JP2004247719A - 積層セラミックコンデンサ - Google Patents

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和希 平田
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Abstract

【課題】本発明は、直流電圧を印加しても静電容量の減少を抑制することのできる積層セラミックコンデンサを提供することを目的とするものである。
【解決手段】誘電体層10と内部電極11とを交互に積層した積層体と、前記積層体の表面に形成した外部電極とを備え、誘電体層10を構成する粒子の焼成後の最大粒径は、内部電極11厚みの1/2以下としたものであり、誘電体層10を形成する原料粉末の最大粒径の1.0〜1.5倍である。
【選択図】図1

Description

本発明は、積層セラミックコンデンサに関するものである。
従来の積層セラミックコンデンサについて説明する。
まず、主成分チタン酸バリウム粉末と副成分となる金属酸化物粉末を混合し、バインダ、可塑剤などの有機物を混合して、スラリーを作製し、これを用いてセラミックシートを作製する。
その後、セラミックシートと内部電極とを交互に積層した積層体を焼成し、外部電極を形成することにより積層セラミックコンデンサを得る。
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
特開2001−23852号公報
近年、積層セラミックコンデンサにおいては、小型で大容量かつ直流電圧を印加した際の静電容量の低下(以下DCバイアス特性という)が小さいものが望まれている。
DCバイアス特性の悪い積層セラミックコンデンサを回路内に実装して直流電圧を印加すると静電容量が大きく低下し、設計どおりの機能ができないという問題があった。
また誘電体材料の比誘電率を低くすることにより、優れたDCバイアス特性を有する積層セラミックコンデンサを作製することができるが、この場合には積層チップコンデンサの大容量化が実現できない。
さらに大容量化を行うためには、内部電極および誘電体層の薄層化を行うことも有効な方法であるが、誘電体層を薄層化した際に十分な信頼性を満たすためには主成分チタン酸バリウム粒子は平均粒径の小さいものを使用する必要がある。
しかしながら、粒径の小さな原料を用いたとしても、焼成過程で粒成長してしまうと、粒界層の絶縁性が低下し、直流電圧を印加すると、静電容量が大きく減少するという課題を有していた。
また焼成過程で誘電体材料の粒成長が発生すると、内部電極層を切断して粒成長し、内部電極の連続性が減ることによる静電容量の低下、さらにその部分から構造欠陥が発生するという課題があった。
そこで本発明は、直流電圧を印加しても静電容量の減少を抑制することができ、十分な信頼性を有する積層セラミックコンデンサを提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するため、本発明は以下の構成を有するものである。
本発明の請求項1に記載の発明は、特に、前記誘電体層を構成する粒子の焼成後の最大粒径は、焼成前の最大粒径の1.0〜1.5倍、かつ前記内部電極厚みの1/2以下としたものであり、直流電圧を印加しても静電容量の減少を抑制できる積層セラミックコンデンサを得ることができる。
本発明の請求項2に記載の発明は、特に、誘電体層の主原料として用いるチタン酸バリウムは、X線回折チャートにおいて(002)面の回折線のピーク点の角度と(200)面の回折線のピーク点の角度との中間点における強度(Ib)に対する(200)面の回折線のピーク強度[I(200)]の比[I(200)/Ib]が2〜10であり、かつ平均粒子径をμmで表した時の数値をr、比表面積をm2/gで表した時の数値をSaとした時、1≦Sa・r≦2を満足するものであり、焼成時、誘電体粒子の粒成長を抑制でき、直流電圧を印加しても静電容量の減少を抑制できるコンデンサを得ることができる。
本発明の積層セラミックコンデンサは、誘電体層を構成する粒子の焼成後の最大粒径は、焼成前の最大粒径の1.0〜1.5倍の範囲内とし、かつ焼成後の最大粒径を内部電極厚みの1/2以下とすることにより、直流電圧を印加しても、静電容量の減少を抑制することができる積層セラミックコンデンサを提供することができる。
(実施の形態)
以下、本発明の一実施の形態を用いて本発明の請求項1,2について説明する。
図1は本実施の形態における積層セラミックコンデンサの一部拡大断面図、図2は本実施の形態におけるチタン酸バリウムのX線回折チャート、図3は本実施の形態における混合工程を説明するための断面図である。
図1において、10はチタン酸バリウムを主成分とする誘電体層、11はNiを主成分とする内部電極である。
図3において、20は混合槽、21は媒体であるジルコニアボール、22は攪拌棒、23は流入口、24は流出口である。
まず、誘電体層10の出発原料としてチタン酸バリウム100mol%に対し、副成分としてMgOを1.0mol%、Dy23を0.8mol%、SiO2を0.8mol%、Mn34を0.05mol%となるように各粉末をそれぞれ秤量する。
チタン酸バリウムは、常温付近で正方晶系であり、例えば図2に示すX線回折チャートにおいて、(002)面の回折線が2θ=44.9°付近に、(200)面の回折線が2θ=45.4°付近にそれぞれ観察されるものである。(002)面の回折線のピーク点の角度及び強度を2θ(002)及びIcとし、(200)面の回折線のピーク点の角度及び強度を2θ(200)及びI(200)とする場合、I(200)/Ib=2〜10である。なお、I(200)/Ibは、(002)面の回折線のピーク点の角度と(200)面の回折線のピーク点の角度との中間の角度を2θb、すなわち2θb=[2θ(002)+2θ(200)]/2とし、その中間の角度2θbにおける強度Ibを基準とする、(200)面の回折線のピーク強度I(200)の比である。I(200)/Ibが2よりも小さくなると、比誘電率が小さくなり、また10を超えるとチタン酸バリウムの作製は困難となるので好ましくない。
また、チタン酸バリウム原料粉末は、平均粒子径をμmで表した時の数値をr、比表面積をm2/gで表した時の数値をSaとした時、1≦Sa・r≦2を満足することが望ましい。好ましくは1≦Sa・r≦2を満足し、かつSa=2.0〜10.0m2/g、r=0.20〜0.50μm、より好ましくはSa=2.0〜7.0m2/g、r=0.20〜0.50μm、さらに好ましくはSa=2.5〜7.0m2/g、r=0.20〜0.40μmである。
ここでSa・rが1未満の場合は、凝集粉が生成し、原料粉末の粒径が均一になりにくいため好ましくない。
また、Sa・rが2を超える場合は粉砕粉が細かすぎるため焼成時に異常粒成長を起こしやすく、直流電圧印加時の静電容量変化率が大きくなるため好ましくない。
さらに、チタン酸バリウムは最大粒径が0.38μm、最大粒径が0.46μmのものを用いた。
次に、原料粉末と純水とを混合し、スラリーを作製する。
まず、少量の純水と原料粉末を混合し、その表面を純水で被覆した後、さらに純水を混合し、図3に示すような攪拌機を用いて混合する。加える純水は、少なすぎると原料粉末の分散性が低下し、多すぎると乾燥工程で凝集粉を発生させやすくなる。従って、原料粉末体積の1〜3倍量とすることが望ましい。
また、純水とともに、原料粉末の分散性を高めるような分散剤を添加してもよい。
図3に示す攪拌機は、混合槽20の内部に回転可能な攪拌棒22を設けるとともに、平均粒径0.20mm以下、好ましくは0.10mm以下のジルコニアボール21を最密充填したものである。ジルコニアボール21は、攪拌棒22の体積を除いた混合槽20の内容積の約70%を占めることとなる。
攪拌棒22を所定の速度で回転させ、混合槽20の流入口23から純水と原料粉末の混合物を所定の速度で流入させ、ジルコニアボール21の隙間を通過させて流出口24より流出させることにより、分散性に優れたスラリーを得る。混合槽20の流入口、流出口23,24にはフィルタを設置し、異物の浸入を防止するとともに、均質なスラリーのみが流出口24から出てくるようになっている。
このとき、原料粉末は、ジルコニアボール21と衝突し、粉砕されることとなるが、ジルコニアボール21は平均粒径が0.20mm以下と、従来用いられていた平均粒径が1mm〜2mmのボールと比較すると、その質量がはるかに小さいので、過剰な衝撃が加わり粉砕されすぎるのを抑制することができる。
また、生産性良くスラリーを得るために、混合槽20には球状のジルコニアボール21は最密充填することが望ましい。このときジルコニアボール21は、理論的には、混合槽20の内容積の74%を占めることとなる。また、ジルコニアボール21が混合槽20の内容積の60%未満となると混合を十分に行えなく、分散性が悪くなる。
従って、ジルコニアボール21は混合槽20の内容積の60〜74%、好ましくは70〜74%を占めるようにする。
なお、攪拌棒22の回転速度、混合物の流入速度は、チタン酸バリウムに過剰な力が加わらないように制御する。
次いで、スラリーをろ過して脱水し、室内温度120℃の乾燥室で乾燥させる。
乾燥前に脱水することにより、乾燥時に凝集するのを抑制できる。
また乾燥は室温120℃以下の乾燥室で行うことにより、水分が急激に蒸発し、凝集するのを抑制できる。120℃以下では凝集を抑制できるが、温度が低くなればなるほど乾燥に長時間を要する。従って、好ましくは、100〜120℃で行う。
その後、乾燥粉末を高純度のアルミナルツボに入れて、空気中、700〜1100℃で2時間仮焼する。仮焼温度及び時間は原料粉末組成により決定する。
仮焼粉末をX線回折により分析すると、チタン酸バリウム同士、または副成分とチタン酸バリウムが反応し、若干固溶した状態になっていると考えられる。また、仮焼後の比表面積が仮焼前の比表面積の0.5倍未満の場合、つまり仮焼温度が高すぎる場合、凝集粉が発生しやすく、DCバイアス特性が悪化する。従って、仮焼後の比表面積が仮焼前の比表面積の0.5〜1.0倍となるように仮焼条件を制御することが望ましい。
次に、図3に示す攪拌機を用いて、軽く粉砕した仮焼粉末と純水とを混合しスラリーを作製し、脱水後、乾燥する。
スラリー作製、脱水、乾燥の各工程は、原料粉末と純水とを用いてスラリーを作製、脱水、乾燥する場合と同様に行う。なお、仮焼粉末は、多少反応したものであるため原料粉末よりも粒子径が大きくなっている可能性が高い。そこで仮焼粉末を適切に混合するため、ジルコニアボール21は、原料粉末混合時に用いたものと同等以上の大きさ、好ましくは大きいものを用いることが望ましい。
乾燥後の仮焼粉末の比表面積Sbは、Sb≦1.2Sa(但し、0<Sb≦6.0、Saはチタン酸バリウム原料粉末の比表面積)となるようにすることが望ましい。このようにすることにより、焼成時、副成分が反応しやすくなり、焼結性が向上し、所望の誘電体層10を効果的に得ることができる。
次に、この仮焼粉末にエタノールなどのアルコールを混合して、粉末粒子の表面がアルコールで被覆されるようにする。
次いで、仮焼粉末とポリビニルブチラール樹脂からなる有機バインダ、n−酢酸ブチルからなる溶剤、ベンジルブチルフタレートからなる可塑剤の混合物を混合してスラリーを得る。
このようにまずアルコールで仮焼粉末粒子の表面を被覆してからバインダ、溶剤、可塑剤と混合することにより、仮焼粉末が凝集するのを抑制できる。
しかしながらアルコールの添加量が多すぎると所望のセラミックシートを得ることができない。従って、アルコールの添加量は仮焼粉末粒子の凝集を抑制し、かつその表面を被覆できる量で、バインダ、溶剤、可塑剤の合計量よりも少なくする。
その後、スラリーをドクターブレード法により、誘電体層10となるセラミックシートに成形する。
次に、このセラミックシート上に平均粒径約0.40μmのNi粉末からなる内部電極ペーストを用い、所望のパターンとなるようにスクリーン印刷を行う。
またここで、スクリーン印刷時のパターンを変えることにより内部電極の厚みを変化させた。
次いで、内部電極パターン形成済みのセラミックシートを内部電極パターンがセラミックシートを介して対向するように三枚重ね合わせ、加熱、加圧して一体化した後、横2.4mm、縦1.3mmの大きさに切断して、未焼結積層体を準備する。
そして、未焼結積層体をジルコニア粉末を敷いたジルコニア質サヤに入れ、350℃まで窒素中で加熱し、有機バインダを燃焼させ、その後、N2+H2中、1250℃で2時間焼成して焼結体を得る。焼成温度は1100〜1250℃とすることが望ましい。
本実施の形態では、1190℃、1210℃、1230℃の3点で焼成を行い、(表1)に示す焼成後の最大粒径を持つ各試料を作成した。
次に、焼結体の内部電極11の露出した端面に窒素雰囲気焼成用銅ペーストを塗布、メッシュ型の連続ベルト炉により焼付け外部電極を形成し、図1に示すような積層セラミックコンデンサを得る。
本実施の形態においては、積層セラミックコンデンサの内部電極11の厚みは1.5μm、誘電体層10の厚みは2μmで検討を行った。
また同様の方法でチタン酸バリウムに平均粒径0.50μm、最大粒径が0.65μmのものと、平均粒径0.61μm、最大粒径が0.82μmのものを用いて検討を行った。
(表1)には、誘電体層の厚みを2.0μmとし、内部電極の厚みを1.5μmとしたときの誘電体層内の最大粒径、比誘電率、DCバイアス特性、構造欠陥発生率を示している。
比誘電率は、得られた積層セラミックコンデンサ試料を150℃の温度で、1時間熱処理を行い、常温に48時間放置した後、20℃の恒温槽中で周波数1kHz、入力信号レベル1.0Vrmsにて静電容量を測定し、その値から比誘電率を算出した。
またDCバイアス特性は、上記静電容量測定をした後、直流電圧を3.15V印加し、20秒後の値を測定し、印加前の値から変化率を算出した。ここでは−10%以内のものをDCバイアス特性が優れているものと判断した。
またさらに構造欠陥発生率については、焼成の後に外部電極形成前の積層セラミックコンデンサ試料100個の6面の表面部分とその内部断面について、倍率20倍の顕微鏡を用いて目視による観察を行い、表面または内部に欠陥がある試料数を構造欠陥発生率として百分率にて示している。
Figure 2004247719
(表1)より誘電体試料1C,2Cでは、誘電体材料内の最大粒径が内部電極厚みの1/2以下であるにもかかわらず、DCバイアス特性が悪化すると共に構造欠陥が発生している。これは、用いたチタン酸バリウムの最大粒径と焼成後の誘電体材料の最大径との変化率が1.5倍以上であり、積層セラミックコンデンサ作製の際に粒成長が起こったためであると考えられる。
また、誘電体試料3A,3B,3Cでは用いたチタン酸バリウムの最大粒径と焼成後の誘電体材料の最大粒径との比率が1.0〜1.5倍以内であるにもかかわらず、DCバイアス特性の悪化と構造欠陥の発生が確認できた。
DCバイアス特性悪化の原因としては、用いた粒径が大きいことも考えられるが、粒径の大きさに対して誘電体材料の比誘電率が小さくなっている。これは誘電体材料内の最大粒径が内部電極厚みの1/2以上であったため、内部電極の連続性を下げ、静電容量が小さくなったため、比誘電率も小さくなったと考えられる。特に誘電体試料3A,3B,3Cでは全ての条件で構造欠陥が発生していることから、誘電体材料内の最大粒径が内部電極厚みの1/2以上であることが構造欠陥発生と比誘電率低下に起因しているものと考えられ、内部断面の観察からも内部電極の連続性低下が確認された。
また試料3A,3B,3Cについては、ドクターブレード法により、誘電体層10となるセラミックシートを成形する際に、セラミックシートに欠陥ならびに厚みムラが発生していたことから、これも構造欠陥発生の原因の1つと考えられ、誘電体層厚みが2.0μm以下の積層セラミックコンデンサに用いるのは困難であることが明らかとなった。
つまり、本実施の形態においては、誘電体層10を構成する粒子の大きさが、混合、粉砕、焼成の一連の工程において変化しないようにしている。その結果、直流電圧を印加しても、静電容量の減少を抑制することができる積層セラミックコンデンサを得ることができるのである。
誘電体層10は、ほとんどコア部がチタン酸バリウムで、シェル部が上記副成分(MgO,Dy23,Ho23など)のコアシェル構造の粒子で構成される。また、コアシェル構造の粒子においても、コア部表面全体がシェル部で被覆されているわけではなく、コア部が露出している粒子も存在する。さらに、誘電体層10中には、コア部のみ、つまりチタン酸バリウムのみの粒子も存在する。
なお、内部電極11及び誘電体層10の厚みはそれぞれ上述したものに限るものでなく、誘電体層10を構成する粒子の最大粒径が、内部電極11の厚みの1/2以下で、誘電体層10の原料粉末の最大粒径の1.0〜1.5倍であればよい。さらに、内部電極11の厚みが1.2μm以下の場合、本発明の効果はより顕著に現れる。
また、誘電体層10の原料粉末の最大粒径の1.0〜1.3倍、さらに好ましくは1.0〜1.1倍の場合、本発明の効果はより顕著に現れる。
またさらに、原料粉末として用いるチタン酸バリウムは本実施の形態で説明したものを用いることにより、本発明の積層セラミックコンデンサを容易に得ることができる。
なお、図3に示す混合槽20に充填するジルコニアボール21は、その粒径がチタン酸バリウムの平均粒径の500倍以下の場合、DCバイアス特性が−10%以下と小さく良好なものとなる。具体的には、平均粒径0.20mm以下、好ましくは0.10mm以下、さらに好ましくは0.05mm以下の小さい媒体を用いることが望ましい。また、媒体としてジルコニアボール21を用いたがアルミナボールなどでも構わない。すなわち、誘電体層10の組成の変化を抑制できるものであれば良い。
さらに、上記実施の形態では誘電体層10はチタン酸バリウムを主成分とし、副成分としてMgO,Dy23などを用いた原料粉末を用いたが、チタン酸バリウムを主成分とする原料粉末であれば副成分としてこれらの添加物以外の添加物を用いた場合でも上述したような効果が得られる。
さらにまた、図3に示すような混合槽20でスラリーを作製すると、純水の温度が上昇するが、温度が高くなりすぎると、原料粉末のエネルギーも大きくなり、所望のスラリーを得ることが困難となる。そこで、純水と原料粉末の混合物の温度は、50℃以下に保持するようにする。なお、図3に示すように攪拌棒22を有する混合槽20の他、ジルコニアボール21などの媒体と原料粉末とを混合できるような容器を用いて混合を行ってもよい。
以下に本実施の形態における平均粒径、最大粒径、比表面積の測定方法について説明する。
平均粒径については、各試料を走査型電子顕微鏡を用いて観察し、その観察面にランダムに10本の直線を引いて、各直線の長さとそこに含まれる粒子数を測定し、一直線における平均粒径を計算し、続いて10本の直線における平均値を計算し、これを平均粒径とする。
また、同様に走査型電子顕微鏡を用いて、同一試料内の観察面において500個の粒子の中で平均粒径との差が最も大きな径を持つ粒子を最大粒子とし、その粒子に10本の直線を入れ、その平均値から誘電体材料内の最大粒子径を計算する。
次に比表面積の測定方法について説明する。
まず、(数1)により単分子層吸着量Vmを求める。
Figure 2004247719
実際のHeの吸着等温線の低相対圧領域の3点(x,V)を取り出し、横軸をx、縦軸をx/V(1−x)とし、作図をすると、傾きが(C−1)/VmC、切片が1/VmCの直線が得られる。この傾きと切片からHeの単分子層吸着量Vmを求める。
続いて、(数1)により求めた単分子層吸着量Vmを用いて(数2)により比表面積を求めるのである。
Figure 2004247719
本発明にかかる積層セラミックコンデンサは、誘電体層を形成する原料粉末の最大粒径を焼成前後でほとんど変化させずに誘電体層を形成し、かつ焼成後の最大粒径を内部電極厚みの1/2以下とすることにより、直流電圧の印加下においても、静電容量の減少を抑制することができるものであり、大容量の積層セラミックコンデンサ等に有用である。
本発明の実施の形態1における積層セラミックコンデンサの一部拡大断面図 本発明の実施の形態1におけるチタン酸バリウムのX線回折チャート 本発明の実施の形態1における混合工程を説明するための断面図
符号の説明
10 誘電体層
11 内部電極
20 混合槽
21 ジルコニアボール
22 攪拌棒
23 流入口
24 流出口

Claims (2)

  1. 誘電体層と内部電極とを交互に積層した積層体と、前記積層体の表面に形成した外部電極とを備え、前記誘電体層を構成する粒子の焼成後の最大粒径は、焼成前の最大粒径の1.0〜1.5倍、かつ前記内部電極厚みの1/2以下である積層セラミックコンデンサ。
  2. 原料粉末は、チタン酸バリウムを主成分とするものであり、前記チタン酸バリウムは、X線回折チャートにおいて(002)面の回折線のピーク点の角度と(200)面の回折線のピーク点の角度との中間点における強度(Ib)に対する(200)面の回折線のピーク強度[I(200)]の比[I(200)/Ib]が2〜10であり、かつ平均粒子径をμmで表した時の数値をr、比表面積をm2/gで表した時の数値をSaとした時、1≦Sa・r≦2である請求項1に記載の積層セラミックコンデンサ。
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