JP2004245989A - 光ファイバ保持部材、光ファイバと光ファイバ保持部材との結合体および光ファイバと光導波路基板との結合体 - Google Patents
光ファイバ保持部材、光ファイバと光ファイバ保持部材との結合体および光ファイバと光導波路基板との結合体 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】光ファイバ保持部材によって光ファイバを保持し、光導波路基板と結合するのに際して、光ファイバの端面のテーパ面の方向性を容易かつ正確に制御し、これによって光ファイバと光導波路との光学的結合プロセスを容易化する。
【解決手段】光ファイバ保持部材3は、光ファイバ5を挿入し、保持するための保持孔2を有する。光ファイバ保持部材3の外周面3c上にオリフラ面4が形成されている。オリフラ面4を基準面6a上に載せて加工を行うことができ、また光導波路基板と結合することができる。
【選択図】 図2
【解決手段】光ファイバ保持部材3は、光ファイバ5を挿入し、保持するための保持孔2を有する。光ファイバ保持部材3の外周面3c上にオリフラ面4が形成されている。オリフラ面4を基準面6a上に載せて加工を行うことができ、また光導波路基板と結合することができる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバ保持部材、光ファイバと光ファイバ保持部材との結合体および光ファイバと光導波路基板との結合体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光導波路チップと光ファイバとを接続するために光ファイバアレイが一般的に用いられている。この光導波路チップには、GaAs系、InP系の半導体導波路チップ、Si上に酸化膜を形成したり、ガラス基板を用いる誘電体(ガラス)導波路チップ、LiNbO3やLiTaO3結晶で構成した強誘電体結晶導波路チップ等、多数の種類があり、光導波路チップ上にはTi等の金属が拡散された光導波路が形成される。これら光導波路チップに対して、例えば、光ファイバジャイロ等のセンサ・計測関係、高速変調器等の光ファイバ通信関係、A/D変換器等の光情報処理関係、ダイオードアレイ等の光源・光変換関係での多岐にわたる用途が検討されている。
【0003】例えば、前記のような光ファイバジャイロを製造する場合、例えば特許文献1のように、長尺の光ファイバを保持する光ファイバアレイが知られている。
【特許文献1】
特開平11−271560号公報
【0004】また、光ファイバの端部をフェルール中に挿入して保持し、フェルールを光導波路チップに結合し、光ファイバの端面を光導波路端面に光学結合することが行われている。この場合には、光導波路の光軸と光ファイバの光軸とをサブミクロンの精度で調整し、光学樹脂で光導波路基板の端面とフェルールの端面とを結合して一体化する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】フェルールの端面を光導波路基板の端面に対して結合する際には、反射戻り光の対策としてフェルールの端面を研磨してテーパ面を形成することが通常である。このフェルールのテーパ面を光導波路基板の端面(テーパ面)に対して当接し、位置決めし、光学樹脂で結合する。しかし、この際に、フェルールのテーパ面の方向と光導波路基板のテーパ面の方向とを厳密に制御しながら両者を接着することは難しく、多大な手間と熟練とを要する。なぜなら、フェルールには光導波路基板のテーパ面との角度を合わせて判断する基準となる面が無いからである。かつ同時に、光ファイバの端面を光導波路端面に対して位置合わせし、光学調整する作業が必要だからである。
【0006】また、こうした光導波路基板とフェルールとの結合の際には、通常、偏波面保持光ファイバが使用されている。しかし、偏波面保持光ファイバには、二次元的な方向性があり、偏波面の方向を光導波路の偏光方向と合わせる必要がある。しかし、偏波面の方向を光導波路の偏光方向と合わせる作業は、光学的観測装置によって光束を観測しつつ行う必要があって煩雑であり、熟練を要した。
【0007】本発明の課題は、フェルール等の光ファイバ保持部材によって光ファイバを保持し、光導波路基板と結合するのに際して、光ファイバの端面のテーパ面の方向性を容易かつ正確に制御できるようにすることであり、これによって光ファイバと光導波路との光学的結合プロセスを容易にすることである。
さらに、本発明の課題は、フェルール等の光ファイバ保持部材によって偏波面保持光ファイバを保持し、光導波路基板と結合するのに際して、偏波面保持光ファイバの偏光方向と光導波路の偏光方向を容易かつ正確に制御することであり、これによって偏波面保持光ファイバと光導波路との光学的結合プロセスを容易にすることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、光ファイバを挿入し、保持するための保持孔を有する光ファイバ保持部材であって、外周面にオリフラ面が形成されていることを特徴とする。
【0009】また、本発明は、前記光ファイバ保持部材と、この光ファイバ保持部材によって保持されている光ファイバとを備えていることを特徴とする、結合体に係るものである。
【0010】また、本発明は、前記光ファイバ保持部材、この光ファイバ保持部材によって保持されている光ファイバ、および前記光ファイバ保持部材に対して結合されており、光導波路を有する光導波路基板を備えており、光導波路が光ファイバに対して光学的に結合されていることを特徴とする結合体に係るものである。
【0011】本発明において偏波面保持光ファイバを使用する場合には、光ファイバの端面のテーパ面の方向性及び偏波面保持光ファイバと光導波路との偏光方向を容易かつ正確に制御することができ、これによって光ファイバと光導波路との光学的結合プロセスを容易にすることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ、本発明を更に詳細に説明する。図1(a)は、光ファイバ保持部材1を示す側面図である。本保持部材1はフェルールである。保持部材1の外形は略円柱形状であり、保持部材1内には、光ファイバを挿入し、固定するための保持孔2が形成されている。この保持部材1に切断面16に沿って加工を施し、図1(b)、図1(c)に示すようにオリフラ面4を形成する。3は、オリフラ面4の形成された保持部材であり、3aは保持部材3の端面であり、3cは外周面である。
【0013】次いで、図2(a)に示すように、保持孔2内に光ファイバ5を挿入する。5aは光ファイバ5の端面である。次いで、図2(b)に示すように、保持部材3のオリフラ面4を治具6の基準面6a上に載せ、固定する。本例では偏波面保持光ファイバを使用する。この段階では、図2(c)に示すように、オリフラ面4に対して偏波面の角度Bが所定角度をなすようにする必要がある。この目的から、本例では、偏波面保持光ファイバ2を矢印Aのように保持孔2内で回動させ、偏波面の角度Bがオリフラ面4に対して所定角度をなすようにする。
【0014】光ファイバを保持孔中に固定した後、図3(a)に矢印Cで示すように基準面6aを起点とした加工を行い、図3(b)に示すように、テーパ面3bの形成された保持部材3Aを得る。この際、光ファイバ5の端面にもテーパ面5aが形成される。
【0015】本発明によれば、この時点でテーパ面5aのオリフラ面4に対する位置および方向が一義的に決定される。
さらに偏波面角度Bのオリフラ面4に対する偏光方向が一義的に決定される。
【0016】なお、保持部材3の端面を加工する際や、後述するように光導波路基板と結合する際には、保持部材3を治具6の基準面6aに対して押圧して位置決めすることが好ましい。この際には、例えば図4に示すように、治具6の基準面6a上に保持部材3を載せた後、治具6および保持部材上に保持蓋7を載せ、矢印のように加圧固定することができる。
【0017】次いで、図5に示すように、保持部材3Aと光導波路基板9とを結合する。即ち、保持部材3Aを治具6の基準面6a上に固定する。これとともに、光導波路基板9の底面9aを治具8の基準面8a上に固定する。基板9の上面9b側には光導波路10が形成されている。この際、治具6の基準面6a(方向D)と、治具8の基準面8a(方向E)とが、所望角度θをなすように、治具6と8とを設置しておく。9cは光導波路基板9の端面である。
【0018】そして、図示しない光学樹脂によって保持部材3Aと光導波路基板9とを結合する。図6は、この結合体を示す平面図である。
【0019】本例によれば、この結合に際して、保持部材3および光ファイバ5の端面のテーパ面3b、5aの方向が、光導波路基板の端面9c(テーパ面)の方向に対して正確に位置決めされる。これとともに、偏波面保持光ファイバ3の偏波面の方向Bが、光導波路10に対して所望角度で位置決めされる。これは、保持部材3Aのオリフラ面4に対して、光ファイバ5の端面5aの位置および偏波面の方向Bが機械的に正確に定まっているからである。
【0020】好適な実施形態においては、保持部材がフェルールまたはキャピラリであるが、ビーズ、管、チューブを使用できる。また上記のものについて材質はガラス、ジルコニア、金属、樹脂、その他問わない。
【0021】好適な実施形態においては、保持部材の外周面に複数のオリフラ面が形成されている。これによって、CCD等の画像処理装置を用いた観測が一層容易になるので、画像処理装置を用いた光ファイバの結合状態の制御や観測が容易になる。
【0022】好適な実施形態においては、複数のオリフラ面が互いに略垂直に形成されている。例えば図7(a)に示す結合体11Bにおいては、保持部材3Bが、オリフラ面4と、これに略垂直なオリフラ面4Aとを有する。これによって、保持部材の端面を画像処理装置によって観測する際に、保持部材3Bの向き、そしてそのなかに保持されている光ファイバ5の向きを、正確に決定することができる。これによって、画像処理により、光ファイバ5を光導波路に対して平行に設置することが容易になる。
【0023】好適な実施形態においては、複数のオリフラ面が互いに略平行に形成されている。例えば図7(b)に示す結合体11Cにおいては、保持部材3Cが、オリフラ面4と、これに略平行なオリフラ面4Bとを有する。これによって、保持部材の端面を画像処理装置によって観測する際に、端面3bの形状を正確に決定することができる。これによって、画像処理により、特開平11−271560号公報に記載のような、保持部材と光導波路基板との間隔の非破壊検査が容易になる。
【0024】以下、図1〜図5を参照しつつ説明したプロセスに従って、光ファイバ、保持部材および光導波路基板の結合体を作製した。具体的には、フェルール3に機械加工によりオリフラ面4を形成し、フェルール3中に偏波面保持光ファイバ5を挿入、固定した。この際、偏波面保持光ファイバ5の偏波面の方向Bが、オリフラ面4に対して垂直になるようにした。そして、フェルール3および光ファイバ5の端面を研磨して角度8°のテーパ面を形成し、結合体11Aを得た(図3(b))。
【0025】このフェルール3Aおよび光導波路基板9を、図5に示すようにセットした。治具6の基準面6aと治具8の基準面8aの角度θは、0.1°以下の精度で90°に調整した。光導波路基板9のエッジ部分を目測しながら、フェルールと光導波路基板との各端面が二軸方向で互いに平行となるように位置調整した。そしてフェルールの端面と光導波路基板の端面との間隔が10μmとなるように合わせた。次いで光ファイバ5にLD光を入射させ、光導波路基板の出射側端面をCCDにて観測し、出射光量(NFP)が最大になるように、光ファイバ5と光導波路との光軸を、二軸方向でミクロン精度で調整した。これによって光導波路基板の入射側の粗調芯を終了した。次いで、光導波路基板の出射側については、光ファイバからの出射光をホトダイオードで受光し、入射側と同様にして粗調芯を行った。最後に、入射側、出射側ともに、サブミクロン精度で、ホトダイオードの受光光量が最大となるように微調芯した。そして、入射側、出射側ともに、フェルールの端面と光導波路基板の端面との間に紫外線硬化型接着剤を塗布し、紫外線を照射して接着剤を硬化させ、結合体を得た。
【0026】この結合体を50個製造した。各結合体について、治具8の基準面8aに対する偏波面保持光ファイバの偏波面の角度の誤差を光学的観測によって測定した。この結果を図8に示す。この結果から分かるように、機械的な加工および調整によって、偏波面保持光ファイバと光導波路との偏波面を高精度で合わせることが可能になった。
【0027】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、光ファイバ保持部材によって光ファイバを保持し、光導波路基板と結合するのに際して、光ファイバの端面のテーパ面の方向性を容易かつ正確に制御でき、これによって光ファイバと光導波路との光学的結合プロセスを容易にできる。
さらに光ファイバ保持部材によって偏波面保持光ファイバを保持し、光導波路基板と結合する場合には、偏波面保持光ファイバの偏光方向と光導波路の偏光方向性を容易かつ正確に制御でき、これによって偏波面保持光ファイバと光導波路との光学的結合プロセスを容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、光ファイバ保持部材1を示す側面図であり、(b)は、オリフラ面4の形成された保持部材3を示す側面図であり、(c)は、オリフラ面4の形成された保持部材3の端面3aを示す正面図である。
【図2】(a)は、保持部材3の保持孔2内に光ファイバ5を挿入した状態を示す側面図であり、(b)は、図2(a)の保持部材3を治具6の基準面6a上に設置した状態を示す側面図であり、(c)は、図2(b)の保持部材3および治具6を端面3a側から見た正面図である。
【図3】(a)は、図2(c)の保持部材3の加工面Cを示す図であり、(b)は、テーパ面3bの形成された保持部材3Aを示す側面図である。
【図4】保持部材3(3A)を治具6の基準面6a上に載置して加圧・保持する方法を示す正面図である。
【図5】保持部材3Aと光導波路基板9とを結合する工程における各部材の構成を示す図である。
【図6】光ファイバ5、保持部材3A、光導波路基板9の結合体を概略的に示す平面図である。
【図7】(a)は、互いに略垂直なオリフラ面4、4Aの形成された保持部材3Bを示す正面図であり、(b)は、互いに略平行なオリフラ面4、4Bの形成された保持部材3Cを示す正面図である。
【図8】実施例において、光ファイバと光導波路基板との偏波面角度の誤差の分布を示すグラフである。
【符号の説明】1 オリフラ面を形成する前の光ファイバ保持部材 2 保持孔 3 オリフラ面を形成した後の光ファイバ保持部材 3Aテーパ面を形成した後の光ファイバ保持部材 3a、3b 光ファイバ保持部材の端面 3c 光ファイバ保持部材3の外周面 4、4A、4B オリフラ面 5 光ファイバもしくは偏波面保持光ファイバ 6 治具 6a 治具6の基準面 8 光導波路基板用の治具8a 治具8の基準面 9 光導波路基板 10 光導波路 11、11A、11B、11C 保持部材と光ファイバとの結合体 A 光ファイバの回動方向 B 偏波面保持光ファイバの偏波面の方向 θ 基準面6aと8aとがなす角度
【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバ保持部材、光ファイバと光ファイバ保持部材との結合体および光ファイバと光導波路基板との結合体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光導波路チップと光ファイバとを接続するために光ファイバアレイが一般的に用いられている。この光導波路チップには、GaAs系、InP系の半導体導波路チップ、Si上に酸化膜を形成したり、ガラス基板を用いる誘電体(ガラス)導波路チップ、LiNbO3やLiTaO3結晶で構成した強誘電体結晶導波路チップ等、多数の種類があり、光導波路チップ上にはTi等の金属が拡散された光導波路が形成される。これら光導波路チップに対して、例えば、光ファイバジャイロ等のセンサ・計測関係、高速変調器等の光ファイバ通信関係、A/D変換器等の光情報処理関係、ダイオードアレイ等の光源・光変換関係での多岐にわたる用途が検討されている。
【0003】例えば、前記のような光ファイバジャイロを製造する場合、例えば特許文献1のように、長尺の光ファイバを保持する光ファイバアレイが知られている。
【特許文献1】
特開平11−271560号公報
【0004】また、光ファイバの端部をフェルール中に挿入して保持し、フェルールを光導波路チップに結合し、光ファイバの端面を光導波路端面に光学結合することが行われている。この場合には、光導波路の光軸と光ファイバの光軸とをサブミクロンの精度で調整し、光学樹脂で光導波路基板の端面とフェルールの端面とを結合して一体化する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】フェルールの端面を光導波路基板の端面に対して結合する際には、反射戻り光の対策としてフェルールの端面を研磨してテーパ面を形成することが通常である。このフェルールのテーパ面を光導波路基板の端面(テーパ面)に対して当接し、位置決めし、光学樹脂で結合する。しかし、この際に、フェルールのテーパ面の方向と光導波路基板のテーパ面の方向とを厳密に制御しながら両者を接着することは難しく、多大な手間と熟練とを要する。なぜなら、フェルールには光導波路基板のテーパ面との角度を合わせて判断する基準となる面が無いからである。かつ同時に、光ファイバの端面を光導波路端面に対して位置合わせし、光学調整する作業が必要だからである。
【0006】また、こうした光導波路基板とフェルールとの結合の際には、通常、偏波面保持光ファイバが使用されている。しかし、偏波面保持光ファイバには、二次元的な方向性があり、偏波面の方向を光導波路の偏光方向と合わせる必要がある。しかし、偏波面の方向を光導波路の偏光方向と合わせる作業は、光学的観測装置によって光束を観測しつつ行う必要があって煩雑であり、熟練を要した。
【0007】本発明の課題は、フェルール等の光ファイバ保持部材によって光ファイバを保持し、光導波路基板と結合するのに際して、光ファイバの端面のテーパ面の方向性を容易かつ正確に制御できるようにすることであり、これによって光ファイバと光導波路との光学的結合プロセスを容易にすることである。
さらに、本発明の課題は、フェルール等の光ファイバ保持部材によって偏波面保持光ファイバを保持し、光導波路基板と結合するのに際して、偏波面保持光ファイバの偏光方向と光導波路の偏光方向を容易かつ正確に制御することであり、これによって偏波面保持光ファイバと光導波路との光学的結合プロセスを容易にすることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、光ファイバを挿入し、保持するための保持孔を有する光ファイバ保持部材であって、外周面にオリフラ面が形成されていることを特徴とする。
【0009】また、本発明は、前記光ファイバ保持部材と、この光ファイバ保持部材によって保持されている光ファイバとを備えていることを特徴とする、結合体に係るものである。
【0010】また、本発明は、前記光ファイバ保持部材、この光ファイバ保持部材によって保持されている光ファイバ、および前記光ファイバ保持部材に対して結合されており、光導波路を有する光導波路基板を備えており、光導波路が光ファイバに対して光学的に結合されていることを特徴とする結合体に係るものである。
【0011】本発明において偏波面保持光ファイバを使用する場合には、光ファイバの端面のテーパ面の方向性及び偏波面保持光ファイバと光導波路との偏光方向を容易かつ正確に制御することができ、これによって光ファイバと光導波路との光学的結合プロセスを容易にすることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ、本発明を更に詳細に説明する。図1(a)は、光ファイバ保持部材1を示す側面図である。本保持部材1はフェルールである。保持部材1の外形は略円柱形状であり、保持部材1内には、光ファイバを挿入し、固定するための保持孔2が形成されている。この保持部材1に切断面16に沿って加工を施し、図1(b)、図1(c)に示すようにオリフラ面4を形成する。3は、オリフラ面4の形成された保持部材であり、3aは保持部材3の端面であり、3cは外周面である。
【0013】次いで、図2(a)に示すように、保持孔2内に光ファイバ5を挿入する。5aは光ファイバ5の端面である。次いで、図2(b)に示すように、保持部材3のオリフラ面4を治具6の基準面6a上に載せ、固定する。本例では偏波面保持光ファイバを使用する。この段階では、図2(c)に示すように、オリフラ面4に対して偏波面の角度Bが所定角度をなすようにする必要がある。この目的から、本例では、偏波面保持光ファイバ2を矢印Aのように保持孔2内で回動させ、偏波面の角度Bがオリフラ面4に対して所定角度をなすようにする。
【0014】光ファイバを保持孔中に固定した後、図3(a)に矢印Cで示すように基準面6aを起点とした加工を行い、図3(b)に示すように、テーパ面3bの形成された保持部材3Aを得る。この際、光ファイバ5の端面にもテーパ面5aが形成される。
【0015】本発明によれば、この時点でテーパ面5aのオリフラ面4に対する位置および方向が一義的に決定される。
さらに偏波面角度Bのオリフラ面4に対する偏光方向が一義的に決定される。
【0016】なお、保持部材3の端面を加工する際や、後述するように光導波路基板と結合する際には、保持部材3を治具6の基準面6aに対して押圧して位置決めすることが好ましい。この際には、例えば図4に示すように、治具6の基準面6a上に保持部材3を載せた後、治具6および保持部材上に保持蓋7を載せ、矢印のように加圧固定することができる。
【0017】次いで、図5に示すように、保持部材3Aと光導波路基板9とを結合する。即ち、保持部材3Aを治具6の基準面6a上に固定する。これとともに、光導波路基板9の底面9aを治具8の基準面8a上に固定する。基板9の上面9b側には光導波路10が形成されている。この際、治具6の基準面6a(方向D)と、治具8の基準面8a(方向E)とが、所望角度θをなすように、治具6と8とを設置しておく。9cは光導波路基板9の端面である。
【0018】そして、図示しない光学樹脂によって保持部材3Aと光導波路基板9とを結合する。図6は、この結合体を示す平面図である。
【0019】本例によれば、この結合に際して、保持部材3および光ファイバ5の端面のテーパ面3b、5aの方向が、光導波路基板の端面9c(テーパ面)の方向に対して正確に位置決めされる。これとともに、偏波面保持光ファイバ3の偏波面の方向Bが、光導波路10に対して所望角度で位置決めされる。これは、保持部材3Aのオリフラ面4に対して、光ファイバ5の端面5aの位置および偏波面の方向Bが機械的に正確に定まっているからである。
【0020】好適な実施形態においては、保持部材がフェルールまたはキャピラリであるが、ビーズ、管、チューブを使用できる。また上記のものについて材質はガラス、ジルコニア、金属、樹脂、その他問わない。
【0021】好適な実施形態においては、保持部材の外周面に複数のオリフラ面が形成されている。これによって、CCD等の画像処理装置を用いた観測が一層容易になるので、画像処理装置を用いた光ファイバの結合状態の制御や観測が容易になる。
【0022】好適な実施形態においては、複数のオリフラ面が互いに略垂直に形成されている。例えば図7(a)に示す結合体11Bにおいては、保持部材3Bが、オリフラ面4と、これに略垂直なオリフラ面4Aとを有する。これによって、保持部材の端面を画像処理装置によって観測する際に、保持部材3Bの向き、そしてそのなかに保持されている光ファイバ5の向きを、正確に決定することができる。これによって、画像処理により、光ファイバ5を光導波路に対して平行に設置することが容易になる。
【0023】好適な実施形態においては、複数のオリフラ面が互いに略平行に形成されている。例えば図7(b)に示す結合体11Cにおいては、保持部材3Cが、オリフラ面4と、これに略平行なオリフラ面4Bとを有する。これによって、保持部材の端面を画像処理装置によって観測する際に、端面3bの形状を正確に決定することができる。これによって、画像処理により、特開平11−271560号公報に記載のような、保持部材と光導波路基板との間隔の非破壊検査が容易になる。
【0024】以下、図1〜図5を参照しつつ説明したプロセスに従って、光ファイバ、保持部材および光導波路基板の結合体を作製した。具体的には、フェルール3に機械加工によりオリフラ面4を形成し、フェルール3中に偏波面保持光ファイバ5を挿入、固定した。この際、偏波面保持光ファイバ5の偏波面の方向Bが、オリフラ面4に対して垂直になるようにした。そして、フェルール3および光ファイバ5の端面を研磨して角度8°のテーパ面を形成し、結合体11Aを得た(図3(b))。
【0025】このフェルール3Aおよび光導波路基板9を、図5に示すようにセットした。治具6の基準面6aと治具8の基準面8aの角度θは、0.1°以下の精度で90°に調整した。光導波路基板9のエッジ部分を目測しながら、フェルールと光導波路基板との各端面が二軸方向で互いに平行となるように位置調整した。そしてフェルールの端面と光導波路基板の端面との間隔が10μmとなるように合わせた。次いで光ファイバ5にLD光を入射させ、光導波路基板の出射側端面をCCDにて観測し、出射光量(NFP)が最大になるように、光ファイバ5と光導波路との光軸を、二軸方向でミクロン精度で調整した。これによって光導波路基板の入射側の粗調芯を終了した。次いで、光導波路基板の出射側については、光ファイバからの出射光をホトダイオードで受光し、入射側と同様にして粗調芯を行った。最後に、入射側、出射側ともに、サブミクロン精度で、ホトダイオードの受光光量が最大となるように微調芯した。そして、入射側、出射側ともに、フェルールの端面と光導波路基板の端面との間に紫外線硬化型接着剤を塗布し、紫外線を照射して接着剤を硬化させ、結合体を得た。
【0026】この結合体を50個製造した。各結合体について、治具8の基準面8aに対する偏波面保持光ファイバの偏波面の角度の誤差を光学的観測によって測定した。この結果を図8に示す。この結果から分かるように、機械的な加工および調整によって、偏波面保持光ファイバと光導波路との偏波面を高精度で合わせることが可能になった。
【0027】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、光ファイバ保持部材によって光ファイバを保持し、光導波路基板と結合するのに際して、光ファイバの端面のテーパ面の方向性を容易かつ正確に制御でき、これによって光ファイバと光導波路との光学的結合プロセスを容易にできる。
さらに光ファイバ保持部材によって偏波面保持光ファイバを保持し、光導波路基板と結合する場合には、偏波面保持光ファイバの偏光方向と光導波路の偏光方向性を容易かつ正確に制御でき、これによって偏波面保持光ファイバと光導波路との光学的結合プロセスを容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、光ファイバ保持部材1を示す側面図であり、(b)は、オリフラ面4の形成された保持部材3を示す側面図であり、(c)は、オリフラ面4の形成された保持部材3の端面3aを示す正面図である。
【図2】(a)は、保持部材3の保持孔2内に光ファイバ5を挿入した状態を示す側面図であり、(b)は、図2(a)の保持部材3を治具6の基準面6a上に設置した状態を示す側面図であり、(c)は、図2(b)の保持部材3および治具6を端面3a側から見た正面図である。
【図3】(a)は、図2(c)の保持部材3の加工面Cを示す図であり、(b)は、テーパ面3bの形成された保持部材3Aを示す側面図である。
【図4】保持部材3(3A)を治具6の基準面6a上に載置して加圧・保持する方法を示す正面図である。
【図5】保持部材3Aと光導波路基板9とを結合する工程における各部材の構成を示す図である。
【図6】光ファイバ5、保持部材3A、光導波路基板9の結合体を概略的に示す平面図である。
【図7】(a)は、互いに略垂直なオリフラ面4、4Aの形成された保持部材3Bを示す正面図であり、(b)は、互いに略平行なオリフラ面4、4Bの形成された保持部材3Cを示す正面図である。
【図8】実施例において、光ファイバと光導波路基板との偏波面角度の誤差の分布を示すグラフである。
【符号の説明】1 オリフラ面を形成する前の光ファイバ保持部材 2 保持孔 3 オリフラ面を形成した後の光ファイバ保持部材 3Aテーパ面を形成した後の光ファイバ保持部材 3a、3b 光ファイバ保持部材の端面 3c 光ファイバ保持部材3の外周面 4、4A、4B オリフラ面 5 光ファイバもしくは偏波面保持光ファイバ 6 治具 6a 治具6の基準面 8 光導波路基板用の治具8a 治具8の基準面 9 光導波路基板 10 光導波路 11、11A、11B、11C 保持部材と光ファイバとの結合体 A 光ファイバの回動方向 B 偏波面保持光ファイバの偏波面の方向 θ 基準面6aと8aとがなす角度
Claims (9)
- 光ファイバを挿入し、保持するための保持孔を有する光ファイバ保持部材であって、
外周面にオリフラ面が形成されていることを特徴とする、光ファイバ保持部材。 - 前記外周面に複数の前記オリフラ面が形成されていることを特徴とする、請求項1記載の光ファイバ保持部材。
- 複数の前記オリフラ面が互いに略平行に形成されていることを特徴とする、請求項2記載の光ファイバ保持部材。
- 複数の前記オリフラ面が互いに略垂直に形成されていることを特徴とする、請求項2記載の光ファイバ保持部材。
- フェルールまたはキャピラリであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一つの請求項に記載の光ファイバ保持部材。
- 請求項1〜5のいずれか一つの請求項に記載の光ファイバ保持部材と、この光ファイバ保持部材によって保持されている光ファイバとを備えていることを特徴とする、光ファイバと光ファイバ保持部材との結合体。
- 前記光ファイバが偏波面保持光ファイバであることを特徴とする、請求項6記載の結合体。
- 請求項1〜5のいずれか一つの請求項に記載の光ファイバ保持部材、この光ファイバ保持部材によって保持されている光ファイバ、および前記光ファイバ保持部材に対して結合されており、光導波路を有する光導波路基板を備えており、前記光導波路が前記光ファイバに対して光学的に結合されていることを特徴とする、光ファイバと光導波路基板との結合体。
- 前記光ファイバが偏波面保持光ファイバであることを特徴とする、請求項8記載の結合体。
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Cited By (2)
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WO2018186392A1 (ja) * | 2017-04-07 | 2018-10-11 | Tdk株式会社 | 光ファイバ部品、光回路部品及び光回路部品の製造方法 |
CN115308848A (zh) * | 2022-08-15 | 2022-11-08 | 大连理工大学 | 高精度集成化光纤延时线阵列的制备装置、方法,以及包括该装置的系统 |
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2003
- 2003-02-13 JP JP2003034592A patent/JP2004245989A/ja not_active Withdrawn
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WO2018186392A1 (ja) * | 2017-04-07 | 2018-10-11 | Tdk株式会社 | 光ファイバ部品、光回路部品及び光回路部品の製造方法 |
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CN115308848B (zh) * | 2022-08-15 | 2023-05-23 | 大连理工大学 | 高精度集成化光纤延时线阵列的制备装置、方法,以及包括该装置的系统 |
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