JP2004248902A - 衣類乾燥機 - Google Patents

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靖幸 吉田
Tomoshi Kaneiwa
智志 金岩
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Abstract

【課題】回転ドラムと給排気ファンとを共通の駆動モータにより夫々ベルトを介して回転させるようにした衣類乾燥機であって、異常時に加熱手段の作動を停止した状態で駆動モータを継続作動させる冷却運転を行うものにおいて、乾燥運転中にベルト切れ等による回転ドラムまたは給排気ファンの回転異常を生じたときにも、衣類を十分に冷却できるようにする。
【解決手段】回転ドラムの異常時(FD=1)の冷却運転時間TM2を他の異常時の冷却運転時間TM1より長くする。給排気ファンの異常時(FF=1)の冷却運転時間TM3は、回転ドラムの異常時よりも更に長くする。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、衣類を収納する回転ドラムと、回転ドラムに対する給気と排気とを行う給排気ファンと、回転ドラムに対する給気通路に配置した加熱手段とを備える衣類乾燥機に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の衣類乾燥機では、回転ドラムを回転させつつ給排気ファンと加熱手段との作動で回転ドラム内に温風を供給して、乾燥運転を行うが、乾燥運転中に温風温度の過度の上昇や、排気温度の過度の上昇、回転ドラムの排気フィルタの詰まりといった異常を生ずることがある。
【0003】
従来、乾燥運転中にこれらの異常を生じたときは、加熱手段の作動を停止した状態で給排気ファンを継続作動させる冷却運転を行い、衣類や機器がダメージを受けないようにしている。
【0004】
また、回転ドラムと給排気ファンは、一般的に、共通の駆動モータにより夫々ベルトを介して駆動されるようになっている。そして、乾燥運転中にベルトの破断等により回転ドラムの回転速度が異常判別基準となる所定速度以下に低下する回転ドラムの異常や、給排気ファンの回転速度が異常判別基準となる所定速度以下に低下する給排気ファンの異常を生ずることもある。
【0005】
そこで、従来、回転ドラムや給排気ファンの異常を生じたときは、加熱手段の作動を停止すると共に、エラー表示を行うようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平14−315999号公報(第3〜第5頁、図3〜図6)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1には、乾燥運転中に回転ドラムまたは給排気ファンの異常を生じたときは、加熱手段の作動を停止してエラー表示する、と記載されているだけで、冷却運転については記載されていないが、衣類のダメージを回避するには、加熱手段の作動を停止させた状態でドラム及びファンの共通駆動モータを継続作動させて冷却運転を行うことが望まれる。
【0008】
ここで、回転ドラムの異常時は、回転ドラムによる衣類の十分な攪拌が行われなくなるため、衣類に効率良く風を当てることができなくなり、また、給排気ファンの異常時には、回転ドラム内に十分に風を送ることができなくなり、何れにしても冷却能力が低下する。
【0009】
本発明は、以上の点に鑑み、回転ドラムまたは給排気ファンの異常を生じたときにも、衣類を十分に冷却できるようにした衣類乾燥機を提供することをその課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、衣類を収納する回転ドラムと、回転ドラムに対する給気と排気とを行う給排気ファンと、回転ドラムに対する給気通路に配置した加熱手段と、回転ドラムと給排気ファンとを駆動する共通の駆動モータとを備える衣類乾燥機であって、駆動モータの作動で回転ドラムと給排気ファンとを回転させると共に加熱手段を作動させて回転ドラム内に温風を供給する乾燥運転中に異常が発生したとき、加熱手段の作動を停止した状態で駆動モータを継続作動させる冷却運転を行うものにおいて、回転ドラムの回転速度が異常判別基準となる所定速度以下に低下した回転ドラムの異常時と、給排気ファンの回転速度が異常判別基準となる所定速度以下に低下した給排気ファンの異常時には、冷却運転の時間を他の異常時よりも長くしている。
【0011】
上記の構成によれば、回転ドラムまたは給排気ファンの異常で冷却能力が低下していても、冷却運転時間を長くすることで衣類を十分に冷却して、衣類がダメージを受けることを回避できる。
【0012】
尚、回転ドラムの異常時は、冷却運転中、給排気ファンの回転により回転ドラム内に冷風が供給されて、衣類が強制冷却されるが、給排気ファンの異常時は、冷却運転中、衣類は主として回転ドラムの回転で攪拌されつつ自然放冷されることになる。そのため、給排気ファンの異常時は、回転ドラムの異常時より衣類は冷却され難くなる。従って、給排気ファンの異常時には、冷却運転の時間を回転ドラムの異常時よりも長くし、衣類を時間をかけて冷却することが望ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1を参照して、1は衣類乾燥機の機体であり、機体1内には、衣類Mが投入される回転ドラム2が設けられている。機体1の下面にはフィルタ3a付きの給気口3が開設されている。また、回転ドラム2の背面には、フィルタ4a付きの排気口4が開設されており、この排気口4に連通する排気ダクト5が機体1内の後部に設けられている。そして、排気ダクト5内に、回転ドラム2内の空気を排気口4を介して排気しつつ、給気口3からの空気を回転ドラム2内に供給する給排気ファン6を配置している。回転ドラム2と給排気ファン6とは、共通の駆動モータ7により、夫々、ベルト2a,6aを介して回転駆動される。
【0014】
また、機体1内には、回転ドラム2に対する給気口3からの空気の給気通路に位置させて、加熱手段たるバーナ8と、バーナ8の燃焼排ガスを空気と共に温風として回転ドラム2内に導く燃焼筐9とが配置されている。バーナ8に対するガス供給路8aには、第1と第2の一対の電磁弁10,11と、比例弁12とが介設されている。また、燃焼筐9には、バーナ8に点火する点火電極13と、失火検知のための第1サーモカップル14と、過熱検知のための第2サーモカップル15と、バイメタルスイッチから成る第1オーバーヒートスイッチ16(作動温度150℃)と、回転ドラム2に供給される温風の温度を検出する吹出温センサ17とが設けられている。
【0015】
センサ類としては、更に、回転ドラム2のドア18の開閉を検出するドアスイッチ19と、回転ドラム2内の衣類Mの温度を検出する衣類温センサ20と、回転ドラム2内の衣類Mに接触する一対の電極21a,21b間の抵抗変化から衣類Mの乾燥度合いを検出する電極センサ21と、排気ダクト5内に配置した排気温センサ22およびバイメタルスイッチから成る第2オーバーヒートスイッチ23(作動温度85℃)と、回転ドラム2に取り付けた磁石24aと協働して回転ドラム2の回転を検出するドラム用回転検出器24と、給排気ファン6に取り付けた磁石25aと協働して給排気ファン6の回転を検出するファン用回転検出器25とが設けられている。
【0016】
また、機体1の前面の操作パネル26には、図2に示す如く、電源スイッチ27、乾燥運転の開始や一時停止を指示するスタートスイッチ28、衣類の乾燥運転のコース(標準、厚物、デリケート等)を選択するコース選択スイッチ29および表示ユニット30が設けられている。機体1内には、操作パネル26に接続されるマイクロコンピュータから成るコントローラ31が設けられており、上記各種センサ類からの信号がコントローラ31に入力されている。
【0017】
コントローラ31は、電源スイッチ27がオンされたときに立ち上げられる。そして、スタートスイッチ28がオンされると、先ず、モータドライバ32を介して駆動モータ7を起動し、次に、点火電極13に高電圧を印加して火花放電を生じさせ、この状態で第1と第2の両電磁弁10,11を開弁してバーナ8にガスを供給し、バーナ8に点火して乾燥運転を行う。乾燥運転中は、比例弁12の開度を調節してバーナ8の燃焼量を制御すると共に、駆動モータ7の回転速度を調節して給排気ファン6による給気量を制御し、回転ドラム2に供給する温風の熱量を運転状態に応じて変化させる。
【0018】
また、コントローラ31は、常時、異常の有無を監視している。即ち、第1サーモカップル14からの信号に基づいてバーナ8の失火の有無を監視し、第2サーモカップル15や第1オーバーヒートスイッチ16からの信号に基づいてバーナ8の異常燃焼の有無を監視し、吹出温センサ17からの信号に基づいて排気フィルタ4aの目詰まりの有無を監視し(目詰まりを生ずると回転ドラム2からの排気不足による熱気の滞留で吹出温が上昇する)、排気温センサ22や第2オーバーヒートスイッチ23からの信号に基づいて排気温の異常上昇の有無を監視している。
【0019】
ところで、乾燥運転中に、ドラム用ベルト2aやファン用ベルト6aが破断して、回転ドラム2や給排気ファン6の回転が停止することがある。そこで、コントローラ31では、ドラム用回転検出器24からの検出パルスに基づいて回転ドラム2の回転異常の有無と、ファン用回転検出器25からの検出パルスに基づいて給排気ファン6の回転異常の有無とを監視している。
【0020】
ドラム用異常診断処理の詳細は、図3(a)に示す通りであり、先ず、S1のステップでドラム用回転検出器24から検出パルス(以下、ドラム回転パルスと記す)が発生されたか否かを判別し、ドラム回転パルスが発生されたときは、S2のステップでドラム用タイマTDを零リセットして、一回の処理を完了する。ドラム回転パルスが発生されていないときは、S3のステップでドラム用タイマTDの加算処理、即ち、直前のドラム回転パルスの発生時点からの経過時間を計時する処理が行われる。次に、S4のステップでドラム用タイマTDが所定の第1設定時間YT1を上回ったか否かが判別される。
【0021】
第1設定時間YT1は、回転ドラム2が異常判別基準となる所定速度で回転しているときのドラム回転パルスの発生周期に合わせて設定されるもので、例えば、10rpmの回転速度におけるドラム回転パルスの発生周期である6秒に設定される。TD>YT1でなければ、S5のステップでドラム異常フラグFDを零リセットして、一回の処理を完了する。
【0022】
TD>YT1になったとき、即ち、直前のドラム回転パルスの発生時点からドラム回転パルスが発生されないまま第1設定時間YT1が経過したときは、S6のステップでドラム異常フラグFDを「1」にセットする。
ファン用異常診断処理の詳細は、図3(b)に示す通りであり、先ず、S11のステップでファン用回転検出器25から検出パルス(以下、ファン回転パルスと記す)が発生されたか否かを判別し、ファン回転パルスが発生されたときは、S12のステップでファン用タイマTFを零リセットして、一回の処理を完了する。ファン回転パルスが発生されていないときは、S13のステップでファン用タイマTFの加算処理、即ち、直前のファン回転パルスの発生時点からの経過時間を計時する処理が行われる。次に、S14のステップでファン用タイマTFが所定の第2設定時間YT2を上回ったか否かが判別される。
【0023】
第2設定時間YT2は、回転ドラム2が異常判別基準となる所定速度で回転しているときのドラム回転パルスの発生周期に合わせて設定されるもので、例えば、30rpmの回転速度におけるファン回転パルスの発生周期である2秒に設定される。TF>YT2でなければ、S15のステップでファン異常フラグFFを零リセットして、一回の処理を完了する。
【0024】
TF>YT2になったとき、即ち、直前のファン回転パルスの発生時点からファン回転パルスが発生されないまま第2設定時間YT2が経過したときは、S16のステップでファン異常フラグFFを「1」にセットする。
【0025】
また、コントローラ31は、以上の如くして行う異常診断処理の結果に基づいて、図4に示す、異常対策処理を行う。この処理では、先ず、S21のステップでファン異常フラグFFが「1」にセットされているか否かを判別し、FF=1でなければ、S22のステップでドラム異常フラグFDが「1」にセットされているか否かを判別し、FD=1でなければ、S23のステップで失火、異常燃焼、排気フィルタ4aの目詰まり、排気温の異常上昇といった他の異常を生じているか否かを判別する。そして、他の異常も生じていなければ、S24のステップに進み、乾燥運転を継続する。
【0026】
S23のステップで他の異常有りと判別されたときは、S25のステップで表示ユニット30にエラー表示すると共に、S26のステップで第1と第2の両電磁弁10,11を閉弁し、バーナ8の燃焼を停止する。そして、S27のステップで燃焼停止から第1の設定時間TM1(例えば、6分)が経過したか否かを判別し、経過したところで、S28のステップに進んで駆動モータ7を停止し、一連の処理を完了する。第1設定時間TM1が経過するまでは、バーナ8の燃焼が停止された状態で駆動モータ7が継続作動される冷却運転が行われることになる。この状態では、回転ドラム2内に給排気ファン6の回転で冷風が送り込まれると共に、回転ドラム2の回転で衣類Mが攪拌され、衣類Mが効率良く冷却される。S22のステップでFD=1と判別されたとき、即ち、回転ドラム2が異常と判別されたときは、S29のステップでエラー表示すると共に、S30のステップで両電磁弁10,11を閉弁してバーナ8の燃焼を停止する。次に、S31のステップで燃焼停止から上記第1設定時間TM1よりも長く設定した第2の設定時間TM2(例えば、13分)が経過したか否かを判別し、経過したところでS28のステップに進み、駆動モータ7を停止する。従って、回転ドラム2の異常時は、第2設定時間TM2の冷却運転が行われる。この場合、回転ドラム2内に給排気ファン6の回転で冷風は送り込まれるが、回転ドラム2の回転による衣類Mの攪拌は十分に行われないため、冷却効率が悪くなる。然し、冷却運転の時間がTM1からTM2に長引くため、衣類Mは十分に冷却される。
【0027】
S21のステップでFF=1と判別されたとき、即ち、給排気ファン6が異常と判別されたときは、S32のステップでエラー表示すると共に、S33のステップで両電磁弁10,11を閉弁してバーナ8の燃焼を停止する。次に、S34のステップで燃焼停止から上記第2設定時間TM2よりも長く設定した第3の設定時間TM3(例えば、72分)が経過したか否かを判別し、経過したところでS28のステップに進み、駆動モータ7を停止する。従って、給排気ファン6の異常時は、第3設定時間TM3の冷却運転が行われる。この場合、回転ドラム2内に冷風が送り込まれなくなるため、衣類Mの冷却は回転ドラム2の回転による攪拌下での自然放冷で行われことになり、冷却効率が更に悪くなる。然し、冷却運転の時間がTM2からTM3に更に長引くため、衣類Mは十分に冷却される。
【0028】
以上、加熱手段としてバーナ8を用いる衣類乾燥機について説明したが、電気ヒータや温水を循環させる熱交換器等で加熱手段を構成する衣類乾燥機にも同様に本発明を適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る衣類乾燥機の全体構成図。
【図2】衣類乾燥機の制御系のブロック図。
【図3】(a)回転ドラムの異常診断処理を示すフロー図、(b)給排気ファンの異常診断処理を示すフロー図。
【図4】異常対策処理を示すフロー図。
【符号の説明】
2…回転ドラム 6…給排気ファン 7…駆動モータ 8…バーナ(加熱手段)31…コントローラ

Claims (2)

  1. 衣類を収納する回転ドラムと、回転ドラムに対する給気と排気とを行う給排気ファンと、回転ドラムに対する給気通路に配置した加熱手段と、回転ドラムと給排気ファンとを駆動する共通の駆動モータとを備える衣類乾燥機であって、
    駆動モータの作動で回転ドラムと給排気ファンとを回転させると共に加熱手段を作動させて回転ドラム内に温風を供給する乾燥運転中に異常が発生したとき、加熱手段の作動を停止した状態で駆動モータを継続作動させる冷却運転を行うものにおいて、
    回転ドラムの回転速度が異常判別基準となる所定速度以下に低下した回転ドラムの異常時と、給排気ファンの回転速度が異常判別基準となる所定速度以下に低下した給排気ファンの異常時には、冷却運転の時間を他の異常時よりも長くすることを特徴とする衣類乾燥機。
  2. 給排気ファンの異常時には、冷却運転の時間を回転ドラムの異常時よりも長くすることを特徴とする請求項1に記載の衣類乾燥機。
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