JP2004249658A - 液体吐出記録ヘッド、該液体吐出記録ヘッドの製造方法、および記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電気フレキシブルケーブルを熱硬化性接着剤によって接着する際、接着剤の硬化温度よりも荷重たわみ温度が低い部材であっても電気フレキシブルケーブルを接着し、安定した記録ヘッドの生産を目的とする。
【解決手段】電気フレキシブルケーブルを記録ヘッドに接着する際、チッププレート(アルミナ)がチップタンク(ノリル)よりも電気フレキシブルケーブル側に突出しているため、熱圧着ホーンは電気フレキシブルケーブルを介してチッププレートには圧着するが、チップタンクには荷重がかからずに放射熱によって熱のみが伝わって接着剤を硬化し、変形等がなく接合される。
【選択図】 図1
【解決手段】電気フレキシブルケーブルを記録ヘッドに接着する際、チッププレート(アルミナ)がチップタンク(ノリル)よりも電気フレキシブルケーブル側に突出しているため、熱圧着ホーンは電気フレキシブルケーブルを介してチッププレートには圧着するが、チップタンクには荷重がかからずに放射熱によって熱のみが伝わって接着剤を硬化し、変形等がなく接合される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、紙や布などの記録媒体に対し液体を吐出させて記録を行う液体吐出記録ヘッド、該液体吐出記録ヘッドの製造方法に関する。
【0002】
なお、本発明は、一般的な記録装置のほか複写機、通信システムを有するファクシミリ、記録部を有するワードプロセッサなどの装置、さらには各種処理装置と複合的に組み合わされている産業用記録装置に適用することができる。
【0003】
【従来の技術】
プリンタ、複写機、ファクシミリ等の機能を有する記録装置、あるいはコンピュータやワードプロセッサ等を含む複合型電子機器やワークステーションの出力機器として用いられる記録装置は、画像情報に基づいて用紙やプラスチック薄板等の記録材(記録媒体)に画像を記録していくように構成されている。記録装置は、記録方式によりインクジェット式、ワイヤードット式、サーマル式、レーザビーム式等に分けることができる。
【0004】
その中でも、特にインクジェット式は、近年の高画質化と低ランニングコストというメリットを有し、広く一般家庭に普及するに至っている。そのため、今後は記録装置の小型化ならびに軽量化が益々必要となってきている。
【0005】
インクジェット方式を含め、各方式の記録ヘッドを有する記録装置においては、記録ヘッドはその装置内の所定の位置に取り付けられ、制御手段からの制御信号によって駆動される。この制御信号を、記録媒体を搬送する記録媒体搬送手段を制御する信号と同期させることにより、記録媒体上への画像形成が行われる。よって、記録ヘッドは、記録装置本体に対して機械的な位置決めと電気的な接続とによって繋がっている必要がある。
【0006】
現在広く普及している記録装置では、記録ヘッドを記録装置に設けられたキャリッジ上に搭載し、キャリッジを記録媒体の搬送方向と直交する方向に往復走査させることにより記録を行う、いわゆるシリアル型の記録装置が主流になっている。これは、シリアル型の記録装置は、記録領域に比べて小さな記録ヘッドで画像を形成することが可能であり、記録装置の小型化および低価格化が容易なためである。シリアル型の記録装置では、キャリッジの移動中にもそのキャリッジ上の記録ヘッドと記録装置本体の制御手段との電気的な接続を維持する必要があるため、制御手段と記録ヘッドとは、可塑性を有するフレキシブルケーブルを介して電気的に接続される。
【0007】
記録ヘッドと記録装置との電気的な接続には、半田による接続や記録ヘッド側に設けたカートリッジ基板を記録装置側ケーブルコネクタに挿入する方式、さらにはヘッド側の基板またはフレキシブルケーブルに設けられたパッドを本体側のコネクタピンおよびゴムパッドに圧接して接続する方式がある。後者の方式を用いた記録装置は、例えば特許文献1に開示されている。
【0008】
しかしながら、半田により電気接合する方法においては一度取り付けた記録ヘッドの取り外しが不可能であり、ユーザーが異なる種類の記録ヘッドを使用したり、記録ヘッドが故障した場合に交換したりすることができない。
【0009】
また、近年においては記録画像の高画質化および記録動作の高速化とともに記録ヘッドに設けられるノズル数も増加し、記録装置との電気接点数も増加しているため、記録ヘッドに電気接続パッドを設け記録装置側コネクタピンまたはゴムパッドに強く圧接して接続する方式においては、記録ヘッドおよび記録装置は相互に大きな反力を受けることになる。
【0010】
この場合、記録ヘッドのフレキシブルケーブルに設けた電気接続パッドまたは電気基板を保持する面には高い強度が必要とされるため、電気接続パッドの配置場所が限定され、設計自由度がなくなる。記録ヘッドにはインク吐出時のミストや回復動作により多くのインクが付着することがあるが、電気接点配置の自由度がなくなると電気接点部へのインク付着により電気ショート等が発生する危険性がある。さらには、記録ヘッドおよびキャリッジの剛性を高めるために、記録ヘッドおよびキャリッジの構成部材の肉厚を厚くしたり、リブを設けたりすると、記録装置が大型化してしまうという問題が生じる。
【0011】
これに対し、記録装置側のケーブルコネクタへ記録ヘッドに設けたカードエッジコンタクトを挿入する方式の場合、電気接点による相互反力はカードエッジコンタクトとコネクタとの間で相殺されるため、電気接続を行うにあたり記録ヘッドおよびキャリッジに剛性を持たせる必要性はなく、記録装置の小型化にも適している。
【0012】
しかしながら、記録装置により送られる駆動信号に基づいて液体吐出を行う記録素子基板の配線とコンタクトとがガラスエポキシ基板等のリジット基板で構成された電気基板のカードエッジパターンを介してのみ接続される場合においては、基板自身が柔軟性を持たないため記録ヘッドに設ける電気コンタクトの配置場所および方向の自由度はなく、圧接方式にコンタクトと同様に、インク吐出時のインクミストや回復動作における付着インクにより電気ショートなどの問題が発生する恐れがある。
【0013】
次に、記録装置により送られる駆動信号に基づいて液体吐出を行う記録素子基板とカードエッジコンタクトとが電気フレキシブルケーブルを介して電気的に接続する場合においては、カードエッジコンタクトを所望の位置で所望の向きで取り付けることが可能となり、液体吐出記録ヘッド上に付着した液体によってショートしてしまう事態を防ぐことができる。
【0014】
更にこの構成においては、記録装置への記録ヘッドの装着を容易にするため、記録装置内への液体吐出記録ヘッドの挿入方向と記録装置のコネクタへのカードエッジコンタクトの接続方向が一致することが望ましい。
【0015】
しかし、記録装置のコネクタへのカードエッジコンタクトの接続方向を所望の方向にするために、電気フレキシブルケーブルを折り曲げる際、記録素子基板と電気フレキシブルケーブルの位置ズレおよび電気フレキシブルケーブルとカードエッジコンタクトの位置ズレのよって、折り曲げられた電気フレキシブルケーブルはねじれを生じる。それにより、記録装置のコネクタがカードエッジコンタクトに接続される際に浮き上がった電気フレキシブルケーブルと接触し電気不良を発生させる恐れがある。
【特許文献1】
特許第2814330号明細書
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
そのため、電気フレキシブルケーブルのねじれによって浮き上がる領域を記録ヘッドに接着することによって、記録装置のコネクタがカードエッジコンタクトに接続される際にも電気フレキシブルケーブルと接触しない対応がとられた。この際に使用する接着剤は、記録ヘッドと強い接着力を有し、耐液性に優れ、更に量産時のタクトを考慮すると数秒から数十秒で硬化するものが望ましく、熱硬化型接着剤がこれに該当する。
【0017】
しかし、記録ヘッドで使用する部材の中には、高温をかけながら、圧着すると変形してしまうものもある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本出願にかかる発明は、上記の問題に鑑みてなされたものである。
【0019】
駆動信号が伝達させる複数の電気接点をもつカードエッジコンタクトと、前記駆動信号に基づいて記録媒体に液体を吐出するために利用されるエネルギーを発生させる記録素子を具備する記録素子基板と、前記カードエッジコンタクトと前記記録素子基板とを電気的に接続している電気フレキシブルケーブルと、前記液体の流路が設けられており前記記録素子基板が取り付けられた記録素子ユニットと、前記記録素子ユニットが取り付けられている本体部と、を有する液体吐出記録ヘッドにおいて、
前記電気フレキシブルケーブルが前記液体吐出ヘッドにおける複数の構成部材に対して同一方向で接着結合される際、それぞれの接着面で段差を有し、荷重たわみ温度が最も高い部材が前記電気フレキシブルケーブル側に突き出ていることを特徴とする。
【0020】
また、前記接着結合には、熱硬化性接着剤を用いることを特徴とする。
【0021】
また、前記接着面は、前記記録素子ユニットおよび前記本体部が有することを特徴とする。
【0022】
また、前記記録素子ユニットが前記電気フレキシブルケーブル側に突き出ていることを特徴とする。
【0023】
また、前記記録素子ユニットの接着面は、セラミック材であることを特徴とする。
【0024】
また、前記記録素子ユニットの接着面はエンジニアリングプラスチップであることを特徴とする。
【0025】
また、前記本体部はノリル材であることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出記録ヘッド。
【0026】
また、駆動信号が伝達させる複数の電気接点をもつカードエッジコンタクトと、前記駆動信号に基づいて記録媒体に液体を吐出するために利用されるエネルギーを発生させる記録素子を具備する記録素子基板と、前記カードエッジコンタクトと前記記録素子基板とを電気的に接続している電気フレキシブルケーブルと、前記液体の流路が設けられており前記記録素子基板が取り付けられた記録素子ユニットと、前記記録素子ユニットが取り付けられている本体部と、を有する液体吐出記録ヘッドの製造方法において、
前記記録素子ユニットに前記電気フレキシブルケーブルを接着接合する工程と、
前記記録素子ユニットに前記電気フレキシブルケーブルを電気的に接合する工程と、
前記電気フレキシブルケーブルを前記カードエッジコンタクトに電気的に接続する工程と、
前記本体部の一面に前記記録素子ユニットを結合する工程と、
前記電気フレキシブルケーブルを、前記本体部の前記一面に隣接する他の面上に沿わせるように折り曲げる工程と、
前記電気フレキシブルケーブルの少なくとも一部を複数の構成部材に接合する工程と、
前記電気フレキシブルケーブルを所定の角度だけ折り曲げた状態で、前記カードエッジコンタクトを前記本体部に取り付ける工程と、
を有することを特徴とする。
【0027】
また、前記電気フレキシブルケーブルを折り曲げる工程と、前記電気フレキシブルケーブルの少なくとも一部を複数の構成部材に接合する工程とは、一連の動作であることを特徴とする。
【0028】
【発明の実施の形態】
図を用いて、本出願にかかる発明を採用した実施例を説明する。
【0029】
(第1の実施形態)
図3は、本発明の第1の実施形態における記録ヘッドの全体を示す模式的斜視図であり、図3(a)は記録ヘッドを記録素子基板側から見た図、図3(b)はインクタンク側から見た図である。図1は図3の記録ヘッドのカードエッジコンタクトとカードエッジコネクタを示す模式的拡大断面図である。
【0030】
記録ヘッドH1001は、記録ヘッドH1001の本体部となるインクタンクホルダ6を有している。記録ヘッドカートリッジH1001は、記録ヘッドカートリッジH1001と、そのインクタンクホルダ6に対して着脱自在に装着されるインクタンク1,2とで構成されている。インクタンク1はブラックインクを内部に貯留し、インクタンク2はシアン、マゼンタ、およびイエローの3色のカラーインクを1つの筐体内に仕切り壁によって分離した状態で貯留している。
【0031】
記録ヘッドH1001は、記録装置本体(図 参照)のヘッド保持部材であるキャリッジ103に対して、位置決め手段により位置決めされた状態で着脱自在に搭載される。このとき、図1に示すように記録ヘッドH1001に設けられたカードエッジコンタクト3は、記録装置側に設けられたカードエッジコネクタ4の開口部内に挿入され、カードエッジコンタクト側の電気接点3aとカードエッジコネクタ側の電気接点4aとが接触することにより、カードエッジコネクタ4に電気的に接続される。
【0032】
また、電気フレキシブルケーブル5は約90度に曲げられ、記録素子ユニットH1002とインクタンクホルダ6に熱硬化性接着剤8によって接着固定された後、約180度曲げられてインクタンクホルダ6にビス7bで固定される。その際、記録素子ユニットH1002はインクタンクホルダ6よりも電気フレキシブルケーブル5側に突き出している。本実施形態では、記録素子ユニットH1002の接着部はアルミナ材、インクタンクホルダ6はノリル材を用いている。また、この熱硬化性接着剤8は、高温での硬化を推奨とされるものであり、耐熱温度が非常に高いアルミナ材は、この硬化温度においても変形等が発生することはないが、ノリル材の荷重たわみ温度よりも高いため、インクタンクホルダ6へ熱圧着を行うと、インクタンクホルダ6の変形が生じてしまう恐れがある。このため、接着部の耐熱温度が高いアルミナ材で構成された記録素子ユニットH1002をインクタンクホルダ6よりも突き出すことによって、インクタンクホルダ6に直接荷重が掛からず熱を伝えて接着剤を硬化させることができる。
【0033】
図2にはインクタンクホルダ6への接着を行わなかった場合を示した。電気フレキシブルケーブル5は、記録ヘッドを構成する部品の組み付け時の位置ズレによって左右の伸延方向の長さが異なるため、インクタンクホルダ6への接着を行わないと電気フレキシブルケーブル5が浮き上がり、カードエッジコネクタ4と干渉し、電気不良を発生させる恐れがある。
【0034】
図3(a)に示すように、記録ヘッドH1001には、記録装置からの駆動信号に基づいて電気熱変換記録素子によりインクに膜沸騰を生じさせ、記録媒体に対しインク吐出を行う記録素子基板H1100,H1101が設けられている。これらのうち、第1の記録素子基板H1100はブラックインク用の記録素子基板であり、インクタンク1に貯留されたブラックインクが供給され、これを吐出するように構成されている。また、第2の記録素子基板H1101はカラーインク用の記録素子基板であり、インクタンク2に貯留された3色のカラーインクがそれぞれ供給され、これらを吐出するように構成されている。これらの記録素子基板H1100,H1101について、以下に図4、5を用いて詳しく説明する。
図4は、図1に示した第1の記録素子基板の模式的斜視図であり、その構成を説明するために一部を破断した状態で示している。
【0035】
第1の記録素子基板H1100は、例えば、厚さ0.5〜1mmのSi基板H1110に、インク流路である長溝状の貫通口であるインク供給口H1102が形成されている。インク供給口H1102を挟んだ両側には、電気熱変換素子H1103がそれぞれ1列づつ並べて配置されて形成されており、さらに電気熱変換素子H1103に電力を供給するA1などからなる不図示の電気配線が形成されている。これらの電気熱変換素子H1103と電気配線とは成膜技術により形成されている。各列の電気熱変換素子H1103は千鳥状に配列されており、これに対応して、後述する各列の吐出口H1107の位置も、その並び列方向に直交する方向に並ばないように少しズレて配置されている。
【0036】
更に、この電気配線に電力を供給するために電極部H1104が電気熱変換素子H1103の両外側の側辺に沿って配列して形成されており、電極部H1104上にはAuなどからなるバンプH1105が形成されている。
【0037】
このように構成された第2の記録素子H1101によれば、インクタンク2から各インク供給口H1102に供給された各色のカラーインクは、各電気熱変換素子H1103の発熱によって発生した気泡の圧力で電気熱変換素子H1103に対向する吐出口H1107から吐出される。
【0038】
これらの各記録素子基板H1100,H1101とカードエッジコンタクト3とは電気フレキシブルケーブル5を介して接続されている。また、記録ヘッドH1001はカードエッジコンタクト3のカードエッジコネクタ4への挿入方向が記録ヘッドH1001からの液体吐出方法と略平行となるように構成されている。
【0039】
図6は図3に示した記録ヘッドの構成を示す分解斜視図である。
【0040】
電気フレキシブルケーブル5は、第1の記録素子基板H1100と第2の記録素子基板H1101に対してインク吐出を行うための電気駆動信号を印加する電気信号経路を形成TAB基板またはFPC基板であり、記録素子基板H1100,H1101に対応する2つの開口部が形成されている。電気フレキシブルケーブル5の各開口部の縁付近には、それぞれの記録素子基板H1100,H1101の電極部H1104に接続される電極端子5b,5cが形成されている。電気フレキシブルケーブル5と記録素子ユニットH1002とは接着固定され、これらの電極素子5b,5cと記録素子基板H1100,H1101の各電極部H1104とは超音波圧着法により電気接合され、これにより電気フレキシブルケーブル5と記録素子基板H1100,H1101とが電気的に接合される。
【0041】
電気フレキシブルケーブル5が接着固定された記録素子ユニットH1002は、ビス7aによってインクタンクホルダ6の下面に固定される。インクタンクホルダ6の下面には、例えばシリコーンゴム等からなる弾性部材で構成されたジョイントシール部材7が設けられている。ジョイントシール部材7は、インクタンクホルダ6に設けられた各インク供給口と、記録素子ユニットH1002に設けられた各インク供給口とをそれぞれシールした状態で連通させる連通口が形成されている。
【0042】
本実施形態における電気フレキシブルケーブル5の短部には、記録装置に設けられているカードエッジコネクタ4に接続される、銅箔からなる電気接点3aが形成されている。電気フレキシブルケーブル5の電気接点3aが形成されている部分には補強板3bが接着により貼り合わされており、これによってカードエッジコンタクト3が構成されている。
【0043】
補強板3bには、インクタンクホルダ6に対してカードエッジコンタクト3を固定する固定手段であるビス7bが通される取り付け穴3cが設けられている。本実施形態では、補強板3bは厚みが0.3〜1.0mmのガラスエポキシからなる板材で構成したが、補強板3bの材質これに限定されるものではなく、例えばステンレス鋼等からなる金属板を用いてもよい。また、電気フレキシブルケーブル5と補強板3bとの接合方法としては、所定の形状をもった補強板3bを配線パターン3aとの位置合わせを行った後に貼り合わせてもよい。あるいは、カードエッジコンタクト3」の寸法精度を高める必要があるときには、補強板3bと電気フレキシブルケーブル5を所定形状よりも大きめに形成しておき、補強板3bを電気フレキシブルケーブル5に張り合わせた後に、補強板3bを電気フレキシブルケーブル5と同時に所定形状に打ち抜くことで、寸法精度が高いカードエッジコンタクト3を形成することができる。
【0044】
次に、上記説明した記録ヘッドの製造方法について、図6および7を参照して説明する。
【0045】
最初に、電気フレキシブルケーブル5を記録素子ユニットH1002に接着固定し、これらの電極端子5b,5cと記録素子基板H1100,H1101の各電極部H1104とを超音波圧着法によって電気接合を行い、記録素子基板H1100,H1101の周囲および電気接合部を封止する。電気フレキシブルケーブル5と記録素子基板H1100,H1101が接合されている端部とは反対側の端部に補強板3bを接合してカ−ドエッジコンタクト3を設ける。その後、電気フレキシブルケーブル5が接合された記録素子ユニットH1002を、インクタンクホルダ6に対して位置決めし、ビス7aによってインクタンクホルダ6の下面に固定する。
【0046】
上記プロセスにおいては、カ−ドエッジコンタクト3を設けた後に記録素子ユニットH1002を、インクタンクホルダ6に固定したが、記録素子ユニットH1002をインクタンクホルダ6に固定した後にカ−ドエッジコンタクト3を設けてもよい。
【0047】
続いて、図8が示す通り、電気フレキシブルケーブル5を記録素子ユニットH1002の端面に沿って約90度の角度に折り曲げ、接着固定する。
【0048】
図8(a)は、熱硬化性接着剤8が塗布された記録ヘッドに、曲げ圧着ホーン9が電気フレキシブルケーブル5を折り曲げる様子を示した。
【0049】
図8(b)には、曲げ圧着ホーン9が電気フレキシブルケーブル5を圧着している様子を示す。この際、曲げ圧着ホーン9は高温に加熱され、電気フレキシブルケーブル5越しに熱を熱硬化性接着剤8に伝達し、硬化させている。記録素子ユニットH1002は、直接曲げ圧着ホーンによって荷重を受けているが、インクタンクホルダ6は曲げ圧着ホーン9に対して記録素子ユニットH1002よりも後退しているために荷重を受けることはなく、変形等の心配はない。
【0050】
次に電気フレキシブルケーブル5の端部に取り付けられたカードエッジコンタクト3を約180度折り返す。そして、カードエッジコンタクト3をインクタンクホルダ6に設けられた突き当て部6a、6bに突き当てて位置決めし、ビス7bを取り付け穴3cに通してインクタンクホルダ6のビス穴6cに固定する。このとき、電気フレキシブルケーブル5の、記録素子ユニットH1002からカードエッジコンタクト3までに至る伸延方向の長さが異なる。しかしながら、その長さの誤差は、図9に示すように、電気フレキシブルケーブル5を180度折り返した部分に生じる屈曲部の位置がその誤差に応じて変化することによって吸収される。そのため、その長さの誤差は、カードエッジコンタクト3をインクタンクホルダ6の突き当て部6a,6bに突き当てて位置決めする際に何ら影響しないようになっている。
【0051】
また、図10に示すように、本実施形態では、補強板3bに形成された取り付け穴3cは、電気フレキシブルケーブル5の上記伸延方向に対して直交する方向(横幅方向)に長い長穴形状を有している。そのため、電気フレキシブルケーブル5に対して補強板3cを接合するときなどに生じる誤差などによって、上記横幅方向に関してインクタンクホルダ6に対する補強板3cに位置合わせに多少の誤差が生じる場所であっても、ビス7bは、取り付け穴3cを通してビス穴6cに固定する際に取り付け穴3cと干渉しない。このようにして、上記の横方向に関するインクタンクホルダ6とカードエッジコンタクト3との位置合わせ誤差が長穴形状に取り付け穴3cによって吸収されるため、カードエッジコンタクト3をインクタンクホルダ6に固定する際に、カードエッジコンタクト3およびそれが接合された電気フレキシブルケーブル5に対してストレスを与えることはない。
【0052】
以上の工程により、図1に示した記録ヘッドH1001が構成される。
【0053】
なお、インクタンクホルダ6へのカードエッジコンタクト3の固定手段はビス7bに限られず、例えばビス7bの代わりに固定ピンを用い、ビス穴6cの代わりに固定ピンが貫通する貫通穴を形成し、固定ピンをカードエッジコンタクト3の取り付け穴3cとインクタンクホルダ6の貫通穴に通した後にその固定ピンの両端をかしめる(潰す)ことによっても、インクタンクホルダ6へのカードエッジコンタクト3を固定することができる。
【0054】
また、カードエッジ基板が剛性の高いリジット基板であれば、上記に説明した補強板3bを設ける必要がなくなるため、その分だけ部品点数と組み立て工数を減らして記録ヘッドカートリッジのコストダウンを図ることが可能となる。このようにカードエッジコンタクト3をカードエッジ基板とする場合には、電気フレキシブルケーブル5とカードエッジ基板は、異方性導電フィルム等を用いて熱圧着することで電気的に接続される。
【0055】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について図11を参照して説明する。本実施形態は、第1の実施形態における記録ヘッドH1001のカードエッジコンタクト3の構成を変更したものである。
【0056】
図11は本発明の第2の実施形態に係る記録ヘッドの全体を示す模式的斜視図である。図11において第1の実施形態と同様の部分については同一の記号を付し、説明を省略する。
【0057】
図11に示すように、本実施形態では、記録ヘッドH1001Bに設けられたカードエッジコンタクト23の、記録装置(不図示)側に設けられたカードエッジコネクタ24への挿入方向が、記録ヘッドH1001Bからの液体吐出方向に対して略垂直となる方向に構成されている。本実施形態は、カードエッジコンタクト23のカードエッジコネクタ24への挿入方向が第1の実施形態と異なっており、したがって記録装置に対して記録ヘッドH1001Bを着脱するときの記録ヘッドH1001Bの移動方向が第1の実施形態と異なっている。
【0058】
このように、記録ヘッドH1001Bにおけるカードエッジコンタクト23の取り付け位置と向きは、記録ヘッドH1001Bが装着される記録装置の構成に応じて自由に設定することができる。そのため、記録装置内への記録ヘッドH1001Bの挿入方向と記録装置のコネクタへのカードエッジコンタクト23の接続方向とが一致するようにすれば、記録装置への記録ヘッドH1001Bの装着を容易にすることができるとともに、記録装置内での記録ヘッドH1001Bの移動空間を小さくできることから記録装置の小型化を図ることができる。
【0059】
なお、カードエッジコンタクト23は、電気フレキシブルケーブル25の導体線と電気接点23aとを接続する配線回路が形成されたカードエッジ基板であってもよい。カードエッジ基板内の配線回路において配線配列変更および統合が可能であり、カードエッジコネクタ4との接続配線を簡略化することができる。また、カードエッジ基板が剛性の高いリジッド基板であれば補強板を設ける必要がなくなるため、その分だけ部品点数と組立工数を減らして記録ヘッドH1001Bのコストダウンを図ることが可能となる。このようにカードエッジコンタクト23をカードエッジ基板とする場合には、電気フレキシブルケーブル25とカードエッジ基板は、異方性導電フィルムなどを用いて熱圧着することで電気的に接続される。
【0060】
さらに、インクタンクホルダ26に対するカードエッジコンタクト23の配置位置は図11に示す位置に限られず、記録素子ユニットH1002に接合された電気フレキシブルケーブル25の伸延方向、長さ、形状等を適宜変えることにより、図11に示すインクタンクホルダ26のA面からD面の何れの面にも配置することができる。
【0061】
【発明の効果】
本出願にかかる発明によれば、記録ヘッドを構成する2部品以上の部材に熱硬化性接着剤によって電気フレキシブルケーブルを接着する際、最も荷重たわみ温度が高い部材にのみ熱圧着を行い、他の部材には荷重を加えず放射熱のみで接着を行う。
【0062】
これにより、荷重たわみ温度が低い部材を用いても変形することなく、熱硬化性接着剤で電気フレキシブルケーブルを接着固定でき、安定して記録ヘッドの生産が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態における記録ヘッドの電気フレキシブルケーブルの接着状態およびカードエッジコンタクトとカードエッジコネクタとを示す模式的拡大断面図である。
【図2】本発明を適用しない場合における記録ヘッドの電気フレキシブルケーブルの接着状態を示す模式的拡大断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態における記録ヘッドの全体を示す模式的斜視図である。
【図4】図3に示した第1の記録素子基板の模式的斜視図である。
【図5】図3に示した第2の記録素子基板の模式的斜視図である。
【図6】図3に示した記録ヘッドの構成を示す分解斜視図である。
【図7】図3等に示した記録ヘッドの製造方法を説明するための斜視図である。
【図8】本発明の第1の実施形態における電気フレキシブルケーブルの接着工程を説明するための模式的拡大断面図である。
【図9】記録ヘッドのカードエッジコンタクト近傍を示す模式的拡大断面図である。
【図10】図1等に示した記録ヘッドのインクタンクホルダとこれに対して位置合わせされたカードエッジコンタクトとを示す正面図である。
【図11】本発明の第2の実施形態に係る記録ヘッドの全体を示す模式的斜視図である。
【図12】本発明の一実施形態に係る記録装置の全体を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
1 インクタンク
2 インクタンク
3,23,33 カードエッジコンタクト
3a,23a,33a 電気接点
3b 補強板
3c 取り付け穴
4,24 カードエッジコネクタ
4a,24a 電気接点
5,25,35 電気フレキシブルケーブル
5b,5c 電極端子
6,26,36 インクタンクホルダ
6a,6b 突き当て部
6c ビス穴
6d,36d 接合面
7 ジョイントシール部材
7b ビス
8 熱硬化性接着剤
9 曲げ圧着ホーン
H1000,H1000B,H1000C 記録ヘッドカートリッジ
H1001,H1001B,H1001C 記録ヘッド
H1002 記録素子ユニット
H1100 第1の記録素子基板
H1101 第2の記録素子基板
H1102 インク供給口
H1103 電気熱変換素子
H1104 電極部
H1105 バンプ
H1106 インク流路壁
H1107 吐出口
H1108 吐出口群
H1110 Si基板
【発明の属する技術分野】
本発明は、紙や布などの記録媒体に対し液体を吐出させて記録を行う液体吐出記録ヘッド、該液体吐出記録ヘッドの製造方法に関する。
【0002】
なお、本発明は、一般的な記録装置のほか複写機、通信システムを有するファクシミリ、記録部を有するワードプロセッサなどの装置、さらには各種処理装置と複合的に組み合わされている産業用記録装置に適用することができる。
【0003】
【従来の技術】
プリンタ、複写機、ファクシミリ等の機能を有する記録装置、あるいはコンピュータやワードプロセッサ等を含む複合型電子機器やワークステーションの出力機器として用いられる記録装置は、画像情報に基づいて用紙やプラスチック薄板等の記録材(記録媒体)に画像を記録していくように構成されている。記録装置は、記録方式によりインクジェット式、ワイヤードット式、サーマル式、レーザビーム式等に分けることができる。
【0004】
その中でも、特にインクジェット式は、近年の高画質化と低ランニングコストというメリットを有し、広く一般家庭に普及するに至っている。そのため、今後は記録装置の小型化ならびに軽量化が益々必要となってきている。
【0005】
インクジェット方式を含め、各方式の記録ヘッドを有する記録装置においては、記録ヘッドはその装置内の所定の位置に取り付けられ、制御手段からの制御信号によって駆動される。この制御信号を、記録媒体を搬送する記録媒体搬送手段を制御する信号と同期させることにより、記録媒体上への画像形成が行われる。よって、記録ヘッドは、記録装置本体に対して機械的な位置決めと電気的な接続とによって繋がっている必要がある。
【0006】
現在広く普及している記録装置では、記録ヘッドを記録装置に設けられたキャリッジ上に搭載し、キャリッジを記録媒体の搬送方向と直交する方向に往復走査させることにより記録を行う、いわゆるシリアル型の記録装置が主流になっている。これは、シリアル型の記録装置は、記録領域に比べて小さな記録ヘッドで画像を形成することが可能であり、記録装置の小型化および低価格化が容易なためである。シリアル型の記録装置では、キャリッジの移動中にもそのキャリッジ上の記録ヘッドと記録装置本体の制御手段との電気的な接続を維持する必要があるため、制御手段と記録ヘッドとは、可塑性を有するフレキシブルケーブルを介して電気的に接続される。
【0007】
記録ヘッドと記録装置との電気的な接続には、半田による接続や記録ヘッド側に設けたカートリッジ基板を記録装置側ケーブルコネクタに挿入する方式、さらにはヘッド側の基板またはフレキシブルケーブルに設けられたパッドを本体側のコネクタピンおよびゴムパッドに圧接して接続する方式がある。後者の方式を用いた記録装置は、例えば特許文献1に開示されている。
【0008】
しかしながら、半田により電気接合する方法においては一度取り付けた記録ヘッドの取り外しが不可能であり、ユーザーが異なる種類の記録ヘッドを使用したり、記録ヘッドが故障した場合に交換したりすることができない。
【0009】
また、近年においては記録画像の高画質化および記録動作の高速化とともに記録ヘッドに設けられるノズル数も増加し、記録装置との電気接点数も増加しているため、記録ヘッドに電気接続パッドを設け記録装置側コネクタピンまたはゴムパッドに強く圧接して接続する方式においては、記録ヘッドおよび記録装置は相互に大きな反力を受けることになる。
【0010】
この場合、記録ヘッドのフレキシブルケーブルに設けた電気接続パッドまたは電気基板を保持する面には高い強度が必要とされるため、電気接続パッドの配置場所が限定され、設計自由度がなくなる。記録ヘッドにはインク吐出時のミストや回復動作により多くのインクが付着することがあるが、電気接点配置の自由度がなくなると電気接点部へのインク付着により電気ショート等が発生する危険性がある。さらには、記録ヘッドおよびキャリッジの剛性を高めるために、記録ヘッドおよびキャリッジの構成部材の肉厚を厚くしたり、リブを設けたりすると、記録装置が大型化してしまうという問題が生じる。
【0011】
これに対し、記録装置側のケーブルコネクタへ記録ヘッドに設けたカードエッジコンタクトを挿入する方式の場合、電気接点による相互反力はカードエッジコンタクトとコネクタとの間で相殺されるため、電気接続を行うにあたり記録ヘッドおよびキャリッジに剛性を持たせる必要性はなく、記録装置の小型化にも適している。
【0012】
しかしながら、記録装置により送られる駆動信号に基づいて液体吐出を行う記録素子基板の配線とコンタクトとがガラスエポキシ基板等のリジット基板で構成された電気基板のカードエッジパターンを介してのみ接続される場合においては、基板自身が柔軟性を持たないため記録ヘッドに設ける電気コンタクトの配置場所および方向の自由度はなく、圧接方式にコンタクトと同様に、インク吐出時のインクミストや回復動作における付着インクにより電気ショートなどの問題が発生する恐れがある。
【0013】
次に、記録装置により送られる駆動信号に基づいて液体吐出を行う記録素子基板とカードエッジコンタクトとが電気フレキシブルケーブルを介して電気的に接続する場合においては、カードエッジコンタクトを所望の位置で所望の向きで取り付けることが可能となり、液体吐出記録ヘッド上に付着した液体によってショートしてしまう事態を防ぐことができる。
【0014】
更にこの構成においては、記録装置への記録ヘッドの装着を容易にするため、記録装置内への液体吐出記録ヘッドの挿入方向と記録装置のコネクタへのカードエッジコンタクトの接続方向が一致することが望ましい。
【0015】
しかし、記録装置のコネクタへのカードエッジコンタクトの接続方向を所望の方向にするために、電気フレキシブルケーブルを折り曲げる際、記録素子基板と電気フレキシブルケーブルの位置ズレおよび電気フレキシブルケーブルとカードエッジコンタクトの位置ズレのよって、折り曲げられた電気フレキシブルケーブルはねじれを生じる。それにより、記録装置のコネクタがカードエッジコンタクトに接続される際に浮き上がった電気フレキシブルケーブルと接触し電気不良を発生させる恐れがある。
【特許文献1】
特許第2814330号明細書
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
そのため、電気フレキシブルケーブルのねじれによって浮き上がる領域を記録ヘッドに接着することによって、記録装置のコネクタがカードエッジコンタクトに接続される際にも電気フレキシブルケーブルと接触しない対応がとられた。この際に使用する接着剤は、記録ヘッドと強い接着力を有し、耐液性に優れ、更に量産時のタクトを考慮すると数秒から数十秒で硬化するものが望ましく、熱硬化型接着剤がこれに該当する。
【0017】
しかし、記録ヘッドで使用する部材の中には、高温をかけながら、圧着すると変形してしまうものもある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本出願にかかる発明は、上記の問題に鑑みてなされたものである。
【0019】
駆動信号が伝達させる複数の電気接点をもつカードエッジコンタクトと、前記駆動信号に基づいて記録媒体に液体を吐出するために利用されるエネルギーを発生させる記録素子を具備する記録素子基板と、前記カードエッジコンタクトと前記記録素子基板とを電気的に接続している電気フレキシブルケーブルと、前記液体の流路が設けられており前記記録素子基板が取り付けられた記録素子ユニットと、前記記録素子ユニットが取り付けられている本体部と、を有する液体吐出記録ヘッドにおいて、
前記電気フレキシブルケーブルが前記液体吐出ヘッドにおける複数の構成部材に対して同一方向で接着結合される際、それぞれの接着面で段差を有し、荷重たわみ温度が最も高い部材が前記電気フレキシブルケーブル側に突き出ていることを特徴とする。
【0020】
また、前記接着結合には、熱硬化性接着剤を用いることを特徴とする。
【0021】
また、前記接着面は、前記記録素子ユニットおよび前記本体部が有することを特徴とする。
【0022】
また、前記記録素子ユニットが前記電気フレキシブルケーブル側に突き出ていることを特徴とする。
【0023】
また、前記記録素子ユニットの接着面は、セラミック材であることを特徴とする。
【0024】
また、前記記録素子ユニットの接着面はエンジニアリングプラスチップであることを特徴とする。
【0025】
また、前記本体部はノリル材であることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出記録ヘッド。
【0026】
また、駆動信号が伝達させる複数の電気接点をもつカードエッジコンタクトと、前記駆動信号に基づいて記録媒体に液体を吐出するために利用されるエネルギーを発生させる記録素子を具備する記録素子基板と、前記カードエッジコンタクトと前記記録素子基板とを電気的に接続している電気フレキシブルケーブルと、前記液体の流路が設けられており前記記録素子基板が取り付けられた記録素子ユニットと、前記記録素子ユニットが取り付けられている本体部と、を有する液体吐出記録ヘッドの製造方法において、
前記記録素子ユニットに前記電気フレキシブルケーブルを接着接合する工程と、
前記記録素子ユニットに前記電気フレキシブルケーブルを電気的に接合する工程と、
前記電気フレキシブルケーブルを前記カードエッジコンタクトに電気的に接続する工程と、
前記本体部の一面に前記記録素子ユニットを結合する工程と、
前記電気フレキシブルケーブルを、前記本体部の前記一面に隣接する他の面上に沿わせるように折り曲げる工程と、
前記電気フレキシブルケーブルの少なくとも一部を複数の構成部材に接合する工程と、
前記電気フレキシブルケーブルを所定の角度だけ折り曲げた状態で、前記カードエッジコンタクトを前記本体部に取り付ける工程と、
を有することを特徴とする。
【0027】
また、前記電気フレキシブルケーブルを折り曲げる工程と、前記電気フレキシブルケーブルの少なくとも一部を複数の構成部材に接合する工程とは、一連の動作であることを特徴とする。
【0028】
【発明の実施の形態】
図を用いて、本出願にかかる発明を採用した実施例を説明する。
【0029】
(第1の実施形態)
図3は、本発明の第1の実施形態における記録ヘッドの全体を示す模式的斜視図であり、図3(a)は記録ヘッドを記録素子基板側から見た図、図3(b)はインクタンク側から見た図である。図1は図3の記録ヘッドのカードエッジコンタクトとカードエッジコネクタを示す模式的拡大断面図である。
【0030】
記録ヘッドH1001は、記録ヘッドH1001の本体部となるインクタンクホルダ6を有している。記録ヘッドカートリッジH1001は、記録ヘッドカートリッジH1001と、そのインクタンクホルダ6に対して着脱自在に装着されるインクタンク1,2とで構成されている。インクタンク1はブラックインクを内部に貯留し、インクタンク2はシアン、マゼンタ、およびイエローの3色のカラーインクを1つの筐体内に仕切り壁によって分離した状態で貯留している。
【0031】
記録ヘッドH1001は、記録装置本体(図 参照)のヘッド保持部材であるキャリッジ103に対して、位置決め手段により位置決めされた状態で着脱自在に搭載される。このとき、図1に示すように記録ヘッドH1001に設けられたカードエッジコンタクト3は、記録装置側に設けられたカードエッジコネクタ4の開口部内に挿入され、カードエッジコンタクト側の電気接点3aとカードエッジコネクタ側の電気接点4aとが接触することにより、カードエッジコネクタ4に電気的に接続される。
【0032】
また、電気フレキシブルケーブル5は約90度に曲げられ、記録素子ユニットH1002とインクタンクホルダ6に熱硬化性接着剤8によって接着固定された後、約180度曲げられてインクタンクホルダ6にビス7bで固定される。その際、記録素子ユニットH1002はインクタンクホルダ6よりも電気フレキシブルケーブル5側に突き出している。本実施形態では、記録素子ユニットH1002の接着部はアルミナ材、インクタンクホルダ6はノリル材を用いている。また、この熱硬化性接着剤8は、高温での硬化を推奨とされるものであり、耐熱温度が非常に高いアルミナ材は、この硬化温度においても変形等が発生することはないが、ノリル材の荷重たわみ温度よりも高いため、インクタンクホルダ6へ熱圧着を行うと、インクタンクホルダ6の変形が生じてしまう恐れがある。このため、接着部の耐熱温度が高いアルミナ材で構成された記録素子ユニットH1002をインクタンクホルダ6よりも突き出すことによって、インクタンクホルダ6に直接荷重が掛からず熱を伝えて接着剤を硬化させることができる。
【0033】
図2にはインクタンクホルダ6への接着を行わなかった場合を示した。電気フレキシブルケーブル5は、記録ヘッドを構成する部品の組み付け時の位置ズレによって左右の伸延方向の長さが異なるため、インクタンクホルダ6への接着を行わないと電気フレキシブルケーブル5が浮き上がり、カードエッジコネクタ4と干渉し、電気不良を発生させる恐れがある。
【0034】
図3(a)に示すように、記録ヘッドH1001には、記録装置からの駆動信号に基づいて電気熱変換記録素子によりインクに膜沸騰を生じさせ、記録媒体に対しインク吐出を行う記録素子基板H1100,H1101が設けられている。これらのうち、第1の記録素子基板H1100はブラックインク用の記録素子基板であり、インクタンク1に貯留されたブラックインクが供給され、これを吐出するように構成されている。また、第2の記録素子基板H1101はカラーインク用の記録素子基板であり、インクタンク2に貯留された3色のカラーインクがそれぞれ供給され、これらを吐出するように構成されている。これらの記録素子基板H1100,H1101について、以下に図4、5を用いて詳しく説明する。
図4は、図1に示した第1の記録素子基板の模式的斜視図であり、その構成を説明するために一部を破断した状態で示している。
【0035】
第1の記録素子基板H1100は、例えば、厚さ0.5〜1mmのSi基板H1110に、インク流路である長溝状の貫通口であるインク供給口H1102が形成されている。インク供給口H1102を挟んだ両側には、電気熱変換素子H1103がそれぞれ1列づつ並べて配置されて形成されており、さらに電気熱変換素子H1103に電力を供給するA1などからなる不図示の電気配線が形成されている。これらの電気熱変換素子H1103と電気配線とは成膜技術により形成されている。各列の電気熱変換素子H1103は千鳥状に配列されており、これに対応して、後述する各列の吐出口H1107の位置も、その並び列方向に直交する方向に並ばないように少しズレて配置されている。
【0036】
更に、この電気配線に電力を供給するために電極部H1104が電気熱変換素子H1103の両外側の側辺に沿って配列して形成されており、電極部H1104上にはAuなどからなるバンプH1105が形成されている。
【0037】
このように構成された第2の記録素子H1101によれば、インクタンク2から各インク供給口H1102に供給された各色のカラーインクは、各電気熱変換素子H1103の発熱によって発生した気泡の圧力で電気熱変換素子H1103に対向する吐出口H1107から吐出される。
【0038】
これらの各記録素子基板H1100,H1101とカードエッジコンタクト3とは電気フレキシブルケーブル5を介して接続されている。また、記録ヘッドH1001はカードエッジコンタクト3のカードエッジコネクタ4への挿入方向が記録ヘッドH1001からの液体吐出方法と略平行となるように構成されている。
【0039】
図6は図3に示した記録ヘッドの構成を示す分解斜視図である。
【0040】
電気フレキシブルケーブル5は、第1の記録素子基板H1100と第2の記録素子基板H1101に対してインク吐出を行うための電気駆動信号を印加する電気信号経路を形成TAB基板またはFPC基板であり、記録素子基板H1100,H1101に対応する2つの開口部が形成されている。電気フレキシブルケーブル5の各開口部の縁付近には、それぞれの記録素子基板H1100,H1101の電極部H1104に接続される電極端子5b,5cが形成されている。電気フレキシブルケーブル5と記録素子ユニットH1002とは接着固定され、これらの電極素子5b,5cと記録素子基板H1100,H1101の各電極部H1104とは超音波圧着法により電気接合され、これにより電気フレキシブルケーブル5と記録素子基板H1100,H1101とが電気的に接合される。
【0041】
電気フレキシブルケーブル5が接着固定された記録素子ユニットH1002は、ビス7aによってインクタンクホルダ6の下面に固定される。インクタンクホルダ6の下面には、例えばシリコーンゴム等からなる弾性部材で構成されたジョイントシール部材7が設けられている。ジョイントシール部材7は、インクタンクホルダ6に設けられた各インク供給口と、記録素子ユニットH1002に設けられた各インク供給口とをそれぞれシールした状態で連通させる連通口が形成されている。
【0042】
本実施形態における電気フレキシブルケーブル5の短部には、記録装置に設けられているカードエッジコネクタ4に接続される、銅箔からなる電気接点3aが形成されている。電気フレキシブルケーブル5の電気接点3aが形成されている部分には補強板3bが接着により貼り合わされており、これによってカードエッジコンタクト3が構成されている。
【0043】
補強板3bには、インクタンクホルダ6に対してカードエッジコンタクト3を固定する固定手段であるビス7bが通される取り付け穴3cが設けられている。本実施形態では、補強板3bは厚みが0.3〜1.0mmのガラスエポキシからなる板材で構成したが、補強板3bの材質これに限定されるものではなく、例えばステンレス鋼等からなる金属板を用いてもよい。また、電気フレキシブルケーブル5と補強板3bとの接合方法としては、所定の形状をもった補強板3bを配線パターン3aとの位置合わせを行った後に貼り合わせてもよい。あるいは、カードエッジコンタクト3」の寸法精度を高める必要があるときには、補強板3bと電気フレキシブルケーブル5を所定形状よりも大きめに形成しておき、補強板3bを電気フレキシブルケーブル5に張り合わせた後に、補強板3bを電気フレキシブルケーブル5と同時に所定形状に打ち抜くことで、寸法精度が高いカードエッジコンタクト3を形成することができる。
【0044】
次に、上記説明した記録ヘッドの製造方法について、図6および7を参照して説明する。
【0045】
最初に、電気フレキシブルケーブル5を記録素子ユニットH1002に接着固定し、これらの電極端子5b,5cと記録素子基板H1100,H1101の各電極部H1104とを超音波圧着法によって電気接合を行い、記録素子基板H1100,H1101の周囲および電気接合部を封止する。電気フレキシブルケーブル5と記録素子基板H1100,H1101が接合されている端部とは反対側の端部に補強板3bを接合してカ−ドエッジコンタクト3を設ける。その後、電気フレキシブルケーブル5が接合された記録素子ユニットH1002を、インクタンクホルダ6に対して位置決めし、ビス7aによってインクタンクホルダ6の下面に固定する。
【0046】
上記プロセスにおいては、カ−ドエッジコンタクト3を設けた後に記録素子ユニットH1002を、インクタンクホルダ6に固定したが、記録素子ユニットH1002をインクタンクホルダ6に固定した後にカ−ドエッジコンタクト3を設けてもよい。
【0047】
続いて、図8が示す通り、電気フレキシブルケーブル5を記録素子ユニットH1002の端面に沿って約90度の角度に折り曲げ、接着固定する。
【0048】
図8(a)は、熱硬化性接着剤8が塗布された記録ヘッドに、曲げ圧着ホーン9が電気フレキシブルケーブル5を折り曲げる様子を示した。
【0049】
図8(b)には、曲げ圧着ホーン9が電気フレキシブルケーブル5を圧着している様子を示す。この際、曲げ圧着ホーン9は高温に加熱され、電気フレキシブルケーブル5越しに熱を熱硬化性接着剤8に伝達し、硬化させている。記録素子ユニットH1002は、直接曲げ圧着ホーンによって荷重を受けているが、インクタンクホルダ6は曲げ圧着ホーン9に対して記録素子ユニットH1002よりも後退しているために荷重を受けることはなく、変形等の心配はない。
【0050】
次に電気フレキシブルケーブル5の端部に取り付けられたカードエッジコンタクト3を約180度折り返す。そして、カードエッジコンタクト3をインクタンクホルダ6に設けられた突き当て部6a、6bに突き当てて位置決めし、ビス7bを取り付け穴3cに通してインクタンクホルダ6のビス穴6cに固定する。このとき、電気フレキシブルケーブル5の、記録素子ユニットH1002からカードエッジコンタクト3までに至る伸延方向の長さが異なる。しかしながら、その長さの誤差は、図9に示すように、電気フレキシブルケーブル5を180度折り返した部分に生じる屈曲部の位置がその誤差に応じて変化することによって吸収される。そのため、その長さの誤差は、カードエッジコンタクト3をインクタンクホルダ6の突き当て部6a,6bに突き当てて位置決めする際に何ら影響しないようになっている。
【0051】
また、図10に示すように、本実施形態では、補強板3bに形成された取り付け穴3cは、電気フレキシブルケーブル5の上記伸延方向に対して直交する方向(横幅方向)に長い長穴形状を有している。そのため、電気フレキシブルケーブル5に対して補強板3cを接合するときなどに生じる誤差などによって、上記横幅方向に関してインクタンクホルダ6に対する補強板3cに位置合わせに多少の誤差が生じる場所であっても、ビス7bは、取り付け穴3cを通してビス穴6cに固定する際に取り付け穴3cと干渉しない。このようにして、上記の横方向に関するインクタンクホルダ6とカードエッジコンタクト3との位置合わせ誤差が長穴形状に取り付け穴3cによって吸収されるため、カードエッジコンタクト3をインクタンクホルダ6に固定する際に、カードエッジコンタクト3およびそれが接合された電気フレキシブルケーブル5に対してストレスを与えることはない。
【0052】
以上の工程により、図1に示した記録ヘッドH1001が構成される。
【0053】
なお、インクタンクホルダ6へのカードエッジコンタクト3の固定手段はビス7bに限られず、例えばビス7bの代わりに固定ピンを用い、ビス穴6cの代わりに固定ピンが貫通する貫通穴を形成し、固定ピンをカードエッジコンタクト3の取り付け穴3cとインクタンクホルダ6の貫通穴に通した後にその固定ピンの両端をかしめる(潰す)ことによっても、インクタンクホルダ6へのカードエッジコンタクト3を固定することができる。
【0054】
また、カードエッジ基板が剛性の高いリジット基板であれば、上記に説明した補強板3bを設ける必要がなくなるため、その分だけ部品点数と組み立て工数を減らして記録ヘッドカートリッジのコストダウンを図ることが可能となる。このようにカードエッジコンタクト3をカードエッジ基板とする場合には、電気フレキシブルケーブル5とカードエッジ基板は、異方性導電フィルム等を用いて熱圧着することで電気的に接続される。
【0055】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について図11を参照して説明する。本実施形態は、第1の実施形態における記録ヘッドH1001のカードエッジコンタクト3の構成を変更したものである。
【0056】
図11は本発明の第2の実施形態に係る記録ヘッドの全体を示す模式的斜視図である。図11において第1の実施形態と同様の部分については同一の記号を付し、説明を省略する。
【0057】
図11に示すように、本実施形態では、記録ヘッドH1001Bに設けられたカードエッジコンタクト23の、記録装置(不図示)側に設けられたカードエッジコネクタ24への挿入方向が、記録ヘッドH1001Bからの液体吐出方向に対して略垂直となる方向に構成されている。本実施形態は、カードエッジコンタクト23のカードエッジコネクタ24への挿入方向が第1の実施形態と異なっており、したがって記録装置に対して記録ヘッドH1001Bを着脱するときの記録ヘッドH1001Bの移動方向が第1の実施形態と異なっている。
【0058】
このように、記録ヘッドH1001Bにおけるカードエッジコンタクト23の取り付け位置と向きは、記録ヘッドH1001Bが装着される記録装置の構成に応じて自由に設定することができる。そのため、記録装置内への記録ヘッドH1001Bの挿入方向と記録装置のコネクタへのカードエッジコンタクト23の接続方向とが一致するようにすれば、記録装置への記録ヘッドH1001Bの装着を容易にすることができるとともに、記録装置内での記録ヘッドH1001Bの移動空間を小さくできることから記録装置の小型化を図ることができる。
【0059】
なお、カードエッジコンタクト23は、電気フレキシブルケーブル25の導体線と電気接点23aとを接続する配線回路が形成されたカードエッジ基板であってもよい。カードエッジ基板内の配線回路において配線配列変更および統合が可能であり、カードエッジコネクタ4との接続配線を簡略化することができる。また、カードエッジ基板が剛性の高いリジッド基板であれば補強板を設ける必要がなくなるため、その分だけ部品点数と組立工数を減らして記録ヘッドH1001Bのコストダウンを図ることが可能となる。このようにカードエッジコンタクト23をカードエッジ基板とする場合には、電気フレキシブルケーブル25とカードエッジ基板は、異方性導電フィルムなどを用いて熱圧着することで電気的に接続される。
【0060】
さらに、インクタンクホルダ26に対するカードエッジコンタクト23の配置位置は図11に示す位置に限られず、記録素子ユニットH1002に接合された電気フレキシブルケーブル25の伸延方向、長さ、形状等を適宜変えることにより、図11に示すインクタンクホルダ26のA面からD面の何れの面にも配置することができる。
【0061】
【発明の効果】
本出願にかかる発明によれば、記録ヘッドを構成する2部品以上の部材に熱硬化性接着剤によって電気フレキシブルケーブルを接着する際、最も荷重たわみ温度が高い部材にのみ熱圧着を行い、他の部材には荷重を加えず放射熱のみで接着を行う。
【0062】
これにより、荷重たわみ温度が低い部材を用いても変形することなく、熱硬化性接着剤で電気フレキシブルケーブルを接着固定でき、安定して記録ヘッドの生産が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態における記録ヘッドの電気フレキシブルケーブルの接着状態およびカードエッジコンタクトとカードエッジコネクタとを示す模式的拡大断面図である。
【図2】本発明を適用しない場合における記録ヘッドの電気フレキシブルケーブルの接着状態を示す模式的拡大断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態における記録ヘッドの全体を示す模式的斜視図である。
【図4】図3に示した第1の記録素子基板の模式的斜視図である。
【図5】図3に示した第2の記録素子基板の模式的斜視図である。
【図6】図3に示した記録ヘッドの構成を示す分解斜視図である。
【図7】図3等に示した記録ヘッドの製造方法を説明するための斜視図である。
【図8】本発明の第1の実施形態における電気フレキシブルケーブルの接着工程を説明するための模式的拡大断面図である。
【図9】記録ヘッドのカードエッジコンタクト近傍を示す模式的拡大断面図である。
【図10】図1等に示した記録ヘッドのインクタンクホルダとこれに対して位置合わせされたカードエッジコンタクトとを示す正面図である。
【図11】本発明の第2の実施形態に係る記録ヘッドの全体を示す模式的斜視図である。
【図12】本発明の一実施形態に係る記録装置の全体を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
1 インクタンク
2 インクタンク
3,23,33 カードエッジコンタクト
3a,23a,33a 電気接点
3b 補強板
3c 取り付け穴
4,24 カードエッジコネクタ
4a,24a 電気接点
5,25,35 電気フレキシブルケーブル
5b,5c 電極端子
6,26,36 インクタンクホルダ
6a,6b 突き当て部
6c ビス穴
6d,36d 接合面
7 ジョイントシール部材
7b ビス
8 熱硬化性接着剤
9 曲げ圧着ホーン
H1000,H1000B,H1000C 記録ヘッドカートリッジ
H1001,H1001B,H1001C 記録ヘッド
H1002 記録素子ユニット
H1100 第1の記録素子基板
H1101 第2の記録素子基板
H1102 インク供給口
H1103 電気熱変換素子
H1104 電極部
H1105 バンプ
H1106 インク流路壁
H1107 吐出口
H1108 吐出口群
H1110 Si基板
Claims (9)
- 駆動信号が伝達させる複数の電気接点をもつカードエッジコンタクトと、前記駆動信号に基づいて記録媒体に液体を吐出するために利用されるエネルギーを発生させる記録素子を具備する記録素子基板と、前記カードエッジコンタクトと前記記録素子基板とを電気的に接続している電気フレキシブルケーブルと、前記液体の流路が設けられており前記記録素子基板が取り付けられた記録素子ユニットと、前記記録素子ユニットが取り付けられている本体部と、を有する液体吐出記録ヘッドにおいて、
前記電気フレキシブルケーブルが接合される接合面が、前記液体吐出ヘッドにおける複数の構成部材から成り、前記構成部材間で段差を有し、前記構成部材のうち突出している部材の荷重たわみ温度が最も高いことを特徴とする液体吐出記録ヘッド。 - 前記接着結合には、熱硬化性接着剤を用いることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出記録ヘッド。
- 前記接着面は、前記記録素子ユニットおよび前記本体部が有することを特徴とする請求項1に記載の液体吐出記録ヘッド。
- 前記記録素子ユニットが前記電気フレキシブルケーブル側に突き出ていることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出記録ヘッド。
- 前記記録素子ユニットの接着面は、セラミック材であることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出記録ヘッド。
- 前記記録素子ユニットの接着面はエンジニアリングプラスチップであることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出記録ヘッド。
- 前記本体部はノリル材であることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出記録ヘッド。
- 駆動信号が伝達させる複数の電気接点をもつカードエッジコンタクトと、前記駆動信号に基づいて記録媒体に液体を吐出するために利用されるエネルギーを発生させる記録素子を具備する記録素子基板と、前記カードエッジコンタクトと前記記録素子基板とを電気的に接続している電気フレキシブルケーブルと、前記液体の流路が設けられており前記記録素子基板が取り付けられた記録素子ユニットと、前記記録素子ユニットが取り付けられている本体部と、を有する液体吐出記録ヘッドの製造方法において、
前記記録素子ユニットに前記電気フレキシブルケーブルを接着接合する工程と、
前記記録素子ユニットに前記電気フレキシブルケーブルを電気的に接合する工程と、
前記電気フレキシブルケーブルを前記カードエッジコンタクトに電気的に接続する工程と、
前記本体部の一面に前記記録素子ユニットを結合する工程と、
前記電気フレキシブルケーブルを、前記本体部の前記一面に隣接する他の面上に沿わせるように折り曲げる工程と、
前記電気フレキシブルケーブルの少なくとも一部を複数の構成部材に接合する工程と、
前記電気フレキシブルケーブルを所定の角度だけ折り曲げた状態で、前記カードエッジコンタクトを前記本体部に取り付ける工程と、
を有することを特徴とする液体吐出記録ヘッドの製造方法。 - 前記電気フレキシブルケーブルを折り曲げる工程と、前記電気フレキシブルケーブルの少なくとも一部を複数の構成部材に接合する工程とは、一連の動作であることを特徴とする請求項8に記載の液体吐出記録ヘッドの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003044296A JP2004249658A (ja) | 2003-02-21 | 2003-02-21 | 液体吐出記録ヘッド、該液体吐出記録ヘッドの製造方法、および記録装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003044296A JP2004249658A (ja) | 2003-02-21 | 2003-02-21 | 液体吐出記録ヘッド、該液体吐出記録ヘッドの製造方法、および記録装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004249658A true JP2004249658A (ja) | 2004-09-09 |
Family
ID=33027037
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2003044296A Withdrawn JP2004249658A (ja) | 2003-02-21 | 2003-02-21 | 液体吐出記録ヘッド、該液体吐出記録ヘッドの製造方法、および記録装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004249658A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007062259A (ja) * | 2005-09-01 | 2007-03-15 | Sony Corp | ヘッドモジュール、液体吐出ヘッド、液体吐出装置、及びヘッドモジュールの製造方法 |
US9400045B2 (en) | 2010-08-13 | 2016-07-26 | Allison Transmission, Inc. | Housing with a direct flow path for hardware lubrication |
-
2003
- 2003-02-21 JP JP2003044296A patent/JP2004249658A/ja not_active Withdrawn
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JP2007062259A (ja) * | 2005-09-01 | 2007-03-15 | Sony Corp | ヘッドモジュール、液体吐出ヘッド、液体吐出装置、及びヘッドモジュールの製造方法 |
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