JP2004246485A - プリペイドカード、プリペイドカード処理装置、コンテンツ再生装置、プログラムおよび記録媒体 - Google Patents

プリペイドカード、プリペイドカード処理装置、コンテンツ再生装置、プログラムおよび記録媒体 Download PDF

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幸毅 清水
Ryoji Ono
良治 大野
Kaoru Hishikawa
薫 菱川
Akio Ichikawa
明男 市川
Tatsuji Saito
達司 齋藤
Shinjiro Kihara
伸次郎 木原
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Abstract

【課題】利用者のプライバシーを維持したまま、提供情報に関する情報をその情報提供者へフィードバックでき、且つ、提供情報の不正利用を防止できるプリペイドカード、プリペイドカード処理装置およびコンテンツ再生装置を提供する。
【解決手段】このプリペイドカード2は、金銭情報を記録する他に、課金と引き換えに、暗号化されたコンテンツを復号化するための復号用情報を出力する。コンテンツ再生装置1は、提供情報の課金情報および暗号化された復号用情報をプリペイドカード2に与えることによって、復号された復号用情報を得て、暗号化された提供情報を復号する。また、利用履歴をプリペイドカード2に記録し、プリペイドカード処理装置における次回の入金処理でこの利用履歴を収集するようにした。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリペイドカード、プリペイドカード処理装置、コンテンツ再生装置、プログラムおよび記録媒体に関し、具体的には、放送、マルチメディアネットワークや記録媒体等で配信される画像や映像、音楽や音声、コンピュータデータやプログラム等の情報を利用するコンテンツ再生装置、それらの情報への課金に用いるプリペイドカードおよびプリペイドカード処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、インターネットを始めとするネットワークの急速な発展の下で、ネットワークやデジタル放送等を介して音楽、画像、映像、ソフトウェア等の各種コンテンツが流通するようになってきている。
これらのコンテンツが有料の場合には、提供したコンテンツに応じた適正な料金を徴収する課金方法と共にコンテンツの不正利用が問題となっている。
【0003】
例えば、有料放送においては、非契約者に番組を視聴させないために番組の内容に暗号化を施すことがある。暗号化の中でも特にスクランブルと呼ばれる処理が一般的である。
例えば、特許文献1の「プリペイドカード利用の衛星放送受信機」は、プリペイドカードを用いてスクランブルのかかった有料衛星放送を使用できるようにしている。このために特許文献1の技術では、次のような構成をもっている。
【0004】
プリペイドカードが挿入されると、データ読取部がそのカードに書き込まれている受信可能チャンネルや金額のデータを読み取ってその内容を制御部へ送る。
制御部は、そのデータに基づき指定のチャンネルを選局せしめるとともに、プリペイドカードとしての残金が指定の番組を受信できる金額にあるときには、スクランブルデコーダのスクランブルを解除する。
【0005】
この指定したチャンネルの番組がペイパービュー方式であれば受信終了とともにプリペイドカードの使命は完了し、再使用不可となる。
また、ペイパービュー方式でない場合には、使用時間分の金額を現残金から減算してプリペイドカードの残金を更新する。更新した残金が一定額以下になったときにはオンスクリーン表示する。
【0006】
また、特許文献2の「課金装置、情報受信装置及び通信システム」は、マルチネットワーク等において利用者の情報利用に対する課金を、管理を容易に行い且つ利用者のプライバシーを保護しながら適切に行っている。図6は、特許文献2の装置の構成例を示すブロック図である。
【0007】
図6における利用者端末101は、信号処理部117、課金部119、情報提供者103から有償で提供される提供情報(PPiまたはPPj)と提供情報に付加された情報固有データ(PIDiまたはPIDj)から構成される。
課金部119は、カード等に記録された金銭情報であるPPC102を入力するPPC入力部112、判定部115、表示部118から構成される。
【0008】
次に、この動作について説明する。情報提供者103はPIDを含めた提供情報PPを提供する。利用者端末101は、その提供情報PPを利用する際には、必ず課金部119を経由するように構成してある。
この課金部119には、金銭情報であるPPC102の受け口としてのPPC入力部112がある。提供情報PPの利用要求が生じると、判定部115はPID及び/またはPPC(プリペイドカード)に基づいて、提供情報PPの利用可能性をチェックする。例えば、PIDに示された利用料金がPPCの金銭情報が示す残高以内か否かなどのチェックである。
【0009】
判定部115の判定結果、即ち、利用が許可(OK)か否(NG)かを信号処理部117に通知され、もしOKであれば、信号処理部117は利用者が提供情報PPの利用が可能となるように処理して出力する。このときのPIDやPPCに関する情報(提供情報の利用料金やPPCの残高など)は表示部118に表示される。
また、判定部115の利用可否の判定結果も表示部118に表示することができる。
【0010】
【特許文献1】
特開平5−207464号公報
【特許文献2】
特開2001−147976号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上述した特許文献1は、どの番組(コンテンツ)が利用されたかを番組提供側にフィードバックする手段がない。
そのため番組提供者へ利益の配分が適正にできず、また、視聴者の好みが分からないため放送局あるいは番組制作者にとっては放送コンテンツの質的向上に寄与することができない。
【0012】
また、特許文献2は、利用者が利用した提供情報の利用料金を情報提供者へ通知するようにしているため、情報提供者へ適切に料金を配分することができる。
しかし、特許文献2では、利用者が提供を受けた情報を蓄積し、利用者端末だけで復号処理を実行できるため、蓄積された提供情報を不正に利用する利用者端末を作成することが可能である。
【0013】
本発明は、上述の実情を考慮してなされたものであって、利用者のプライバシーを維持したまま、利用者が提供された提供情報に関する情報をその情報提供者へフィードバックでき、且つ、提供情報の不正利用を防止できるプリペイドカード、プリペイドカード処理装置、コンテンツ再生装置、プログラムおよび記録媒体を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明のプリペイドカードでは、入力された課金情報と残金情報とで課金処理を行い、課金成功のときに、課金情報と一緒に入力された付加情報に対して演算処理を行って、その演算結果を応答として出力する。
また、上述のプリペイドカードとのアクセス手段を備えたコンテンツ再生装置では、放送やマルチメディアネットワークで受信したコンテンツとその付加情報を蓄積する。
この蓄積したコンテンツ、または、同様な情報をリムーバブルな記録媒体に記録したコンテンツを再生するとき、このコンテンツの付加情報中の復号用情報および課金情報をアクセス手段を介してプリペイドカードへ入力する。
プリペイドカードは、入力した課金情報とプリペイドカードに記録されている残金情報から課金処理し、課金成功の場合には、入力した復号用情報の復号処理を行って、アクセス手段へ復号用情報を出力する。コンテンツ再生装置では、送られてきた復号用情報によって指定されたコンテンツを復号化する。
【0015】
また、プリペイドカードで課金処理を行った場合、課金対象となったコンテンツの利用履歴をプリペイドカードへ蓄積するようにし、プリペイドカード処理装置で入金処理するときにこの利用履歴を読み出すようにした。
【0016】
以上のような構成により、復号処理をコンテンツ再生装置とプリペイドカードとに分離したことにより、コンテンツ再生装置単体ではコンテンツの利用ができないため、コンテンツを不正に利用するコンテンツ再生装置を作ることができない。
さらに、コンテンツ提供者はプリペイドカードを生産するだけでよく、コンテンツ再生装置を生産しなくても済む。
【0017】
また、利用者のプライバシーを維持したまま利用者が提供されたコンテンツに関する情報(例えば、利用履歴等)をそのコンテンツ提供者へフィードバックできる。
このフィードバックにより、コンテンツ提供者へ適切に料金を配分することができる。また、コンテンツの利用回数が分かるためコンテンツ提供者はコンテンツの質的向上に寄与することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態を説明する。
<第1の実施形態>
本発明におけるプリペイドカードおよびコンテンツ再生装置は、概略として次のことを行う。
コンテンツ再生装置は、デジタル放送で放送された暗号化コンテンツとその付加情報とを受信し、蓄積し、利用者からの指示に基づいてこの蓄積された暗号化コンテンツを復号して利用できるようにする。
その際、利用者に指定されたコンテンツに対して、プリペイドカードを使って課金処理を行うとともに、このコンテンツを利用するのに必要な復号用情報を取得する。
プリペイドカードでは、指定されたコンテンツの課金処理を行った後、暗号化されたコンテンツを復号するための復号用情報を復号してコンテンツ再生装置へ戻す。
【0019】
(A)コンテンツ再生装置の構成
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るコンテンツ再生装置の構成を示すブロック図である。
同図において、コンテンツ再生装置1は、受信部11、プリペイドカードアクセス部12、蓄積部13、入力部14、制御部15、復号部16、コンテンツ利用部17を含んでいる。
【0020】
受信部11は、BS/CSデジタル放送受信装置と同等の構成であって、同期およびデスクランブル処理を行って、放送局から放送されたコンテンツを受信する。放送局はコンテンツを送信する際、暗号化されたコンテンツおよび付加情報とを送信する。この暗号化されたコンテンツは、公開鍵暗号方式で暗号化されており、この暗号化は、BS/CSデジタル放送で広く使われているMulti−2のスクランブルとは別に行うものである。
ここでコンテンツの付加情報としては、次の情報がある。
【0021】
タイトル:利用者がコンテンツを識別するための情報。
コンテンツ再生装置のユーザインターフェースにより利用される。
課金情報:コンテンツを利用するのに必要な情報。
単純に円建てで記録しても良いし、視聴用購入や録画用購入で価格を分けたり、特定のコンテンツをグループで購入すると安くする等としてもよい。
暗号化された復号用情報:暗号化されたコンテンツを復号するための情報。
この情報をプリペイドカードで処理した情報によって、このコンテンツを復号化する。
本実施の形態では、トリプルDESの暗号鍵を使用するものとして説明する。
コンテンツ識別子:コンテンツを提供する側がコンテンツを識別するのに使う情報。
利用履歴を蓄積する場合、どのコンテンツを利用したのかを識別するための識別子であり、プリペイドカードに記録される。(利用履歴を用いない場合は、必ずしも必要ではない。)
【0022】
本実施の形態では、必ずしもスクランブルをかける必要はないが、Multi−2でスクランブルをかけて放送する場合には、暗号化したコンテンツと付加情報をスクランブルして放送する。この放送を受信した受信部11は、Multi−2でデスクランブルして、暗号化コンテンツおよび付加情報を取り出す。
【0023】
蓄積部13は、受信した暗号化コンテンツおよび付加情報をインデックス付けし、内蔵している記録媒体(図示していない)に保存する。
受信部11および蓄積部13の構成は、CSデジタル放送で実施されている蓄積放送と基本的に同じであるので、説明は省略する。
【0024】
入力部14は、利用者からの要求を入力し、このコンテンツ利用要求を制御部15へ渡す。例えば、利用者は蓄積部13に蓄積されたコンテンツに付加されたタイトルを表示させて、その中から所望のコンテンツを指定し、入力部14はそのコンテンツのインデックスを制御部15へ渡す。
制御部15は、指定された利用要求に基づいて利用すべきコンテンツを蓄積部13から取り出す。本動作も、現行の蓄積放送と基本的に同じであるので、詳細な説明は省略する。
【0025】
制御部15では、蓄積部13から指定されたコンテンツに対する付加情報を取得し、プリペイドカードアクセス部12を介して、この付加情報をプリペイドカードに入力する。
プリペイドカードで復号用情報を作成し、制御部15は、プリペイドカードアクセス部12を介して、この復号用情報を取得して、復号部16に渡す。(プリペイドカードの構成および動作は後述する。)
復号部16は、蓄積部13から取り出された指定された暗号化コンテンツをこの復号用情報で復号し、コンテンツ利用部17へ渡す。
一方、プリペイドカードで復号用情報を作成できない場合には、制御部15は利用できないことを利用者へ通知する。
【0026】
コンテンツ利用部17では、利用者の要求に基づいて、例えば、テレビジョンやコンピュータ等によってコンテンツを再生したり、ハードディスク等の記録媒体に保存したりする。復号後のコンテンツの利用に関しては、現行の蓄積放送と同様であるので説明を省略する。
【0027】
図2は、本実施の形態に係るコンテンツ装置の処理手順を示すフローチャートである。
放送された暗号化コンテンツと付加情報を受信部11で受信し、その暗号化コンテンツと付加情報を蓄積部13で内蔵された記録媒体に蓄積する(ステップS1)。ここで、放送された暗号化コンテンツと付加情報がスクランブルされている場合には、受信部11でデスクランブルする。
【0028】
利用者の指定したコンテンツ利用要求を入力部14で入力し、そのコンテンツ利用要求を制御部15へ渡す(ステップS2)。
制御部15は、指定されたコンテンツに対する付加情報を蓄積部13から取得して、プリペイドカードアクセス部12を介してプリペイドカードへ送り、復号用情報を受け取る(ステップS3)。
【0029】
制御部15は、復号用情報を受け取った場合(ステップS4のYES)、蓄積部13から取り出された暗号化コンテンツと復号用情報を復号部16へ渡し、復号部16は暗号化コンテンツを復号用情報で復号する(ステップS5)。
一方、制御部15は、復号用情報を得られない場合(ステップS4のNO)、利用できないことを利用者に通知する(ステップS6)。
【0030】
(B)プリペイドカードの構成
図3は、本発明の第1の実施の形態に係るプリペイドカードの構成を示すブロック図である。同図において、プリペイドカード2は、出力部21、課金部22、入力部23、制御部24、復号部25、利用履歴管理部26を含んでいる。
また、このプリペイドカードには、例えば、データの入出力とデータの記憶およびそれらの入出力やデータの処理機能を備えたマイコン内蔵型のICカードを使用する。
【0031】
入力部23は、コンテンツ再生装置1のプリペイドカードアクセス部12からコンテンツの付加情報を取得する。
制御部24は、入力部23より付加情報を受け取り、付加情報から課金情報を取り出して、課金部22へ渡す。
課金部22では、プリペイドカードに記録されている金銭情報を確認し、充分な残高があるときだけ課金処理を行い、応答として課金成功を返す。なお、残高が充分でないときは応答として課金失敗を返す。
【0032】
制御部24は、課金部22から課金失敗の応答を受け取った場合、出力部21へ失敗の応答を出力する。
一方、制御部24は、課金に成功した場合、付加情報から暗号化された復号用情報を取り出して、復号部25に渡す。
【0033】
復号部25では、暗号化された復号用情報を復号する(なお、暗号化方式については後述する)。この復号用情報は、暗号化されたコンテンツを復号するために使われる情報である。
【0034】
制御部24は、復号部25から復号用情報を受け取ると、課金成功情報とともに出力部21へ送る。同時に、制御部24は、付加情報からコンテンツ識別子を取り出し、そのコンテンツ識別子を利用履歴管理部26に送付し、コンテンツの利用履歴として蓄積する(利用履歴の利用法については後述する)。
また、利用履歴が必要としない場合には、利用履歴管理部26を備える必要はない。
【0035】
出力部21は、制御部24から渡された課金成功情報と復号情報とをコンテンツ再生装置1のプリペイドカードアクセス部12へ渡す。
また、課金不成功の場合には、課金不成功情報をコンテンツ再生装置1のプリペイドカードアクセス部12へ渡す。
【0036】
図4は、本実施の形態に係るプリペイドカードの処理手順を示すフローチャートである。
入力部23は、コンテンツ再生装置1のプリペイドカードアクセス部12から送られてきた付加情報を入力し、制御部24へ渡す(ステップS11)。
制御部24は、課金部22へ付加情報中の課金情報を送り、プリペイドカード2に記録されている金銭情報を確認し、課金成功または不成功の応答を得る(ステップS12)。
【0037】
制御部24は、応答が課金成功した場合(ステップS13のYES)、付加情報中の暗号化された復号用情報を復号部25へ送り、復号用情報を取得する(ステップS14)。
制御部24は、付加情報中のコンテンツ識別子を利用履歴管理部26へ通知する(ステップS15)。利用履歴を使用しないときには、このステップは省略可能である。
更に、制御部24は、課金成功情報と復号用情報を出力部21へ出力して、出力部21はこれらの情報をコンテンツ再生装置1のプリペイドカードアクセス部12へ渡す(ステップS16)。
【0038】
一方、制御部24は、課金不成功である場合(ステップS13のNO)、課金失敗を出力部21へ出力し、出力部21はこの課金失敗情報をコンテンツ再生装置1のプリペイドカードアクセス部12へ渡す(ステップS17)。
【0039】
(C)暗号化方式
コンテンツは、不正な利用が不可能なように暗号化して記録しており、付加情報中に含まれる復号用情報を用いてコンテンツを復号化する。
さらに、この復号用情報も暗号化されており、これはプリペイドカード中の復号部25で復号することで、暗号化コンテンツの復号用情報が得られるようになっている。
【0040】
図5を用いて、本実施形態における暗号化および復号化について説明する。
コンテンツ提供者(例えば、放送局)の持っているコンテンツ31は、コンテンツごとに適当に決められる暗号鍵32で暗号化される。この暗号化方式としては、トリプルDESなどの共通鍵を利用した暗号化方式が使用できる。
この暗号鍵に対応する復号用情報34(トリプルDESの場合は、暗号鍵32と同じ)は、秘密鍵35を用いて暗号化され、暗号化された復号用情報36となる。
【0041】
暗号化されたコンテンツ33および暗号化された復号用情報36は、多重化されて、配信される。なお、配信時にMulti−2でのスクランブルがかけられることがあるが、ここで説明している暗号化とは独立にかけられるものである。Multi−2のスクランブルは受信時にデスクランブルされる。
【0042】
コンテンツ利用者のコンテンツ再生装置では、暗号化されたコンテンツ33および暗号化された復号用情報36を受信すると、暗号化されたコンテンツ33と暗号化された復号用情報36とに分離する。暗号化された復号用情報36は、公開鍵37で復号化され、復号用情報38となる。この復号用情報38で暗号化されたコンテンツ33を復号して、利用可能なコンテンツ39を得る。
【0043】
以上説明したような、プリペイドカードとコンテンツ再生装置の構成では、BS/CSデジタル放送で放送されるコンテンツ(暗号化済)を受信して蓄積し、利用者からの指示に基づき課金処理を行った後、暗号化コンテンツを利用するのに必要な情報をプリペイドカードから取得できるようにしたので、不正利用のしづらいコンテンツ再生装置を提供できる。
【0044】
即ち、暗号化されたコンテンツを復号するための復号用情報を復号する復号処理(図5におけるプリペイドカード内で復号用情報38を得る処理)と、暗号化されたコンテンツを復号する復号処理(図5におけるコンテンツ再生装置内でコンテンツ39を得る処理)とをプリペイドカードとコンテンツ再生装置とに分離して設けることによって、プリペイドカードとコンテンツ再生装置の生産者を分けられるので、コンテンツの不正利用がしづらいコンテンツ再生装置を提供できる。
【0045】
また、このようにプリペイドカードとコンテンツ再生装置とを分離したことにより、コンテンツ提供者はプリペイドカードを生産するだけでよく、コンテンツ再生装置を生産しなくても済む。
【0046】
なお、第1の実施形態ではBS/CSデジタル放送で放送されるコンテンツをもとに説明したが、マルチメディアネットワークから配信されるコンテンツに対しても同様に利用することができる。
【0047】
<第2の実施形態>
上述の第1の実施形態では、蓄積放送で放送されるコンテンツやマルチメディアネットワークで配信されたコンテンツを例に取って説明したが、コンテンツの配信にはリムーバブルな記録媒体を使用してもできる。
本第2の実施の形態は、上述した第1の実施の形態における蓄積部13で記録媒体に記憶したように、リムーバブルハードディスク、CD、DVDなどの記録媒体に、暗号化されたコンテンツとその付加情報(暗号化された復号用情報)を予め記録しておく。
【0048】
コンテンツの利用者は、コンテンツ再生装置1に備えられた記録媒体駆動装置(図示せず)に上記のコンテンツを記録した記録媒体を装着する。
制御部15は、入力部14から入力されたコンテンツの利用要求を蓄積部13へ渡す。
蓄積部13は、指定されたコンテンツおよびその付加情報をこの記録媒体から取り出して、制御部15へ渡す。他の機能については、第1の実施形態と同様であり説明を省略する。
【0049】
以上のように本第2の実施の形態を構成することにより、コンテンツを記録した可搬型の記録媒体を利用できるので、このコンテンツを放送していない地域への販売や書物との併売も可能となる。
【0050】
<第3の実施形態>
第1の実施形態および第2の実施形態では、プリペイドカードの保持する金銭情報は一種類であったが、以下のように様々なケースを考えることができる。
【0051】
(A)複数の金銭情報
本第3の実施の形態では、金銭情報を複数もたせることができるようにする。これにより、特定のコンテンツのみを視聴するための情報を配布することも可能となる。この場合、コンテンツの付加情報にあるコンテンツ識別子等で、複数の金銭情報のうちどの金銭情報に対して課金を行うかを特定する。
【0052】
例えば、アクセスが好ましくないコンテンツに対する金銭情報にはゼロを設定しておけば、不用意にそれらのコンテンツを利用してしまうことを防げる。
【0053】
また、インターネットやCDなどで、販売促進やおまけとして、特定のコンテンツのみが視聴できる金銭情報をプリペイドカードにダウンロードし、そのプリペイドカードとコンテンツ再生装置を組み合わせると、本来なら有料のコンテンツを無料で使用することができる。この仕組みを使うことで、例えば、雑誌や受信機の付録として、特定の有料番組を無料で視聴できるおまけやサービスを実現できる。
【0054】
(B)プリペイドカードへの入金処理
プリペイドカード処理装置は、金銭または金銭と等価な電子情報などと引き換えに、プリペイドカードの保持する金銭情報を更新する。本部分に関しては、現在利用されている金銭のチャージ可能なプリペイドカードと同様であるので詳細は省略する。
【0055】
プリペイドカードへ入金のときに、プリペイドカードに記録された利用履歴を取得し、コンテンツ提供側での利益分配に利用することができる。この場合、プリペイドカードと利用者の対応は取っていないので、利用者の匿名性は維持される。
しかし、逆に、プリペイドカード内に利用者を特定する情報を入れることにより、利用者を特定するように構成することもできる。
【0056】
また、プリペイドカードにおける公開鍵の保存場所や復号処理を行うソフトウェアの格納場所を書き換え可能にしておくことで、プリペイドカードへ入金のときに公開鍵や復号化アルゴリズムを更新することが可能である。
【0057】
なお、利用者から利用履歴情報を取得したり、公開鍵や復号化アルゴリズムの更新を円滑に進めるためには、プリペイドカードに記録している金銭情報に有効期限を設けるのが好ましい。この場合、利用者は新規に入金することで、プリペイドカードを利用できるようになる。
また、有効期限が切れた場合には、入金処理自体はせずに、単に有効期限のみを更新するようにしてもよい。
【0058】
このようなプリペイドカード処理装置をコンビニエンスストアなどに配置しておけば、利用者の利便性を損なうことはない。
また、プリペイドカードへ入金処理をする際に、プリペイドカードに記録された利用履歴によって金銭情報にプレミアムを加算するようにしてもよい。
【0059】
<第1乃至第3の実施の形態における変形例>
上述した各実施の形態では、暗号化されたコンテンツの復号用情報をプリペイドカードで復号するようにしていた。
本変形例では、プリペイドカード内にコンテンツ識別子とその識別子に対応する暗号化されたコンテンツを複合するための復号用情報を対応させたテーブルを格納しておく。
このとき、コンテンツの付加情報には復号用情報をもたせず、コンテンツ再生装置から復号用情報の取得要求があった場合、付加情報中のコンテンツ識別子をインデックスにしてテーブルから対応する復号用情報を取り出すようにする。
このテーブルは、プリペイドカードに入金処理する際に更新する。
【0060】
<第4の実施の形態>
本発明は、上述した実施の形態のみに限定されたものではない。上述した実施の形態のコンテンツ再生装置、プリペイドカードおよびプリペイドカード処理装置を構成する各機能をそれぞれプログラム化し、予め記録媒体に書き込んでおき、マイクロプロセッサでそのプログラムを実行することによって、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
この場合、記録媒体から読み出されて実行された状態が上述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムおよびそのプログラムを記録した記録媒体も本発明を構成することになる。
【0061】
なお、このような機能を実現するプログラムは、半導体媒体(例えば、ROM、不揮発性メモリ等)、光媒体(例えば、DVD、MO、MD、CD等)、磁気媒体(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスク等)等いずれの形態の記録媒体で提供されてもよい。
あるいは、ネットワーク等の通信網を介して記憶装置に格納されたプログラムの一部または全部をサーバコンピュータから直接供給を受けるようにしてもよい。この場合、このサーバコンピュータの記憶装置も本発明の記録媒体に含まれる。
【0062】
このような記録媒体で提供された場合は、その記録媒体からプログラムを読み取って内部記憶装置または外部記憶装置にインストールし、そのインストールされたプログラムをマイクロプロセッサが実行することによって上述した実施の形態の機能が実現される。または、記録媒体に記録されたプログラムを直接実行するようにしてもよい。
【0063】
尚、本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で各種の変形、修正が可能であるのは勿論である。
【0064】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、復号処理をコンテンツ再生装置とプリペイドカードとに分離したことにより、コンテンツ再生装置単体では提供情報の利用ができないため、提供情報を不正に利用するコンテンツ再生装置を作ることができない。
さらに、情報提供者はプリペイドカードを生産するだけでよく、コンテンツ再生装置を生産しなくても済む。
【0065】
また、利用者のプライバシーを維持したまま利用者が提供された提供情報に関する情報(例えば、利用履歴等)をその情報提供者へフィードバックできる。
このフィードバックにより、情報提供者へ適切に料金を配分することができる。また、提供情報の利用回数が分かるため、情報提供者は提供情報の質的向上に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係るコンテンツ再生装置の構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施の形態に係るコンテンツ再生装置の処理手順を示すフローチャートである。
【図3】第1の実施の形態に係るプリペイドカードの構成を示すブロック図である。
【図4】第1の実施の形態に係るプリペイドカードの処理手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明における暗号化および復号化について説明するための図である。
【図6】従来の装置の構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1…コンテンツ再生装置、11…受信部、12…プリペイドカードアクセス部、13…蓄積部、14…入力部、15…制御部、16…復号部、17…コンテンツ利用部、2…プリペイドカード、21…出力部、22…課金部、23…入力部、24…制御部、25…復号部、26…利用履歴管理部、31,39…コンテンツ、32…コンテンツごとに決める暗号鍵、33…暗号化されたコンテンツ、34…暗号鍵に対応する復号用情報、35…秘密鍵、36…暗号化された復号用情報、37…公開鍵、38…復号用情報、101…利用者端末、102…PPC(プリペイドカード)、103…情報提供者、112…PPC入力部、115…判定部、117…信号処理部、118…表示部、119…課金部。

Claims (16)

  1. 記憶領域と演算機能を有するプリペイドカードにおいて、課金情報および付加情報を入力する入力部と、前記課金情報と前記記憶領域に記憶された残金情報とから課金処理を行う課金部と、前記付加情報に対して演算処理を行う演算部と、前記課金部の処理結果と前記演算部の演算結果を応答として出力する出力部を備えたことを特徴とするプリペイドカード。
  2. 請求項1に記載のプリペイドカードにおいて、前記課金部で課金不成功の場合、前記演算部の処理を行わずに、前記出力部は課金不成功を応答として出力することを特徴とするプリペイドカード。
  3. 請求項1または2に記載のプリペイドカードにおいて、前記付加情報に暗号化された情報を有するとき、前記演算部は該情報を復号処理することを特徴とするプリペイドカード。
  4. 請求項3に記載のプリペイドカードにおいて、前記演算部は、公開鍵暗号方式における秘密鍵で暗号化された前記付加情報中の情報を前記記憶領域に記憶した公開鍵で復号することを特徴とするプリペイドカード。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載のプリペイドカードにおいて、前記記憶領域には、複数の利用可能なコンテンツ情報とそれぞれに残金情報および有効期限を保持していることを特徴とするプリペイドカード。
  6. 請求項5に記載のプリペイドカードにおいて、前記利用可能なコンテンツ情報に対応して復号用情報を保持させておき、前記演算部は、前記付加情報に利用したコンテンツが指定されたとき、該コンテンツに対応する復号用情報によって復号することを特徴とするプリペイドカード。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載のプリペイドカードにおいて、前記付加情報または付加情報の一部を利用履歴として保持する利用履歴蓄積部を備えたことを特徴とするプリペイドカード。
  8. プリペイドカードの記憶領域の残金情報を読み書きするプリペイドカード処理装置において、請求項1乃至7に記載のプリペイドカードの記憶領域の残金情報を更新するとき、前記記憶領域中の復号用情報と復号用プログラムを更新することを特徴とするプリペイドカード処理装置。
  9. 請求項8に記載のプリペイドカード処理装置において、特定のコンテンツに対してだけ利用可能な金銭情報を、通信ネットワークまたは記録媒体から取り込むようにしたことを特徴とするプリペイドカード処理装置。
  10. プリペイドカードの記憶領域の残金情報を読み書きするプリペイドカード処理装置において、請求項7に記載のプリペイドカードの記憶領域の残金情報を更新するとき、前記利用履歴蓄積部に蓄積された利用履歴を取り出すようにしたことを特徴とするプリペイドカード処理装置。
  11. 放送やマルチメディアネットワーク等から受信したコンテンツを蓄積し、該蓄積したコンテンツを再生するコンテンツ再生装置において、請求項1乃至7のいずれかに記載のプリペイドカードとのインタフェースをとるプリペイドカードアクセス部と、前記蓄積されたコンテンツを指定する入力部と、前記指定されたコンテンツが暗号化されている場合に復号処理を行う復号部とを備え、前記復号部は、前記指定されたコンテンツに付加して送信された課金情報および付加情報を前記プリペイドカードアクセス部を介して前記プリペイドカードへ入力して得た復号用情報で前記コンテンツを復号するようにしたことを特徴とするコンテンツ再生装置。
  12. リムーバブルな記録媒体に記録されたコンテンツを再生するコンテンツ再生装置において、請求項1乃至7のいずれかに記載のプリペイドカードとのインタフェースをとるプリペイドカードアクセス部と、前記記録媒体に蓄積されたコンテンツを指定する入力部と、前記指定されたコンテンツが暗号化されている場合に復号処理を行う復号部とを備え、前記復号部は、前記指定されたコンテンツに付加して送信された課金情報および付加情報を前記プリペイドカードアクセス部を介して前記プリペイドカードへ入力して得た復号用情報で前記コンテンツを復号するようにしたことを特徴とするコンテンツ再生装置。
  13. コンピュータに、請求項1乃至7のいずれかに記載のプリペイドカードの機能を実行させるためのプログラム。
  14. コンピュータに、請求項8、9または10に記載のプリペイドカード処理装置の機能を実行させるためのプログラム。
  15. コンピュータに、請求項11または12に記載のコンテンツ再生装置の機能を実行させるためのプログラム。
  16. 請求項13、14または15に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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