JP2004251473A - 空気調和機 - Google Patents

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Hironao Numamoto
浩直 沼本
Narihiro Sato
成広 佐藤
Shiho Furuya
志保 古谷
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Abstract

【課題】揮散性薬剤を所望の濃度に揮散放出させて、ある程度気密性の高い室内機内部に充満滞留させることで、カビおよび菌の繁殖も抑制できる空気調和機を提供する。
【解決手段】少なくとも吸込みグリルと、前記吸込みグルルから吸込んだ空気を熱交換する熱交換器と、前記熱交換器により温度調節された空気を室内へ吹出すための室内ファンと吹出しグリルとを有する室内機において、前記吸込みグリルに開閉自在となる機構部を配設するとともに、前記熱交換器の近傍に揮散性薬剤徐放部材を配設する空気調和機である。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、揮散性の薬剤をある程度気密度の高い室内機本体内部で充満滞留させることで、カビおよび菌の繁殖を防止する空気調和機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
空気調和機の室内機は冷房運転終了後にかなりの高湿度条件下に長時間曝されることから、極めてカビが繁殖しやすい状態となっている。このことから近年、冷房運転終了後に室内機内部へのカビ繁殖を抑制するため、室内機内部を送風運転によって十分乾燥させることが行われるようになってきている。また、この時に低濃度のオゾンを発生させながら、殺菌等の効果を得ることも一部では行われている。また紫外線ランプでの殺菌も行われている。また発明者らは感湿特性を有した揮散性薬剤徐放部材によって、冷房運転終了後の高湿度条件を活用して室内機内部の薬剤を徐放させる空気調和機を提供してきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、冷房運転終了後の送風運転で室内機内部を乾燥させるためには最低でも3時間、外部環境によっては8時間以上必要な場合もあり、利用者にとってカビ予防手段として送風運転モードは必要ではあるが、手段としてもっと改善してほしいという利用者の要望が強かった。またオゾンを発生させる方法は室内機の気密性を向上させてもある程度は室内環境へと漏れ、それを利用者が感じとることもあった。また、紫外線ランプによる方法は室内機の部分的な場所にしか効果を期待することができず、中途半端な手段となってしまっていた。また、発明者らの感湿特性を有した揮散性薬剤徐放部材で徐放させる機構では、カビの繁殖を抑制させることはできても菌を殺す効果まで室内機内部での薬剤濃度を上昇させることができなかった。
【0004】
本発明は、このような従来の課題に対して、気密性を有した室内機に対して暖房運転を活用して揮散性薬剤濃度を所定濃度のレベルまで高めて、カビ菌の繁殖を抑制する機能を有する空気調和機を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の空気調和機は、少なくとも吸込みグリルと、前記吸込みグリルから吸込んだ空気を熱交換する熱交換器と、前記熱交換器により温度調節された空気を室内へ吹出すための室内ファンと吹出しグリルとを有する室内機であって、前記吸込みグリルに開閉自在となる機構部を配設するとともに、前記熱交換器の近傍に揮散性薬剤徐放部材を配設する空気調和機において、前記吸込みグリルと前記吹出しグリルとを閉じたまま、暖房運転することによって、前記室内機内部を前記揮散性薬剤で所定濃度に充満滞留させることを特徴とする。
【0006】
上記構成により、室内機には開閉自在となる吸込みグリルを有しているので、必要に応じて吸込みグリルを閉じた状態にすることができる。したがって、ある程度気密性の高い室内機に対して暖房運転モードによって熱交換機の温度を上昇させ、この結果揮散性薬剤が所定濃度のレベルまで揮散し、充満滞留させることでカビおよび菌の繁殖も隅々まで抑制することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
第1の発明の実施の形態における空気調和機は、吸込みグリルと吹出しグリルとを閉状態したまま、暖房運転することによって熱交換器の近傍に配設した揮散性薬剤徐放部材によって、室内機内部に前記揮散性薬剤を所定濃度に充満滞留させる。これにより、ある程度気密性の高い室内機に対して送風回路を閉じた暖房運転モードによって揮散性薬剤を所定濃度レベルで揮散させ、充満滞留させることでカビおよび菌の繁殖も隅々まで抑制することができる。
【0008】
第2の発明の実施の形態における空気調和機は、室内機が室外への排気ダクトと排気用送風ファンとを備えている。これにより、暖房運転モードによって揮散性薬剤を所定濃度レベルで揮散させ、充満滞留させた後、排気ダクトによって排気用送風ファンで室内機内部に滞留している揮散性薬剤を室外へと排出させることができる。
【0009】
第3の発明の実施の形態における空気調和機は、室内機内部に揮散性薬剤を所定濃度に充満滞留させた後、排気用送風ファンによって排気ダクトより室外排気する。これにより、ある程度気密性の高い室内機に対して送風回路を閉じた暖房運転モードによって揮散性薬剤を所定濃度レベルで揮散させ、充満滞留させた後、排気ダクトによって排気用送風ファンで室内機内部に滞留している揮散性薬剤を室外へと排出させることができた。これによってカビおよび菌の繁殖も隅々まで抑制することができる。
【0010】
第4の発明の実施の形態における空気調和機は、揮散性薬剤徐放部材は所定の温度以上で開閉可能な機構部を有する。これにより、揮散性薬剤徐放部材に所定の温度以上で開閉可能な機構部を設けることで、送風回路を閉じた暖房運転モード時にだけ必要な薬剤を所定濃度になるまで放出させ、薬剤の有効な活用ができ、徐放部材の長寿命化を図ることができる。
【0011】
第5の発明の実施の形態における空気調和機は、所定の温度以上で開閉可能な機構部は、少なくとも形状記憶合金バネとバイアスバネとで構成される。これにより、形状記憶合金バネとバイアスバネとで揮散性薬剤の開閉機構部を構成することで環境の温度変化に対して迅速に対応でき、温度履歴の小さい開閉機構部を提供することができる。
【0012】
第6の発明の実施の形態における空気調和機は、薬剤がアリルイソチオシアネート、ティーツリー油またはユーカリ油である。これにより、天然成分を利用した、低濃度による、環境にやさしい殺菌、防カビ効果を提供できた。
【0013】
【実施例】
以下本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
【0014】
(実施例1)
図1は本実施例を示す揮散性薬剤徐放部材の上面外観図であり、図2は揮散性薬剤徐放部材A−A´ラインの側面断面構成図である。1は無色透明なポリエチレンテレフタレート(PET)からなる本体容器であり、厚み1mmの非晶質PETシートを真空成形にて加工した。内寸法は50×140×10mmである。2は揮散性薬剤となるアリルイソチオシアネートをセルロースエチルエーテルにて固形化したタブレットである。具体的には型容器にセルロースエチルエーテルの粉末(日新化成;エトセル STD−100、重量平均分子量 18万)7.5gを入れた後、エタノール 15gを添加し、1時間放置した後、さらにアリルイソチオシアネート 15gを加えて室温状態で48時間放置することによって、エタノールが蒸発してアリルイソチオシアネートはセルロースエチルエーテルでタブレット化された。3はアリルイソチオシアネートの透過制御膜となるラミネートフィルムのピロー包装体であり、一次制御膜となり、得られたタブレット40×120×4mmをポリプロピレン 50μmとポリエチレン 50μmとのラミネートフィルムに対してポリエチレン側をヒートシールにてピロー包装化したものである。4はビスコース加工紙をポリエチレンにラミネートした湿度感受性膜であり、二次制御膜となる。湿度感受性膜4も外周部はPET本体容器1にポリエチレン側をヒートシールで溶着接合されている。湿度感受性膜4はポリエチレンフィルム 30μm上にレーヨン/パルプ不織布を介してビスコース膜を5g/mの塗布量で形成させたものを使用した。5はラミネートフィルム3と湿度感受性膜4とで形成される空間部であり、その空間内容積は40mlである。ラミネートフィルムのピロー包装体3はPET容器1の内面底部にポリエチレンをホットメルト(図示せず)することによって位置固定を行った。
【0015】
タブレット2から揮散したアリルイソチオシアネート蒸気はラミネートフィルム3で揮散量を抑制されながら、ラミネートフィルム3と湿度感受性膜4とで形成される空間部5へと至る。たとえば25℃においてアリルイソチオシアネートの蒸気圧は約5mmHgであるため、一次制御膜内部はすぐに飽和蒸気濃度の約6600ppmとなり、空間部5はそれに対してある程度の濃度勾配を有しながら、アリルイソチオシアネート蒸気が充満し、二次制御膜からの放出量が小さければ、ある程度雰囲気温度に対する蒸気圧特性まで揮散量が増大し、最終的には空間部5をほぼ飽和蒸気圧濃度までに達せられる。湿度感受性膜4によって低湿度の場合にはアリルイソチオシアネートの外部への蒸気放出がある程度抑制されるため、空間部5は飽和蒸気圧濃度に近い状態のままでずっと維持される。しかし湿度が高くなるとアリルイソチオシアネート蒸気が湿度感受性膜4を通過して外部へと放出されやすくなる。湿度感受性膜4は湿度変化によって膜組織が膨潤し、緩んだ構造となり、アリルイソチオシアネート分子が透過して外部へと放出されやすくなる。この放出量分を補充するためにはタブレット2から揮散したアリルイソチオシアネート蒸気がさらにラミネートフィルム3を通過して空間部5へと充満する必要がある。この時湿度感受性膜4から外部へのアリルイソチオシアネート放出速度とタブレット2から揮散したアリルイソチオシアネートが空間部5へ透過してくるアリルイソチオシアネート揮散速度を比較すると後者のほうが速いので、アリルイソチオシアネートの放出量が不足することはない。このような構成の揮散性薬剤徐放部材によって、30℃、相対湿度95%条件にて湿度感受性膜から薬剤を100mg/日レベルで継続して放出させることが可能となった。
【0016】
次に揮散性薬剤徐放部材を配設した空気調和機の室内機の構成について説明する。
【0017】
図4は、本実施例を示す空気調和機の室内機断面構成図であり、吸い込みグリルは閉じた状態を示している。また図5も空気調和機の室内機断面構成図であり、ここでは吸い込みグリルが開いた状態を示している。吸い込みグリルパネル6は通常の運転時には、パネル支持7、8によって前面張り出し、吸い込みグリル口9を通じて室内空気を吸い込み、また吸い込みグリル10を通じて天面方向からも室内空気を吸い込み、吸い込んだ空気は熱交換器11、12によって冷却、除湿された後、クロスフローファン13によって吸い込み送風されながら、最終吹出し口14から室内空間に冷風を提供する。吹出し口14には上下偏向羽根15および左右偏向羽根16が配設され、室内空間への吹出し方向をコントロールしている。この時、熱交換器11、12によって除湿された結露水は熱交換器アルミニウムフィンをつたって、ドレンパン部17、18へと至る。ドレンパン部17は室内機台枠19に一体物として構成され、ドレンパン部18は吹出しグリル20に一体物として構成される。ドレンパン部17に溜まった結露水は台枠19を介してドレンパン部18側に流れて水受けされ、最終的にはドレン口(図示せず)を経由して外部へと排出される。熱交換器11,12のアルミニウムフィンには熱交換性能の高効率化を図るため、縦スリットが設けられた構造を有している。そのために結露した水はスリット部で表面張力によって水膜を形成して、ドレンパン部17,18へとすぐには滴下し難い構造のため、アルミニウムフィンが乾くスピードが遅くなってしまう。
【0018】
たとえば25℃、相対湿度90%の環境雰囲気では、熱交換器アルミニウムフィンが乾くのに数十時間を要してしまい、なかなか乾燥しない。この時室内機空間、特に熱交換器11,12で構成される送風回路内部は相対湿度95%以上の雰囲気に曝され、カビが非常に繁殖しやすい環境条件となっている。21は揮散性薬剤徐放部材であり、熱交換器11に近接した下部上流側に配置され、揮散性薬剤徐放部材21の湿度感受性膜4側が熱交換器に向かい合う構成とした。このことによって冷房、除湿運転停止後、吸い込みグリルパネル6が室内機本体側に後退して吸い込みグリル口9が閉じられるとともに天面の吸い込みグリル10、上下偏向羽根15が閉じた状態になった後、熱交換器11,12が保持した水分によって高湿度空気が室内機全体に充満して湿度感受性膜4に達すると、揮散性薬剤徐放部材21の内部からアリルイソチオシアネートが熱交換器11側へ気相拡散し、アルミニウムフィン間を通過しながら、熱交換器11、12で構成された空間部等へと徐々に拡散するとともに、気体蒸気が室内機内部に堆積して充満する。この結果室内機内部は熱交換器11、12で構成された空間底部で3〜4ppm程度、上部低濃度の空間でも1ppm以上のアリルイソチオシアネート蒸気を滞留させることが可能となった。これによって室内空間に存在するCladosporium、Alternaria、Aspergillus、Penicillium、Rhizopusと言った一般的なカビには十分な防カビ効果を得ることができた。
【0019】
次に室内機クリーンモードとして、室内機の送風回路を閉じた状態で暖房運転を行う。具体的には利用者がクリーンモードスイッチボタンを押すか、クリーンモードが運転停止後自動設定されることによって実施される。運転停止時と同様に吸い込みグリルパネル6で吸い込みグリル口9を閉じ、吸い込みグリル10、上下偏向羽根15が閉じた状態で暖房運転を行うことによって揮散性薬剤徐放部材21を約45℃に上昇させ、約5minキープする。この結果揮散性薬剤徐放部材21からは薬剤の揮散量が増大して、室内機内部を10ppm程度まで濃度上昇させることができた。これによって室内空間に存在しそうな一般的な黄色ブドウ球菌をアリルイソチオシアネート蒸気がアタックして浸透することで殺すことが可能であった。
【0020】
室内機本体の気密性がある程度高ければ、閉じた送風回路を利用して揮散性薬剤を所定の温度まで上昇させることができるとともに、揮散性薬剤の室内への漏れも防止でき、利用者に異臭のような違和感を与えることもなかった。
【0021】
したがって、本実施例の空気調和機は揮散性薬剤徐放部材で冷房、除湿運転終了後には熱交換器の湿度を感受することでカビの繁殖を防止でき、送風回路を閉じた暖房運転では室内機の菌も殺すことができた。
【0022】
本実施例で使用したセルロースエチルエーテルとは以下のようなものである。精製パルプを原料として苛性ソーダにてアルカリセルロース化された後、エチルクロライドを反応させてグルコース内の水酸基をエトキシル基に置換したものであり、化学反応式を(化1)に示した。
【0023】
【化1】
Figure 2004251473
【0024】
外観は白色の粉末であり、ほとんど無臭に近い特性を有している。本実施例では薬剤をタブレットに固形化したが、薬剤に対するセルロースエチルエーテルを減少させ、増粘化して使用することもできる。セルロースエチルエーテルが薬剤を固形化または増粘化させる効果は重量平均分子量によって決まり、具体的には10万以上のものが望ましかった。さらにアリルイソチオシアネートとセルロースエチルエーテルとの重量比を2:1にすることで固形化でき、重量比が大きくなるにしたがって徐々に低粘度化し、10:1よりも小さいとアリルイソチオシアネート原液に対してそれほど増粘しているとは言えなくなる。しかがって、アリルイソチオシアネートとセルロースエチルエーテルとの重量比は2:1〜10:1が好ましいと言える。
【0025】
(実施例2)
図5は本実施例で使用する揮散性薬剤徐放部材の上面外観図であり、図6は揮散性薬剤徐放部材B−B´ラインの側面断面構成図であり、共に薬剤の放出抑制状態を表している。また図7は本実施例で使用する揮散性薬剤徐放部材の上面外観図であり、図8は揮散性薬剤徐放部材B−B´ラインの側面断面構成図であり、共に薬剤の徐放状態を表している。22は薬剤となるアリルイソチオシアネートを吸収して膨潤したポリウレタン連続多孔質体である。23は透過制御膜で、ポリウレタン連続多孔質体22の外装となるポリプロピレン 50μmとポリエチレン 50μmとのラミネートフィルムに対してポリエチレン側をヒートシールしたピロー包装体である。24はそれを充填するための半透明なポリプロピレン、厚み2mmからなる内側本体容器であり、射出成形にて加工した。容器の内寸法は111×43×15mmである。25は内側本体容器24に対する内蓋であり、これも半透明なポリプロピレン、厚み2mmからなり、内蓋25中央部には大きな窓があり、その大きな窓に対して十文字にリブ26が形成され、内蓋25の表面側中央部には105×37mmの透過制御膜27が配置され、リブ26によってポリウレタン連続多孔質体22を内側本体容器24の底面部に位置固定するとともに透過制御膜27に対する補強の役目を果たしている。透過制御膜27はポリエチレン40μm /ナイロン6 15μm /ポリエチレン 40μm のラミネートフィルムである。透過制御膜27の外周部は内蓋25にポリエチレン側をヒートシールで溶着接合されている。ヒートシール巾は5mmである。本体容器24と内蓋25とは超音波接合によって接合されている。28はピロー包装体23と内側本体容器24と内蓋25とで形成される空間部である。29は固定シャッター部となる厚み30μmのステンレス板であり、開口窓29aが等間隔で配設され、透過制御膜27の上面へ接着されている。また固定シャッター部29上の開口窓29a周囲にはガスシール部材30として超高分子量ポリエチレン製パッキン 巾1mm、厚み0.5mmで配設されている。31は内側本体容器が収納される外側本体容器であり、半透明なポリプロピレン、厚み2mmからなり、射出成形にて加工した。容器の内寸法は145×48×23mmである。内側本体容器24は外側本体容器31の底面部で接着固定されている。32は外側本体容器31に対する外蓋であり、これも半透明なポリプロピレン、厚み2mmからなり、外蓋32の中央部には107×39mmの開口部32aが配置されている。33は可動シャッター部となるラミネート板である。具体的にはポリプロピレン100μm/アルミニウム20μm/ポリプロピレン800μmである。また可動シャッター部33の両端には可動シャッター部の左右方向への動きを誘導できる支持部34、35が溶着接合されている。具体的には可動シャッター部33と垂直関係の向きとなるようにポリプロピレン板、47×10×2mmが配設されている。支持部34と外側本体容器31の内面側壁との間にはコイルバネ36が2ヶ所へ配置され、支持部35と外側本体容器31の内面側壁との間には形状記憶コイルバネ37が2ヶ所へ配置されている。コイルバネ36の加熱時の変態終了温度は45℃であり、冷却時の変態終了温度は41℃である。
【0026】
揮散性薬剤徐放部材の徐放機構について説明する。まず41℃以下ではコイルバネ36のバネ力が形状記憶コイルバネ37よりも勝っているため可動シャッター部33となるラミネート板は図5と6で示すように支持部34と連結する可動シャッター部33がコイルバネ36のバネ力によって外側本体容器31の内面側壁より押されて支持部34が内側本体容器24の外面側壁にぶつかることで可動シャッター部33の位置が規制されている。この時固定シャッター部29に配設された開口窓29aと可動シャッター部33に配設された開口窓33aとは上下に互いオーバーラップしない構造とすることで内側本体容器24内部からアリルイソチオシアネート放出は完全に抑制される。
【0027】
しかし、41℃過ぎ付近から形状記憶コイルバネ49のR相から母相への変態が始まり45℃では変態が終了して今度が形状記憶コイルバネ37のバネ力がコイルバネ36よりも勝るようになる。その結果可動シャッター部33となるラミネート板は図7、8で示すように形状記憶コイルバネ37のバネ力によって外側本体容器31の内面側壁より支持部35が押されて移動し、支持部35が内側本体容器24の外面側壁にぶつかることで可動シャッター部33の移動位置が規制されている。この時固定シャッター部29に配設された開口窓29aと可動シャッター部33に配設された開口窓33aとは上下に重なり合った場所に位置している。その結果内側本体容器24からのアリルイソチオシアネート放出を妨げない。ポリウレタン連続多孔質体22から揮散したアリルイソチオシアネート蒸気は透過制御膜23と透過制御膜27で透過量を二次規制されながら一定量を徐放させることができた。図9に本実施例で使用した形状記憶コイルバネの定荷重試験による温度−ひずみ曲線を示した。形状記憶コイルバネとコイルバネを組み合わせることによって環境の温度変化に迅速に対応できる開閉機構部とすることができた。
【0028】
次に室内機本体について説明する。図10は本実施例の空気調和機について排気送風回路を示す室内機構成図である。本実施例の室内機は実施例1の室内機と重複する部分が多いので図5も併用しながら説明する。
【0029】
38は排気用送風ファンであり、シロッコファンを使用した。39は排気ダクトであり、40は排気口を併設された配管カバーである。
【0030】
本実施例の空気調和機では、41℃以下では揮散性薬剤徐放部材からアリルイソチオシアネート蒸気は放出されない。したがって、通常の夏場環境条件あるいは通常の暖房運転条件でもアリルイソチオシアネート蒸気は放出されない。利用者が室内機クリーンモードスイッチボタンを押すことによって、室内機の送風回路を閉じた状態で暖房運転を行う。具体的には実施例1と同様に吸い込みグリルパネル6で吸い込みグリル口9を閉じ、吸い込みグリル10、上下偏向羽根15が閉じた状態で暖房運転を行うことによって揮散性薬剤徐放部材を約45℃にまで上昇させ、約5minキープする。この結果揮散性薬剤徐放部材は形状記憶コイルバネ37とコイルバネ36の作用によってシャッター部が開放した状態へと維持され、アリルイソチオシアネートの放出を妨げない。揮散性薬剤徐放部材からはアリルイソチオシアネートの揮散量が増大して、室内機内部を10ppm程度まで濃度上昇させることができた。その後暖房運転を停止して排気用送風ファン38を起動して室内機内部に滞留しているアリルイソチオシアネート蒸気は排気ダクト39を通じて配管カバー40から室外へと排出される。これによって室内機クリーンモード操作が終了となる。
【0031】
本実施例では室内機本体内部に揮散性薬剤を所定濃度で充満滞留させた後、排気用送風ファンを利用して一気に室外へと滞留している薬剤を排出する方法である。これによって利用者は揮散性薬剤の臭気を感ずることなく、殺菌、防カビ効果が得られる室内機クリーンモードを享受することができる。
【0032】
実施例では排気用送風ファンとしてシロッコファンを使用したが、本発明で使用できるものはこの限りではない。この他軸流ファン、斜流ファンを使用するもできる。
【0033】
実施例では、アリルイソチオシアネートを使用して説明したが、本発明で使用できるものはこの限りではない。ティーツリー油、ユーカリ油等も使用できる。また低濃度の揮散量にて殺菌、防カビ効果が得られるような薬剤であれば本発明の揮散性薬剤徐放部材の薬剤として利用可能である。
【0034】
【発明の効果】
上記実施例から明らかなように、室内機には開閉自在となる吸込みグリルを有しているので、必要に応じて吸込みグリル閉じた状態にすることができる。したがって、ある程度気密性の高い室内機に対して送風回路を閉じた暖房運転モードによって揮散性薬剤を所定濃度レベルで揮散させ、充満滞留させることでカビおよび菌の繁殖も隅々まで抑制することができた。また、暖房運転モードによって揮散性薬剤を所定濃度レベルで揮散させ、充満滞留させた後、排気ダクトによって排気用送風ファンで室内機内部に滞留している揮散性薬剤を室外へと排出させることもできた。揮散性薬剤徐放部材に所定の温度以上で開閉可能な機構部を設けることで、送風回路を閉じた暖房運転モード時にだけ必要な薬剤を所定濃度になるまで放出させ、薬剤の有効な活用ができ、徐放部材の長寿命化を図ることができた。この開閉機構部として、形状記憶合金バネとバイアスバネとで構成することで環境の温度変化に対して迅速に対応でき、温度履歴の小さい開閉機構部を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の揮散性薬剤徐放部材の上面外観図
【図2】実施例1の揮散性薬剤徐放部材の側面断面構成図
【図3】実施例1の空気調和機の吸入グリルパネルを開いた室内機断面構成図
【図4】実施例1の空気調和機の吸入グリルパネルを閉じた室内機断面構成図
【図5】実施例2の揮散性薬剤徐放部材について薬剤放出抑止状態を示す上面外観図
【図6】実施例2の揮散性薬剤徐放部材について薬剤放出抑止状態を示すの側面断面構成図
【図7】実施例2の揮散性薬剤徐放部材について薬剤徐放状態を示す上面外観図
【図8】実施例2の揮散性薬剤徐放部材について薬剤徐放状態を示すの側面断面構成図
【図9】実施例2の形状記憶コイルバネの定荷重試験による温度−ひずみ曲線図
【図10】実施例2の空気調和機について排気送風回路を示す室内機構成図
【符号の説明】
1 本体容器
6、10 吸い込みグリル
9 吸い込みグリル口
11、12 熱交換器
13 クロスフローファン
14 吹出し口
20 吹出しグリル
21 揮散性薬剤徐放部材
29 固定シャッター部
33 可動シャッター部
36 コイルバネ
37 形状記憶コイルバネ
38 排気用送風ファン
39 排気ダクト

Claims (6)

  1. 少なくとも吸込みグリルと、前記吸込みグリルから吸込んだ空気を熱交換する熱交換器と、前記熱交換器により温度調節された空気を室内へ吹出すための室内ファンと吹出しグリルとを有する室内機であって、前記吸込みグリルに開閉自在となる機構部を配設するとともに、前記熱交換器の近傍に揮散性薬剤徐放部材を配設する空気調和機において、前記吸込みグリルと前記吹出しグリルとを閉じたまま、暖房運転することによって、前記室内機内部を前記揮散性薬剤で所定濃度に充満滞留させることを特徴とする空気調和機。
  2. 少なくとも吸込みグリルと、前記吸込みグリルから吸込んだ空気を熱交換する熱交換器と、前記熱交換器により温度調節された空気を室内へ吹出すための室内ファンと吹出しグリルとを有する室内機であって、前記吸込みグリルに開閉自在となる機構部を配設するとともに、前記熱交換器の近傍に揮散性薬剤徐放部材を配設する空気調和機において、前記室内機が室外への排気ダクトと排気用送風ファンとを備えていることを特徴とする空気調和機。
  3. 少なくとも吸込みグリルと、前記吸込みグリルから吸込んだ空気を熱交換する熱交換器と、前記熱交換器により温度調節された空気を室内へ吹出すための室内ファンと吹出しグリルとを有する室内機であって、前記吸込みグリルに開閉自在となる機構部を配設するとともに、前記熱交換器の近傍に揮散性薬剤徐放部材を配設する空気調和機において、前記吸込みグリルと前記吹出しグリルとを閉状態したまま、暖房運転することによって、前記室内機内部を前記揮散性薬剤で所定濃度に充満滞留させた後、室外排気することを特徴とする空気調和機。
  4. 前記揮散性薬剤徐放部材は所定の温度以上で開閉可能な機構部を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の空気調和機。
  5. 前記所定の温度以上で開閉可能な機構部は、少なくとも形状記憶合金バネとバイアスバネとで構成されることを特徴とする請求項4に記載の空気調和機。
  6. 前記薬剤がアリルイソチオシアネート、ティーツリー油またはユーカリ油であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の空気調和機。
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JP2008202931A (ja) * 2008-04-07 2008-09-04 Daikin Ind Ltd 熱交換器および熱交換器を備えた空気調和装置
JP2009192126A (ja) * 2008-02-14 2009-08-27 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 空気調和機の脱臭フィルタ再生方法
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