JP2004247883A - 画像処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】電子透かし情報が埋め込まれた文章画像中の文字や行の位置情報がノイズや歪等によって不確定であっても、この文章画像から忠実に電子透かし情報を抽出すること。
【解決手段】各行に文字列が配置された文章画像において、電子透かし情報を複数個繋げた埋め込みビット列を各行の文字列の数に応じたビット数分だけ埋め込むことで得られる埋め込み済み文章画像から、各行に埋め込まれたビット列を抽出し(S403)、各行から抽出した夫々のビット列において同一ビット位置に位置するビット群の夫々の値を参照して、埋め込みビット列のこの位置のビットの値を決定し(S404)、複数ビット位置において決定したビットの値の集合に含まれる、電子透かし情報を構成するビット列の夫々のビットの値を決定し、出力する(S405)。
【選択図】 図4
【解決手段】各行に文字列が配置された文章画像において、電子透かし情報を複数個繋げた埋め込みビット列を各行の文字列の数に応じたビット数分だけ埋め込むことで得られる埋め込み済み文章画像から、各行に埋め込まれたビット列を抽出し(S403)、各行から抽出した夫々のビット列において同一ビット位置に位置するビット群の夫々の値を参照して、埋め込みビット列のこの位置のビットの値を決定し(S404)、複数ビット位置において決定したビットの値の集合に含まれる、電子透かし情報を構成するビット列の夫々のビットの値を決定し、出力する(S405)。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、文書の著作権を保護するための技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
画像やサウンドなどのディジタルデータをインターネット上で流通させる際の著作権保護に、電子透かし技術が注目されている。電子透かし技術とは、画像やサウンドなどのディジタルデータを操作して、人間が知覚できないように情報を埋め込む技術である。多値画像に対する電子透かし技術としては、画素の濃度の冗長性を利用する種々の方法が知られている。
【0003】
一方、文書画像(文字部、背景部が夫々に値で表現された画像)のような二値画像は冗長度が少なく、電子透かし技術を実現するのが難しいとされる。しかしながら、文書画像特有の特徴を利用した方式が幾つか知られている(例えば、特許文献1〜4,非特許文献1を参照)。
【0004】
【特許文献1】
特許3136061
【特許文献2】
USP6086706
【特許文献3】
特開平9−186603号公報
【特許文献4】
特開平11−234502号公報
【非特許文献1】
King Mongkut大学による“Electronic document data hiding technique using inter−character space”, The 1998 IEEE Asia−Pacific Conf. On Circuits and Systems,1998,pp.419−422.
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来より、自然画像を対象とした電子透かし技術に関しては、誤り等に対する耐性を高めるために、同じデータを、同一の画像の様々な個所に埋め込む方法等が一般的に用いられてきた。
【0006】
しかし、文章画像に従来の電子透かし技術を適用する場合、文字や行の位置を動かすことによって、電子透かし情報を埋め込むので、埋め込まれた電子透かし情報を抽出する場合、文書画像解析技術によって得られる文字や行の位置情報が、ノイズや歪等によって不確定であり、その不確定さの特徴は自然画像の場合と異なる。
【0007】
例えば、文字や行の位置を動かすことによって電子透かしを埋め込む電子透かし技術に関しては上述したUSP6086706等が知られているが、これらはいずれも2つの空白長の大小関係によってビットの0、1を表現するものである。
【0008】
しかしこのような技術では以下のような問題がある。図19(a)は電子透かしの埋め込みを行う場合に求めた各文字の外接矩形の一例を表す図で、図19(b)は電子透かしの抽出を行う場合に求めた各文字の外接矩形の一例を表す図である。
【0009】
図19(a)、(b)に見られるように、埋め込み時(図19(a))と抽出時(図19(b))で1行当たりの外接矩形の数がノイズ等によって変わってしまうことがある。このように、電子透かし情報の埋め込み時、抽出時の夫々で求めた外接矩形の数等が変わってしまうと、抽出されるビットと空白長の対応関係が本来意図したものとは異なったり、抽出されるビットの数が変わったりして、電子透かしの抽出に誤りが生じてしまう。更に、複数行にわたって電子透かし情報を埋め込んでいる場合には、複数行にわたって電子透かしの抽出の誤りが生じてしまう。
【0010】
本発明は以上の問題に鑑みてなされたものであり、電子透かし情報が埋め込まれた文章画像中の文字や行の位置情報がノイズや歪等によって不確定であっても、この文章画像から忠実に電子透かし情報を抽出する技術を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的を達成するために、例えば本発明の画像処理方法は以下の構成を備える。
【0012】
すなわち、各行に文字列が配置された文章画像において、電子透かし情報を複数個繋げた埋め込みビット列を各行の文字列の数に応じたビット数分だけ埋め込むことで得られる埋め込み済み文章画像から、各行に埋め込まれたビット列を抽出する抽出工程と、
前記抽出工程で各行から抽出した夫々のビット列において同一ビット位置に位置するビット群の夫々の値を参照して、前記埋め込みビット列の当該位置のビットの値を決定する決定工程と、
前記決定工程で複数ビット位置において決定したビットの値の集合に含まれる、前記電子透かし情報を構成するビット列の夫々のビットの値を決定し、出力する出力工程と
を備えることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下添付図面を参照して、本発明を好適な実施形態に従って詳細に説明する。
【0014】
[第1の実施形態]
本実施形態は、同じ電子透かし情報を複数個繋げたビット列を文章画像中の各行の文字列に埋め込む埋め込み技術、そしてこの埋め込み技術により電子透かし情報が埋め込まれた文章画像から、埋め込まれた電子透かし情報を忠実に抽出する抽出技術に関するものである。
【0015】
図14は、上記埋め込み処理、抽出処理を実行するコンピュータの基本構成を示す図である。なお、電子透かし情報の埋め込み、抽出の夫々を行うコンピュータは同じ装置であっても良いし、別個のコンピュータであっても良い。
【0016】
コンピュータ1401は、一般に普及しているパーソナルコンピュータであり、スキャナ等の画像入力装置1417によって読み取られた画像をI/F(インターフェース)1415を介して入力し、編集や保管を行うことが可能である。
【0017】
また、画像入力装置1417で得られた画像をプリンタ1416から印刷させることができる。尚、ユーザからの各種指示等は、マウス1413、キーボード1414からの入力操作により行われる。
【0018】
コンピュータ1401の内部では、バス1407により後述する各ブロックが接続され、種々のデータの受け渡しが可能である。図14において、MPU1402は、コンピュータ1401内部の各ブロックの動作を制御し、あるいは主記憶装置1403にロードされたプログラムを実行することができる。主記憶装置1403は、MPU1402において行われる処理のために、一時的にプログラムや処理対象の画像データを格納しておく装置である。ハードディスクドライブ(HDD)1404は、主記憶装置1403にロードされるプログラムや画像データをあらかじめ格納したり、処理後の画像データを保存することのできる装置である。
【0019】
I/F1415はスキャナインタフェースとして機能し、原稿やフィルム等を読み取って、画像データを生成するスキャナ1417と接続され、スキャナ1417で得られた画像データはI/F1415を介してコンピュータ1401に入力される。
【0020】
I/F1408はプリンタインタフェースとして機能し、画像データを印刷するプリンタ1416と接続され、印刷する画像データはI/F1408を介してコンピュータ1401からプリンタ1416に送信される。
【0021】
CD−ROMドライブ1409は、外部記憶媒体の一つであるCD(CD−R/CD−RW)に記憶されたデータを読み込んだり、あるいは書き出すことができる装置である。FDD1411は、CD−ROMドライブ1409と同様にFDDからの読み込みや、FDDへの書き出しをすることができる装置である。DVD−ROMドライブ1410は、CD−ROMドライブ1409,FDD1411と同様に、DVDからの読み込みや、DVDへの書き出しをすることができる装置である。尚、CD、FDD、DVD等に画像編集用のプログラム、あるいはプリンタドライバが記憶されている場合には、これらプログラムをHDD1404上にインストールし、必要に応じて主記憶装置1403に転送されるようになっている。
【0022】
I/F1412は、マウス1413やキーボード1414からの入力指示を受け付けるために、これらと接続されるI/Fである。また、モニタ1406はCDTや液晶画面などにより構成されており、透かし情報の抽出処理結果や処理過程を表示することのできる表示装置である。さらに、ビデオコントローラ1405は、表示データをモニタ1406に送信し、表示制御を行う装置である。
【0023】
尚、本発明は、複数の機器(例えば、ホストコンピュータ、インタフェース機器、リーダ、プリンタ等)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、複写機、ファクシミリ装置等)に適用してもよい。
【0024】
<埋め込み技術>
図1を用いて、本実施形態に係る電子透かし情報の埋め込み処理について説明する。図1は、本実施形態に係る電子透かし情報の埋め込み処理を行う装置、もしくは本実施形態に係る電子透かし情報の埋め込み処理をこの装置に実行させるためのプログラムの機能構成を示す図である。同図に示した各部はハードウェアにより構成し、電子透かしの埋め込み装置として実現させても良いし、各部の機能をコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現させても良い。
【0025】
なお後者の場合、このプログラムをCD−ROMやDVD−ROMなどの記憶媒体からCD−ROMドライブ1409,DVD−ROMドライブ1410などのドライブ装置によって主記憶装置1403にロード、もしくはHDD1404から主記憶装置1403にロードし、MPU1402がこのプログラムを実行することで、このコンピュータ1401は図1に示した機能構成、すなわち本実施形態に係る電子透かし情報の埋め込みを実現する。
【0026】
同図に示した各部によって行われる、文章画像に対する電子透かし情報の埋め込み処理について、同処理のフローチャートを示す図2を参照して説明する。なお、同図に示したフローチャートに従ったプログラムは主記憶装置1403にロードされ、MPU1402がこのプログラムを実行することで、コンピュータ1401は、本実施形態に係る電子透かし情報の埋め込み処理を行うことができる。
【0027】
先ず、文書画像入力部101は入力された文書画像に対して、周知の技術(例えば特開平6−68301号公報に開示されている技術)を用いて、テキスト領域(文章画像中の文章が配置された領域)の抽出を行う(ステップS201)。
【0028】
ここで、文書画像入力部101に入力される文書画像は電子透かし情報の埋め込み対象となるものであり、印刷物を画像入力装置1417などから入力し、それをビットマップ化したものでも良いし、一般の文書エディタを利用して作成された電子データ、またはHDD1404やCD−ROMドライブ1409、DVD−ROMドライブ1410,FDD1411から主記憶装置1403にロードされる種々の電子データを画像処理ソフトなどによって変換し、ビットマップ化したものでも良い。また、この文章画像の形態は上記に限定されるものではない。
【0029】
次に、電子透かし情報が電子透かし情報入力部103に入力される(ステップS202)。電子透かし情報は電子透かしとして埋め込もうとする情報であって、複数のビットからなるビット列である。電子透かし情報の入力はユーザがキーボード1414やマウス1413を用いて手動で入力しても良いし、HDD1404やCD−ROMドライブ1409、DVD−ROMドライブ1410,FDD1411から主記憶装置1403にロードしても良い。
【0030】
また、電子透かし情報入力部103は電子透かし情報のビット長を求め、主記憶装置1403に保持する(ステップS206)。これは、行によっては電子透かし情報を繰り返し埋め込めるものもあるので、抽出したビット列中で先頭からどこまでが電子透かし情報であるのかを把握するためのものである。
【0031】
そして、文章画像において文章画像入力部101によって抽出されたテキスト領域から、各文字の外接矩形(文字外接矩形)を文字外接矩形抽出部102によって求める(ステップS203)。外接矩形とは、文字に外接する矩形であり、文字認識技術においては、実際に文字認識を行う領域を指す情報となる。
【0032】
各文字の外接矩形は例えば以下のようにして求めることができる。先ず、抽出されたテキスト領域内において、各画素値を垂直座標軸に対して射影し、空白部分(黒色である文字のない部分)を探索して行を判別し、行分割を行う。その後、行毎に水平座標軸方向に対して射影を取り、空白部分を探索して文字単位に分割する。以上の操作により、各文字の外接矩形を求めることができる。
【0033】
図16は、ある文書の一部からテキスト領域を抽出し、更に外接矩形を求めた結果の一例を示す図である。図16のような場合には、行によっては文字数が少なく、入力された電子透かし情報を埋め込むのに十分でない場合も考えられる。その場合、行毎に埋め込めるビットが不均一になってしまうものの、上位ビットから可能な数だけビットを埋め込むとする。
【0034】
また、行によっては文字数が多く、電子透かし情報を繰り返し埋め込めるものもあるので、その場合には上位ビットから順に電子透かし情報の全てのビットを埋め込み、最下位ビットを埋め込んだらまた最上位ビットから下位ビットに向かって順に埋め込む。
【0035】
即ち本実施形態において実際に埋め込むべき情報は、電子透かし情報を複数個繋げたビット列であって、このビット列を上位ビットから各行の文字列の数に応じたビット数分だけ埋め込む。以下、このビット列を「埋め込みビット列」と呼称する。図7は埋め込みビット列の構成を示す図である。上述の通り埋め込みビット列は、電子透かし情報のビット列を複数個つなげたものであって、つなげる個数は特に限定されるものではなく、例えば埋め込みビット列のビット長が各行で最大埋め込めるビット数以上となるようにする。
【0036】
埋め込む規則としては様々なものが考えられるが、ここでは例として3つの埋め込み規則について説明する。しかし本実施形態は、この3つの埋め込み規則に限定されるものではない、
・ 埋め込み規則1
埋め込み前の外接矩形群の一部を図5に示すような配置とする。同図において、501乃至504が外接矩形である。また夫々の外接矩形間の距離(空白長)はP0,S0,P1,S1である。この埋め込み規則1では、2つの空白長Pk、Sk(0<k<n、nは埋め込み可能なビット数)を、埋め込みビット列の各ビットbkの値が0か1かに応じて変化させることで、埋め込みビット列、すなわち複数、もしくは一部の電子透かし情報を埋め込むものとする。
【0037】
埋め込みビット列のビットbkの値が0の場合、2つの空白長Pk、Skを以下の式に従ってPk’、Sk’に変化させる。
【0038】
Pk’=(1−ρ)(Pk+Sk)/2
Sk’=(1+ρ)(Pk+Sk)/2
一方、埋め込みビット列のビットbkの値が1の場合、2つの空白長Pk、Skを以下の式に従ってPk’、Sk’に変化させる。
【0039】
Pk’=(1+ρ)(Pk+Sk)/2
Sk’=(1−ρ)(Pk+Sk)/2
図6は、埋め込み後の外接矩形群の一部を示す図である。
【0040】
このようにして、k=n−1となるまで、埋め込みビット列の上位nビットを1行内に埋め込む。また埋め込み規則1では、2つの空白長を用いて1ビットの情報を埋め込むので、図16に例示するような文章画像に対しては、各行に埋め込み可能なビット数は図17に示すとおりとなる。
【0041】
図18は、電子透かし情報が3ビットの場合、5ビットの場合の夫々について、各ビットが図16に示した文章画像で何回埋め込むことができるかを示す図である。例えば電子透かし情報が3ビットである場合、1ビット目(先頭)は全ての行、即ち5行全てに埋め込むことができる(すなわち、繰り返し回数=5)。しかし2ビット目については5行目には埋め込むことはできない(5行目は1ビットしか埋め込むことができない)、即ち4行分に埋め込むことができるので、繰り返し回数=4となる。同様の理由で3ビット目も繰り返し回数=4となる。これは電子透かし情報が5ビットである場合でも同様である。
【0042】
なお、夫々の空白長を変化させるためには様々な方法があり、例えば、外接矩形を移動させて空白長を変化させても良いし、外接矩形のサイズを変化させて空白長を変化させても良い。なお、外接矩形の位置やサイズの変化に応じて、外接矩形内の文字もそれに伴って変化するものとする。すなわち、外接矩形の位置が変化すれば、その外接矩形内の文字の位置もそれに伴って変化する。また、外接矩形のサイズが変化すれば、その外接矩形内の文字のサイズもそれに伴って変化する。
【0043】
・ 埋め込み規則2
この埋め込み規則2では、埋め込みビット列の各ビット値が0か1かに応じて、外接矩形を右回り、左回りの何れかに微少に回転させる。例えば図5に示した外接矩形501を用いて埋め込みビット列のビットbkの値を埋め込む場合、ビットbkの値が0の場合には外接矩形501を左回りに微少角度だけ回転させ、ビットbkの値が1の場合には外接矩形501を右回りに微少角度だけ回転させる。
【0044】
次に、ビットbk+1の値が0の場合には外接矩形502を左回りに微少角度だけ回転させ、ビットbk+1の値が1の場合には外接矩形502を右回りに微少角度だけ回転させる。このように、埋め込み規則2の場合には、1つの外接矩形を用いて1ビットの情報を埋め込む。なお、外接矩形の回転に応じて、外接矩形内の文字もそれに伴って回転するものとする。
【0045】
そしてこのようにして、1行を構成する各外接矩形に対して埋め込みビット列の各ビットの値を埋め込む。なお、埋め込むビット値と回転方向は夫々、上述の説明と逆でも良い。
【0046】
・ 埋め込み規則3
この埋め込み規則3では、埋め込む埋め込みビット列の各ビット値が0か1かに応じて、各外接矩形内の文字のフォントに何らかの変化を加える。例えば、文字の太さ等を変化することが挙げられ、埋め込みビット列の注目ビット値が1の場合には文字の太さを元の太さよりも太くし、0の場合には文字の太さを元の太さよりも細くする。このようにして、埋め込みビット列の各ビット値を埋め込む。
【0047】
図2に戻って電子透かし埋め込み部105は、こうした操作を終えた後の画像を電子透かし埋め込み画像として出力する(ステップS205)。
【0048】
以上説明した本実施形態に係る電子透かし情報の埋め込み処理(埋め込みビット列の埋め込み処理)は、電子透かし埋め込み済み文章画像中の1行に対してノイズが付加されても、その他の行には何ら影響が及ばないので、ノイズに対して強い埋め込み方法となる。
【0049】
<抽出技術>
以上説明した処理により、文章画像に対して埋め込みビット列(行によっては電子透かし情報のうちの部分ビット列)を埋め込むことができる。しかし、この電子透かし情報埋め込み済み文章画像に様々な要因でノイズが付加された場合、従来の技術では埋め込んだ電子透かし情報を忠実に抽出することができない。
【0050】
そこで本実施形態に係る抽出技術は、各行に埋め込んだビット列(各行毎に埋め込んだビット数は異なるが)を抽出し、上記ノイズによってはいくつかの行に対してノイズが付加され、埋め込んだ情報が変化している場合があるので、更に各行毎に抽出したビット列を用いて、電子透かし情報を復元する。以下では、各行に埋め込まれたビット列を抽出し、抽出したビット列を用いて電子透かし情報を復元するまでの一連の処理を単に「電子透かし抽出処理」と呼称する場合がある。以下、本実施形態に係る抽出処理について説明する。
【0051】
図3を用いて、本実施形態に係る電子透かし情報の抽出について説明する。図3は、本実施形態に係る電子透かし情報の抽出処理を行う装置、もしくは本実施形態に係る電子透かし情報の抽出処理をこの装置に実行させるためのプログラムの機能構成を示す図である。同図に示した各部はハードウェアにより構成し、電子透かしの抽出装置として実現させても良いし、各部の機能をコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現させても良い。
【0052】
なお後者の場合、このプログラムをCD−ROMやDVD−ROMなどの記憶媒体からCD−ROMドライブ1409,DVD−ROMドライブ1410などのドライブ装置によって主記憶装置1403にロード、もしくはHDD1404から主記憶装置1403にロードし、MPU1402がこのプログラムを実行することで、このコンピュータ1401は図3に示した機能構成、すなわち本実施形態に係る電子透かし情報の抽出を実現する。
【0053】
なお、上述の通り、電子透かし情報の埋め込み処理を行う装置と抽出を行う装置とは同一装置内で実現させても良いし、別個の装置で実現させても良い。本実施形態では同一装置内で実現させるが、夫々別個の装置で実現させる場合には、埋め込みを行った装置で生成された電子透かし情報埋め込み済み文章画像と電子透かし情報のビット長を表すデータを、電子透かし情報の抽出を行う装置に対して入力する必要がある。
【0054】
入力の形態は例えばCD−ROMやDVD−ROMなどの記録媒体を用いて抽出装置に入力しても良いし、インターネットなどのネットワークを介して入力しても良い。
【0055】
図3に示した各部によって行われる、電子透かし情報埋め込み済み文章画像からの電子透かし抽出処理について、同処理のフローチャートを示す図4を参照して説明する。なお、同図に示したフローチャートに従ったプログラムは主記憶装置1403にロードされ、MPU1402がこのプログラムを実行することで、コンピュータ1401は、本実施形態に係る電子透かし情報の抽出処理を行うことができる。
【0056】
先ず、文書画像入力部301は文章画像入力部101が行った処理と同様にして、入力された電子透かし情報埋め込み済み文章画像に対して、テキスト領域(電子透かし情報埋め込み済み文章画像中の文章が配置された領域)の抽出を行う(ステップS401)。このときステップS206で保持されている電子透かし情報のビット長を表すデータも受け取る。
【0057】
次に文字外接矩形抽出部302は電子透かし情報埋め込み済み文章画像において文章画像入力部101によって抽出されたテキスト領域から、文字外接矩形抽出部102と同様にして、各文字の外接矩形(文字外接矩形)を求める(ステップS402)。
【0058】
そして次に、ビット列抽出部303は、各行毎に埋め込まれたビット列を抽出する(ステップS403)。抽出方法は当然、電子透かし情報の埋め込み規則に従った方法で行う。
【0059】
例えば埋め込み装置側で上記埋め込み規則1に従ってビット列を埋め込んだ場合、抽出装置側では夫々隣接する2つの空白長Pk、Sk(0≦k<nで、nは埋め込まれたビット数)を比較し、Pk>Skである場合には、この2つの空白長を用いて埋め込んだビットbkの値は1、Pk<Skである場合には、この2つの空白長を用いて埋め込んだビットbkの値は0であると判断できる。このようにして、k=n−1となるまで、埋め込んだビットbkの列を抽出する。
【0060】
また、埋め込み装置側で上記埋め込み規則2に従ってビット列を埋め込んだ場合、抽出装置側では夫々の外接矩形が右、左の何れに回転しているのかを判断し、右に回転している場合には、この外接矩形に埋め込んだビットbkの値は1、左に回転している場合には、この外接矩形に埋め込んだビットbkの値は0であると判断できる。また、その対応関係が逆であっても構わないが、埋め込み規則2と同じ対応関係を持つ必要がある。このようにして、k=n−1となるまで、埋め込んだビットbkの列を抽出する。
【0061】
また、埋め込み装置側で上記埋め込み規則3に従ってビット列を埋め込んだ場合、抽出装置側では外接矩形内の文字のフォントがどのようになっているのかを判断する。即ち例えば、埋め込み装置側で埋め込むビットが1の場合には文字の太さを元よりも太くし、埋め込むビットが0の場合には文字の太さを元よりも細くした場合、抽出装置側では、各外接矩形内の文字の太さを参照し、元の太さ(この場合、予め抽出装置側でもとの太さを知っておく必要がある)よりも太いか細いかに応じて、埋め込んだビットを抽出する。なお、フォントに対する変化がどのような場合でも、ビット値の0,1の対応関係が、埋め込み規則3と対応する必要がある。
【0062】
以上の処理を各行に対して行うことで、各行に埋め込まれたビット列を抽出することができる。
【0063】
次に誤り補正部304は、各行毎に抽出した夫々のビット列において、同一ビット位置のビット値を参照し、外接矩形の抽出結果が埋め込み時と抽出時で同様でないことによる誤りの補正処理を行う(ステップS404)。
【0064】
本実施形態に係る電子透かし情報埋め込み済み文章画像は、ノイズなどの外乱が付加されなければ、各行から抽出されたビット列において同じビット位置のビット値は全て同じとなる。
【0065】
しかし、電子透かし情報埋め込み済み文章画像中の1つ以上の行にノイズなどが付加された場合には、この行のみが他の行とは異なるビット列構成となり、当然他の行から抽出されたビット列と比較しても、同じビット位置のビット値は同じにはならない。
【0066】
よって、本実施形態では、各行から抽出された夫々のビット列において先頭からk(0≦k<m、mは電子透かし情報のビット長より大きければ良く、例えば夫々のビット列のうち、最も長いビット列の長さ)番目のビット値が、1,0のどちらが多いかを判断し、多い方の値を、「埋め込みビット列のk番目のビット位置に埋め込んだと推定されるビット値」として主記憶装置1403に記録する。そしてこの処理を、すべてのkに対して行う。
【0067】
この処理を「誤りの補正処理」と呼称し、このようにして順次主記憶装置1403に記録されるビットからなるビット列を補正ビット列と呼称する。
【0068】
図15は本実施形態に係る誤り補正処理を説明するための図で、各行毎に抽出したビット列を用いて補正ビット列を復元する一連の処理を示している。
【0069】
まず、各行から抽出した夫々のビット列の先頭ビット位置を合わせ、各ビット列において同じビット位置のビット値を参照する。例えば文章画像において1行目からN行目までの各行から抽出した各ビット列1502乃至1504のうち、先頭のビット位置1501におけるビット値を参照する。
【0070】
そして多数決により、各ビット列のビット位置1501のビット値が、1,0のどちらが多いかを判断する。そして多い方のビット値(同図では0)が、「埋め込みビット列のビット位置1501に埋め込んだと推定されるビット値」として主記憶装置1403に記録する。
【0071】
以上の処理を2ビット目以降についても行っていくが、各行に埋め込んだビット列の長さは夫々異なっている場合があり、「各ビット列において同じビット位置のビット値を参照する」処理において参照される位置にビットが存在しない場合がある。この場合にはその行は処理対象外とし、そのビット位置にビット値が存在する行のみを対象とする。
【0072】
そして電子透かし抽出部305は、上記ステップS206で主記憶装置1403に記憶された「電子透かし情報のビット長を表すデータ」を参照し、以上の処理により主記憶装置1403に記録されたビット列1505(補正ビット列)の先頭(先頭でなくとも良いが、その場合、補正ビット列における電子透かし情報の先頭位置を把握する必要がある)から、電子透かし情報のビット長だけを「電子透かし情報」として決定し、出力する(ステップS405)。
【0073】
以上に示す埋め込み方法と抽出方法によって、外接矩形の抽出時の不確定さによる透かし情報ビットと空白長の対応関係のずれがある程度生じても、埋め込んだ情報が抽出可能な文書用電子透かし技術を実現できる。
【0074】
行毎に埋め込むことの利点は、抽出される外接矩形の数や、埋め込みビット列との対応関係が、ノイズ等の影響によって埋め込み時と抽出時で異なったとしても、影響が次の行以降に及ばないことである。この行毎埋め込みによって、シーケンシャルに複数の行にまたがってデータを埋め込んだ際の問題(抽出の際、ある行での外接矩形の抽出結果が、埋め込み時の外接矩形抽出結果と異なった場合に、エラーの影響が続いてしまう問題)を回避できる。電子透かし情報として行毎に埋め込めるビットが不均一になってしまうものの、外接矩形抽出結果の誤りが次の行以降に埋め込まれるデータに影響を与えることがない。
【0075】
なお、本実施形態ではステップS404における「誤りの補正処理」を多数決によって行っていたが、これに限定されるものではない。
【0076】
また、本実施形態では電子透かし情報の埋め込み、抽出処理は各行を対象にしていた。ここで「行」とは本実施形態では文章画像において横方向を「行」と定義していたが、縦の方向を「行」と定義しても良い。
【0077】
[第2の実施形態]
第1の実施形態では、埋め込む行の文字数によっては、電子透かし情報を繰り返し埋め込んでいた。本実施形態では、電子透かし情報間に「同期用ビット」と呼ばれる、「電子透かし情報間を示す区切りを表すビット」を埋め込む。このようにすることで、抽出側で、同期用ビットから同期用ビット間での間に位置するビット列が「電子透かし情報のビット長」と一致するもののみを上記「誤りの補正処理」の対象とすることができ、電子透かし抽出処理をより正確に行うことができる。
【0078】
以下、本実施形態に係る電子透かし埋め込み処理、電子透かし抽出処理について説明する。なお、本実施形態でも夫々の装置の基本構成には図14に示す基本構成を備えるコンピュータ1401を適用することができる。
【0079】
<埋め込み技術>
本実施形態に係る電子透かし情報の埋め込み処理を行う装置、もしくは本実施形態に係る電子透かし情報の埋め込み処理をこの装置に実行させるためのプログラムの機能構成は図1に示したものと同じである。
【0080】
同図に示した各部によって行われる、文章画像に対する電子透かし情報の埋め込み処理について、同処理のフローチャートを示す図8を参照して説明する。なお、同図に示したフローチャートに従ったプログラムは主記憶装置1403にロードされ、MPU1402がこのプログラムを実行することで、コンピュータ1401は、本実施形態に係る電子透かし情報の埋め込み処理を行うことができる。
【0081】
なおステップS801乃至S803、及びステップS808の各ステップにおける処理は、夫々ステップS201S203,S202,S206と同じであるので、説明を省略する。即ち、本実施形態が第1の実施形態と異なる部分は、電子透かし情報を連続して埋め込むのではなく、電子透かし情報の両端に同期用ビットが位置する点が異なる。よってそれ以外の処理については第1の実施形態と同じであるので、この異なる点についてのみ説明する。
【0082】
電子透かし埋め込み部105は、電子透かし情報入力部103に入力された電子透かし情報の両端に同期用ビット列を付加する(ステップS804)。そして同期用ビットを付加した電子透かし情報を第1の実施形態に係る電子透かし情報と読み替えて、第1の実施形態と同様にして、各行に対して埋め込む。図10は、本実施形態に係る埋め込み対象のビット列を示す図である。同図において、1003が本実施形態に係る埋め込みビット列で、電子透かし情報のビット列の両端に同期用ビットが位置しており、それらが複数個繋がったものが埋め込みビット列1003である。
【0083】
<抽出技術>
本実施形態に係る電子透かし情報の抽出処理を行う装置、もしくは本実施形態に係る電子透かし情報の抽出処理をこの装置に実行させるためのプログラムの機能構成は図3に示したものと同じである。
【0084】
なお、上述の通り、電子透かし情報の埋め込み処理を行う装置と抽出を行う装置とは同一装置内で実現させても良いし、別個の装置で実現させても良い。本実施形態では同一装置内で実現させるが、夫々別個の装置で実現させる場合には、埋め込みを行った装置で生成された電子透かし情報埋め込み済み文章画像と電子透かし情報のビット長を表すデータを、電子透かし情報の抽出を行う装置に対して入力する必要がある。
【0085】
入力の形態は例えばCD−ROMやDVD−ROMなどの記録媒体を用いて抽出装置に入力しても良いし、インターネットなどのネットワークを介して入力しても良い。
【0086】
図3に示した各部によって行われる、電子透かし情報埋め込み済み文章画像からの電子透かし抽出処理について、同処理のフローチャートを示す図9を参照して説明する。なお、同図に示したフローチャートに従ったプログラムは主記憶装置1403にロードされ、MPU1402がこのプログラムを実行することで、コンピュータ1401は、本実施形態に係る電子透かし情報の抽出処理を行うことができる。
【0087】
なお、ステップS901乃至S903の各ステップにおける処理は夫々、ステップS401乃至ステップS403の各ステップにおける処理と同じであるので、説明を省略する。
【0088】
以上の処理により各行から抽出されたビット列には上述の通り、同期用ビットと仮電子透かし情報(ノイズにより影響が無く、元の電子透かし情報と一致する場合もあるが、ノイズなどによりビットが欠損、もしくはビット値が誤っている可能性があるので、このように呼称する)とが交互に含まれている。誤り補正部304は、各行から抽出したビット列において同期用ビットを検出し(ステップS904)、隣接する同期用ビット間に位置するビット列のビット長が、埋め込み側で求めた「電子透かし情報のビット長」に一致するか否かをチェックする。
【0089】
一致しない場合には、この同期用ビット間に位置するビット列は電子透かし情報ではなく、いくつかのビットが欠損した電子透かし情報であるので、上記誤りの補正処理の対象には用いない。一方、一致する場合、この同期用ビット間に位置するビット列は電子透かし情報である可能性が高い(ビット長が一致しても、いずれかのビットの値が異なっている場合がある)ので、上記誤りの補正処理の対象に用いる。すなわち、誤り補正処理の対象とするビット列のみを多数決処理の対象とし、補正ビット列を生成し、最終的には上記実施形態と同様にして電子透かし情報を抽出する(ステップS905)。当然誤り補正処理は多数決処理に限定されるものではない。
【0090】
このように、同期用ビットを用いることで、上記誤りの補正処理に用いるビット列を電子透かし情報のみとすることができるので、より精度良く電子透かし情報を得ることができる。
【0091】
[第3の実施形態]
第2の実施形態に係る埋め込みビット列は、電子透かし情報のビット列の両端に同期用ビットを配置したビット列を複数個つなげたものであった。本実施形態に係る埋め込みビット列は、電子透かしのビット列に同期用ビットと電子透かし情報のビット長を表すデータを付加したビット列を複数個つなげたものである。このような埋め込みビット列を用いた埋め込み処理、抽出処理について以下説明する。
【0092】
<埋め込み技術>
本実施形態に係る電子透かし情報の埋め込み処理を行う装置、もしくは本実施形態に係る電子透かし情報の埋め込み処理をこの装置に実行させるためのプログラムの機能構成は図1に示したものと同じである。
【0093】
同図に示した各部によって行われる、文章画像に対する電子透かし情報の埋め込み処理について、同処理のフローチャートを示す図11を参照して説明する。なお、同図に示したフローチャートに従ったプログラムは主記憶装置1403にロードされ、MPU1402がこのプログラムを実行することで、コンピュータ1401は、本実施形態に係る電子透かし情報の埋め込み処理を行うことができる。
【0094】
先ず、文書画像入力部101は入力された文書画像に対して、ステップS201と同様にしてテキスト領域(文章画像中の文章が配置された領域)の抽出を行う(ステップS1101)。
【0095】
次に、文章画像において文章画像入力部101によって抽出されたテキスト領域から、各文字の外接矩形(文字外接矩形)を文字外接矩形抽出部102によって求める(ステップS1102)。
【0096】
次に、電子透かし情報とそのビット長を表すデータが電子透かし情報入力部103に入力される(ステップS1103)。電子透かし情報とそのビット長を表すデータの入力はユーザがキーボード1414やマウス1413を用いて手動で入力しても良いし、HDD1404やCD−ROMドライブ1409、DVD−ROMドライブ1410,FDD1411から主記憶装置1403にロードしても良い。なお第1,2の実施形態と同様に、電子透かし情報入力部103には電子透かし情報のみを入力し、電子透かし情報のビット長は電子透かし情報入力部103によって求めても良い。
【0097】
次に電子透かし情報埋め込み部105は、電子透かし情報のビット列にこのビット列のビット長を表すデータと同期用ビットとを付加する(ステップS1104)。そして電子透かし情報のビット列にこのビット列のビット長を表すデータと同期用ビットとを付加したビット列を複数個つなげたビット列(埋め込みビット列)を生成する(ステップS1105)。
【0098】
図13は本実施形態に係る埋め込みビット列の構成を示す図である。同図において、1302はステップS1104で生成されたビット列で、電子透かし情報のビット列にこのビット列のビット長を表すデータと同期用ビットを付加したものである。1303はビット列1302を複数個つなげることで得られる、本実施形態に係る埋め込みビット列である。
【0099】
図11に戻って、電子透かし埋め込み部105は埋め込みビット列を上記実施形態と同様にして文章画像の各行に対して埋め込み可能なビット数分だけ埋め込む(ステップS1106)。そして電子透かし埋め込み部105は、こうした操作を終えた後の画像を電子透かし埋め込み画像として出力する(ステップS1107)。
【0100】
<抽出技術>
本実施形態に係る電子透かし情報の抽出処理を行う装置、もしくは本実施形態に係る電子透かし情報の抽出処理をこの装置に実行させるためのプログラムの機能構成は図3に示したものと同じである。
【0101】
なお、上述の通り、電子透かし情報の埋め込み処理を行う装置と抽出を行う装置とは同一装置内で実現させても良いし、別個の装置で実現させても良い。本実施形態では同一装置内で実現させるが、夫々別個の装置で実現させる場合には、埋め込みを行った装置で生成された電子透かし情報埋め込み済み文章画像を、電子透かし情報の抽出を行う装置に対して入力する必要がある。
【0102】
入力の形態は例えばCD−ROMやDVD−ROMなどの記録媒体を用いて抽出装置に入力しても良いし、インターネットなどのネットワークを介して入力しても良い。
【0103】
図3に示した各部によって行われる、電子透かし情報埋め込み済み文章画像からの電子透かし抽出処理について、同処理のフローチャートを示す図12を参照して説明する。なお、同図に示したフローチャートに従ったプログラムは主記憶装置1403にロードされ、MPU1402がこのプログラムを実行することで、コンピュータ1401は、本実施形態に係る電子透かし情報の抽出処理を行うことができる。
【0104】
なお、「電子透かしのビット列のビット長を表すデータ」のビット長は抽出装置側で予め分かっているものとする。
【0105】
なお、ステップS1201乃至S1204の各ステップにおける処理は夫々、ステップS901乃至ステップS904の各ステップにおける処理と同じであるので、説明を省略する。
【0106】
各行に埋め込まれたビット列を抽出すると、次に、誤り補正部304は、各行から抽出したビット列において同期用ビットを検出し(ステップS904)、同期用ビットに後続する「電子透かしのビット列のビット長を表すデータ」を参照し、「電子透かしのビット列のビット長を表すデータ」に後続するビット列のビット長が、「電子透かし情報のビット長」に一致するか否かをチェックする。
【0107】
一致しない場合には、チェック対象のビット列は電子透かし情報ではなく、いくつかのビットが欠損した電子透かし情報であるので、上記誤りの補正処理の対象には用いない。一方、一致する場合、このチェック対象のビット列は電子透かし情報である可能性が高い(ビット長が一致しても、いずれかのビットの値が異なっている場合がある)ので、チェック対象のビット列を候補とし(ステップS1205)、上記誤りの補正処理の対象に用いる。すなわち、誤り補正処理の対象とするビット列のみを多数決処理の対象とし、補正ビット列を生成し、最終的には上記実施形態と同様にして電子透かし情報を抽出する(ステップS1206)。当然誤り補正処理は多数決処理に限定されるものではない。
【0108】
以上の処理より、電子透かしのビット列のビット長は埋め込みビット列に埋め込まれているので、上記実施形態のように埋め込みビット列とは別個に電子透かしのビット列のビット長を表すデータを抽出側に入力する必要はなく、抽出側へのデータの入力を上記実施形態よりも簡単にすることができる。
【0109】
[その他の実施形態]
本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記録媒体(または記憶媒体)を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。この場合、記録媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記録した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0110】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0111】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0112】
本発明を上記記録媒体に適用する場合、その記録媒体には、先に説明したフローチャートに対応するプログラムコードが格納されることになる。
【0113】
以下に本発明の実施態様の例を示す。
【0114】
[実施態様1] 各行に文字列が配置された文章画像において、電子透かし情報を複数個繋げた埋め込みビット列を各行の文字列の数に応じたビット数分だけ埋め込むことで得られる埋め込み済み文章画像から、各行に埋め込まれたビット列を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段が各行から抽出した夫々のビット列において同一ビット位置に位置するビット群の夫々の値を参照して、前記埋め込みビット列の当該位置のビットの値を決定する決定手段と、
前記決定手段が複数ビット位置において決定したビットの値の集合に含まれる、前記電子透かし情報を構成するビット列の夫々のビットの値を決定し、出力する出力手段と
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【0115】
[実施態様2] 前記抽出手段は更に、前記文章画像中の各文字の外接矩形を求める外接矩形計算手段を備え、
各外接矩形間の間隔、もしくは回転方向を用いて各行もしくは各列の文字列に埋め込まれたビット列を抽出することを特徴とする実施態様1に記載の画像処理装置。
【0116】
[実施態様3] 前記決定手段は、前記抽出手段が抽出した夫々のビット列において同一ビット位置に位置するビットにより構成されるビット群の夫々の値を参照し、多数決により前記埋め込みビット列の前記ビット位置におけるビットの値を決定することを特徴とする実施態様1に記載の画像処理装置。
【0117】
[実施態様4] 前記抽出手段は更に、前記埋め込みビット列中に含まれる、前記電子透かし情報のビット列の両端に位置する同期用ビットを検出する検出手段を備え、
前記決定手段は、前記抽出手段が各行から抽出した夫々のビット列中の、前記同期用ビット間に位置するビット列のうち、前記電子透かし情報のビット長に一致するビット列において、前記夫々のビット位置の同一ビット位置に位置するビットにより構成されるビット群の夫々の値を参照して、前記埋め込みビット列の当該位置のビットの値を決定することを特徴とする実施態様1に記載の画像処理装置。
【0118】
[実施態様5] 前記電子透かし情報のビット列には更に、前記電子透かし情報のビット列のビット長を表すデータが付加されていることを特徴とする実施態様4に記載の画像処理装置。
【0119】
[実施態様6] 各行に文字列が配置された文章画像において、電子透かし情報を複数個繋げた埋め込みビット列を各行の文字列の数に応じたビット数分だけ埋め込む埋め込み手段を備えることを特徴とする画像処理装置。
【0120】
[実施態様7] 前記埋め込み手段は更に、前記文章画像中の各文字の外接矩形を求める外接矩形計算手段を備え、
各外接矩形間の間隔、もしくは回転方向を埋め込むビットの値に応じて変化させることで当該ビットの値を埋め込むことを特徴とする実施態様6に記載の画像処理装置。
【0121】
[実施態様8] 前記埋め込み手段は、前記電子透かしのビット列の両端に同期用ビットを付加したビット列を複数個つなげたビット列を前記埋め込みビット列として用いることを特徴とする実施態様6に記載の画像処理装置。
【0122】
[実施態様9] 前記埋め込み手段は、前記電子透かし情報のビット列に同期用ビットと、前記電子透かし情報のビット列のビット長を表すデータとを付加したビット列を複数個つなげたビット列を前記埋め込みビット列として用いることを特徴とする実施態様6に記載の画像処理装置。
【0123】
[実施態様10] 各行に文字列が配置された文章画像において、電子透かし情報を複数個繋げた埋め込みビット列を各行の文字列の数に応じたビット数分だけ埋め込むことで得られる埋め込み済み文章画像から、各行に埋め込まれたビット列を抽出する抽出工程と、
前記抽出工程で各行から抽出した夫々のビット列において同一ビット位置に位置するビット群の夫々の値を参照して、前記埋め込みビット列の当該位置のビットの値を決定する決定工程と、
前記決定工程で複数ビット位置において決定したビットの値の集合に含まれる、前記電子透かし情報を構成するビット列の夫々のビットの値を決定し、出力する出力工程と
を備えることを特徴とする画像処理方法。
【0124】
[実施態様11] 各行に文字列が配置された文章画像において、電子透かし情報を複数個繋げた埋め込みビット列を各行の文字列の数に応じたビット数分だけ埋め込む埋め込み工程を備えることを特徴とする画像処理方法。
【0125】
[実施態様12] コンピュータを実施態様1乃至9の何れか1項に記載の画像処理装置として機能させることを特徴とするプログラム。
【0126】
[実施態様13] コンピュータに実施態様10又は11に記載の画像処理方法を実行させることを特徴とするプログラム。
【0127】
[実施態様14] 実施態様12又は13に記載のプログラムを格納することを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【0128】
【発明の効果】
以上の説明により、本発明によって、電子透かし情報が埋め込まれた文章画像中の文字や行の位置情報がノイズや歪等によって不確定であっても、この文章画像から忠実に電子透かし情報を抽出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る電子透かし情報の埋め込み処理を行う装置、もしくは本発明の第1の実施形態に係る電子透かし情報の埋め込み処理をこの装置に実行させるためのプログラムの機能構成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る文章画像に対する電子透かし情報の埋め込み処理のフローチャートである。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る電子透かし情報の抽出処理を行う装置、もしくは本実施形態に係る電子透かし情報の抽出処理をこの装置に実行させるためのプログラムの機能構成を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る電子透かし情報埋め込み済み文章画像からの電子透かし抽出処理のフローチャートである。
【図5】埋め込み前の外接矩形群の一部の配置を例示する図である。
【図6】埋め込み後の外接矩形群の一部を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る埋め込みビット列の構成を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る文章画像に対する電子透かし情報の埋め込み処理のフローチャートである。
【図9】本発明の第2の実施形態に係る電子透かし情報埋め込み済み文章画像からの電子透かし抽出処理のフローチャートである。
【図10】本発明の第2の実施形態に係る埋め込み対象のビット列を示す図である。
【図11】本発明の第3の実施形態に係る文章画像に対する電子透かし情報の埋め込み処理のフローチャートである。
【図12】本発明の第3の実施形態に係る電子透かし情報埋め込み済み文章画像からの電子透かし抽出処理のフローチャートである。
【図13】本発明の第3の実施形態に係る埋め込みビット列の構成を示す図である。
【図14】本発明の実施形態に係る埋め込み処理、抽出処理を実行するコンピュータの基本構成を示す図である。
【図15】本発明の第1の実施形態に係る誤り補正処理を説明するための図である。
【図16】ある文書の一部からテキスト領域を抽出し、更に外接矩形を求めた結果の一例を示す図である。
【図17】埋め込み規則1を用いてビット列の埋め込みを行う場合、各行に埋め込み可能なビット数を示す図である。
【図18】電子透かし情報が3ビットの場合、5ビットの場合の夫々について、各ビットが図16に示した文章画像で何回埋め込むことができるかを示す図である。
【図19】(a)は電子透かしの埋め込みを行う場合に求めた各文字の外接矩形の一例を表す図で、(b)は電子透かしの抽出を行う場合に求めた各文字の外接矩形の一例を表す図である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、文書の著作権を保護するための技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
画像やサウンドなどのディジタルデータをインターネット上で流通させる際の著作権保護に、電子透かし技術が注目されている。電子透かし技術とは、画像やサウンドなどのディジタルデータを操作して、人間が知覚できないように情報を埋め込む技術である。多値画像に対する電子透かし技術としては、画素の濃度の冗長性を利用する種々の方法が知られている。
【0003】
一方、文書画像(文字部、背景部が夫々に値で表現された画像)のような二値画像は冗長度が少なく、電子透かし技術を実現するのが難しいとされる。しかしながら、文書画像特有の特徴を利用した方式が幾つか知られている(例えば、特許文献1〜4,非特許文献1を参照)。
【0004】
【特許文献1】
特許3136061
【特許文献2】
USP6086706
【特許文献3】
特開平9−186603号公報
【特許文献4】
特開平11−234502号公報
【非特許文献1】
King Mongkut大学による“Electronic document data hiding technique using inter−character space”, The 1998 IEEE Asia−Pacific Conf. On Circuits and Systems,1998,pp.419−422.
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来より、自然画像を対象とした電子透かし技術に関しては、誤り等に対する耐性を高めるために、同じデータを、同一の画像の様々な個所に埋め込む方法等が一般的に用いられてきた。
【0006】
しかし、文章画像に従来の電子透かし技術を適用する場合、文字や行の位置を動かすことによって、電子透かし情報を埋め込むので、埋め込まれた電子透かし情報を抽出する場合、文書画像解析技術によって得られる文字や行の位置情報が、ノイズや歪等によって不確定であり、その不確定さの特徴は自然画像の場合と異なる。
【0007】
例えば、文字や行の位置を動かすことによって電子透かしを埋め込む電子透かし技術に関しては上述したUSP6086706等が知られているが、これらはいずれも2つの空白長の大小関係によってビットの0、1を表現するものである。
【0008】
しかしこのような技術では以下のような問題がある。図19(a)は電子透かしの埋め込みを行う場合に求めた各文字の外接矩形の一例を表す図で、図19(b)は電子透かしの抽出を行う場合に求めた各文字の外接矩形の一例を表す図である。
【0009】
図19(a)、(b)に見られるように、埋め込み時(図19(a))と抽出時(図19(b))で1行当たりの外接矩形の数がノイズ等によって変わってしまうことがある。このように、電子透かし情報の埋め込み時、抽出時の夫々で求めた外接矩形の数等が変わってしまうと、抽出されるビットと空白長の対応関係が本来意図したものとは異なったり、抽出されるビットの数が変わったりして、電子透かしの抽出に誤りが生じてしまう。更に、複数行にわたって電子透かし情報を埋め込んでいる場合には、複数行にわたって電子透かしの抽出の誤りが生じてしまう。
【0010】
本発明は以上の問題に鑑みてなされたものであり、電子透かし情報が埋め込まれた文章画像中の文字や行の位置情報がノイズや歪等によって不確定であっても、この文章画像から忠実に電子透かし情報を抽出する技術を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的を達成するために、例えば本発明の画像処理方法は以下の構成を備える。
【0012】
すなわち、各行に文字列が配置された文章画像において、電子透かし情報を複数個繋げた埋め込みビット列を各行の文字列の数に応じたビット数分だけ埋め込むことで得られる埋め込み済み文章画像から、各行に埋め込まれたビット列を抽出する抽出工程と、
前記抽出工程で各行から抽出した夫々のビット列において同一ビット位置に位置するビット群の夫々の値を参照して、前記埋め込みビット列の当該位置のビットの値を決定する決定工程と、
前記決定工程で複数ビット位置において決定したビットの値の集合に含まれる、前記電子透かし情報を構成するビット列の夫々のビットの値を決定し、出力する出力工程と
を備えることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下添付図面を参照して、本発明を好適な実施形態に従って詳細に説明する。
【0014】
[第1の実施形態]
本実施形態は、同じ電子透かし情報を複数個繋げたビット列を文章画像中の各行の文字列に埋め込む埋め込み技術、そしてこの埋め込み技術により電子透かし情報が埋め込まれた文章画像から、埋め込まれた電子透かし情報を忠実に抽出する抽出技術に関するものである。
【0015】
図14は、上記埋め込み処理、抽出処理を実行するコンピュータの基本構成を示す図である。なお、電子透かし情報の埋め込み、抽出の夫々を行うコンピュータは同じ装置であっても良いし、別個のコンピュータであっても良い。
【0016】
コンピュータ1401は、一般に普及しているパーソナルコンピュータであり、スキャナ等の画像入力装置1417によって読み取られた画像をI/F(インターフェース)1415を介して入力し、編集や保管を行うことが可能である。
【0017】
また、画像入力装置1417で得られた画像をプリンタ1416から印刷させることができる。尚、ユーザからの各種指示等は、マウス1413、キーボード1414からの入力操作により行われる。
【0018】
コンピュータ1401の内部では、バス1407により後述する各ブロックが接続され、種々のデータの受け渡しが可能である。図14において、MPU1402は、コンピュータ1401内部の各ブロックの動作を制御し、あるいは主記憶装置1403にロードされたプログラムを実行することができる。主記憶装置1403は、MPU1402において行われる処理のために、一時的にプログラムや処理対象の画像データを格納しておく装置である。ハードディスクドライブ(HDD)1404は、主記憶装置1403にロードされるプログラムや画像データをあらかじめ格納したり、処理後の画像データを保存することのできる装置である。
【0019】
I/F1415はスキャナインタフェースとして機能し、原稿やフィルム等を読み取って、画像データを生成するスキャナ1417と接続され、スキャナ1417で得られた画像データはI/F1415を介してコンピュータ1401に入力される。
【0020】
I/F1408はプリンタインタフェースとして機能し、画像データを印刷するプリンタ1416と接続され、印刷する画像データはI/F1408を介してコンピュータ1401からプリンタ1416に送信される。
【0021】
CD−ROMドライブ1409は、外部記憶媒体の一つであるCD(CD−R/CD−RW)に記憶されたデータを読み込んだり、あるいは書き出すことができる装置である。FDD1411は、CD−ROMドライブ1409と同様にFDDからの読み込みや、FDDへの書き出しをすることができる装置である。DVD−ROMドライブ1410は、CD−ROMドライブ1409,FDD1411と同様に、DVDからの読み込みや、DVDへの書き出しをすることができる装置である。尚、CD、FDD、DVD等に画像編集用のプログラム、あるいはプリンタドライバが記憶されている場合には、これらプログラムをHDD1404上にインストールし、必要に応じて主記憶装置1403に転送されるようになっている。
【0022】
I/F1412は、マウス1413やキーボード1414からの入力指示を受け付けるために、これらと接続されるI/Fである。また、モニタ1406はCDTや液晶画面などにより構成されており、透かし情報の抽出処理結果や処理過程を表示することのできる表示装置である。さらに、ビデオコントローラ1405は、表示データをモニタ1406に送信し、表示制御を行う装置である。
【0023】
尚、本発明は、複数の機器(例えば、ホストコンピュータ、インタフェース機器、リーダ、プリンタ等)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、複写機、ファクシミリ装置等)に適用してもよい。
【0024】
<埋め込み技術>
図1を用いて、本実施形態に係る電子透かし情報の埋め込み処理について説明する。図1は、本実施形態に係る電子透かし情報の埋め込み処理を行う装置、もしくは本実施形態に係る電子透かし情報の埋め込み処理をこの装置に実行させるためのプログラムの機能構成を示す図である。同図に示した各部はハードウェアにより構成し、電子透かしの埋め込み装置として実現させても良いし、各部の機能をコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現させても良い。
【0025】
なお後者の場合、このプログラムをCD−ROMやDVD−ROMなどの記憶媒体からCD−ROMドライブ1409,DVD−ROMドライブ1410などのドライブ装置によって主記憶装置1403にロード、もしくはHDD1404から主記憶装置1403にロードし、MPU1402がこのプログラムを実行することで、このコンピュータ1401は図1に示した機能構成、すなわち本実施形態に係る電子透かし情報の埋め込みを実現する。
【0026】
同図に示した各部によって行われる、文章画像に対する電子透かし情報の埋め込み処理について、同処理のフローチャートを示す図2を参照して説明する。なお、同図に示したフローチャートに従ったプログラムは主記憶装置1403にロードされ、MPU1402がこのプログラムを実行することで、コンピュータ1401は、本実施形態に係る電子透かし情報の埋め込み処理を行うことができる。
【0027】
先ず、文書画像入力部101は入力された文書画像に対して、周知の技術(例えば特開平6−68301号公報に開示されている技術)を用いて、テキスト領域(文章画像中の文章が配置された領域)の抽出を行う(ステップS201)。
【0028】
ここで、文書画像入力部101に入力される文書画像は電子透かし情報の埋め込み対象となるものであり、印刷物を画像入力装置1417などから入力し、それをビットマップ化したものでも良いし、一般の文書エディタを利用して作成された電子データ、またはHDD1404やCD−ROMドライブ1409、DVD−ROMドライブ1410,FDD1411から主記憶装置1403にロードされる種々の電子データを画像処理ソフトなどによって変換し、ビットマップ化したものでも良い。また、この文章画像の形態は上記に限定されるものではない。
【0029】
次に、電子透かし情報が電子透かし情報入力部103に入力される(ステップS202)。電子透かし情報は電子透かしとして埋め込もうとする情報であって、複数のビットからなるビット列である。電子透かし情報の入力はユーザがキーボード1414やマウス1413を用いて手動で入力しても良いし、HDD1404やCD−ROMドライブ1409、DVD−ROMドライブ1410,FDD1411から主記憶装置1403にロードしても良い。
【0030】
また、電子透かし情報入力部103は電子透かし情報のビット長を求め、主記憶装置1403に保持する(ステップS206)。これは、行によっては電子透かし情報を繰り返し埋め込めるものもあるので、抽出したビット列中で先頭からどこまでが電子透かし情報であるのかを把握するためのものである。
【0031】
そして、文章画像において文章画像入力部101によって抽出されたテキスト領域から、各文字の外接矩形(文字外接矩形)を文字外接矩形抽出部102によって求める(ステップS203)。外接矩形とは、文字に外接する矩形であり、文字認識技術においては、実際に文字認識を行う領域を指す情報となる。
【0032】
各文字の外接矩形は例えば以下のようにして求めることができる。先ず、抽出されたテキスト領域内において、各画素値を垂直座標軸に対して射影し、空白部分(黒色である文字のない部分)を探索して行を判別し、行分割を行う。その後、行毎に水平座標軸方向に対して射影を取り、空白部分を探索して文字単位に分割する。以上の操作により、各文字の外接矩形を求めることができる。
【0033】
図16は、ある文書の一部からテキスト領域を抽出し、更に外接矩形を求めた結果の一例を示す図である。図16のような場合には、行によっては文字数が少なく、入力された電子透かし情報を埋め込むのに十分でない場合も考えられる。その場合、行毎に埋め込めるビットが不均一になってしまうものの、上位ビットから可能な数だけビットを埋め込むとする。
【0034】
また、行によっては文字数が多く、電子透かし情報を繰り返し埋め込めるものもあるので、その場合には上位ビットから順に電子透かし情報の全てのビットを埋め込み、最下位ビットを埋め込んだらまた最上位ビットから下位ビットに向かって順に埋め込む。
【0035】
即ち本実施形態において実際に埋め込むべき情報は、電子透かし情報を複数個繋げたビット列であって、このビット列を上位ビットから各行の文字列の数に応じたビット数分だけ埋め込む。以下、このビット列を「埋め込みビット列」と呼称する。図7は埋め込みビット列の構成を示す図である。上述の通り埋め込みビット列は、電子透かし情報のビット列を複数個つなげたものであって、つなげる個数は特に限定されるものではなく、例えば埋め込みビット列のビット長が各行で最大埋め込めるビット数以上となるようにする。
【0036】
埋め込む規則としては様々なものが考えられるが、ここでは例として3つの埋め込み規則について説明する。しかし本実施形態は、この3つの埋め込み規則に限定されるものではない、
・ 埋め込み規則1
埋め込み前の外接矩形群の一部を図5に示すような配置とする。同図において、501乃至504が外接矩形である。また夫々の外接矩形間の距離(空白長)はP0,S0,P1,S1である。この埋め込み規則1では、2つの空白長Pk、Sk(0<k<n、nは埋め込み可能なビット数)を、埋め込みビット列の各ビットbkの値が0か1かに応じて変化させることで、埋め込みビット列、すなわち複数、もしくは一部の電子透かし情報を埋め込むものとする。
【0037】
埋め込みビット列のビットbkの値が0の場合、2つの空白長Pk、Skを以下の式に従ってPk’、Sk’に変化させる。
【0038】
Pk’=(1−ρ)(Pk+Sk)/2
Sk’=(1+ρ)(Pk+Sk)/2
一方、埋め込みビット列のビットbkの値が1の場合、2つの空白長Pk、Skを以下の式に従ってPk’、Sk’に変化させる。
【0039】
Pk’=(1+ρ)(Pk+Sk)/2
Sk’=(1−ρ)(Pk+Sk)/2
図6は、埋め込み後の外接矩形群の一部を示す図である。
【0040】
このようにして、k=n−1となるまで、埋め込みビット列の上位nビットを1行内に埋め込む。また埋め込み規則1では、2つの空白長を用いて1ビットの情報を埋め込むので、図16に例示するような文章画像に対しては、各行に埋め込み可能なビット数は図17に示すとおりとなる。
【0041】
図18は、電子透かし情報が3ビットの場合、5ビットの場合の夫々について、各ビットが図16に示した文章画像で何回埋め込むことができるかを示す図である。例えば電子透かし情報が3ビットである場合、1ビット目(先頭)は全ての行、即ち5行全てに埋め込むことができる(すなわち、繰り返し回数=5)。しかし2ビット目については5行目には埋め込むことはできない(5行目は1ビットしか埋め込むことができない)、即ち4行分に埋め込むことができるので、繰り返し回数=4となる。同様の理由で3ビット目も繰り返し回数=4となる。これは電子透かし情報が5ビットである場合でも同様である。
【0042】
なお、夫々の空白長を変化させるためには様々な方法があり、例えば、外接矩形を移動させて空白長を変化させても良いし、外接矩形のサイズを変化させて空白長を変化させても良い。なお、外接矩形の位置やサイズの変化に応じて、外接矩形内の文字もそれに伴って変化するものとする。すなわち、外接矩形の位置が変化すれば、その外接矩形内の文字の位置もそれに伴って変化する。また、外接矩形のサイズが変化すれば、その外接矩形内の文字のサイズもそれに伴って変化する。
【0043】
・ 埋め込み規則2
この埋め込み規則2では、埋め込みビット列の各ビット値が0か1かに応じて、外接矩形を右回り、左回りの何れかに微少に回転させる。例えば図5に示した外接矩形501を用いて埋め込みビット列のビットbkの値を埋め込む場合、ビットbkの値が0の場合には外接矩形501を左回りに微少角度だけ回転させ、ビットbkの値が1の場合には外接矩形501を右回りに微少角度だけ回転させる。
【0044】
次に、ビットbk+1の値が0の場合には外接矩形502を左回りに微少角度だけ回転させ、ビットbk+1の値が1の場合には外接矩形502を右回りに微少角度だけ回転させる。このように、埋め込み規則2の場合には、1つの外接矩形を用いて1ビットの情報を埋め込む。なお、外接矩形の回転に応じて、外接矩形内の文字もそれに伴って回転するものとする。
【0045】
そしてこのようにして、1行を構成する各外接矩形に対して埋め込みビット列の各ビットの値を埋め込む。なお、埋め込むビット値と回転方向は夫々、上述の説明と逆でも良い。
【0046】
・ 埋め込み規則3
この埋め込み規則3では、埋め込む埋め込みビット列の各ビット値が0か1かに応じて、各外接矩形内の文字のフォントに何らかの変化を加える。例えば、文字の太さ等を変化することが挙げられ、埋め込みビット列の注目ビット値が1の場合には文字の太さを元の太さよりも太くし、0の場合には文字の太さを元の太さよりも細くする。このようにして、埋め込みビット列の各ビット値を埋め込む。
【0047】
図2に戻って電子透かし埋め込み部105は、こうした操作を終えた後の画像を電子透かし埋め込み画像として出力する(ステップS205)。
【0048】
以上説明した本実施形態に係る電子透かし情報の埋め込み処理(埋め込みビット列の埋め込み処理)は、電子透かし埋め込み済み文章画像中の1行に対してノイズが付加されても、その他の行には何ら影響が及ばないので、ノイズに対して強い埋め込み方法となる。
【0049】
<抽出技術>
以上説明した処理により、文章画像に対して埋め込みビット列(行によっては電子透かし情報のうちの部分ビット列)を埋め込むことができる。しかし、この電子透かし情報埋め込み済み文章画像に様々な要因でノイズが付加された場合、従来の技術では埋め込んだ電子透かし情報を忠実に抽出することができない。
【0050】
そこで本実施形態に係る抽出技術は、各行に埋め込んだビット列(各行毎に埋め込んだビット数は異なるが)を抽出し、上記ノイズによってはいくつかの行に対してノイズが付加され、埋め込んだ情報が変化している場合があるので、更に各行毎に抽出したビット列を用いて、電子透かし情報を復元する。以下では、各行に埋め込まれたビット列を抽出し、抽出したビット列を用いて電子透かし情報を復元するまでの一連の処理を単に「電子透かし抽出処理」と呼称する場合がある。以下、本実施形態に係る抽出処理について説明する。
【0051】
図3を用いて、本実施形態に係る電子透かし情報の抽出について説明する。図3は、本実施形態に係る電子透かし情報の抽出処理を行う装置、もしくは本実施形態に係る電子透かし情報の抽出処理をこの装置に実行させるためのプログラムの機能構成を示す図である。同図に示した各部はハードウェアにより構成し、電子透かしの抽出装置として実現させても良いし、各部の機能をコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現させても良い。
【0052】
なお後者の場合、このプログラムをCD−ROMやDVD−ROMなどの記憶媒体からCD−ROMドライブ1409,DVD−ROMドライブ1410などのドライブ装置によって主記憶装置1403にロード、もしくはHDD1404から主記憶装置1403にロードし、MPU1402がこのプログラムを実行することで、このコンピュータ1401は図3に示した機能構成、すなわち本実施形態に係る電子透かし情報の抽出を実現する。
【0053】
なお、上述の通り、電子透かし情報の埋め込み処理を行う装置と抽出を行う装置とは同一装置内で実現させても良いし、別個の装置で実現させても良い。本実施形態では同一装置内で実現させるが、夫々別個の装置で実現させる場合には、埋め込みを行った装置で生成された電子透かし情報埋め込み済み文章画像と電子透かし情報のビット長を表すデータを、電子透かし情報の抽出を行う装置に対して入力する必要がある。
【0054】
入力の形態は例えばCD−ROMやDVD−ROMなどの記録媒体を用いて抽出装置に入力しても良いし、インターネットなどのネットワークを介して入力しても良い。
【0055】
図3に示した各部によって行われる、電子透かし情報埋め込み済み文章画像からの電子透かし抽出処理について、同処理のフローチャートを示す図4を参照して説明する。なお、同図に示したフローチャートに従ったプログラムは主記憶装置1403にロードされ、MPU1402がこのプログラムを実行することで、コンピュータ1401は、本実施形態に係る電子透かし情報の抽出処理を行うことができる。
【0056】
先ず、文書画像入力部301は文章画像入力部101が行った処理と同様にして、入力された電子透かし情報埋め込み済み文章画像に対して、テキスト領域(電子透かし情報埋め込み済み文章画像中の文章が配置された領域)の抽出を行う(ステップS401)。このときステップS206で保持されている電子透かし情報のビット長を表すデータも受け取る。
【0057】
次に文字外接矩形抽出部302は電子透かし情報埋め込み済み文章画像において文章画像入力部101によって抽出されたテキスト領域から、文字外接矩形抽出部102と同様にして、各文字の外接矩形(文字外接矩形)を求める(ステップS402)。
【0058】
そして次に、ビット列抽出部303は、各行毎に埋め込まれたビット列を抽出する(ステップS403)。抽出方法は当然、電子透かし情報の埋め込み規則に従った方法で行う。
【0059】
例えば埋め込み装置側で上記埋め込み規則1に従ってビット列を埋め込んだ場合、抽出装置側では夫々隣接する2つの空白長Pk、Sk(0≦k<nで、nは埋め込まれたビット数)を比較し、Pk>Skである場合には、この2つの空白長を用いて埋め込んだビットbkの値は1、Pk<Skである場合には、この2つの空白長を用いて埋め込んだビットbkの値は0であると判断できる。このようにして、k=n−1となるまで、埋め込んだビットbkの列を抽出する。
【0060】
また、埋め込み装置側で上記埋め込み規則2に従ってビット列を埋め込んだ場合、抽出装置側では夫々の外接矩形が右、左の何れに回転しているのかを判断し、右に回転している場合には、この外接矩形に埋め込んだビットbkの値は1、左に回転している場合には、この外接矩形に埋め込んだビットbkの値は0であると判断できる。また、その対応関係が逆であっても構わないが、埋め込み規則2と同じ対応関係を持つ必要がある。このようにして、k=n−1となるまで、埋め込んだビットbkの列を抽出する。
【0061】
また、埋め込み装置側で上記埋め込み規則3に従ってビット列を埋め込んだ場合、抽出装置側では外接矩形内の文字のフォントがどのようになっているのかを判断する。即ち例えば、埋め込み装置側で埋め込むビットが1の場合には文字の太さを元よりも太くし、埋め込むビットが0の場合には文字の太さを元よりも細くした場合、抽出装置側では、各外接矩形内の文字の太さを参照し、元の太さ(この場合、予め抽出装置側でもとの太さを知っておく必要がある)よりも太いか細いかに応じて、埋め込んだビットを抽出する。なお、フォントに対する変化がどのような場合でも、ビット値の0,1の対応関係が、埋め込み規則3と対応する必要がある。
【0062】
以上の処理を各行に対して行うことで、各行に埋め込まれたビット列を抽出することができる。
【0063】
次に誤り補正部304は、各行毎に抽出した夫々のビット列において、同一ビット位置のビット値を参照し、外接矩形の抽出結果が埋め込み時と抽出時で同様でないことによる誤りの補正処理を行う(ステップS404)。
【0064】
本実施形態に係る電子透かし情報埋め込み済み文章画像は、ノイズなどの外乱が付加されなければ、各行から抽出されたビット列において同じビット位置のビット値は全て同じとなる。
【0065】
しかし、電子透かし情報埋め込み済み文章画像中の1つ以上の行にノイズなどが付加された場合には、この行のみが他の行とは異なるビット列構成となり、当然他の行から抽出されたビット列と比較しても、同じビット位置のビット値は同じにはならない。
【0066】
よって、本実施形態では、各行から抽出された夫々のビット列において先頭からk(0≦k<m、mは電子透かし情報のビット長より大きければ良く、例えば夫々のビット列のうち、最も長いビット列の長さ)番目のビット値が、1,0のどちらが多いかを判断し、多い方の値を、「埋め込みビット列のk番目のビット位置に埋め込んだと推定されるビット値」として主記憶装置1403に記録する。そしてこの処理を、すべてのkに対して行う。
【0067】
この処理を「誤りの補正処理」と呼称し、このようにして順次主記憶装置1403に記録されるビットからなるビット列を補正ビット列と呼称する。
【0068】
図15は本実施形態に係る誤り補正処理を説明するための図で、各行毎に抽出したビット列を用いて補正ビット列を復元する一連の処理を示している。
【0069】
まず、各行から抽出した夫々のビット列の先頭ビット位置を合わせ、各ビット列において同じビット位置のビット値を参照する。例えば文章画像において1行目からN行目までの各行から抽出した各ビット列1502乃至1504のうち、先頭のビット位置1501におけるビット値を参照する。
【0070】
そして多数決により、各ビット列のビット位置1501のビット値が、1,0のどちらが多いかを判断する。そして多い方のビット値(同図では0)が、「埋め込みビット列のビット位置1501に埋め込んだと推定されるビット値」として主記憶装置1403に記録する。
【0071】
以上の処理を2ビット目以降についても行っていくが、各行に埋め込んだビット列の長さは夫々異なっている場合があり、「各ビット列において同じビット位置のビット値を参照する」処理において参照される位置にビットが存在しない場合がある。この場合にはその行は処理対象外とし、そのビット位置にビット値が存在する行のみを対象とする。
【0072】
そして電子透かし抽出部305は、上記ステップS206で主記憶装置1403に記憶された「電子透かし情報のビット長を表すデータ」を参照し、以上の処理により主記憶装置1403に記録されたビット列1505(補正ビット列)の先頭(先頭でなくとも良いが、その場合、補正ビット列における電子透かし情報の先頭位置を把握する必要がある)から、電子透かし情報のビット長だけを「電子透かし情報」として決定し、出力する(ステップS405)。
【0073】
以上に示す埋め込み方法と抽出方法によって、外接矩形の抽出時の不確定さによる透かし情報ビットと空白長の対応関係のずれがある程度生じても、埋め込んだ情報が抽出可能な文書用電子透かし技術を実現できる。
【0074】
行毎に埋め込むことの利点は、抽出される外接矩形の数や、埋め込みビット列との対応関係が、ノイズ等の影響によって埋め込み時と抽出時で異なったとしても、影響が次の行以降に及ばないことである。この行毎埋め込みによって、シーケンシャルに複数の行にまたがってデータを埋め込んだ際の問題(抽出の際、ある行での外接矩形の抽出結果が、埋め込み時の外接矩形抽出結果と異なった場合に、エラーの影響が続いてしまう問題)を回避できる。電子透かし情報として行毎に埋め込めるビットが不均一になってしまうものの、外接矩形抽出結果の誤りが次の行以降に埋め込まれるデータに影響を与えることがない。
【0075】
なお、本実施形態ではステップS404における「誤りの補正処理」を多数決によって行っていたが、これに限定されるものではない。
【0076】
また、本実施形態では電子透かし情報の埋め込み、抽出処理は各行を対象にしていた。ここで「行」とは本実施形態では文章画像において横方向を「行」と定義していたが、縦の方向を「行」と定義しても良い。
【0077】
[第2の実施形態]
第1の実施形態では、埋め込む行の文字数によっては、電子透かし情報を繰り返し埋め込んでいた。本実施形態では、電子透かし情報間に「同期用ビット」と呼ばれる、「電子透かし情報間を示す区切りを表すビット」を埋め込む。このようにすることで、抽出側で、同期用ビットから同期用ビット間での間に位置するビット列が「電子透かし情報のビット長」と一致するもののみを上記「誤りの補正処理」の対象とすることができ、電子透かし抽出処理をより正確に行うことができる。
【0078】
以下、本実施形態に係る電子透かし埋め込み処理、電子透かし抽出処理について説明する。なお、本実施形態でも夫々の装置の基本構成には図14に示す基本構成を備えるコンピュータ1401を適用することができる。
【0079】
<埋め込み技術>
本実施形態に係る電子透かし情報の埋め込み処理を行う装置、もしくは本実施形態に係る電子透かし情報の埋め込み処理をこの装置に実行させるためのプログラムの機能構成は図1に示したものと同じである。
【0080】
同図に示した各部によって行われる、文章画像に対する電子透かし情報の埋め込み処理について、同処理のフローチャートを示す図8を参照して説明する。なお、同図に示したフローチャートに従ったプログラムは主記憶装置1403にロードされ、MPU1402がこのプログラムを実行することで、コンピュータ1401は、本実施形態に係る電子透かし情報の埋め込み処理を行うことができる。
【0081】
なおステップS801乃至S803、及びステップS808の各ステップにおける処理は、夫々ステップS201S203,S202,S206と同じであるので、説明を省略する。即ち、本実施形態が第1の実施形態と異なる部分は、電子透かし情報を連続して埋め込むのではなく、電子透かし情報の両端に同期用ビットが位置する点が異なる。よってそれ以外の処理については第1の実施形態と同じであるので、この異なる点についてのみ説明する。
【0082】
電子透かし埋め込み部105は、電子透かし情報入力部103に入力された電子透かし情報の両端に同期用ビット列を付加する(ステップS804)。そして同期用ビットを付加した電子透かし情報を第1の実施形態に係る電子透かし情報と読み替えて、第1の実施形態と同様にして、各行に対して埋め込む。図10は、本実施形態に係る埋め込み対象のビット列を示す図である。同図において、1003が本実施形態に係る埋め込みビット列で、電子透かし情報のビット列の両端に同期用ビットが位置しており、それらが複数個繋がったものが埋め込みビット列1003である。
【0083】
<抽出技術>
本実施形態に係る電子透かし情報の抽出処理を行う装置、もしくは本実施形態に係る電子透かし情報の抽出処理をこの装置に実行させるためのプログラムの機能構成は図3に示したものと同じである。
【0084】
なお、上述の通り、電子透かし情報の埋め込み処理を行う装置と抽出を行う装置とは同一装置内で実現させても良いし、別個の装置で実現させても良い。本実施形態では同一装置内で実現させるが、夫々別個の装置で実現させる場合には、埋め込みを行った装置で生成された電子透かし情報埋め込み済み文章画像と電子透かし情報のビット長を表すデータを、電子透かし情報の抽出を行う装置に対して入力する必要がある。
【0085】
入力の形態は例えばCD−ROMやDVD−ROMなどの記録媒体を用いて抽出装置に入力しても良いし、インターネットなどのネットワークを介して入力しても良い。
【0086】
図3に示した各部によって行われる、電子透かし情報埋め込み済み文章画像からの電子透かし抽出処理について、同処理のフローチャートを示す図9を参照して説明する。なお、同図に示したフローチャートに従ったプログラムは主記憶装置1403にロードされ、MPU1402がこのプログラムを実行することで、コンピュータ1401は、本実施形態に係る電子透かし情報の抽出処理を行うことができる。
【0087】
なお、ステップS901乃至S903の各ステップにおける処理は夫々、ステップS401乃至ステップS403の各ステップにおける処理と同じであるので、説明を省略する。
【0088】
以上の処理により各行から抽出されたビット列には上述の通り、同期用ビットと仮電子透かし情報(ノイズにより影響が無く、元の電子透かし情報と一致する場合もあるが、ノイズなどによりビットが欠損、もしくはビット値が誤っている可能性があるので、このように呼称する)とが交互に含まれている。誤り補正部304は、各行から抽出したビット列において同期用ビットを検出し(ステップS904)、隣接する同期用ビット間に位置するビット列のビット長が、埋め込み側で求めた「電子透かし情報のビット長」に一致するか否かをチェックする。
【0089】
一致しない場合には、この同期用ビット間に位置するビット列は電子透かし情報ではなく、いくつかのビットが欠損した電子透かし情報であるので、上記誤りの補正処理の対象には用いない。一方、一致する場合、この同期用ビット間に位置するビット列は電子透かし情報である可能性が高い(ビット長が一致しても、いずれかのビットの値が異なっている場合がある)ので、上記誤りの補正処理の対象に用いる。すなわち、誤り補正処理の対象とするビット列のみを多数決処理の対象とし、補正ビット列を生成し、最終的には上記実施形態と同様にして電子透かし情報を抽出する(ステップS905)。当然誤り補正処理は多数決処理に限定されるものではない。
【0090】
このように、同期用ビットを用いることで、上記誤りの補正処理に用いるビット列を電子透かし情報のみとすることができるので、より精度良く電子透かし情報を得ることができる。
【0091】
[第3の実施形態]
第2の実施形態に係る埋め込みビット列は、電子透かし情報のビット列の両端に同期用ビットを配置したビット列を複数個つなげたものであった。本実施形態に係る埋め込みビット列は、電子透かしのビット列に同期用ビットと電子透かし情報のビット長を表すデータを付加したビット列を複数個つなげたものである。このような埋め込みビット列を用いた埋め込み処理、抽出処理について以下説明する。
【0092】
<埋め込み技術>
本実施形態に係る電子透かし情報の埋め込み処理を行う装置、もしくは本実施形態に係る電子透かし情報の埋め込み処理をこの装置に実行させるためのプログラムの機能構成は図1に示したものと同じである。
【0093】
同図に示した各部によって行われる、文章画像に対する電子透かし情報の埋め込み処理について、同処理のフローチャートを示す図11を参照して説明する。なお、同図に示したフローチャートに従ったプログラムは主記憶装置1403にロードされ、MPU1402がこのプログラムを実行することで、コンピュータ1401は、本実施形態に係る電子透かし情報の埋め込み処理を行うことができる。
【0094】
先ず、文書画像入力部101は入力された文書画像に対して、ステップS201と同様にしてテキスト領域(文章画像中の文章が配置された領域)の抽出を行う(ステップS1101)。
【0095】
次に、文章画像において文章画像入力部101によって抽出されたテキスト領域から、各文字の外接矩形(文字外接矩形)を文字外接矩形抽出部102によって求める(ステップS1102)。
【0096】
次に、電子透かし情報とそのビット長を表すデータが電子透かし情報入力部103に入力される(ステップS1103)。電子透かし情報とそのビット長を表すデータの入力はユーザがキーボード1414やマウス1413を用いて手動で入力しても良いし、HDD1404やCD−ROMドライブ1409、DVD−ROMドライブ1410,FDD1411から主記憶装置1403にロードしても良い。なお第1,2の実施形態と同様に、電子透かし情報入力部103には電子透かし情報のみを入力し、電子透かし情報のビット長は電子透かし情報入力部103によって求めても良い。
【0097】
次に電子透かし情報埋め込み部105は、電子透かし情報のビット列にこのビット列のビット長を表すデータと同期用ビットとを付加する(ステップS1104)。そして電子透かし情報のビット列にこのビット列のビット長を表すデータと同期用ビットとを付加したビット列を複数個つなげたビット列(埋め込みビット列)を生成する(ステップS1105)。
【0098】
図13は本実施形態に係る埋め込みビット列の構成を示す図である。同図において、1302はステップS1104で生成されたビット列で、電子透かし情報のビット列にこのビット列のビット長を表すデータと同期用ビットを付加したものである。1303はビット列1302を複数個つなげることで得られる、本実施形態に係る埋め込みビット列である。
【0099】
図11に戻って、電子透かし埋め込み部105は埋め込みビット列を上記実施形態と同様にして文章画像の各行に対して埋め込み可能なビット数分だけ埋め込む(ステップS1106)。そして電子透かし埋め込み部105は、こうした操作を終えた後の画像を電子透かし埋め込み画像として出力する(ステップS1107)。
【0100】
<抽出技術>
本実施形態に係る電子透かし情報の抽出処理を行う装置、もしくは本実施形態に係る電子透かし情報の抽出処理をこの装置に実行させるためのプログラムの機能構成は図3に示したものと同じである。
【0101】
なお、上述の通り、電子透かし情報の埋め込み処理を行う装置と抽出を行う装置とは同一装置内で実現させても良いし、別個の装置で実現させても良い。本実施形態では同一装置内で実現させるが、夫々別個の装置で実現させる場合には、埋め込みを行った装置で生成された電子透かし情報埋め込み済み文章画像を、電子透かし情報の抽出を行う装置に対して入力する必要がある。
【0102】
入力の形態は例えばCD−ROMやDVD−ROMなどの記録媒体を用いて抽出装置に入力しても良いし、インターネットなどのネットワークを介して入力しても良い。
【0103】
図3に示した各部によって行われる、電子透かし情報埋め込み済み文章画像からの電子透かし抽出処理について、同処理のフローチャートを示す図12を参照して説明する。なお、同図に示したフローチャートに従ったプログラムは主記憶装置1403にロードされ、MPU1402がこのプログラムを実行することで、コンピュータ1401は、本実施形態に係る電子透かし情報の抽出処理を行うことができる。
【0104】
なお、「電子透かしのビット列のビット長を表すデータ」のビット長は抽出装置側で予め分かっているものとする。
【0105】
なお、ステップS1201乃至S1204の各ステップにおける処理は夫々、ステップS901乃至ステップS904の各ステップにおける処理と同じであるので、説明を省略する。
【0106】
各行に埋め込まれたビット列を抽出すると、次に、誤り補正部304は、各行から抽出したビット列において同期用ビットを検出し(ステップS904)、同期用ビットに後続する「電子透かしのビット列のビット長を表すデータ」を参照し、「電子透かしのビット列のビット長を表すデータ」に後続するビット列のビット長が、「電子透かし情報のビット長」に一致するか否かをチェックする。
【0107】
一致しない場合には、チェック対象のビット列は電子透かし情報ではなく、いくつかのビットが欠損した電子透かし情報であるので、上記誤りの補正処理の対象には用いない。一方、一致する場合、このチェック対象のビット列は電子透かし情報である可能性が高い(ビット長が一致しても、いずれかのビットの値が異なっている場合がある)ので、チェック対象のビット列を候補とし(ステップS1205)、上記誤りの補正処理の対象に用いる。すなわち、誤り補正処理の対象とするビット列のみを多数決処理の対象とし、補正ビット列を生成し、最終的には上記実施形態と同様にして電子透かし情報を抽出する(ステップS1206)。当然誤り補正処理は多数決処理に限定されるものではない。
【0108】
以上の処理より、電子透かしのビット列のビット長は埋め込みビット列に埋め込まれているので、上記実施形態のように埋め込みビット列とは別個に電子透かしのビット列のビット長を表すデータを抽出側に入力する必要はなく、抽出側へのデータの入力を上記実施形態よりも簡単にすることができる。
【0109】
[その他の実施形態]
本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記録媒体(または記憶媒体)を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。この場合、記録媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記録した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0110】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0111】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0112】
本発明を上記記録媒体に適用する場合、その記録媒体には、先に説明したフローチャートに対応するプログラムコードが格納されることになる。
【0113】
以下に本発明の実施態様の例を示す。
【0114】
[実施態様1] 各行に文字列が配置された文章画像において、電子透かし情報を複数個繋げた埋め込みビット列を各行の文字列の数に応じたビット数分だけ埋め込むことで得られる埋め込み済み文章画像から、各行に埋め込まれたビット列を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段が各行から抽出した夫々のビット列において同一ビット位置に位置するビット群の夫々の値を参照して、前記埋め込みビット列の当該位置のビットの値を決定する決定手段と、
前記決定手段が複数ビット位置において決定したビットの値の集合に含まれる、前記電子透かし情報を構成するビット列の夫々のビットの値を決定し、出力する出力手段と
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【0115】
[実施態様2] 前記抽出手段は更に、前記文章画像中の各文字の外接矩形を求める外接矩形計算手段を備え、
各外接矩形間の間隔、もしくは回転方向を用いて各行もしくは各列の文字列に埋め込まれたビット列を抽出することを特徴とする実施態様1に記載の画像処理装置。
【0116】
[実施態様3] 前記決定手段は、前記抽出手段が抽出した夫々のビット列において同一ビット位置に位置するビットにより構成されるビット群の夫々の値を参照し、多数決により前記埋め込みビット列の前記ビット位置におけるビットの値を決定することを特徴とする実施態様1に記載の画像処理装置。
【0117】
[実施態様4] 前記抽出手段は更に、前記埋め込みビット列中に含まれる、前記電子透かし情報のビット列の両端に位置する同期用ビットを検出する検出手段を備え、
前記決定手段は、前記抽出手段が各行から抽出した夫々のビット列中の、前記同期用ビット間に位置するビット列のうち、前記電子透かし情報のビット長に一致するビット列において、前記夫々のビット位置の同一ビット位置に位置するビットにより構成されるビット群の夫々の値を参照して、前記埋め込みビット列の当該位置のビットの値を決定することを特徴とする実施態様1に記載の画像処理装置。
【0118】
[実施態様5] 前記電子透かし情報のビット列には更に、前記電子透かし情報のビット列のビット長を表すデータが付加されていることを特徴とする実施態様4に記載の画像処理装置。
【0119】
[実施態様6] 各行に文字列が配置された文章画像において、電子透かし情報を複数個繋げた埋め込みビット列を各行の文字列の数に応じたビット数分だけ埋め込む埋め込み手段を備えることを特徴とする画像処理装置。
【0120】
[実施態様7] 前記埋め込み手段は更に、前記文章画像中の各文字の外接矩形を求める外接矩形計算手段を備え、
各外接矩形間の間隔、もしくは回転方向を埋め込むビットの値に応じて変化させることで当該ビットの値を埋め込むことを特徴とする実施態様6に記載の画像処理装置。
【0121】
[実施態様8] 前記埋め込み手段は、前記電子透かしのビット列の両端に同期用ビットを付加したビット列を複数個つなげたビット列を前記埋め込みビット列として用いることを特徴とする実施態様6に記載の画像処理装置。
【0122】
[実施態様9] 前記埋め込み手段は、前記電子透かし情報のビット列に同期用ビットと、前記電子透かし情報のビット列のビット長を表すデータとを付加したビット列を複数個つなげたビット列を前記埋め込みビット列として用いることを特徴とする実施態様6に記載の画像処理装置。
【0123】
[実施態様10] 各行に文字列が配置された文章画像において、電子透かし情報を複数個繋げた埋め込みビット列を各行の文字列の数に応じたビット数分だけ埋め込むことで得られる埋め込み済み文章画像から、各行に埋め込まれたビット列を抽出する抽出工程と、
前記抽出工程で各行から抽出した夫々のビット列において同一ビット位置に位置するビット群の夫々の値を参照して、前記埋め込みビット列の当該位置のビットの値を決定する決定工程と、
前記決定工程で複数ビット位置において決定したビットの値の集合に含まれる、前記電子透かし情報を構成するビット列の夫々のビットの値を決定し、出力する出力工程と
を備えることを特徴とする画像処理方法。
【0124】
[実施態様11] 各行に文字列が配置された文章画像において、電子透かし情報を複数個繋げた埋め込みビット列を各行の文字列の数に応じたビット数分だけ埋め込む埋め込み工程を備えることを特徴とする画像処理方法。
【0125】
[実施態様12] コンピュータを実施態様1乃至9の何れか1項に記載の画像処理装置として機能させることを特徴とするプログラム。
【0126】
[実施態様13] コンピュータに実施態様10又は11に記載の画像処理方法を実行させることを特徴とするプログラム。
【0127】
[実施態様14] 実施態様12又は13に記載のプログラムを格納することを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【0128】
【発明の効果】
以上の説明により、本発明によって、電子透かし情報が埋め込まれた文章画像中の文字や行の位置情報がノイズや歪等によって不確定であっても、この文章画像から忠実に電子透かし情報を抽出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る電子透かし情報の埋め込み処理を行う装置、もしくは本発明の第1の実施形態に係る電子透かし情報の埋め込み処理をこの装置に実行させるためのプログラムの機能構成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る文章画像に対する電子透かし情報の埋め込み処理のフローチャートである。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る電子透かし情報の抽出処理を行う装置、もしくは本実施形態に係る電子透かし情報の抽出処理をこの装置に実行させるためのプログラムの機能構成を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る電子透かし情報埋め込み済み文章画像からの電子透かし抽出処理のフローチャートである。
【図5】埋め込み前の外接矩形群の一部の配置を例示する図である。
【図6】埋め込み後の外接矩形群の一部を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る埋め込みビット列の構成を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る文章画像に対する電子透かし情報の埋め込み処理のフローチャートである。
【図9】本発明の第2の実施形態に係る電子透かし情報埋め込み済み文章画像からの電子透かし抽出処理のフローチャートである。
【図10】本発明の第2の実施形態に係る埋め込み対象のビット列を示す図である。
【図11】本発明の第3の実施形態に係る文章画像に対する電子透かし情報の埋め込み処理のフローチャートである。
【図12】本発明の第3の実施形態に係る電子透かし情報埋め込み済み文章画像からの電子透かし抽出処理のフローチャートである。
【図13】本発明の第3の実施形態に係る埋め込みビット列の構成を示す図である。
【図14】本発明の実施形態に係る埋め込み処理、抽出処理を実行するコンピュータの基本構成を示す図である。
【図15】本発明の第1の実施形態に係る誤り補正処理を説明するための図である。
【図16】ある文書の一部からテキスト領域を抽出し、更に外接矩形を求めた結果の一例を示す図である。
【図17】埋め込み規則1を用いてビット列の埋め込みを行う場合、各行に埋め込み可能なビット数を示す図である。
【図18】電子透かし情報が3ビットの場合、5ビットの場合の夫々について、各ビットが図16に示した文章画像で何回埋め込むことができるかを示す図である。
【図19】(a)は電子透かしの埋め込みを行う場合に求めた各文字の外接矩形の一例を表す図で、(b)は電子透かしの抽出を行う場合に求めた各文字の外接矩形の一例を表す図である。
Claims (1)
- 各行に文字列が配置された文章画像において、電子透かし情報を複数個繋げた埋め込みビット列を各行の文字列の数に応じたビット数分だけ埋め込むことで得られる埋め込み済み文章画像から、各行に埋め込まれたビット列を抽出する抽出工程と、
前記抽出工程で各行から抽出した夫々のビット列において同一ビット位置に位置するビット群の夫々の値を参照して、前記埋め込みビット列の当該位置のビットの値を決定する決定工程と、
前記決定工程で複数ビット位置において決定したビットの値の集合に含まれる、前記電子透かし情報を構成するビット列の夫々のビットの値を決定し、出力する出力工程と
を備えることを特徴とする画像処理方法。
Priority Applications (1)
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