以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1〜図4は本発明の一実施の形態に係り、図1は内視鏡装置を示す全体構成図、図2は電子内視鏡の先端部の要部断面図、図3はCCDケーブルの要部を示す断面図、図4は同軸信号線の要部を示す断面図、である。
先ず、図1に基づいて、本発明が適用される内視鏡装置の概略について説明する。
図1に示す内視鏡装置1は、電磁妨害対策手段を備えた電子内視鏡2と、この電子内視鏡2が接続されることにより、照明光を供給する光源装置3と、電子内視鏡2にスコープケーブル4を介して接続され、電子内視鏡2に内蔵された固体撮像素子(以下、CCDと略記)25(図2参照)に対する信号処理を行うビデオプロセッサ5と、このビデオプロセッサ5と接続されたモニタケーブルを介して入力され、映像信号を表示するカラーモニタ6と、を備えて構成されている。
上記電子内視鏡2は、体腔内等に挿入自在な細長の挿入部7と、この挿入部7の後端に接続された操作部8と、この操作部8から延出されたユニバーサルコード部9と、このユニバーサルコード部9の端部に設けられ、光源装置3に着脱自在に接続されるスコープコネクタ部10とを有して構成されている。
ここで、上記スコープコネクタ部10の側部には接点コネクタ部10aが設けられ、この接点コネクタ部10aには電気コネクタ4aを介してスコープケーブル4が着脱自在に接続されている。さらに、上記スコープケーブル4の他端には、電気コネクタ4bを介してビデオプロセッサ5が着脱自在に接続されている。
上記挿入部7は、内部に固体撮像装置22が設けられた先端部12と、この先端部12の後端に形成された湾曲自在の湾曲部13と、この湾曲部13の後端から操作部8の前端に至る長尺の可撓管部21とからなる。
また、上記操作部8には、湾曲操作ノブ14が設けられ、グリップ部18を把持してこの湾曲操作ノブ14を操作することにより湾曲部13を湾曲するようになっている。また、上記操作部8の側面には、送気・送水制御を行う送気・送水制御部15と、吸引の制御を行う吸引制御部16とが設けられている。さらに、この操作部8の頂部には複数のスイッチ17aを備えたスイッチ部17が設けられている。
また、上記挿入部7、操作部8及び、ユニバーサルコード部9の内部には、照明光を伝送する図示しないライトガイドが挿通されている。このライトガイドは、後端がスコープコネクタ部10に至り、光源装置3内部のランプから供給される照明光を伝送し、先端部12の照明窓20に固定された先端面から前方に出射して患部などの被写体を照明するようになっている。
上記照明光によって照明された被写体像は、照明窓20に隣接された観察窓19内に取り付けられた対物光学系ユニット23を介して、その結像位置に配置された固体撮像素子(以下CCDと称す)25に結像され、CCD25により光電変換される(図2参照)。
また、上記CCD25にはCCDケーブル30が接続され、このCCDケーブル30はスコープコネクタ部10内に収納された図示しないノイズ低減器を介してスコープケーブル4と接続され、このスコープケーブル4はビデオプロセッサ5と接続される。
また、上記挿入部7内には図示しない送気・送水管路が挿通されている。この送気・送水管路は操作部8で送気・送水制御部15に接続され、さらにユニバーサルコード部9内を挿通された送気・送水管路を介してその端部がスコープコネクタ部10に至り、光源装置3内の送気・送水機構と接続される。
また、挿入部7内に挿通された図示しない吸引管路は操作部8の前端付近で2つに分岐され、一方は鉗子口11bに連通し、他方は吸引制御部16を介してユニバーサルコード部9内の吸引管路と連通してスコープコネクタ部10の図示しない吸引口金に至る。
また、吸引管路は先端部12で先端開口11aとして開口され、この先端開口11aは吸引動作時には吸引を行う吸引口として機能し、鉗子口11bから鉗子を挿入した場合には鉗子が突出される鉗子出口として機能する。
次に、図2に基づいて、上記電子内視鏡2の先端部12の主として固体撮像装置の構成について説明する。
上記先端部12は、上記対物光学系ユニット23と、この対物光学系ユニット23の後方に配設された固体撮像装置22と、を備えて構成されている。
上記対物光学系ユニット23は、複数のレンズからなる対物レンズ群24と、この対物レンズ群24を内部に保持する対物レンズ枠28と、を備えて構成され、対物レンズ枠28が先端枠35に嵌合されることによって先端部12に保持されている。
また、上記対物レンズ枠28の基端側にはCCDホルダ27が外嵌され、このCCDホルダ27を介して上記固体撮像装置22が対物光学系ユニット23に保持されている。
具体的には、上記CCDホルダ27の内周には、上記対物レンズ群24に対向されたカバーガラス26が保持されている。
また、上記カバーガラス26の基端面には、CCD25が取り付けられている。このCCD25はCCDチップ25aを備えて構成され、このCCDチップ25aは前面に貼付されたカバーガラス25bを介して上記カバーガラス26に取り付けられている。
また、上記CCDチップ25aの前面の一部には接点としてのバンプ25eが設けられ、CCDチップ25aはバンプ25eを介して回路基板25cと接続されている。
ここで、上記回路基板25cは、いわゆるTAB構造をなし、ポリイミド基材25fと、このポリイミド基材25f上に設けられた銅箔からなる導体パターン25dとを備えて構成されている。上記導体パターン25dの一部はバンプ25eの近傍でポリイミド基材25fの端部より延出され、この延出された導体パターン25dがバンプ25eに接合されてCCDチップ25aとの信号の授受が行われるようになっている。また、上記導体パターン25dとバンプ25eとの接合部周辺は、封止樹脂25gによって密封されている。
また、上記回路基板25c上には、図示しないランドが設けられ、CCDチップ25aからの出力信号を増幅するIC、ノイズをキャンセルする為のコンデンサ、インピーダンスマッチングを確保する為の抵抗等からなる電子部品29が実装されている。なお、前記ICやコンデンサや抵抗は予めCCDチップ25aに内蔵する構成としても良い。
また、上記回路基板25c上には、CCU(カメラコントロールユニット)等との間で信号を授受するためのCCDケーブル30が接続されている。このCCDケーブル30は、例えば、25aへ駆動信号を伝送する同軸信号線39と、CCDチップ25aからの出力信号を図示しないプロセッサへ伝送する為の同軸信号線40と、CCDチップ25aを駆動する為の電源供給用の単純信号線41と、を有して構成され、これらの各信号線がCCDケーブル30の先端部から延出されて上記回路基板25cに接続されている。ここで、前記複数の同軸信号線の外部導体群42はCCDチップ25aから配線されているGND電位へ接続される。また、図示のように、固体撮像装置22の小型化が図られ、回路基板25c上に複数の信号線接続用のランドを設けることが困難な場合には、電子部品29の電極上に信号線を配置する構成がとられる。なお、このCCDケーブル30のより詳細な構成については後で詳述する。
また、上記CCDホルダ27には、シールド部材32が外嵌されている。このシールド部材32は、不要輻射を抑制すべくCCDケーブル30の先端部近傍まで延出されてCCD25の外周を覆うもので、CCD25のGNDライン(図示せず)に導通されている。
また、上記シールド部材32の内周であって、上記CCDホルダ27の基部からCCD25にかけての外周には、CCD25がシールド部材32に接触してGND電位にショートすることを防止するための、絶縁部材31が被覆されている。
また、上記シールド部材32の外周には、被覆部材34が設けられている。この被覆部材34は、上記CCDホルダ27の先端部からCCDケーブル30の先端部にかけて固体撮像装置22全体を被覆して密封するもので、被覆部材34を密閉する際には、CCD25、回路基板25c、各信号線等の周囲に充填剤33が充填される。この充填剤33は、例えばエポキシ系やシリコン系の接着剤でも良い。
ここで、このように構成された固体撮像装置22は、対物レンズ群24とCCDチップ25aとの間でピント合わせが行われた状態で対物レンズ枠28にCCDホルダ27が嵌合固定されて対物光学系ユニット23に固定される。なお、対物レンズ枠28とCCDホルダ27との固定の際には例えばエポキシ系の接着剤が用いられる。
上記先端枠35の基端側には、図示しない湾曲管を構成する湾曲第1コマ37が接続されている。
また、上記先端枠35の前面側には樹脂製の先端カバー36が設けられ、さらに、上記先端枠35や湾曲第1コマ37の外周にはゴム製の被覆部材38が設けられて先端部12が密封されている。
このような電子内視鏡2においては、CCD25を駆動する為に、CCDケーブル30を介して種々の信号がCCD25とプロセッサとの間で授受される。特にCCD25を駆動する信号として、水平転送パルスや垂直転送パルス、駆動電源が存在するが、特に水平転送パルスの駆動周波数は数MHz〜十数MHzと高い。従って、電子内視鏡2の放射ノイズを発生させる原因は主としてこの水平転送パルス信号であり、この水平転送パルス信号を伝送する信号線から放射することが知られている。
次に、図3,図4に基づいて、上記電子内視鏡2に適用され、水平転送パルス信号を伝送するにも好適なCCDケーブル30の構成について詳しく説明する。 図3に示すように、上記CCDケーブル30は、水平転送パルスを伝送する同軸信号線39と、比較的駆動周波数の低い垂直転送パルスと、CCDからの出力信号を伝送する同軸信号線40と、CCD及びハイブリッドIC駆動電源を伝送する単純信号線41と、比較的駆動周波数の低い垂直転送パルス等の他の信号を伝送する同軸信号線43とからなる信号線の撚り線群を主として構成されている。
これらの信号線の撚り中心には、例えば綿糸や弾性体からなる介在部材30dが設けられている。
また、上記撚り線群の外周には、例えばテフロン(R)系のテープからなる保護テープ30cが巻装されている。
また、上記保護テープ30cの外周には、撚り線群全体を覆い、不要輻射の抑制もしくは他からの放射ノイズの侵入を防止する為のシールド体30bが設けられている。
さらに、上記CCDケーブル30の最外周である保護テープ30cの外周には、テフロン(R)を素材にしたシース30aが設けられている。
図4に示すように、上記同軸信号線39は、その中心に内部導体39aを有し、この内部導体39aの外周には例えばテフロン(R)を素材とした絶縁体39bが被覆されている。
また、上記絶縁体39bの外周には第1の外部導体39cが設けられ、さらに、第1の外部導体39cの外周には第2の外部導体39dが設けられている。
ここで、上記第1の外部導体39cは、素線径0.03mmの銅合金線を20本程度撚った撚り線で構成され、絶縁体39bの外周に横巻きに巻装されている。この銅合金線には、例えばすずメッキの処理が行なわれる。なお、上記第1の外部導体39cの導体抵抗値を低く抑える場合には、すずメッキに代えて銀メッキ処理を行っても良い。
また、上記第2の外部導体39dは、基材であるポリエステルテープに導体抵抗の低い金属が蒸着されて構成され、第1の外部導体39cの外周に隙間なくもしくはオーバーラップするように巻装されている。この蒸着される金属としては、銅もしくはアルミニウムが適用される。このような金属蒸着は、ポリエステル基材の両面に施しても良いし、放射ノイズのレベルによっては片面でも良い。なお、第2の外部導体39dをポリエステルテープの片面のみに金属を蒸着して構成する場合には、第2の外部導体39dは金属蒸着面を第1の外部導体に密着するようにして巻装される。
さらに、上記第2の外部導体39dの外周には、例えばテフロン(R)を素材とする絶縁体39eが設けられている。
なお、垂直転送パルスやCCDからの出力信号を伝送する同軸信号線40は、第2の外部導体39dが設けられていないことを除いて、上記同軸信号線39と略同様な構成となっている。また、単純信号線41は、内部導体の外周に絶縁体が被覆された構成となっている。
このような実施の形態によれば、駆動周波数の高い水平転送パルスを伝送する同軸信号線39に2重のシールドを設けたことにより、水平転送パルスを伝送する際に内部導体39aから放射される放射ノイズを抑えることができる。
また、上記同軸信号線39を含む複数の信号線を撚り束ねた撚り線群の外周にシールド体30bを設けてCCDケーブル30を構成したので、同軸信号線39からの放射されるノイズをより確実に抑えることができる。
また、上記第1の外部導体39cは、絶縁体39bの外周に横巻きに巻装されるものなので、第1の外部導体39cが巻装時に重畳されて同軸信号線39が太径化することを防止できる。
また、第2の外部導体39dは、ポリエステルテープに金属を蒸着して構成したものなので、第2の外部導体39dの厚みを薄く形成することができ、2重のシールドを設けたことによる同軸信号線39の太径化を最小限に抑えることができる。
次に、図5は本発明による上述の実施の形態の変形例を示し、図5はCCDケーブルの要部を示す断面図である。この変形例の内視鏡装置は、CCDケーブルの構造が上述の実施の形態と異なる。なお、上述の実施の形態と同様の構成については同符号を付して説明を省略する。
この変形例におけるCCDケーブル44の中心には、高周波の駆動信号である水平転送パルスの伝送用の同軸信号線39が撚り束ねられて構成された第1の撚り線群44eが配設されている。
上記第1の撚り線群44eの外周には介在部材44hが設けられ、さらに、この介在部材44hの外周には第1のシールド体44dが設けられている。
また、上記第1のシールド体44dの外周には、CCDからの出力信号を伝送する同軸信号線40と、CCD及びハイブリッドIC駆動電源を伝送する単純信号線41と、比較的駆動周波数の低い垂直転送パルス等の他の信号を伝送する同軸信号線43、及び、線状形成された介在部材44gが撚り束ねられて構成された第2の撚り線群44fが配設されている。なお、上記介在部材44gは、第2の撚り線群44fの内径が所定の内径を有する場合には省略してもよい。
また、上記第2の撚り線群44fの外周には、テフロン(R)を素材とした保護テープ44cが螺旋状に密着して巻装されている。
また、上記保護テープ44cの外周には第2のシールド体44bが設けられ、さらに、この第2のシールド体44bの外周にはテフロン(R)を素材にしたシース44aが設けられている。
このような変形例によれば、大きなノイズの発生源である水平転送パルスを伝送する同軸信号線39を中心に配置し、この同軸信号線39の外周を第1のシールド体44d、第2の撚り線群44f、及び、第2のシールド体44bで覆うことにより、同軸信号線39から発生する輻射ノイズの遮蔽効果を向上することができ、より効果的に、不要輻射のレベルの低減を図ることができる。
[付記]
(付記1−1)
固体撮像素子を有し、この固体撮像素子への入出力信号を伝送するケーブルを備えた内視鏡装置において、
前記ケーブルを構成する複数の信号線のうち、高周波信号を伝送する信号線を同軸信号線で構成し、本同軸信号線の外部導体を第1の外部導体と第2の外部導体から成る2重シールド体としたことを特徴とする内視鏡装置。
(付記1−2)
前記2重シールド体のうち、第1のシールドをなす上記第1の外部導体は横巻きの銅合金線で構成し、第2の外部導体をなす上記第2の外部導体は、ポリエステル基材に導伝率の高い金属を蒸着して構成したことを特徴とする付記1−1に記載の内視鏡装置。
(付記1−3)
前記2重シールド体を有する信号線は、少なくとも水平転送パルス信号を伝送する信号線であることを特徴とする付記1−1に記載の内視鏡装置。
(付記1−4)
前記固体撮像素子への入出力信号を伝送する前記ケーブルは、
少なくとも高周波信号を伝送する前記信号線を含む複数の信号線の外周を被覆してノイズを遮断するシールド体を備えたことを特徴とする付記1−1乃至付記1−3に記載の内視鏡装置。
(付記1−5)
前記固体撮像素子への入出力信号を伝送する前記ケーブルは、
該ケーブルの中心に配設された、少なくとも高周波信号を伝送する前記信号線を含む複数の信号線を撚り束ねて形成した第1の撚り線群と、
この第1の撚り線群の外周を被覆してノイズを遮断する第1のシールド体と、 この第1のシールド体の外周で前記第1の撚り線群以外の信号線を撚り束ねて形成した第2の撚り線群と、
この第2の撚り線群の外周を被覆してノイズを遮断する第2のシールド体と、を備えたことを特徴とする付記1−1乃至付記1−3に記載の内視鏡装置。
ところで、先端部に固体撮像素子が配設された電子内視鏡において、固体撮像装置は、固体撮像素子と、電子部品が実装された回路基板とを有して構成され、上記固体撮像素子は、回路基板を介してCCDケーブルに接続され、このCCDケーブルを介して、制御装置との信号の授受が行われる。このような場合、上記固体撮像素子、回路基板、及び、CCDケーブルは、挿入部の長手方向に沿ってシリアルに配置されて互いに接続されている。
しかしながら、上記各部材を挿入部の長手方向に沿ってシリアルに接続した場合、先端部の長さを長大化させてしまう。
また、上記各部材をシリアルに接続した場合、固体撮像装置を構成する部材の一部が故障した際に、構成部材の部分交換を行うことが困難であった。
そこで、上記問題点に鑑み、先端部の長さを短くし且つ固体撮像装置の構成部材の部分交換を容易に行うことのできる内視鏡装置について説明する。
図6は、先端部の長さを短くし且つ固体撮像装置の構成部材の部分交換を容易に行うことのできる内視鏡装置の一実施の形態に係わり、図6は電子内視鏡の先端部の要部断面図である。
図中符号12Aは、内視鏡装置を構成する電子内視鏡の先端部を示す。この先端部12Aは、対物光学系ユニット46と、この対物光学系ユニット46の後方に配置された固体撮像装置45とを備えて構成されている。
上記対物光学系ユニット46は、複数のレンズからなる対物レンズ群57と
、この対物レンズ群57を内部に保持する対物レンズ枠58と、を備えて構成され、対物レンズ枠58が先端枠56に嵌合されることによって先端部12Aに保持されている。
また、上記先端枠56の内部に臨まされた対物レンズ枠58の基端側にはCCDホルダ49が外嵌され、このCCDホルダ49を介して上記固体撮像装置45が対物光学系ユニット46に保持されている。
具体的には、上記CCDホルダ49の内周には、上記対物レンズ群57に対向されたカバーガラス48が保持されている。
また、上記カバーガラス48の基端面には、固体撮像素子(以下、CCDと称す)47が取り付けられている。ここで、上記CCD47は、上記先端枠56内に略格納された状態で配設され、CCD47の基端面に設けられたリード47aのみが先端枠56の外部に露呈されている。
また、上記リード47aには、第1の回路基板50が設けられている。この第1の回路基板50は、例えばポリイミド基材に銅箔のパターン50aを積層したフレキシブル基板で構成されている。上記第1の回路基板50にはリード47を挿入可能なリード接続孔50bが設けられ、このリード接続孔50bにリード47が挿通されハンダ等で固定されることによって、第1の回路基板50はCCD47に保持されるとともに、CCD47と第1の回路基板50との間での信号の授受が行われるようになっている。また、上記第1の回路基板50上には、図示しないランドが設けられ、CCD47からの出力信号を増幅するIC、ノイズをキャンセルする為のコンデンサ、インピーダンスマッチングを確保する為の抵抗等からなる電子部品51が実装されている。なお、前記ICやコンデンサや抵抗は予めCCD47に内蔵する構成としても良い。ここで、上記第1の回路基板50は、その基板面がCCD47の基端面に対して平行に配設されており、第1の回路基板50の一端部のみが先端部12Aの先端側に向かってL字状に屈曲されている。また、第1の回路基板50の屈曲された一端部の先端からは、上記パターン50aがポリイミド基材から延出されている。
また、上記先端枠56の基端側には、上記第1の回路基板50と同様の素材で構成された、第2の回路基板52が設けられている。この第2の回路基板52は略L字形状をなし、第2の回路基板52の一端側は、先端枠56の周部に沿って配設され、その端部が第1の回路基板50から延出されたパターン50aに臨まされている。すなわち、この第2の回路基板52の一端側は、先端枠56の周部に沿って円弧状に形成されている。上記第2の回路基板52の一端側端部には、図示しないランドが設けられており、このランドに上記パターン50aが例えばハンダ付けされて第1の回路基板50と第2の回路基板52とが接続されている。一方、上記第2のランドの他端側は、先端枠56の基端部から突出して配置され、その端部近傍にはランド52aが設けられている。このランド52aには、CCDケーブル53を構成する信号線54がハンダ等によって接続されている。
なお、図中符号55は、図示しない光源装置からの照明光を伝送するライトガイドである。
このような実施の形態によれば、以下の作用、効果がある。
CCD47とCCDケーブル53との間に介装される回路基板を第1の回路基板50と第2の回路基板52とで構成し、第1の回路基板50を基板面がCCD47の基端面に平行となるよう配設し、第2の回路基板52を先端枠56の縁部に沿って配設したので、回路基板を設けるための長手方向のスペースを短縮でき、電子内視鏡の先端部12Aの長さを短縮することが出来る。
また、電子内視鏡の硬質長に対し、CCDケーブル53の固定部を前側に配置することが出来るため、CCDケーブル53の固定部の強度を確保することが出来る。
また、CCD47に第1の回路基板50を接続する一方、CCDケーブル53に第2の回路基板52を接続し、これら第1,第2の回路基板50,53を介して、CCD47とCCDケーブル53とを接続したので、CCD47とCCDケーブル53とを別々にリペアすることが出来、リペア性やサービス性が向上する。
なお、本実施の形態では、第2の回路基板52の一端側の形状を円弧状に形成した例を示したが、これに限らず、例えば、先端枠56の周部に沿って円筒状に形成してもよいし、角筒状に形成してもよい。
ところで、先端部に固体撮像素子が配設された電子内視鏡において、固体撮像装置は、固体撮像素子と、電子部品が実装された回路基板とを有して構成され、上記固体撮像素子は、回路基板を介してCCDケーブルに接続され、このCCDケーブルを介して、制御装置との間で信号の授受が行われる。このような固体撮像装置において、回路基板とCCDケーブルの信号線との接続は、一般に、はんだ付け等により行われる。
しかしながら、上記内視鏡装置において、CCDケーブルには湾曲部の湾曲操作等に伴う曲げや引っ張り等が発生するため、これによって、CCDケーブルと回路基板との接続部が断線される虞があった。これに対処し、CCDケーブルと回路基板との接続部の強度の向上を図ると、接続部のコンパクト化を図ることが困難となる。
そこで、上記問題点に鑑み、CCDケーブル接続部の接続強度の向上を図ることのできる内視鏡装置について説明する。
図7乃至図9は、CCDケーブル接続部の接続強度の向上を図ることのできる内視鏡装置の第1の実施の形態を示し、図7は固体撮像装置の要部断面図、図8は図7における回路基板近傍の底面図、図9はケーブル保持部材の展開図、である。
図7において、符号60は固体撮像装置を示し、この固体撮像装置60は、先端部に設けられたCCDホルダ61dを介して対物光学系ユニット69に外嵌されている。ここで、CCDホルダ61dは、後述する固体撮像素子(以下CCDと称す)61が対物光学系ユニット69に対してピント出しされた状態で、対物光学系ユニット69に嵌合され、例えばエポキシ系の接着剤を介して固定されている。
上記CCDホルダ61dの内周にはカバーガラス61cが嵌合固定され、このカバーガラス61cの基端面には上記CCD61が貼付されている。
上記CCD61には、リード61aと61bが設けられ、これらは内視鏡の基端側に延出されている。
上記リード61aには、CCDケーブル65を構成する信号線65bがハンダ等で接続されており、CCD61を駆動する信号が伝送される。
一方、リード61bには、回路基板62がハンダ等で接続固定されている。
上記回路基板62上には、CCD61からの出力信号を増幅するためのIC63や、他の電子部品64が実装されている。さらに、回路基板62上には図示しないランドが設けられており、上記CCDケーブル65を構成する他の信号線65aがランドを介して接続されている。例えば信号線65aは、CCD61からの出力信号をビデオプロセッサ5に伝送する。
ここで、上記CCDケーブル65は、各信号線の接続強度を向上するため、ケーブル保持部材66を介して回路基板62に固定されている。
詳しく説明すると、図9に示すように、上記ケーブル保持部材66は、回路基板62の左右側部に狭着可能な基板保持部66aと、CCDケーブル65に巻着可能なケーブル保持部66bと、を備えた平板部材で構成されている。
このケーブル保持部材66は、図7,8に示すように、回路基板62とCCDケーブル65との間に介装され、基板保持部66aが回路基板62側に折り曲げられて回路基板62の左右側部を狭着するとともに、ケーブル保持部66bがCCDケーブル65側に折り曲げられてCCDケーブル65を巻着することによって、CCDケーブル65を回路基板62に固定する。
また、上記CCD61や回路基板62周辺の電装部の外周には、シールド部材67が設けられ、このシールド部材67の外周には被覆部材68設けられている。
このような実施の形態によれば、ケーブル保持部材66を介してCCDケーブル65を回路基板62に固定したので、CCDケーブル65の固定強度を向上させることが出来る。従って、内視鏡湾曲時等にかかる各信号線の動きを規制することが出来、CCDケーブル65の断線を低減することが出来る。
次に、図10は、CCDケーブル接続部の接続強度の向上を図ることのできる内視鏡装置の第2の実施の形態を示し、図10は固体撮像装置の要部断面図である。
図10において、符号70は固体撮像装置を示し、この固体撮像装置70は、先端部に設けられたCCDホルダ79を介して対物光学系ユニット71に外嵌されている。ここで、CCDホルダ79は、後述する固体撮像素子(以下CCDと称す)72が対物光学系ユニット71に対してピント出しされた状態で、対物光学系ユニット71に嵌合され、例えばエポキシ系の接着剤を介して固定されている。
上記CCDホルダ79の内周にはカバーガラス78が嵌合固定され、このカバーガラス78の基端面には上記CCD72が貼付されている。
上記CCD72には、リード72aと72bが設けられ、これらは内視鏡の基端側に延出されている。
上記リード72aには、CCDケーブル74を構成する信号線74aがハンダ等で接続されており、信号線74aにより例えばCCD72を駆動する信号が伝達される。
一方、上記リード72bは例えばCCD72からの出力信号が伝送されるものであり、リード72bには、上記CCD72からの出力信号を増幅するICを実装した回路基板73がハンダ等で接続固定されている。
上記回路基板73上には、図示しないランドが設けられており、上記CCDケーブル74を構成する他の信号線74bがランド上に接続されている。
上記CCDホルダ79の基端側には、シールド部材75が外嵌されている。詳しく説明すると、このシールド部材75は、ノイズの不要輻射を抑制すべく主としてCCD72と回路基板73の外周を覆うもので、底部にケーブル挿通孔75aを備えた略円筒形状の部材に形成されている。そして、上記シールド部材75は、開放端側がCCDホルダ79の基端側に嵌合されることによって保持されている。
また、上記ケーブル挿通孔75aにはCCDケーブル74が挿通され、CCDケーブル74は、CCDホルダ内部で、リング状の固定部材76によって強くかしめられて抜け止めが行われている。
さらに、上記CCDケーブル74は、固定材77を介してシールド部材75に固定されている。固定部材77は例えばエポキシ系の接着剤等で構成される。
このような実施の形態によれば、CCDケーブル74はシールド部材75内で固定部材76により強くカシメられ、かつ固定材77にて固定されているので、CCDケーブル74に基端側への引っ張り等の力がかかってもこの固定部材76で力が吸収され、シールド部材75内の信号線74a,74bにはストレスがかかることがないので、信号線の断線を低減することが出来る。
次に、図11は、CCDケーブル接続部の接続強度の向上を図ることのできる内視鏡装置の第3の実施の形態を示し、図11は固体撮像装置の要部断面図である。
図中符号12Bは、内視鏡装置を構成する電子内視鏡の先端部を示す。この先端部12Bは、対物光学系ユニット81と、この対物光学系ユニット81の後方に配置された固体撮像装置80とを備えて構成されている。
上記対物光学系ユニット81は、先端部12Bの先端側に配設された先端枠89に嵌合保持されている。
また、上記対物光学系ユニット81の基端側にはCCDホルダ84が外嵌され、このCCDホルダ84を介して上記固体撮像装置80が保持されている。ここで、固体撮像装置80は、後述する固体撮像素子(以下CCDと称す)82が対物光学系ユニット81との間でピント出しされた状態で保持されている。
具体的には、上記CCDホルダ84の内周には、カバーガラス83が嵌合保持され、このカバーガラス83の基端面には、上記CCD82が貼着されている。
また、上記CCD82は基端側にリード82aとリード82bとを有し、リード82aには、CCDケーブル87を構成する信号線87aの一部が接続され、一方、上記リード82bには回路基板85を介して他の信号線87aが接続されている。
また、上記CCDホルダ84の基端側には、不要ノイズの輻射を抑制すべくシールド部材86が外嵌され、このシールド部材86は主としてCCD82と回路基板85の外周を覆っている。
また、上記先端枠89には、ケーブル固定部材90が取り付けられ、内視鏡基端部に向かって延出している。ここで、このケーブル固定部材90は、所定の曲率を有した板状、或いは曲率を有さない板状の部材で構成されている。なお、このケーブル固定部材90は先端枠89内に接着剤で固定されてもよいし、図示しないネジ等で固定されても良い。
また、上記CCDケーブル87には、リング状に形成された固定部材88が設けられ、この固定部材88は前記ケーブル固定部材90に固定されている。
また、上記先端枠89の基端側には、湾曲管(図示せず)を構成する湾曲第1コマ92が外嵌固定されている。ここで、上記固定部材88とケーブル固定部材90との接続部91は、湾曲第1コマ92の先端部内に収まるように構成されている。
このような実施の形態によれば、CCDケーブル87を確実に固定でき、断線等を防ぐことが出来る。
なお、このような実施の形態において、CCDケーブル87と回路基板85との間に仲介用の基板を設けてもよい。この基板には、例えばポリイミドを基材としたフレキシブル基板が用いられる。
すなわち、一般に、CCD82や回路基板85等からなる撮像ユニットには、CCD82や回路基板85等にケーブルの各信号線が接続され、その外周はシールド部材86で覆われ、シールド部材86内は接着剤で固められるものであるため、ケーブルの断線等が発生して固体撮像装置の修理(例えばケーブルの交換)を行う場合にはこの接着剤を取り除く作業が発生する。この作業はかなりの時間を要するものであるが、CCDケーブル87と回路基板85とをフレキシブル基板を介して接続することにより、修理作業は接着剤を取り除く作業を行うことなくフレキシブル基板上で行うのみで済み、作業工数を最小限に抑えることができる。換言すれば、前記固体撮像装置80内に設けた回路基板85とCCDケーブル87とを、フレキシブル基板等で仲介する構成にすることにより、固体撮像装置80やCCDケーブル87に不具合が発生しても、フレキシブル基板とCCDケーブル87を切り離すことで最小限の修理に留めることが出来、内視鏡の修理性が向上する。
次に、図12は、CCDケーブル接続部の接続強度の向上を図ることのできる内視鏡装置の第4の実施の形態を示し、図12は固体撮像装置95の要部断面図である。なお、この実施の形態において、上述のCCDケーブル接続部の接続強度の向上を行うことのできる内視鏡装置の第3の実施の形態と同様の部材については、同符号を付して説明を省略する。
CCD96の基端側にはリード96aが延出されており、このリード96aには回路基板97が接続固定されている。
上記回路基板97には、図示しないランドが設けられ、このランドにCCDケーブル98が接続されている。すなわち、上記CCDケーブル98を構成する信号線98aはCCDケーブル98の先端から延出され、この延出された複数の信号線98aが上記回路基板97に設けられたランドに接続されている。
また、上記CCDケーブル98から延出された複数の信号線98aにはこれらを束ねて被覆する被覆部材100が設けられ、さらに、この被覆部材100の外周には固定部材101によりカシメられている。そして、上記CCDケーブル98の先端側は、固定部材101が例えばロウ102によって湾曲第1コマ92に接合されることによって固定されている。
ここで、上記固定部材101は、湾曲第1コマ92内部で固定されるものである。また、図示しないが湾曲管全域の範囲において、ケーブルの最外周のシースを剥離し、信号線群を湾曲管内に配置させても良い。
このような実施の形態によれば、信号線98aは固定部材101で固定されているので湾曲操作を行っても固定部材1O1よりも先端にはストレスがかからない。したがって信号線98aにもストレスがかかることはなく断線を防ぐことが出来る。
次に、図13乃至図16は、CCDケーブル接続部の接続強度の向上を図ることのできる内視鏡装置の第5の実施の形態を示し、図13は固体撮像装置の要部を示す断面図、図14は図13のA−A断面図、図15は回路基板を斜め上方から見た斜視図、図16は回路基板を斜め下方から見た斜視図、である。
図13において、符号110は電子内視鏡の固体撮像装置を示し、この固体撮像装置110は、固体撮像素子(以下CCDと称す)111と、このCCD111の前面に貼付されたカバーガラス112と、一対の回路基板116,117と、を備えて構成されている。
また、上記CCD111の上下側面には、銅箔からなるパターン113aがポリイミド基材113bに配置されて構成されたた回路基板(TAB基板)113がCCD111を挟むように設けられている。このパターン113aは、例えば図示しないバンプを介してCCD111に接続されており、その端部はCCD111の後方に延出されている。
図15,16に示すように、上記回路基板116は略矩形に形成され、この回路基板116の上面には上記パターン113aに対応するランド122が設けられている。また、上記回路基板116の下面には、CCD111からの出力信号を増幅するIC118や電子部品119が実装されている。
また、上記回路基板116の前端面にはケーブル接続用のランド121が設けられている。ここで、上記ランド121は、回路基板116の前端面に設けられたサイドスルーホールに銅箔が設けられ、その上にハンダメッキが施された構成となっている。
また、上記回路基板117は、上記回路基板116と略同様の構成をなし、上面に電子部品119が実装され、下面にパターン113aに対応するランド122が設けられているとともに、前端面にケーブル接続用のランド121が設けられて構成されている。
これら回路基板116,117は、図14に示すように、ランド122が外部に露呈された状態で互いに平行に配設され、これら回路基板116,117の間隙にはCCDケーブル115の先端部が挟持されている。このとき、上記CCDケーブル115は、電子部品119の間に配設された状態で回路基板116,117に挟持されている。
また、上記CCDケーブル115の先端部には、該CCDケーブル115を構成する信号線115a,115bの端部が延出され、これら延出された信号線115a,115bは、上記回路基板116,117に設けられたランド121にはんだ付け等によってそれぞれ接続されている(図13参照)。
このような、回路基板116,117がCCDケーブル115を挟持してなるユニットは、パターン113aとランド122とが摺動されながらパターン113aの間隙に嵌入されて、CCD111との接続が実現すると共に、CCD111の後方で保持される。
さらに、CCD111から回路基板116,117にかけての間隙には、例えばエポキシ系の接着剤で構成される充填材120が充填されている。
このような実施の形態によれば、CCDケーブル115は回路基板116,117で挟持されているので、CCDケーブル115の接続部の強度が向上する。 また、CCDケーブル115を回路基板116,117で挟持し、CCDケーブル115と回路基板116,117とを回路基板116,117の前端部で接続したことにより、接続部の長さを短縮でき、固体撮像装置110の硬質長を短縮することができる。
また、電子部品119でCCDケーブル115の間に配置することで、CCDケーブル115の固定を確実に行うことが出来る。
ところで、電子内視鏡を備えた内視鏡装置において、固体撮像素子と、この固体撮像素子からの信号を増幅するIC等が搭載された回路基板との接続は、一般に、はんだ付けにより行われていた。
しかしながら、このように固体撮像素子と回路基板とをはんだ付けにより接続することは、組立作業や修理作業を行う際の作業工数を増加させることとなる。そこで、上記問題点に鑑み、固体撮像素子と回路基板との組立性を向上することのできる内視鏡装置の実施の形態について説明する。
図17,図18は固体撮像素子と回路基板との組立性を向上することのできる内視鏡装置の一実施の形態に係わり、図17は固体撮像素子と回路基板とを分解して示す側面図、図18は固体撮像素子と回路基板とが接続された状態を示す側面図、である。
図17,図18において、符号105は固体撮像素子(以下CCDと称す)を示し、符号106は回路基板を示す。
上記CCD105は、所定の弾性を有する部材で構成された複数のリード105aを備えて構成されている。これらリード105aは、CCD105の基端面に2列に並べて配設され、これにより、CCD105の基端面には互いに対向するリード列103が形成されている。
また、上記回路基板106は両面に図示しない導体パターンを有して構成され、この回路基板106上には、CCD105からの信号を増幅するIC108や他の電子部品109等が搭載されている。
また、上記回路基板106上には、ケーブル接続用のランド(図示せず)が設けられ、このランドには、CCDケーブル107から延出された複数の信号線107aがはんだ付け等によって接続されている。
また、上記回路基板106の先端側両面には、CCD105のリード105aに対応するランド106aが設けられている。
ここで、リード105aが配列されてなる上記リード列103の間隙は、回路基板106の基板圧よりも小さく設定されている。
このようなCCD105と回路基板106との接続保持は、先ず、リード列103が互いに外方に広げられた(図17参照)リード列103の間隙に回路基板106の先端部が挿入され、リード105aとランド106aとのそれぞれの位置合わせが行われた後、リード105aの弾性を利用してリード列103を閉じることにより行われる。
このような実施の形態によれば、ハンダ付けを行わなくてもリード105aとランド106aとの接続が行われるので、組み立てが容易である。
また、CCDケーブル107断線の不具合が生じても、回路基板106をCCD105から引き抜いて修理、交換が出来ることにより、高価なCCD105に影響を与えることなくCCDケーブルの修理を行うことができる。
また、固体撮像装置に曲げのストレスがかかっても、リード105aの弾性を利用してストレスを吸収する事が出来るので、CCDケーブル107の接続部にストレスがかかる事がなく断線を防止することが出来る。
ところで、先端部に固体撮像素子が配設された電子内視鏡において、固体撮像装置は、固体撮像素子と、電子部品が実装された回路基板とを有して構成され、上記固体撮像素子は、回路基板を介してCCDケーブルに接続され、このCCDケーブルを介して、制御装置との信号の授受が行われる。このような場合、上記固体撮像素子、回路基板、及び、CCDケーブルは、挿入部の長手方向に沿ってシリアルに配置され、接続されている。
しかしながら、上記各部材を挿入部の長手方向に沿ってシリアルに接続した場合、先端部の長さを長大化させてしまう。
そこで、上記問題点に鑑み、先端部の長さを短くすることのできる内視鏡装置について説明する。
図19乃至図22は先端部の長さを短くすることのできる内視鏡装置の一実施の形態に係わり、図19は固体撮像装置の要部を分解して示す断面図、図20は固体撮像装置の要部断面図、図21は他の接点構成を示す説明図、図22は更なる他の接点構成を示す説明図、である。
図20において、符号125は電子内視鏡の固体撮像装置を示し、この固体撮像装置125は、固体撮像素子(以下CCDと称す)126と、このCCD126の後方に配設されたCCD保持基板127と、を備えて構成され、上記CCD保持基板127にはCCDケーブル132が接続されている。
具体的に説明すると、上記CCD126は、基端面にリード126aを備えて構成され、このリード126aは後方に延出されている。
また、上記CCD保持基板127は、後方が開放された短筒状の部材で構成され、その内周には、銅箔を素材としたパターン128が設けられている。また、上記CCD保持基板127の先端面には、リード126aを挿入可能なリード挿入孔129が設けられている。一方、上記CCD保持基板127の短筒内部は、CCDケーブル132の先端部が挿入可能なケーブル固定部130として形成されている。
ここで、上記CCD126は、リード126aがCCD保持基板127のリード挿入孔129に挿入されてパターン128にはんだ付けされることによって、CCD保持基板127に保持されている。
また、上記CCDケーブル132は、外皮132aの内周に沿って配列された複数の単純信号線133を備えて構成されている(図19a参照)。また、上記単純信号線133の先端には、信号線芯線133aと接続された導電ピン134が設けられ、この導電ピン134の先端部はCCDケーブル132の外皮132aから突出するように配置されている。
ここで、外皮132aから突出された導電ピン134とCCD保持基板127の内周に設けられたパターン128とは、それぞれ対応する位置136に設けられている。
上記CCDケーブル132は、導電ピン134とパターン128との位置合わせが行われた状態で、CCDケーブル132の先端部がケーブル固定部130に挿入されることによって、CCD126と電気的に接続される。この際、上記CCD保持基板127とCCDケーブル132との間には導電ピン134とリード126aとのショートを防止するための絶縁部材131が介装される。
ここで、図21に示すように、CCD126とCCDケーブル132との接続は、CCD固定基板127に設けたパターン128に代えて、CCD固定基板127の外周面にパターン139を設け、CCD固定基板127の基端部から前方に屈曲させた導電ピン134をパターン128にハンダ固定部141にて接続固定する構成としてもよい。
また、図22に示すように、固体撮像装置125と接続されるCCDケーブル132が同軸信号線144を有して構成される場合には、この同軸信号線144の芯線144aに接続される導電ピン142の中途に、同軸信号線144のシールド部材144bと導電ピン142とのショートを防止するための絶縁部143を設ける構成とする。
このような実施の形態によれば、CCDとCCDケーブルとの接続は、CCDケーブルの外周に突出された導電ピンとCCD保持基板に設けられたパターンとをCCDケーブルの先端側側方で接続することによって行われるため、硬質長を短縮する事ができる。
また、CCD126とCCDケーブル132とを接続する前に、それぞれのユニットを組み立てればよいため、固体撮像装置125全体の組立性を向上することができる。
ところで、一般に、図23(a)に示すようなカニューラ等の処置具を挿通自在な電子内視鏡の先端部150においては、図23(b)に示すように、処置具を挿通自在な処置具チャンネル154が固体撮像素子(以下CCDと称す)151と隣接して設けられている。ここで、図中符号152はCCD151における撮像可能な受光部であり、符号153はCCD151の遮光部(OB部:オプティカルブラック部)である。
しかしながら、このような電子内視鏡において、カニューラ等の金属製の反射率の高い処置具を処置具チャンネル154に挿入した場合、先端部150では、図示しない照明窓から照射される照明光の一部が、処置具に反射されてCCD151に入射され、撮像された画像上にフレア等の不具合が発生することがあった。これに対処してCCD151と処置具チャンネル154との距離を離間させると、上記問題は解消されるものの、内視鏡の先端部を太径化させる原因となる。そこで、上記事情に鑑み、先端部を太径化させることなくフレア等の不具合を低減することのできる内視鏡装置について説明する。
図24は内視鏡の先端部を太径化させることなくフレア等の不具合を低減することのできる内視鏡装置の一実施の形態を示し、図24(a)は上部消化管用の電子内視鏡の先端部の要部を示すレイアウト図、図24(b)は図24(a)で示す電子内視鏡で撮像された画像の一例を示す説明図、図24(c)は下部消化管用の電子内視鏡の先端部の要部を示すレイアウト図、図24(d)は図24(c)で示す電子内視鏡で撮像された画像の一例を示す説明図、である。
図24(a)において、符号150は電子内視鏡の先端部を示し、この先端部150は、撮像可能な受光部152の一側に遮光部153が設けられたCCD151と、このCCD151に隣接され、図示しない処置具を挿通可能な処置具チャンネル154とを備えて構成されている。
上記CCD151は、処置具チャンネル154寄りに配設された遮光部153と、この遮光部153に隣接された受光部152とを備えて構成されている。
このような電子内視鏡を備えた内視鏡装置において、使用時には、処置具チャンネル154内に金属製の反射率の高い処置具155が挿入され、内視鏡先端部150から突出する。その際、図示しない照明窓からの照明光が処置具に照射され、この照射光の一部は先端部150に向かって反射される。
その際、遮光部153が受光部152と処置具チャンネル154との間に介在することにより、受光部152は遮光部153の幅分だけ処置具チャンネル154より遠方に位置させることができ、これにより多量の不要光が受光部152に入ることを防止できるので、フレア等の不具合を低減することが出来る(図24(b)参照)。従って、先端部を太径化させることなくフレア等の不具合を低減することができる。
なお、図24(c)(d)に示すように、下部消化管用の電子内視鏡の先端部においても、上述の上部消化管用の電子内視鏡の先端部と同様のレイアウトとすることにより、同様の作用効果を得ることができる。
ところで、一般に、従来の内視鏡は、ユニバーサルコードを光源に接続する必要があるので持ち運びが不便であった。これに対処するものとして、例えば、特願平8−280612号公報に開示された技術がある。
しかしながら、上記先行技術においては、ランプ(照明光供給ユニット)を内視鏡操作部に着脱自在に構成したので、ユニットを取り外した際に不用意に扱い、ランプを破損させてしまう虞がある。すなわち、照明光供給ユニットを着脱する際には、操作部から引き抜く行為等が行われて大きなストレスがかかり、この際、作業者等が不用意にランプに接触してランプを破損させる等の虞があった。そこで、ランプの破損を防止することのできる内視鏡装置について説明する。
図25は、ランプの破損を防止することのできる内視鏡装置の一実施の形態に係わり、内視鏡の操作部近傍の説明図である。
内視鏡160の操作部161内部には、照明ランプ156が設けられている。この照明ランプ156にはリード163が設けられ、このリード163は操作部161の側部まで延出されている。
また、上記操作部161の側部には、図示しない電源から導出された電源供給ユニット158が、操作部161に着脱自在に設けられている。具体的には、上記電源供給ユニット158の先端部には、ソケット162が設けられており、このソケット162とリード163とが着脱自在に接続される構成となっている。
また、上記操作部161内には、照明ランプ156から出射される照明光を内視鏡160の先端部側に反射する反射鏡157が設けられている。そして照明ランプ156から出射された光は反射鏡157により反射されてライトガイドファイバー159に入射し、内視鏡160の先端から光を照射するようになっている。
このような実施の形態によれば、電源供給ユニットを操作部に対して着脱自在にしたので、内視鏡の持ち運びが容易なものとなる。
また、ランプを操作部内に設けたことにより、電源供給ユニットを着脱する際にランプを不用意に破損することを低減できる。
ところで、従来、電子内視鏡においては、同一の内視鏡で同時に異なる複数の撮像画像を得るために先端部に複数の対物光学系を有するものがある。このような場合、電子内視鏡は、一般に、異なる複数の固体撮像素子を有し、これらの固体撮像素子がそれぞれ異なる対物光学系に結像されるようになっている。
しかしながら、このように、同一の電子内視鏡に複数の固体撮像素子を設けた場合、挿入部の外径が太径化する傾向にある。
そこで、上記事情に鑑み、単一の固体撮像素子を用いて同時に複数の観察手段を構成することのできる内視鏡装置について説明する。
図26,図27は単一の固体撮像素子を用いて同時に複数の観察手段2を構成することのできる内視鏡装置の第1の実施の形態に係わり、図26は電子内視鏡の先端部の要部断面図、図27はモニター上の画像の説明図、である。
図26において符号165は、内視鏡装置を構成する電子内視鏡の先端部を示す。この先端部165には、単一の固体撮像素子(以下CCDと称す)166が設けられ、このCCD166の先端側には対物レンズ群167が設けられている。
また、上記電子内視鏡の先端部165の先端部端面には、内視鏡長手方向に対して異なる方向に傾斜された2つの傾斜面が設けられ、その一方の傾斜面に第1の観察窓171が配置されるとともに、他方の傾斜面に第2の観察窓l72が配置されている。
また、上記第1の観察窓171の後方には第lの液晶シャッタ169が設けられ、一方、上記第2の観察窓172には第2の液晶シャッタ170が設けられている。
ここで、上記第1,第2の液晶シャッタ169,170は、図示しないプロセッサ処理系に、図示しない信号線を介してそれぞれ接続され、このプロセッサ処理系によって、第1,第2の観察窓からの入射光が透過,遮断制御されるようになっている。
上記第1,第2の液晶シャッタ169,170の後方には、プリズム168が設けられている。このプリズム168は、一方の入射面が第1の液晶シャッタ169に連設され、第2の入射面が第2の液晶シャッタ170に連設されるとともに、これらの入射面から入射された光の出射面が上記対物レンズ群167の先端側に対向される位置に配設されている。
すなわち、上記第1の観察窓171から入射された光は、第1の液晶シャッタ169、プリズム168を経て対物レンズ群167に入射されてCCD166に結像されるようになっている。また、上記第2の観察窓172から入射された光は、第2の液晶シャッタ170、プリズム168を経て対物レンズ群167に入射されてCCD166に結像されるようになっている。換言すれば、第1の観察窓171,第1の液晶シャッタ169,プリズム168,対物レンズ群167,CCD166によって観察手段が構成されるとともに、第2の観察窓172,第2の液晶シャッタ170,プリズム168,対物レンズ群167,CCD166によって他の観察手段が構成されている。
また、上記第1の観察窓171の近傍には、第1の観察窓171で観察する被写体に照明光を照射するための照明窓174が設けられ、さらにこの照明窓174の後方には照明窓174を構成するレンズに連続した第1のライトガイド175が設けられている。同様に、上記第2の観察窓172の近傍には、第2の照明窓176が設けられ、この第2の照明窓176に連続して第2のライトガイド177が設けられている。
上記CCD166の基端側には、CCDリード166a、166bが設けられている。これらCCDリード166a,166bにはCCDケーブル173を構成する信号線173a,173bがそれぞれ接続されている。ここで信号線173a,173bはCCD166からの出力信号を伝送する信号線であり、信号線173aはCCD166から出力されるフィールド信号のうち偶数ラインの信号を伝送し、信号線173bはCCD166から出力されるフィールド信号のうち奇数ラインの信号を伝送するようになっている。
これらの信号線173a,173bは、図示しないプロセッサ処理系を介してモニタ178に接続されている。このモニタ178は、異なる2つの画像を同時に表示可能なモニタに構成され、一方の画面178aに信号線173aから伝送される画像信号に基づく画像が表示されるとともに、他方の画面178bに信号線173bから伝送される画像信号に基づく画像が表示されるようになっている。
すなわち、第1の液晶レンズ169は、信号線173aの出力信号の伝送と同期して、対物レンズ系167に光を透過する状態と、信号線173bの出力信号に同期して、対物レンズ系167への光を遮断する状態が作り出されている。一方、第2の液晶シャッタ170は、信号線173aの出力信号の伝送に同期して対物レンズ系167への光を遮断する状態と、信号線173bの出力信号の伝送に同期して対物レンズ系167に光を透過する状態が作り出されている。
具体的には、上記第1,第2の液晶シャッタ169,170は、CCD166からの出力信号に同期して、第1,第2の観察窓171,172から入射される光線を遮光、透過させる機能を有し、通常、CCD166からの出力信号をプロセッサ処理系を通してモニタ178に出力する場合、モニター上の奇数ラインの走査線を1/30SECで走査し(第1のフィールド信号)、その次の1/30SEC(第2のフィールド信号)で偶数ラインを走査し、計1/60SECで1枚の画像が構成される。
この様な構成により、単一の対物レンズ系167を用いて、2つの観察光学系を構成するとともに、単一のCCD166を用いて、2つの観察光学系からの画像をモニタ178に表示することが出来る。
このような実施の形態によれば、異なる2つの視野を、単一の対物レンズ系及びCCDを用いて同時に観察でき、先端部の細径化が可能となる。
また、第1,第2の観察窓から入射される入射光の透過,遮断制御は、液晶シャッタによるものであるため、メカ式のシャッタ機構が不要となり、先端部の小型化を図る事が出来る。
次に、図28,図29は、単一の固体撮像素子を用いて同時に複数の観察手段を構成することのできる内視鏡装置の第2の実施の形態に係わり、図28は電子内視鏡の先端部の要部断面図、図29はモニター上の画像の説明図、である。
図28において符号180は、内視鏡装置を構成する電子内視鏡の先端部を示す。この先端部180には、固体撮像素子(以下CCDと称す)181が設けられ、このCCD181の先端側には対物レンズユニット182が設けられている。
上記対物レンズユニット182は、対物レンズ枠183を備え、この対物レンズ枠183に対物レンズ群184が設けられるとともに、対物レンズ群184の直後に液晶レンズ185が設けられて要部が構成されている。
ここで、上記液晶レンズ185は、図示しないプロセッサ処理系に、図示しない信号線を介してそれぞれ接続され、このプロセッサ処理系によって、通常観察と拡大観察の2モードが選定可能となるように液晶が動作する。すなわち、液晶レンズ185により、対物光学系の光路長の変化、観察深度の変化が可能となる。
また、CCD181の基端側には、第1のリード181a、第2のリード181bが延出されている。上記第1のリード181aにはCCDケーブル186を構成する第1の信号線186aが接続され、上記第2のリード181bにはCCDケーブル186を構成する第2の信号線186bが接続されている。ここで、信号線186aは、CCD181から出力される出力信号のフィールド信号のうち、奇数ラインを伝送するものであり、信号線186bは、偶数ラインを伝送する信号線である。
これらの信号線186a,186bは、図示しないプロセッサ処理系を介してモニタ187に接続されている。このモニタ187は、異なる2つの画像を同時に表示可能なモニタに構成され、一方の画面188に信号線186aから伝送される画像信号に基づく画像が表示されるとともに、他方の画面189に信号線186bから伝送される画像信号に基づく画像が表示されるようになっている。
すなわち、上記液晶レンズ185は、上記プロセッサ処理系によって動作され、信号線186aからCCD出力信号を伝送するのに同期して通常観察が行われる一方、信号線186bからCCD出力信号を伝送するのに同期して拡大観察が行われるよういに設定される。
このような実施の形態によれば、液晶レンズを用いた為、メカ式のズーム機構が不要となり、硬質長の短縮化を図る事が出来る。
また、モニター上では、通常観察画面の一部を常に拡大しているため、診断が迅速に行える。
[付記]
(付記2−1)
入射光を透過,遮断可能な第1の液晶シャッタと第2の液晶シャッタをそれぞれ備えた2つの対物光学系と、1つの固体撮像素子とを有し、前記2つの対物光学系がいずれも前記固体撮像素子に結像するように構成した内視鏡装置であって、前記固体撮像素子から出力される第1のフィールド信号と第2のフィールド信号のそれぞれに、前記液晶シャッタの挙動をそれぞれ同期させたことを特徴とする内視鏡装置。
(付記2−2)
入射光の光路長を少なくとも異なる2つの光路長に可変に設定可能な液晶レンズを備えた対物光学系と、1つの固体撮像素子とを有し、前記対物光学系を透過する2つの異なる光路長の入射光がいずれも前記固体撮像素子に結像するように構成した内視鏡装置であって、前記固体撮像素子から出力される第1のフィールド信号と第2のフィールド信号のそれぞれに、前記液晶レンズの挙動を同期させたことを特徴とする内視鏡装置。
ところで、内視鏡装置において、一般に、固体撮像装置は、固体撮像素子(以下CCDと称す)や回路基板等からなる撮像ユニットに、CCDケーブルの各信号線等が接続され、その外周がシールド部材で覆われて要部が構成される。このような固体撮像装置は、内視鏡装置の用途に応じて様々な規格のものが採用され、従って、様々な規格の固体撮像装置分だけ、これに応じた撮像ユニットを製造する必要があった。
しかしながら、このように複数種類の規格の撮像ユニットを製造することは製造コストの高騰を招く。
そこで、上記事情に鑑み、一種類の撮像ユニットで規格が異なる種々の固体撮像装置に対応できる撮像ユニットの提供を目的とする。
図30は、一種類の撮像ユニットで規格が異なる種々の固体撮像装置に対応できる撮像ユニットの一実施の形態に係わり、撮像ユニットの要部を示す斜視図である。
図中符号190は内視鏡装置の固体撮像装置内に配設される撮像ユニットを示し、この撮像ユニット190は、固体撮像素子(以下CCDと称す)191と、回路基板192と、を備えて要部が構成されている。
上記回路基板192は、ポリイミド基材197に銅箔198を貼付した、例えば、TAB構造のフレキシブル基板で構成されている。
上記回路基板192において、回路基板192のパターンを構成する銅箔198の一部は、上記ポリイミド基材197の一側から延出され、上記CCD191と接続可能なインナーリード196として形成されている。
また、上記回路基板192上のインナーリード196近傍にはCCD191が配設され、インナーリード196とCCD191上に設けられたバンプ199とが熱溶着により接続固定されている。
また、上記回路基板192上には、上記インナーリード196から延設されたパターン上の中途に信号線(図示せず)と接続可能な主パッド193が設けられ、さらに、主パッド193から周辺に向かって延設されたパターン上に、上記信号線と接続可能な補助パッド194が設けられている。ここで、上記補助パッド194は、主パッド193よりも大面積に形成されている。
このように構成された撮像ユニット190と信号線(図示せず)との接続は、適用される固体撮像装置の大きさに余裕がある場合や、ケーブルに強度を持たせる必要のある場合には、パッド上での信号線の接続面積を大きくとることの出来る補助パッド194を介して行われる。
一方、上記撮像ユニット190と信号線(図示せず)との接続は、固体撮像装置の小型化が必要な場合や、ケーブルの耐性を重要視されない場合には、主パッド193を介して行われる。この際、回路基板192を主パッド193の周辺の切断境界195より切断することによって、撮像ユニット190を小型化することができる。
なお、上記実施の形態の説明では、回路基板としてポリイミド基材に銅箔を貼付したTABテープを用いた例を開示したが、これに限るものではない。
また、上記回路基板を、例えば、インナーリードを持たないポリイミド基材のフレキシブル基板で構成しても良い。この場合、CCDのバンプ部との接続は、フレキシブル基板上に設けたパッドとの間で行なわれる。
また回路基板自体の強度が必要な場合は、セラミックスやガラスエポキシ樹脂のような硬質の基材を使用しても良い。この場合でも、一つの回路基板で複数の固体撮像装置に対応させることが出来る。
このような実施の形態によれば、単一種類の撮像ユニットにて、複数の固体撮像装置に使用することが出来るので、部品の共通化と共に、原価低減を実現することが出来る。
[付記]
(付記3−1)
固体撮像素子と回路基板を含む撮像ユニットにおいて、回路基板上に設けた同一回路上の異なる位置に2箇所以上のパッドを設けたことを特徴とする撮像ユニット。
(付記3−2)
前記パッドは、固体撮像装置に応じて選択的にケーブルが接続されていることを特徴とする付記3−1に記載の撮像ユニット。
(付記3−3)
前記回路基板は、フレキシブルな基板で構成されることを特徴とする付記3−1、付記3−2に記載の撮像ユニット。
(付記3−4)
前記フレキシブル基板は、TABで構成されることを特徴とする付記3−3に記載の撮像ユニット。
ところで、従来より、電子内視鏡に用いられる固体撮像装置には、固体撮像素子と生体との間の絶縁を行うための絶縁体が設けられている。この絶縁体には、一般に、セラミック等が多く用いられている。
しかしながら、セラミック等を用いて絶縁体を構成した場合、電子内視鏡の先端部は、その構造が複雑化するとともに、外径が太径化する傾向にあった。
そこで、上記事情に鑑み、電子内視鏡の先端部を細径化することのできる内視鏡装置について説明する。
図31は、電子内視鏡の先端部を細径化することのできる内視鏡装置の第1の実施の形態に係わり、電子内視鏡の先端部の要部断面図である。
図中符号312は電子内視鏡の先端部を示し、この先端部312は、上記対物光学系ユニット323と、この対物光学系ユニット323の後方に配設された固体撮像装置322と、を備えて構成されている。
上記対物光学系ユニット323は、複数のレンズからなる対物レンズ群324と、この対物レンズ群324を内部に保持する対物レンズ枠328と、を備えて構成され、対物レンズ枠328が先端枠335に嵌合されることによって先端部312に保持されている。
また、上記対物レンズ枠328の基端側にはCCDホルダ327が外嵌され、このCCDホルダ327を介して上記固体撮像装置322が対物光学系ユニット323に保持されている。
具体的には、上記CCDホルダ327の内周には、上記対物レンズ群324に対向されたカバーガラス326が保持されている。
また、上記カバーガラス326の基端面には、固体撮像素子(以下CCDと称す)325が取り付けられている。このCCD325はCCDチップ325aを備えて構成され、このCCDチップ325aは前面に貼付されたカバーガラス325bを介して上記カバーガラス326に取り付けられている。
また、上記CCDチップ325aの前面の一部には接点としてのバンプ325eが設けられ、CCDチップ325aはバンプ325eを介して回路基板325cと接続されている。
ここで、上記回路基板325cは、いわゆるTAB構造をなし、ポリイミド基材325fと、このポリイミド基材325f上に設けられた銅箔からなる導体パターン325dとを備えて構成されている。上記導体パターン325dの一部はバンプ325eの近傍でポリイミド基材325fの端部より延出され、この延出された導体パターン325dがバンプ325eに接合されてCCDチップ325aとの信号の授受が行われるようになっている。また、上記導体パターン325dとバンプ325eとの接合部周辺は、封止樹脂325gによって密封されている。
また、上記回路基板325c上には、図示しないランドが設けられ、CCDチップ325aからの出力信号を増幅するIC、ノイズをキャンセルする為のコンデンサ、インピーダンスマッチングを確保する為の抵抗等からなる電子部品329が実装されている。なお、前記ICやコンデンサや抵抗は予めCCDチップ325aに内蔵する構成としても良い。
また、上記回路基板325c上には、CCU(カメラコントロールユニット)等との間で信号を授受するためのCCDケーブル330が接続されている。このCCDケーブル330は、例えば、CCDチップ325aへ駆動信号を伝送する同軸信号線339と、CCDチップ325aからの出力信号を図示しないプロセッサへ伝送する為の同軸信号線340と、CCDチップ325aや前記IC329を駆動する為の電源供給用の単純信号線341と、を有して構成され、これらの各信号線がCCDケーブル330の先端部から延出されて上記回路基板325cに接続されている。ここで、前記複数の同軸信号線の外部導体群342はCCDチップ325aから配線されているGND電位へ接続される。また、図示のように、固体撮像装置322の小型化が図られ、回路基板325c上に複数の信号線接続用のランドを設けることが困難な場合には、電子部品329の電極上に信号線を配置する構成がとられる。
また、上記CCDホルダ327には、シールド部材332が外嵌されている。このシールド部材332は、不要輻射を抑制すべくCCDケーブル330の先端部近傍まで延出されてCCD325の外周を覆うもので、CCD325のGNDライン(図示せず)に導通されている。
また、上記シールド部材332の内周であって、上記CCDホルダ327の基部からCCD325にかけての外周には、CCD325がシールド部材332に接触してGND電位にショートすることを防止するための、絶縁部材331が被覆されている。ここで、上記絶縁部材331は、例えば、熱収縮チューブで構成されている。
また、上記シールド部材332の外周には、被覆部材334が設けられている。この被覆部材334は、上記CCDホルダ327の先端部からCCDケーブル330の先端部にかけて固体撮像装置322全体を被覆して密封するもので、被覆部材334を密閉する際には、CCD325、回路基板325c、各信号線等の周囲に充填剤333が充填される。この充填剤333は、例えばエポキシ系やシリコン系の接着剤でも良い。
ここで、このように構成された固体撮像装置322は、対物レンズ群324とCCDチップ325aとの間でピント合わせが行われた状態で対物レンズ枠328にCCDホルダ327が嵌合固定されて対物光学系ユニット323に固定されるものである。なお、対物レンズ枠328とCCDホルダ327との固定の際には例えばエポキシ系の接着剤が用いられる。
上記先端枠335の基端側には、図示しない湾曲管を構成する湾曲第1コマ337が接続されている。
また、上記先端枠335の前面側には樹脂製の先端カバー336が設けられ、さらに、上記先端枠335や湾曲第1コマ337の外周にはゴム製の被覆部材338が設けられて先端部312が密封されている。
このような実施の形態によれば、CCD325外周とCCDホルダ327に渡って絶縁部材33lを被覆し、その外周にシールド部材332を設ける様にしたので、CCD325のGNDに同電位としたシールド部材332とCCD325が近接または接触して配置されても、CCD325がGNDにショートすることがない。すなわち、従来は、CCD325とシールド部材332との沿面距離をこれらがショートしない様に十分離間していたが、この構成により沿面距離を短くすることが出来るので、固体撮像装置322の大きさを小型化でき、ひいては内視鏡の外径の細径化を図ることができる。
また、CCD325の外周に設けた絶縁部材331は、CCD325の外周に強固に固定されるので、CCD325、カバーガラス326とCCDホルダ327との固定強度が増し、信頼性を向上させることができる。
また、絶縁部材331をセラミック等で構成しないので製造コストを低減することができる。
次に、図32は、電子内視鏡の先端部を細径化することのできる内視鏡装置の第2の実施の形態に係わり、電子内視鏡の先端部の要部断面図である。なお、この実施の形態において、上述の電子内視鏡の先端部を細径化することのできる内視鏡装置の第1の実施の形態と同様の構成については同符号を付して説明を省略する。
図32を基に固体撮像装置300について説明する。対物レンズ枠3O1には、対物レンズ群324が設けられている。
また、CCDチップ325aの先端部側にはカバーガラス325bが貼付され、さらにその先端部側にはカバーガラス326が貼付されている。このカバーガラス326は、上記対物レンズ枠301の基端側に、CCD325と対物レンズ群324とのピント出しがなされた状態で嵌合されている。すなわち、この実施の形態において、上記対物レンズ枠301は、CCD325を保持するためのCCDホルダの役目を兼用する。
また、上記対物レンズ枠301の基端部には、CCD325を覆うように突出部302が設けられ、この突出部302とCCD325との間隙部303は接着剤が充填されている。なお、この突出部302は、CCD325の全周を覆うように設けても良いし、CCD325の一部の面に対向して設けても良い。
さらに、CCD325および対物レンズ枠301の外周には絶縁部材331が被覆されている。
このような実施の形態によれば、上述した、電子内視鏡の先端部を細径化することのできる内視鏡装置の第1の実施の形態と略同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態の様に、対物レンズ枠301にCCDホルダとしての機能を兼用させるとともに、対物レンズ枠301の基端部にCCD325を覆う突出部302を設けることにより、CCD325の対物レンズ枠301への接続強度をさらに向上させることができる。
[付記]
(付記4−1)
先端部に固体撮像装置を有する電子内視鏡を備えた内視鏡装置において、
上記固体撮像措置は、固体撮像素子と、少なくとも上記固体撮像素子の外周を覆うシールド部材と、を備え、
上記固体撮像素子の前面にカバーガラスを貼付するとともに、少なくともこのカバーガラスを介して上記固体撮像素子を枠体に接続し、上記固体撮像素子の外周に絶縁部材を介して上記シールド部材を配置したことを特徴とする内視鏡装置。
(付記4−2)
前記絶縁部材を熱収縮チューブで構成したことを特徴とする付記4−1に記載の内視鏡装置。
ところで、従来より、電子内視鏡の先端部に配設された固体撮像素子に接続され、制御装置等に高周波信号を伝送する信号線には、一般に、同軸信号線が用いられる。
しかしながら、このような固体撮像素子に同軸信号線を接続する際には、芯線を被覆部材から露出させて固体撮像素子に接続すると共に、この露出された芯線の後方でシールド線を露出されてGNDに接続する必要があるため、先端部の硬質長が長大化する。また、狭隘な先端硬質部で芯線のみならずシールド線の接続を行うことは作業性の低下を招く。
そこで、上記事情に鑑み、先端部の硬質長を短縮するとともに信号線接続の作業性を向上することのできる内視鏡装置について説明する。
図33は、先端部の硬質長を短縮することができるとともに信号線接続の作業性を向上することのできる内視鏡装置の一実施の形態に係わり、電子内視鏡の先端部の要部を示す断面図である。
図中符号370は、内視鏡装置を構成する電子内視鏡の先端部を示す。この先端部370は、対物光学系ユニット381と、この対物光学系ユニット381の後方に配置された固体撮像装置380とを備えて構成されている。
上記対物光学系ユニット381は、先端部370の先端側に配設された先端枠389に嵌合保持されている。
また、上記対物光学系ユニット381の基端側にはCCDホルダ384が外嵌され、このCCDホルダ384を介して上記固体撮像装置380が保持されている。ここで、固体撮像装置380は、固体撮像素子(以下CCDと称す)382が対物光学系ユニット381との間でピント出しされた状態で保持されている。 具体的には、上記CCDホルダ384の内周には、カバーガラス383が嵌合保持され、このカバーガラス383の基端面に上記CCD382が貼着されている。また、上記CCD382は基端側にリード382aを有し、リード382aには、回路基板385が接続されている。
上記先端枠389の基端側には、複数の湾曲コマが結合されてなる湾曲管392の第1湾曲コマ392aが嵌合保持されている。ここで、上記第1湾曲コマ392aは、少なくとも、CCD382と回路基板385の外周を覆うように配設されている。
また、上記回路基板385には、CCDケーブル387の先端部から延出された複数の同軸信号線が接続されている。ここで、上記CCDケーブル387の先端部は湾曲管392の後方に臨まされており、上記同軸信号線を構成するシールド線はCCDケーブル387の先端部近傍で露出されてGND接続(図示せず)されている。また、上記同軸線を構成する芯線387aは回路基板385近傍で露出されて回路基板385に接続されている。この際、回路基板385に接続される複数の芯線387aは、互いに撚り束ねられた状態で回路基板385近傍まで延出されている。
このような実施の形態によれば、同軸信号線のシールド線387bが内視鏡先端部370の先端硬質部まで延出されることなく湾曲管392近傍でGNDされるとともに、芯線387aのみが上記先端硬質部まで延出されて回路基板385に接続されているので、先端硬質長の短縮及び信号線接続の作業性向上を図ることができる。
また、湾曲管内での信号線を細くすることができるので湾曲管を細径化することができる。また、湾曲管内での信号線の充填率を減少することができ信号線の耐久性が向上する。