JP2004249501A - 成形体 - Google Patents
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Abstract
【課題】成形部材に弾性部材が一体に接合され、該弾性部材は、前記成形部材と、その相手部材との間に配置される成形体において、その成形体をリサイクル処理するとき、弾性部材を容易に成形部材から剥離できるように構成する。
【解決手段】成形部材1と弾性部材4との接合面積が、成形部材1とその相手部材3との間に配置された弾性部材4が該相手部材3に接触する面積よりも小さく設定され、成形体5のリサイクル処理時に、弾性部材4を手で引っ張るだけで、その弾性部材4を成形部材1から剥離できるようにする。
【選択図】 図2
【解決手段】成形部材1と弾性部材4との接合面積が、成形部材1とその相手部材3との間に配置された弾性部材4が該相手部材3に接触する面積よりも小さく設定され、成形体5のリサイクル処理時に、弾性部材4を手で引っ張るだけで、その弾性部材4を成形部材1から剥離できるようにする。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、成形部材に弾性部材が一体に接合されている成形体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
上記形式の成形体は、コンピュータやその周辺機器、家電製品、複写機やプリンタなどの事務機器、又はその他の多くの機械、装置、或いは構造体などに広く採用されている(例えば、特許文献1参照)。これらの機械、装置或いは構造体の外装カバー、その内部に配置される内装カバー、各種のハウジングなどを、上記成形体により構成するのである。かかる成形体の成形部材は、例えば樹脂の成形品より成り、弾性部材は、例えばエラストマーより成り、弾性部材は、例えば2色(2重)成形、或いはインサート成形などにより成形部材に一体に成形されて該成形部材に接合される。
【0003】
ところで、特に近年、環境の保護や、一層の省資源化を図る目的で、或る製品を使用し尽くしたとき、これを廃棄せずに、その製品の部品を再利用することが行われている。例えば、その部品を清掃して、再び同じ部品として再使用したり、当該部品を破砕し、これを溶融して再び何らかの部品に成形するのである。
【0004】
ところが、成形部材に弾性部材が一体に接合された成形体を、上述のようにリサイクル処理する際、その成形部材に弾性部材が接合されたままの成形体を破砕してこれを溶融し、新たな成形品を製造したとすると、その特性が大きく低下するおそれがある。従って、使用済みの成形体を再利用するときは、その成形部材から弾性部材を剥離し、これらを別々にリサイクル処理する必要がある。成形体を再成形せずに再び使用する場合も、成形部材と弾性部材とを分離してから、構造体を新たな部材として再使用することが好ましい。
【0005】
ところが、従来の成形体は、その成形部材と弾性部材が強固に接合されていたため、そのリサイクル処理時に、弾性部材を成形部材から分離する作業が容易でなく、成形体のリサイクル処理に要するコストが高くなる欠点を免れなかった。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−81141号公報(第2頁、図7)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、簡単かつ低コストでリサイクル処理することのできる成形体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するため、成形部材に弾性部材が一体に接合され、該弾性部材は、前記成形部材と、その相手部材との間に配置される成形体において、前記成形部材と弾性部材との接合面積が、成形部材とその相手部材との間に配置された弾性部材が該相手部材に接触する面積よりも小さく設定されていることを特徴とする成形体を提案する(請求項1)。
【0009】
また、本発明は、上記目的を達成するため、成形部材に弾性部材が一体に接合され、該弾性部材は、前記成形部材と、その相手部材との間に配置される成形体において、前記成形部材と弾性部材との接合面積が、成形部材とその相手部材との間に配置された弾性部材が成形部材に接触する面積よりも小さく設定されていることを特徴とする成形体を提案する(請求項2)。
【0010】
さらに、本発明は、上記目的を達成するため、成形部材に弾性部材が一体に接合されている成形体において、前記弾性部材を人の手で引くことにより、該弾性部材を成形部材から剥離できるように、該弾性部材が成形部材に接合されていることを特徴とする成形体を提案する(請求項3)。
【0011】
また、本発明は、上記目的を達成するため、貫通孔が形成された成形部材と、該貫通孔のまわりの成形部材表面部分に一体に接合された弾性部材とを有し、該弾性部材を人の手で引くことにより、該弾性部材を成形部材表面部分から剥離できるように、該弾性部材が成形部材表面部分に接合されていることを特徴とする成形体を提案する(請求項4)。
【0012】
さらに、上記請求項4に記載の成形体において、成形部材と弾性部材とが同色であると有利である(請求項5)。
【0013】
また、本発明は、上記目的を達成するため、少なくとも2つの成形部材を弾性部材を介して一体に連結し、該弾性部材を人の手で引くことにより、当該弾性部材を各成形部材から剥離できるように、該弾性部材を各成形部材に接合したことを特徴とする成形体を提案する(請求項6)。
【0014】
さらに、上記請求項6に記載の成形体において、少なくとも2つの取付部材を組み付けることにより形成された開口に嵌合されるように構成され、別々の取付部材の間の開口部分に前記弾性部材が位置するように、該開口に嵌合されるように構成されていると有利である(請求項7)。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態例を図面に従って説明する。
【0016】
図1は、複写機の背面部に設けられる背面カバーより成る成形部材1を、ねじ2によって複写機本体10のフレーム(図示せず)に取り付けるときの様子を示す斜視図である。複写機本体10は、上記フレーム及び成形部材1のほかに、その成形部材1の相手部材3を構成する本体カバーを有し、成形部材1と相手部材3は、図2及び図3に示すように互いに組み付けられる。成形部材1と相手部材3は、例えば、硬質樹脂の成形品より成る。
【0017】
図3に示すように、成形部材1と相手部材3を組み付けると、これらの部材の間には隙間Gが形成される。一方、複写機本体10の内部には、駆動装置が設けられているが、その駆動装置の作動音が、成形部材1とその相手部材3の間の隙間Gから漏れ出るおそれがある。また、成形部材1が共振して、複写機周辺の者に不快感を与えるおそれもある。そこで、図3に示すように、成形部材1と相手部材3との間の隙間Gに、その隙間Gを塞ぐように弾性部材4が配置されている。かかる弾性部材4によって、複写機本体内の騒音が隙間Gを通して外部に漏出することを防止し、しかも成形部材1が大きな振幅で振動する不具合を阻止することができる。
【0018】
成形部材1を相手部材3に組み付けるときの様子を示した図2から判るように、弾性部材4は成形部材1に一体に接合され、その成形部材1と弾性部材4とによって成形体5が構成されている。かかる成形体5と相手部材3とが図3に示すように組み付けられた状態で、弾性部材4が成形部材1とその相手部材3との間に配置され、弾性部材4によって隙間Gが塞がれるのである。
【0019】
弾性部材4は、例えばエラストマーより成り、例えば2色(2重)成形又はインサート成形により成形部材1に一体化されている。エラストマーは、常温でゴム状弾性を有し、加熱により溶融再生が可能で、耐候性、耐オゾン性、耐寒性、耐熱性、加工性に優れたポリマー素材である。2色成形は、例えば、金型で基礎となる成形部材の一次成形を行った後、金型を開き、成形部材が残っていない方の金型を他の金型と交換し、その金型にエラストマー材料を二次射出して、一次成形品である成形部材にエラストマー材料を熱で結合させる方法である。インサート成形は、例えば、金型で成形した成形部材を別の金型に移し変えて、エラストマー材料を、その金型に射出して成形部材とエラストマーとの一体の成形品を得る方法である。
【0020】
ここで、図1に示した複写機がユーザにより使用し尽くされたとき、その複写機は各部材に分解されてリサイクル処理される。成形体5と相手部材3もそれぞれ分離され、その成形体5の成形部材1から弾性部材4が剥離される。その際、その弾性部材4を成形部材1が容易に剥離できるように、成形体5は次のように構成されている。
【0021】
弾性部材4は、図2に符号Aで示した比較的小さな面積の部分で成形部材1に接合している。これに対し、図3に示したように、成形部材1と相手部材3が組み付けられたとき、これらの間に配置された弾性部材4は、圧縮変形して相手部材3に大きな面積で接触する。すなわち、成形部材1と弾性部材4との接合面積が、成形部材1とその相手部材3との間に配置された弾性部材4が該相手部材3に接触する面積よりも小さく設定されているのである。このように、弾性部材4が成形部材1に接合する面積が小さいため、リサイクル処理時に弾性部材4を成形部材1から小さな力で剥離することができる。例えば弾性部材4を人の手で引くことにより、その弾性部材4を成形部材1から剥離することが可能である。これにより、成形体5を容易にリサイクル処理することができる。
【0022】
上述のように、弾性部材4は小さな面積で成形部材1に接合しているが、図3に示したように成形体5と相手部材3を組み付けてしまえば、弾性部材4は成形部材1と相手部材3との間に嵌り込むため、その弾性部材4が成形部材1から離脱するおそれはない。しかも弾性部材4が大きな面積で相手部材3に接触するので、複写機本体内の騒音が隙間Gを通して外部に漏出することを防止する効果が低下することはなく、しかも成形部材1の振動防止効果が低下することもない。
【0023】
図4及び図5は、図2に示した弾性部材4とは横断面形状の異なる弾性部材4と、その弾性部材4が接合された成形部材1を有する成形体5を示す断面図である。これらの図に示した成形体5も、図3に示したところと同じく、相手部材3に組み付けられる。また、図4及び図5に示した弾性部材4も、符号Aで示した小さな面積で成形部材1に接合し、成形部材1と相手部材3を組み付けた後は、弾性部材4が相手部材3に大きな面積で接触し、図2及び図3に示した例と同様な作用効果を奏することができる。
【0024】
また、図6は成形部材1と相手部材3をねじ2により共締めすると共に、そのねじ2を複写機本体のフレーム6にナット18によって固定した例を示している。この場合も、成形部材1と相手部材3の間に、成形部材1に接合された弾性部材4が配置され、その成形部材1と弾性部材4によって成形体5が構成されている。図7及び図8は、相手部材3に固定される前の成形体5の各例を示す断面図であり、弾性部材4が成形部材1に符号Aで示す部分で接合されている。これらの例の成形体5も、成形部材1と弾性部材4との接合面積が、成形部材1とその相手部材3との間に配置された弾性部材4が相手部材3に接触する面積よりも小さく設定されている。図7に示した例と、図8に示した例の異なるところは、各弾性部材4の形態が相違している点と、その各弾性部材4が成形部材1に接合する部分が相違している点だけである。
【0025】
また、図1乃至図8に示した例においては、成形部材1と弾性部材4との接合面積が、成形部材1とその相手部材3との間に配置された弾性部材4が成形部材1に接触する面積より小さく設定されてもいる。かかる構成によっても、成形部材1と相手部材3との間の隙間Gのシール性を高め、しかもリサイクル処理時に弾性部材4を容易に成形部材1から剥離することができる。
【0026】
弾性部材4を構成するエラストマーとしては各種形態のものを採用することができるが、弾性部材4が成形部材1とその相手部材3の間に配置される場合には、弾性部材4の硬度が高すぎると、成形部材1と相手部材3を組み付け難くなるので、弾性部材4を発泡体より成るエラストマーによって構成することが好ましい。かかる弾性部材4は、一般に柔軟性が高いため、成形部材1と相手部材3を容易に組み付けることができる。
【0027】
上述した各具体例においては、弾性部材4を成形部材1に接合する面積を小さくすることにより、成形体5のリサイクル処理時に、弾性部材4を容易に成形部材1から剥離できるように構成したが、成形部材1と弾性部材4との接合力を弱くすることによっても、弾性部材4を成形部材1から容易に剥離できるように構成することもできる。
【0028】
例えば、前述のように2色成形又はインサート成形によって弾性部材4を成形部材1に一体成形する場合、エラストマー材料を金型に射出してこれを成形部材に熱で一体化し、弾性部材4を成形するときの成形温度を低く設定する。これにより、完成した成形体5の成形部材1と弾性部材4との接合力が弱まり、成形体5のリサイクル処理時に、弾性部材4を人の手で引くことにより容易にその弾性部材4を成形部材1から剥離することが可能となる。
【0029】
或いは、成形部材1とエラストマーを一体成形するときに、これらの結合力が弱くなるような材質の成形部材材料とエラストマー材料を選択することもできる。次の表1は、各種エラストマーと、成形部材1用の樹脂材料を一体成形するときの両者の結合状態を示すものであり、×印はエラストマーと樹脂材料がくっつかない組み合わせを示し、△印はくっついたり、くっつかなかったりする組み合わせを示し、○印は強くくっつく組み合わせを示している。△印又は○印の組み合わせのエラストマーと樹脂材料を用い、その一体成形時の成形温度を調整することによって、成形体5のリサイクル時に、弾性部材4を成形部材1から手で剥離することができるように、成形体5を構成することができる。
【0030】
【表1】
【0031】
上述のように、成形部材に弾性部材が一体に接合されている成形体において、弾性部材を人の手で引くことにより、該弾性部材を成形部材から剥離できるように、該弾性部材を成形部材に接合することによって、弾性部材と成形部材との剥離性を高めることができる。
【0032】
上記構成によれば、弾性部材4を成形部材1に接合する面積を自由に設定することが可能である。図9は、図7及び図8とは形態の異なる弾性部材4を成形部材1に接合して成る成形体5を示す断面図である。ここに示した弾性部材4も、図6に示したように、成形部材1と相手部材3との間に配置される。この弾性部材4は、図9に符号Aで示すように広い面積で成形部材1に接合され、その接合面積と、弾性部材4が相手部材3に接触する面積がほぼ等しくなっているが、上述のように、弾性部材4が成形部材1に接合する接合力が弱く設定されているので、弾性部材4を容易に成形部材から剥離することができる。
【0033】
図10は、複写機の内部に配置される光学ユニット7の分解斜視図であり、この光学ユニット7は、ハウジング本体8に、成形体5A,5Bより成るカバーをねじ止めすることによりハウジングが構成され、そのハウジング内に図示していないレーザ光源、ポリゴンミラー、レンズ、平面ミラーなどが収容され、出射口9からレーザ光が出射するように構成されている。成形体5A,5Bは、硬質樹脂の成形品より成る成形部材1A,1Bと、その外表面に一体に接合されたエラストマーより成る弾性部材4A,4Bをそれぞれ有している。かかる光学ユニット7が振動すると、レーザ光路が所定位置からずれるなどして、鮮明な画像が得られなくなるが、図10に示した光学ユニット7においては、その成形部材1A,1Bに弾性部材4A,4Bが接合されているので、ハウジングの振動がその弾性部材4A,4Bにより吸収され、ハウジングの振動が効果的に抑えられる。その際、各弾性部材4A,4Bは各成形部材1A,1Bに大きな面積で接合しているが、その弾性部材4A,4Bが各成形部材1A,1Bに接合した接合力が前述のように小さく設定されているので、光学ユニット7のリサイクル処理時に、その弾性部材4A,4Bを手で引くだけで、弾性部材4A,4Bを各成形部材1A,1Bから容易に剥離することができる。
【0034】
図11は、複写機本体10に挿脱可能に装着された給紙カセット11を示す。給紙カセット11を矢印Bで示す方向に押し込んで、そのカセット11をセットする。その際、複写機本体10の成形部材1には、例えばエラストマーより成る弾性部材4が一体に接合されていて、給紙カセット11を複写機本体10にセットしたとき、そのカセット11が弾性部材4に当たって、衝撃が緩和される。この場合も、弾性部材4は成形部材1に大きな面積で接合されているが、その接合力が弱くなっているので、リサイクル処理時に、弾性部材4を手で引くだけで、その弾性部材4を成形部材1から剥離することができる。
【0035】
図12及び図13並びに図14及び図15は、図示していないファンの作動によって、複写機本体内に外気を取り入れ、又は複写機本体内の空気を外部に排出するための多数の貫通孔12が形成された成形部材1を有する成形体5を示す。図12及び図13に示した貫通孔12は矩形状に形成され、図14及び図15に示した貫通孔12は円形に形成されている。この成形部材1も、例えば硬質樹脂の成形品より成る。かかる成形部材1の貫通孔12のまわりに衝撃が加えられると、その成形部材1が変形するなどして破損する。そこで、図12乃至図15に示した成形体5は、貫通孔12のまわりの成形部材表面部分に一体に接合された弾性部材4を有している。かかる弾性部材4も、例えばエラストマーより成り、成形部材1に一体成形されている。弾性部材4を設けることによって、成形体5に衝撃が加えられても、弾性部材4によってその衝撃を緩和し、成形部材1が破損することを防止できる。
【0036】
上述した弾性部材4も、これを人の手で引くことにより、該弾性部材4を成形部材表面部分から剥離できるように、成形部材表面部分に接合されている。これにより、図12乃至図15に示した成形体5のリサイクル処理時にも、その弾性部材4を成形部材1から容易に剥離することができる。
【0037】
図12乃至図15に示した成形部材1と弾性部材4とが同色となっていると、弾性部材4が目立たず、弾性部材4を設けたことによる成形体5の外観低下を阻止できる。
【0038】
また、図13及び図15に示した成形体5においては、弾性部材4の表面が成形部材1の表面1Cと面一状態となっているが、弾性部材4の表面を成形部材1の表面1Cよりも僅かに突出させると、その弾性部材4の縁に爪などを引っ掛けやすくなり、弾性部材4を剥離しやすくなる利点が得られる。
【0039】
また、図16及び図17に示すように、少なくとも2つの取付部材(図の例で絵は2つ)13,14を組み付けることにより開口15を形成し、この開口15にカバー16を嵌合してその開口15をカバー16で覆うことは多くの装置や構造体などにおいて行われている。その際、2つの取付部材13,14を合わせて開口15を形成するとき、両取付部材13,14の取付位置が多少ずれてしまい、開口15に段差17ができてしまうことがある。かかる開口15に、一枚の板材より成るカバーを嵌合したとすると、そのカバーが開口15に合致しなくなるおそれがある。そこで、図16に示すように、少なくとも2つの成形部材1D,1Eを弾性部材4を介して一体に連結して成る成形体5によって、カバー16を構成し、該カバー16より成る成形体5を、図18に示すように開口15に嵌合する。その際、別々の取付部財13,14の間の開口部分15Aに弾性部材4が位置するように、成形体5を開口15に嵌合する。このようにすれば、開口15に多少の段差17があっても、これに合わせて弾性部材4が変形するので、成形体5を開口15に確実に嵌合することができる。
【0040】
図16に示した成形部材1D,1Eも、例えば硬質樹脂の成形品より成り、弾性部材4は例えばエラストマーより成り、かかる弾性部材4は、これを人の手で引くことにより、該弾性部材4を各成形部材1D,1Eから剥離できるように、各成形部材1D,1Eに接合されている。このため、成形体5のリサイクル処理時に、容易に、弾性部材4を成形部材1D,1Eから剥離することができる。
【0041】
本発明は、成形部材が、各種機械、装置又は構造体の外装カバー、その内部に配置される内装カバー、各種ユニットのハウジング、又はその他の物より成るときに広く適用できるものである。
【0042】
【発明の効果】
本発明によれば、成形体のリサイクル処理時に、弾性部材を成形部材から容易に剥離することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】複写機後部の斜視図である。
【図2】成形部材を相手部材に組み付けるときの様子を示す概略断面図である。
【図3】成形部材を相手部材に組み付けた後の様子を示す概略断面図である。
【図4】他の形態の弾性部材を有する成形体を示す概略断面図図である。
【図5】さらに他の形態の弾性部材を有する成形体を示す概略断面図図である。
【図6】成形体と相手部材をねじで結合した状態を示す概略断面図である。
【図7】相手部材を結合する前の成形体を示す概略断面図である。
【図8】相手部材を結合する前の成形体を示す概略断面図である。
【図9】相手部材を結合する前の成形体を示す概略断面図である。
【図10】光学ユニットの分解斜視図である。
【図11】複写機本体と給紙カセットを示す斜視図である。
【図12】多数の貫通孔を有する成形部材と、弾性部材とを有する成形体を示す図である。
【図13】図12の13−13線断面図である。
【図14】多数の貫通孔を有する成形部材と、弾性部材とを有する成形体を示す図である。
【図15】図14の15−15線断面図である。
【図16】2枚の取付部材により形成された開口と、その開口に嵌合する成形体を示す図である。
【図17】図16の17−17線断面図である。
【図18】開口に成形体を嵌合した状態を示す図である。
【符号の説明】
1,1A,1B,1D,1E 成形部材
3 相手部材
4 弾性部材
5,5A,5B 成形体
12 貫通孔
13,14 取付部材
15 開口
15A 開口部分
【発明の属する技術分野】
本発明は、成形部材に弾性部材が一体に接合されている成形体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
上記形式の成形体は、コンピュータやその周辺機器、家電製品、複写機やプリンタなどの事務機器、又はその他の多くの機械、装置、或いは構造体などに広く採用されている(例えば、特許文献1参照)。これらの機械、装置或いは構造体の外装カバー、その内部に配置される内装カバー、各種のハウジングなどを、上記成形体により構成するのである。かかる成形体の成形部材は、例えば樹脂の成形品より成り、弾性部材は、例えばエラストマーより成り、弾性部材は、例えば2色(2重)成形、或いはインサート成形などにより成形部材に一体に成形されて該成形部材に接合される。
【0003】
ところで、特に近年、環境の保護や、一層の省資源化を図る目的で、或る製品を使用し尽くしたとき、これを廃棄せずに、その製品の部品を再利用することが行われている。例えば、その部品を清掃して、再び同じ部品として再使用したり、当該部品を破砕し、これを溶融して再び何らかの部品に成形するのである。
【0004】
ところが、成形部材に弾性部材が一体に接合された成形体を、上述のようにリサイクル処理する際、その成形部材に弾性部材が接合されたままの成形体を破砕してこれを溶融し、新たな成形品を製造したとすると、その特性が大きく低下するおそれがある。従って、使用済みの成形体を再利用するときは、その成形部材から弾性部材を剥離し、これらを別々にリサイクル処理する必要がある。成形体を再成形せずに再び使用する場合も、成形部材と弾性部材とを分離してから、構造体を新たな部材として再使用することが好ましい。
【0005】
ところが、従来の成形体は、その成形部材と弾性部材が強固に接合されていたため、そのリサイクル処理時に、弾性部材を成形部材から分離する作業が容易でなく、成形体のリサイクル処理に要するコストが高くなる欠点を免れなかった。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−81141号公報(第2頁、図7)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、簡単かつ低コストでリサイクル処理することのできる成形体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するため、成形部材に弾性部材が一体に接合され、該弾性部材は、前記成形部材と、その相手部材との間に配置される成形体において、前記成形部材と弾性部材との接合面積が、成形部材とその相手部材との間に配置された弾性部材が該相手部材に接触する面積よりも小さく設定されていることを特徴とする成形体を提案する(請求項1)。
【0009】
また、本発明は、上記目的を達成するため、成形部材に弾性部材が一体に接合され、該弾性部材は、前記成形部材と、その相手部材との間に配置される成形体において、前記成形部材と弾性部材との接合面積が、成形部材とその相手部材との間に配置された弾性部材が成形部材に接触する面積よりも小さく設定されていることを特徴とする成形体を提案する(請求項2)。
【0010】
さらに、本発明は、上記目的を達成するため、成形部材に弾性部材が一体に接合されている成形体において、前記弾性部材を人の手で引くことにより、該弾性部材を成形部材から剥離できるように、該弾性部材が成形部材に接合されていることを特徴とする成形体を提案する(請求項3)。
【0011】
また、本発明は、上記目的を達成するため、貫通孔が形成された成形部材と、該貫通孔のまわりの成形部材表面部分に一体に接合された弾性部材とを有し、該弾性部材を人の手で引くことにより、該弾性部材を成形部材表面部分から剥離できるように、該弾性部材が成形部材表面部分に接合されていることを特徴とする成形体を提案する(請求項4)。
【0012】
さらに、上記請求項4に記載の成形体において、成形部材と弾性部材とが同色であると有利である(請求項5)。
【0013】
また、本発明は、上記目的を達成するため、少なくとも2つの成形部材を弾性部材を介して一体に連結し、該弾性部材を人の手で引くことにより、当該弾性部材を各成形部材から剥離できるように、該弾性部材を各成形部材に接合したことを特徴とする成形体を提案する(請求項6)。
【0014】
さらに、上記請求項6に記載の成形体において、少なくとも2つの取付部材を組み付けることにより形成された開口に嵌合されるように構成され、別々の取付部材の間の開口部分に前記弾性部材が位置するように、該開口に嵌合されるように構成されていると有利である(請求項7)。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態例を図面に従って説明する。
【0016】
図1は、複写機の背面部に設けられる背面カバーより成る成形部材1を、ねじ2によって複写機本体10のフレーム(図示せず)に取り付けるときの様子を示す斜視図である。複写機本体10は、上記フレーム及び成形部材1のほかに、その成形部材1の相手部材3を構成する本体カバーを有し、成形部材1と相手部材3は、図2及び図3に示すように互いに組み付けられる。成形部材1と相手部材3は、例えば、硬質樹脂の成形品より成る。
【0017】
図3に示すように、成形部材1と相手部材3を組み付けると、これらの部材の間には隙間Gが形成される。一方、複写機本体10の内部には、駆動装置が設けられているが、その駆動装置の作動音が、成形部材1とその相手部材3の間の隙間Gから漏れ出るおそれがある。また、成形部材1が共振して、複写機周辺の者に不快感を与えるおそれもある。そこで、図3に示すように、成形部材1と相手部材3との間の隙間Gに、その隙間Gを塞ぐように弾性部材4が配置されている。かかる弾性部材4によって、複写機本体内の騒音が隙間Gを通して外部に漏出することを防止し、しかも成形部材1が大きな振幅で振動する不具合を阻止することができる。
【0018】
成形部材1を相手部材3に組み付けるときの様子を示した図2から判るように、弾性部材4は成形部材1に一体に接合され、その成形部材1と弾性部材4とによって成形体5が構成されている。かかる成形体5と相手部材3とが図3に示すように組み付けられた状態で、弾性部材4が成形部材1とその相手部材3との間に配置され、弾性部材4によって隙間Gが塞がれるのである。
【0019】
弾性部材4は、例えばエラストマーより成り、例えば2色(2重)成形又はインサート成形により成形部材1に一体化されている。エラストマーは、常温でゴム状弾性を有し、加熱により溶融再生が可能で、耐候性、耐オゾン性、耐寒性、耐熱性、加工性に優れたポリマー素材である。2色成形は、例えば、金型で基礎となる成形部材の一次成形を行った後、金型を開き、成形部材が残っていない方の金型を他の金型と交換し、その金型にエラストマー材料を二次射出して、一次成形品である成形部材にエラストマー材料を熱で結合させる方法である。インサート成形は、例えば、金型で成形した成形部材を別の金型に移し変えて、エラストマー材料を、その金型に射出して成形部材とエラストマーとの一体の成形品を得る方法である。
【0020】
ここで、図1に示した複写機がユーザにより使用し尽くされたとき、その複写機は各部材に分解されてリサイクル処理される。成形体5と相手部材3もそれぞれ分離され、その成形体5の成形部材1から弾性部材4が剥離される。その際、その弾性部材4を成形部材1が容易に剥離できるように、成形体5は次のように構成されている。
【0021】
弾性部材4は、図2に符号Aで示した比較的小さな面積の部分で成形部材1に接合している。これに対し、図3に示したように、成形部材1と相手部材3が組み付けられたとき、これらの間に配置された弾性部材4は、圧縮変形して相手部材3に大きな面積で接触する。すなわち、成形部材1と弾性部材4との接合面積が、成形部材1とその相手部材3との間に配置された弾性部材4が該相手部材3に接触する面積よりも小さく設定されているのである。このように、弾性部材4が成形部材1に接合する面積が小さいため、リサイクル処理時に弾性部材4を成形部材1から小さな力で剥離することができる。例えば弾性部材4を人の手で引くことにより、その弾性部材4を成形部材1から剥離することが可能である。これにより、成形体5を容易にリサイクル処理することができる。
【0022】
上述のように、弾性部材4は小さな面積で成形部材1に接合しているが、図3に示したように成形体5と相手部材3を組み付けてしまえば、弾性部材4は成形部材1と相手部材3との間に嵌り込むため、その弾性部材4が成形部材1から離脱するおそれはない。しかも弾性部材4が大きな面積で相手部材3に接触するので、複写機本体内の騒音が隙間Gを通して外部に漏出することを防止する効果が低下することはなく、しかも成形部材1の振動防止効果が低下することもない。
【0023】
図4及び図5は、図2に示した弾性部材4とは横断面形状の異なる弾性部材4と、その弾性部材4が接合された成形部材1を有する成形体5を示す断面図である。これらの図に示した成形体5も、図3に示したところと同じく、相手部材3に組み付けられる。また、図4及び図5に示した弾性部材4も、符号Aで示した小さな面積で成形部材1に接合し、成形部材1と相手部材3を組み付けた後は、弾性部材4が相手部材3に大きな面積で接触し、図2及び図3に示した例と同様な作用効果を奏することができる。
【0024】
また、図6は成形部材1と相手部材3をねじ2により共締めすると共に、そのねじ2を複写機本体のフレーム6にナット18によって固定した例を示している。この場合も、成形部材1と相手部材3の間に、成形部材1に接合された弾性部材4が配置され、その成形部材1と弾性部材4によって成形体5が構成されている。図7及び図8は、相手部材3に固定される前の成形体5の各例を示す断面図であり、弾性部材4が成形部材1に符号Aで示す部分で接合されている。これらの例の成形体5も、成形部材1と弾性部材4との接合面積が、成形部材1とその相手部材3との間に配置された弾性部材4が相手部材3に接触する面積よりも小さく設定されている。図7に示した例と、図8に示した例の異なるところは、各弾性部材4の形態が相違している点と、その各弾性部材4が成形部材1に接合する部分が相違している点だけである。
【0025】
また、図1乃至図8に示した例においては、成形部材1と弾性部材4との接合面積が、成形部材1とその相手部材3との間に配置された弾性部材4が成形部材1に接触する面積より小さく設定されてもいる。かかる構成によっても、成形部材1と相手部材3との間の隙間Gのシール性を高め、しかもリサイクル処理時に弾性部材4を容易に成形部材1から剥離することができる。
【0026】
弾性部材4を構成するエラストマーとしては各種形態のものを採用することができるが、弾性部材4が成形部材1とその相手部材3の間に配置される場合には、弾性部材4の硬度が高すぎると、成形部材1と相手部材3を組み付け難くなるので、弾性部材4を発泡体より成るエラストマーによって構成することが好ましい。かかる弾性部材4は、一般に柔軟性が高いため、成形部材1と相手部材3を容易に組み付けることができる。
【0027】
上述した各具体例においては、弾性部材4を成形部材1に接合する面積を小さくすることにより、成形体5のリサイクル処理時に、弾性部材4を容易に成形部材1から剥離できるように構成したが、成形部材1と弾性部材4との接合力を弱くすることによっても、弾性部材4を成形部材1から容易に剥離できるように構成することもできる。
【0028】
例えば、前述のように2色成形又はインサート成形によって弾性部材4を成形部材1に一体成形する場合、エラストマー材料を金型に射出してこれを成形部材に熱で一体化し、弾性部材4を成形するときの成形温度を低く設定する。これにより、完成した成形体5の成形部材1と弾性部材4との接合力が弱まり、成形体5のリサイクル処理時に、弾性部材4を人の手で引くことにより容易にその弾性部材4を成形部材1から剥離することが可能となる。
【0029】
或いは、成形部材1とエラストマーを一体成形するときに、これらの結合力が弱くなるような材質の成形部材材料とエラストマー材料を選択することもできる。次の表1は、各種エラストマーと、成形部材1用の樹脂材料を一体成形するときの両者の結合状態を示すものであり、×印はエラストマーと樹脂材料がくっつかない組み合わせを示し、△印はくっついたり、くっつかなかったりする組み合わせを示し、○印は強くくっつく組み合わせを示している。△印又は○印の組み合わせのエラストマーと樹脂材料を用い、その一体成形時の成形温度を調整することによって、成形体5のリサイクル時に、弾性部材4を成形部材1から手で剥離することができるように、成形体5を構成することができる。
【0030】
【表1】
【0031】
上述のように、成形部材に弾性部材が一体に接合されている成形体において、弾性部材を人の手で引くことにより、該弾性部材を成形部材から剥離できるように、該弾性部材を成形部材に接合することによって、弾性部材と成形部材との剥離性を高めることができる。
【0032】
上記構成によれば、弾性部材4を成形部材1に接合する面積を自由に設定することが可能である。図9は、図7及び図8とは形態の異なる弾性部材4を成形部材1に接合して成る成形体5を示す断面図である。ここに示した弾性部材4も、図6に示したように、成形部材1と相手部材3との間に配置される。この弾性部材4は、図9に符号Aで示すように広い面積で成形部材1に接合され、その接合面積と、弾性部材4が相手部材3に接触する面積がほぼ等しくなっているが、上述のように、弾性部材4が成形部材1に接合する接合力が弱く設定されているので、弾性部材4を容易に成形部材から剥離することができる。
【0033】
図10は、複写機の内部に配置される光学ユニット7の分解斜視図であり、この光学ユニット7は、ハウジング本体8に、成形体5A,5Bより成るカバーをねじ止めすることによりハウジングが構成され、そのハウジング内に図示していないレーザ光源、ポリゴンミラー、レンズ、平面ミラーなどが収容され、出射口9からレーザ光が出射するように構成されている。成形体5A,5Bは、硬質樹脂の成形品より成る成形部材1A,1Bと、その外表面に一体に接合されたエラストマーより成る弾性部材4A,4Bをそれぞれ有している。かかる光学ユニット7が振動すると、レーザ光路が所定位置からずれるなどして、鮮明な画像が得られなくなるが、図10に示した光学ユニット7においては、その成形部材1A,1Bに弾性部材4A,4Bが接合されているので、ハウジングの振動がその弾性部材4A,4Bにより吸収され、ハウジングの振動が効果的に抑えられる。その際、各弾性部材4A,4Bは各成形部材1A,1Bに大きな面積で接合しているが、その弾性部材4A,4Bが各成形部材1A,1Bに接合した接合力が前述のように小さく設定されているので、光学ユニット7のリサイクル処理時に、その弾性部材4A,4Bを手で引くだけで、弾性部材4A,4Bを各成形部材1A,1Bから容易に剥離することができる。
【0034】
図11は、複写機本体10に挿脱可能に装着された給紙カセット11を示す。給紙カセット11を矢印Bで示す方向に押し込んで、そのカセット11をセットする。その際、複写機本体10の成形部材1には、例えばエラストマーより成る弾性部材4が一体に接合されていて、給紙カセット11を複写機本体10にセットしたとき、そのカセット11が弾性部材4に当たって、衝撃が緩和される。この場合も、弾性部材4は成形部材1に大きな面積で接合されているが、その接合力が弱くなっているので、リサイクル処理時に、弾性部材4を手で引くだけで、その弾性部材4を成形部材1から剥離することができる。
【0035】
図12及び図13並びに図14及び図15は、図示していないファンの作動によって、複写機本体内に外気を取り入れ、又は複写機本体内の空気を外部に排出するための多数の貫通孔12が形成された成形部材1を有する成形体5を示す。図12及び図13に示した貫通孔12は矩形状に形成され、図14及び図15に示した貫通孔12は円形に形成されている。この成形部材1も、例えば硬質樹脂の成形品より成る。かかる成形部材1の貫通孔12のまわりに衝撃が加えられると、その成形部材1が変形するなどして破損する。そこで、図12乃至図15に示した成形体5は、貫通孔12のまわりの成形部材表面部分に一体に接合された弾性部材4を有している。かかる弾性部材4も、例えばエラストマーより成り、成形部材1に一体成形されている。弾性部材4を設けることによって、成形体5に衝撃が加えられても、弾性部材4によってその衝撃を緩和し、成形部材1が破損することを防止できる。
【0036】
上述した弾性部材4も、これを人の手で引くことにより、該弾性部材4を成形部材表面部分から剥離できるように、成形部材表面部分に接合されている。これにより、図12乃至図15に示した成形体5のリサイクル処理時にも、その弾性部材4を成形部材1から容易に剥離することができる。
【0037】
図12乃至図15に示した成形部材1と弾性部材4とが同色となっていると、弾性部材4が目立たず、弾性部材4を設けたことによる成形体5の外観低下を阻止できる。
【0038】
また、図13及び図15に示した成形体5においては、弾性部材4の表面が成形部材1の表面1Cと面一状態となっているが、弾性部材4の表面を成形部材1の表面1Cよりも僅かに突出させると、その弾性部材4の縁に爪などを引っ掛けやすくなり、弾性部材4を剥離しやすくなる利点が得られる。
【0039】
また、図16及び図17に示すように、少なくとも2つの取付部材(図の例で絵は2つ)13,14を組み付けることにより開口15を形成し、この開口15にカバー16を嵌合してその開口15をカバー16で覆うことは多くの装置や構造体などにおいて行われている。その際、2つの取付部材13,14を合わせて開口15を形成するとき、両取付部材13,14の取付位置が多少ずれてしまい、開口15に段差17ができてしまうことがある。かかる開口15に、一枚の板材より成るカバーを嵌合したとすると、そのカバーが開口15に合致しなくなるおそれがある。そこで、図16に示すように、少なくとも2つの成形部材1D,1Eを弾性部材4を介して一体に連結して成る成形体5によって、カバー16を構成し、該カバー16より成る成形体5を、図18に示すように開口15に嵌合する。その際、別々の取付部財13,14の間の開口部分15Aに弾性部材4が位置するように、成形体5を開口15に嵌合する。このようにすれば、開口15に多少の段差17があっても、これに合わせて弾性部材4が変形するので、成形体5を開口15に確実に嵌合することができる。
【0040】
図16に示した成形部材1D,1Eも、例えば硬質樹脂の成形品より成り、弾性部材4は例えばエラストマーより成り、かかる弾性部材4は、これを人の手で引くことにより、該弾性部材4を各成形部材1D,1Eから剥離できるように、各成形部材1D,1Eに接合されている。このため、成形体5のリサイクル処理時に、容易に、弾性部材4を成形部材1D,1Eから剥離することができる。
【0041】
本発明は、成形部材が、各種機械、装置又は構造体の外装カバー、その内部に配置される内装カバー、各種ユニットのハウジング、又はその他の物より成るときに広く適用できるものである。
【0042】
【発明の効果】
本発明によれば、成形体のリサイクル処理時に、弾性部材を成形部材から容易に剥離することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】複写機後部の斜視図である。
【図2】成形部材を相手部材に組み付けるときの様子を示す概略断面図である。
【図3】成形部材を相手部材に組み付けた後の様子を示す概略断面図である。
【図4】他の形態の弾性部材を有する成形体を示す概略断面図図である。
【図5】さらに他の形態の弾性部材を有する成形体を示す概略断面図図である。
【図6】成形体と相手部材をねじで結合した状態を示す概略断面図である。
【図7】相手部材を結合する前の成形体を示す概略断面図である。
【図8】相手部材を結合する前の成形体を示す概略断面図である。
【図9】相手部材を結合する前の成形体を示す概略断面図である。
【図10】光学ユニットの分解斜視図である。
【図11】複写機本体と給紙カセットを示す斜視図である。
【図12】多数の貫通孔を有する成形部材と、弾性部材とを有する成形体を示す図である。
【図13】図12の13−13線断面図である。
【図14】多数の貫通孔を有する成形部材と、弾性部材とを有する成形体を示す図である。
【図15】図14の15−15線断面図である。
【図16】2枚の取付部材により形成された開口と、その開口に嵌合する成形体を示す図である。
【図17】図16の17−17線断面図である。
【図18】開口に成形体を嵌合した状態を示す図である。
【符号の説明】
1,1A,1B,1D,1E 成形部材
3 相手部材
4 弾性部材
5,5A,5B 成形体
12 貫通孔
13,14 取付部材
15 開口
15A 開口部分
Claims (7)
- 成形部材に弾性部材が一体に接合され、該弾性部材は、前記成形部材と、その相手部材との間に配置される成形体において、
前記成形部材と弾性部材との接合面積が、成形部材とその相手部材との間に配置された弾性部材が該相手部材に接触する面積よりも小さく設定されていることを特徴とする成形体。 - 成形部材に弾性部材が一体に接合され、該弾性部材は、前記成形部材と、その相手部材との間に配置される成形体において、
前記成形部材と弾性部材との接合面積が、成形部材とその相手部材との間に配置された弾性部材が成形部材に接触する面積よりも小さく設定されていることを特徴とする成形体。 - 成形部材に弾性部材が一体に接合されている成形体において、前記弾性部材を人の手で引くことにより、該弾性部材を成形部材から剥離できるように、該弾性部材が成形部材に接合されていることを特徴とする成形体。
- 貫通孔が形成された成形部材と、該貫通孔のまわりの成形部材表面部分に一体に接合された弾性部材とを有し、該弾性部材を人の手で引くことにより、該弾性部材を成形部材表面部分から剥離できるように、該弾性部材が成形部材表面部分に接合されていることを特徴とする成形体。
- 前記成形部材と弾性部材とが同色である請求項4に記載の成形体。
- 少なくとも2つの成形部材を弾性部材を介して一体に連結し、該弾性部材を人の手で引くことにより、当該弾性部材を各成形部材から剥離できるように、該弾性部材を各成形部材に接合したことを特徴とする成形体。
- 少なくとも2つの取付部材を組み付けることにより形成された開口に嵌合されるように構成され、別々の取付部材の間の開口部分に前記弾性部材が位置するように、該開口に嵌合される請求項6に記載の成形体。
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JP2015186133A (ja) * | 2014-03-25 | 2015-10-22 | 富士ゼロックス株式会社 | 画像形成装置 |
-
2003
- 2003-02-18 JP JP2003040158A patent/JP2004249501A/ja active Pending
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