JP2004247225A - 照明装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】点灯時間の経過に伴う光源の光出力の低下を抑制する照明装置において、点灯時間のリセットを確実かつ簡単に行える比較的安価な照明装置を提供する。
【解決手段】光源4と、光源4へ電力を供給し、光源4を点灯させる点灯回路部2と、光源4の無負荷状態を検出する無負荷検出部5と、光源4の点灯時間の計時や記憶、無負荷状態の監視や無負荷検出情報の記憶を行い、点灯時間や無負荷検出情報に応じて、点灯回路部2の出力を制御する制御部3から成る照明器具において、制御部3は、電源投入後に、無負荷検出情報によって、記憶しているランプ点灯時間を初期値にリセットするようにした。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、照明負荷の点灯時間により、照明負荷の出力を制御する照明装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特開2001−15276号公報
【0003】
従来より、照明負荷の点灯時間を計時し、その点灯時間に応じて、点灯時間の経過に伴う光束低下を抑制するように、照明負荷の出力を補正する照明器具は知られている。これは、点灯時間より、予め用意された補正用データテーブルを参照して、照明負荷への供給電力を決定するというものである。このような照明器具では、照明負荷を交換した場合には、それまで計時していた点灯時間を初期値にリセットする必要がある。そのために、照明器具に点灯時間のリセット手段が複数設けられており、その詳細については、例えば、特許文献1(特開2001−15276号公報)に開示されている。
【0004】
これによれば、リセット手段として、以下の5つが示されている。
(A)エミレス状態の検出手段を備え、エミレス状態の検出時に点灯時間をリセットする。
(B)無負荷状態の検出手段を備え、無負荷状態の検出時に点灯時間をリセットする。
(C)無負荷状態を電源が投入されてない期間に検出する手段を備え、無負荷状態の検出時に点灯時間をリセットする。
(D)リセットスイッチを備える。
(E)電源のオン・オフが規定手順である時に、点灯時間をリセットする。
上記において、(A)〜(C)は照明装置が自動でリセットするものであり、(D)〜(E)は使用者が手動でリセットするものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記で示した手段において、(A)の場合、照明装置単独では、照明負荷の交換時に自動で点灯時間のリセットを行うことができるが、定期的な複数の照明器具に対する光源の一斉交換といった場合に、エミレスでも無負荷でもない照明器具の点灯時間をリセットすることができない。(B)の場合、(A)の場合の問題点に加え、使用者が意図的に光源を外した場合でも、使用者が関知することなく点灯時間のリセットが作動してしまう。(C)の場合、(A)の場合の問題点に加え、電源供給のない状態で無負荷を検出するために、二次電池等の別の電源供給手段が必要となり、照明装置の大きさが大きくなる上、コストも高価になる。
【0006】
(D)の手動リセットの場合、上記(A)〜(C)の自動リセットでの問題点は解消されるが、使用者が1つ1つの照明器具に対してスイッチを押すという煩雑な作業を要求することになる。また、スイッチを照明器具に取り付けるための加工が必要となり、部材の共用ができなくなってコストが高価になる。
【0007】
(E)の手動リセットの場合、(D)の手動リセットによる問題点は解消されるが、照明装置の使用環境や使用方法によっては、規定手順で電源をオン・オフすることもあり得るため、使用者が意図せず、点灯時間がリセットされてしまう恐れがあり、その場合、光源の寿命に合わせた照度補正が正しく行えなくなる。
このように、全ての場合について、さまざまな問題を抱えており、あらゆる使用環境や使用方法に適したものとは言い難い。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、照明負荷の点灯時間の経過に伴う光源の光出力の低下を抑制する照明装置において、あらゆる使用環境や使用方法に適した点灯時間のリセットを、確実かつ簡単に行える比較的安価な照明装置を提供することにあり、特に、複数の照明装置の光源を一括して交換した際の点灯時間のリセットを、確実かつ簡単に行うことを可能とする照明装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の照明装置にあっては、上記の課題を解決するために、図1に示すように、光源4と、光源4へ電力を供給し、光源4を点灯させる点灯回路部2と、光源4の無負荷状態を検出する無負荷検出部5と、光源4の点灯時間の計時や記憶、無負荷状態の監視や無負荷検出情報の記憶を行い、点灯時間や無負荷検出情報に応じて、点灯回路部2の出力を制御する制御部3から成る照明器具において、制御部3は、電源投入後に、無負荷検出情報によって、記憶しているランプ点灯時間を初期値にリセットすることを特徴とする。
請求項2の発明によれば、請求項1記載の照明装置において、光源4は放電灯であり、点灯回路部2はインバータ回路より成ることを特徴とする。
請求項3の発明によれば、請求項1または2に記載の照明装置において、図9に示すように、点灯回路部2は、光源4のエミレス状態を検出するエミレス検出部6を有し、さらに、光源4への供給電力の制御、無負荷検出部5の状態監視、エミレス検出部6の状態監視を行う集積回路7を有し、制御部3は、無負荷状態の監視やエミレス状態の検出は、集積回路7の出力を監視することにより行い、点灯回路部2の出力の制御は、集積回路7へ調光信号を出力することにより行うことを特徴とする。
【0010】
請求項4の発明によれば、請求項3記載の照明装置において、集積回路7の出力は、アナログ電圧信号であり、アナログ電圧信号は、図10に示すように、通常点灯状態と無負荷状態とエミレス状態とを、異なる電圧値で出力するものであり、制御部3は、電圧値の違いで状態検出を行うことを特徴とする。
請求項5の発明によれば、請求項1〜4のいずれかに記載の照明装置において、無負荷状態あるいはエミレス状態での制御部3の消費電流は、通常点灯状態でのそれよりも小さくなるよう、制御部3が動作することを特徴とする。
請求項6の発明によれば、請求項1記載の照明装置において、無負荷検出情報は、電源投入から所定の時間内の無負荷検出の回数であることを特徴とする。
【0011】
請求項7の発明によれば、請求項1記載の照明装置において、点灯時間のリセットを行った後に、その旨を報知する手段を有することを特徴とする。
請求項8の発明によれば、請求項1記載の照明装置において、点灯時間のリセットを行う前に、その旨を報知する手段を有することを特徴とする。
請求項9の発明によれば、請求項7または8に記載の照明装置において、報知手段は、光源を所定の状態で点灯させることによることを特徴とする。
請求項10の発明によれば、請求項7または8に記載の照明装置において、報知手段は、ブザーの鳴動によることを特徴とする。
請求項11の発明によれば、請求項8記載の照明装置において、報知した後、あるいは報知している間に、点灯時間のリセット動作をキャンセルする手段を有することを特徴とする。
【0012】
請求項12の発明によれば、請求項11記載の照明装置において、キャンセル手段は、電源の遮断によることを特徴とする。
請求項13の発明によれば、請求項1〜12のいずれかに記載の照明装置において、制御部3は、マイクロコンピュータ31と不揮発性メモリ32から成ることを特徴とする。
請求項14の発明によれば、請求項1〜13のいずれかに記載の照明装置において、制御部3は、点灯回路部2が実装される基板と同一の基板に実装されることを特徴とする。
請求項15の発明によれば、請求項1〜13のいずれかに記載の照明装置において、制御部3は、点灯回路部2が実装される基板とは別の基板に実装されることを特徴とする。
請求項16の発明によれば、請求項15記載の照明装置において、制御部3が実装される基板と点灯回路部2が実装される基板は、同一のケースに納められることを特徴とする。
請求項17の発明は照明器具であり、請求項1〜16のいずれかに記載の照明装置を具備することを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1に係る照明装置のブロック図である。照明装置1は、点灯回路部2、制御部3、光源4、無負荷検出部5により構成される。照明装置1に電源Vが投入されると、点灯回路部2は光源4を点灯するよう電力を供給する。このとき、制御部3は、点灯回路部2が出力する供給電力を制御するような調光信号を点灯回路部2へ出力し、点灯回路部2はこれに従った供給電力で光源4を点灯させることにより、光源4は調光点灯する。よって、制御部3が光源4の光出力を制御することが可能となる。また、制御部3は、この調光信号により光源4を点灯状態にしている時間(点灯時間)を計時する。制御部3は、計時した時間に応じて、調光信号を変化させ、光源4の光出力を変化させる。電源Vからの電源供給が一度切れた後に再投入されても、前回まで計時した点灯時間から計時を再開できるように、制御部3は、随時点灯時間を記憶しておくことができる。
【0014】
無負荷検出部5は、光源4が無負荷状態になったことを検出して、検出信号を出力する。制御部3は、無負荷検出部5からの検出信号を常時監視しており、光源4が無負荷状態となり、無負荷検出部4の検出信号が変化すると、直ちに点灯回路部2から光源4への電力供給を停止するような調光信号を出力する。
【0015】
以上の動作を実現するには、制御部3は、図2に示すように、マイクロコンピュータ(以下、マイコン)31と不揮発性メモリ32を有しておれば、簡単に実現可能である。点灯時間の計時や無負荷検出信号の監視は、マイコン31で行えば容易であり、点灯時間はマイコン31から不揮発性メモリ32へ随時記憶させるようにしておけば、電源再投入時にマイコン31が不揮発性メモリ32から点灯時間を読み出して、その値から点灯時間の計時を再開すればよい。
【0016】
上述のような点灯時間によって光源の光出力を変化させるといった機能は、例えば、光源の光束の経時変化や、光源および照明器具の経時的な汚れによる光量の低下の補正に利用することができる。これは、図3のように、光源の交換直後の照明装置への電源投入時には光源を調光点灯させておき、点灯時間の経過に従って上記の理由により光量が低下していく(図3a)のに対して、照明装置としては光源を全点灯に近付けるよう光源への電力供給を上げていく(図3b)ことで、点灯時間によらず照明装置から得られる照度を略一定に保つことを可能とする(図3c)ものである。このような機能を照度補正機能と呼ぶ。
【0017】
この照度補正機能では、光源の交換の度に計時していた点灯時間を初期値にリセットして、所定の調光点灯に戻す必要がある。ところが、光源の交換においては、光源がエミレス状態等によって不点となった場合は、その照明装置だけ点灯時間をリセットすればよく、それはエミレス検出などにより照明装置が自動で行うリセットであってもよいし、スイッチ等により使用者が手動で行うリセットであってもそれほど使用者の負担はないのだが、店舗のようにフロア内の照明器具を定期的に一斉交換するような場合だと、光源がエミレス検出でなければ自動リセットは作動しないし、使用者がフロア内の全ての照明器具のスイッチを動かすことは、たいへんな労力と時間を費やすことになる。
【0018】
そこで、本実施の形態では、複数の照明装置の光源の一斉交換時に、使用者が点灯時間のリセットを簡単かつ確実に行うことができる手段について、以下に示す。
【0019】
図2における照明装置1は、照度補正機能を有しているものとする。照明装置1に電源Vが投入されると、制御部3が有するマイコン31は、不揮発性メモリ32から記憶させておいた点灯時間と無負荷検出情報を読み出す。
【0020】
そして、点灯回路部2に対して、光源4が所定の光出力になるような調光信号を出力するとともに、点灯時間の計時を行う。点灯時間の計時は、一定周期毎に行い、不揮発性メモリ32から読み出した点灯時間に、この周期を加算していく形で行う。また、読み出した無負荷検出情報は、これが所定の値であった場合に、点灯時間を初期値へリセットするために用いる。
【0021】
調光信号は、マイコン31が直接出力するものであってもよいし、図4のように、マイコン31からの出力を調光信号生成部33を介して信号変換したものであってもよい。例えば、点灯回路部2への調光信号入力としてアナログ信号が要求される場合、マイコン31がD/A変換器内蔵のものであれば、直接点灯回路部2へ調光信号の出力を行えるが、D/A変換器の無いマイコンであれば、調光信号生成部33へPWM信号を出力し、調光信号生成部33内にて、これを平滑したアナログ信号を点灯回路部2へ出力するようにすればよい。
【0022】
その後、マイコン31は、一定周期毎に不揮発性メモリ32に対して、点灯時間を書き込む。同時に、計時した点灯時間に従って、調光信号を変化させる。これは、マイコン31あるいは不揮発性メモリ32内で、表1のような、点灯時間に対する調光信号のデータテーブルを予め持っておき、必要に応じてデータテーブルを参照して、調光信号を決定すればよい。表1においては、図4の調光信号生成部33を介して点灯回路部2へ調光信号を出力するものとして、データテーブルに記載される参照値はPWM信号のデューティ比としている。もちろん、図2のような構成であれば、データテーブルの参照値をアナログ電圧の出力レベルとすればよい。
【0023】
【表1】
Figure 2004247225
【0024】
また、マイコン31は、無負荷検出部5の出力信号を常時監視する。無負荷検出信号が変化し、マイコン31が無負荷状態であると検出すると、マイコン31は調光信号により点灯回路部2から光源4への電力供給を停止する。この時、点灯時間の計時も停止する。
【0025】
ここで、照明装置1への電源Vの投入直後、つまりマイコン31がリセットした直後に無負荷状態を検出した場合は、不揮発性メモリ32へ無負荷検出情報を書き込む。そうではなく、リセット後に無負荷状態ではない(通常点灯状態)と検出した後に無負荷状態と検出した場合であれば、無負荷検出情報の書き込みは行わない。いずれの場合にせよ、無負荷検出信号がさらに変化して、マイコン31が通常点灯状態になったと検出すると、調光信号の出力により点灯回路部2から光源4への電力供給を再開し、点灯時間の計時を再開する。
【0026】
不揮発性メモリ32へ無負荷検出情報を書き込む場合は、先に不揮発性メモリ32から読み出した無負荷検出情報を加算する形で書き込む。無負荷検出情報は、電源Vの投入直後の無負荷検出、つまりは無負荷状態での照明装置への電源投入の回数とする。よって、初期値は“0”であり、加算する値は“1”である。また、無負荷状態での照明装置への電源投入があった後に一度電源を切り、負荷を装着した状態で電源を再投入した場合、不揮発性メモリ32から読み出した無負荷検出情報は“0”ではなく、“1”になっているのだが、この値は初期値“0”にリセットする。マイコン31は、照明装置1への電源投入直後に、マイコン31が不揮発性メモリ32から読み出した無負荷検出情報が所定の値であった場合に、点灯時間を初期値にリセットし、その初期値を不揮発性メモリ32へ書き込む。
【0027】
よって、この所定の値を“3”とした場合、無負荷状態での照明装置への電源投入を3回連続して行うことが必要となる。つまりは、使用者は意図的に点灯時間をリセットしたい場合に、無負荷状態にして照明装置へ電源投入を行った後、電源を切る、という動作を3回連続して繰り返し行うことにより、初めて点灯時間がリセットできるということになる。以上のマイコン31の動作フローを図5に示す。
【0028】
このようにすることで、使用者は、簡単かつ確実に、複数の照明器具の点灯時間のリセットを行うことが可能となる。ここでいう複数の照明器具は、1つの電源系統に接続される全ての照明器具である。つまり、例えば図6のように、フロア内に本発明の照明装置1A〜1Eが敷設されており、照明装置1A〜1Eの電源は、電源線により各照明装置へ配線されているのであれば、使用者が照明装置1A〜1Eの光源4A〜4Eを一斉交換する時は、以下の手順に従えば、全ての照明装置の点灯時間を一斉にリセットすることができる。
【0029】
1)光源4A〜4Eを外す。
2)電源系統の元にあるスイッチSのオン・オフ動作を3回連続して行う。
3)新しい光源4A〜4Eを照明装置1A〜1Eへ装着する。
4)スイッチSをオンする。
【0030】
よって、もともと光源の一斉交換時には光源を外す作業は伴うので、使用者に負荷される作業は、スイッチのオン・オフ作業だけであり、使用者への負担を非常に軽減することができるという効果がある。上記によれば、1つの電源系統に接続される照明装置の数が多いほど、その効果が増大することは言うまでもない。
【0031】
本実施の形態において、無負荷検出部5の検出手段は、どのようなものであってもよい。無負荷検出信号は、制御部3で無負荷状態であるか否かを判断できるものであれば、アナログ信号であってもディジタル信号であってもよい。例えば、アナログ信号の場合、マイコンで閾値を持っておいて、その値よりアナログ信号の電圧値が下ならば通常点灯状態、上ならば無負荷状態というものであってもよい。ディジタル信号の場合、Highレベル入力なら通常点灯状態、Lowレベル入力なら無負荷状態というものであってもよい。もちろん、より複雑な判断を要するものであっても、それが制御部3のマイコンで可能であれば問題ない。
【0032】
また、光源4は放電灯であっても白熱灯であってもよい。放電灯の場合は、点灯回路部2はインバータ回路とし、制御部3からの調光信号によって、例えば、インバータの動作周波数を変化させることで、放電灯への供給電力を調節することが可能である。
【0033】
制御部3が出力する調光信号は、点灯回路部2の構成によって変わるので、信号形態を特定するものではないが、点灯回路部2や調光信号がどのようなものであっても、本実施の形態と同様の効果を与えるものである。インバータ回路およびその動作は周知のものであり、具体的な例は、従来例記載の公報に詳細が記載されている。
【0034】
白熱灯の場合は、点灯回路部2は供給電源をトライアックを介して白熱灯へ供給する簡単な回路で実現可能であり、制御部3が出力する調光信号を電源周波数に同期したPWM信号とすれば、これにより点灯回路部2のトライアックをスイッチングすることにより、白熱灯の光出力を調節でき、本実施の形態と同様の効果を与えるものである。
【0035】
(実施の形態2)
実施の形態1では、光源の一斉交換時における点灯時間のリセット手段について示したが、本実施の形態では、これにエミレス検出による照明装置単独での点灯時間のリセット手段を付加したものを示す。
【0036】
本実施の形態に係る照明装置のブロック図は、図7に示す通りであり、照明装置1は、点灯回路部2、制御部3、光源4、無負荷検出部5、エミレス検出部6により構成される。制御部3はマイコン31と不揮発性メモリ32を有している。また、点灯回路部2はインバータ回路であり、光源4は放電灯である。
【0037】
実施の形態1で示した動作に加えて、マイコン31は、エミレス検出部6の出力を常時監視する。エミレス検出部6の出力信号が変化し、マイコン31が光源4がエミレスであると検出すると、マイコン31は、直ちに点灯回路部2への調光信号を変化させ、点灯回路部2から光源4への電力供給を止めるよう動作する。同時に、計時していた点灯時間を初期値へリセットし、これを不揮発性メモリ32へ書き込む。その後、マイコン31は、点灯時間の計時は行わない。
【0038】
使用者は、光源4のエミレスにより不点になったことを受けて、光源4の交換を行う。この時、光源4は外されるので、マイコン31は、さらに無負荷状態を検出することになる。この時、エミレス状態はなくなっている。ただ、点灯時間の計時は止まったままであるので、マイコン31は何もしない。当然、無負荷状態での電源投入による無負荷検出でもないので、不揮発性メモリ32への書き込みも行わない。
【0039】
そして、新しい光源4を装着すれば、無負荷検出部5の出力信号が変化し、マイコン31が無負荷状態でない(通常点灯状態)と検出するので、実施の形態1に示した通り、不揮発性メモリ32からのデータ読み出しの後、無負荷検出状態およびエミレス検出状態の監視と点灯時間の計時を再開する。しかし、点灯時間は先ほどのエミレス検出時にリセットされているので、初期値からの計時となる。つまり、照明装置単独での光源の交換時に、自動で点灯時間のリセットを行ったことになる。
【0040】
もちろん、実施の形態1で示した、光源の一斉交換時の点灯時間のリセットも行うことができ、実施の形態1と同様の動作である。以上のマイコン31の動作フローを図8に示す。
【0041】
本実施の形態において、エミレス検出部6の検出手段は、どのようなものであってもよく、制御部3としてエミレス検出部6からの出力を監視できるものであればよい。エミレス検出信号についても、アナログ信号であってもディジタル信号であっても、制御部3でエミレス状態であるか否かを判断できるものであればよい。具体的な例は、特許文献1の公報に詳細が記載されている。
【0042】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3に係る照明装置のブロック図を図9に示す。照明装置1は、点灯回路部2、制御部3、光源4、無負荷検出部5、エミレス検出部6、集積回路7により構成される。本実施の形態では、点灯回路部2が行う光源4への供給電力の制御、および無負荷検出信号およびエミレス検出信号の出力機能を、集積回路7に集積化したものである。
【0043】
この集積回路7は、制御部3と点灯回路部2とのインタフェースの役割を果たす。つまり、制御部3からの調光信号は集積回路7で受けて、集積回路7により点灯回路部2が出力する光源4への供給電力の制御を行う。また、無負荷検出部5およびエミレス検出部6の状態監視は集積回路7で行い、状態の変化があると、集積回路7が制御部3へ状態監視信号を出力する。この状態監視信号は、アナログ信号の場合、無負荷状態とエミレス状態とそのどちらでもない通常点灯状態の3状態を1つの信号系で表現することができる。例えば、図10のように、電圧4Vの信号ならば通常点灯状態、2Vならばエミレス状態、0Vならば無負荷状態とする。
【0044】
制御部3は、状態監視信号を常時監視することにより、無負荷状態およびエミレス状態を同時に監視することができる。状態監視信号の変化があった場合の動作は、実施の形態1、2と同様である。
【0045】
このようにすることで、制御部3と点灯回路部2の間のインタフェースを気にすることなく、制御部3および点灯回路部2の設計が可能となる。実施の形態1、2では、無負荷検出部5の出力を制御部3が直接監視していたが、無負荷検出部5の出力が必ずしも制御部3が判別できる信号出力であるとは限らない。無負荷検出部5の回路構成によっては、制御部3の駆動電圧より高い電圧値の出力信号であることも考えられる。そのような場合であっても、集積回路7を間に介させることで、その信号変換を行えば、無負荷検出部5や点灯回路部2あるいは制御部3の回路構成を変更することなく対応できる。つまり、照明装置の設計の自由度が増すということになる。また、無負荷検出状態とエミレス検出状態を同じ信号系で監視することができるので、制御部3の設計が容易になるというメリットもある。
【0046】
(実施の形態4)
本実施の形態では、無負荷状態検出時あるいはエミレス状態検出時における制御部の消費電流を、通常点灯状態のそれよりも小さくしたものである。本実施の形態に係る照明装置のブロック図は、実施の形態1と同じく図2に示す通りである。
【0047】
実施の形態1では、制御部3は無負荷状態を検出すると、点灯時間の計時を停止し、調光信号によリ点灯回路部2が光源4に供給する電力を停止するように動作する。この時、点灯回路部2の消費電力が最も小さい状態になるのであっても、制御部3の消費電力は、光源の点灯/消灯に依らず変わらない。
【0048】
そこで、制御部3が無負荷状態を検出した時は、制御部3も消費電力を最も小さくなるようにする。制御部3の構成要素としては、実施の形態1で示した通り、マイコン31と不揮発性メモリ32であり、一般に不揮発性メモリは読み出しや書き込みのアクセスをしなければ、その消費電力は極めて小さいことを考えれば、制御部3として消費電力を抑えるには、マイコンの消費電力を抑えることになる。
【0049】
そこで、本実施の形態では、無負荷状態を検出した場合、マイコン31は自らスリープ状態に入るものとする。このスリープ状態とは、マイコンへの電源供給を停止したり、マイコンのリセット入力をLowにするといったハードウェアによるものではなく、ソフトウェアで行うものである。よって、マイコン31には、このような機能を持ったマイコンを用いるものとする。一般に、マイコンがスリープ状態に入ると、次に動作を再開するには、外部からの起動トリガが必要となる。この起動トリガには、無負荷検出信号を用いる。無負荷検出信号によっては、マイコンのトリガとして使えないものもあるので、制御部3は、図11に示すように、無負荷検出信号から起動トリガを生成するトリガ生成部34を有しておけば問題ない。この起動トリガを受けて、マイコンはウェイクアップし、動作を再開する。一般に、スリープ状態は、ハードウェアによるリセットとは異なり、マイコン内部のRAM値を保存できるなど違いがあり、マイコンのプ口グラム設計上、これを有効に使うことができる。
【0050】
このようにすることで、無負荷状態での消費電力を通常点灯状態のそれより格段に小さく抑えることができるので、光源が点灯もしていないのに、無駄な電力を消費することなく、省エネを図ることができる。本実施の形態では、実施の形態1を基に示したが、実施の形態2,3に応用することも容易に可能である。
【0051】
これらの場合、無負荷状態に加えて、エミレス状態においても、マイコンをスリープ状態とすればよい。実施の形態2の場合だと、本実施の形態と同様に無負荷検出信号から生成した起動トリガで、マイコンをウェイクアップさせればよいし、実施の形態3の場合だと、集積回路からの状態監視信号から生成した起動トリガでマイコンをウェイクアップさせればよい。
【0052】
(実施の形態5)
本実施の形態では、制御部が点灯時間をリセットした旨を使用者に報知するものである。本実施の形態に係る照明装置のブロック図は、実施の形態1と同様、図2に示す通りであり、照明装置1は、点灯回路部2、制御部3、光源4、無負荷検出部5により構成される。点灯時間をリセットする前までの動作は、実施の形態1と同様である。
【0053】
ここでは、電源投入後に不揮発性メモリ32から読み出した無負荷検出情報は“3”であった場合、点灯時間のリセットを行う旨の報知として、点灯回路部2への調光信号を変化して、光源4を所定の点灯状態で点灯するようにする。つまり、制御部3は所定の調光信号を出力するということである。同時に、点灯時間のリセットを行い、これを不揮発性メモリ32に書き込む。
【0054】
この所定の点灯状態は、予め制御部3で決められたものであり、例えば、一定周期で点灯/消灯あるいは調光を繰り返すものであっても、どのようなものであってもよい。この一定周期の点灯は、使用者が点灯時間のリセット作業を行った後、そのリセットが完了したことを報知するものである。制御部3としては、この一定周期の点灯が継続されている間は、点灯時間の計時を行ってもよいし、行わなくてもよい。無負荷状態の監視は常時行う。
【0055】
使用者は、この点灯状態を確認すると、照明装置が点灯時間をリセットしたことを認識する。このようにすることで、万が一、使用者が意図せず、点灯時間のリセットが作動した場合に、光源の光出力が低い状態で点灯していても、それが何によるものなのかを明確に認識することができる。
【0056】
(実施の形態6)
本実施の形態では、制御部が点灯時間をリセットする前に、リセット動作をキャンセルする手段を付加したものである。本実施の形態に係る照明装置のブロック図は、図12に示す通りであり、照明装置1は、点灯回路部2、制御部3、光源4、無負荷検出部5、ブザーBZにより構成される。点灯時間をリセットする前までの動作は、実施の形態1と同様である。
【0057】
ここでは、電源投入後に不揮発性メモリから読み出した無負荷検出情報は“3”であった場合、制御部3はそこから一定期間Zの間、ブザーBZに対してこれを鳴動させるよう信号出力する。この一定期間Zの間の鳴動は、実施の形態1において、使用者が簡単かつ確実に点灯時間のリセット作業を行った後の、最後の確認として報知するものである。よって、制御部3は、一定期間Zの間は、点灯時間のリセットは行わないし、点灯時間の計時も行わない。ただ、無負荷状態の監視は行っていても問題ないので、この機能は有効としておく。
【0058】
使用者は、ブザーBZの鳴動を確認すると、照明装置が点灯時間をリセットしようとしていることを認識する。そこで、本当にリセットしてもよいのであれば、このまま放置しておく。制御部3は、上記の一定期間Zの後、ブザーBZの鳴動を停止させ、通常の動作に戻って点灯時間の計時と所定の調光信号の出力を行う。この時、点灯時間は初期値にリセットされており、調光信号は初期値の点灯時間に従ったものとなる。
【0059】
反対に、リセットしたくないのであれば、使用者は一定期間Zの間に、照明装置への電源供給を止めることにより、リセットの動作をキャンセルできる。
【0060】
このリセットのキャンセル動作を、以下に示す。電源投入後に不揮発性メモリ32から読み出した無負荷検出情報は“3”であれば、一定期間Zの間、マイコン31は、ブザーBZを鳴動させるが、この一定期間Zの最初で、無負荷検出情報のリセットを行い(初期値“0”に戻し)、これを不揮発性メモリ32へ書き込む。それから一定期間Zの経過後、点灯時間のリセットを行い、これを不揮発性メモリ32へ書き込む。もし、一定期間Zの途中で、照明装置1への電源が切られた場合、マイコン31は点灯時間のリセットは行っておらず、次の電源再投入時に、不揮発性メモリ32から読み出した無負荷検出情報は“0”になっており、点灯時間は前回書き込んだ値のままであるので、そのまま動作を再開するだけである。つまり、点灯時間のリセットをキャンセルしたことになる。
【0061】
このようにすることで、実施の形態1で示した点灯時間のリセットの後で、間違えて中古品のランプを装着してしまった後にこれに気付いた場合においても、使用者にリセットする旨を報知し、さらにリセットをキャンセルする猶予を使用者に与えることができるので、上記のような人為的なミスまでをも回避することが可能となる。
【0062】
以上、全ての実施の形態において、制御部3は、点灯回路部2が実装される基板と同一の基板に実装されても良いし、別の基板に実装されても良い。別の基板に実装される場合、制御部3が実装される基板と点灯回路部2が実装される基板を、同一のケースに納めても良い。
本発明は、以上に説明した各実施の形態を適宜組み合わせて実施してもよく、同様に本発明の効果を生じるものである。
【0063】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、照明負荷の点灯時間の経過に伴う光源の光出力の低下を抑制する照明装置において、あらゆる使用環境や使用方法に適した点灯時間のリセットを、確実かつ簡単に行える比較的安価な照明装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の照明装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態1の照明装置の詳細な構成を示すブロック図である。
【図3】図2の照明装置の照度補正機能を説明するための説明図である。
【図4】図2の照明装置の制御部の構成を示すブロック図である。
【図5】図2の照明装置の制御部の動作を示すフローチャートである。
【図6】図2の照明装置を複数備える照明システムの配線図である。
【図7】本発明の実施の形態2の照明装置の構成を示すブロック図である。
【図8】図7の照明装置の制御部の動作を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施の形態3の照明装置の構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の実施の形態3の照明装置の集積回路による状態監視動作を説明するための説明図である。
【図11】本発明の実施の形態4の照明装置の制御部の構成を示すブロック図である。
【図12】本発明の実施の形態6の照明装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 照明装置
2 点灯回路部
3 制御部
4 光源
5 無負荷検出部
6 エミレス検出部
7 集積回路
BZ ブザー
31 マイコン
32 不揮発性メモリ

Claims (17)

  1. 光源と、
    光源へ電力を供給し、光源を点灯させる点灯回路部と、
    光源の無負荷状態を検出する無負荷検出部と、
    光源の点灯時間の計時や記憶、無負荷状態の監視や無負荷検出情報の記憶を行い、点灯時間や無負荷検出情報に応じて、点灯回路部の出力を制御する制御部から成る照明器具において、
    制御部は、電源投入後に、無負荷検出情報によって、記憶しているランプ点灯時間を初期値にリセットすることを特徴とする照明装置。
  2. 光源は放電灯であり、点灯回路部はインバータ回路より成ることを特徴とする請求項1記載の照明装置。
  3. 点灯回路部は、光源のエミレス状態を検出するエミレス検出部を有し、さらに、光源への供給電力の制御、無負荷検出部の状態監視、エミレス検出部の状態監視を行う集積回路を有し、制御部は、無負荷状態の監視やエミレス状態の検出は、集積回路の出力を監視することにより行い、点灯回路部の出力の制御は、集積回路へ調光信号を出力することにより行うことを特徴とする請求項1または2に記載の照明装置。
  4. 集積回路の出力は、アナログ電圧信号であり、アナログ電圧信号は、通常点灯状態と無負荷状態とエミレス状態とを、異なる電圧値で出力するものであり、制御部は、電圧値の違いで状態検出を行うことを特徴とする請求項3記載の照明装置。
  5. 無負荷状態あるいはエミレス状態での制御部の消費電流は、通常点灯状態でのそれよりも小さくなるよう、制御部が動作することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の照明装置。
  6. 無負荷検出情報は、電源投入から所定の時間内の無負荷検出の回数であることを特徴とする請求項1記載の照明装置。
  7. 点灯時間のリセットを行った後に、その旨を報知する手段を有することを特徴とする請求項1記載の照明装置。
  8. 点灯時間のリセットを行う前に、その旨を報知する手段を有することを特徴とする請求項1記載の照明装置。
  9. 報知手段は、光源を所定の状態で点灯させることによることを特徴とする請求項7または8に記載の照明装置。
  10. 報知手段は、ブザーの鳴動によることを特徴とする請求項7または8に記載の照明装置。
  11. 報知した後、あるいは報知している間に、点灯時間のリセット動作をキャンセルする手段を有することを特徴とする請求項8記載の照明装置。
  12. キャンセル手段は、電源の遮断によることを特徴とする請求項11記載の照明装置。
  13. 制御部は、マイクロコンピュータと不揮発性メモリから成ることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の照明装置。
  14. 制御部は、点灯回路部が実装される基板と同一の基板に実装されることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の照明装置。
  15. 制御部は、点灯回路部が実装される基板とは別の基板に実装されることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の照明装置。
  16. 制御部が実装される基板と点灯回路部が実装される基板は、同一のケースに納められることを特徴とする請求項15記載の照明装置。
  17. 請求項1〜16のいずれかに記載の照明装置を具備することを特徴とする照明器具。
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