JP2012149812A - 滴下式気化機 - Google Patents

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吉朗 高田
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稔 太田
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Abstract

【課題】気化フィルター(気液接触器)の内部は勿論のこと、気化フィルターを内蔵する筐体内全体をカビや雑菌の温床となり難い衛生的構造とした滴下式気化機の提供。
【解決手段】滴下式気化機は、筐体1内において多数の貫通孔hが板厚方向に揃うハニカム吸湿板7で仕切られた第1空間8及び第2空間9と、ハニカム吸湿板7の上部に対し液槽4からの液体を滴下する給液装置6と、第1空間8に設けられてハニカム吸湿板7の一面に臨み貫通孔h方向に向けて送風する送風ファン10と、第2空間9に設けられてハニカム吸湿板7の他面に臨み貫通孔hを通り抜ける風流を面的に受ける除菌消臭剤11を収納する除菌消臭剤収納器20と、筐体1のうち第1空間8側で送風ファン10の吸い込み側に設けられた空気取入口13と、筐体1のうち第2空間9側に設けられた空気吹出口15を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、加湿器又は除菌消臭機として使用できる滴下式気化機に関する。
水槽部の水を吸水し送風装置からの送風で気化が促進される不織布製の蛇腹状や多孔質状の気化フィルター(気液接触器)を用いた加湿器としては、特許文献1に見られるよう、回転可能な気化フィルターに紫外線を照射する紫外線ランプを設けたものが知られている。
また、特許文献2に見られるように、気化フィルター(気液接触器)に発熱体を備えたものも知られている。
特開2005−344979(図1) 特開2008−292079(図1)
しかしながら、上記の紫外線照射方式では気液接触器の外観表面だけの防カビ・除菌に留まり、気化フィルターの内部や細部に対しては紫外線が行き届かず、気化フィルターの衛生管理は体積的には不十分であった。
また、水槽部に 除菌消臭液を入れて気化フィルターから除菌消臭気体を室内に放散させる除菌消臭機としての用い方では、夏期などの高湿度雰囲気下では送風だけでは所望の気化量が得難いため、気化フィルターに発熱体を備えることも考えられるものの、気化フィルターに滴下する液自体を加熱する必要があり、付加機構が必要となるうえ不経済であった。
そこで、本発明の第1の課題は、気液接触器としての気化フィルター自体の内部は勿論のこと、気液接触器を内蔵する筐体内をカビや雑菌の温床となり難い衛生的構造とした滴下式気化機を提供することにある。第2の課題は、夏期などにおいて除菌消臭したい空間が高湿度の場合でも、湿度に影響されず除菌消臭剤を放散できる滴下式気化機を提供するものである。
本発明に係る滴下式気化機は、筐体内において多数の貫通孔が板厚方向に揃うハニカム吸湿板で仕切られた第1空間及び第2空間と、このハニカム吸湿板の上部に対し液槽からの液体を滴下する給液手段と、第1空間に設けられてハニカム吸湿板の一面に臨み貫通孔方向に向けて送風する送風手段と、第2空間に設けられてハニカム吸湿板の他面に臨み貫通孔を通り抜ける風流を面的に受ける除菌消臭剤を収納する除菌消臭剤収納器と、筐体のうち第1空間側で送風手段の吸い込み側に設けられた空気取入口と、筐体のうち第2空間側に設けられた空気吹出口を備えて成ることを特徴とする。
斯かる内部構造においては、多数の貫通孔が板厚方向に揃うハニカム吸湿板を用いて第1空間と第2空間に仕切り、ハニカム吸湿板の一面に臨み貫通孔方向に向けて送風する送風手段を第1空間に設け、ハニカム吸湿板の他面に臨み貫通孔を通り抜ける風流を面的に受ける除菌消臭剤を収納する収納器を第2空間に設けてあるから、送風手段の正方向運転時は風流によってハニカム吸湿板及び除菌消臭剤を収納する収納器からの除菌消臭剤ガスが空気吹出口を介して効果的に外部放散できる。また送風手段の運転停止時でも除菌消臭剤を収納する収納器から除菌消臭剤ガスが放散し続けるため、除菌消臭剤ガスがハニカム吸湿板の多数の貫通孔を介して第1空間から空気取入口まで行き渡り、ハニカム吸湿板を体積的に除菌消臭できることは勿論、第1空間内の送風手段などに対しても除菌消臭でき、衛生管理の万全化に資する。特に、ハニカム吸湿板の貫通孔方向は板厚方向に揃って第1空間と第2空間とを最短距離で連通し双方向放散性を高めている。
空気取入口の内側に集塵フィルターを設けることが望ましい。室内の塵を集塵でき、第1空間内の送風手段を駆動し室内の空気を循環させることで空気清浄機として使用できる。第1空間側の集塵フィルターは送風手段の運転停止時でも除菌消臭剤ガスの自然放散により除菌消臭できる。
送風手段が貫通孔方向に向けて送風を開始する直前又は当該送風を停止した直後の一定時間において送風手段が貫通孔方向とは逆方向に送風運転するよう送風切り替え制御手段を有する場合、除菌消臭剤の自然放散に加えて風力により、ハニカム吸湿板、第1空間の送風手段などを強制的に除菌消臭できる。
給液手段としては、液槽からの液体をポンプを介してハニカム吸湿板の上部へ滴下する給液流路の外、この給液流路のうちポンプの下流側から分岐し液槽へ液体が帰還するための還流路とを有するものが望ましい。ポンプの下流側から分岐し液槽へ液体が帰還するための還流路を有しているから、液体がポンプを介してハニカム吸湿板に対し過剰に供給されることを防止できるため、気化効率の高い気液接触を維持できる。
給液手段の還流路に流量調整弁を有する場合、調整機能を備えているので、ポンプ自体を変更しても、ポンプの出力が変わっても、ハニカム吸湿板の湿り状態を最適な状態に保てるよう調節できる。
本発明によれば、第2空間の除菌消臭剤を送風により外部放散用に用いることができると共に、ハニカム吸湿板の貫通孔を介して機械内部のハニカム吸湿板自体や第1空間の除菌消臭を行うことができる。また、夏期など除菌消臭したい室内が高湿度の場合でも、第2空間側の除菌消臭剤により湿度に影響されず除菌消臭成分を放散できる利点がある。
本発明の滴下式気化機の一実施例を示す縦断面図である。 同実施例におけるハニカム吸湿板の構造を示す斜視図である。 同実施例における除菌消臭剤収納器を示す斜視図である。 (A)は同実施例における給液装置の給液流路と還流路を示す部分図、(B)はその還流路に流量調整弁を設けた状態を示す部分図である。
本例の滴下式気化機は、図1に示す如く、底部に足車2が設けられた筐体1の上面端部に手押しハンドル3が起立されており、手押しで移動可能となっている。筐体1の内部空間底部には液槽4が設けられており、この液槽4のタンクキャップ5を外すことにより液体の充填が可能である。なお、液槽4は筐体1外のタンクでも構わない。
筐体1内の液槽4の上部空間は、気液接触器としてのハニカム吸湿板7で第1空間8と第2空間9とに仕切られている。ハニカム吸湿板7の多数の貫通孔hは板厚方向に揃っている。ハニカム吸湿板7の上部に対し液体を滴下する給液装置6は、液槽4からの液体を吸上げる吸液管6aと、筐体1内の上面近傍に固定されたポンプ6bと、ハニカム吸湿板7の上部に液体を滴下する給液管6cと、液体を液槽4へ戻す還流管6dとを備えている。
第1空間8においては、ハニカム吸湿板7の一面に臨み、貫通孔方向haに向けて送風するための送風ファン10が設けられている。この送風ファン10の順送風方向faと貫通孔方向haとは揃っている。
第2空間9においては、ハニカム吸湿板7の他面に臨み貫通孔hを通り抜ける風流を面的に受ける除菌消臭剤11を収納する除菌消臭剤収納器20が着脱自在に設けられている。
筐体1のうち第1空間8側で、送風ファン10の順送風方向fa運転時の空気吸い込み側に空気取入口13が設けられている。また、筐体1のうち第2空間9側で吹出口角度rの風洞により風向きを変えられる空気吹出口15が設けられている。空気取入口13の内側には滴下式気化機に取入れられる空気の塵を捕獲する集塵フィルター14が設けられている。第1空間8の上部にはポンプ6bや送風ファンの運転を制御する電気制御部16が設けられている。
ハニカム吸湿板7は、図2に示す如く、不織布製の薄い板状のライナー部Aと不織布製の波形芯材Bを交互に積み重ねた積層構造で多数の貫通孔hが全て板厚方向に向いている。貫通孔方向haと送風ファン10の順送風方向faは一致し、貫通孔hの逆方向hbと逆送風方向fbは一致している。なお、Cは筐体内ドレインパンである。
除菌消臭剤収納器20は、図3に示す如く、筐体1の第2空間9側の上端に設けられた窪み部9aに嵌めるためのはみ出し端部12aを有する吊り下げ棒12と、この吊り下げ棒12に対して複数のL形棒で直行する方向に組んだ受けラック部21と、この受けラック部21に対して蝶着した被せラック部22とから成り、被せラック部22は掛け止めフック22aを有する。この吊り下げ棒12はハニカム吸湿板7の貫通孔方向haと直行する方向に横架けされる。
この除菌消臭剤収納器20に入れる除菌消臭剤11としては、例えば二酸化塩素剤を用いる場合は、主剤を顆粒状とし袋状の風通しの良い不織布等で被ったものとし、使用する際は袋の上から手で押しつぶすなどして顆粒内で化学反応を促進させて二酸化塩素ガスを放散させる。また植物性の揮発性物質フィトンチッド剤を用いても良い。
なお、給液装置6としては、図4(A)に示す如く、供給する給液管6cから分岐し液槽4へ液体が帰還するための還流管6dを備えている場合は勿論、図4(B)に示す如く、還流管6dに流量調整弁6eを備えている場合でも構わない。
次に実施例1の作用効果について説明する。筐体1内におけるハニカム吸湿板7の多数の貫通孔方向haは、送風ファン10の順送風方向faに揃っているので、送風ファン10からの風は順調に貫通孔hを吹き抜け、気液接触器としてのハニカム吸湿板7上に滴下した液体が効率よく気化される。また、多数の貫通孔hを吹き抜けた風が除菌消臭剤収納器20に収納された除菌消臭剤11に面的に当たる。これにより除菌消臭剤11のガス化した有効成分を送風に乗せ放散できる。夏期など除菌消臭したい室内が高湿度の場合でも、第2空間側の除菌消臭剤により湿度に影響されず除菌消臭成分を放散できる利点がある。
さらに、除菌消臭剤収納器20から放散する除菌消臭ガスに加え、液槽4内に除菌消臭剤水溶液を入れてハニカム吸湿板7上に滴下する除菌消臭剤水溶液成分により、加湿効果と除菌消臭剤ガスを得ることができ、除菌消臭ガスの豊富化を実現できる。
液槽4内に充填する除菌消臭剤水溶液としては、例えば二酸化塩素剤水溶液を使用する。
除菌消臭剤11に植物性の揮発性物質を用いる場合、除菌消臭剤水溶液は除菌消臭効果のある植物性アミノ酸水溶液を用いても良い。
なお、液槽4内に水を入れ、ハニカム吸湿板7上に滴下し気化させる単純な加湿機として用いてもよい。
本実施例の筐体1は、第1空間8側で送風ファン10順送風方向fa運転時の空気吸込み側に空気取入口13を設け、第2空間9側で吹出口角度rをもたせた風洞を設けることにより、目的とする空間の空気を循環させながら吹出口角度rを変えて風向きを切り替え
除菌消臭成分を放散できる。
空気取入口13の内側には集塵フィルター14が設けられており、空気の塵を捕獲するので、除菌消臭剤11非装着かつ液槽4に液体を入れない場合でも、送風ファン10を回す事により空気清浄機として用いる事もできる。
第1空間8の上部の電気制御部16は、ポンプ6bの運転停止や、送風ファン10の運転停止、風力の強弱切り替えを行う。さらに電気制御部16が、送風ファン10を貫通孔方向haに向けて送風を開始する直前、又は、当該風を停止した直後の一定時間において、送風ファン10が貫通孔方向haとは逆方向hbに送風運転するよう制御する。除菌消臭剤11成分の自然放散に加えて逆送風方向fbの風力により、ハニカム吸湿板7及び第1空間8の送風ファン10ならびに除菌フィルター14をも強制的に除菌消臭できる。
本実施例1では送風ファン10停止時も、筐体1内の除菌消臭剤収納器20に収納された除菌消臭剤11から除菌消臭ガスが自然放散し続けており、ハニカム吸湿板7の貫通孔h逆方向hbは第1空間8と最短距離で連通されているため、除菌消臭ガスは容易に放散し、ハニカム吸湿板7は勿論のこと第1空間8や送風ファン10及び集塵フィルター14まで行き渡り、機械内部全体を除菌消臭できる。
本例の除菌消臭剤収納器20の受けラック部21、被せラック部22は、除菌消臭剤11主剤に耐性のある金属材で開放面積の広い格子状に構成してあるので、除菌消臭剤11の放散が容易である。
また、本例の除菌消臭剤収納器20は取付の際、吊り下げ棒12により筐体1内の第2空間9上端に設けた窪み部9aに嵌め横架けするが、横架け方向はハニカム吸湿板7の貫通孔方向haと直行させており、受けラック部21は吊り下げ棒12に対し複数のL形棒で直行する方向に組んであるから、被せラック部22を除菌消臭剤11に被せ、掛け止めフック22aで固定し吊り下げれば、除菌消臭剤11をハニカム吸湿板7の貫通孔方向haと正対させ取付けられ、除菌消臭剤11は送風ファン10からの順送風方向fa風を面的に受け、除菌消臭剤11のガス化した有効成分を送風に乗せ放散できる。
実施例1の給液装置6は、液槽4内の液体をポンプ6bを介してハニカム吸湿板7上に滴下するが、ポンプ6bの下流側から分岐し液槽4へ液体を帰還させるための還流管6dを設け、還流管6bの太さを調整することにより、ハニカム吸湿板7上に過剰に液体が滴下するのを防止でき、気液接触器としてのハニカム吸湿板7を最適な湿り状態に保つ事ができるうえ、本滴下式気化機内の液体循環を促す事ができる。また、還流管6dに流量調整弁6eを設けた場合は、ポンプ6bを換えてポンプ6bの出力が変化しても、流量調整弁6eの調整機能によりハニカム吸湿板7を最適な湿り状態に保つ事ができる。
1…筐体
2…足車
3…手押しハンドル
4…液槽
5…タンクキャップ
6…給液装置
6a…吸液管
6b…ポンプ
6c…給液管
6d…還流管
6e…流量調整弁
7…ハニカム吸湿板
8…第1空間
9…第2空間
9a…窪み部
10…送風ファン
11…除菌消臭剤
12…吊り下げ棒
12a…はみ出し端部
13…空気取入口
14…集塵フィルター
15…空気吹出口
16…電気制御部
20…除菌消臭剤収納器
21…受けラック部
22…被せラック部
22a…掛け止めフック
A…ライナー部
B…波形芯材
C…筐体内ドレインパン
d…液滴
fa…順送風方向
fb…逆送風方向
h…貫通孔
ha…貫通孔方向
hb…逆方向
r…吹出口角度

Claims (5)

  1. 筐体内において多数の貫通孔が板厚方向に揃うハニカム吸湿板で仕切られた第1空間及び第2空間と、前記ハニカム吸湿板の上部に対し液槽からの液体を滴下する給液手段と、前記第1空間に設けられて前記ハニカム吸湿板の一面に臨み貫通孔方向に向けて送風する送風手段と、前記第2空間に設けられて前記ハニカム吸湿板の他面に臨み前記貫通孔を通り抜ける風流を面的に受ける除菌消臭剤を収納する除菌消臭剤収納器と、前記筐体のうち前記第1空間側で前記送風手段の吸い込み側に設けられた空気取入口と、前記筐体のうち前記第2空間側に設けられた空気吹出口を備えて成ることを特徴とする滴下式気化機。
  2. 請求項1に記載の滴下式気化機において、前記空気取入口の内側に設けられた集塵フィルターを有することを特徴とする滴下式気化機。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の滴下式気化機において、前記送風手段が前記貫通孔方向に向けて送風を開始する直前又は当該送風を停止した直後の一定時間において前記送風手段が前記貫通方向とは逆方向に送風運転するよう送風切り替え制御手段を有することを特徴とする滴下式気化機。
  4. 請求項1又は請求項2に記載の滴下式気化機において、前記給液手段は、前記液槽からポンプを介して前記上部へ液体を供給する給液流路と、この給液流路のうち前記ポンプの下流側から分岐し前記液槽へ液体が帰還するための還流路とを有することを特徴とする滴下式気化機。
  5. 請求項4に記載の滴下式気化機において、前記還流路に流量調整弁を有することを特徴とする滴下式気化機。



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