JP2004249302A - サイジング方法およびその装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】接離可能な一対のサイジング部材24,11と、上記各サイジング部材24,11に設けられた押出し治具26,13とを備え、上記一対のサイジング部材24,11の離反時に形成されるサイジング空間Gにワークを供給するワーク供給工程と、供給されたワークを一対のサイジング部材24,11で保持するワーク保持工程と、一対のサイジング部材24,11を圧接してワークをサイジングするサイジング工程と、押出し治具26,13をワーク押出し方向に移動してサイジング後のワークを押出すワーク押出し工程と、少なくとも一方のサイジング部材11および押出し治具13の後退によりワークを排出するワーク排出工程とを備えたことを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は金属製のワークをワーク形状に対応してサイジング(sizing)するようなサイジング方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、上述例のサイジング装置としては図9に示すようなものがある。すなわち、大径の穴91と小径の穴92とから成る段付き穴93をもったサイジングダイス94を設ける一方、このサイジングダイス94の大径の穴91側にはワーク100をサイジングダイス94に押込む押込み部材95を備えた油圧シリンダ96を設け、サイジングダイス94の小径の穴92側にはサイジング終了後のワーク100をノックアウトさせるノックアウト部材97を備えた油圧シリンダ98を設け、ワーク100をその形状に対応してサイジングすべく構成したものである(例えば特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−143968号公報。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この従来公報に開示されたサイジング装置によれば、外径段付きワークのみならず外径に段がないストレートワークであっても効率的かつ高品質にサイジングできる利点がある。
【0005】
しかし、この従来装置においては単一のサイジングダイス94を用いる関係上、サイジングに要するストロークが長くなり、装置全体が大型化するのみならず、ピローブロック(pillow block)やケージ(cage)のような球状外周面をもったワークのサイジングができない問題点があった。
【0006】
そこで、この発明は接離可能な一対のサイジング部材と、これら各サイジング部材に設けた押出し治具とを備えることにより、サイジングに要するストロークの短縮を図って、装置の小型化を達成することができるサイジング方法およびその装置の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明によるサイジング方法は、接離可能な一対のサイジング部材と、上記各サイジング部材に設けられた押出し治具とを備え、上記一対のサイジング部材の離反時に形成されるサイジング空間にワークを供給するワーク供給工程と、供給されたワークを一対のサイジング部材で保持するワーク保持工程と、一対のサイジング部材を圧接してワークをサイジングするサイジング工程と、押出し治具をワーク押出し方向に移動してサイジング後のワークを押出すワーク押出し工程と、少なくとも一方のサイジング部材および押出し治具の後退によりワークを排出するワーク排出工程とを備えたものである。
【0008】
上記構成によれば、ワーク供給工程で、一対のサイジング部材の離反時に形成されるサイジング空間にワークが供給され、ワーク保持工程で、供給されたワークが一対のサイジング部材で保持され、サイジング工程で、一対のサイジング部材を圧接してワークがその形状に対応してサイジングされ、ワーク押出し工程で、押出し治具をワーク押出し方向に移動することによってサイジング部材に圧着しているサイジング後のワークが押出され、ワーク排出工程で、少なくとも一方のサイジング部材および押出し治具が後退することにより、ワークは排出される。
【0009】
このように接離可能な一対のサイジング部材を用いるので、サイジングに要するストロークの短縮を図って、装置の小型化を達成することができる。
また各サイジング部材には押出し治具が設けられているので、サイジング時の加圧力によりサイジング部材に圧着したワークを適切に押出すことができる。
【0010】
さらにワーク保持工程ではサイジング前のワーク(正確な形状精度を有さないワーク)の形状を利用して、このワークを一対のサイジング部材で保持するので、特別なワーク保持手段が不要で、装置の簡素化を図ることができる。
【0011】
この発明によるサイジング装置は、接離可能な一対のサイジング部材と、上記各サイジング部材に設けられた押出し治具とを備え、上記各サイジング部材に形成されワーク形状に対応するサイジング面と、上記各押出し治具を前後進させる押出し手段と、少なくとも一方のサイジング部材を他方のサイジング部材に対して接離動作させる駆動手段とを備えたものである。
【0012】
上記構成の押出し手段および駆動手段としては、1段または2段構造の油圧シリンダを用いてもよい。
上記構成によれば、駆動手段で少なくとも一方のサイジング部材を他方のサイジング部材に対して離反させると、これら一対のサイジング部材間にはサイジング空間が形成され、このサイジング空間にワークを供給することができる。
【0013】
ワークの供給後、上記駆動手段で一対のサイジング部材を圧接すると、そのサイジング面でワークをワーク形状に対応してサイジングすることができる。
サイジング終了後に、押出し手段を駆動すると、サイジング面に圧着したワークを押出し治具にて押出すことができる。
【0014】
このように接離可能な一対のサイジング部材を用いるので、サイジングに要するストロークの短縮を図って、装置の小型化を達成することができると共に、サイジング時の加圧力によりサイジング面に圧着したワークを上述の押出し治具により適切に押出すことができる。
【0015】
この発明の一実施態様においては、上記一対のサイジング部材の離反時に形成されるサイジング空間にワークを供給するワーク供給手段を備えたものである。
上記構成のワーク供給手段は、ワークを支持してサイジング空間に供給するワーク供給部材やロボットアームで構成してもよい。
上記構成によれば、サイジング空間にワークを供給することができる。
【0016】
この発明の一実施態様においては、上記ワーク供給手段によるワークの供給時に、ワークをサイジング空間の所定位置に規制する規制手段を備えたものである。
上記構成の規制手段はストッパにより構成してもよい。
上記構成によれば、規制手段にてワークのオーバランを防止するので、ワークをサイジング空間の所定位置に適切に供給することができる。
【0017】
この発明の一実施態様においては、上記サイジング面は球面に形成され、輪体形状のワーク外周球面をサイジングするものである。
上記構成の輪体形状のワークは、ピローブロック(プロペラシャフトの中間軸受を支える部材)やケージ(軸受用のボールやローラを支持する部材)に設定してもよい。
上記構成によれば、サイジング面を球面に形成したので、従来装置ではサイジングが不可能であった外周球面を有するワークをサイジングすることができる。
【0018】
【実施例】
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面はサイジング方法およびその装置を示すが、まず図1、図2を参照して、サイジング方法に用いるサイジング装置の構成について説明する。
【0019】
図1に示すように装置フレーム1を設け、この装置フレーム1の一側と他側とには2段油圧シリンダ2と1段油圧シリンダ3とを設けている。
上述の2段油圧シリンダ2は、外部シリンダ4と内部シリンダ5とを有し、内部シリンダ5内にはピストン6およびピストンロッド7を配設している。このピストンロッド6およびピストンロッド7は一体または一体的に形成されており、後述ワークW(図2、図3参照)の軸方向に移動するものである。
【0020】
また上述の内部シリンダ5の端部に固定した取付け部材8には複数のボルト9(但し、図面では図示の便宜上、その1つのみを示す)および押え部材10を介してサイジング治具としてのサイジング部材11を取付けている。
【0021】
さらに上述のピストンロッド7の先端部には環状のサイジング部材11の中央部に位置するようにボルト等の取付け部材12を用いて押出し治具13を取付けている。
【0022】
上述の内部シリンダ5のロッド部5aは外部シリンダ4の外方に延出され、この延出部にはストッパ手段としてのストッパナット14を取付ける一方、上述のピストンロッド7には連結ピン15を介して連結ロッド16を連結し、この連結ロッド16は内部シリンダ5のロッド部5aから外方に延出され、この延出部に形成されたネジ部16aにはナット17を取付けている。
【0023】
一方、上述の1段油圧シリンダ3は、シリンダチューブ18と、このシリンダチューブ18内に設けられたピストン19およびピストンロッド20とを備えている。このピストン19およびピストンロッド20は一体または一体的に形成されており、ワークW(図2、図3参照)の軸方向に移動するものである。
【0024】
上述のシリンダチューブ18の端部に固定した非可動構造の取付け部材21には複数のボルト22(但し、図面では図示の便宜上、その1つのみを示す)および押え部材23を介してサイジング治具としてのサイジング部材24を取付け、この1段油圧シリンダ3側の該サイジング部材24を2段油圧シリンダ2側のサイジング部材11と対向させている。
【0025】
また上述のピストンロッド20の先端部には環状のサイジング部材24の中央部に位置するようにボルト等の取付け部材25を用いて押出し治具26を取付け、この1段油圧シリンダ3側の該押出し治具26を2段油圧シリンダ2側の押出し治具13と対向させている。
【0026】
さらに、上述のピストンロッド20はシリンダチューブ18の外方に延出され、この延出部に形成されたネジ部20aにはナット27を取付けている。
このナット27および上述のナット17は金属製かつ輪体形状のワークの大きさに対応してワークのセンタリングを行なうためのものである。
【0027】
ここで、上述の1段油圧シリンダ3側のサイジング部材24と、2段油圧シリンダ2側のサイジング部材11とは接離可能に構成されている。この実施例では1段油圧シリンダ3側のサイジング部材24を固定構造に設定し、2段油圧シリンダ2側のサイジング部材11を内部シリンダ5による可動構造に設定しているが、これら各サイジング部材24,11をその双方共に可動構造と成すように構成してもよいことは勿論である。
【0028】
しかも、この実施例ではボルト9,22を取外して、押え部材10,23を除去すると、サイジング部材11,24をメンテナンスに際して、またはワーク形状に対応して着脱、交換することができるように構成している。
【0029】
また上述の押出し治具26は1段油圧シリンダ3によりワークWの軸方向に前後進すべく構成している。つまり、1段油圧シリンダ3により押出し治具26の押出し手段を構成したものである。
【0030】
さらに上述の押出し治具13は2段油圧シリンダ2側のピストンロッド7によりワークWの軸方向に前後進するように構成されると共に、一方のサイジング部材11および押出し治具13は2段油圧シリンダ2にて他方のサイジング部材24および押出し治具26に対して接離動作するように構成している。つまり、2段油圧シリンダ2は押出し治具13を前後進させる押出し手段と、一方のサイジング部材11を他方のサイジング部材24に対して接離動作させる駆動手段との両手段を兼ねるものである。
【0031】
図2は図1のA−A線矢視図であって、上述の一対のサイジング部材24,11の離反時にはサイジング空間G(図1参照)が形成され、このサイジング空間G(サイジングに際してワークを供給および排出するための空間)にワークWを供給するワーク供給手段としてのワークガイド28を設けている。
【0032】
このワークガイド28は略V字状のワーク保持凹部28aを有し、このワーク保持凹部28aにサイジング前のワークWつまり正確な形状精度としての真円度を有さないワークWを保持して上述のサイジング空間Gに該ワークWを供給するワーク供給部材である。
【0033】
また上述のワークWを隔ててワークガイド28と対向する位置にはワークストッパ29を設けている。このワークストッパ29はワークガイド28によるワークWの供給時に、該ワークWをサイジング空間Gの所定位置に規制する規制手段であって、このワークストッパ29によりワークWのオーバランを防止するように構成している。
【0034】
上述のワークストッパ29の基部はギヤ軸30に嵌合され、このギヤ軸30には小径のギヤ31を取付ける一方、ギヤ軸30と平行な別のギヤ軸32を設け、このギヤ軸32には大径のギヤ33を取付けて、各ギヤ31,33を常時噛合させている。
【0035】
上述のワークガイド28は大径のギヤ33および図示しないクランク機構に連係され、図2に矢印で示すような軌跡にてワークWを供給し、かつワーク供給後に後退するものである。
【0036】
また上述のワークストッパ29は図2に実線で示すワークガイド28のワーク供給時に同時に実線で示すワークストップ位置αに回動し、ワークガイド28の後退時には図2に仮想線で示す待機位置βに回動するものである。
つまり、上述のワークガイド28とワークストッパ29とは一対のギヤ31,33による同期駆動するように構成されている。
【0037】
これらの一対のギヤ31,33の下方部にはサイジング終了後のワークW(正確な形状制度、真円度にサイジングされたワーク)を排出するためのシュート34が設けられている。
【0038】
上述のサイジング部材24,11は図3に拡大して示すように、ワークWの形状に対応するサイジング面24a,11aがそれぞれ形成されている。この実施例では輪体形状の金属製のワークWの外周球面(詳しくは径方向外方へ突出する外周球面)をサイジングするので、これらの各サイジング面24a,11aは球面状に形成されている。換言すればサイジング部材を一方の部材24と他方の部材11との2つ割り構造に形成すると共に、サイジング面も一方の面24aと他方の面11aとの2つ割り構造に成したものである。
【0039】
次に図3〜図7を参照して、ワークのサイジング方法について説明する。
図3に示すワーク供給工程で、一対のサイジング部材24,11の離反時に形成されるサイジング空間G(実際には図3に示す空間Gよりも若干広い空間が形成される)にワークガイド28によりサイジング前のワークWが供給される。
【0040】
この場合、サイジング部材24,11の対向面24b,11bと、押出し治具26,13の対向面26a,13aとは径方向にて面一状となるように設定される。
またサイジング前のワークWにおける内径部Waは押出し治具26,13の対向部外周側と対向する位置にセットされる。
【0041】
次に図4に示すワーク保持工程で、サイジング空間Gに供給されたサイジング前のワークWをその形状精度としての真円度を有さないワーク形状を利用して、各サイジング部材24,11のサイジング面24a,11aと対向面24b,11bとの間のエッジ部24c,11cにて保持し、このワーク保持完了時にワークガイド28を後退させる。
【0042】
この場合、サイジング部材11は2段油圧シリンダ2の内部シリンダ5により図4の矢印a方向へ前進し、一対の押出し治具26,13は対応するピストンロッド20,7により図4の矢印b,c方向へ後退する。
【0043】
次に図5に示すサイジング工程で、一対のサイジング部材24,11を油圧による加圧力にて圧接してワークWをサイジング面24a,11aにてサイジングする。
【0044】
この場合、2段油圧シリンダ2側のサイジング部材11が図4の状態から図5に示すように内部シリンダ5により図5の矢印d方向へ前進すると共に、同側の押出し治具13もピストンロッド7により同図に示す所定位置まで前進する。
【0045】
上述のワークWのサイジング時にはワークWの外周球面がサイジング面24a,11aに圧着し、ワークWの外周球面は塑性変形により真円度を有するようにサイジングされる。
【0046】
次に図6に示すワーク押出し工程で、2段油圧シリンダ2側のサイジング部材11を同側の押出し治具13に対して相対的に後退動(図6の矢印e参照)させると共に、この押出し治具13をサイジング部材11に対して相対的に前進動(図6の矢印f参照)させ、かつ1段油圧シリンダ3側の押出し治具26を押出し方向(図6の矢印g方向参照)に移動すると、サイジング面24a,11aに圧着していたワークWはサイジング部材24,11から両部材24,11間に押出される。
【0047】
ここで、上述のサイジング部材11は内部シリンダ5で駆動され、押出し治具13はピントンロッド7で駆動され、押出し治具26はピストンロッド20で駆動される。
【0048】
次に図7に示すワーク排出工程で、2段油圧シリンダ2側のサイジング部材11および押出し治具13を図7に示す矢印h方向へ後退させると、サイジング終了後のワークWに対する保持力が解除され、一対のサイジング部材24,11間には広い空間(ワーク排出空間)が形成されるので、サイジング終了後のワークWは図7に矢印iで示す下方へ自然落下され、図2のシュート34を介して排出される。
【0049】
このように図1〜図7で示した実施例のサイジング方法は、接離可能な一対のサイジング部材24,11と、上記各サイジング部材24,11に設けられた押出し治具26,13とを備え、上記一対のサイジング部材24,11の離反時に形成されるサイジング空間GにワークWを供給するワーク供給工程(図3参照)と、供給されたワークWを一対のサイジング部材24,11のエッジ部24c,11cで保持するワーク保持工程(図4参照)と、一対のサイジング部材24,11を圧接してワークWをサイジングするサイジング工程(図5参照)と、押出し治具26,13をワーク押出し方向(矢印g,f方向)に移動してサイジング後のワークWを押出すワーク押出し工程(図6参照)と、少なくとも一方のサイジング部材11および押出し治具13の後退によりワークWを排出するワーク排出工程(図7参照)とを備えたものである。
【0050】
この構成によれば、図3に示すワーク供給工程で、一対のサイジング部材24,11の離反時に形成されるサイジング空間GにワークWが供給され、図4に示すワーク保持工程で、供給されたワークWが一対のサイジング部材24,11で保持され、図5に示すサイジング工程で、一対のサイジング部材24,11を圧接してワークWがその形状に対応してサイジングされ、図6に示すワーク押出し工程で、押出し治具26,13をワーク押出し方向に移動することによってサイジング部材24,11に圧着しているサイジング後のワークWが押出され、図7に示すワーク排出工程で、少なくとも一方のサイジング部材11および押出し治具13が後退することにより、ワークWは排出される。
【0051】
このように接離可能な一対のサイジング部材24,11を用いるので、サイジングに要するストロークの短縮を図って、装置の小型化を達成することができる。
また各サイジング部材24,11には押出し治具26,13が設けられているので、サイジング時の加圧力によりサイジング部材24,11に圧着したワークWを適切に押出すことができる。
【0052】
さらにワーク保持工程(図4参照)ではサイジング前のワークW(正確な形状精度を有さないワーク)の形状を利用して、このワークWを一対のサイジング部材24,11で保持するので、特別なワーク保持手段が不要で、装置の簡素化を図ることができる。
【0053】
また図1〜図7で示した実施例のサイジング装置は、接離可能な一対のサイジング部材24,11と、上記各サイジング部材24,11に設けられた押出し治具26,13とを備え、上記各サイジング部材24,11に形成されワーク形状に対応するサイジング面24a,11aと、上記各押出し治具26,13を前後進させる押出し手段(油圧シリンダ3,2参照)と、少なくとも一方のサイジング部材11を他方のサイジング部材24に対して接離動作させる駆動手段(2段油圧シリンダ2参照)とを備えたものである。
【0054】
この構成によれば、駆動手段(2段油圧シリンダ2参照)で少なくとも一方のサイジング部材11を他方のサイジング部材24に対して離反させると、これら一対のサイジング部材24,11間にはサイジング空間Gが形成され、このサイジング空間GにワークWを供給することができる。
【0055】
ワークWの供給後、上記駆動手段(2段油圧シリンダ2参照)で一対のサイジング部材24,11を圧接すると、そのサイジング面24a,11aでワークWをワーク形状に対応してサイジングすることができる。
サイジング終了後に、押出し手段(油圧シリンダ3,2参照)を駆動すると、サイジング面24a,11aに圧着したワークWを押出し治具26,13にて押出すことができる。
【0056】
このように接離可能な一対のサイジング部材24,11を用いるので、サイジングに要するストロークの短縮を図って、装置の小型化を達成することができると共に、サイジング時の加圧力によりサイジング面24a,11aに圧着したワークWを上述の押出し治具26,13により適切に押出すことができる。
【0057】
また、上記一対のサイジング部材24,11の離反時に形成されるサイジング空間GにワークWを供給するワーク供給手段(ワークガイド28参照)を備えたものである。
この構成によれば、サイジング空間GにワークWを供給することができる。
【0058】
さらに、上記ワーク供給手段(ワークガイド28参照)によるワークWの供給時に、ワークWをサイジング空間Gの所定位置に規制する規制手段(ワークストッパ29参照)を備えたものである。
この構成によれば、規制手段(ワークストッパ29参照)にてワークWのオーバランを防止するので、ワークWをサイジング空間Gの所定位置に適切に供給することができる。
【0059】
加えて、上記サイジング面24a,11aは球面に形成され、輪体形状のワークWの外周球面をサイジングするものである。
この構成によれば、サイジング面24a,11aを球面に形成したので、従来装置ではサイジングが不可能であった外周球面を有するワークWをサイジングすることができる。
【0060】
図8はサイジング装置の他の実施例を示し、外径段付きワークWをサイジングすべく一方のサイジング部材24には外径段付きワークWの大径部に対応するサイジング面24dを形成し、他方のサイジング部材11には外径段付きワークWの小径部に対応するサイジング面11dを形成したものである。
【0061】
図8に示すサイジング面24d,11dをもったサイジング部材24,11を図3〜図7で示したサイジング部材24,11に代えて用いると、外径段付きワークWをサイジングすることができる。
【0062】
このように構成しても、その他の構成、作用、効果については先の実施例とほぼ同様であるから、図8において前図と同一の部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略するが、上述の各サイジング部材24,11のサイジング面24a,11a,24d,11dをワークWの外周形状に対応するものに変更すると、多様のワークWのサイジングが可能となり、特に外周の一部が外方へ突出した形状を有するワークWのサイジングに有効となる。
【0063】
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明の押出し治具26の押出し手段は、実施例の1段油圧シリンダ3に対応し、
以下同様に、
押出し治具13の押出し手段は、2段油圧シリンダ2に対応し、
駆動手段は、2段油圧シリンダ2に対応し、
ワーク供給手段は、ワークガイド28に対応し、
規制手段は、ワークストッパ29に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
【0064】
例えば、上記実施例においては一方に1段油圧シリンダ3を設け、他方に2段油圧シリンダ2を設けたが、双方共に2段油圧シリンダにて構成してもよい。また図2で示したワークガイド28の移動軌跡はクランク運動によるものに限定されるものではなく、図3のサイジング空間GにワークWを供給し、図4のサイジング部材24,11間から後退動するものであればよく、例えば該ワークガイド28を斜め下方から斜め上方に向けて前進させ、ワーク供給後に斜め下方へ後退すべく構成してもよい。
【0065】
【発明の効果】
この発明によれば、接離可能な一対のサイジング部材と、これら各サイジング部材に設けた押出し治具とを備えたので、サイジングに要するストロークの短縮を図って、装置の小型化を達成することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のサイジング方法に用いるサイジング装置の平面図。
【図2】図1のA−A線矢視図。
【図3】ワーク供給工程の説明図。
【図4】ワーク保持工程の説明図。
【図5】サイジング工程の説明図。
【図6】ワーク押出し工程の説明図。
【図7】ワーク排出工程の説明図。
【図8】サイジング装置の他の実施例を示す要部断面図。
【図9】従来のサイジング装置を示す説明図。
【符号の説明】
2…2段油圧シリンダ(押出し手段、駆動手段)
3…1段油圧シリンダ(押出し手段)
11,24…サイジング部材
11a,11d,24a,24d…サイジング面
13,26…押出し治具
28…ワークガイド(ワーク供給手段)
29…ワークストッパ(規制手段)
G…サイジング空間
W…ワーク
Claims (5)
- 接離可能な一対のサイジング部材と、
上記各サイジング部材に設けられた押出し治具とを備え、
上記一対のサイジング部材の離反時に形成されるサイジング空間にワークを供給するワーク供給工程と、
供給されたワークを一対のサイジング部材で保持するワーク保持工程と、
一対のサイジング部材を圧接してワークをサイジングするサイジング工程と、
押出し治具をワーク押出し方向に移動してサイジング後のワークを押出すワーク押出し工程と、
少なくとも一方のサイジング部材および押出し治具の後退によりワークを排出するワーク排出工程とを備えた
サイジング方法。 - 接離可能な一対のサイジング部材と、
上記各サイジング部材に設けられた押出し治具とを備え、
上記各サイジング部材に形成されワーク形状に対応するサイジング面と、
上記各押出し治具を前後進させる押出し手段と、
少なくとも一方のサイジング部材を他方のサイジング部材に対して接離動作させる駆動手段とを備えた
サイジング装置。 - 上記一対のサイジング部材の離反時に形成されるサイジング空間にワークを供給するワーク供給手段を備えた
請求項2記載のサイジング装置。 - 上記ワーク供給手段によるワークの供給時に、ワークをサイジング空間の所定位置に規制する規制手段を備えた
請求項3記載のサイジング装置。 - 上記サイジング面は球面に形成され、輪体形状のワーク外周球面をサイジングする
請求項2〜4の何れか1に記載のサイジング装置。
Priority Applications (1)
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