JP2004246994A - マスタディスクの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シリコン基板10上のフォトレジスト12の表面に対し、所定の磁気パターンに相当する露光を行ない感光させる(c)。レジスト面を現像液に浸漬し、露光された部分のレジストを取り除く(d)。露出したSiO2膜11をエッチングし、基板10の表面が現れた時点でエッチングの進行を停止し、フォトレジスト12に形成されたパターンをSiO2膜11に転写する(e)。加熱によりフォトレジスト12を除去し、SiO2膜11のマスクを形成する(f)。このマスクにより、基板10が露出した所定パターンの部分をエッチングし、所定の深さの溝部13を形成する(g)。基板10の溝部13および残りのSiO2膜11上に軟磁性膜14をスパッタリングし、溝部13に軟磁性膜14を埋め込む(h)。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、現在コンピュータの外部記録装置として主流となっている磁性膜を記録材料として用いるハードディスクドライブ(以下、HDDと略記)において、磁気記録ディスク表面に書き込まれているデータの書き込み/読み出しを行うヘッドの位置決め用サーボ信号または特定のデータを磁気的な転写技術を用いて書き込むための磁気転写用マスタディスクの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
HDDでは、回転している磁気記録媒体の表面上を、磁気ヘッドがスライダと呼ばれる浮上機構によってディスク表面上数十nmの距離を保って浮上しながらデータの記録・再生が行われている。磁気記録媒体上のビット情報は媒体に同心円上に配置されたデータトラックに格納されており、データ記録・再生用ヘッドは媒体面上の目的のデータトラックに高速で移動・位置決めされることによってデータの記録・再生を行っている。
【0003】
磁気記録媒体面上には、ヘッドとデータトラックとの相対位置を検出するための位置決め信号(サーボ信号)が同心円上に書き込まれており、データの記録再生を行っているヘッドが一定時間間隔で自分の位置を検出している。このサーボ信号の書き込み信号の中心が、媒体の中心(あるいはヘッドの軌道の中心)から偏心しないよう、HDD装置に磁気記録媒体を組み込んだ後、サーボライタと呼ばれる専用の装置を用いて書き込まれる。
【0004】
現在、開発段階で記録密度が100Gbits/in2に達するとともに、年率60%で記録容量が増加している。これに伴って、ヘッドが自分の位置を検出するためのサーボ信号の密度も上昇しており、サーボ信号の書込み時間も年々増加する傾向にある。このサーボ信号の書込み時間の増加は、HDDの生産性低下、コスト増加をもたらす一つの大きな要因になっている。
【0005】
最近になって上述したサーボライタの信号書込みヘッドを用いてサーボ信号を書き込む方式に対して、磁気的な転写によってサーボ信号を一括して書き込み、飛躍的にサーボ情報の書き込み時間を短縮しようとする技術開発が行われている。図6および図7は、この磁気転写技術を説明したものである。
【0006】
図7(a)は磁気記録媒体の表面上を永久磁石が一定間隔(1mm以下)を保ちながら移動する様子を基板の断面方向から表したものである。基板上に成膜された磁性膜は当初一定方向に磁化された状態にはないが、永久磁石のギャップから漏れた磁界によって一定方向に磁化される。(図7(a),(b)中の磁性膜に記された矢印は磁化の方向を表す。)この工程は初期消磁工程と呼ばれる。
【0007】
図6(a)の矢印は永久磁石の移動路を表したもので、磁性層は円周方向に一様に磁化される。図6(b)は磁気転写用マスタディスク(以下、マスタディスクと略記)を磁気記録媒体の上に配置し、位置合わせを行っている状態を表している。
【0008】
図6(c)は、マスタディスクを磁気記録媒体の表面に密着させ、磁気転写用の永久磁石を同図中の移動路(矢印で図示)に沿って移動させることによって磁気転写を行う様子を表している。
【0009】
図7(b)は磁気転写を説明したものである。マスタディスクはシリコン基板の媒体表面に接する面側に、同図に示したように軟磁性膜(図ではCo系軟磁性膜)が埋め込まれた構造をしている。
【0010】
図7(b)のように永久磁石と磁気記録媒体の間に軟磁性膜のパターンを埋め込んだシリコン基板を介すると、永久磁石から漏れてシリコン基板に浸透した磁界(転写信号書込み磁界の向きは消磁磁界と反対方向)は、軟磁性膜の無い位置では再びシリコン基板を透過して磁性層を磁化することが出来るが、軟磁性パターンがある部分では磁気抵抗の小さい磁気経路となるように軟磁性膜を通過する。このため、軟磁性層のある位置ではシリコン基板から漏れ出す磁界が小さくなり、新たに磁化の書き込みは行われない。以上のような機構でサーボ信号の磁気転写が行われる。
【0011】
現在のマスタディスクの製造工程(特許文献1)を図8に示し、次に各工程の説明を行う。
【0012】
第1工程:シリコン基板(板厚〜500μm)の表面に、スピンコータを用いてレジスト(厚さ1.2μm)を塗布した後(図8(a))、レジストに対して、通常のシリコン半導体の製造方法と同様の光リソグラフィ法を用いて磁気パターンのパターンニングを行う(図8(b))。なお、レジストは第2工程のエッチング用マスクとして使用するが、ノボラック系の材料であるためエッチングに対してさほど強固ではないので、エッチングによっても消滅しないように厚みを持たせることが重要である。
【0013】
第2工程:反応性プラズマエッチング法(反応ガス:三塩化メタン)を用いてシリコン基板を500nmドライエッチングする(図8(c))。
【0014】
第3工程:スパッタリング法を用いて、レジストを残した状態で、Co(コバルト)の軟磁性膜を500nm厚に成膜する(図8(d))。
【0015】
第4工程:Co軟磁性膜の成膜後、レジストを溶かす溶剤中にシリコン基板を(超音波等も必要に応じて使用しながら)浸漬し、Co軟磁性膜とシリコン基板の間のレジストを溶解し、取り除く(図8(e))。
【0016】
さらに、特許文献2は、パターンの微細化のためにメタルパターンを用いることを開示している。特許文献3は、記録媒体の飽和磁束密度は大きいほど好ましいことを開示している。特許文献4には磁性層の組成が記載されている。
【0017】
【特許文献1】
特開2001−126247号公報
【0018】
【特許文献2】
特開2001−102446号公報
【0019】
【特許文献3】
特開2002−237022号公報
【0020】
【特許文献4】
特開2001−155336号公報
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
図9(a)〜(g)は、上記従来の工程でエッチングされた溝にCo軟磁性膜を埋め込んだ断面形状を示す。図9(a)〜(g)は溝幅が異なり、図9(a)から順に、0.5μm,1.0μm,1.5μm,2.0μm,2.5μm,3.0μm,3.5μmの場合を示し、下の層から順にシリコン基板、レジスト(膜厚1.2μm)、軟磁性膜(膜厚0.5μm)を表わしている。
【0022】
フォトレジストの側壁に直進性の悪いスパッタ粒子が付着し、これが成長することにより、直進性の良いスパッタ粒子の進行を阻害し、溝の両端での成膜レートが低下することによって、膜厚分布が生じるのである。
【0023】
また、溝幅と溝部での膜厚との関係を図10に示す。図10において、横軸の溝幅が2.5μmにおいて上の曲線から順に底面中央、底面左端、底面右端、側面左端、側面右端の軟磁性膜の膜厚を示している。
【0024】
これらの図から、溝福が狭くなれば、溝に堆積する膜厚分布が顕著になることが解り、図10では1.0μm以下の溝幅では無視出来ないほど顕著になる。
【0025】
このように膜厚分布が顕著になり、膜厚の薄い部分が発生すると、この部分で軟磁性膜が磁気飽和状態になり、軟磁性膜以外の部分に外部磁界が漏洩し、転写された磁化パターン幅が図11に示すように設計値(膜厚分布が無い図12の理想状態)よりも狭くなってしまう。最悪の場合は、軟磁性膜の直下であっても磁化反転が起き、いわゆるビット抜けを生じる問題がある。
【0026】
このため、溝幅が1.0μm以下でも、溝部に埋め込まれた軟磁性膜の膜厚分布を低減する手法が望まれる。図13は、軟磁性膜が無い場合の磁化の様子を表わしている。
【0027】
なお、磁気転写には、図7に示したように永久磁石によって作られた磁界の大部分がマスタディスクに埋め込まれた軟磁性膜を通過し、マスタディスクに密着された磁気記録媒体の磁性層への磁界が、磁化反転を起こすHc以下であることが要求される。なお、軟磁性膜が磁気飽和してしまうと、磁界が磁気記録媒体の磁性層へ漏洩して、最悪の場合には磁化反転を起こすHc以上になってしまい、結果的に、予期しない誤った位置に磁気パルスが得られる問題が生じる。
【0028】
したがって、軟磁性膜は飽和磁束密度が高い材料であり、十分な膜厚があることが要求される。このため、現行のマスタディスクでは、軟磁性層の材料をコバルトとし、膜厚:0.5μmとして製造している。
【0029】
図14(a),(b)は、図15における軟磁性膜の厚みTを変えたときの磁気記録層の表面磁界Ha,Hb,Hgの強度を表しており、図14(a),(b)中のHaの線が、軟磁性膜下での記録磁界Hexに対する表面磁界強度を表わす。記録磁界Hexが同一の条件では、軟磁性膜の厚みTが薄い方が、記録磁界Hexが弱くとも漏洩することを示している。上記のように、サブミクロン幅の溝への軟磁性膜の埋め込みに関して、次の課題がある。
・軟磁性膜の厚みを薄くし、溝の側壁へのスパッタ粒子の付着量を低減し、溝に埋め込まれた軟磁性膜の膜厚分布を低減すること。
・記録磁界が印加されても、磁気飽和を起こすことが無いように、単位面積当たりの磁束密度を、軟磁性膜の飽和磁束密度以下にすること。
【0030】
本発明の目的は、上記の課題を解決することのできる磁気転写用マスタディスクの製造方法を提供することである。
【0031】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために本発明では、Si基板上の所定パターンの磁性膜を介して磁気記録媒体に磁気パターンを転写するために用いるマスタディスクの製造方法において、前記Si基板の表面にSiO2膜を形成する第1工程と、前記SiO2膜を前記所定パターンで除去する第2工程と、残った前記SiO2膜をマスクとして用い、エッチング手法により前記Si基板に前記所定パターンの溝を形成する第3工程と、前記溝に軟磁性膜を埋め込む第4工程とを有する形態を実施した。
【0032】
ここで、前記第4工程において、前記軟磁性膜をコバルト(Co)としても良く、鉄(Fe)とコバルト(Co)または鉄とコバルトとニッケル(Ni)の合金とする形態が好ましい。
【0033】
ここで、前記合金の組成を、原子比でFe:52〜72%,Co:28〜48%,Ni:0〜3%とする形態が好ましい。
【0034】
ここで、前記第2工程は、前記SiO2膜上にフォトレジストを形成すること、該フォトレジストをフォトリソグラフィ手法により前記所定パターンで除去すること、および、残った前記フォトレジストをマスクとして用い、エッチング手法により前記SiO2膜を除去することを含む形態が好ましい。
【0035】
上記各形態のマスタディスクの製造方法によれば、許容される単位面積当たりの磁束密度を高く出来、軟磁性層の厚みを薄くし、サブミクロン幅の溝への軟磁性膜の埋め込みの膜厚分布の改善を図ることが出来る。
【0036】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1は、本発明に係るマスタディスクの製造方法の第1実施形態を示す工程図である。従来の図8の工程との相違点は、エッチングによるSi基板の溝加工に用いるマスクをSiO2膜で形成する工程を有する点である。
【0037】
溝加工時のエッチング用マスクにSiO2膜を用いた理由は、溝加工時のエッチングレートがレジストとSiでは1:3であるのに対して、SiO2とSiでは1:20のため、Si基板に対して同じ深さの溝をエッチングするために必要なマスクの厚みが従来のレジストでは1.2μmに対して、SiO2膜では0.2μmで良いためである。
【0038】
以下、溝加工時のエッチング用マスクにSiO2膜を用い、軟磁性膜のスパッタリングにおいて、コバルト(Co)で軟磁性膜を形成して溝部に埋め込むマスタディスクの製造方法の実施形態について、図1を参照して説明する。
【0039】
第1工程:シリコン基板10の表面を熱酸化処理することにより、0.2μmの膜厚のSiO2膜11を形成する(図1(a))。
【0040】
第2工程:熱酸化処理が施されたシリコン基板10の表面のSiO2膜11に、フォトレジスト12を膜厚0.2μmで塗布する(図1(b))。後述する酸化膜エッチング装置でのエッチングレートは、フォトレジスト:SiO2=1:2であるので、第1工程で形成された膜厚0.2μmのSiO2膜11をエッチングするためのフォトレジスト12の膜厚は0.2μm程度で十分である。
【0041】
第3工程:シリコン基板10上のフォトレジスト12の表面に対して、所定の磁気パターンに相当する露光を、例えば電子ビーム露光装置で行ない、レジスト12を感光させる(図1(c))。
【0042】
第4工程:レジスト面を現像液(図示せず)に浸漬し、露光された部分のレジストを取り除く(図1(d))。SiO2膜11は、所定の磁気パターンに相当する部分が露出する。
【0043】
第5工程:露出したSiO2膜11を酸化膜エッチャーでエッチングし、シリコン基板10の表面が現れた時点でエッチングの進行を停止することで、フォトレジスト12に形成されたパターンをSiO2膜11に転写する(図1(e))。
【0044】
第6工程:フォトレジスト12は不要なので、加熱により、灰化・除去し、SiO2膜11のマスクを形成する(図1(f))。
【0045】
第7工程:第6工程において形成したSiO2膜11をマスクとして、シリコン基板10が露出した所定パターンの部分をSiのエッチング装置にてエッチングし、所定の深さ(0.5μm)の溝部13を形成する(図1(g))。
【0046】
第8工程:シリコン基板10の溝部13および残りのSiO2膜11上に直進性の良いスパッタ装置で軟磁性膜14をスパッタリングし、溝部13に軟磁性膜14を埋め込む(図1(h))。軟磁性膜14の材料として、本実施形態ではCoを用いた。
【0047】
第9工程:弗酸により、SiO2膜11をシリコン基板10との境界から剥離し、不要な軟磁性膜14とともに除去し、シリコン基板10の溝部13に軟磁性膜14が埋められた状態で仕上がる(図1(i))。
【0048】
従来技術について説明した図9では、溝幅を変えたときの膜厚分布を示したが、特に、溝部の溝幅が狭い部分ではフォトレジストの側壁に直進性の悪いスパッタ粒子が付着し、これが成長することで溝の両端での成膜レートが低下し、これによって膜厚分布が生じていた。
【0049】
フォトレジストを溝加工用マスクとしたときのマスク厚は前述の通り1.2μmであったが、本発明では溝加工用マスクをSiO2膜11のマスクに変更した(図1(g)参照)ことにより、そのマスク厚を0.2μmに低減でき、この結果、側面への付着領域を少なくし、溝部の両端での成膜レートの低下を抑制することを可能とした。
【0050】
(第2実施形態)
本実施形態は第1実施形態と同様の第1〜第9工程により磁気転写用マスタディスクを製造するものであるが、さらに、第7工程で形成する溝部13の深さを0.25μmとし、第8工程では、軟磁性膜材料として、Co系材料に代えて鉄(Fe)とコバルト(Co)とニッケル(Ni)の合金材料を用いてマスタディスクを製造する。この合金材料として、原子比でFe:52〜72%,Ni:0〜3%,Co:28〜48%の組成のものを用いる。以下に、その理由を説明する。
【0051】
図2は、Co,Fe,Niの合金における原子比による飽和磁束密度を表した図表であり、単位はガウスである。図2から、Coの飽和磁束密度が約12000ガウスに対して、原子比でFe:52〜72%,Ni:0〜3%,Co:28〜48%の組成の合金の飽和磁束密度は約24000ガウスとなる。すなわち、合金とした場合は、Coのみの場合の約2倍の飽和磁束密度が得られることになる。
【0052】
図3は、軟磁性膜を通過する磁束の計算を行うためのモデルを表わす。図3において、幅:W,厚み:T,断面積:S(W*T)の軟磁性膜30(飽和磁束密度:Bs)に、水平磁場の磁束φが通過した場合の軟磁性膜30の磁束密度Bは、簡単に取り扱うため軟磁性膜30の断面積Sの面31に全ての磁束φが垂直に入射して出射し、かつ軟磁性膜30内部での磁束密度が一様とすると、B=φ/S=φ/(W*T)で表すことが出来る。
【0053】
したがって、上記組成のFe,Ni,Co合金の軟磁性膜の場合、その飽和磁束密度をCo膜に対して約2倍とすることができるので、軟磁性膜に入射する磁束および軟磁性膜の幅を一定とすると、軟磁性膜の厚みを次のように半減することが可能となる。
【0054】
図4(a)および(b)は、軟磁性膜(図示せず)の厚みを0.5μm(第1実施形態のCo膜)および0.25μm(第2実施形態のCo,Fe,Ni合金材料による軟磁性膜)とし、エッチング用マスクとしてのレジスト40の膜厚を1.2μmとして溝幅w=0.1μm、深さd=0.5μmおよび0.25μmの溝に軟磁性膜を埋め込む前の各断面を示す。レジスト40の膜厚が厚いので、溝のアスペクト比の第1実施形態と第2実施形態との比は17.0:14.5と大きくは異ならないが、マスク材をフォトレジストでなく、Siエッチングの時に耐性のあるSiO2膜をマスクとすると、SiO2の厚みは図5に示すように0.2μm程度と薄くすることが出来る。
【0055】
図5(a)および(b)は、軟磁性膜(図示せず)の厚みを0.5μm(第1実施形態のCo膜)および0.25μm(第2実施形態のCo,Fe,Ni合金材料による軟磁性膜)とし、エッチング用マスクとしてのSiO250の膜厚を0.2μmとして溝幅w=0.1μm、深さd=0.5μmおよび0.25μmの溝に軟磁性膜を埋め込む前の各断面を示す。マスク材がSiO2の場合は膜厚が薄いので、溝のアスペクト比の第1実施形態と第2実施形態との比は7:4.5と大きく異なり、本実施形態では溝への軟磁性膜の埋め込みをより行いやすくすることができる。
【0056】
【発明の効果】
本発明に係る磁気転写用マスタディスクの製造方法によれば、軟磁性膜を埋め込む溝幅がサブミクロンになっても、軟磁性膜の膜厚分布の抑制が可能なため、磁気転写後の磁気記録媒体のデータ幅のバラツキを軽減することができ、磁気記録媒体から読み出したデータの信頼性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるSiO2膜を用いたマスタディスクの製造工程を表わす工程図である。
【図2】Co,Fe,Ni合金における原子比による飽和磁束密度を表わす図表である。
【図3】軟磁性膜を通過する磁束の計算を行うためのモデルの説明図である。
【図4】レジストマスクでの軟磁性膜を埋め込む前の断面形状を示す断面図である。
【図5】SiO2マスクでの軟磁性膜を埋め込む前の断面形状を示す断面図である。
【図6】磁気記憶媒体における磁気転写工程の概略を表わす工程図である。
【図7】磁気記録媒体における磁気転写の原理の説明図である。
【図8】マスタディスクの製造工程を表わす工程図である。
【図9】エッチングによる溝への軟磁性膜埋め込み断面図である。
【図10】膜厚分布の溝幅依存性を表わす特性図である。
【図11】軟磁性膜の膜厚分布による磁気転写への影響を説明するための図である。
【図12】軟磁性膜の膜厚分布による磁気転写への影響を説明するための図である。
【図13】軟磁性膜の膜厚分布による磁気転写への影響を説明するための図である。
【図14】軟磁性層の厚みを変えたときの磁気記録媒体の表面での磁界強度を表わす特性図である。
【図15】軟磁性層の厚みを変えたときの磁気記録媒体の表面での磁界強度の違いを説明する説明図である。
【符号の説明】
10 シリコン基板
11 膜
12 フォトレジスト
13 溝部
14 軟磁性膜
40 レジストマスク
50 Sio2マスク
Ha,Hb,Hg 表面磁界
Hex 記録磁界
S 断面積
T 厚み
W 幅
φ 磁束
Claims (5)
- Si基板上の所定パターンの磁性膜を介して磁気記録媒体に磁気パターンを転写するために用いるマスタディスクの製造方法において、
前記Si基板の表面にSiO2膜を形成する第1工程と、
前記SiO2膜を前記所定パターンで除去する第2工程と、
残った前記SiO2膜をマスクとして用い、エッチング手法により前記Si基板に前記所定パターンの溝を形成する第3工程と、
前記溝に軟磁性膜を埋め込む第4工程と
を有することを特徴とするマスタディスクの製造方法。 - 請求項1に記載のマスタディスクの製造方法において、
前記第4工程において、前記軟磁性膜をコバルト(Co)とすることを特徴とするマスタディスクの製造方法。 - 請求項1に記載のマスタディスクの製造方法において、
前記第4工程において、前記軟磁性膜を鉄(Fe)とコバルト(Co)または鉄とコバルトとニッケル(Ni)の合金とすることを特徴とするマスタディスクの製造方法。 - 請求項3に記載のマスタディスクの製造方法において、
前記合金の組成を、原子比でFe:52〜72%,Co:28〜48%,Ni:0〜3%とすることを特徴とするマスタディスクの製造方法。 - 請求項1乃至4のいずれかに記載のマスタディスクの製造方法において、
前記第2工程は、前記SiO2膜上にフォトレジストを形成すること、該フォトレジストをフォトリソグラフィ手法により前記所定パターンで除去すること、および、残った前記フォトレジストをマスクとして用い、エッチング手法により前記SiO2膜を除去することを含むことを特徴とするマスタディスクの製造方法。
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