JP2004252351A - 回転むら補正装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】この発明は、回転むら制御帯域を上げることができず、環境変化や経時変化にも対応することができず、画質が劣化するという課題を解決しようとするものである。
【解決手段】この発明は、回転体1を回転駆動するメインモータ5及び変動補正用モータ7と、回転体7の回転変動を検出する回転変動検出手段2と、この回転変動検出手段2の検出結果をもとにメインモータ5に対する制御指令値を決定する制御値決定手段4と、制御指令値より所定周波数の振幅、位相を検出して制御指令値に対する補正量を決定する回転むら演算手段2と、制御指令値より前記所定周波数の振幅、位相を検出してメインモータ5、変動補正用モータ7を駆動する駆動手段4とを備え、回転むら演算手段2で決定した補正量を制御指令値に付加して回転体1の回転制御を行うものである。
【選択図】 図1
【解決手段】この発明は、回転体1を回転駆動するメインモータ5及び変動補正用モータ7と、回転体7の回転変動を検出する回転変動検出手段2と、この回転変動検出手段2の検出結果をもとにメインモータ5に対する制御指令値を決定する制御値決定手段4と、制御指令値より所定周波数の振幅、位相を検出して制御指令値に対する補正量を決定する回転むら演算手段2と、制御指令値より前記所定周波数の振幅、位相を検出してメインモータ5、変動補正用モータ7を駆動する駆動手段4とを備え、回転むら演算手段2で決定した補正量を制御指令値に付加して回転体1の回転制御を行うものである。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は感光体ドラムなどの回転体の回転むらを補正する回転むら補正装置、及び複写機,プリンタ,ファクシミリ等の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置においては、感光体を回転させるモータ自体の回転速度変動、感光体の回転軸の偏心、感光体とモータとの間に介在されるギアの偏心やピッチ誤差などの影響により、感光体等に回転むらが発生し、この回転むらにより副走査方向の走査ラインのピッチムラが生じてこれがバンディングと呼ばれる縞状の濃度むらとなり、画質を劣化させるという問題があった。
【0003】
このような問題を解決するため、従来、画像形成装置では、一般的に、大重量のフライホイールを用いて感光体の回転むらを抑制していた。
また、特許文献1、特許文献2に記載されているように、ロータリーエンコーダを用いて感光体の回転を検出し、ロータリーエンコーダからの出力をフィードバックして感光体駆動用モータの回転を補正し、感光体の回転むらを制御する方法がある。
【0004】
【特許文献1】
特開平07−129034号
【特許文献2】
特開平07−281491号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
フライホイールを用いて感光体の回転むらを抑制する方法では、十分な回転むら抑制効果を得るためには、数十Kgもの大重量のフライホイールを用いる必要があり、装置の大型化、コスト高につながっていた。フライホイールをなくし、ロータリーエンコーダを用いて感光体の回転むらを補正する方法では、低周波域の周波数については回転むら補正効果が得られるが、高周波域の周波数については、感光体の回転むらをデジタル的に補正するデジタル制御システムでは、時間遅れ等が問題となるので、十分に回転むら制御帯域を上げることができず、十分な回転むら補正効果を得ることができない。
【0006】
また、高周波域の周波数に対して、あらかじめ、感光体の回転変動を打ち消すようなパターンをメモリに記憶させておき、そのパターンに基づき感光体の回転むらを補正する方法もあるが、温度変化等の環境変化や経時変化により感光体の回転変動パターンが変化すると、メモリに記憶された固定のパターンでは対応できないという問題がある。
【0007】
感光体の回転むらを抑制できないと、上述のようにバンディングと呼ばれる縞状の濃度むらが発生し、画質が劣化する。
本発明は、回転むら制御帯域を上げることができて十分な回転むら補正効果を得ることができ、環境変化や経時変化にも対応することができる回転むら補正装置及び、画質を向上させることができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、回転体を回転駆動するメインモータ及び変動補正用モータと、前記回転体の回転変動を検出する回転変動検出手段と、この回転変動検出手段の検出結果をもとに前記メインモータに対する前記制御指令値を決定する制御指令値決定手段と、前記制御指令値より所定周波数の振幅、位相を検出して前記制御指令値に対する補正量を決定する回転むら演算手段と、前記制御指令値より前記所定周波数の振幅、位相を検出して前記メインモータ、前記変動補正用モータを駆動する駆動手段とを備え、前記回転むら演算手段で決定した補正量を前記制御指令値に付加して前記回転体の回転制御を行うものである。
【0009】
請求項2に係る発明は、請求項1記載の回転むら補正装置において、前記回転むら演算手段は、所定の間隔毎に処理を行い、前記制御指令値について過去の所定周波数の振幅、位相と現在の所定周波数の振幅、位相を比較してその変化量を求め、この変化量に応じて前記制御指令値に対する補正量を決定し、前記駆動手段は前記変化量に応じて前記変動補正用モータの駆動の有無を決定するものである。
【0010】
請求項3に係る発明は、請求項1記載の回転むら補正装置において、前記回転むら演算手段は、所定の間隔毎に処理を行い、前記制御指令値について過去の所定周波数の振幅、位相と現在の所定周波数の振幅、位相を比較してその位相差が所定位相差よりある場合の頻度を求め、この頻度に応じて前記制御指令値に対する補正量を決定し、前記駆動手段は前記頻度に応じて前記変動補正用モータの駆動の有無を決定するものである。
【0011】
請求項4に係る発明は、請求項1記載の回転むら補正装置において、前記駆動手段は、前記回転体を駆動する過去の駆動方式と現在の駆動方式を比較し、その比較結果に応じて前記変動補正用モータの駆動の有無を決定するものである。
【0012】
請求項5に係る発明は、請求項2記載の回転むら補正装置において、前記回転むら演算手段は、所定の間隔毎に処理を行い、前記制御指令値について過去の所定周波数の振幅、位相と現在の所定周波数の振幅、位相を比較し、その振幅変動の頻度が所定の頻度よりある場合には前記駆動手段は前記所定周波数の所定振幅をもつ電流値にて前記変動補正用モータを駆動するものである。
【0013】
請求項6に係る発明は、請求項3記載の回転むら補正装置において、前記回転むら演算手段は、所定の間隔毎に処理を行い、前記制御指令値について過去の所定周波数の振幅、位相と現在の所定周波数の振幅、位相を比較し、その位相差が所定の位相差よりある場合の頻度が所定の頻度以上である場合には前記所定周波数の周辺部の所定振幅をもつ電流値にて前記変動補正用モータを駆動するものである。
【0014】
請求項7に係る発明は、回転体を有する画像形成装置において、前記回転体の回転むらを補正する装置として請求項1〜6のいずれか1つに記載の回転むら補正装置を備えたものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施形態の構成を示す。図1において、1は画像形成装置における像担持体としての感光体ドラム、2は感光体ドラム1の回転むらを演算してその補正量を決定する回転むら演算手段としての回転むら演算部、3はモータ5,7の回転制御を行うことにより感光体ドラム1の回転を制御する制御部、4は制御部3からの制御指令値に基づいてモータ5,7を駆動する駆動手段としての駆動部、5は感光体ドラム1を回転駆動するメインモータ、6はメインモータ5(感光体ドラム1)に連結されてメインモータ5の回転を検出することにより感光体ドラム1の回転を検出する回転検出器としての所定の分解能をもつロータリーエンコーダ、7は感光体ドラム1を回転駆動する変動補正用モータである。制御部3は回転変動検出手段であるロータリーエンコーダ6の検出結果をもとにメインモータ5に対する制御指令値を決定する制御指令値決定手段を構成している。
【0016】
まず、回転むら演算部2について説明する。
回転むら演算部2は、エンコーダ6から出力されたパルスをもとに、感光体ドラム1の回転むらを検出する演算処理を行い、その回転むらに応じた補正処理を行う。
図2は本実施形態の全体の処理の流れを示す。図2において、点線部分内のステップS4〜S8の処理をまとめて基準元データ作成処理と記す。
本実施形態は、画像形成装置の調整工程段階にて、事前に基準となる補正データを作成する。以下、この事前処理で作成する基準となる補正データを基準補正データと記す。基準補正データの作成は、図2のステップS4以降の流れと同じであるので、これを用いて説明する。
【0017】
エンコーダ6にて所定のホームポジションを設けておく。エンコーダ6は、モータ5が所定の角度回転する毎にパルス信号を出力するだけでなく、モータ5がホームポジションに位置したときにホームポジション信号を出力する。
回転むら演算部2は、ステップS4でエンコーダ6からホームポジション信号を受け取ると、ステップS5で補正データ作成用に、制御部6から出力される制御値データの取得を開始する。制御値データは、例えば、モータ5を駆動する際に制御部6から駆動部4に制御指令値として与える電流値に相当するデータである。回転むら演算部2は、制御部6からの制御値データの取得を所定の時間行ない、モータ5の複数(n)回転分の制御値データを取得する。図3はそのn回転分の制御値データの例を示す。
図3〜図5及び図7〜図18において、縦軸は電流値相当のデータiであり、横軸は時間(t)である。回転むら演算部2は、図2には明記していないが、モータ5の1回転毎に、モータ5がホームポジションに位置するかどうかを判別する。
【0018】
次に、回転むら演算部2は、ステップS6で、その取得した制御値データに FFT(高速フーリエ変換)を施して時間軸上のデータから周波数軸上のデータに変換し、ステップS7で、例えば、BPF(バンドパスフィルタ)処理などにより、感光体ドラム1の回転むらが問題となっている所定の周波数帯域及び、モータ5(感光体ドラム1)の1回転相当の周波数のデータを抽出する。ここで、所定の周波数帯域とは、主に、ゲイン交差周波数周辺部以降の高周波数帯域を指すが、高周波数帯域に限定するものではない。
【0019】
次に、回転むら演算部2は、ステップS8で、上記抽出した所定の周波数帯域のデータに対して逆FFTを施し、再度、時間軸上のデータに戻す。図4はその抽出した所定周波数のデータの例を示す。
回転むら演算部2は、上記事前処理のみに限定するが、感光体ドラム1の回転むらが問題となっている所定の周波数帯域の周辺部のいくつかの周波数についても同様の処理を行ない、そのいくつかの周波数について時間軸上のデータを得る。ここで、得られた各々の周波数のデータについて、振幅のPeak to Peakレベルが所定値以上である各々の周波数をf_env(fi) とする。
【0020】
回転むら演算部2は、感光体ドラム1の回転むらが問題となっている上記抽出した所定周波数のデータ(時間軸上のデータ)に対して以下の処理をステップS9で行う。
回転むら演算部2は、まず、モータ5(感光体ドラム1)のn回転分の上記抽出データ(時間軸上のデータ)をモータ5の各回転毎に区切り、この各回転毎のデータを平均処理して平均値を求める。
【0021】
すなわち、モータ5のm回転目の周波数データをfm(t’)とすると、その平均値 f_ave(t’)は、
f_ave(t’) = Σ fm(t’) /n ( m = 1 〜 n, t’ = 0 〜 T)
となる。ここで、Tは、モータ5の1回転分の時間である。図5は、そのf_ave(t’)の例を示す。以下、このデータを基準元データと記す。この基準元データそのものが基準補正データとなる。回転むら演算部2は、この基準補正データをROM等のメモリに登録して保持しておく。
この基準元データを逆位相としたものは、上記抽出した所定周波数のデータの変動におおよそ相当している。図6は、基準元データを逆位相としたものの例を示す。図6において、縦軸はデータの変動量、横軸が時間tである。
【0022】
同様に、回転むら演算部2は、上記抽出したモータ5の1回転相当の周波数のデータに対して以下の処理を行う。
回転むら演算部2は、上記抽出したモータ5の1回転相当の周波数のデータのn回転ぶんを各々の回転毎に区切り、その各回転毎のデータを平均処理する。
すなわち、m 回転目の周波数データを f1m(t’) とすると、その平均値f1_ave(t’)は、
f1_ave(t’) = Σ f1m(t’) /n ( m = 1 〜 n, t’ = 0 〜 T)
となる。ここで、T は、モータ5の 1 回転ぶんの時間である。以下、このデータf1_ave(t’)を基準1回転データと記す。
【0023】
図19は制御部3の構成を示す。制御部3は、制御対象11(駆動部4、モータ5及びエンコーダ6)に対して、上記基準補正データをフィードフォワードデータとして加味して(上記基準補正データをコントローラ12からの制御指令値に演算部13で加算して)フィードバック制御を行ない、モータ5の上記所定周波数帯域の回転むらを軽減させる。基準補正データをコントローラ12からの制御値データに加えることで、制御値データの所定周波数帯域の変動が打ち消される形となるので、制御値データの振幅が抑制され、モータ5の回転むらが軽減する。もちろん、低周波域の周波数についても、上記制御によりモータ5の回転むらを低減する効果が得られる。なお、基準補正データは、モータ5の所定のホームポジションより制御値データに加味される。コントローラ12への入力は、演算部14で求めた制御対象11からの出力、すなわち、エンコーダ6からの各角度に相当する出力値と目標値との差分である。コントローラ12からの出力は電流値に相当のものとなる。
【0024】
また、回転むら演算部2は、高周波域の周波数に対して、あらかじめ、基準補正データをメモリに記憶させておくが、経時変化等がなく、常時、モータ5の回転データの再現性が得られる場合には、この基準補正データを一定にしても構わないが、本実施形態では、温度変化等の環境変化や経時変化などがあった場合にも対応できるようにしている。
【0025】
本実施形態について図2に示す流れに沿い説明する。制御部3は、最初にステップS1で、調整モードの判別を行う。ここで、調整モードは、例えば、画像形成装置の起動直後に、各種調整などを行うモードを意味する。調整モードでないのは、調整モード終了後の通常の状態を意味する。
制御部3は、調整モードでない場合には、以下の処理を所定の間隔tc毎に行う。
【0026】
制御部3は、まずステップS10で基準補正データを上記メモリから読み出して演算部13へ加え、制御値データに対する基準補正データの付加を行う。回転むら演算部2は、ステップS11で上記ステップS4〜S9と同様の処理を行って基準元データを作成する。
【0027】
次に、回転むら演算部2は、ステップS12でレベルチェック処理を行う。以下、このレベルチェック処理について説明する。
レベルチェック処理にてj 回目のレベルチェック処理で得られた基準元データを fj と記す。ここに、j ≧ 1であり、j−1 回目のレベルチェック処理で得られた基準元データはfiと記す。0回目の処理は、画像形成装置の調整工程段階の事前処理に相当する。回転むら演算部2は、レベルチェック処理で得られた基準元データfiにおけるモータ5の1 回転分周期のデータの積分値を fi_s、基準元データ fj におけるモータ5の1 回転分周期のデータの積分値を fj_s とし、これらを比較する。なお、fi_s、fj_s を得る方法は、積分に限定するものではない。例えば、簡略的に、fi , fj にて、各々、振幅の Peak to Peak を fi_s、fj_s としても所定の精度が得られるならば、これで構わない。回転むら演算部2は、以下のA) 〜 D)のように基準元データの振幅を判定する。
【0028】
fs_thrd_h < fj_s/fi_sのときは、基準元データの振幅が所定のレベルより増幅している状態で、レベル H と記す。ここで、fs_thrd_h > 1 とする。 ... A)
fs_thrd_l < fj_s/fi_s < 1のときは、基準元データの振幅が所定のレベルより減衰している状態で、レベル L と記す。ここで、fs_thrd_l < 1 とする。... B)
fs_thrd_l2 < fj_s/fi_s < fs_thrd_lのときは、基準元データの振幅が所定のレベルより減衰している状態で、レベル0と記す。または、fj_s が所定量 fj_thrd 以下のときは、基準元データの振幅が所定のレベルより減衰している状態で、レベル0と記す。ここで、fs_thrd_l2 < fs_thrd_l < 1 とする。... C)
A),B),C) 以外のときは、基準元データの振幅の変動がみられない状態で、レベル M と記す。... D)
回転むら演算部2は、A) 〜 D)について、振幅の比率 fj_s/fi_s を up_rate とする。
【0029】
回転むら演算部2は、基準1回転データに対しても同様の処理を行う。
回転むら演算部2は、j 回目のレベルチェック処理で得られた基準1回転データを f1j と記す。ここに、j ≧ 1であり、j−1 回目のレベルチェック処理で得られた基準1回転データはf1iと記す。0回目の処理は、画像形成装置の調整工程段階の事前処理に相当する。回転むら演算部2は、レベルチェック処理で得られた基準1回転データf1iにおけるモータ5の1 回転分周期のデータの積分値を f1i_s、基準1回転データ f1j におけるモータ5の1 回転分周期のデータの積分値を f1j_s とし、これらを比較する。なお、f1i_s、f1j_s を得る方法は、積分に限定するものではない。例えば、簡略的に、f1i , f1j にて、各々、振幅の Peak to Peak を f1i_s、f1j_s としても所定の精度が得られるならば、これで構わない。
【0030】
回転むら演算部2は、以下のE)、F)のように基準1回転データの振幅を判定する。
f1s_thrd_h < f1j_s/f1i_sのときは、基準1回転データの振幅が所定のレベルより増幅している状態で、レベル H1 と記す。ここで、f1s_thrd_h > 1 とする。 ... E)
f1s_thrd_l < f1j_s/f1i_s < 1のときは、基準1回転データの振幅が所定のレベルより減衰している状態で、レベル L1 と記す。ここで、f1s_thrd_l < 1 とする。... F)
E),F)以外のときは、基準1回転データの振幅の変動がみられない状態で、レベル M1 と記す。
【0031】
次に、回転むら演算部2は、ステップS13のずれチェックを行う。以下、このずれチェックについて説明する。
回転むら演算部2は、上記基準元データfi、fj について、Tp周期分毎に区切り、各周期毎の基準元データに対して平均処理を行う。すなわち、p周期目の周波数データ(基準元データ)をfi_p(t2’)、fj_p(t2’) とすると、各周期毎の基準元データの平均値fi_ave(t2’)、fj_ave(t2’)を
fi_ave(t2’) = Σ fi_p(t2’) /Tp ( p = 1 〜 Tp, t2’ = 0 〜 TA)
fj_ave(t2’) = Σ fj_p(t2’) /Tp ( p = 1 〜 Tp, t2’ = 0 〜 TA)
なる演算で求める。ここで、TAは、1周期である。
【0032】
回転むら演算部2は、fi_ave(t2’) にて、振幅が最大となる時間 max_tと最小になる時間 min_tを求め、max_tとmin_tを直線で結んで、この直線がfi_ave(t2’)の平均値に対して交差する時間 cross_ti を算出する。max_tとmin_tを結んぶ直線の傾きはm_angとする。図7はその例を示す。回転むら演算部2は、
m_ang < 0 のときには、
cross_ti = cross_ti − TA/2
m_ang > 0 かつ cross_ti > TA/2 のときには、
cross_ti = cross_ti − TA
m_ang > 0 かつ cross_ti ≦ TA/2 のときには、
cross_ti = cross_ti
とする。
【0033】
回転むら演算部2は、同様に、fj_ave(t2’) にて、cross_tj を算出し、図8はその例を示す。回転むら演算部2は、cross_ti と cross_tjの各々の絶対値の差をcross _diffとし、
cross_diff = |cross_ti| − |cross_tj|
とする。
【0034】
回転むら演算部2は、cross _diffの絶対値の比較を行なってcross_ti と cross_tjのずれの程度を判別し、
|cross_diff| > cross_thrd
のときはずれ有りでレベル Iとし、
cross_thrd > |cross_diff| > cross_thrd2
のときはずれ有りでレベル Sとし、そうでないときはずれ無しとする。
【0035】
ここで、cross_thrd , cross_thrd2 は、所定のしきい値で、
0 < cross_thrd < TA/2 、 0 < cross_thrd2 < cross_thrd
である。ずれ有りレベルIは、fi_ave(t2’)、fj_ave(t2’)の位相がほぼ1/2周期近くずれている場合を想定している。
さらに、回転むら演算部2は、j回目の処理以前にて、過去mm回の処理の以前のずれチェックにて、ずれ有りレベルI、または、ずれ有りレベルSと判断した回数が所定の回数以上の場合には、所定頻度のずれ有りとする。... G)
上記の場合は、回転むら演算部2がずれのチェックをソフトウェア的に簡略的に行なった例であるが、ずれのチェックは、これに限定されるものではなく、例えばPLL(Phase Locked Loop)制御で用いられる位相比較器などを使用しても構わない。
【0036】
次に、回転むら演算部2はステップS14の補正処理を行う。以下、この補正処理について説明する。
j−1回目の処理でj−2 回目以前の基準補正データも加味されて決定される基準補正データはfi_cmp(t’)と記す。j−1回目の処理で基準元データfiに相当する基準補正データはfi’_cmp(t’)と記す。j回目の処理で基準元データfjに相当する基準補正データはfj’_cmp(t’)と記す。0回目の画像形成装置の調整工程段階の事前処理で求められた基準補正データはf0_cmp(t’)と記す。
【0037】
回転むら演算部2は、上記ずれが無い場合においては、上記レベル0のときには、基準補正データを用いて制御値データの補正を行うことにより、制御値データの振幅が所定量抑制されたので、制御値データの追加補正は行なわず、基準補正データの再作成も行なわない。基準補正データの再作成については、後述する。
回転むら演算部2は、上記ずれが無い場合においては、上記レベル L,M,H のときには、基準補正データを用いて制御値データの補正を行なったが、補正の効果が少ないので、制御値データの補正量を追加し、基準補正データの再作成を行う。
【0038】
回転むら演算部2は、上記レベルL,H,Mのときには、基準補正データを以下のように更新する。
回転むら演算部2は、1回目の処理の場合には、
f1_cmp(t’) = f0_cmp(t’) + f0_cmp(t’) × up_rate × adj_cof1
とし、2 回目以降の処理の場合には、
fj_cmp(t’) = fi_cmp(t’) + j_cmp
j_cmp = fi’_cmp(t’) × up_rate × adj_cof1 ... P1)
または
j_cmp = fj’_cmp(t’) ... Q1)
とする。ここで、adj_cof1 は所定の微調のための係数である。fj_cmp(t’)が新たな基準補正データとなる。このfj_cmp(t’)は、補正の効果が少ないので、さらに補正量を加算している。図9及び図10は、各々1回目の処理の場合における基準元データf0,f1、基準補正データf0_cmp(t’),f1_cmp(t’)の例、2 回目以降の処理の場合における基準元データfi,fj、基準補正データfi’_cmp(t’),fj’_cmp(t’)の例を示す。
【0039】
回転むら演算部2は、ずれ有りレベルSにおいて、上記レベル 0 のときには、基準補正データを用いて制御値データの補正を行うことにより、制御値データの振幅が所定量抑制されたので、制御値データの追加補正は行なわず、基準補正データの再作成も行なわない。
【0040】
回転むら演算部2は、ずれ有りレベルSにおいて、上記レベルHのときには、基準補正データを以下のように更新する。
回転むら演算部2は、1回目の処理の場合には、
f1_cmp(t’) = −(f0_cmp(t’) × up_rate × adj_cof2 − f0_cmp(t’))
とし、2 回目以降の処理の場合には、
fj_cmp(t’) = fi_cmp(t’) + j_cmp
j_cmp = − (fi’_cmp(t’) × up_rate × adj_cof2) ... P2)
または
j_cmp = fj’_cmp(t’) ... Q2)
とする。
【0041】
ここで、adj_cof2は所定の微調のための係数である。fj_cmp(t’)が新たな基準補正データとなる。このfj_cmp(t’)は、補正量を減算している。図11及び図12は、各々、1 回目の処理の場合における基準元データf0,f1、基準補正データf0_cmp(t’),f1_cmp(t’)の例、2 回目以降の処理の場合における基準元データfi,fj、基準補正データfi’_cmp(t’),fj’_cmp(t’)の例を示す。
【0042】
回転むら演算部2は、ずれ有りレベルSにおいて、上記レベルLのときには、基準補正データを以下のように更新する。
回転むら演算部2は、1回目の処理の場合には、
f1_cmp(t’) = f0_cmp(t’) − f0_cmp(t’) × up_rate × adj_cof3
とし、2回目以降の処理の場合には、
fj_cmp(t’) = fi_cmp(t’) + j_cmp
j_cmp = −(fi’_cmp(t’) × up_rate × adj_cof3) ... P3)
または
j_cmp = fj’_cmp(t’) ... Q3)
とする。
【0043】
ここで、adj_cof3は所定の微調のための係数である。fj_cmp(t’)が新たな基準補正データとなる。図13及び図14は、各々、1 回目の処理の場合における基準元データf0,f1、基準補正データf0_cmp(t’),f1_cmp(t’)の例、2 回目以降の処理の場合における基準元データfi,fj、基準補正データfi’_cmp(t’),fj’_cmp(t’)の例を示す。
【0044】
回転むら演算部2は、ずれ有りレベルSにおいて、上記レベルMのときには、基準補正データを以下のように更新する。
回転むら演算部2は、1回目の処理の場合には、
f1_cmp(t’) = f0_cmp(t’) − f0_cmp(t’) × up_rate × adj_cof4
とし、2回目以降の処理の場合には、
fj_cmp(t’) = fi_cmp(t’) + j_cmp
j_cmp = −(fi’_cmp(t’) × up_rate × adj_cof4) ... P4)
または
j_cmp = fj’_cmp(t’) Q4)
とする。
【0045】
ここで、adj_cof4 は所定の微調のための係数である。fj_cmp(t’)が新たな基準補正データとなる。このfj_cmp(t’)は、補正しすぎのため、補正量を減算している。図15及び図16は、1回目の処理の場合における基準元データf0,f1、基準補正データf0_cmp(t’),f1_cmp(t’)の例、2 回目以降の処理の場合における基準元データfi,fj、基準補正データfi’_cmp(t’),fj’_cmp(t’)の例を示す。
【0046】
上記j_cmpについては、P1) 〜 P4)は過去の情報をもとにしたものであり、Q1)〜 Q4)は現在の情報をもとにしたものである。これらの選択については、どちらを用いた場合に変動が少ないか、統計をとるなりして事前に求めて、どちらか一方を選択するか、あるいは、動作中に、変動が大きいときは、随時切り替えられるようにしてもよい。回転むら演算部2は、上記レベル L,M,Hのときには、基準補正データの再作成を行う。
【0047】
次に、回転むら演算部2は、ずれ有りレベルIにおいて、上記レベル0のときには、基準補正データを用いて制御値データの補正を行うことにより、制御値データの振幅が所定量抑制されたので、制御値データの追加補正は行なわず、基準補正データの再作成も行なわない。
【0048】
回転むら演算部2は、ずれ有りレベルIにおいて、上記レベル H,M,Lのときには、上記所定頻度ずれありとされた場合は、基準補正データを以下のように更新する。
fi_cmp(t’)を時間を無限にして正弦波で表したものをf_sin(2π×f×t)とする。回転むら演算部2は、f_sin(2π×f×t)の周辺の所定範囲について、以下の周波数相当の基準補正データを得る。
A(i) × f_sin(2π× (f + df × i)t) (i = 1 〜 ) ... X)
B(i) × f_sin(2π× (f − df × i)t) (i = 1 〜 ) ... Y)
A(i), B(i)は、所定の係数で、回転むらが問題となっている所定の周波数帯域でのバンディングが目立ちにくいレベルとなるような係数が各々設定される。dfは、所定幅の周波数である。ここで、上記f_env(fi) の周波数については、この処理は行なわない。図17及び図18は、各々、X)、Y)の基準補正データの例を示す。
【0049】
上記所定頻度ずれありとされた場合は、制御値データの位相のずれが頻繁にあり、補正効果が望めないので、回転むらが問題となっている所定の周波数帯域の周辺部の周波数に回転むらがなく、上記周波数帯域のみの回転むらが目立だっている場合は、逆に、上記周辺部の周波数に相応の回転むらを与えることで、単一周期のバンディングは視覚上目立ちにくくなるので、擬似的なバンディング軽減効果が得られる。回転むら演算部2は、ずれ有りレベルIでは、基準補正データの再作成を行う。
【0050】
以上、調整モードでない場合の処理の流れを示したが、ここで、j回目の処理以前にて、過去nn回、以前のレベルチェックにてレベル0と判断され、かつ、ずれチェックにてずれ無しと判断された回数が所定の回数を越えている場合には制御値データの位相、振幅のずれがなく安定しているので、制御部3が上記所定の間隔tcをtc2に変更し、そうでない場合には上記所定の間隔 tc とする。ここに、tc2 >tcである。
【0051】
次に調整モードである場合について説明する。回転むら演算部2は、ステップS1で調整モードであるか否かを判断し、調整モードではステップS2で演算部13に基準補正データを加えないようにし、ステップS3にて、上記の処理で基準補正データの再作成を行うと判断されたか否かをチェックする。回転むら演算部2は、上記の処理にて基準補正データの再作成を行うと判断された場合には、基準補正データを再作成する。基準補正データの再作成の流れは、上述した図2のステップS4〜S9と同様である。回転むら演算部2は、再作成した基準補正データをメモリに登録し、基準補正データを再作成したものに更新する。
【0052】
回転むら演算部2は、上記の処理にて基準補正データの再作成を行なわないと判断された場合には、現在の補正が効果的と判断されているので、基準補正データの再作成は行なわない。
なお、上記の例は、調整モードを起動時に行う場合であるが、起動時以外に調整モードを行うようなシステムでは、例えば、基準補正データの再作成を行うと判断された場合に調整モードにしてもよい。
制御部3は、上記の補正がされた制御信号(演算部13の出力信号)を制御値データとして発生して駆動部4へ出力し、駆動部4はその制御信号に基づきメインモータ5、変動補正用モータ7を駆動することで、感光体ドラム1の回転制御を行う。
【0053】
次に、駆動部4について説明する。図20は駆動部4の処理の流れを示す。 図20において、kk は、現在の調整モードの回数とする。駆動部4は、ステップS20で調整モードでの処理(kk)が2回目以上かどうか判別する 。駆動部4は、kkが2回目以上でない、すなわち、調整モードが初回のときは、感光体ドラム1を駆動する方式を駆動方式 M1 とする。駆動方式 M1 は、駆動部4がメインモータ5のみを駆動して感光体ドラム1を駆動する方式である。
【0054】
駆動部4は、kkが2回目以上のときには、ステップS21に進んで調整モードであるか否かを判別する。駆動部4は、現段階が調整モードでない場合には、現調整モードで決定された駆動方式でメインモータ5のみ、またはメインモータ5及び変動補正用モータ7を駆動する。駆動部4は、現段階が調整モードの場合には、ステップS22でkk−1回目の調整モードでの駆動方式が駆動方式M1であるかどうかを判別する。駆動部4は、kk−1回目調整モードでの駆動方式が駆動方式M1の場合には、ステップS23の負荷変動判別ルーチンへ進む。
【0055】
以下、負荷変動判別ルーチンについて説明する。
各調整モード間にて、図2におけるステップS12のレベルチェックを行なった回数をL_NUMとする。各回のレベルチェック間にて、前記レベルL1からレベルH1、または、レベルH1からレベルL1になった回数をfl_numとする。駆動部4は、
fl_num/L_NUM > fl_num_thrd
のときは、”負荷変動あり”とし、そうでないときは、”負荷変動なし” とする。ここに、fl_num_thrdは所定のしきい値である。
【0056】
駆動部4は、負荷変動ありのときには、ステップS24の駆動方式 M2−1処理に進む。
以下、駆動方式 M2−1処理について説明する。駆動方式 M2−1処理においては、駆動部4は、メインモータ5の駆動と併せて、所定係数を掛けた基準1回転データに所定周波数の基準元データを加えたものを電流値相当として変動補正用モータ7に与えて変動補正用モータ7も駆動する。
【0057】
すなわち、駆動部4は、上記した基準1 回転データf1_ave(t’)、基準元データ f_ave(t’)(t’ = 0 〜 T)より次の駆動電流相当のfM2_ave(t’)を得る。
fM2_ave(t’) = (f1_ave(t’)×f1_asist_thrd + f_ave(t’))× m_coff (t’ = 0〜 T)
ここで、T はモータ5,7の 1 回転分の時間、f1_asist_thrdは所定係数(f1_asist_thrd < 1)、m_coff はメインモータ5と変動補正用モータ7との電流値変換のための係数である。駆動部4は、メインモータ5がホームポジションに位置してエンコーダ6からのホームポジション信号を受け取るホームポジション検出時より fM2_ave(t’) を連続的に変動補正用モータ7に与えて変動補正用モータ7を駆動する。
【0058】
駆動部4は、負荷変動なしのときには、ステップS25のレベルずれ判定処理へ進む。このレベルずれ判定処理は、上記 G) の結果に従う。駆動部4は、上記 G)で所定頻度ずれありと判定された場合には、ステップS26の駆動方式 M2−2 処理へ進み、上記 G)で 所定頻度ずれありと判定されない場合には、駆動方式 M1 とする。
【0059】
以下、駆動方式 M2−2 処理について説明する。この駆動方式 M2−2処理では、駆動部4は、メインモータ5の駆動と併せて、上記 X)、Y)の基準補正データに相当する電流値を変動補正用モータ7に与えて変動補正用モータ7も駆動する。この場合、上記 X)または、Y)にて、係数 A(i)、B(i) の代りに、以下のようにA2(i)、B2(i)を用いる。
A2(i) × f_sin(2π× (f + df × i)t) (i = 1 〜 ) ... X2)
B2(i) × f_sin(2π× (f − df × i)t) (i = 1 〜 ) ... Y2)
ここでは、駆動部4は、X2)、Y2)を加算した値に相当する電流値、すなわち、
(A2(i) × f_sin(2π× (f + df × i)t) + B2(i) × f_sin(2π× (f − df × i)t) )× m_coff
に相当する電流値をホームポジション検出時より変動補正用モータ7に与えて変動補正用モータ7を駆動する。
【0060】
A2(i), B2(i) は、所定の係数で、回転むらが問題となっている所定の周波数帯域でのバンディングが目立ちにくいレベルとなるような係数が各々設定される。df は、所定幅の周波数、m_coff は同上である。ここで、上記 f_env(fi) の周波数については、駆動方式 M2−2 処理は行なわない。 以上が、kk−1 回目調整モードでの駆動方式が駆動方式 M1 である場合についての説明である。
【0061】
次に、kk−1 回目調整モードでの駆動方式が駆動方式 M1 でない場合について説明する。
kk−1 回目調整モードでの駆動方式が駆動方式 M1 でない場合には、駆動部4は、ステップS22からステップS27 の改善率判別へ進む。以下、改善率判別について説明する。図20における駆動方式 M2−1 処理、駆動方式 M2−2 処理での駆動方式をまとめて駆動方式 M2 と記す。図21は改善率判別の流れを示す。
【0062】
駆動部4は、ステップS30で、kk−2 回目の調整モードで決定した駆動方式が駆動方式 M1であるかどうかの判別を行う。駆動部4は、kk−2 回目の調整モードで決定した駆動方式が駆動方式 M1である場合には、ステップS31で駆動方式 M2 が駆動方式 M1 より改善されたかどうかの判別を行う。すなわち、駆動部4は、kk−2 回目の調整モードで決定した駆動方式 M1 での結果とkk−1 回目の調整モードで決定した駆動方式 M2 での結果を比較する。以下、この点について説明する。
【0063】
kk−2 回、kk−1 回の調整モード間にて、図2におけるステップS12のレベルチェックにて、レベルチェックを行なった回数をcheck_num(kk−2)、上記レベル M 、または、レベル0 に判別された回数を stbl_co(kk−2) とする。また、kk−1 回、kk 回の調整モード間にて、図2におけるステップS12のレベルチェックにて、レベルチェックを行なった回数を check_num(kk−1)、上記レベル M 、または、レベル0 に判別された回数を stbl_co(kk−1) とする。
【0064】
駆動部4は、
stbl_co(kk−1)/check_num(kk−1) > stbl_co(kk−2)×stbl_thrd1/check_num(kk−2)
を満たすときに上記改善ありと判定し、そうでないときに上記改善なしと判定する。ここで、stbl_thrd1は所定のしきい値で、stbl_thrd1 >1 である。図22は駆動方式の流れの例を示す。図22中の駆動判定は、図20中で行なわれる駆動方式に関する判定全般を意味する。
【0065】
駆動部4は、ステップS30 にて、駆動方式が駆動方式 M1 でないと判別された場合には、ステップS32 で駆動方式 M2 が改善されたかどうかの判別を行なう。すなわち、kk−2 回目の調整モードで決定した駆動方式 M2 での結果とkk−1 回目の調整モードで決定した駆動方式 M2 での結果を比較する。以下、この点について説明する。
【0066】
駆動部4は、
stbl_co(kk−1)/check_num(kk−1) < stbl_co(kk−2)×stbl_thrd2/check_num(kk−2)
を満たすときには上記改善ありと判定し、そうでないときには上記改善ありと判定する。ここで、stbl_thrd2 は所定のしきい値で、stbl_thrd2 < 1 である。 stbl_co(kk−1)、check_num(kk−1)、stbl_co(kk−2)、check_num(kk−2) は同上である。
【0067】
図23は駆動方式の流れの例を示す。図23中の駆動判定は、図20中で行なわれる駆動方式に関する判定全般を意味する。駆動部4は、改善率ありと判定した場合には、これまでと同じ駆動方式で、随意、判定により決定された駆動方式 M2−1 または、駆動方式 M2−2 を続行する。また、駆動部4は、改善率なしと判定した場合には、駆動方式 M1 とする。
【0068】
以上のように、駆動部4は、状態の変化に応じて、駆動方式を随時、切り替えることで、適宜、感光体ドラム1の回転制御を行なう。また、駆動方式 M1 で十分な状態のときは、もう一方のモータ7の駆動を行なわないので、消費電力の削減にもつながる。
【0069】
以上説明したように、本実施形態においては、以下の効果がある。
回転むら制御帯域を十分にとれないような高周波域の所定周波数に対しても、あらかじめ、感光体ドラム1の回転変動を打ち消すような補正量を制御値データに加え、状態に応じて変動補正用モータ7を駆動することで、メインモータ5の負荷を軽減させ、より回転むら低減効果を得ることが可能となる。また、上記補正量は固定値ではなく、所定の間隔毎に所定周波数の振幅、位相を検出し、過去の所定周波数の振幅、位相と現在の所定周波数の振幅、位相とを比較してその変化量を求め、この変か量に応じて上記補正量を決定するので、温度変化等の環境変化や経時変化などがあった場合にも対応でき、適切に、感光体ドラムの回転むらを補正することが可能となる。また、大重量のフライホイールは不要になるという面でも有効である。
【0070】
図24は本発明の他の実施形態を示す。この実施形態は、カラー複写機からなる画像形成装置である。図24において、310は本実施形態の装置本体である。この装置本体310は、その外装ケース311内の中央よりもやや右寄りに、像担持体としてのドラム状の感光体(感光体ドラム)312を備えている。感光体312の周りには、その上に設置されている帯電器313から矢示の回転方向(反時計方向)へ順に、現像手段としての回転型現像装置314、中間転写ユニット315、クリーニング装置316、除電器317などが配置されている。
【0071】
これらの帯電器313、回転型現像装置314、クリーニング装置316、除電器317の上には、露光手段としての光書込み装置、例えばレーザ書込み装置318が設置される。回転型現像装置314は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナーをそれぞれ収納した、現像ローラ321を有する現像器320A、320B、320C、320Dを備え、中心軸まわりに回動して各色の現像器320A、320B、320C、320Dを選択的に感光体312の外周に対向する現像角変位の位置へ移動させる。
【0072】
中間転写ユニット315は複数のローラ323に像担持体としての無端状の中間転写体、例えば中間転写ベルト324が掛け渡され、この中間転写ベルト324は感光体312に当接される。中間転写ベルト324の内側には転写装置325が設置され、中間転写ベルト324の外側には転写装置326及びクリーニング装置327が設置されている。クリーニング装置327は中間転写ベルト324に対して接離自在に設けられる。
【0073】
レーザ書込み装置318は、画像読取装置329から図示しない画像処理部を介して各色の画像信号が入力され、この各色の画像信号により順次に変調されたレーザ光Lを一様帯電状態の感光体312に照射して感光体312を露光することで感光体312上に静電潜像を形成する。画像読取装置329は装置本体310の上面に設けられている原稿台330上にセットされた原稿Gの画像を色分解して読み取り、電気的な画像信号に変換する。記録媒体搬送路332は右から左へ用紙等の記録媒体を搬送する。記録媒体搬送路332には、中間転写ユニット315及び転写装置326より手前にレジストローラ333が設置され、中間転写ユニット315及び転写装置326より下流側に搬送ベルト334、定着装置335、排紙ローラ336が配置されている。
【0074】
装置本体310は給紙装置350上に載置される。給紙装置350内には、複数の給紙カセット351が多段に設けられ、複数の給紙ローラ352のいずれか1つが選択的に駆動されて給紙カセット351のいずれか1つから記録媒体が送り出される。この記録媒体は装置本体310内の自動給紙路337を通して記録媒体搬送路332へ搬送される。また、装置本体310の右側には、手差しトレイ338が開閉自在に設けられ、この手差しトレイ338から挿入された記録媒体は装置本体310内の手差し給紙路339を通して記録媒体搬送路332へ搬送される。装置本体310の左側には、図示しない排紙トレイが着脱自在に取り付けられ、記録媒体搬送路332を通して排紙ローラ336により排出された記録媒体が排紙トレイへ収容される。
【0075】
この実施形態において、カラーコピーをとる時には、原稿台330上に原稿Gをセットし、図示しないスタートスイッチを押すと、複写動作が開始される。まず、画像読取装置329が原稿台30上の原稿Gの画像を色分解して読み取る。同時に、給紙装置350内の複数の給紙カセット351から給紙ローラ352で選択的に記録媒体が送り出され、この記録媒体は自動給紙路337、記録媒体搬送路332を通してレジストローラ333に突き当たって止まる。
【0076】
感光体312は、反時計方向に回転し、複数のローラ323のうちの駆動ローラの回転で中間転写ベルト324が時計方向へ回転する。感光体312は、回転に伴い、帯電器313により一様に帯電され、画像読取装置329から画像処理部を介してレーザ書込み装置318に加えられる1色目の画像信号で変調されたレーザ光がレーザ書込み装置318から照射されて静電潜像が形成される。
【0077】
この感光体312上の静電潜像は回転型現像装置314の1色目の現像器320Aにより現像されて1色目の画像となり、この感光体312上の1色目の画像は転写装置325により中間転写ベルト324に転写される。感光体312は、1色目の画像の転写後にクリーニング装置316でクリーニングされて残留トナーが除去され、除電器317で除電される。
【0078】
続いて、感光体312は、帯電器313により一様に帯電され、画像読取装置329から画像処理部を介してレーザ書込み装置318に加えられる2色目の画像信号で変調されたレーザ光がレーザ書込み装置318から照射されて静電潜像が形成される。この感光体312上の静電潜像は回転型現像装置314の2色目の現像器320Bにより現像されて2色目の画像となり、この感光体312上の2色目の画像は転写装置325により中間転写ベルト324上に1色目の画像と重ねて転写される。感光体312は、2色目の画像の転写後にクリーニング装置316でクリーニングされて残留トナーが除去され、除電器317で除電される。
【0079】
次に、感光体312は、帯電器313により一様に帯電され、画像読取装置329から画像処理部を介してレーザ書込み装置318に加えられる3色目の画像信号で変調されたレーザ光がレーザ書込み装置318から照射されて静電潜像が形成される。この感光体312上の静電潜像は回転型現像装置314の3色目の現像器320Cにより現像されて3色目の画像となり、この感光体312上の3色目の画像は転写装置325により中間転写ベルト324上に1色目の画像、2色目の画像と重ねて転写される。感光体312は、3色目の画像の転写後にクリーニング装置316でクリーニングされて残留トナーが除去され、除電器317で除電される。
【0080】
さらに、感光体312は、帯電器313により一様に帯電され、画像読取装置329から画像処理部を介してレーザ書込み装置318に加えられる4色目の画像信号で変調されたレーザ光がレーザ書込み装置318から照射されて静電潜像が形成される。この感光体312上の静電潜像は回転型現像装置314の4色目の現像器320Dにより現像されて4色目の画像となり、この感光体312上の4色目の画像が転写装置325により中間転写ベルト324上に1色目の画像、2色目の画像、3色目の画像と重ねて転写されることでフルカラー画像が形成される。感光体312は、4色目の画像の転写後にクリーニング装置316でクリーニングされて残留トナーが除去され、除電器317で除電される。
【0081】
そして、レジストローラ333がタイミングをとって回転して記録媒体が送り出され、この記録媒体は転写装置326により中間転写ベルト324上のフルカラー画像が転写される。この記録媒体は、搬送ベルト334で搬送されて定着装置335によりフルカラー画像が定着され、排紙ローラ336により排紙トレイへ排出される。また、中間転写ベルト324はフルカラー画像の転写後にクリーニング装置327でクリーニングされて残留トナーが除去される。
【0082】
以上4色重ね画像を形成する動作について説明したが、3色重ね画像を形成する場合には感光体312上に3つの異なる単色画像が同様に順次に形成されて中間転写ベルト324上に重ねて転写された後に記録媒体に一括して転写され、2色重ね画像を形成する場合には感光体312上に2つの異なる単色画像が同様に順次に形成されて中間転写ベルト324上に重ねて転写された後に記録媒体に一括して転写される。また、単色画像を形成する場合には、感光体312上に1つの単色画像が形成されて中間転写ベルト324上に転写された後に記録媒体に転写される。
このようなカラー複写機においては、像担持体312、324の回転精度が最終画像の品質に大きく影響し、より高精度な像担持体312、324の駆動が望まれる。
【0083】
そこで、この実施形態では、感光体ドラム312の回転駆動及び回転むら補正が上記実施形態の回転むら補正装置により行われる。同様に、中間転写ベルト324の回転駆動及び回転むら補正が上記実施形態と同様な回転むら補正装置により行われる。
したがって、この実施形態によれば、感光体ドラム312及び中間転写ベルト324の回転むらが補正され、画質を向上させることができる。
なお、本発明は、感光体ドラムなどの像担持体以外の回転体の回転むらを補正する場合にも適用することが可能である。
【0084】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、回転むら制御帯域を上げることができて十分な回転むら補正効果を得ることができ、環境変化や経時変化にも対応することができる回転むら補正装置及び、画質を向上させることができる画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】同実施形態の全体の処理の流れを示すフローチャートである。
【図3】同実施形態におけるモータn回転分の制御値データの例を示す図である。
【図4】同実施形態の制御値データにおける所定周波数のデータの例を示す図である。
【図5】同実施形態のデータf_ave(t’)の例を示す図である。
【図6】同実施形態の基準元データを逆位相としたものの例を示す図である。
【図7】同実施形態を説明するための図である。
【図8】同実施形態を説明するための図である。
【図9】同実施形態においてずれが無くレベル0のときの1回目の処理の場合における基準元データf0,f1、基準補正データf0_cmp(t’),f1_cmp(t’)の例を示す図である。
【図10】同実施形態においてずれが無くレベル0のときの2 回目以降の処理の場合における基準元データfi,fj、基準補正データfi’_cmp(t’),fj’_cmp(t’)の例を示す図である。
【図11】同実施形態においてずれ有りレベルSでレベル 0 のときの1回目の処理の場合における基準元データf0,f1、基準補正データf0_cmp(t’),f1_cmp(t’)の例を示す図である。
【図12】同実施形態においてずれ有りレベルSでレベル0のときの2 回目以降の処理の場合における基準元データfi,fj、基準補正データfi’_cmp(t’),fj’_cmp(t’)の例を示す図である。
【図13】同実施形態においてずれ有りレベルSでレベルLのときの1回目の処理の場合における基準元データf0,f1、基準補正データf0_cmp(t’),f1_cmp(t’)の例を示す図である。
【図14】同実施形態においてずれ有りレベルSでレベルLのときの2 回目以降の処理の場合における基準元データfi,fj、基準補正データfi’_cmp(t’),fj’_cmp(t’)の例を示す図である。
【図15】同実施形態においてずれ有りレベルSでレベルMのときの1回目の処理の場合における基準元データf0,f1、基準補正データf0_cmp(t’),f1_cmp(t’)の例を示す図である。
【図16】同実施形態においてずれ有りレベルSでレベルMのときの2 回目以降の処理の場合における基準元データfi,fj、基準補正データfi’_cmp(t’),fj’_cmp(t’)の例を示す図である。
【図17】同実施形態におけるX)の基準補正データの例を示す図である。
【図18】同実施形態におけるY)の基準補正データの例を示す図である。
【図19】同実施形態における制御部の構成を示すブロック図である。
【図20】同実施形態における駆動部の処理の流れを示すフローチャートである。
【図21】同実施形態における駆動部の改善率判別の流れを示すフローチャートである。
【図22】同実施形態における駆動方式の流れの例を示す図である。
【図23】同実施形態における駆動方式の流れの他の例を示す図である。
【図24】本発明の他の実施形態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 感光体ドラム
2 回転むら演算部
3 制御部
4 駆動部
5 メインモータ
6 ロータリ エンコーダ
7 変動補正用モータ
【発明の属する技術分野】
本発明は感光体ドラムなどの回転体の回転むらを補正する回転むら補正装置、及び複写機,プリンタ,ファクシミリ等の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置においては、感光体を回転させるモータ自体の回転速度変動、感光体の回転軸の偏心、感光体とモータとの間に介在されるギアの偏心やピッチ誤差などの影響により、感光体等に回転むらが発生し、この回転むらにより副走査方向の走査ラインのピッチムラが生じてこれがバンディングと呼ばれる縞状の濃度むらとなり、画質を劣化させるという問題があった。
【0003】
このような問題を解決するため、従来、画像形成装置では、一般的に、大重量のフライホイールを用いて感光体の回転むらを抑制していた。
また、特許文献1、特許文献2に記載されているように、ロータリーエンコーダを用いて感光体の回転を検出し、ロータリーエンコーダからの出力をフィードバックして感光体駆動用モータの回転を補正し、感光体の回転むらを制御する方法がある。
【0004】
【特許文献1】
特開平07−129034号
【特許文献2】
特開平07−281491号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
フライホイールを用いて感光体の回転むらを抑制する方法では、十分な回転むら抑制効果を得るためには、数十Kgもの大重量のフライホイールを用いる必要があり、装置の大型化、コスト高につながっていた。フライホイールをなくし、ロータリーエンコーダを用いて感光体の回転むらを補正する方法では、低周波域の周波数については回転むら補正効果が得られるが、高周波域の周波数については、感光体の回転むらをデジタル的に補正するデジタル制御システムでは、時間遅れ等が問題となるので、十分に回転むら制御帯域を上げることができず、十分な回転むら補正効果を得ることができない。
【0006】
また、高周波域の周波数に対して、あらかじめ、感光体の回転変動を打ち消すようなパターンをメモリに記憶させておき、そのパターンに基づき感光体の回転むらを補正する方法もあるが、温度変化等の環境変化や経時変化により感光体の回転変動パターンが変化すると、メモリに記憶された固定のパターンでは対応できないという問題がある。
【0007】
感光体の回転むらを抑制できないと、上述のようにバンディングと呼ばれる縞状の濃度むらが発生し、画質が劣化する。
本発明は、回転むら制御帯域を上げることができて十分な回転むら補正効果を得ることができ、環境変化や経時変化にも対応することができる回転むら補正装置及び、画質を向上させることができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、回転体を回転駆動するメインモータ及び変動補正用モータと、前記回転体の回転変動を検出する回転変動検出手段と、この回転変動検出手段の検出結果をもとに前記メインモータに対する前記制御指令値を決定する制御指令値決定手段と、前記制御指令値より所定周波数の振幅、位相を検出して前記制御指令値に対する補正量を決定する回転むら演算手段と、前記制御指令値より前記所定周波数の振幅、位相を検出して前記メインモータ、前記変動補正用モータを駆動する駆動手段とを備え、前記回転むら演算手段で決定した補正量を前記制御指令値に付加して前記回転体の回転制御を行うものである。
【0009】
請求項2に係る発明は、請求項1記載の回転むら補正装置において、前記回転むら演算手段は、所定の間隔毎に処理を行い、前記制御指令値について過去の所定周波数の振幅、位相と現在の所定周波数の振幅、位相を比較してその変化量を求め、この変化量に応じて前記制御指令値に対する補正量を決定し、前記駆動手段は前記変化量に応じて前記変動補正用モータの駆動の有無を決定するものである。
【0010】
請求項3に係る発明は、請求項1記載の回転むら補正装置において、前記回転むら演算手段は、所定の間隔毎に処理を行い、前記制御指令値について過去の所定周波数の振幅、位相と現在の所定周波数の振幅、位相を比較してその位相差が所定位相差よりある場合の頻度を求め、この頻度に応じて前記制御指令値に対する補正量を決定し、前記駆動手段は前記頻度に応じて前記変動補正用モータの駆動の有無を決定するものである。
【0011】
請求項4に係る発明は、請求項1記載の回転むら補正装置において、前記駆動手段は、前記回転体を駆動する過去の駆動方式と現在の駆動方式を比較し、その比較結果に応じて前記変動補正用モータの駆動の有無を決定するものである。
【0012】
請求項5に係る発明は、請求項2記載の回転むら補正装置において、前記回転むら演算手段は、所定の間隔毎に処理を行い、前記制御指令値について過去の所定周波数の振幅、位相と現在の所定周波数の振幅、位相を比較し、その振幅変動の頻度が所定の頻度よりある場合には前記駆動手段は前記所定周波数の所定振幅をもつ電流値にて前記変動補正用モータを駆動するものである。
【0013】
請求項6に係る発明は、請求項3記載の回転むら補正装置において、前記回転むら演算手段は、所定の間隔毎に処理を行い、前記制御指令値について過去の所定周波数の振幅、位相と現在の所定周波数の振幅、位相を比較し、その位相差が所定の位相差よりある場合の頻度が所定の頻度以上である場合には前記所定周波数の周辺部の所定振幅をもつ電流値にて前記変動補正用モータを駆動するものである。
【0014】
請求項7に係る発明は、回転体を有する画像形成装置において、前記回転体の回転むらを補正する装置として請求項1〜6のいずれか1つに記載の回転むら補正装置を備えたものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施形態の構成を示す。図1において、1は画像形成装置における像担持体としての感光体ドラム、2は感光体ドラム1の回転むらを演算してその補正量を決定する回転むら演算手段としての回転むら演算部、3はモータ5,7の回転制御を行うことにより感光体ドラム1の回転を制御する制御部、4は制御部3からの制御指令値に基づいてモータ5,7を駆動する駆動手段としての駆動部、5は感光体ドラム1を回転駆動するメインモータ、6はメインモータ5(感光体ドラム1)に連結されてメインモータ5の回転を検出することにより感光体ドラム1の回転を検出する回転検出器としての所定の分解能をもつロータリーエンコーダ、7は感光体ドラム1を回転駆動する変動補正用モータである。制御部3は回転変動検出手段であるロータリーエンコーダ6の検出結果をもとにメインモータ5に対する制御指令値を決定する制御指令値決定手段を構成している。
【0016】
まず、回転むら演算部2について説明する。
回転むら演算部2は、エンコーダ6から出力されたパルスをもとに、感光体ドラム1の回転むらを検出する演算処理を行い、その回転むらに応じた補正処理を行う。
図2は本実施形態の全体の処理の流れを示す。図2において、点線部分内のステップS4〜S8の処理をまとめて基準元データ作成処理と記す。
本実施形態は、画像形成装置の調整工程段階にて、事前に基準となる補正データを作成する。以下、この事前処理で作成する基準となる補正データを基準補正データと記す。基準補正データの作成は、図2のステップS4以降の流れと同じであるので、これを用いて説明する。
【0017】
エンコーダ6にて所定のホームポジションを設けておく。エンコーダ6は、モータ5が所定の角度回転する毎にパルス信号を出力するだけでなく、モータ5がホームポジションに位置したときにホームポジション信号を出力する。
回転むら演算部2は、ステップS4でエンコーダ6からホームポジション信号を受け取ると、ステップS5で補正データ作成用に、制御部6から出力される制御値データの取得を開始する。制御値データは、例えば、モータ5を駆動する際に制御部6から駆動部4に制御指令値として与える電流値に相当するデータである。回転むら演算部2は、制御部6からの制御値データの取得を所定の時間行ない、モータ5の複数(n)回転分の制御値データを取得する。図3はそのn回転分の制御値データの例を示す。
図3〜図5及び図7〜図18において、縦軸は電流値相当のデータiであり、横軸は時間(t)である。回転むら演算部2は、図2には明記していないが、モータ5の1回転毎に、モータ5がホームポジションに位置するかどうかを判別する。
【0018】
次に、回転むら演算部2は、ステップS6で、その取得した制御値データに FFT(高速フーリエ変換)を施して時間軸上のデータから周波数軸上のデータに変換し、ステップS7で、例えば、BPF(バンドパスフィルタ)処理などにより、感光体ドラム1の回転むらが問題となっている所定の周波数帯域及び、モータ5(感光体ドラム1)の1回転相当の周波数のデータを抽出する。ここで、所定の周波数帯域とは、主に、ゲイン交差周波数周辺部以降の高周波数帯域を指すが、高周波数帯域に限定するものではない。
【0019】
次に、回転むら演算部2は、ステップS8で、上記抽出した所定の周波数帯域のデータに対して逆FFTを施し、再度、時間軸上のデータに戻す。図4はその抽出した所定周波数のデータの例を示す。
回転むら演算部2は、上記事前処理のみに限定するが、感光体ドラム1の回転むらが問題となっている所定の周波数帯域の周辺部のいくつかの周波数についても同様の処理を行ない、そのいくつかの周波数について時間軸上のデータを得る。ここで、得られた各々の周波数のデータについて、振幅のPeak to Peakレベルが所定値以上である各々の周波数をf_env(fi) とする。
【0020】
回転むら演算部2は、感光体ドラム1の回転むらが問題となっている上記抽出した所定周波数のデータ(時間軸上のデータ)に対して以下の処理をステップS9で行う。
回転むら演算部2は、まず、モータ5(感光体ドラム1)のn回転分の上記抽出データ(時間軸上のデータ)をモータ5の各回転毎に区切り、この各回転毎のデータを平均処理して平均値を求める。
【0021】
すなわち、モータ5のm回転目の周波数データをfm(t’)とすると、その平均値 f_ave(t’)は、
f_ave(t’) = Σ fm(t’) /n ( m = 1 〜 n, t’ = 0 〜 T)
となる。ここで、Tは、モータ5の1回転分の時間である。図5は、そのf_ave(t’)の例を示す。以下、このデータを基準元データと記す。この基準元データそのものが基準補正データとなる。回転むら演算部2は、この基準補正データをROM等のメモリに登録して保持しておく。
この基準元データを逆位相としたものは、上記抽出した所定周波数のデータの変動におおよそ相当している。図6は、基準元データを逆位相としたものの例を示す。図6において、縦軸はデータの変動量、横軸が時間tである。
【0022】
同様に、回転むら演算部2は、上記抽出したモータ5の1回転相当の周波数のデータに対して以下の処理を行う。
回転むら演算部2は、上記抽出したモータ5の1回転相当の周波数のデータのn回転ぶんを各々の回転毎に区切り、その各回転毎のデータを平均処理する。
すなわち、m 回転目の周波数データを f1m(t’) とすると、その平均値f1_ave(t’)は、
f1_ave(t’) = Σ f1m(t’) /n ( m = 1 〜 n, t’ = 0 〜 T)
となる。ここで、T は、モータ5の 1 回転ぶんの時間である。以下、このデータf1_ave(t’)を基準1回転データと記す。
【0023】
図19は制御部3の構成を示す。制御部3は、制御対象11(駆動部4、モータ5及びエンコーダ6)に対して、上記基準補正データをフィードフォワードデータとして加味して(上記基準補正データをコントローラ12からの制御指令値に演算部13で加算して)フィードバック制御を行ない、モータ5の上記所定周波数帯域の回転むらを軽減させる。基準補正データをコントローラ12からの制御値データに加えることで、制御値データの所定周波数帯域の変動が打ち消される形となるので、制御値データの振幅が抑制され、モータ5の回転むらが軽減する。もちろん、低周波域の周波数についても、上記制御によりモータ5の回転むらを低減する効果が得られる。なお、基準補正データは、モータ5の所定のホームポジションより制御値データに加味される。コントローラ12への入力は、演算部14で求めた制御対象11からの出力、すなわち、エンコーダ6からの各角度に相当する出力値と目標値との差分である。コントローラ12からの出力は電流値に相当のものとなる。
【0024】
また、回転むら演算部2は、高周波域の周波数に対して、あらかじめ、基準補正データをメモリに記憶させておくが、経時変化等がなく、常時、モータ5の回転データの再現性が得られる場合には、この基準補正データを一定にしても構わないが、本実施形態では、温度変化等の環境変化や経時変化などがあった場合にも対応できるようにしている。
【0025】
本実施形態について図2に示す流れに沿い説明する。制御部3は、最初にステップS1で、調整モードの判別を行う。ここで、調整モードは、例えば、画像形成装置の起動直後に、各種調整などを行うモードを意味する。調整モードでないのは、調整モード終了後の通常の状態を意味する。
制御部3は、調整モードでない場合には、以下の処理を所定の間隔tc毎に行う。
【0026】
制御部3は、まずステップS10で基準補正データを上記メモリから読み出して演算部13へ加え、制御値データに対する基準補正データの付加を行う。回転むら演算部2は、ステップS11で上記ステップS4〜S9と同様の処理を行って基準元データを作成する。
【0027】
次に、回転むら演算部2は、ステップS12でレベルチェック処理を行う。以下、このレベルチェック処理について説明する。
レベルチェック処理にてj 回目のレベルチェック処理で得られた基準元データを fj と記す。ここに、j ≧ 1であり、j−1 回目のレベルチェック処理で得られた基準元データはfiと記す。0回目の処理は、画像形成装置の調整工程段階の事前処理に相当する。回転むら演算部2は、レベルチェック処理で得られた基準元データfiにおけるモータ5の1 回転分周期のデータの積分値を fi_s、基準元データ fj におけるモータ5の1 回転分周期のデータの積分値を fj_s とし、これらを比較する。なお、fi_s、fj_s を得る方法は、積分に限定するものではない。例えば、簡略的に、fi , fj にて、各々、振幅の Peak to Peak を fi_s、fj_s としても所定の精度が得られるならば、これで構わない。回転むら演算部2は、以下のA) 〜 D)のように基準元データの振幅を判定する。
【0028】
fs_thrd_h < fj_s/fi_sのときは、基準元データの振幅が所定のレベルより増幅している状態で、レベル H と記す。ここで、fs_thrd_h > 1 とする。 ... A)
fs_thrd_l < fj_s/fi_s < 1のときは、基準元データの振幅が所定のレベルより減衰している状態で、レベル L と記す。ここで、fs_thrd_l < 1 とする。... B)
fs_thrd_l2 < fj_s/fi_s < fs_thrd_lのときは、基準元データの振幅が所定のレベルより減衰している状態で、レベル0と記す。または、fj_s が所定量 fj_thrd 以下のときは、基準元データの振幅が所定のレベルより減衰している状態で、レベル0と記す。ここで、fs_thrd_l2 < fs_thrd_l < 1 とする。... C)
A),B),C) 以外のときは、基準元データの振幅の変動がみられない状態で、レベル M と記す。... D)
回転むら演算部2は、A) 〜 D)について、振幅の比率 fj_s/fi_s を up_rate とする。
【0029】
回転むら演算部2は、基準1回転データに対しても同様の処理を行う。
回転むら演算部2は、j 回目のレベルチェック処理で得られた基準1回転データを f1j と記す。ここに、j ≧ 1であり、j−1 回目のレベルチェック処理で得られた基準1回転データはf1iと記す。0回目の処理は、画像形成装置の調整工程段階の事前処理に相当する。回転むら演算部2は、レベルチェック処理で得られた基準1回転データf1iにおけるモータ5の1 回転分周期のデータの積分値を f1i_s、基準1回転データ f1j におけるモータ5の1 回転分周期のデータの積分値を f1j_s とし、これらを比較する。なお、f1i_s、f1j_s を得る方法は、積分に限定するものではない。例えば、簡略的に、f1i , f1j にて、各々、振幅の Peak to Peak を f1i_s、f1j_s としても所定の精度が得られるならば、これで構わない。
【0030】
回転むら演算部2は、以下のE)、F)のように基準1回転データの振幅を判定する。
f1s_thrd_h < f1j_s/f1i_sのときは、基準1回転データの振幅が所定のレベルより増幅している状態で、レベル H1 と記す。ここで、f1s_thrd_h > 1 とする。 ... E)
f1s_thrd_l < f1j_s/f1i_s < 1のときは、基準1回転データの振幅が所定のレベルより減衰している状態で、レベル L1 と記す。ここで、f1s_thrd_l < 1 とする。... F)
E),F)以外のときは、基準1回転データの振幅の変動がみられない状態で、レベル M1 と記す。
【0031】
次に、回転むら演算部2は、ステップS13のずれチェックを行う。以下、このずれチェックについて説明する。
回転むら演算部2は、上記基準元データfi、fj について、Tp周期分毎に区切り、各周期毎の基準元データに対して平均処理を行う。すなわち、p周期目の周波数データ(基準元データ)をfi_p(t2’)、fj_p(t2’) とすると、各周期毎の基準元データの平均値fi_ave(t2’)、fj_ave(t2’)を
fi_ave(t2’) = Σ fi_p(t2’) /Tp ( p = 1 〜 Tp, t2’ = 0 〜 TA)
fj_ave(t2’) = Σ fj_p(t2’) /Tp ( p = 1 〜 Tp, t2’ = 0 〜 TA)
なる演算で求める。ここで、TAは、1周期である。
【0032】
回転むら演算部2は、fi_ave(t2’) にて、振幅が最大となる時間 max_tと最小になる時間 min_tを求め、max_tとmin_tを直線で結んで、この直線がfi_ave(t2’)の平均値に対して交差する時間 cross_ti を算出する。max_tとmin_tを結んぶ直線の傾きはm_angとする。図7はその例を示す。回転むら演算部2は、
m_ang < 0 のときには、
cross_ti = cross_ti − TA/2
m_ang > 0 かつ cross_ti > TA/2 のときには、
cross_ti = cross_ti − TA
m_ang > 0 かつ cross_ti ≦ TA/2 のときには、
cross_ti = cross_ti
とする。
【0033】
回転むら演算部2は、同様に、fj_ave(t2’) にて、cross_tj を算出し、図8はその例を示す。回転むら演算部2は、cross_ti と cross_tjの各々の絶対値の差をcross _diffとし、
cross_diff = |cross_ti| − |cross_tj|
とする。
【0034】
回転むら演算部2は、cross _diffの絶対値の比較を行なってcross_ti と cross_tjのずれの程度を判別し、
|cross_diff| > cross_thrd
のときはずれ有りでレベル Iとし、
cross_thrd > |cross_diff| > cross_thrd2
のときはずれ有りでレベル Sとし、そうでないときはずれ無しとする。
【0035】
ここで、cross_thrd , cross_thrd2 は、所定のしきい値で、
0 < cross_thrd < TA/2 、 0 < cross_thrd2 < cross_thrd
である。ずれ有りレベルIは、fi_ave(t2’)、fj_ave(t2’)の位相がほぼ1/2周期近くずれている場合を想定している。
さらに、回転むら演算部2は、j回目の処理以前にて、過去mm回の処理の以前のずれチェックにて、ずれ有りレベルI、または、ずれ有りレベルSと判断した回数が所定の回数以上の場合には、所定頻度のずれ有りとする。... G)
上記の場合は、回転むら演算部2がずれのチェックをソフトウェア的に簡略的に行なった例であるが、ずれのチェックは、これに限定されるものではなく、例えばPLL(Phase Locked Loop)制御で用いられる位相比較器などを使用しても構わない。
【0036】
次に、回転むら演算部2はステップS14の補正処理を行う。以下、この補正処理について説明する。
j−1回目の処理でj−2 回目以前の基準補正データも加味されて決定される基準補正データはfi_cmp(t’)と記す。j−1回目の処理で基準元データfiに相当する基準補正データはfi’_cmp(t’)と記す。j回目の処理で基準元データfjに相当する基準補正データはfj’_cmp(t’)と記す。0回目の画像形成装置の調整工程段階の事前処理で求められた基準補正データはf0_cmp(t’)と記す。
【0037】
回転むら演算部2は、上記ずれが無い場合においては、上記レベル0のときには、基準補正データを用いて制御値データの補正を行うことにより、制御値データの振幅が所定量抑制されたので、制御値データの追加補正は行なわず、基準補正データの再作成も行なわない。基準補正データの再作成については、後述する。
回転むら演算部2は、上記ずれが無い場合においては、上記レベル L,M,H のときには、基準補正データを用いて制御値データの補正を行なったが、補正の効果が少ないので、制御値データの補正量を追加し、基準補正データの再作成を行う。
【0038】
回転むら演算部2は、上記レベルL,H,Mのときには、基準補正データを以下のように更新する。
回転むら演算部2は、1回目の処理の場合には、
f1_cmp(t’) = f0_cmp(t’) + f0_cmp(t’) × up_rate × adj_cof1
とし、2 回目以降の処理の場合には、
fj_cmp(t’) = fi_cmp(t’) + j_cmp
j_cmp = fi’_cmp(t’) × up_rate × adj_cof1 ... P1)
または
j_cmp = fj’_cmp(t’) ... Q1)
とする。ここで、adj_cof1 は所定の微調のための係数である。fj_cmp(t’)が新たな基準補正データとなる。このfj_cmp(t’)は、補正の効果が少ないので、さらに補正量を加算している。図9及び図10は、各々1回目の処理の場合における基準元データf0,f1、基準補正データf0_cmp(t’),f1_cmp(t’)の例、2 回目以降の処理の場合における基準元データfi,fj、基準補正データfi’_cmp(t’),fj’_cmp(t’)の例を示す。
【0039】
回転むら演算部2は、ずれ有りレベルSにおいて、上記レベル 0 のときには、基準補正データを用いて制御値データの補正を行うことにより、制御値データの振幅が所定量抑制されたので、制御値データの追加補正は行なわず、基準補正データの再作成も行なわない。
【0040】
回転むら演算部2は、ずれ有りレベルSにおいて、上記レベルHのときには、基準補正データを以下のように更新する。
回転むら演算部2は、1回目の処理の場合には、
f1_cmp(t’) = −(f0_cmp(t’) × up_rate × adj_cof2 − f0_cmp(t’))
とし、2 回目以降の処理の場合には、
fj_cmp(t’) = fi_cmp(t’) + j_cmp
j_cmp = − (fi’_cmp(t’) × up_rate × adj_cof2) ... P2)
または
j_cmp = fj’_cmp(t’) ... Q2)
とする。
【0041】
ここで、adj_cof2は所定の微調のための係数である。fj_cmp(t’)が新たな基準補正データとなる。このfj_cmp(t’)は、補正量を減算している。図11及び図12は、各々、1 回目の処理の場合における基準元データf0,f1、基準補正データf0_cmp(t’),f1_cmp(t’)の例、2 回目以降の処理の場合における基準元データfi,fj、基準補正データfi’_cmp(t’),fj’_cmp(t’)の例を示す。
【0042】
回転むら演算部2は、ずれ有りレベルSにおいて、上記レベルLのときには、基準補正データを以下のように更新する。
回転むら演算部2は、1回目の処理の場合には、
f1_cmp(t’) = f0_cmp(t’) − f0_cmp(t’) × up_rate × adj_cof3
とし、2回目以降の処理の場合には、
fj_cmp(t’) = fi_cmp(t’) + j_cmp
j_cmp = −(fi’_cmp(t’) × up_rate × adj_cof3) ... P3)
または
j_cmp = fj’_cmp(t’) ... Q3)
とする。
【0043】
ここで、adj_cof3は所定の微調のための係数である。fj_cmp(t’)が新たな基準補正データとなる。図13及び図14は、各々、1 回目の処理の場合における基準元データf0,f1、基準補正データf0_cmp(t’),f1_cmp(t’)の例、2 回目以降の処理の場合における基準元データfi,fj、基準補正データfi’_cmp(t’),fj’_cmp(t’)の例を示す。
【0044】
回転むら演算部2は、ずれ有りレベルSにおいて、上記レベルMのときには、基準補正データを以下のように更新する。
回転むら演算部2は、1回目の処理の場合には、
f1_cmp(t’) = f0_cmp(t’) − f0_cmp(t’) × up_rate × adj_cof4
とし、2回目以降の処理の場合には、
fj_cmp(t’) = fi_cmp(t’) + j_cmp
j_cmp = −(fi’_cmp(t’) × up_rate × adj_cof4) ... P4)
または
j_cmp = fj’_cmp(t’) Q4)
とする。
【0045】
ここで、adj_cof4 は所定の微調のための係数である。fj_cmp(t’)が新たな基準補正データとなる。このfj_cmp(t’)は、補正しすぎのため、補正量を減算している。図15及び図16は、1回目の処理の場合における基準元データf0,f1、基準補正データf0_cmp(t’),f1_cmp(t’)の例、2 回目以降の処理の場合における基準元データfi,fj、基準補正データfi’_cmp(t’),fj’_cmp(t’)の例を示す。
【0046】
上記j_cmpについては、P1) 〜 P4)は過去の情報をもとにしたものであり、Q1)〜 Q4)は現在の情報をもとにしたものである。これらの選択については、どちらを用いた場合に変動が少ないか、統計をとるなりして事前に求めて、どちらか一方を選択するか、あるいは、動作中に、変動が大きいときは、随時切り替えられるようにしてもよい。回転むら演算部2は、上記レベル L,M,Hのときには、基準補正データの再作成を行う。
【0047】
次に、回転むら演算部2は、ずれ有りレベルIにおいて、上記レベル0のときには、基準補正データを用いて制御値データの補正を行うことにより、制御値データの振幅が所定量抑制されたので、制御値データの追加補正は行なわず、基準補正データの再作成も行なわない。
【0048】
回転むら演算部2は、ずれ有りレベルIにおいて、上記レベル H,M,Lのときには、上記所定頻度ずれありとされた場合は、基準補正データを以下のように更新する。
fi_cmp(t’)を時間を無限にして正弦波で表したものをf_sin(2π×f×t)とする。回転むら演算部2は、f_sin(2π×f×t)の周辺の所定範囲について、以下の周波数相当の基準補正データを得る。
A(i) × f_sin(2π× (f + df × i)t) (i = 1 〜 ) ... X)
B(i) × f_sin(2π× (f − df × i)t) (i = 1 〜 ) ... Y)
A(i), B(i)は、所定の係数で、回転むらが問題となっている所定の周波数帯域でのバンディングが目立ちにくいレベルとなるような係数が各々設定される。dfは、所定幅の周波数である。ここで、上記f_env(fi) の周波数については、この処理は行なわない。図17及び図18は、各々、X)、Y)の基準補正データの例を示す。
【0049】
上記所定頻度ずれありとされた場合は、制御値データの位相のずれが頻繁にあり、補正効果が望めないので、回転むらが問題となっている所定の周波数帯域の周辺部の周波数に回転むらがなく、上記周波数帯域のみの回転むらが目立だっている場合は、逆に、上記周辺部の周波数に相応の回転むらを与えることで、単一周期のバンディングは視覚上目立ちにくくなるので、擬似的なバンディング軽減効果が得られる。回転むら演算部2は、ずれ有りレベルIでは、基準補正データの再作成を行う。
【0050】
以上、調整モードでない場合の処理の流れを示したが、ここで、j回目の処理以前にて、過去nn回、以前のレベルチェックにてレベル0と判断され、かつ、ずれチェックにてずれ無しと判断された回数が所定の回数を越えている場合には制御値データの位相、振幅のずれがなく安定しているので、制御部3が上記所定の間隔tcをtc2に変更し、そうでない場合には上記所定の間隔 tc とする。ここに、tc2 >tcである。
【0051】
次に調整モードである場合について説明する。回転むら演算部2は、ステップS1で調整モードであるか否かを判断し、調整モードではステップS2で演算部13に基準補正データを加えないようにし、ステップS3にて、上記の処理で基準補正データの再作成を行うと判断されたか否かをチェックする。回転むら演算部2は、上記の処理にて基準補正データの再作成を行うと判断された場合には、基準補正データを再作成する。基準補正データの再作成の流れは、上述した図2のステップS4〜S9と同様である。回転むら演算部2は、再作成した基準補正データをメモリに登録し、基準補正データを再作成したものに更新する。
【0052】
回転むら演算部2は、上記の処理にて基準補正データの再作成を行なわないと判断された場合には、現在の補正が効果的と判断されているので、基準補正データの再作成は行なわない。
なお、上記の例は、調整モードを起動時に行う場合であるが、起動時以外に調整モードを行うようなシステムでは、例えば、基準補正データの再作成を行うと判断された場合に調整モードにしてもよい。
制御部3は、上記の補正がされた制御信号(演算部13の出力信号)を制御値データとして発生して駆動部4へ出力し、駆動部4はその制御信号に基づきメインモータ5、変動補正用モータ7を駆動することで、感光体ドラム1の回転制御を行う。
【0053】
次に、駆動部4について説明する。図20は駆動部4の処理の流れを示す。 図20において、kk は、現在の調整モードの回数とする。駆動部4は、ステップS20で調整モードでの処理(kk)が2回目以上かどうか判別する 。駆動部4は、kkが2回目以上でない、すなわち、調整モードが初回のときは、感光体ドラム1を駆動する方式を駆動方式 M1 とする。駆動方式 M1 は、駆動部4がメインモータ5のみを駆動して感光体ドラム1を駆動する方式である。
【0054】
駆動部4は、kkが2回目以上のときには、ステップS21に進んで調整モードであるか否かを判別する。駆動部4は、現段階が調整モードでない場合には、現調整モードで決定された駆動方式でメインモータ5のみ、またはメインモータ5及び変動補正用モータ7を駆動する。駆動部4は、現段階が調整モードの場合には、ステップS22でkk−1回目の調整モードでの駆動方式が駆動方式M1であるかどうかを判別する。駆動部4は、kk−1回目調整モードでの駆動方式が駆動方式M1の場合には、ステップS23の負荷変動判別ルーチンへ進む。
【0055】
以下、負荷変動判別ルーチンについて説明する。
各調整モード間にて、図2におけるステップS12のレベルチェックを行なった回数をL_NUMとする。各回のレベルチェック間にて、前記レベルL1からレベルH1、または、レベルH1からレベルL1になった回数をfl_numとする。駆動部4は、
fl_num/L_NUM > fl_num_thrd
のときは、”負荷変動あり”とし、そうでないときは、”負荷変動なし” とする。ここに、fl_num_thrdは所定のしきい値である。
【0056】
駆動部4は、負荷変動ありのときには、ステップS24の駆動方式 M2−1処理に進む。
以下、駆動方式 M2−1処理について説明する。駆動方式 M2−1処理においては、駆動部4は、メインモータ5の駆動と併せて、所定係数を掛けた基準1回転データに所定周波数の基準元データを加えたものを電流値相当として変動補正用モータ7に与えて変動補正用モータ7も駆動する。
【0057】
すなわち、駆動部4は、上記した基準1 回転データf1_ave(t’)、基準元データ f_ave(t’)(t’ = 0 〜 T)より次の駆動電流相当のfM2_ave(t’)を得る。
fM2_ave(t’) = (f1_ave(t’)×f1_asist_thrd + f_ave(t’))× m_coff (t’ = 0〜 T)
ここで、T はモータ5,7の 1 回転分の時間、f1_asist_thrdは所定係数(f1_asist_thrd < 1)、m_coff はメインモータ5と変動補正用モータ7との電流値変換のための係数である。駆動部4は、メインモータ5がホームポジションに位置してエンコーダ6からのホームポジション信号を受け取るホームポジション検出時より fM2_ave(t’) を連続的に変動補正用モータ7に与えて変動補正用モータ7を駆動する。
【0058】
駆動部4は、負荷変動なしのときには、ステップS25のレベルずれ判定処理へ進む。このレベルずれ判定処理は、上記 G) の結果に従う。駆動部4は、上記 G)で所定頻度ずれありと判定された場合には、ステップS26の駆動方式 M2−2 処理へ進み、上記 G)で 所定頻度ずれありと判定されない場合には、駆動方式 M1 とする。
【0059】
以下、駆動方式 M2−2 処理について説明する。この駆動方式 M2−2処理では、駆動部4は、メインモータ5の駆動と併せて、上記 X)、Y)の基準補正データに相当する電流値を変動補正用モータ7に与えて変動補正用モータ7も駆動する。この場合、上記 X)または、Y)にて、係数 A(i)、B(i) の代りに、以下のようにA2(i)、B2(i)を用いる。
A2(i) × f_sin(2π× (f + df × i)t) (i = 1 〜 ) ... X2)
B2(i) × f_sin(2π× (f − df × i)t) (i = 1 〜 ) ... Y2)
ここでは、駆動部4は、X2)、Y2)を加算した値に相当する電流値、すなわち、
(A2(i) × f_sin(2π× (f + df × i)t) + B2(i) × f_sin(2π× (f − df × i)t) )× m_coff
に相当する電流値をホームポジション検出時より変動補正用モータ7に与えて変動補正用モータ7を駆動する。
【0060】
A2(i), B2(i) は、所定の係数で、回転むらが問題となっている所定の周波数帯域でのバンディングが目立ちにくいレベルとなるような係数が各々設定される。df は、所定幅の周波数、m_coff は同上である。ここで、上記 f_env(fi) の周波数については、駆動方式 M2−2 処理は行なわない。 以上が、kk−1 回目調整モードでの駆動方式が駆動方式 M1 である場合についての説明である。
【0061】
次に、kk−1 回目調整モードでの駆動方式が駆動方式 M1 でない場合について説明する。
kk−1 回目調整モードでの駆動方式が駆動方式 M1 でない場合には、駆動部4は、ステップS22からステップS27 の改善率判別へ進む。以下、改善率判別について説明する。図20における駆動方式 M2−1 処理、駆動方式 M2−2 処理での駆動方式をまとめて駆動方式 M2 と記す。図21は改善率判別の流れを示す。
【0062】
駆動部4は、ステップS30で、kk−2 回目の調整モードで決定した駆動方式が駆動方式 M1であるかどうかの判別を行う。駆動部4は、kk−2 回目の調整モードで決定した駆動方式が駆動方式 M1である場合には、ステップS31で駆動方式 M2 が駆動方式 M1 より改善されたかどうかの判別を行う。すなわち、駆動部4は、kk−2 回目の調整モードで決定した駆動方式 M1 での結果とkk−1 回目の調整モードで決定した駆動方式 M2 での結果を比較する。以下、この点について説明する。
【0063】
kk−2 回、kk−1 回の調整モード間にて、図2におけるステップS12のレベルチェックにて、レベルチェックを行なった回数をcheck_num(kk−2)、上記レベル M 、または、レベル0 に判別された回数を stbl_co(kk−2) とする。また、kk−1 回、kk 回の調整モード間にて、図2におけるステップS12のレベルチェックにて、レベルチェックを行なった回数を check_num(kk−1)、上記レベル M 、または、レベル0 に判別された回数を stbl_co(kk−1) とする。
【0064】
駆動部4は、
stbl_co(kk−1)/check_num(kk−1) > stbl_co(kk−2)×stbl_thrd1/check_num(kk−2)
を満たすときに上記改善ありと判定し、そうでないときに上記改善なしと判定する。ここで、stbl_thrd1は所定のしきい値で、stbl_thrd1 >1 である。図22は駆動方式の流れの例を示す。図22中の駆動判定は、図20中で行なわれる駆動方式に関する判定全般を意味する。
【0065】
駆動部4は、ステップS30 にて、駆動方式が駆動方式 M1 でないと判別された場合には、ステップS32 で駆動方式 M2 が改善されたかどうかの判別を行なう。すなわち、kk−2 回目の調整モードで決定した駆動方式 M2 での結果とkk−1 回目の調整モードで決定した駆動方式 M2 での結果を比較する。以下、この点について説明する。
【0066】
駆動部4は、
stbl_co(kk−1)/check_num(kk−1) < stbl_co(kk−2)×stbl_thrd2/check_num(kk−2)
を満たすときには上記改善ありと判定し、そうでないときには上記改善ありと判定する。ここで、stbl_thrd2 は所定のしきい値で、stbl_thrd2 < 1 である。 stbl_co(kk−1)、check_num(kk−1)、stbl_co(kk−2)、check_num(kk−2) は同上である。
【0067】
図23は駆動方式の流れの例を示す。図23中の駆動判定は、図20中で行なわれる駆動方式に関する判定全般を意味する。駆動部4は、改善率ありと判定した場合には、これまでと同じ駆動方式で、随意、判定により決定された駆動方式 M2−1 または、駆動方式 M2−2 を続行する。また、駆動部4は、改善率なしと判定した場合には、駆動方式 M1 とする。
【0068】
以上のように、駆動部4は、状態の変化に応じて、駆動方式を随時、切り替えることで、適宜、感光体ドラム1の回転制御を行なう。また、駆動方式 M1 で十分な状態のときは、もう一方のモータ7の駆動を行なわないので、消費電力の削減にもつながる。
【0069】
以上説明したように、本実施形態においては、以下の効果がある。
回転むら制御帯域を十分にとれないような高周波域の所定周波数に対しても、あらかじめ、感光体ドラム1の回転変動を打ち消すような補正量を制御値データに加え、状態に応じて変動補正用モータ7を駆動することで、メインモータ5の負荷を軽減させ、より回転むら低減効果を得ることが可能となる。また、上記補正量は固定値ではなく、所定の間隔毎に所定周波数の振幅、位相を検出し、過去の所定周波数の振幅、位相と現在の所定周波数の振幅、位相とを比較してその変化量を求め、この変か量に応じて上記補正量を決定するので、温度変化等の環境変化や経時変化などがあった場合にも対応でき、適切に、感光体ドラムの回転むらを補正することが可能となる。また、大重量のフライホイールは不要になるという面でも有効である。
【0070】
図24は本発明の他の実施形態を示す。この実施形態は、カラー複写機からなる画像形成装置である。図24において、310は本実施形態の装置本体である。この装置本体310は、その外装ケース311内の中央よりもやや右寄りに、像担持体としてのドラム状の感光体(感光体ドラム)312を備えている。感光体312の周りには、その上に設置されている帯電器313から矢示の回転方向(反時計方向)へ順に、現像手段としての回転型現像装置314、中間転写ユニット315、クリーニング装置316、除電器317などが配置されている。
【0071】
これらの帯電器313、回転型現像装置314、クリーニング装置316、除電器317の上には、露光手段としての光書込み装置、例えばレーザ書込み装置318が設置される。回転型現像装置314は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナーをそれぞれ収納した、現像ローラ321を有する現像器320A、320B、320C、320Dを備え、中心軸まわりに回動して各色の現像器320A、320B、320C、320Dを選択的に感光体312の外周に対向する現像角変位の位置へ移動させる。
【0072】
中間転写ユニット315は複数のローラ323に像担持体としての無端状の中間転写体、例えば中間転写ベルト324が掛け渡され、この中間転写ベルト324は感光体312に当接される。中間転写ベルト324の内側には転写装置325が設置され、中間転写ベルト324の外側には転写装置326及びクリーニング装置327が設置されている。クリーニング装置327は中間転写ベルト324に対して接離自在に設けられる。
【0073】
レーザ書込み装置318は、画像読取装置329から図示しない画像処理部を介して各色の画像信号が入力され、この各色の画像信号により順次に変調されたレーザ光Lを一様帯電状態の感光体312に照射して感光体312を露光することで感光体312上に静電潜像を形成する。画像読取装置329は装置本体310の上面に設けられている原稿台330上にセットされた原稿Gの画像を色分解して読み取り、電気的な画像信号に変換する。記録媒体搬送路332は右から左へ用紙等の記録媒体を搬送する。記録媒体搬送路332には、中間転写ユニット315及び転写装置326より手前にレジストローラ333が設置され、中間転写ユニット315及び転写装置326より下流側に搬送ベルト334、定着装置335、排紙ローラ336が配置されている。
【0074】
装置本体310は給紙装置350上に載置される。給紙装置350内には、複数の給紙カセット351が多段に設けられ、複数の給紙ローラ352のいずれか1つが選択的に駆動されて給紙カセット351のいずれか1つから記録媒体が送り出される。この記録媒体は装置本体310内の自動給紙路337を通して記録媒体搬送路332へ搬送される。また、装置本体310の右側には、手差しトレイ338が開閉自在に設けられ、この手差しトレイ338から挿入された記録媒体は装置本体310内の手差し給紙路339を通して記録媒体搬送路332へ搬送される。装置本体310の左側には、図示しない排紙トレイが着脱自在に取り付けられ、記録媒体搬送路332を通して排紙ローラ336により排出された記録媒体が排紙トレイへ収容される。
【0075】
この実施形態において、カラーコピーをとる時には、原稿台330上に原稿Gをセットし、図示しないスタートスイッチを押すと、複写動作が開始される。まず、画像読取装置329が原稿台30上の原稿Gの画像を色分解して読み取る。同時に、給紙装置350内の複数の給紙カセット351から給紙ローラ352で選択的に記録媒体が送り出され、この記録媒体は自動給紙路337、記録媒体搬送路332を通してレジストローラ333に突き当たって止まる。
【0076】
感光体312は、反時計方向に回転し、複数のローラ323のうちの駆動ローラの回転で中間転写ベルト324が時計方向へ回転する。感光体312は、回転に伴い、帯電器313により一様に帯電され、画像読取装置329から画像処理部を介してレーザ書込み装置318に加えられる1色目の画像信号で変調されたレーザ光がレーザ書込み装置318から照射されて静電潜像が形成される。
【0077】
この感光体312上の静電潜像は回転型現像装置314の1色目の現像器320Aにより現像されて1色目の画像となり、この感光体312上の1色目の画像は転写装置325により中間転写ベルト324に転写される。感光体312は、1色目の画像の転写後にクリーニング装置316でクリーニングされて残留トナーが除去され、除電器317で除電される。
【0078】
続いて、感光体312は、帯電器313により一様に帯電され、画像読取装置329から画像処理部を介してレーザ書込み装置318に加えられる2色目の画像信号で変調されたレーザ光がレーザ書込み装置318から照射されて静電潜像が形成される。この感光体312上の静電潜像は回転型現像装置314の2色目の現像器320Bにより現像されて2色目の画像となり、この感光体312上の2色目の画像は転写装置325により中間転写ベルト324上に1色目の画像と重ねて転写される。感光体312は、2色目の画像の転写後にクリーニング装置316でクリーニングされて残留トナーが除去され、除電器317で除電される。
【0079】
次に、感光体312は、帯電器313により一様に帯電され、画像読取装置329から画像処理部を介してレーザ書込み装置318に加えられる3色目の画像信号で変調されたレーザ光がレーザ書込み装置318から照射されて静電潜像が形成される。この感光体312上の静電潜像は回転型現像装置314の3色目の現像器320Cにより現像されて3色目の画像となり、この感光体312上の3色目の画像は転写装置325により中間転写ベルト324上に1色目の画像、2色目の画像と重ねて転写される。感光体312は、3色目の画像の転写後にクリーニング装置316でクリーニングされて残留トナーが除去され、除電器317で除電される。
【0080】
さらに、感光体312は、帯電器313により一様に帯電され、画像読取装置329から画像処理部を介してレーザ書込み装置318に加えられる4色目の画像信号で変調されたレーザ光がレーザ書込み装置318から照射されて静電潜像が形成される。この感光体312上の静電潜像は回転型現像装置314の4色目の現像器320Dにより現像されて4色目の画像となり、この感光体312上の4色目の画像が転写装置325により中間転写ベルト324上に1色目の画像、2色目の画像、3色目の画像と重ねて転写されることでフルカラー画像が形成される。感光体312は、4色目の画像の転写後にクリーニング装置316でクリーニングされて残留トナーが除去され、除電器317で除電される。
【0081】
そして、レジストローラ333がタイミングをとって回転して記録媒体が送り出され、この記録媒体は転写装置326により中間転写ベルト324上のフルカラー画像が転写される。この記録媒体は、搬送ベルト334で搬送されて定着装置335によりフルカラー画像が定着され、排紙ローラ336により排紙トレイへ排出される。また、中間転写ベルト324はフルカラー画像の転写後にクリーニング装置327でクリーニングされて残留トナーが除去される。
【0082】
以上4色重ね画像を形成する動作について説明したが、3色重ね画像を形成する場合には感光体312上に3つの異なる単色画像が同様に順次に形成されて中間転写ベルト324上に重ねて転写された後に記録媒体に一括して転写され、2色重ね画像を形成する場合には感光体312上に2つの異なる単色画像が同様に順次に形成されて中間転写ベルト324上に重ねて転写された後に記録媒体に一括して転写される。また、単色画像を形成する場合には、感光体312上に1つの単色画像が形成されて中間転写ベルト324上に転写された後に記録媒体に転写される。
このようなカラー複写機においては、像担持体312、324の回転精度が最終画像の品質に大きく影響し、より高精度な像担持体312、324の駆動が望まれる。
【0083】
そこで、この実施形態では、感光体ドラム312の回転駆動及び回転むら補正が上記実施形態の回転むら補正装置により行われる。同様に、中間転写ベルト324の回転駆動及び回転むら補正が上記実施形態と同様な回転むら補正装置により行われる。
したがって、この実施形態によれば、感光体ドラム312及び中間転写ベルト324の回転むらが補正され、画質を向上させることができる。
なお、本発明は、感光体ドラムなどの像担持体以外の回転体の回転むらを補正する場合にも適用することが可能である。
【0084】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、回転むら制御帯域を上げることができて十分な回転むら補正効果を得ることができ、環境変化や経時変化にも対応することができる回転むら補正装置及び、画質を向上させることができる画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】同実施形態の全体の処理の流れを示すフローチャートである。
【図3】同実施形態におけるモータn回転分の制御値データの例を示す図である。
【図4】同実施形態の制御値データにおける所定周波数のデータの例を示す図である。
【図5】同実施形態のデータf_ave(t’)の例を示す図である。
【図6】同実施形態の基準元データを逆位相としたものの例を示す図である。
【図7】同実施形態を説明するための図である。
【図8】同実施形態を説明するための図である。
【図9】同実施形態においてずれが無くレベル0のときの1回目の処理の場合における基準元データf0,f1、基準補正データf0_cmp(t’),f1_cmp(t’)の例を示す図である。
【図10】同実施形態においてずれが無くレベル0のときの2 回目以降の処理の場合における基準元データfi,fj、基準補正データfi’_cmp(t’),fj’_cmp(t’)の例を示す図である。
【図11】同実施形態においてずれ有りレベルSでレベル 0 のときの1回目の処理の場合における基準元データf0,f1、基準補正データf0_cmp(t’),f1_cmp(t’)の例を示す図である。
【図12】同実施形態においてずれ有りレベルSでレベル0のときの2 回目以降の処理の場合における基準元データfi,fj、基準補正データfi’_cmp(t’),fj’_cmp(t’)の例を示す図である。
【図13】同実施形態においてずれ有りレベルSでレベルLのときの1回目の処理の場合における基準元データf0,f1、基準補正データf0_cmp(t’),f1_cmp(t’)の例を示す図である。
【図14】同実施形態においてずれ有りレベルSでレベルLのときの2 回目以降の処理の場合における基準元データfi,fj、基準補正データfi’_cmp(t’),fj’_cmp(t’)の例を示す図である。
【図15】同実施形態においてずれ有りレベルSでレベルMのときの1回目の処理の場合における基準元データf0,f1、基準補正データf0_cmp(t’),f1_cmp(t’)の例を示す図である。
【図16】同実施形態においてずれ有りレベルSでレベルMのときの2 回目以降の処理の場合における基準元データfi,fj、基準補正データfi’_cmp(t’),fj’_cmp(t’)の例を示す図である。
【図17】同実施形態におけるX)の基準補正データの例を示す図である。
【図18】同実施形態におけるY)の基準補正データの例を示す図である。
【図19】同実施形態における制御部の構成を示すブロック図である。
【図20】同実施形態における駆動部の処理の流れを示すフローチャートである。
【図21】同実施形態における駆動部の改善率判別の流れを示すフローチャートである。
【図22】同実施形態における駆動方式の流れの例を示す図である。
【図23】同実施形態における駆動方式の流れの他の例を示す図である。
【図24】本発明の他の実施形態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 感光体ドラム
2 回転むら演算部
3 制御部
4 駆動部
5 メインモータ
6 ロータリ エンコーダ
7 変動補正用モータ
Claims (7)
- 回転体を回転駆動するメインモータ及び変動補正用モータと、前記回転体の回転変動を検出する回転変動検出手段と、この回転変動検出手段の検出結果をもとに前記メインモータに対する前記制御指令値を決定する制御指令値決定手段と、前記制御指令値より所定周波数の振幅、位相を検出して前記制御指令値に対する補正量を決定する回転むら演算手段と、前記制御指令値より前記所定周波数の振幅、位相を検出して前記メインモータ、前記変動補正用モータを駆動する駆動手段とを備え、前記回転むら演算手段で決定した補正量を前記制御指令値に付加して前記回転体の回転制御を行うことを特徴とする回転むら補正装置。
- 請求項1記載の回転むら補正装置において、前記回転むら演算手段は、所定の間隔毎に処理を行い、前記制御指令値について過去の所定周波数の振幅、位相と現在の所定周波数の振幅、位相を比較してその変化量を求め、この変化量に応じて前記制御指令値に対する補正量を決定し、前記駆動手段は前記変化量に応じて前記変動補正用モータの駆動の有無を決定することを特徴とする回転むら補正装置。
- 請求項1記載の回転むら補正装置において、前記回転むら演算手段は、所定の間隔毎に処理を行い、前記制御指令値について過去の所定周波数の振幅、位相と現在の所定周波数の振幅、位相を比較してその位相差が所定位相差よりある場合の頻度を求め、この頻度に応じて前記制御指令値に対する補正量を決定し、前記駆動手段は前記頻度に応じて前記変動補正用モータの駆動の有無を決定することを特徴とする回転むら補正装置。
- 請求項1記載の回転むら補正装置において、前記駆動手段は、前記回転体を駆動する過去の駆動方式と現在の駆動方式を比較し、その比較結果に応じて前記変動補正用モータの駆動の有無を決定することを特徴とする回転むら補正装置。
- 請求項2記載の回転むら補正装置において、前記回転むら演算手段は、所定の間隔毎に処理を行い、前記制御指令値について過去の所定周波数の振幅、位相と現在の所定周波数の振幅、位相を比較し、その振幅変動の頻度が所定の頻度よりある場合には前記駆動手段は前記所定周波数の所定振幅をもつ電流値にて前記変動補正用モータを駆動することを特徴とする回転むら補正装置。
- 請求項3記載の回転むら補正装置において、前記回転むら演算手段は、所定の間隔毎に処理を行い、前記制御指令値について過去の所定周波数の振幅、位相と現在の所定周波数の振幅、位相を比較し、その位相差が所定の位相差よりある場合の頻度が所定の頻度以上である場合には前記所定周波数の周辺部の所定振幅をもつ電流値にて前記変動補正用モータを駆動することを特徴とする回転むら補正装置。
- 回転体を有する画像形成装置において、前記回転体の回転むらを補正する装置として請求項1〜6のいずれか1つに記載の回転むら補正装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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JP2014230352A (ja) * | 2013-05-21 | 2014-12-08 | トヨタ自動車株式会社 | 車両用の回転電機の制御装置 |
JP7534931B2 (ja) | 2020-11-18 | 2024-08-15 | キヤノン株式会社 | モータ制御装置、シート搬送装置及び画像形成装置 |
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