JP2004247080A - 燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】水素イオン供給用アルコール類を利用した簡素な構成をもつ再生形の燃料電池を提供する。
【解決手段】陰極側反応容器内で水素イオン供給用アルコール類を触媒に接触させ直接に水素イオンを生成し、正極側反応容器で酸素イオンと反応させて電力を発生するとともに、発電反応後には、系外からの電力を用いて正極側反応容器で水素イオンを生成し、負極側のケトン類と反応させて水素イオン供給用アルコール類を再生することを特徴とする再生形燃料電池である。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、負極側容器内で、水素イオン供給用アルコール類の触媒反応により水素イオンを直接に生成し、正極側で生成される酸素イオンと反応させて発電するとともに、発電後に系外からの電力を用いて水素イオン供給用アルコール類を再生することができるリチャージブルな燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
固体高分子形燃料電池にかかる各種要素技術の研究開発の進展にともない、より簡素でコンパクトな燃料電池システムの実現化に向けた開発が各方面により鋭意取り組まれてきている。
【0003】
それらの多くは、主に燃料電池用の水素の供給方法、とりわけメタノール等の水蒸気改質(酸化反応)や電気分解などによる水素生成プロセスにかかる技術に関するものとなっている。
燃料電池に直接メタノール等の液体燃料を供給する燃料直接供給形の燃料電池としては、特開2002−252017号公報、特開2002−222656号公報、特願2000−294508号公報、特開2001−313047号公報、他多数の先行技術が開示されている。
しかしながら、メタノールを用いる直接形燃料電池では、固体高分子膜をメタノールが透過してしまうクロスオーバーが生じ、発電効率が著しく低下することや、メタノールの反応によりCO2が発生することなど、現在も実用化に向けた大きな課題が未解決となっている。
【0004】
また、燃料電池システムのコンパクト化とともに、蓄電池の如くの充電可能化についても、家電製品分野等の燃料電池システム応用分野での実用上、重要な技術開発の方向性となっており、水の電気分解などにより水素を生成し、それを燃料電池供給用として貯蔵する方法が一般的なものとなっている。
このような再生形の燃料電池システムとしては、特開2002−348694号公報、特開2001−157385号公報、などが開示されている。
しかしながら、水素をガス体として貯蔵するためには容積や重量を必要とするため実用上の制約があるものとなっていた。
【0005】
さらに、上記のメタノール燃料を利用した燃料電池の場合、再生形を構成するときは、メタノール燃料の再生が不可能であるために、電気分解水素等の貯蔵部を別に設ける必要があり、実用上は再生形の燃料電池を構成することは困難となっていた。
【0006】
本願発明者は、上記のような状況に対して、有機化合物の水素化物である有機ハイドライドの脱水素反応または水素化反応を用いて、燃料電池用の水素の供給または貯蔵を行う技術を応用して、燃料電池の負極側に有機ハイドライドを直接供給して水素イオン化し、燃料電池を作動させるとともに、正極側で、系外からの電力により生成する電気分解水素を触媒により水素イオン化し負極側に透過させて、脱水素化合物等を直接に水素化して有機ハイドライドに再生する極めて簡素な構成による再生形の燃料電池を開発し、本願出願時点では、特願2001−233448号として既に出願している。
【0007】
発明者らは、上記の発明に関連して実証的な研究開発に取り組んできたが、有機ハイドライドと接触する固体高分子膜膜等の燃料電池の構成部材の耐久性の改善や、上記の発明と技術的な思想を同一にし、かつ、実用上の応用範囲の広範囲化のために、有機ハイドライド以外の物質についての再生形の燃料電池用の燃料物質の探索に鋭意取り組んできた。
【0008】
その結果、2−プロパノールに代表される第二級アルコール類を液体燃料として利用して、上記発明の構成に準じた直接形燃料電池を実現できる可能性が見出された。第二級アルコール類は、直接形燃料電池の課題であるクロスオーバーがメタノールよりも発生しないとともに、脱水素により生じるケトン類も固体高分子形燃料電池において物性的な障害も与えないものであった。
また、ケトン類は水素イオンを与えられ第二級アルコールに再生されるため、本願発明者の技術的思想である再生形の燃料電池に利用できるものの、2−プロパノールを利用する燃料電池において再生形の技術的思想を持つものは見出せなかった。
2−プロパノールを利用した水素生成技術については、特開2002−284502号公報により触媒を用いて水素を生成する技術として公知となっているが、同技術では350℃以上の高温を必要とする水蒸気改質法であり、固体高分子形燃料電池には活用できるものではなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、このような従来技術の課題点等に鑑み、水素イオン供給用アルコール類を利用した簡素な構成をもつ再生形の燃料電池を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本願発明者らは上記課題の解決のために鋭意研究開発を行い、固体高分子形燃料電池の作動温度帯で、燃料電池の陰極側反応容器内で水素イオン供給用アルコール類を触媒に接触させ直接に水素イオンを生成し、正極側反応容器で酸素イオンと反応させて電力を発生するとともに、発電反応後には、系外からの電力を用いて正極側反応容器で水素イオンを生成し、負極側のケトン類と反応させて水素イオン供給用アルコール類を再生する、簡素な構成をもつ再生形の燃料電池を発明するにいたった。
【0011】
すなわち、本願請求項1の発明は、負極側で水素イオン供給用アルコール類を触媒に接触させて水素イオン及びケトン類を生成し、水素イオンを選択的に透過する水素イオン透過性電解質膜を透過させて、正極側で触媒の存在下で水素イオンと酸素イオンとを反応させて電力を発生させるように構成されていることを特徴とする燃料電池を提供する。
【0012】
請求項2の発明は、負極側で水素イオン供給用アルコール類を触媒に接触させて水素イオン及びケトン類を生成し、水素イオンを選択的に透過する水素イオン透過性電解質膜を透過させて、正極側で触媒の存在下で水素イオンと酸素イオンとを反応させて電力を発生させ、上記反応後には、正極と負極に電位差を与え、正極側では水又は水蒸気の電気分解により水素イオンが生成し、固体高分子膜を透過させて、負極側のケトン類と該水素イオンとから水素イオン供給用アルコール類を再生することができることを特徴する燃料電池を提供する。
【0013】
請求項3の発明は、水素イオン透過性電解質膜と、導電性のある触媒と拡散部材とが着接された集電極体と、反応容器と、から構成される燃料電池であって、水素イオン透過性電解質膜は、その一面に正極側集電極体が、反対面には負極側集電極体が、それぞれの触媒面が着接するように配設され、正極側集電極体と負極側集電極体とその間の水素イオン透過性電解質膜とが全体として層状に集成されて、同形状の開口部が設けられた正極側反応器と負極側反応器により開口部を当接させて挟み込んで、相互に緊合密着されて一体化され、発電反応時には、正極側反応器には酸化剤が供給され、負極側反応器には水素イオン供給用アルコール類が供給され、正極側反応容器では酸化剤が正極側触媒に接触して酸素イオンが生成し、負極側反応容器では水素イオン供給用アルコール類が負極側触媒に接触して水素イオン及びケトン類が生成し、水素イオンが水素イオン透過性電解質膜を透過して酸素イオンと反応することで、正極側集電極体と負極側集電極体との間に電位差が生じて電力を発生し、上記発電反応後の充電時には、正極側反応器には水又は水蒸気が供給され、正極側集電極体と負極側集電極体に系外より導入する電力により電位差が与えられ、正極側反応容器では水又は水蒸気が電気分解され水素イオンが生成し、水素イオンが水素イオン透過性電解質膜を透過して、負極側反応容器ではケトン類と該水素イオンが反応して、水素イオン供給用アルコール類を再生することができることを特徴とする燃料電池を提供する。
【0014】
請求項4の発明は、前記水素イオンを選択的に透過する水素イオン透過性電解質膜が、固体高分子電解質膜であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の燃料電池を提供する。
【0015】
請求項5の発明は、前記触媒が、金属触媒が、白金、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、ニッケル、コバルト、鉄、レニウム、バナジウム、クロム、タングステン、モリブデン、又は銅から構成される群から選定された少なくとも1つ、又はそれらの化合物を含有するものであることを特徴とした請求項1から請求項4のいずれかに記載の燃料電池を提供する。
【0016】
請求項6の発明は、前記触媒が、金属触媒が白金とルテニウムのバイメタリック触媒であることを特徴とした請求項1から請求項4のいずれかに記載の燃料電池
【0017】
請求項7の発明は、前記触媒が、触媒担体が、活性炭素繊維、アルミナ、チタニア、ジルコニア、シリカ、ゼオライト、メソ多孔質材、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、又はフラーレンのいずれかであることを特徴とした請求項1から請求項6のいずれかに記載の燃料電池を提供する。
【0018】
請求項8の発明は、前記拡散部材が、触媒担体となり触媒が担持されることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の燃料電池を提供する。
【0019】
請求項9の発明は、前記水素イオン供給用アルコール類の負極側への供給は、ガス状態又は噴霧状態で行われることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載の燃料電池を提供する。
【0020】
請求項10の発明は、燃料電池作動温度を供給する加熱手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれかに記載の燃料電池を提供する。
【0021】
請求項11の発明は、前記水素イオン透過性電解質膜を加湿する加湿手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれかに記載の燃料電池を提供する。
【0022】
請求項12の発明は、前記加湿手段が、前記水素イオン供給用アルコール類が親水性であるときは、水溶液として負極側に供給することによるものであることを特徴とする請求項11に記載の燃料電池を提供する。
【0023】
請求項13の発明は、前記水素イオン供給用アルコール類が、飽和鎖状アルキル基又はその誘導体を持つアルコール(異性体を含む。)、シクロヘキシル基又はその誘導体を持つアルコール(異性体を含む。)、不飽和鎖状アルキル基又はその誘導体を持つアルコール(異性体を含む。)、飽和環状アルキル基又はその誘導体を持つアルコール(異性体を含む。)、不飽和環状アルキル基又はその誘導体を持つアルコール(異性体を含む。)、その他の第二級アルコール不飽和環状アルキル基又はその誘導体を持つアルコール(異性体を含む。)、のいずれかに属する第二級アルコール類又はそれらの混合物であることを特徴とする請求項1から請求項12のいずれかに記載の燃料電池を提供する。
【0024】
請求項14の発明は、前記水素イオン供給用アルコール類が、飽和鎖状アルキル基およびその誘導体を持つアルコール(異性体を含む。)、不飽和鎖状アルキル基又はその誘導体を持つモノオール(異性体を含む。)、のいずれかに属する第一級アルコール類又はそれらの混合物であることを特徴とする請求項1から請求項12のいずれかに記載の燃料電池を提供する。
【0025】
請求項15の発明は、前記酸素イオンの供給物質あるいは酸化剤が、酸素ガス、空気、酸素含有ガス、過酸化水素水のいずれかであることを特徴とする請求項1から請求項14のいずれかに記載の燃料電池を提供する。
【0026】
【発明の実施の形態】
図1に、本願発明の実施例の基本構成を示す。
本発明は、燃料電池の負極側反応容器の内部に、水素イオン供給用アルコール類が保持され、触媒に接触して水素イオンとケトン類が生成し、水素イオンが水素イオン透過性電解質膜を透過する水素イオン生成、供給の構成と、燃料電池の正極側反応容器の内部に保持された酸化剤が触媒と接触して酸素イオンを生成し、上記イオン透過性電解質膜を透過した水素イオンと反応して水を生成すると同時に、正極側、負極側に配設された集電極体との間に電位差が生じて電気を発生する燃料電池の構成とからなるものである。
【0027】
また、図1の実施例では、発電反応が進行した後、正極側、負極側の集電極体との間に、系外より導入した電力により電位差を与えると、生成した水等の電気分解により水素イオンを生成し、上記イオン透過性電解質膜を正極側から負極側に透過した水素イオンが負極側でケトン類と反応して水素イオン供給用アルコール類が再生される。電力を与えると本願発明の燃料電池の燃料となる水素イオン供給用アルコール類が再生されることから、蓄電池を充電する如く燃料電池を再生することができるものである。
【0028】
水素イオン供給用アルコール類及び酸化剤は、本願発明の燃料電池の組み立て時に予め充填されてもよいし、それぞれの供給装置(図示せず。)により連続的に、又は完結的に外部から循環供給されてもよい。
酸化剤は、本願請求項14の発明のように、空気又は酸素ガスのガス体であるか、過酸化水素を含有する水溶液などの液体であるかの、いずれでもよく、触媒との接触により酸素イオンを生成する。
ただし、発電時には正極側容器内で水素イオンと酸素イオンが反応して水(水蒸気)を生成するため、水蒸気排出供給装置(図示せず。)により、正極側反応容器内への水の滞留を防ぐように生成した水(水蒸気)を排出して、充電時は、正極側反応容器に水(水蒸気)を供給することが望ましい。
【0029】
触媒は、金属触媒が、本願請求項5の発明のように、白金、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、ニッケル、コバルト、鉄、レニウム、バナジウム、クロム、タングステン、モリブデン、または銅から構成される群から選定された少なくとも1つ、またはそれらの化合物を含有するものが好適である。
特に、本願請求項6の発明のとおり、白金とルテニウムのバイメタリック触媒を利用すると、水素イオン生成が著しく進行し、白金よりも出力密度(W/cm2)が2.5倍も向上するため、白金とルテニウムのバイメタリック触媒が実用上極めて有効である。
【0030】
触媒担体としては、本願請求項7の発明のように、活性炭素繊維、アルミナ、チタニア、ジルコニア、シリカ、ゼオライト、メソ多孔質材、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、またはフラーレンのいずれかが好適である。
請求項8の発明のように、拡散部材が、触媒担体となり触媒が担持される(触媒担体が拡散部材となるときも含む。)ようにすると、燃料電池の構成がさらに簡素なものとなり望ましい。
【0031】
水素イオン供給用アルコール類のうち第二級アルコール類である2−プロパノールを使用する場合、2−プロパノールの水素イオン生成反応は、吸熱反応であるが、概40℃〜100℃固体高分子形燃料電池の作動温度帯で反応が進行するために、燃料電池作動のための加熱で水素イオン生成が進行する。
本願発明者の技術的成果であるシクロヘキサン等の有機ハイドライドを燃料として用いたときは反応温度と比例して燃料電池出力が上昇したが、第二級アルコール類では、概80℃〜100℃の温度帯では、温度を上昇させると出力が低下するものとなった。このため、固体高分子形燃料電池の運転と極めて整合性がよいものとなっている。
【0032】
このため、本願請求項11の発明のとおり、燃料電池作動温度を供給する加熱手段(図示せず。)で、燃料電池の作動温度ともに、水素イオン供給用アルコール類の反応温度を供給することができ、燃料電池システムの構成の簡素化が図られるものとなっている。
【0033】
負極側反応容器で水素イオンを生成する水素イオン供給用アルコール類としては、請求項13の発明のとおり、飽和鎖状アルキル基又はその誘導体を持つアルコール(異性体を含む。)、シクロヘキシル基又はその誘導体を持つアルコール(異性体を含む。)、不飽和鎖状アルキル基又はその誘導体を持つアルコール(異性体を含む。)、飽和環状アルキル基又はその誘導体を持つアルコール(異性体を含む。)、不飽和環状アルキル基又はその誘導体を持つアルコール(異性体を含む。)、その他の第二級アルコール不飽和環状アルキル基又はその誘導体を持つアルコール(異性体を含む。)、のいずれかに属する第二級アルコール類又はそれらの混合物を利用することができる。
【0034】
また、請求項14の発明のとおり、前記水素イオン供給用アルコール類が、飽和鎖状アルキル基およびその誘導体を持つアルコール(異性体を含む。)、不飽和鎖状アルキル基又はその誘導体を持つモノオール(異性体を含む。)、のいずれかに属する第一級アルコール類又はそれらの混合物も利用することができる。
【0035】
発明者の研究によれば、第二級アルコール類の中でも2−プロパノールを用いると、同様規模の燃料電池セルを使用して水素を供給した場合の約1/2までの出力密度(W/cm2)が得られ、また、メタノールを利用したときの約3倍の出力密度となる。また、第二級アルコール類のシクロヘキサノールの倍以上の出力密度ともなっており、2−プロパノールの利用が実用上有効となっている。
【0036】
正極側反応容器と負極側反応容器は、開口部を対向させて水素イオン透過性電解質膜を挟入して相互に緊合密着させることができるとともに、内包する物質に対する腐食耐性や無反応性を有する材質で成形され、内包する物質をリークしない材質及び形状であれば任意の形状とすることができる。
また、本願発明の構成は円筒状の反応容器とすることもでき、正極側を円筒外側に、負極側を円筒内側に配置して、円筒外側に酸化剤が接触し、円筒内側に水素イオン供給用アルコール類が供給される構成とすることもできる。
【0037】
水素イオン透過性電解質膜は、水素イオンを選択的に透過するものであれば任意のものを選択することができ、実用的には、本願請求項4の発明のとおり、固体高分子膜が利用される。その他、金属製やセラミックス製のイオン交換膜を利用することも可能である。
【0038】
【実施例】
次に、本発明に係る燃料電池の実施例を説明する。本実施例では、10cm2の反応容器断面積をもつ小型の装置で、水素イオン供給用アルコール類に2−プロパノール、酸化剤に空気(酸素)を利用して、補助電源により加熱手段により燃料電池全体に反応温度80℃を供給した。触媒には白金とルテニウムのバイメタリック触媒を用いた。その結果、2−プロパノールは水素イオンを発生し、2−プロパノールからアセトンが生成した。このとき、固体高分子燃料電池が作動して電力密度0.15W/cm2の電力を得ることができた。装置全体では、出力電圧0.5Vで15Wの電力を得ることができた。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、水素イオン供給用アルコール類を利用した簡素な構成をもつ再生形の燃料電池を提供することができるものである。
【0040】
本発明は、上記の説明に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の燃料電池の断面図。基本構成を示す。
【符号の説明】
10 水素イオン透過性電解質膜
20 触媒
30 拡散部材
40 正極側集電極体
50 負極側集電極体
60 正極側反応容器
70 負極側反応容器
80 酸化剤
90 水素イオン供給用アルコール類

Claims (15)

  1. 負極側で水素イオン供給用アルコール類を触媒に接触させて水素イオン及びケトン類を生成し、水素イオンを選択的に透過する水素イオン透過性電解質膜を透過させて、正極側で触媒の存在下で水素イオンと酸素イオンとを反応させて電力を発生させるように構成されていることを特徴とする燃料電池
  2. 負極側で水素イオン供給用アルコール類を触媒に接触させて水素イオン及びケトン類を生成し、水素イオンを選択的に透過する水素イオン透過性電解質膜を透過させて、正極側で触媒の存在下で水素イオンと酸素イオンとを反応させて電力を発生させ、
    上記反応後には、正極と負極に電位差を与え、正極側では水又は水蒸気の電気分解により水素イオンが生成し、固体高分子膜を透過させて、負極側のケトン類と該水素イオンとから水素イオン供給用アルコール類を再生することができることを特徴する燃料電池
  3. 水素イオン透過性電解質膜と、導電性のある触媒と拡散部材とが着接された集電極体と、反応容器と、から構成される燃料電池であって、
    水素イオン透過性電解質膜は、その一面に正極側集電極体が、反対面には負極側集電極体が、それぞれの触媒面が着接するように配設され、正極側集電極体と負極側集電極体とその間の水素イオン透過性電解質膜とが全体として層状に集成されて、同形状の開口部が設けられた正極側反応器と負極側反応器により開口部を当接させて挟み込んで、相互に緊合密着されて一体化され、
    発電反応時には、正極側反応器には酸化剤が供給され、負極側反応器には水素イオン供給用アルコール類が供給され、正極側反応容器では酸化剤が正極側触媒に接触して酸素イオンが生成し、負極側反応容器では水素イオン供給用アルコール類が負極側触媒に接触して水素イオン及びケトン類が生成し、水素イオンが水素イオン透過性電解質膜を透過して酸素イオンと反応することで、正極側集電極体と負極側集電極体との間に電位差が生じて電力を発生し、
    上記発電反応後の充電時には、正極側反応器には水又は水蒸気が供給され、正極側集電極体と負極側集電極体に系外より導入する電力により電位差が与えられ、正極側反応容器では水又は水蒸気が電気分解され水素イオンが生成し、水素イオンが水素イオン透過性電解質膜を透過して、負極側反応容器ではケトン類と該水素イオンが反応して、水素イオン供給用アルコール類を再生することができることを特徴とする燃料電池
  4. 前記水素イオンを選択的に透過する水素イオン透過性電解質膜が、固体高分子電解質膜であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の燃料電池
  5. 前記触媒は、金属触媒が、白金、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、ニッケル、コバルト、鉄、レニウム、バナジウム、クロム、タングステン、モリブデン、又は銅から構成される群から選定された少なくとも1つ、又はそれらの化合物を含有するものであることを特徴とした請求項1から請求項4のいずれかに記載の燃料電池
  6. 前記触媒は、金属触媒が白金とロジウムのバイメタリック触媒であることを特徴とした請求項1から請求項4のいずれかに記載の燃料電池
  7. 前記触媒は、触媒担体が、活性炭素繊維、アルミナ、チタニア、ジルコニア、シリカ、ゼオライト、メソ多孔質材、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、又はフラーレンのいずれかであることを特徴とした請求項1から請求項6のいずれかに記載の燃料電池
  8. 前記拡散部材が、触媒担体となり触媒が担持されることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の燃料電池
  9. 前記水素イオン供給用アルコール類の負極側への供給は、ガス状態又は噴霧状態で行われることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載の燃料電池
  10. 燃料電池作動温度を供給する加熱手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれかに記載の燃料電池
  11. 前記水素イオン透過性電解質膜を加湿する加湿手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれかに記載の燃料電池
  12. 前記加湿手段は、前記水素イオン供給用アルコール類が親水性であるときは、水溶液として負極側に供給することによるものであることを特徴とする請求項11に記載の燃料電池
  13. 前記水素イオン供給用アルコール類は、飽和鎖状アルキル基又はその誘導体を持つアルコール(異性体を含む。)、シクロヘキシル基又はその誘導体を持つアルコール(異性体を含む。)、不飽和鎖状アルキル基又はその誘導体を持つアルコール(体異性体を含む。)、飽和環状アルキル基又はその誘導体を持つアルコール(異性体を含む。)、不飽和環状アルキル基又はその誘導体を持つアルコール(異性体を含む。)、その他の第二級アルコール不飽和環状アルキル基又はその誘導体を持つアルコール(異性体を含む。)、のいずれかに属する第二級アルコール類又はそれらの混合物であることを特徴とする請求項1から請求項12のいずれかに記載の燃料電池
  14. 前記水素イオン供給用アルコール類は、飽和鎖状アルキル基およびその誘導体を持つアルコール(異性体を含む。)、不飽和鎖状アルキル基又はその誘導体を持つモノオール(異性体を含む。)、のいずれかに属する第一級アルコール類又はそれらの混合物であることを特徴とする請求項1から請求項12のいずれかに記載の燃料電池
  15. 前記酸素イオンの供給物質あるいは酸化剤は、酸素ガス、空気、酸素含有ガス、過酸化水素水のいずれかであることを特徴とする請求項1から請求項14のいずれかに記載の燃料電池
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