0から約12.0の範囲で変化する。現像溶液は当業界で既知の適切などの方法によっても、フォトレジストに適用される。代表的な現像時間は約30から約60秒である。画像の現像の後、フォトレジストの残りは部分硬化を特徴とし、バインダ組成物の大半は架橋される。完全な熱および電気ソルダマスク特性を実現するためには、第二の硬化が望ましいことがある。本発明の現像剤が使用され得る方法の他の例は、米国特許第5,312,715号、米国特許第5,397,685号、米国特許第5,334,488号、米国特許第5,017,742号、米国特許第第5,007,990号、および米国特許第4,544,619号に開示された方法を含み、その開示は、参照することによってその全体が本明細書に組み入れられている。
【0061】
本発明の組成物は残渣およびスカム生成を削減および防止するが、器具を毎週、隔週、または毎月の定期スケジュールで洗浄することも、残渣およびスカム生成をさらに削減するのに役立つことがある。当業界で既知の洗浄剤は、フォトリソグラフィック器具の洗浄に利用できる。本発明の範囲内の洗浄は、残渣およびスカム生成の削減または防止ではなく、蓄積残渣およびスカムの除去または再乳化を意味する。
【0062】
本発明の残渣およびスカム削減濃縮物および現像剤は好都合に、フォトリソグラフィック組成物によって基体上または溶液中に沈積される残渣およびスカムの生成を削減または防止する手段を提供する。加えて、現像剤組成物は生成する残渣またはスカムを容易に再乳化できるようにすることができる。残渣およびスカムはより容易に再乳化されるため、プリント配線板または現像機などの基体上に生成するすべての残渣およびスカムを洗浄することは容易になる。本発明は、装置の洗浄にかかる時間がさらに短く、生成する廃物がさらに少なく、それゆえさらに環境に優しい洗浄組成物および方法を提供するので、さらに有効な製造工程を提供する。さらに濃縮物を含む希釈組成物は貯蔵安定性であるため、希釈組成物および濃縮物への第二の添加は不要である。したがって、本発明の組成物および方法は、プリント配線板製造の改良である。
【0063】
本発明はフォトリソグラフィック組成物によって沈積される有機残渣およびスカムの削減および防止との関連で説明されているが、本発明の組成物は、一般にすべての基体上または溶液中の有機残渣および有機スカムの生成を削減および防止するのに使用できる。
【0064】
以下の例は本発明をさらに例示するためのものであり、本発明の範囲を制限するものではない。
【実施例】
【0065】
(実施例1)
(炭酸ナトリウム濃縮物中の乳化剤の相溶性)
【0066】
約30重量%の炭酸ナトリウム、および約6重量%のエチレンジアミンテトラ酢酸塩(EDTA)、キレート化剤を含む水性現像剤濃縮物を、約61重量%で、約22重量%のさらなる水と約17重量%の選択された乳化剤と混合して、濃縮現像剤溶液中での乳化剤の相溶性をスクリーニングした。利用した乳化剤を以下の表に示す。パーセンテージは別途明示しない限り重量/重量である。
【表1】
【0067】
非相溶は、乳化剤が溶液中に入らずに、溶液から沈積したことを意味する。相溶は、乳化剤が溶液から沈積する徴候がなかったことを意味する。相溶性試験は、ジフェニルエーテルスルホン酸塩、グルコースエーテルおよびグルコピラノシドが炭酸ナトリウム濃縮物と相溶性であることを示した。しかし幾分のゲル化が、Glucopon(登録商標)625乳化剤において認められ、Glucopon(登録商標)625の1以上の成分とアルカリ炭酸塩イオンとの幾分かの会合を示した。
【0068】
乳化剤の有用性を比較するために、未硬化のShipley ProEtch(登録商標)1430ドライフィルムフォトレジスト約23ミル平方フィート/ガロンを含む約1%(wt/wt)の炭酸ナトリウム水溶液約200mlを、改良ガス洗浄瓶に入れた。以下の表に示す8000ppm(パーツパーミリオン)の乳化剤およびある量の消泡剤を溶液に加えた。溶液は約1000cc/分にて乾燥空気を約5時間通気し、一晩放置した。次に溶液を3ミクロンのフィルタで濾過し、保持されているスラッジを乾燥させ、秤量した。対照は乳化剤を含んでいなかった。
【表2】
【0069】
すべての乳化剤溶液が、スラッジまたは残渣生成の減少を示した。スルホン酸ジフェニルエーテルおよびグルコースエーテルおよびグルコピラノシドを含む溶液から回収された大半の残渣は、ナフテン酸石油炭化水素および乳化剤の非相溶による、溶液成分の沈積によるものと考えられた。結果は、現像剤溶液を一切含まない対照とは著しく異なり、その現像剤濃度まで希釈された本発明の濃縮物が残渣またはスラッジ生成を低下させることを示した。
【0070】
Soprophor(登録商標)およびブロックアルコキシコポリマーがDOWFAX(登録商標)およびGlucopon(登録商標)組成物よりも大幅なスラッジ削減を示したのに対して、上の実施例1に示すようにSoprophor(登録商標)は、炭酸ナトリウム濃縮物と相溶しなかった。
* 通気中にサンプルの一部が損失した
Soprophor(登録商標)混合物#1(BSU@50%、TWEEN(登録商標)80@17%、Tetronic90R4@33%)
Soprophor(登録商標)混合物#2(BSU@33%、TWEEN(登録商標)80@17%、Tetronic90R4@50%)
Soprophor(登録商標)混合物#3(BSU@33%、TWEEN(登録商標)80@33%、Tetronic90R4@33%)
【0071】
(実施例2)
(作用濃度における現像溶液の安定性)
炭酸ナトリウム濃縮物は、約1.0%(重量/重量)炭酸溶液を得るために、水約44体積に対して濃縮物約1体積で利用されることが多い。同一の容量比を維持し、乳化剤レベルの勾配を確認するために、約1.0%炭酸ナトリウムおよび約4000ppm、約6000ppm、約8000ppmまたは約10,000ppmの乳化剤を含む希釈溶液を得るために、比重に基づいて4種類の調合物を計算した。
【表3】
【0072】
次に、4つの濃度レベルにおける相溶性について複数の乳化剤をスクリーニングした。混合物を1週間放置した後に観察を行った。
【表4】
【0073】
濃度10,000ppmのDOWFAX(登録商標)C10Lを除いて、すべての希釈現像液組成物が、現像剤作用濃度における長期安定性を示した。不透明な溶液とわずかな相分離は、乳化剤と現像溶液との多少の非相溶性を示した。それゆえジフェニルエーテルスルホン酸塩は、グルコピラノシドとグルコースエーテルとの混合物と同様に、作用濃度における炭酸ナトリウム現像溶液中で安定であった。
【0001】
本発明は、残渣ならびにスカムの生成を削減または防止するための濃縮物に関する。さらに詳細には、本発明は、アルカリ成分および残基ならびにスカムの生成を削減または防止するための成分を含む安定濃縮物に関する。
【背景技術】
【0002】
フォトリソグラフィック組成物からの蓄積有機残渣およびスカムなどの汚染物質は、エレクトロニクス業界に困難な洗浄問題を呈している。フォトレジストなどからのフォトリソグラフィック残渣およびスカムは、各種の製品および装置に蓄積することがある。フォトレジスト材料は、半導体デバイス、および集積回路などの電子部品、集積回路製造用のフォトマスク、プリント配線板および平版印刷プレートの製造に利用される。フォトリソグラフィック加工において、基体表面は、フォトレジストでコーティングされ、化学線照射に感受性を持つ層を与え、これは化学線照射によってパターン状に照射される。照射されたフォトレジストを次に現像溶液によって現像して、基体表面をエッチング、めっきまたはドーパントの拡散から選択的に防止する役割を果たすパターン化フォトレジスト層を形成する。
【0003】
フォトレジストはポジ型でも、ネガ型でもよい。そのようなフォトレジストは液体、またはドライフィルムでもよい。ポジ型フォトレジスト組成物は、組成物が不溶のまま残っている紫外線光で露光されないエリア上に、パターン化フォトレジスト層が形成されるように、現像溶液中の組成物の溶解度が光への露光によって上昇するような光感受性を持つ。ネガ型フォトレジスト組成物は、ポジ型フォトレジストと反対の感受性および溶解性挙動を示す。
【0004】
半導体デバイスの集積密度の上昇傾向に適合するように1ミクロンまたはさらに細いライン幅のさらに細かい高品位パターン化への要求を伴う、半導体デバイス技術における最近の進歩に加えて、ポジ型フォトレジストを用いたパターン化のフォトリソグラフィック工程も、困難な問題に直面している。細かいパターンにおいてきわめて細かなコンタクトホールのパターン化が要求される場合、基体表面の水性現像溶液による濡れ性を上昇させる目的で、アルカリ性現像溶液を界面活性剤と混合する。現像溶液への界面活性剤の添加における1つの問題は、フォトレジスト層ができるだけ完全かつ清浄に溶け流されねばならない露光エリアに、フィルム残渣およびスカムが場合により生じることである。フィルム残渣およびスカムは、表面を酸素プラズマまたはスパッタリングで穏やかに処理することによって除去できるが、そのような処理はよく制御された面倒な条件下で実施する必要があり、スカムの滑らかな除去という点で効果的でなく、または直径約1ミクロン以下のコンタクトホールを持つ細かくパターン化されたエリアにおいて均質な処理効果を与えないため、問題の完全な解決はそのような方法によって得ることができない。さらに、この処理は高コストである。
【0005】
Tanakaらに対する米国特許第4,820,621号(特許文献1)は、ポリオキシエチレンアルキル置換フェニルエーテルである非イオン性界面活性剤の添加により現像溶液を改良することによって、残渣およびスカム形成も問題に対処している。エーテルは、50から5000ppm(パーツパーミリオン)の量で現像溶液に含まれる。現像溶液は、アルカリ可溶性ノボラック樹脂およびナフトキノンジアジド化合物より成るポジ型フォトレジスト組成物を用いたパターン化で利用される。米国特許第4,820,621号(特許文献1)は、ポリオキシエチレンアルキル置換フェニルエーテルを含む現像剤を用いたポジティブフォトレジストのパターン化は、現像後の残渣およびスカムの生成を防止すると断言している。
【0006】
同様の残渣およびスカム生成は、ネガ型フォトレジストを利用した場合にも起こる。たとえばプリント基板の製造時には、UV硬化性ネガ型フォトレジストを使用できる。フォトレジストの露光部分はアルカリ性現像溶液に不溶となり、エッチングおよびめっき溶液などの他の処理化学薬品に対して保護バリアを形成する。フォトレジストの非露光部分は、1%炭酸ナトリウム1水和物水溶液などのアルカリ溶液によってプリント基板からすすいで遊離される。フォトレジスト中のポリマーが酸官能基を持つために現像が起こる。ポリマー内のそのような酸官能基は、アルカリ溶液中で中和され、水溶性有機塩を生成する。溶解したフォトレジストが溶液中に蓄積すると(現像剤ローディング)、非硬化フォトレジストなどの不溶性有機物質が、現像タンク内で生成され始めて、最終的には非水溶性残渣またはスカムを生成する。添加された消泡剤の存在(従来、発泡を最小限に抑えるために現像溶液に添加)は、残渣およびスカムが生成する傾向を大幅に上昇させる。スカムのレベルが上昇するにつれ、これらに非水溶性残渣が現像された回路基板に不注意により再沈積する可能性が上昇する。そのような再沈積により、そのような再沈積残渣は、エッチング溶液の遅延を引き起こす(エッチング化学物質は、有機残渣に浸透するのが困難となる)。エッチングが遅延する場合、短絡によって欠陥回路基板が作成される。欠陥回路基板の可能性が上昇するのに加えて、残渣も装置の洗浄を困難にするため、保守時間が延長される。そのような残渣およびスカムは、現像装置表面に付着して、ノズルを目詰まりさせて、プリント配線板の表面に再沈積して基板に欠陥を引き起こすことがある。
【0007】
一次フォトレジストによる蓄積残渣およびスカムの生成問題に加えて、二次フォトレジストによる残渣およびスカムの蓄積問題もある。そのような二次フォトレジストは、ソルダマスクで利用できる。残渣およびスカムは、ソルダマスクにおける成分分離の結果として基体上に沈積する。そのような成分分離は、不適切なバランスのソルダマスク現像溶液、すなわち不適切な現像条件および/またはソルダマスク現像溶液化学物質がソルダマスクに接触した場合に悪化し得る。二次フォトレジストによる蓄積残渣およびスカムは、現像装置などの基体上の明緑色コーティングとしてしばしば現れる。
【0008】
残渣およびスカムを除去、すなわち洗浄するために使用される洗浄剤は、組成が異なる場合がある。洗浄剤は、活性成分として水酸化ナトリウムなどの強塩基と、四酢酸エチレンジアミン(EDTA)などのキレート化剤を含む。界面活性剤、溶媒および乳化剤も洗浄剤に含まれ得る。洗浄剤は、約45℃から約55℃の温度範囲で利用される。しかし、洗浄剤を使用する分野の作業者は、残渣問題がさらに悪化することが多いことを発見した。フォトレジストからおよび、洗浄剤からの残渣を除去するために、装置を手動で洗浄しなければならないことが多い。そのような手動洗浄は、労力と時間の両方がかかる作業であり、生産時間の大幅な損失を生じさせることがある。さらに、上述したように、そのような洗浄剤は、多くの疎水性芳香族物質を有する新世代のフォトレジストから残渣を除去するには効果が不十分である。そのような疎水性物質は再乳化、すなわち洗浄剤による洗浄が特に困難である。したがって残渣およびスカム生成を削減または防止する組成物が非常に望ましい。
【0009】
Barrらへの米国特許第5,922,522号(特許文献2)、Lundyらへの米国特許第6,063,550号(特許文献3)、およびLundyらへの米国特許第6,248,506B1号(特許文献4)は、回路基板および回路基板製造装置上での残渣およびスカム生成を削減または防止する現像溶液に含まれる界面活性剤および界面活性剤混合物を開示している。そのような界面活性剤は、疎水性基、アルコキシル化親水性基および非イオン性またはアニオン性キャッピング基で構成される。適切な疎水性基の例は、ノニルフェノール、オクチルフェノールおよびトリスチリルフェノールを含む。適切なアルコキシル化親水性基の例は、エチレンオキシド、プロピレンオキシドおよびエチレンオキシド/プロピレンオキシド基を含む。適切なキャッピング基の例は、ヒドロキシル基、カルボキシル基、スルホニル基、ホスホニル基またはその混合物を含む。そのような残渣およびスカム削減化合物は、現像溶液中に約0.05重量%から約1.0重量%の量で含まれる。
【0010】
現像溶液は炭酸ナトリウム溶液などの、水性アルカリ溶液でもよい。水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエタノールアミン、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウムおよび重炭酸カリウムなどの他の塩基も、現像溶液のアルカリ度を与えるために利用される。そのような現像溶液は使用する前に、その濃縮形から希釈される。希釈比は変化し得る。通常、炭酸ナトリウムは1重量%溶液として利用される。現像溶液のアルカリ度は、カルボン酸官能基などの、フォトレジストのバインダポリマーの酸官能基とともに塩を生成し、バインダを水性アルカリ溶液に混和させる。フォトレジストは基体に層として適用され、パターン化化学線照射で露光され、フォトレジストがネガ型フォトレジストである場合は、フォトレジスト層の露光されない非重合部分を洗い流す水性アルカリ溶液で現像される。フォトレジストがポジ型である場合は、フォトレジストの露光部分が洗い流される。
【0011】
【特許文献1】
米国特許第4,820,621号明細書
【特許文献2】
米国特許第5,922,522号明細書
【特許文献3】
米国特許第6,063,550号明細書
【特許文献4】
米国特許第6,248,506B1号明細書
【考案の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
米国特許第5,922,522号(特許文献2)、米国特許第6,063,550号(特許文献3)、および米国特許第6,248,506B1号(特許文献4)で開示された現像溶液は、回路基板および電子部品製造に使用される装置などの、フォトレジストを含む基体上の残渣およびスカムの蓄積量を削減する有効な手段となるが、作業者はフォトレジストを現像するためのさらに濃縮した形からそれらを調製する場合は、現像溶液に二次添加を行う必要がある。そのような沈積物は、残渣およびスカム生成の削減または防止に無効であり、残渣生成の原因となり得る。沈積物の再溶解は困難であり、それゆえ沈積物は溶液から濾過される。沈積物質の二次添加は残渣削減化合物の損失を補償するために行われ、それゆえ現像液調製のコストが上昇する。そのような問題は、組成物の2つ以上の成分間の不適合によるものである。したがって、貯蔵中に安定なままの現像剤濃縮物に対する需要がある。
【0013】
従来のスピン現像機、または現像溶液が基体表面にスプレーされるスプレー現像機などの現像装置における残渣およびスカムの蓄積を防止する努力にもかかわらず、そのような器具の反復使用は必然的に残渣およびスカムの蓄積を引き起こす。ある時点において、洗浄のために装置をシャットダウンする程度まで残渣およびスカムが蓄積するため、生成物のアウトプットが減少する。そのような残渣およびスカムは、光開始剤、染料などの疎水性芳香族物質、(メタ)アクリルモノマー、フォトレジストおよび消泡剤および界面活性剤を構成する他の有機物質を含む。そのような残渣およびスカムは、現像機洗浄剤で再乳化または洗浄するのが困難な場合が多い。
したがって、残渣およびスカム生成を削減または防止し且つ、貯蔵安定性濃縮物であり、洗浄剤をさらに有効にする組成物に対する需要がある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
(発明の概要)
本発明は、基体上または溶液中での残渣生成を削減または防止する化合物と組み合わせたアルカリ性成分で構成される、安定性濃縮物に関する。
【0015】
本発明の濃縮物は好都合に貯蔵中安定であるため、溶液から沈積した成分を復元するためや、成分を再溶解させるために、組成物に成分の二次添加をする必要はない。安定性濃縮物の別の利点は、ポジ型およびネガ型フォトレジストの両方による有機残渣およびスカムなどの、フォトリソグラフィック組成物によって基体上に沈積する残渣生成を削減または防止するために利用できることである。そのような基体の例は、これに限定されるわけではないが、現像溶液をフォトレジストを適用するのに使用する現像機および、プリント配線板の製造に使用する他の器具も含む。現像機の例は、これに限定されるわけではないが、フォトレジスト上に現像剤がスプレーされる、または従来のスピン現像機、スプレー現像機、浸漬現像機、あるいはバッチまたはフィード・アンド・ブリード動作器具などを含む。本発明の安定性濃縮物は、残渣およびスカムが溶液中で生成するのを削減および防止するためにも利用できる。
【0016】
フォトレジストの適用に利用されるプリント配線板などのフォトリソグラフィックデバイスの製造中に、あるいはフォトレジストと接触する装置の連続または長期使用は装置への望ましくない残渣の蓄積を引き起こす。蓄積残渣は、装置のラインまたは可動部品を閉塞または目詰まりさせ、製造休止を引き起こす。さらにプリント配線板上の残渣蓄積により、電気的短絡などの、基板の欠陥が生じる。残渣およびスカムは多くの洗浄剤によって再乳化、すなわち洗浄することが困難な化学物質を含むため、洗浄は必ずしも有効ではない。洗浄剤もさらに、装置や製造品を汚染することがある。本発明の組成物は蓄積残渣およびスカムを基体から、または溶液中で形成された残渣およびスカムを洗浄する際の問題を消滅または少なくとも低減する。
【0017】
残渣およびスカム生成を削減するための貯蔵安定性濃縮物であることに加えて、本発明の組成物は、フォトレジストを現像する現像剤である。したがって、本発明は現像剤およびフォトレジストの現像方法にも関する。
【0018】
本発明の第一の目的は、貯蔵安定性濃縮物を提供することである。
【0019】
本発明の別の目的は、フォトリソグラフィック組成物から生じる残渣およびスカムの生成を削減または防止するために利用できる安定性濃縮物を提供することである。
【0020】
本発明のさらなる目的は、ポジ型およびネガ型フォトレジストによって生じる残渣およびスカムの生成を削減または防止するために利用できる安定性濃縮物を提供することである。
【0021】
本発明の別の目的は、改良された現像溶液を提供することである。
【0022】
さらなる、本発明の別の目的は、フォトレジストを現像する改良された方法を提供することである。
【0023】
他の利点は、当業者が発明の以下の説明および添付請求項を読むことによって確認できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
(発明の詳細な説明)
本発明の安定性組成物は、基体上または溶液中での残渣およびスカム生成を削減または防止する化合物と組み合わせたアルカリ性成分で構成される濃縮物である。フォトレジストを現像するアルカリ性成分は組成物中で濃縮レベルにあり、残渣およびスカム生成を削減または防止する化合物は、阻害機能を果たすために十分な量が使用される。本発明の濃縮物は好都合に、現像溶液がポジ型およびネガ型フォトレジストの両方を現像するのに適しており、同時にフォトリソグラフィック組成物からの残渣およびスカム生成を削減する。本発明の範囲内のフォトリソグラフィック組成物は、プリント配線板の製造などのフォトリソグラフィック工程で利用される化学組成物を含む。そのようなフォトリソグラフィック組成物はこれに限定されるわけではないが、フォトレジスト、フォトリソグラフィック器具の洗浄組成物および現像溶液などを含む。フォトレジストは残渣およびスカム蓄積の源であるが、現像溶液および洗浄溶液などの他の溶液で利用される多くの界面活性剤および消泡剤も残渣およびスカムの蓄積を増加させる。
【0025】
本発明の濃縮物は貯蔵安定性である。本発明の範囲内の貯蔵安定性濃縮物は、濃縮物または溶液が二次添加を必要としないことを意味する。不安定性濃縮物は、貯蔵中に溶液から成分が分離または沈積する問題があるため、成分を溶液から再溶解または濾過する必要があり、組成物がその所望の機能を果たすために、新たな成分を十分な量で添加する必要がある。
【0026】
炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、メタケイ酸ナトリウム、NaOH、KOH、トリエタノールアミン、炭酸カリウムなどの塩基は、フォトレジストを現像するのに必要なアルカリ度を供給するためにアルカリ性成分として使用できる。アルカリ性成分は、濃縮物としての生成物の約15重量%から約80重量%を構成する。さらに詳細には、アルカリ性成分は、濃縮物としての生成物の約30重量%から約50重量%を構成する。濃縮物の適切な希釈後、溶液はフォトレジストを現像するために使用される。現像溶液のアルカリ度は、バインダポリマーの酸官能基、通常はカルボン酸官能基と塩を形成し、バインダポリマーをアルカリ性水溶液に混和させる。それゆえフォトレジストは基体に層として適用され、パターン化化学線照射で露光されて、フォトレジスト層の部分を洗い流すアルカリ性溶液中で現像される。
【0027】
残渣およびスカム生成を削減および防止する成分は、基体上または溶液中でのスカム生成を削減または防止し、濃縮物、特にアルカリ性濃縮物で安定である、どの適切な化学化合物または化学化合物の組合せでもよい。そのような化合物の例は、これに限定されるわけではないが、芳香族スルホン酸およびスルホン酸塩などのその塩などの、化合物を含む芳香族硫黄含有化合物、および糖ならびに糖誘導体を含む。本発明の範囲内の芳香族硫黄化合物の例は式:
【化学式1】
(式中、nは0から20の整数、好ましくはnは1から10の整数、さらに好ましくはnは1から3の整数、最も好ましくは、nは1である。Aは未置換または置換のフェニル、あるいは未置換または置換のナフチルである。置換基はこれに限定されるわけではないが、アミン、ハロゲン、ヒドロキシルまたはアルキルを含む。Yは水素、ハロゲン、脂肪族、芳香族、環式脂肪族、ヒドロキシルであり、好ましくは水素または脂肪族であり、最も好ましくは水素である。下付き文字uおよびvは0から4である。uまたはvが0の場合、水素がMXの代わりとなる。ZはZ酸素、窒素、硫黄、スルホニル、スルホンネート、−CO−、−(CH2)m−であり、式中、mは1から5の整数であり、好ましくは、mは1に等しく、あるいはZは直接結合である。Mは−COO−、−SO3 −、−SO4 2−、PO4 3−、−PO4(R´)2であり、式中、R´は炭化水素、好ましくは(C1−C5)アルキルである)を持つ。式1の化合物はその構造内に、少なくとも1個の硫黄原子を持つ。XはH+などの対カチオン、または他の適切なカチオンである。他の適切なカチオンの例は、これに限定されるわけではないが、リチウム、ナトリウムおよびカリウムなどのアルカリ金属カチオン、マグネシウムおよびカルシウムなどのアルカリ土類金属、クロム、鉄、マンガン、コバルト、ニッケル、バナジウム、チタン、ルテニウム、プラチナなどの遷移金属カチオン、亜鉛、アンモニウム(NH4 +)、プロトン化エチレンジアミンなどの他のプロトン化アミン、コリンなどを含む。
【0028】
好ましい芳香族硫黄化合物は、式:
【化学式2】
(式中、Z、MおよびXは、式に少なくとも1個の硫黄原子があるという条件で上のように定義され、uおよびvは0から1の整数であり、R1およびR2は独立に、水素、未置換または置換脂肪族、未置換または置換環式脂肪族、未置換または置換芳香族、ハロゲンまたはヒドロキシルである。置換基はこれに限定されるわけではないが、ハロゲンおよびヒドロキシルを含む。上の式1のYは水素およびn=1である。
【0029】
適切な脂肪族基の例はこれに限定されるわけではないが、1から25、好ましくは5から12個の炭素原子の直鎖または分岐アルキル基を含む。脂肪族基の例はメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ペンタデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、ドデシルなどである。適切な環式脂肪族の例はこれに限定されるわけではないが、5から10個の炭素原子、好ましくは5から6個の炭素原子を持つ環式脂肪族基を含む。疎水性芳香族基の例はこれに限定されるわけではないが、5から14の炭素原子、好ましくは5から6個の炭素原子を持つ芳香族基を含む。
【0030】
対イオンXはこれに限定されるわけではないが、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウムまたはアミンを含む。アンモニウムイオンラジカルは、式(R¨)3NH+(式中、各R¨は独立に、水素、C1−C4アルキルまたはC1−C4ヒドロキシアルキルラジカルである)である。C1−C4アルキルおよびヒドロキシラジカルの例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ヒドロキシメチルおよびヒドロキシエチルを含む。代表的なアンモニウムイオンラジカルは、アンモニウム(N+H4)、メチルアンモニウム(CH3N+H3)、エチルアンモニウム(C2H5N+H3)、ジメチルアンモニウム((CH3)2NH2 +)、メチルエチルアンモニウム(CH3N+H2C2H5)、トリメチルアンモニウム((CH3)3N+H2)、ジメチルブチルアンモニウム((CH3)2N+HC4H9)、ヒドロキシエチルアンモニウム(HOCH2CH2N+H3)およびメチルヒドロキシエチルアンモニウム(CH3N+H2CH2CH2OH)を含む。好ましくは、Xは水素、ナトリウム、カルシウム、カリウムまたはアンモニウムである。
【0031】
好ましくは、Mは−SO3 −、およびR1およびR2は同じかまたは異なり、R1またはR2の一方が水素であり、もう一方が脂肪族または芳香族基であるという条件で、水素または1から20の炭素の脂肪族基、または5から6の疎水性芳香族基である。
【0032】
上の式2の化合物は、当業界で既知の適切な方法によって調製され得るジフェニルオキシドを含む。アルキル化ジフェニルオキシドは、三酸化硫黄、二酸化硫黄および三酸化硫黄の混合物、クロロスルホン酸などの任意の適切なスルホン化剤を用いて、従来の手順によってスルホン化され得る。結果として生じたスルホン酸は、炭酸ナトリウムまたは水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物または炭酸塩を用いて、またはアンモニウムまたはアルカリ金属塩あるいはアリールスルホン酸の調製で従来利用されてきた、他の任意の適切な塩基の使用により、中和できる。ジフェニルオキシドの調製方法は、その開示全体が参照により本明細書に組み入れられている、米国特許第3,248,335号および米国特許第4,687,593号に開示されている。開示の両方の特許は、本発明の任意のジフェニルオキシドを作成するための十分な情報を当業者に提供する。
【0033】
本発明の範囲内のジフェニルオキシドは、市販品として入手してもよい。市販の、アルキル化ジフェニルオキシドスルホン酸塩界面活性剤を含む溶液は、DOWFAX(登録商標)C10L、DOWFAX(登録商標)8390およびDOWFAX(登録商標)8390Aである("DOWFAX(登録商標)は、ダウケミカル社の、これらのアニオン性界面活性剤のブランドの、登録商標である)。アルキル基R1およびR2は主に、8390および8390A組成物においてヘキサデシル(C16)基である。DOWFAX(登録商標)8390Aは、Xが水素である、約25%の界面活性剤の酸の形を含む。DOWFAX(登録商標)8390は、Xがナトリウムである、約35%の界面活性剤のナトリウム塩を含む。DOWFAX(登録商標)8390A溶液は、水酸化アンモニウムによって全部または一部が中和されている。
【0034】
上述のジフェニル硫黄化合物に加えて、他の適切な芳香族硫黄化合物は、以下の式:
【化学式3】
(式中、Xは上で定義したとおりであり、nは0であり、Yは上の式1の水素であり、R3は5から20の炭素の、飽和または不飽和脂肪族炭化水素基である。好ましくは、R3は10から12の炭素である)を持つ直鎖アルキルベンゼンスルホン酸およびその塩を含み得る。
【0035】
本発明の範囲内の別の適切なアリールスルホン酸またはその塩は、式:
【化学式4】
(式中、Xは上で定義したとおりであり、Yは水素であり、nは上の式1で0であり、R4は、8から18の炭素原子、好ましくは10から16の炭素原子を持つ飽和または不飽和脂肪族炭化水素である)を持つアルキルナフタレンスルホン酸塩である。
【0036】
残渣およびスカムの生成を削減または防止し、アルカリ性濃縮物中で安定であるどの適切な糖または糖誘導体も、本発明を実施するために利用できる。そのような糖または糖誘導体は、グリコシド、ポリグリコシドおよびそのエーテルを含む。
【0037】
アルコキシル化グリコシドを含む各種のグリコシドおよびポリグリコシド化合物が使用できる。有用なポリグリコシドは、式:
【化学式5】
(式中、Wはグルコースより由来し、Rはアルキル基、アルキルフェニル基、ヒドロキシアルキルフェニル基およびその混合物より選択される疎水性基であり、ここでアルキル基は、8から18の炭素原子を含む直鎖または分岐でもよく、pは2または3であり、rは0から10の整数であり、xは1から8の値である)によるポリグリコシドである。
【0038】
本発明の実施での使用に適したアルキルグルコシドのさらなる基は、以下の式6で表される:
【化学式6】
(式中、R4は、6から30、好ましくは8から18の炭素原子を含む一価有機ラジカルであり、R3は、2から4の炭素原子を含む二価炭化水素ラジカルであり、Oは酸素原子であり、yは0から1の整数であり、Gは5から6の炭素原子を含む還元糖類に由来する部分であり、xは1から5の整数であり、WはO2M1、
【化学式7】
O(CH2)、CO2M1、OSO3M1、またはO(CH2)SO3M1であり、R6は(CH2)CO2M1またはCH=CHCO2M1であり、(Wが、主要なヒドロキシル基を持つ炭素原子、−CH2OHが酸化されて
【化学式8】
基を形成する、主要なヒドロキシル基の代わりになる場合のみに、ZはO2M1になり得る)、bは0から3k+1、好ましくはグルコサル基あたりの平均で0.5から2であり、kは1から10であり、M1はH+あるいは有機または無機対イオン、好ましくはたとえば、アルカリ金属カチオン、アンモニウムカチオン、モノエタノールアミンカチオン、またはカルシウムカチオンなどのカチオンである。)
【0039】
上述したそのようなアルキルグリコシドの例は、これに限定されるわけではないが、50%C9−C11アルキルポリグリコシドであるとして説明され、一般にD−グルコピラノシドとも呼ばれる、APGTM325CSGlycoside(登録商標)(ペンシルバニア州アンブラーのヘンケル社より市販)、および50%C10−C16アルキルポリグリコシドであるとして説明され、一般にD−グルコピラノシドとも呼ばれる、GlucoponTM625CS(ペンシルバニア州アンブラーのヘンケル社より市販)を含む。
【0040】
本発明の実施での使用に適したアルキルグルコシドの例は、式:
【化学式9】
(式中、R5はアルキル基、好ましくはC8−C16アルキル基などの直鎖アルキル鎖であり、qは0から3を含めた整数である)によって表されるアルキルグルコシドを含む。
【0041】
構造式9によるそのようなアルキルポリグリコシド化合物の例は:R5がC8およびC10アルキル鎖で構成され、分子あたり約9.1のアルキル炭素の平均値を生じる場合(Glucopon(登録商標)220UP、Glucopon(登録商標)225DK);R5がC8、C10、C12、C14およびC16アルキル鎖で構成され、分子あたり約10.3のアルキル炭素の平均値を生じる場合(Glucopon(登録商標)425);R5がC12、C14およびC16アルキル鎖で構成され、分子あたり約12.8のアルキル炭素の平均値を生じる場合(Glucopon(登録商標)600UP、Glucopon(登録商標)625CSUP、およびGlucopon(登録商標)625FE、これらすべてはペンシルバニア州アンブラーのヘンケル社より入手可能)を含む。アルキルポリグリコシド化合物として有用なのは、Triton(登録商標)CG−110(ユニオンカーバイド社)である。別の有用なアルキルグリコシドは、C9−C11アルキルポリグリコシドであるとして説明され、一般にD−グルコピラノシドとも呼ばれる、GLUCOPON(登録商標)325Nである(ペンシルバニア州アンブラーのヘンケル社より)。
【0042】
市販されている他の適切なアルキルポリグリコシドは、これに限定されるわけではないが、ペンシルバニア州アンブラー、19002のヘンケル社による、GLUCOPON(登録商標)またはPLANTAREN(登録商標)を含む。そのようなアルキルポリグリコシドの例は、これに限定されるわけではないが:
1.GLUCOPON(登録商標)225界面活性剤――アルキル基が8から10の炭素原子を含み、1.7の平均重合度を持つ、アルキルポリグリコシド。
2.GLUCOPON(登録商標)425界面活性剤――アルキル基が8から16の炭素原子を含み、1.6の平均重合度を持つ、アルキルポリグリコシド。
3.GLUCOPON(登録商標)625界面活性剤――アルキル基が12から16の炭素原子を含み、1.6の平均重合度を持つ、アルキルポリグリコシド。
4.APG(登録商標)325界面活性剤――アルキル基が9から11の炭素原子を含み、1.6の平均重合度を持つ、アルキルポリグリコシド。
5.GLUCOPON(登録商標)600界面活性剤――アルキル基が12から16の炭素原子を含み、1.4の平均重合度を持つ、アルキルポリグリコシド。
6.PLANTAREN(登録商標)2000界面活性剤――アルキル基が8から16の炭素原子を含み、1.4の平均重合度を持つ、C8−16アルキルポリグリコシド。
7.PLANTAREN(登録商標)1300界面活性剤――アルキル基が12から16の炭素原子を含み、1.6の平均重合度を持つ、C12−16アルキルポリグリコシドを含む。
【0043】
残渣およびスカム生成を削減または防止する化合物は、本発明の安定な組成物内に、濃縮物としての組成物の、約15重量%から約60重量%、好ましくは濃縮物の約20重量%から約40重量%の量で含まれる。
【0044】
上述の化合物に加えて安定濃縮物は場合により、添加により組成物が不安定にならない条件で、補助界面活性剤、消泡剤、キレート化剤、および溶媒を含んでもよい。適切な溶媒は、水、または組成物の成分が溶液に可溶性のままである任意の有機溶媒を含む。溶媒は、濃縮物を100重量%にするように添加できる。本発明の濃縮物は本質的に、アルカリ性成分、芳香族硫黄化合物、糖またはその誘導体、消泡剤および溶媒で構成される。好ましくは本発明の安定な濃縮物は、アルカリ性成分、芳香族スルホン酸またはその塩、糖および糖誘導体および溶媒で構成される。本発明の範囲内の濃縮物は、当業者がフォトレジストを現像するために利用する組成物よりも、その成分が高い濃度である溶液を指す。
【0045】
驚くべきことに本発明の安定組成物は、ポジ型(液体とドライフィルムの両方)およびネガ型フォトレジスト(液体とドライフィルムの両方)の両者からの有機残渣および有機スカムを削減または防止する。基体上または溶液中のそのような有機残渣および有機スカムは、フォトレジスト、特に疎水性芳香族特性の多くの化合物を含む新世代のフォトレジストで使用される化学物質のタイプのため、多くの洗浄剤および界面活性剤によって除去しにくい。
【0046】
加えて、本発明の組成物も二次フォトレジストによって沈積された残渣およびスカムの生成を削減または防止する。そのようなフォトレジストは、ソルダマスクで利用できる。残渣およびスカムは、ソルダマスク中の成分分離の結果として基体上に沈積される。そのような成分分離は、不適切なバランスのソルダマスク現像溶液、すなわち不適切な現像条件および/またはソルダマスク現像溶液化学作用がソルダマスクに接触する場合に、悪化することがある。残渣およびスカムは、プリント配線板およびソルダマスク現像機などの基体上に蓄積する。蓄積残渣およびスカムは、現像機表面上で明緑色コーティングとして見えることがある。明緑色コーティングは、フォトレジストからの顔料が濃縮する、二次フォトレジストからの水不溶性物質の油性層より生じる。一般に、二次フォトレジスト調合物中の疎水性芳香族化合物のレベルは、一次フォトレジスト調合物よりも高い。それゆえ二次フォトレジストによって沈積した残渣およびスカムを削減または防止することは、本発明の組成物のさらなる改良である。
【0047】
フォトレジストからの残渣およびスカムは、これに限定されるわけではないが、光開始剤、熱開始剤、染料などの疎水性芳香族物質、アクリルおよびメタクリルモノマーなどの化学物質を含む。光酸発生剤、光塩基発生剤またはフリーラジカル発生剤などの光開始剤は基体にいったん残渣およびスカムとして蓄積すると、残渣およびスカムを構成する他の成分の多くよりも、除去するのがさらに困難である。そのような物質はフォトリソグラフィック製造器具などの基体にいったん蓄積すると、容易に再乳化しない。そのような物質は通常、疎水性芳香族化合物である。
【0048】
フォトレジストは、組成物が変化する。一般にフォトレジスト組成物は、約20重量%から約90重量%のバインダポリマーと、約15重量%から約50重量%のモノマーおよび短鎖オリゴマーなどのα,β−エチレン性不飽和化合物(架橋剤)と、約0.1重量%から約25重量%、好ましくは約5重量%から約15重量%の光開始剤または光開始剤化学系で構成される。液体フォトレジストは、ポリマーバインダに関してより高い濃度のモノマーまたは短鎖オリゴマーを含み得るが、これに対してドライフィルムは、より高い濃度のポリマーバインダを含み得る。そのような濃度は当業界で既知である。残渣およびスカム蓄積の原因となり得るフォトレジストで利用される他の成分は、以下で考察する。液体フォトレジスからの蓄積残渣およびスカムは、基体上に結晶物質として出現する。
【0049】
基体上の望ましくない蓄積残渣またはスカムを引き起こすフォトレジストを構成する成分の例は、これに限定されるわけではないが、重合単位として1以上のエチレン性またはアセチレン性不飽和モノマーを含むようなポリマーバインダを含む。モノマーの例は、これに限定されるわけではないが:(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸アルキル、(メタ)アクリル酸アルケニル、芳香族(メタ)アクリレート、ビニル芳香族モノマー、窒素含有化合物およびそのチオ類似体、置換エチレンモノマー、環状オレフィン、置換環状オレフィンなどを含む。好ましいモノマーは、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸アルキルおよびビニル芳香族モノマーを含む。そのようなポリマーバインダは、ホモポリマーまたはコポリマー、および好ましくはコポリマーであり得る。
【0050】
残渣またはスカム蓄積を引き起こす架橋剤は、ジ−、トリ−、テトラ−、またはより高次多官能性エチレン不飽和モノマーを含む。そのような架橋剤の例は、これに限定されるわけではないが:トリビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルピリジン、ジビニルナフタレンならびにジビニルキシレン、およびエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート("TMPTA¨)、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリビニルシクロヘキサン、アリルメタクリレート("ALMA¨)、エチレングリコールジメタクリレート("EGDMA¨)、ジエチレングリコールジメタクリレート("DEGDMA¨)、プロピレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート("TMPTMA¨)、ジビニルベンゼン("DVB¨)、グリシジルメタクリレート、2,2−ジメチルプロパン1,3ジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール200ジアクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジメタアクリレート、ポリエチレングリコール600ジメタクリレート、ポリ(ブタンジオール)ジアクリレート、ペンタエリトリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリエトキシトリアクリレート、グリセリルプロポキシトリアクリレート、ペンタエリトリトールテトラアクリレート、ペンタエリトリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリトリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、エトキシル化ジアクリレート、エトキシル化TMPTAおよびエトキシル化TMPTMAなどのエトキシル化トリアクリレート、エトキシル化テトラアクリレート、ジビニルシラン、トリビニルシラン、ジメチルジビニルシラン、ジビニルメチルシラン、メチルトリビニルシラン、ジフェニルジビニルシラン、ジビニルフェニルシラン、トリビニルフェニルシラン、ジビニルメチルフェニルシラン、テトラビニルシラン、ジメチルビニルジシロキサン、ポリ(メチルビニルシロキサン)、ポリ(ビニルヒドロシロキサン)、ポリ(フェニルビニルシロキサン)、ジ−、トリ−およびテトラ−グリコシル尿素を含む、グリコシル尿素、エポキシおよびその混合物などを含む。そのような架橋剤は、一般に市販されている。
【0051】
フォトイメージアブル(photoimageable)組成物は、1以上の光活性成分を含む。光活性成分は、光酸発生剤、光塩基発生剤またはフリーラジカル発生剤でもよい。そのような光活性成分は、残渣およびスカム生成の主要な供給源である。
【0052】
光酸発生剤の例はハロゲン化トリアジン、オニウム塩、スルホン化エステル、ハロゲン化スルホニルオキシジカルボキシイミド、ジアゾジスルホン、α−シアノオキシアミンスルホン酸塩、イミドスルホン酸塩、ケトジアゾスルホン、スルホニルジアゾエステル、1,2−ジ(アリールスルホニル)ヒドラジンなどを含む。
【0053】
フリーラジカル発生剤は、これに限定されるわけではないが、n−フェニルグリシン、ベンゾフェノン、N、N´−テトラメチル−4,4´−ジアミノベンゾフェノン[ミヒラーケトン]、N、N´−エチル−4,4´−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4´−ジメチルアミノベンゾフェノン、3,3´−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、p,p´−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、p,p´−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、アントラキノン、2−エチルアントラキノン、ナフタキノンおよびフェナントラキノンなどの芳香族ケトン;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、メチルベンゾインおよびエチルベンゾインなどのベンゾイン;ジベンジル、ベンジルジフェニルジスルフィドおよびベンジルジメチルケタールなどのベンジル誘導体;9−フェニルアクリジンおよび1,7−ビス(9−アクリジニル)ヘプタンなどのアクリジン誘導体;2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、および2−イソプロピルチオキサントンなどのチオキサントン;1,1−ジクロロアセトフェノン、p−t−ブチルジクロロアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、および2,2−ジクロロ−4−フェノキシアセトフェノンなどのアセトフェノン;2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾールダイマー、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニルイミダゾールダイマー、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾールダイマー、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾールダイマー、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾールダイマー、2,4−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニルイミダゾールダイマー、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾールダイマーおよび2−(p−メチルメルカプトフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾールダイマーなどの2,4,5−トリアリールイミダゾールダイマーなどを含む。しかしフリーラジカル発生剤ではないトリフェニルホスフィンは、触媒として光活性化学系に含まれ得る。
【0054】
フォトイメージアブル組成物に使用され、残渣およびスカムを発生する任意の添加剤は、これに限定されるわけではないが:抗光条剤、可塑剤、速度向上剤、充填剤、染料、フィルム形成剤、非重合性有機酸などを含む。適切な可塑剤は、ジベンゾエートエステルなどのエステルを含む。非重合性有機酸もフォトレジスト組成物に添加できる。そのような有機酸は、ポリマーバインダ、任意の架橋剤またはその両方と実質的に非重合性である。さまざまな有機酸をフォトレジスト組成物に適切に添加することができる。適切な有機酸は、これに限定されるわけではないが、アルカンカルボン酸およびアリールカルボン酸;アルカンスルホン酸およびアリールスルホ酸などのスルホン酸;アルキルリン酸およびアリールリン酸などのリン酸;などを含む。カルボン酸の例は、これに限定されるわけではないが、(C1−C12)アルキルカルボン酸、(C1−C12)アルキルジカルボン酸、(C1−C12)アルキルトリカルボン酸、置換(C1−C12)アルキルカルボン酸、置換(C1−C12)アルキルジカルボン酸、置換(C1−C12)アルキルトリカルボン酸、エチレンジアミン四酢酸などのアミンカルボン酸、アリールモノカルボン酸、アリールジカルボン酸およびアリールトリカルボン酸などのアリールカルボン酸、および置換アリールカルボン酸を含む。好ましい有機酸は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、グリコール酸、乳酸、酒石酸、クエン酸またはリンゴ酸、エチレンジアミン四酢酸、フタル酸、ベンゼントリカルボン酸、サルチル酸、シクロヘキサンカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸およびセバシン酸を含む。
【0055】
さまざまなフォトレジスト剥離促進剤もフォトレジストに使用されることがある。そのような剥離促進剤は、残渣およびスカム蓄積の原因となり得る。フォトレジスト剥離促進剤の例は、陰電荷を安定させることのできる基に対するα位に、1以上のトリハロメチル置換基を含む化合物である。
【0056】
本発明の安定な組成物は、フォトレジストを現像するためのどの適切な方法においても利用できる。本発明の安定な組成物は、濃縮物として調製される。使用前、特に現像溶液として使用する前に、濃縮物は適切な現像剤範囲に希釈される。希釈組成物中のアルカリ性成分は、組成物の0.1重量%から約14重量%、好ましくは約1重量%から約10重量%の範囲である。残渣およびスカム生成を削減または防止する化合物はフォトレジストの現像に利用される場合は、現像溶液の約0.01重量%から約14重量%の範囲である。好ましくは、残渣またはスカム生成を削減または防止する化合物は、現像溶液の約0.5重量%から約10重量%、さらに好ましくは約1重量%から約5重量%の範囲である
【0057】
例示のためにプリント基板を形成する方法を使用して、フォトイメージアブル組成物は導電性物質のパターンが上に配置された基体に適用される。基体は銅積層体基体でも、他の金属基体でもよい。他の適切な基体は、ビア(スルーホール)およびはんだを含むインターコネクションを備えたプリント基板製造用の多層板を貼り合せることによって作成されるものも含む。
【0058】
フォトレジストは従来技術を用いて、銅積層基体にコーティングされる。コーティングは沈積されて、少なくとも厚さ約0.50ミルのドライフィルムを生成する。コーティングの後、形成されたウェットフィルムを適切な温度で乾燥させて溶媒を除去する。
【0059】
画像をフォトレジストコーティングに転写する工程は、露光エリアにおいて光反応を開始させるために、パターン化活性化照射源でコーティングを露光することを含む。適切な活性化照射源は、化学線、X線などを含む。露光の後、層を低温ベークにかけ、光発生触媒の遊離により、バインダの露光部分の架橋を開始させる。ベーク条件は、硬化反応を開始できる温度まで加熱することを含むが、熱架橋が未露光エリアで起こる温度以下である必要がある。
【0060】
フォトレジストがネガ型である場合、活性化照射で露光されないエリアは、水酸化ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、エチレンジアミンなどのアルカリ性水溶液によって容易に溶解される。ポジ型フォトレジストはネガ型フォトレジストと反対に作用する。本発明の濃縮物は、フォトレジストを現像するために適用される前に、溶媒によって希釈される。濃縮物は、現像溶液中のアルカリ性成分が約0.1重量%から約14重量%になるよう希釈される。現像溶液は現像中にpHが、約8.0から約14.0、好ましくは約10.0から約12.0の範囲で変化する。現像溶液は当業界で既知の適切などの方法によっても、フォトレジストに適用される。代表的な現像時間は約30から約60秒である。画像の現像の後、フォトレジストの残りは部分硬化を特徴とし、バインダ組成物の大半は架橋される。完全な熱および電気ソルダマスク特性を実現するためには、第二の硬化が望ましいことがある。本発明の現像剤が使用され得る方法の他の例は、米国特許第5,312,715号、米国特許第5,397,685号、米国特許第5,334,488号、米国特許第5,017,742号、米国特許第第5,007,990号、および米国特許第4,544,619号に開示された方法を含み、その開示は、参照することによってその全体が本明細書に組み入れられている。
【0061】
本発明の組成物は残渣およびスカム生成を削減および防止するが、器具を毎週、隔週、または毎月の定期スケジュールで洗浄することも、残渣およびスカム生成をさらに削減するのに役立つことがある。当業界で既知の洗浄剤は、フォトリソグラフィック器具の洗浄に利用できる。本発明の範囲内の洗浄は、残渣およびスカム生成の削減または防止ではなく、蓄積残渣およびスカムの除去または再乳化を意味する。
【0062】
本発明の残渣およびスカム削減濃縮物および現像剤は好都合に、フォトリソグラフィック組成物によって基体上または溶液中に沈積される残渣およびスカムの生成を削減または防止する手段を提供する。加えて、現像剤組成物は生成する残渣またはスカムを容易に再乳化できるようにすることができる。残渣およびスカムはより容易に再乳化されるため、プリント配線板または現像機などの基体上に生成するすべての残渣およびスカムを洗浄することは容易になる。本発明は、装置の洗浄にかかる時間がさらに短く、生成する廃物がさらに少なく、それゆえさらに環境に優しい洗浄組成物および方法を提供するので、さらに有効な製造工程を提供する。さらに濃縮物を含む希釈組成物は貯蔵安定性であるため、希釈組成物および濃縮物への第二の添加は不要である。したがって、本発明の組成物および方法は、プリント配線板製造の改良である。
【0063】
本発明はフォトリソグラフィック組成物によって沈積される有機残渣およびスカムの削減および防止との関連で説明されているが、本発明の組成物は、一般にすべての基体上または溶液中の有機残渣および有機スカムの生成を削減および防止するのに使用できる。
【0064】
以下の例は本発明をさらに例示するためのものであり、本発明の範囲を制限するものではない。
【実施例】
【0065】
(実施例1)
(炭酸ナトリウム濃縮物中の乳化剤の相溶性)
【0066】
約30重量%の炭酸ナトリウム、および約6重量%のエチレンジアミンテトラ酢酸塩(EDTA)、キレート化剤を含む水性現像剤濃縮物を、約61重量%で、約22重量%のさらなる水と約17重量%の選択された乳化剤と混合して、濃縮現像剤溶液中での乳化剤の相溶性をスクリーニングした。利用した乳化剤を以下の表に示す。パーセンテージは別途明示しない限り重量/重量である。
【表1】
【0067】
非相溶は、乳化剤が溶液中に入らずに、溶液から沈積したことを意味する。相溶は、乳化剤が溶液から沈積する徴候がなかったことを意味する。相溶性試験は、ジフェニルエーテルスルホン酸塩、グルコースエーテルおよびグルコピラノシドが炭酸ナトリウム濃縮物と相溶性であることを示した。しかし幾分のゲル化が、Glucopon(登録商標)625乳化剤において認められ、Glucopon(登録商標)625の1以上の成分とアルカリ炭酸塩イオンとの幾分かの会合を示した。
【0068】
乳化剤の有用性を比較するために、未硬化のShipley ProEtch(登録商標)1430ドライフィルムフォトレジスト約23ミル平方フィート/ガロンを含む約1%(wt/wt)の炭酸ナトリウム水溶液約200mlを、改良ガス洗浄瓶に入れた。以下の表に示す8000ppm(パーツパーミリオン)の乳化剤およびある量の消泡剤を溶液に加えた。溶液は約1000cc/分にて乾燥空気を約5時間通気し、一晩放置した。次に溶液を3ミクロンのフィルタで濾過し、保持されているスラッジを乾燥させ、秤量した。対照は乳化剤を含んでいなかった。
【表2】
【0069】
すべての乳化剤溶液が、スラッジまたは残渣生成の減少を示した。スルホン酸ジフェニルエーテルおよびグルコースエーテルおよびグルコピラノシドを含む溶液から回収された大半の残渣は、ナフテン酸石油炭化水素および乳化剤の非相溶による、溶液成分の沈積によるものと考えられた。結果は、現像剤溶液を一切含まない対照とは著しく異なり、その現像剤濃度まで希釈された本発明の濃縮物が残渣またはスラッジ生成を低下させることを示した。
【0070】
Soprophor(登録商標)およびブロックアルコキシコポリマーがDOWFAX(登録商標)およびGlucopon(登録商標)組成物よりも大幅なスラッジ削減を示したのに対して、上の実施例1に示すようにSoprophor(登録商標)は、炭酸ナトリウム濃縮物と相溶しなかった。
* 通気中にサンプルの一部が損失した
Soprophor(登録商標)混合物#1(BSU@50%、TWEEN(登録商標)80@17%、Tetronic90R4@33%)
Soprophor(登録商標)混合物#2(BSU@33%、TWEEN(登録商標)80@17%、Tetronic90R4@50%)
Soprophor(登録商標)混合物#3(BSU@33%、TWEEN(登録商標)80@33%、Tetronic90R4@33%)
【0071】
(実施例2)
(作用濃度における現像溶液の安定性)
炭酸ナトリウム濃縮物は、約1.0%(重量/重量)炭酸溶液を得るために、水約44体積に対して濃縮物約1体積で利用されることが多い。同一の容量比を維持し、乳化剤レベルの勾配を確認するために、約1.0%炭酸ナトリウムおよび約4000ppm、約6000ppm、約8000ppmまたは約10,000ppmの乳化剤を含む希釈溶液を得るために、比重に基づいて4種類の調合物を計算した。
【表3】
【0072】
次に、4つの濃度レベルにおける相溶性について複数の乳化剤をスクリーニングした。混合物を1週間放置した後に観察を行った。
【表4】
【0073】
濃度10,000ppmのDOWFAX(登録商標)C10Lを除いて、すべての希釈現像液組成物が、現像剤作用濃度における長期安定性を示した。不透明な溶液とわずかな相分離は、乳化剤と現像溶液との多少の非相溶性を示した。それゆえジフェニルエーテルスルホン酸塩は、グルコピラノシドとグルコースエーテルとの混合物と同様に、作用濃度における炭酸ナトリウム現像溶液中で安定であった。
Claims (10)
- 基体上または溶液中の残渣およびスカム生成を削減または防止する化合物と組み合わされた、アルカリ性成分を含む、安定性濃縮組成物。
- アルカリ性成分が炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、メタケイ酸ナトリウム、トリエタノールアミンまたはその混合物を含む、請求項1に記載の組成物。
- 残渣およびスカム生成を削減または防止する化合物が糖または糖誘導体を含む、請求項1に記載の組成物。
- 糖または糖誘導体がグリコシド、ポリグリコシドまたはその混合物からなる、請求項3に記載の組成物。
- 残渣およびスカム生成を抑制または防止する化合物が芳香族硫黄化合物を含む、請求項1に記載の組成物。
- 基体上または溶液中の残渣およびスカム生成を削減または防止する化合物と組み合わされた、アルカリ性成分から本質的になる、安定性濃縮組成物。
- 残渣およびスカム生成を削減または防止する化合物が芳香族硫黄化合物、糖、糖誘導体またはその混合物を含む、請求項6に記載の組成物。
- 作用濃度にて成分を含む安定性希釈溶液を作成するために、安定濃縮物に溶媒を添加することと、および基体上の残渣およびスカム生成を削減または防止するために、基体を安定性希釈溶液に接触させることと、を含む方法であって、安定性希釈溶液が基体上の残渣およびスカム生成を抑制または防止する化合物と組み合わされた、アルカリ性成分を含み、基体上の残渣およびスカム生成を抑制または防止する方法。
- 残渣およびスカム生成を削減または防止する化合物が芳香族硫黄化合物、糖、糖誘導体またはその混合物を含む、請求項8に記載の方法。
- 糖または糖誘導体がグリコシド、ポリグリコシドまたはその混合物を含む、請求項9に記載の方法。
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US37830802P | 2002-05-07 | 2002-05-07 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004252395A true JP2004252395A (ja) | 2004-09-09 |
Family
ID=29251245
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003128145A Pending JP2004252395A (ja) | 2002-05-07 | 2003-05-06 | 残渣削減安定濃縮物 |
Country Status (4)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US20030215754A1 (ja) |
EP (1) | EP1361480A1 (ja) |
JP (1) | JP2004252395A (ja) |
TW (1) | TW200307856A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007131819A (ja) * | 2005-11-14 | 2007-05-31 | Dai Ichi Kogyo Seiyaku Co Ltd | 洗浄液組成物及び各種ガラス基板用洗浄液組成物 |
JP2009139679A (ja) * | 2007-12-07 | 2009-06-25 | The Inctec Inc | Lcdカラーフィルター用顔料分散レジスト現像液 |
Families Citing this family (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6900003B2 (en) * | 2002-04-12 | 2005-05-31 | Shipley Company, L.L.C. | Photoresist processing aid and method |
US6911421B2 (en) * | 2002-11-01 | 2005-06-28 | Nicca Usa, Inc. | Surfactant blends for removing oligomer deposits from polyester fibers and polyester processing equipment |
KR101020164B1 (ko) | 2003-07-17 | 2011-03-08 | 허니웰 인터내셔날 인코포레이티드 | 진보된 마이크로전자적 응용을 위한 평탄화 막, 및 이를제조하기 위한 장치 및 방법 |
JP4166167B2 (ja) * | 2004-02-05 | 2008-10-15 | 富士フイルム株式会社 | 感光性平版印刷版用現像液及び平版印刷版の製版方法 |
DE602007006822D1 (de) | 2007-11-30 | 2010-07-08 | Agfa Graphics Nv | Verfahren zur Behandlung einer Lithografiedruckplatte |
US8444768B2 (en) | 2009-03-27 | 2013-05-21 | Eastman Chemical Company | Compositions and methods for removing organic substances |
US8309502B2 (en) | 2009-03-27 | 2012-11-13 | Eastman Chemical Company | Compositions and methods for removing organic substances |
US8614053B2 (en) | 2009-03-27 | 2013-12-24 | Eastman Chemical Company | Processess and compositions for removing substances from substrates |
US9029268B2 (en) | 2012-11-21 | 2015-05-12 | Dynaloy, Llc | Process for etching metals |
US10669172B2 (en) | 2017-08-23 | 2020-06-02 | Ecolab Usa Inc. | Elemental sulfur dispersant to control fouling in water systems |
Family Cites Families (31)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US2854477A (en) * | 1956-11-20 | 1958-09-30 | Dow Chemical Co | Method of making alkyl diphenyl ether sulfonates |
GB818243A (en) * | 1956-11-20 | 1959-08-12 | Dow Chemical Co | Method of making alkyl diphenyl ether sulphonates |
US2990375A (en) * | 1957-07-22 | 1961-06-27 | Dow Chemical Co | Heavy duty liquid detergent compositions |
US3027223A (en) * | 1957-12-11 | 1962-03-27 | Dow Chemical Co | Caustic mercerizing solutions |
US3247245A (en) * | 1962-01-12 | 1966-04-19 | Dow Chemical Co | Alkylated polyphenyl ether sulfonates |
US3248335A (en) * | 1965-04-01 | 1966-04-26 | Dow Chemical Co | Detergent composition for hard surfaces |
US3645906A (en) * | 1968-08-06 | 1972-02-29 | Dow Chemical Co | Novel compositions of matter and methods for preparing the same |
US4174289A (en) * | 1977-07-27 | 1979-11-13 | Basf Wyandotte Corporation | Liquid detergent-bleach concentrates having high alkalinity |
JPS58187927A (ja) * | 1982-04-28 | 1983-11-02 | Mitsubishi Chem Ind Ltd | ネガ型感光性平版印刷版用現像剤 |
USH468H (en) * | 1985-11-22 | 1988-05-03 | A. E. Staley Manufacturing Company | Alkaline hard-surface cleaners containing alkyl glycosides |
JPH0638159B2 (ja) * | 1986-07-18 | 1994-05-18 | 東京応化工業株式会社 | ポジ型ホトレジスト用現像液 |
DE3938107A1 (de) * | 1989-11-16 | 1991-05-23 | Hoechst Ag | Entwicklerkonzentrat und daraus hergestellter entwickler fuer belichtete negativ arbeitende reproduktionsschichten sowie verfahren zur herstellung von druckformen |
US5532116A (en) * | 1992-01-13 | 1996-07-02 | Fuji Photo Film Co., Ltd. | Aqueous alkaline developing solution |
US5543268A (en) * | 1992-05-14 | 1996-08-06 | Tokyo Ohka Kogyo Co., Ltd. | Developer solution for actinic ray-sensitive resist |
JP3086354B2 (ja) * | 1993-03-30 | 2000-09-11 | 富士写真フイルム株式会社 | 感光性平版印刷版用の現像液および現像補充液 |
EP0716347B1 (en) * | 1994-12-06 | 2002-07-24 | Fuji Photo Film Co., Ltd. | Developer for photosensitive lithographic printing plate |
JP3642845B2 (ja) * | 1995-03-06 | 2005-04-27 | 富士写真フイルム株式会社 | 感光性平版印刷版用現像液 |
JPH096014A (ja) * | 1995-04-19 | 1997-01-10 | Fuji Photo Film Co Ltd | 感光性平版印刷版の処理方法 |
US6207356B1 (en) * | 1996-12-31 | 2001-03-27 | Sumitomo Bakelite Company Limited | Method for the pattern-processing of photosensitive resin composition |
EP0852341B1 (en) * | 1997-01-03 | 2001-08-29 | Sumitomo Bakelite Company Limited | Method for the pattern-processing of photosensitive resin composition |
DE19755131C2 (de) * | 1997-12-11 | 2002-10-31 | Infineon Technologies Ag | Lösung von Tetramethylammoniumhydroxid in Wasser und Verfahren zur Herstellung der Lösung |
US6462107B1 (en) * | 1997-12-23 | 2002-10-08 | The Texas A&M University System | Photoimageable compositions and films for printed wiring board manufacture |
JPH11218935A (ja) * | 1998-01-30 | 1999-08-10 | Fuji Photo Film Co Ltd | 感光性平版印刷版の処理方法 |
KR20010013818A (ko) * | 1998-04-15 | 2001-02-26 | 게스레이 마크 | 포토레지스트 현상액 및 현상 방법 |
US6063550A (en) * | 1998-04-29 | 2000-05-16 | Morton International, Inc. | Aqueous developing solutions for reduced developer residue |
US5922522A (en) * | 1998-04-29 | 1999-07-13 | Morton International, Inc. | Aqueous developing solutions for reduced developer residue |
JPH11327161A (ja) * | 1998-05-13 | 1999-11-26 | Fuji Photo Film Co Ltd | 感光性平版印刷版の処理方法 |
JP3810215B2 (ja) * | 1998-06-17 | 2006-08-16 | 富士写真フイルム株式会社 | 感光性平版印刷版 |
JP2000089474A (ja) * | 1998-09-14 | 2000-03-31 | Fuji Photo Film Co Ltd | 感光性平版印刷版の製版方法 |
US6248506B1 (en) * | 1998-12-04 | 2001-06-19 | Nichigo-Morton | Aqueous developing solutions for reduced developer residue |
JP2001324818A (ja) * | 2000-05-15 | 2001-11-22 | Fuji Photo Film Co Ltd | 平版印刷版現像液の補充方法 |
-
2003
- 2003-05-06 EP EP03252827A patent/EP1361480A1/en not_active Withdrawn
- 2003-05-06 JP JP2003128145A patent/JP2004252395A/ja active Pending
- 2003-05-06 TW TW092112299A patent/TW200307856A/zh unknown
- 2003-05-07 US US10/431,083 patent/US20030215754A1/en not_active Abandoned
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007131819A (ja) * | 2005-11-14 | 2007-05-31 | Dai Ichi Kogyo Seiyaku Co Ltd | 洗浄液組成物及び各種ガラス基板用洗浄液組成物 |
JP2009139679A (ja) * | 2007-12-07 | 2009-06-25 | The Inctec Inc | Lcdカラーフィルター用顔料分散レジスト現像液 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US20030215754A1 (en) | 2003-11-20 |
TW200307856A (en) | 2003-12-16 |
EP1361480A1 (en) | 2003-11-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR20030067507A (ko) | 세척 조성물 | |
JP4225909B2 (ja) | シンナー組成物 | |
US5922522A (en) | Aqueous developing solutions for reduced developer residue | |
US6900003B2 (en) | Photoresist processing aid and method | |
JP2004252395A (ja) | 残渣削減安定濃縮物 | |
JP2002505766A (ja) | ホトレジスト現像剤および現像方法 | |
JP2012522068A (ja) | 有機物質の除去のための組成物および方法 | |
US6887654B2 (en) | Residue and scum reducing composition and method | |
CN1192285C (zh) | 减少显影剂残余物的显影水溶液及制备图形化的光刻胶图案的方法 | |
JP2004035874A (ja) | 洗浄組成物及び方法 | |
EP0953879B1 (en) | Aqueous developing solutions for reduced developer residue | |
CN111512239A (zh) | 光致抗蚀剂去除剂组合物 | |
KR20080009970A (ko) | 포토레지스트 현상액 및 이를 이용한 포토레지스트 패턴형성 방법 | |
KR20090017129A (ko) | 포토레지스트 린스용 조성물 및 이를 이용한 포토레지스트패턴 형성방법 | |
JP2000347423A (ja) | 集積回路の製作に使用されるホトレジスト剥離用組成物 | |
KR102572713B1 (ko) | 포토레지스트 혼합물 세정액 조성물 | |
EP0880076A1 (en) | Process for the production of photosensitive resin printing plates and treating fluid | |
KR100357292B1 (ko) | 프린트배선판제조용현상액및프린트배선판의제조방법 | |
JP7497511B2 (ja) | 半導体基板用処理液 | |
KR100690347B1 (ko) | 박리액 조성물, 이를 이용한 박리 방법 및 그 박리 장치 | |
EP0364895B1 (en) | Positive type photoresist developer | |
EP1958028B1 (en) | Developer solution and process for use |