JP2004248937A - 座姿勢評価装置および座姿勢保持装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】着座状態における人の安定姿勢を採形する座姿勢評価装置であって、左右方向に延びる分割プレート42の複数を上下方向に並べて並設支持せしめ背部を構成して、それら各分割プレート42の突出量を左右方向両側部分で調節するアクチュエータ44,44を設けて各分割プレート42を突出方向で移動および傾動可能とすると共に、それら各分割プレート42に及ぼされる体圧を検出するセンサ手段62を設けて、センサ手段62の検出信号に基づいてアクチュエータ44,44を作動制御することにより適当な体圧分布が実現され得るような座姿勢補助形態を検出可能とした。
【選択図】 図9
Description
【技術分野】
本発明は、高齢者や障害者等の各個人に適合した椅子(座椅子や車椅子を含む。以下同じ)などの座姿勢保持装置を提供するための技術に係り、特に、高齢者や障害者等の各個人でそれぞれ異なる座姿勢のデータを容易に且つ高精度に採取することの出来る座姿勢評価装置や、かかる座姿勢評価装置によって得られた座姿勢のデータに基づいて、各個人に適合した座姿勢補助が容易に且つ高精度に実現可能な椅子等の座姿勢保持装置などに関するものである。
【0002】
【背景技術】
一般に、高齢者や障害者は、一日の生活時間のうちで最も長い時間を椅子で過ごすが、それらの者の多くは、筋の萎縮や硬化等によって、健常者に比して体の柔軟性が低下したり体型が変化している。また、筋の萎縮や硬化等の程度は各個人によって大幅に異なるために、安定した着座状態も各個人で大きく異なる。
【0003】
ところが、高齢者や障害者に提供されている多くの椅子であっても、寸法等の調節機能が不足しており、そのために、高齢者や障害者を安定した座位状態に適切に支えて補助せしめることが充分に出来ていないのが実情である。
【0004】
そして、高齢者や障害者が適合していない椅子を使用すると、床ずれの罹患や身体機能の急速な低下などの問題が発生し易いことが指摘されており、本人だけでなく、介護者等の負担を増大させることとなる。それ故、特に、近年の高齢化やバリアフリー等に対する緊急の課題として、高齢者や障害者を着座状態に苦痛を伴うことなく安定して補助的に支えるための座位保持機能をもつ椅子の開発が要求されているのである。
【0005】
なお、障害者用として、各個人に高度に適合させた座位保持機能を持つ椅子も提案されているが、それらは何れも、臨床的医療知識を有する専門家による時間をかけた採型と、採型結果を反映させた個別製作によるものであることから、量産になじまずに特別技能者による一品製作となり、価格面だけでなく生産量の点でも要求を満足し得るものではなかった。
【解決課題】
ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、各個人で異なる高齢者や障害者の安定した座姿勢を効率的に且つ高精度に採型することの出来る座姿勢評価装置を提供することにある。
【0006】
また、本発明は、かかる座姿勢評価装置によって得られた座姿勢のデータに基づいて、各個人に適合した座姿勢補助が容易に且つ高精度に実現可能な椅子等の座姿勢保持装置を提供することも、目的とする。
【0007】
更にまた、本発明は、特定構造の座姿勢評価装置で採型された各個人の安定した座姿勢のデータに基づいて、特定構造の座姿勢保持装置によって各個人に適合した座姿勢補助を実現せしめ得る、座姿勢保持装置の調節方法を提供することも、目的とする。
【0008】
【解決手段】
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることなく、明細書全体および図面に記載され、或いはそれらの記載から当業者が把握することの出来る発明思想に基づいて認識されるものであることが理解されるべきである。
【0009】
(座姿勢評価装置に関する本発明の態様1)
座姿勢評価装置に関する本発明の態様1の特徴とするところは、人が着座する座部と上半身を背後から支える背部とを備え、着座状態における人の安定姿勢を採形する座姿勢評価装置であって、背部フレームに対してそれぞれ左右方向に延びる分割プレートの複数を上下方向に並べて並設支持せしめることにより前記背部を構成して、それら各分割プレートの該背部フレームからの突出量を左右方向両側部分で調節するアクチュエータを設けて該アクチュエータにより該分割プレートを該背部フレームに対する突出方向で移動および傾動可能とすると共に、それら各分割プレートに及ぼされる体圧による該分割プレートの突出方向の移動力および傾動力を検出するセンサ手段を設けて、該センサ手段の検出信号に基づいて該アクチュエータを作動制御することにより該分割プレートにおける体圧分布を変更調節できるようにし、更に各分割プレートの突出方向における移動位置および傾動位置を計測する位置計測手段を設けた座姿勢評価装置にある。
【0010】
本態様に従う構造とされた座姿勢評価装置においては、先ず、着座状態にある人体を支えるために特に高度な適合性が要求されることとなる背部を、人力による特別な補助を必ずしも必要とすることなく、自動的に計測することが可能となる。本態様の大きな特徴の一つは、人体の背中の部分を背後から支える背部を高さ方向で分割してそれぞれ左右方向に延びる複数の分割プレートによって構成したことである。本態様の大きな特徴の別の一つは、それら各分割プレートを突出方向で可動とするだけでなく、その突出量を、人体から及ぼされる体圧に応じて調節制御できるようにしたことである。
【0011】
このような構造の座姿勢評価装置においては、複数の分割プレートを、作用せしめられる体圧に応じて突出方向で位置制御せしめることにより、各分割プレートに作用せしめられる体圧が、例えば予め設定された体圧分布の許容範囲に納まるような背部を、容易に且つ速やかに特定することが可能となる。そして、このようにして求められた背部の形態が、測定した個人に対して充分に適合した座姿勢の保持形態となるのである。
【0012】
(座姿勢評価装置に関する本発明の態様2)
座姿勢評価装置に関する本発明の態様2の特徴とするところは、前記態様1に係る座姿勢評価装置であって、前記各分割プレートの左右方向両端近くにおいて、該分割プレートに対して該背部フレームからの突出方向の駆動力を及ぼす一対の突出駆動手段を設けることにより前記アクチュエータを構成し、かかる一対の突出駆動手段を各別に作動させることによって該分割プレートを前記背部フレームに対する突出方向で移動および傾動させるようにしたことを、特徴とする。本態様においては、一対の突出駆動手段を互いに同一方向に同一速度で突出作動せせることにより、分割プレートを移動(即ち、分割プレートの傾斜角度を一定に維持したままで全体として突出変位)させることが出来るのであり、また、一対の突出駆動手段の方向と速度の少なくとも一方を異ならせて突出作動させることにより、分割プレートを傾斜(即ち、分割プレートの突出方向軸を含んで左右方向に広がる平面上での分割プレートの突出方向軸に対する傾斜角度)を変更することが出来るのである。それ故、各分割プレートにおいて一対の突出駆動手段を作動制御することによって、分割プレートの移動および傾動を効率的に調節することが可能となる。
【0013】
(座姿勢評価装置に関する本発明の態様3)
座姿勢評価装置に関する本発明の態様3の特徴とするところは、前記態様1又は2に係る座姿勢評価装置において、前記突出駆動手段を、前記背部フレームと前記分割プレートの間に装着したボールねじ機構と、該ボールねじ機構を駆動せしめる電動モータとを含んで構成したことを、特徴とする。本態様においては、分割プレートの位置調節を、スムーズに且つ充分な精度をもって行うことが可能となる。なお、電動モータとしては、例えばサーボモータを利用することが望ましく、それによって、別途の突出量計測装置を必ずしも設ける必要がなくなる。
【0014】
(座姿勢評価装置に関する本発明の態様4)
座姿勢評価装置に関する本発明の態様4の特徴とするところは、前記態様1乃至3の何れかの態様に係る座姿勢評価装置において、前記分割プレートの少なくとも左右両側部分において体圧を検出する体圧センサを設けて、該分割プレートの左右両側部分に及ぼされる体圧の検出値の差が、予め設定された許容値よりも小さくなるように、前記アクチュエータを作動制御するようにしたことを、特徴とする。本態様においては、各分割プレートにおいて、左右方向の複数の点乃至は幅で座姿勢を安定して保持せしめ得る適合状態を有利に検出して採型することが出来るのであり、より安定した座姿勢の保持状態を提供することの出来る分割プレートの傾斜角度を、より高精度に求めることが可能となる。
【0015】
(座姿勢評価装置に関する本発明の態様5)
座姿勢評価装置に関する本発明の態様5の特徴とするところは、前記態様1乃至4の何れかの態様に係る座姿勢評価装置において、前記複数の分割プレートを相互に独立的に前記背部フレームからの突出方向で移動および傾動可能に装着すると共に、それら複数の分割プレートに及ぼされる体圧差を前記センサ手段の検出信号に基づいて求めて、かかる複数の分割プレート間での体圧差が予め設定された許容値よりも小さくなるように、それら複数の分割プレート間で前記アクチュエータを相対的に作動制御するようにしたことを、特徴とする。本態様においては、複数の分割プレート相互間において、人体の上下方向での複数の箇所で座姿勢を安定して保持せしめ得る適合状態を有利に検出して採型することが出来るのであり、より安定した座姿勢の保持状態を提供することの出来る背部を、より高精度に求めることが可能となる。
【0016】
(座姿勢評価装置に関する本発明の態様6)
座姿勢評価装置に関する本発明の態様6の特徴とするところは、前記態様1乃至5の何れかの態様に係る座姿勢評価装置において、前記各分割プレートに荷重が及ぼされた際に所定の弾性特性と減衰特性をもって該分割プレートが外力と弾性的に荷重と釣合位置をとるように前記アクチュエータが作動制御せしめられるようにしたことを、特徴とする。本態様においては、採型に際して座姿勢評価装置に着座した者が背部(分割プレート)にもたれかけた際や、分割プレートがアクチュエータで駆動せしめられて変位する際などに、分割プレートに当接せしめられた人体に対してクッション性のある柔らかい当接感覚が実現されることとなり、採型に際しての苦痛が和らげられる硬化がある。しかも、減衰特性をもたせたことにより、長時間に亘って不安定な振動状態が継続することも防止されて、速やかな採型が両立的に実現可能となる。
【0017】
(座姿勢評価装置に関する本発明の態様7)
座姿勢評価装置に関する本発明の態様7の特徴とするところは、前記態様1乃至6の何れかの態様に係る座姿勢評価装置において、前記アクチュエータの作動を制御するに際して、着座や座り直し等に際して衝撃的に及ぼされる一時的な荷重に対する反応制御を取り除くフィルタ手段を設けたことを、特徴とする。本態様においては、衝撃的荷重によって不必要に変位することが防止されるのであり、背部が大きく変位し過ぎることによる不安定さの防止や、採型時間の浪費などが防止され得る。また、衝撃的荷重に起因するアクチュエータのストロークの底付きなどの不具合も回避可能となる。
【0018】
(座姿勢評価装置に関する本発明の態様8)
座姿勢評価装置に関する本発明の態様8の特徴とするところは、前記態様1乃至7の何れかの態様に係る座姿勢評価装置において、前記背部フレームの傾斜角度が変更設定可能としたことを、特徴とする。本態様においては、背部の全体としての傾斜角度を調節設定することが出来ることから、各個人や椅子の用途等に対してより高度に適合した背部の傾斜状態下において、上述の如き座姿勢を採型することが可能となる。
【0019】
(座姿勢保持装置に関する本発明の態様1)
椅子等の座姿勢保持装置に関する本発明の態様1の特徴とするところは、人が着座する座部と上半身を背後から支える背部とを備え、請求項1乃至8の何れかに記載の座姿勢評価装置によって採型された座姿勢を、少なくとも該背部において再現する椅子などの座姿勢保持装置であって、背部フレームに対してそれぞれ左右方向に延びる背当プレートの複数を上下方向に並べて並設支持せしめることにより前記背部を構成して、それら各背当プレートを該背部フレームからの突出方向で移動および傾動可能とすることにより、前記座姿勢評価装置における前記位置計測手段による計測結果に基づいてかかる複数の背部フレームの位置を調節設定することが出来るようにしたことを、特徴とする。
【0020】
本態様に従う構造とされた座姿勢保持装置においては、前述の如き本発明に従う構造とされた座姿勢評価装置によって求められた採型データを、有利に且つ容易に反映させることにより、採型した個人に適合した背部を備えた椅子等を、効率的に提供することが可能となるのである。要するに、本態様の座姿勢保持装置においては、その背部の調節が、前述の如き特定構造とされた本発明に係る座姿勢評価装置の背部と同様な方向で行われ得ることから、座姿勢評価装置による採型データに基づく座姿勢の安定保持形態が、座姿勢保持装置において高精度に且つ容易に再現され得るのである。
【0021】
(座姿勢保持装置に関する本発明の態様2)
椅子等の座姿勢保持装置に関する本発明の態様2の特徴とするところは、前記態様1に係る座姿勢保持装置において、前記背部フレームに対して前記各背当プレートを左右両側で突出方向に位置決め保持せしめる一対の位置決め手段を設けて、かかる一対の位置決め手段により該背当プレートの左右両側部分の突出量を調節することによって該背当プレートの移動位置および傾動位置を設定するようにしたことを、特徴とする。本態様においては、背当プレートの全体としての移動と傾斜を、一対の位置決め手段で効率的に且つ高精度に調節することが出来るのであり、座姿勢評価装置によって得られたデータに基づいて各背当プレートを一層容易に且つ高精度に位置決めすることが可能となる。
【0022】
(座姿勢保持装置に関する本発明の態様3)
椅子等の座姿勢保持装置に関する本発明の態様3の特徴とするところは、前記態様1又は態様2に係る座姿勢保持装置であって、前記座姿勢評価装置における前記分割プレートの配設数を、高さ方向の同一区間において、前記座姿勢保持装置における前記背当プレートの配設数と同じかそれよりも多くしたことを、特徴とする。このような本態様においては、座姿勢評価装置によって得られたデータの精度を低下させることなく、座姿勢保持装置において背当プレートにおいて再現的に反映させることが出来るのであり、それによって、一層優れた座姿勢の保持機能が提供可能となる。
【0023】
(座姿勢保持装置に関する本発明の態様4)
椅子等の座姿勢保持装置に関する本発明の態様4の特徴とするところは、前記態様1乃至3の何れかの態様に係る座姿勢保持装置であって、前記背部フレームに対して前記各背当プレートを突出方向で弾性的に位置決め保持せしめる弾性保持手段を設けたことを、特徴とする。このような本態様においては、各個人に適合した座姿勢が、弾性的に位置決めされた背当プレートで補助されることによって、やさしい感触をもって実現され得ることとなり、着座感が向上され得る。
【0024】
(座姿勢保持装置に関する本発明の態様5)
椅子等の座姿勢保持装置に関する本発明の態様5の特徴とするところは、前記態様1乃至4の何れかの態様に係る座姿勢保持装置において、前記背部フレームに対して前記各背当プレートを水平軸回りの上下回動方向で弾性的に保持せしめたことを、特徴とする。本態様においては、例えば前述のように座姿勢評価装置における分割プレートの位置や傾斜の検出データに基づいて、個人に適合した座姿勢のデータを検出した場合であって、各分割プレートの仰角方向(水平軸回りの回動方向)での最適位置が検出されていない場合においても、背当プレートの上端縁部や下端縁部のエッジが背中に当接すること等による不快感が軽減乃至は解消され得て、一層良好な着座感が提供可能となる。
【0025】
(座姿勢保持装置に関する本発明の態様6)
椅子等の座姿勢保持装置に関する本発明の態様6の特徴とするところは、前記態様1乃至5の何れかの態様に係る座姿勢保持装置において、前記背部フレームの傾斜角度を変更設定可能としたことを、特徴とする。本態様においては、背部の全体としての傾斜角度を調節設定することが出来ることから、各個人や椅子の用途等に対してより高度に適合した背部の補助機能が実現可能となる。特に本態様は、前述の本発明の態様8に係る座姿勢評価装置によって採型されたデータを用いる場合において好適に採用され得、それによって、座姿勢評価装置において適当に調節設定された背部フレームの傾斜角度が再現されると共に、背部フレームの特定の傾斜角度の条件下で採型された背部の形状が、同一の傾斜角度をもった背部フレームで支持された背部(背当プレート)として再現されることとなり、個人への一層高度な適合性が実現可能となる。
【0026】
(座姿勢保持装置に関する本発明の態様7)
椅子等の座姿勢保持装置に関する本発明の態様7の特徴とするところは、前記態様1乃至6の何れかの態様に係る座姿勢保持装置において、前記座部を支持せしめる座部フレームを設けて、該座部フレームを傾動位置決め可能としたことを、特徴とする。このような本態様においては、骨盤に対して腰椎や脊椎が傾斜した安定状態に対しても、適宜に対応することが可能となる。なお、本態様に係る座姿勢保持装置を採用する場合には、座姿勢評価装置においても、同様な傾動位置決め可能な座部を採用して、座姿勢のデータを採取した場合と略同じ状態での座部が、座姿勢保持装置において再現されるようにすることが望ましい。
【0027】
(座姿勢保持装置の調節方法に関する本発明の態様1)
座姿勢保持装置の調節方法に関する本発明の態様1の特徴とするところは、前述の座姿勢評価装置に関する本発明の何れかの態様と、前述の座姿勢保持装置に関する本発明の何れかの態様とを、互いに組み合わせて採用し、該座姿勢評価装置で採型した座姿勢を、該座姿勢保持装置において前記複数の背当プレートを位置調節することによって、少なくとも背部において再現することにある。
【0028】
(座姿勢保持装置の調節方法に関する本発明の態様2)
座姿勢保持装置の調節方法に関する本発明の態様2の特徴とするところは、前記態様1に係る座姿勢保持装置の調節方法において、前記座姿勢評価装置によって採型したデータを、前記座姿勢保持装置の生産現場にコンピュータネットワークを用いて転送して利用することを、特徴とする。本態様においては、比較的大がかりで操作にもある程度の知識を要する座姿勢評価装置による測定データを、例えば遠隔地や複数箇所に存在する座姿勢保持装置の生産現場へも容易に且つ速やかに提供することが出来るのであり、生産効率の向上が図られ得る。また、完成した座姿勢保持装置の適合性を生産現場等で実測して、その結果データを、一般に高度な専門知識を有する者が在籍する座姿勢評価装置の設置現場にコンピュータネットワークを用いて転送して確認させたり、必要に応じて修正の必要性を判断させることも可能となり、より高度な適合性の実現が図られ得る。なお、コンピュータネットワークとしては、インターネットや特定のLAN,WAN,電話回線等を利用することが可能である。
【0029】
【発明の実施形態】
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0030】
先ず、図1〜4には、座姿勢評価装置に関する本発明の第一の実施形態としての椅子型採型装置10が示されている。この採型装置10は、略矩形の枠体形状の基台フレーム12を備えており、この基台フレーム12の四隅に装着されたキャスタ14によって移動容易とされていると共に、固定用リフタ16で基盤上の適当な設置場所に固定的にセットされ得るようになっている。
【0031】
また、基台フレーム12上には、座部フレーム18と背部フレーム20が構築されている。即ち、これら基部フレーム12と座部フレーム18,背部フレーム20は、鋼材や鋼管等の剛性構造材を組み上げることによって、全体として剛性フレーム構造体とされている。
【0032】
そして、座部フレーム12には、該座部フレーム12の上面に、座部としての平板形状の座板22(フレーム構造を明示するために、図中では仮想線で示す)が載置されて固着されている。また、座部フレーム12には、前後方向両端近くに下方に突出して幅方向に延びる案内板24,24を備えており、これらの案内板24,24に形成された円弧状のガイド孔25,25に対して、基台フレーム12に固設されて前後方向に延びる一対の支持ロッド28,28が挿通されている。そして、ガイド孔25,25内で一対の支持ロッド27,27が案内されるようにして移動せしめられることにより、座部フレーム12ひいては座板22が、左右方向(図2の左右方向となる椅子の幅方向)に揺動せしめられることに伴い、左右方向への傾斜角度が適宜に変更設定され得るようになっている。なお、座部フレーム12の傾動位置は、固定ボルトの締付等で行うことが可能とされている。
【0033】
また、座部フレーム12の前方端縁部には、下方に向かって延び出す足掛フレーム26が取り付けられており、足掛フレーム26の下端部には、着座者が足を載せるステップ28が取り付けられている。更にまた、座部フレーム12は、それ全体が、前後方向にも傾動可能で且つ適当な傾斜角度で、基台フレーム12に対して固定可能とされている。なお、かかる前後方向への傾動は、例えば、図1に示されているように、座部フレーム18の全体を基台フレーム12に対して左右方向に水平に延びる一軸回りで揺動可能に支持せしめると共に、座部フレーム12の下面に円弧形外周面のガイド板30を固設し、このガイド板30の外周面と木部フレーム12に装着した電気モータ32の出力軸でラックピニオン機構を構成して、座部フレーム12の全体を電気モータ32で一軸回りで揺動駆動せしめること等によって、実現可能である。
【0034】
なお、座部フレーム12は、基台フレーム12によって左右方向および前後方向に傾動可能に支持されている。また、そのような座部フレーム12の調節変位(傾動)は、座部フレーム12を基台フレーム12に固定する固定ボルト等を設けて、必要に応じて阻止せしめることが出来るようにされている。
【0035】
一方、背部フレーム20は、全体として竪長矩形枠体形状を有しており、下端部分が基台フレーム12に対して固設された左右支持部材34,34によって支持されている。特に、左右支持部材34,34による背部フレーム20の支持は、背部フレーム20の幅方向両側にそれぞれ二つずつ突設した支持ロッド36,36が、左右支持部材34,34に形成された略上下方向に湾曲して延びる円弧状のガイド孔34,34で案内されることによって図1中の矢視の如く傾動可能とされている。
【0036】
そして、この背部フレーム20に対して、5枚の分割プレート42が支持されている。これらの分割プレート42は、略同一形状とされており、一定の幅寸法で左右(水平方向)に延びる矩形板形状とされている。而して、5枚の分割プレート42は、背部フレーム20の前側において、上下方向で相互に略一定の間隔を隔てて相互に略平行となるようにして並設されている。ここにおいて、各分割フレーム52は、長手方向(左右方向)の両端近くにおいて、それぞれ、背部フレーム20の左右に配設されて上下方向に延びる両枠部材46,46によって、アクチュエータとしての一対の突出駆動手段44,44を介して支持されている。
【0037】
かかる突出駆動手段44は、図5に示されているように、ボールねじ機構50と電動サーボモータ52を含んで構成されている。ボールねじ機構50は、枠部材46に固着されたハウジング48に収容されたボールねじロッド54が、背部フレーム20に対して前後方向に延びる状態で配設支持されており、このボールねじロッド54に螺合されたボールねじナット(図示せず)がハウジング48内で、ボールねじロッド54の回転に伴って前後方向に駆動されるようになっている。そして、かかるボールねじナットには、ハウジング48の側面に沿って配設された駆動プレート56が固着されており、この駆動プレート56の前方先端部分に対して、ユニバーサル形ジョイント58を介して、分割プレート42が取り付けられている。
【0038】
また、ハウジング48の後方端部にはサーボモータ52が取り付けられており、このサーボモータ52でボールねじロッド54が回転駆動せしめられることによって、駆動プレート56が、背部フレーム20に対して前後方向に駆動および位置決め保持されるようになっている。サーボモータ52の作動は、図示しない制御手段によって制御され、それによって、駆動プレート56ひいては分割プレート42の背部フレーム20に対する突出位置が常に監視されるようになっている。
【0039】
更にまた、駆動プレート56の先端部分に分割プレート42を連結せしめるユニバーサル形ジョイント58は、分割プレート42を上下方向には移動不能に位置決めし得るが、水平軸回りでの分割プレート42の回動作動(仰角変更)は所定量だけ許容すると共に、鉛直軸回りでの分割プレート42の回動作動(傾斜角変更)は所定量だけ許容し、更に、水平方向での分割プレート42の移動作動(左右変位)は所定だけ許容し得るようになっている。なお、このようなユニバーサル形ジョイントは、例えば公知のボールジョイント機構と溝形スライド機構を組み合わせること等によって、機械構造をもって容易に実現可能である。
【0040】
また、特に本実施形態では、分割プレート42が水平軸回りで下方に向いて垂れ下がった状態にならないように、コイルスプリング60による付勢力が分割プレート42に及ぼされて、分割プレート42の前面が、背部フレーム20の枠体面に対して略平行となる状態(前方に向く状態)で弾性的に保持されるようになっている。
【0041】
そして、このように分割プレート42が、左右両端近くで突出駆動手段44,44とユニバーサル形ジョイント58,58を介して背部フレーム20によって支持されることにより、左右突出駆動手段44,44の作動により、分割プレート42の左右の背部フレーム20からの突出量がそれぞれ変更設定可能とされている。また、左右突出駆動手段44,44を作動させることにより、分割プレート42の背部フレーム20からの前方への全体的な突出量(前後位置)と、背部フレーム20に対する分割プレート42の傾斜角度:θが、適宜に変更可能とされている。
【0042】
また、各分割プレート42には、幅方向両側部分(ユニバーサル形ジョイント58,58の分割プレート42への連結部位の近く)において、左右の荷重センサ62,62が装着されており、人が座った場合に各分割プレート42の左右両側部分に及ぼされる体圧が、各荷重センサ62で検出されるようになっている。そして、各分割プレート42の前後位置と傾斜角度が、一対の荷重センサ62,62の検出信号に基づいて制御されることにより、例えば左右の荷重センサ62,62で検出される体圧の差の値が予め設定された範囲内に納まるように、両側のサーボモータ52,52の突出量が相対的に(突出量の差を調節するように)制御されて、分割プレート42の左右における相対位置が制御されて分割プレート42の傾斜角度:θが調節されるようになっていると共に、例えば両荷重センサ62,62の検出値の平均値が予め設定された範囲内に納まるように、両側のサーボモータ52,52の突出量が同時に(同一方向に)制御されて、分割プレートの全体としての背部フレーム20に対する突出量が調節されるようになっている。
【0043】
ここにおいて、制御方法の一例を詳述すると、図5に示された分割プレート42に体圧:F1 ,F2 が及ぼされた場合の一対の突出駆動手段44,44による駆動制御の機構をモデル的に示すと、図6のようになる。このようなモデル構造を考慮して制御系を実現している。即ち、本実施形態では、一対の突出駆動手段44,44の作動制御系(具体的には、荷重センサ62,62の検出値に基づくサーボモータ52の作動制御系)によって、分割プレート42が背部フレーム20に対して、突出方向に弾性支持せしめられている状態の動きを実現するようになっている。
【0044】
要するに、図6に示されたモデル構造において、人体から分割プレート42に及ぼされる力(外力乃至は荷重)F1 ,F2 に対して、分割プレート42が、ある傾動中心軸(背部フレーム20の高さ方向に延びる軸)64の回りで回動するようにされる。また、一対の突出駆動手段44,44を独立的乃至は相対的に制御することによって、この傾動中心軸64が背部フレーム20の左右方向だけでなく前後方向にも自由に位置決め設定可能な作動系を実現しているのである。
【0045】
更に詳しく力学関係を説明すると、図7に示されているように各パラメータを定義することで、傾動方向および並進方向(前後方向)の動きを、下式(数1)の運動方程式から求めることが可能である。
【0046】
【数1】
【0047】
なお、上式におけるインピーダンスパラメータのうち、m,Iは並進,回転の慣性特性(マス,慣性モーメント)であり、c1 ,c2 は並進,回転の粘性係数であり、k1 ,k2 は並進,回転のばね特性(ばね定数)を表す。また、x0 は装置の初期位置、即ちばねの平衡点である。また、Fは、分割プレート42に及ぼされる外力を傾動中心軸64の並進方向(前後方向)に変換した力であり、τは分割プレート42に及ぼされる外力による傾動中心軸64回りの回転方向のトルクであって、下式のとおり与えられる。
F = F1 + F2
τ = F1 I1 + F2 I2
【0048】
また、分割プレート42の傾動中心軸64は、人体の動きにあわせて任意の位置に変化させることが出来る。従って、安定座位中の傾動中心軸64を求めることにより、体幹を計測することが可能である。
【0049】
要するに、このような制御系を各分割プレート42に採用することにより、傾動中心軸64や平衡点を適宜に変更することが出来ることから、図8に示されるように、本実施形態の椅子型採型装置10に対して被検者(適合した椅子を製造する対象者となる者であって、例えば高齢者や身体障害者等)66を着座させて、被検者66に自由な姿勢を取らせることが出来、また、任意の姿勢を保持しながらもインピーダンス特性により身体の動きを制限することがないのである。従って、座位を背中から補助せしめて保持しつつ、身体の動きを拘束しない座位測定(座位評価)が可能となるのである。
【0050】
なお、上述の如き制御系を実現するために採用される構成を、一層容易に理解できるように、図9に機能ブロック図を示しておく。なお、図中、PCは、コンピュータであって、マイコン等を用いることが可能である。カウンターは、サーボモータ52に装備され、或いは別途に突出駆動手段44等に装備されて、分割プレート42の左右両側部分における基準位置(背部フレーム20)からの突出位置を計測する計数手段である。モニターは、各分割プレート42における現在の突出量や傾動角度:θの他、及ぼされている荷重としてのセンサ62,62の出力値を併せて表示するCRT等が好適に採用される。
【0051】
また、本実施形態において、座部フレーム18や背部フレーム20の基台フレーム12に対する傾動は、人力で行っても良いが、電動モータや油圧シリンダ等の適当な駆動手段を採用することも、勿論可能であり、それらの角度データも、モニタ表示や指標等で外部から視認可能とすることが望ましい。その他にも、椅子型採型装置10の各部位は、必要に応じて、被検者の身体状態や大きさ等に適合し得るように、各部位の位置調節機能が適宜に付加され得ることは、言うまでもない。望ましくは、5枚の分割プレート42によって、被権者の骨盤部から腰椎,胸郭,肩胛骨上部の肩峰部までを支えるように調節され、必要に応じて各分割プレート42の背部フレーム20に対する取付位置も調節することが一層望ましい。また、一層優れた計測精度を実現し、被権者への苦痛を一層和らげるために、各分割プレート42の形状も適宜に変更され得るものであり、その意味において、一般的な被検者の場合を想定し、本実施形態では、分割プレート42の前面(人体接触面)は、左右方向において略1000mmの半径(アール)をもつ局面とし、その幅寸法(高さ方向の寸法)も略80mmとした設計が採用されている。
【0052】
更にまた、上述の如き分割プレート42の作動制御は、全ての分割プレート42において行われ、同時にモニタ表示される。そこにおいて、5枚の分割プレート42の相互間での外力:Fの相対差を、予め設定された値の範囲内となるように、分割プレート42の相互間で、並進位置(突出位置)を相対的に制御することが一層望ましい。
【0053】
そして、このような椅子型採型装置10においては、予め設定された条件下で被検者をサポート(座姿勢補助)し得るように各分割プレート42の位置を制御して位置決めすることにより、各分割プレート42の位置決めデータ(具体的には、突出方向の移動位置と傾斜方向の傾動角度)を、当該被検者66における最適な座位補助データ(安定した座姿勢を補助するためのデータ)として採取することが出来るのである。なお、このことから明らかなように、本実施形態では、各分割プレート42の制御系によって、より詳細には一対の突出駆動手段44,44におけるボールねじ機構50,50の、サーボモータ52,52による作動位置の計数手段によって、各分割プレート42の背部フレーム20に対する移動位置(突出位置)と傾動角度を計測する位置計測手段が構成されている。
【0054】
一方、かくの如くして得られた座位補助データを反映して、当該被検者66に適合して、被検者66を着座状態で安定してサポートし得る座姿勢保持装置の一実施形態としての車椅子70が、図10に示されている。
【0055】
この車椅子70は、フレーム構造を示す図11〜13からわかるように、一対の前輪74,74と一対の後輪76,76が装着された基台フレーム72に対して、その上方に座部フレーム78と背部フレーム80が組み付けられている。また、座部フレーム78の前端縁部には、下方に延びるステップ82が組み付けられていると共に、基台フレーム72の左右両側には、一対のアームレスト84,84が装備されている。
【0056】
なお、座部フレーム78は、基台フレーム72上に設けられた、左右方向に湾曲して延びる前後のガイドロッド86,86に対して案内されつつ変位可能で、且つ任意の位置にボルト固定可能に取り付けられており、左右方向に変位させることで、座部フレーム78の左右傾きが調節設定可能とされている。また、ガイドロッド86,86は、基部フレーム72に固設されて水平方向左右に延びる支軸88回りに揺動可能で且つ任意の揺動位置に位置決め固定可能とされており、かかるガイドロッド86,86の揺動によって、座部フレーム78が、前後方向(図12中の左右方向)で傾動および調節可能とされている。
【0057】
また一方、背部フレーム80は、座部フレーム78のガイドロッド86等を利用して、A,B,C,Dの回動ピン(左右方向に相互に平衡に延びる枢軸)で連結された4節リンク機構を構成して基台フレーム72に対して、A,Dの2点で連結されて組み付けられており、この4節リンク機構によって、リクライニング機能が付与されて傾動可能で且つ任意の傾斜位置に位置決め固定することが出来るようになっていると共に、背部フレーム80の傾動と、座部フレーム78の傾動が、相互に連動して行われるようになっている。なお、この連動機構は、本発明において必須ではなく、また要旨とするところではないから、任意の傾動機構が、座部フレーム78と背部フレーム80において、必要に応じて採用採用され得る。なお、図12中、省略構造を仮想線で示されたメカロック機構90は、背部フレーム80の傾斜位置を、複数点で任意に設定することのできる、例えばロックピン等を用いた機構である。
【0058】
さらに、背部フレーム80に対して、5枚の背当プレート92が支持されている。これらの背当プレート92は、前述の椅子型採型装置10における背当プレート42と略同一形状で略同一サイズとされており、椅子型採型装置10と略同じ上下方向間隔で、左右に延びるように配設されている。
【0059】
また、各背当プレート92は、前述の椅子型採型装置10における背当プレート42が一対の突出駆動手段44,44で支持せしめられたのと略同じ位置において、一対の位置決め手段としての位置決め調節手段94,94によって、背部フレーム80に対して取り付けられている。そして、かかる位置決め調節手段94,94によって、背当プレート42の突出位置と傾斜角度が調節および位置決め可能とされているのである。
【0060】
この位置決め調節手段94においては、図14,15に示されているように、背部フレーム80の左右に配設されて上下方向に延びる両枠部材46,46によって、前後方向にねじ送り可能とされた一対のねじロッド95,95が組み付けられており、このねじロッド95、95の先端部分が、それぞれ、ユニバーサル形ジョイント96を介して、背当プレート92の左右両端部近くに取り付けられている。
【0061】
なお、かかるユニバーサル形ジョイント96は、椅子型採型装置10のユニバーサル型ジョイント58と同様に、背当プレート92を上下方向には移動不能に位置決めし得るが、水平軸回りでの背当プレート92の回動作動(仰角変更)は所定量だけ許容すると共に、鉛直軸回りでの背当プレート92の回動作動(傾斜角変更)は所定量だけ許容し、更に、水平方向での背当プレート92の移動作動(左右変位)は所定だけ許容し得るようになっている。特に、本実施形態では、揺動軸型連結機構98と溝形スライド機構100を組み合わせると共に、ねじロッド95のジョイント連結孔への挿通部位に所定のがたつきをもたせることで、ユニバーサル型ジョイント機能が実現されている。
【0062】
また、特に本実施形態では、背当プレート92が水平軸回りで下方に向いて垂れ下がった状態にならないように、コイルスプリング98,98による付勢力が背当プレート92に及ぼされて、背当プレート92の前面が、背部フレーム80の枠体面に対して略平行となる状態(前方に向く状態)で弾性的に保持されるようになっている。
【0063】
そして、このように背当プレート92が、左右両端近くで位置決め調節手段94,94とユニバーサル形ジョイント96,96を介して背部フレーム80によって支持されることにより、左右位置決め調節手段94,94の作動により、背当プレート92の左右の背部フレーム80からの突出量がそれぞれ変更設定可能とされている。また、左右の位置決め調節手段94,94を調節(具体的には、ねじロッド95,95の突出量を手動調節)することにより、背当プレート92の背部フレーム80からの前方への全体的な突出量(前後位置)と、背部フレーム80に対する背当プレート92の傾斜角度:θが、適宜に変更可能とされている。
【0064】
従って、このような構造とされた車椅子においては、前述の椅子型採型装置10で計測された、被検者に適合して被検者を座姿勢に有利に保持せしめ得る態様の5枚の分割プレート42が、略そのまま、5枚の背当プレート92によって再現され得るのであり、それによって、使用者の背中に対して、良好な座姿勢への保持機能を作用せしめ得る、理想的な車椅子が有利に実現可能となるのである。
【0065】
なお、各背当プレート92の位置調節に際して、椅子型採型装置10で計測された5枚の分割プレート42の位置を容易に付与して再現することが出来るように、各ねじロッド95の送り出し量や、背当プレート92の背部フレーム80に対する左右両端部分での突出量を計測し得る、目盛りや指標、或いは位置センサ等を設けることが望ましい。
【0066】
上述の説明から明らかなように、特定構造の椅子型採型装置10と、それに対応した特定構造の車椅子70を組み合わせて採用することにより、特に高度な専門知識や技能をもたなくても、被検者に対して座姿勢を有利にサポートし得る適合性の高い椅子を有利に提供することが可能となる。
【0067】
なお、このような椅子の製造システムは、例えば、インターネット等の情報回線を利用することにより、一層効率的に構築することが可能となる。例えば、図16に示されているように、先ず、ステップ:S1で医療的知識を有する者が被検者を診て適当な処方をくだした後、その処方に従って、ステップ:S2〜3で、椅子型採型装置10を用いて座姿勢のデータを、前述の如き手法に従って採型取得し、最適値を決定した後、それをコンピュータネットワークで接続した生産現場に送信して、そのデータを利用して、前述の如き車椅子70を製作する。そして、製作後には、必要に応じて使用者の着座評価を含む、適合検査を、ステップ:S4〜5で行う。この評価は、データをインターネット等で専門知識を有するものにフィードバックして判断を仰ぐことが出来る。また、適合データをフィードバックすることで、それ以降の設計や診断等にデータ蓄積して利用することも可能となる。その後、ステップ:。S6で、使用者に納品するようにされる。このようなシステムにより、専門知識を、容易に且つ効率的に利用して車椅子等を提供することが可能となる。
【0068】
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、これはあくまでも例示であって、本発明は、かかる実施形態における具体的な記載によって、何等、限定的に解釈されるものでない。
【0069】
特に、前述の制御系では、デジタル処理することにより、ローパスフィルタやハイパスフィルタ、バンドパスフィルタを、制御信号に適用し、例えば、被検者が着座する際や大きく体を動かす際に入力される大きな荷重に対応した分割プレート42の大きな挙動を回避することが容易に実現できることは、理解されるべきところである。
【0070】
また、採型装置の分割プレート42や椅子70の背当プレート92の数や大きさ,形状等は、何等、限定されるものでない。また、分割プレート42を5枚とした場合でも、背当プレート92をそれよりも細かく多くして、より個別的に微調節可能とすることも可能である。
【0071】
その他、一々列挙はしないが、本発明は当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を加えた態様において実施可能であり、また、そのような態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであまことは、言うまでもない。
【0072】
【発明の効果】
上述の説明から明らかなように、本発明に従う構造とされた座姿勢評価装置によれば、各個人で異なる高齢者や障害者の安定した座姿勢を効率的に且つ高精度に採型することが出来るのであり、特に高度な熟練や専門知識を併せ持たない者が操作しても、高い精度で適合した採型データを容易に且つ速やかに取得することが可能となるのである。
【0073】
また、本発明に従う構造とされた座姿勢保持装置においては、座姿勢評価装置によって得られた座姿勢のデータに基づいて、各個人に適合した座姿勢補助が容易に且つ高精度に実現可能な椅子等が有利に提供可能となる。
【0074】
更にまた、本発明に係る座姿勢保持装置の調節方法に従えば、特定構造の座姿勢評価装置で採型された各個人の安定した座姿勢のデータに基づいて、特定構造の座姿勢保持装置によって各個人に適合した座姿勢補助が、一層効率的に実現可能となるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る座姿勢評価装置の一実施形態としての椅子型採型装置を示す側面図である。
【図2】図1に示された採型装置の正面図である。
【図3】図1に示された採型装置の背面図である。
【図4】図1に示された採型装置の平面図である。
【図5】図1に示された採型装置における分割プレートの駆動機構を説明するための平面説明図である。
【図6】図5に示された駆動機構のモデル図である。
【図7】図6に示された駆動機構モデルの力学的な作動説明図である。
【図8】図1に示された採型装置の利用方法を説明するための説明図である。
【図9】図1に示された採型装置の制御系を説明するための説明図である。
【図10】本発明に係る座姿勢保持装置の一実施形態としての車椅子を示す側面図である。
【図11】図10に示された車椅子を構成するフレームの正面図である。
【図12】図10に示された車椅子を構成するフレームの側面図である。
【図13】図10に示された車椅子を構成するフレームの平面図である。
【図14】図10に示された車椅子における背当プレートの調節機構を説明するための平面説明図である。
【図15】図14におけるXV−XV断面図である。
【図16】図1に示された採型装置の測定データを利用して図10に示された車椅子を製造提供するに際して採用され得るシステム構成を説明するためのブロック図である。
【符号の説明】
10 椅子型採型装置
10 基台フレーム
18 座部フレーム
20 背部フレーム
22 座板
42 分割プレート
44 突出駆動手段
52 サーボモータ
58 ユニバーサル型ジョイント
62 荷重センサ
70 車椅子
72 基台フレーム
78 座部フレーム
80 背部フレーム
92 背当プレート
94 位置決め調節手段
96 ユニバーサルジョイント
Claims (17)
- 人が着座する座部と上半身を背後から支える背部とを備え、着座状態における人の安定姿勢を採形する座姿勢評価装置であって、
背部フレームに対してそれぞれ左右方向に延びる分割プレートの複数を上下方向に並べて並設支持せしめることにより前記背部を構成して、それら各分割プレートの該背部フレームからの突出量を左右方向両側部分で調節するアクチュエータを設けて該アクチュエータにより該分割プレートを該背部フレームに対する突出方向で移動および傾動可能とすると共に、それら各分割プレートに及ぼされる体圧による該分割プレートの突出方向の移動力および傾動力を検出するセンサ手段を設けて、該センサ手段の検出信号に基づいて該アクチュエータを作動制御することにより該分割プレートにおける体圧分布を変更調節できるようにし、更に各分割プレートの突出方向における移動位置および傾動位置を計測する位置計測手段を設けたことを特徴とする座姿勢評価装置。 - 前記各分割プレートの左右方向両端近くにおいて、該分割プレートに対して該背部フレームからの突出方向の駆動力を及ぼす一対の突出駆動手段を設けることにより前記アクチュエータを構成し、かかる一対の突出駆動手段を各別に作動させることによって該分割プレートを前記背部フレームに対する突出方向で移動および傾動させるようにした請求項1に記載の座姿勢評価装置。
- 前記突出駆動手段を、前記背部フレームと前記分割プレートの間に装着したボールねじ機構と、該ボールねじ機構を駆動せしめる電動モータとを含んで構成した請求項2に記載の座姿勢評価装置。
- 前記分割プレートの少なくとも左右両側部分において体圧を検出する体圧センサを設けて、該分割プレートの左右両側部分に及ぼされる体圧の検出値の差が、予め設定された許容値よりも小さくなるように、前記アクチュエータを作動制御するようにした請求項1乃至3の何れかに記載の座姿勢評価装置。
- 前記複数の分割プレートを相互に独立的に前記背部フレームからの突出方向で移動および傾動可能に装着すると共に、それら複数の分割プレートに及ぼされる体圧差を前記センサ手段の検出信号に基づいて求めて、かかる複数の分割プレート間での体圧差が予め設定された許容値よりも小さくなるように、それら複数の分割プレート間で前記アクチュエータを相対的に作動制御するようにした請求項1乃至4の何れかに記載の座姿勢評価装置。
- 前記各分割プレートに荷重が及ぼされた際に所定の弾性特性と減衰特性をもって該分割プレートが外力と弾性的に荷重と釣合位置をとるように前記アクチュエータが作動制御せしめられる請求項1乃至5の何れかに記載の座姿勢評価装置。
- 前記アクチュエータの作動を制御するに際して、着座や座り直し等に際して衝撃的に及ぼされる一時的な荷重に対する反応制御を取り除くフィルタ手段を設けた請求項1乃至6の何れかに記載の座姿勢評価装置。
- 前記背部フレームの傾斜角度が変更設定可能とされた請求項1乃至6の何れかに記載の座姿勢評価装置。
- 人が着座する座部と上半身を背後から支える背部とを備え、請求項1乃至8の何れかに記載の座姿勢評価装置によって採型された座姿勢を、少なくとも該背部において再現する椅子などの座姿勢保持装置であって、
背部フレームに対してそれぞれ左右方向に延びる背当プレートの複数を上下方向に並べて並設支持せしめることにより前記背部を構成して、それら各背当プレートを該背部フレームからの突出方向で移動および傾動可能とすることにより、前記座姿勢評価装置における前記位置計測手段による計測結果に基づいてかかる複数の背部フレームの位置を調節設定することが出来るようにした座姿勢保持装置。 - 前記背部フレームに対して前記各背当プレートを左右両側で突出方向に位置決め保持せしめる一対の位置決め手段を設けて、かかる一対の位置決め手段により該背当プレートの左右両側部分の突出量を調節することによって該背当プレートの移動位置および傾動位置を設定するようにした請求項9に記載の座姿勢保持装置。
- 前記座姿勢評価装置における前記分割プレートの配設数を、高さ方向の同一区間において、前記座姿勢保持装置における前記背当プレートの配設数と同じかそれよりも多くした請求項9又は10に記載の座姿勢保持装置。
- 前記背部フレームに対して前記各背当プレートを突出方向で弾性的に位置決め保持せしめる弾性保持手段を設けた請求項9乃至11の何れかに記載の座姿勢保持装置。
- 前記背部フレームに対して前記各背当プレートを水平軸回りの上下回動方向で弾性的に保持せしめた請求項9乃至12の何れかに記載の座姿勢保持装置。
- 前記背部フレームの傾斜角度が変更設定可能とされた請求項9乃至13の何れかに記載の座姿勢保持装置。
- 前記座部を支持せしめる座部フレームを設けて、該座部フレームを傾動位置決め可能とした請求項9乃至14の何れかに記載の座姿勢保持装置。
- 請求項1乃至8の何れかに記載の座姿勢評価装置と請求項9乃至15の何れかに記載の座姿勢保持装置を組み合わせて採用し、該座姿勢評価装置で採型した座姿勢を、該座姿勢保持装置において前記複数の背当プレートを位置調節することによって、少なくとも背部において再現することを特徴とする座姿勢保持装置の調節方法。
- 前記座姿勢評価装置によって採型したデータを、前記座姿勢保持装置の生産現場にコンピュータネットワークを用いて転送して利用する請求項16に記載の座姿勢保持装置の調節方法。
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