JP2004245382A - スイングアーム式減速装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】駆動軸31に取付けた偏心カム81と、この偏心カム81に取付けたリンク部材82,82と、これらのリンク部材82,82を往復運動可能に案内する案内部材101と、この案内部材101を案内方向と略直交する方向に位置決めする位置決め部材102と、リンク部材82,82の先端に連結する長孔91を備えたスイングアーム83と、このスイングアーム83の先端に第1のワンウェイクラッチ121を介して取付けた受動軸34と、から構成した。
【効果】駆動軸に取付けた偏心カムと、この偏心カムに取付けたリンク部材と、リンク部材の先端に連結する長孔を備えたスイングアームと、このスイングアームの先端に第1のワンウェイクラッチを介して取付けた受動軸と、から構成することで、減速比の大きい減速装置を小型に構成できる。この結果、減速装置を搭載する機器をコンパクトにまとめることができる。
【選択図】 図8
【効果】駆動軸に取付けた偏心カムと、この偏心カムに取付けたリンク部材と、リンク部材の先端に連結する長孔を備えたスイングアームと、このスイングアームの先端に第1のワンウェイクラッチを介して取付けた受動軸と、から構成することで、減速比の大きい減速装置を小型に構成できる。この結果、減速装置を搭載する機器をコンパクトにまとめることができる。
【選択図】 図8
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スイングアーム式減速装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
前記国際特許分類を調査分野として、先行技術文献情報の調査を実施したが、該当する文献を見出すことはできなかった。本発明が、ごく特殊な分野の技術であることがその理由であると思われる。
そこで、本発明者等は、先行技術文献情報に代えて、従来の技術を図面を用いて説明する。
【0003】
図14は従来の減速装置の原理図である。
減速装置230は、駆動軸231に駆動ギヤ232を取付け、この駆動ギヤ232に第1大ギヤ233を噛合わせ、この第1大ギヤ233と同軸に且つ一体的に第1小ギヤ234を取付け、この第1小ギヤ234に第2大ギヤ235を噛合わせ、この第2大ギヤ235と同軸に且つ一体的に第2小ギヤ236を取付け、この第2小ギヤ236に第3大ギヤ237を噛合わせ、この第3大ギヤ237と同軸に且つ一体的に第3小ギヤ238を取付け、この第3小ギヤ238に受動ギヤ239を噛合わせ、この受動ギヤ239を受動軸241に取付けることで、駆動軸231の回転を減速しつつ受動軸241に伝達するようにしたものである。
なお、243〜244は第1〜第3支持軸である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の減速装置230では、高速回転させた駆動軸231を低速にして受動軸241に伝えるためには、数多くのギヤ232〜239を使用しなければならず、減速装置230が複雑になるとともに減速装置が大きなものとなる。
また、受動軸241側に大きな負荷がかかった場合に、各ギヤ232〜239の噛合わせ部分にストレスが発生する。このようなストレスについても緩衝させる手段を簡単に構成できることも望まれる。例えば、受動軸241と受動ギヤ239との間に滑りクラッチなどを配置する方法が考えられるが、これでは、コストの高騰を招くことにもなる。
【0005】
そこで、本発明の目的は、減速比の大きい減速装置を小型に構成できるとともに、受動側に大きな負荷がかかったときに伝達経路中でその大きな負荷を緩衝することのできる技術を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1のスイングアーム式減速装置は、駆動軸に取付けた偏心カムと、この偏心カムに取付けたリンク部材と、このリンク部材を往復運動可能に案内する案内部材と、この案内部材を案内方向と略直交する方向に位置決めする位置決め部材と、リンク部材の先端に連結する長孔を備えたスイングアームと、このスイングアームの先端に第1のワンウェイクラッチを介して取付けた受動軸と、から構成した。
【0007】
減速比の大きい減速装置を小型に構成できるとすれば、この減速装置を搭載する機器をコンパクトにまとめることができ好都合であり、また、減速比を簡単にアジャストできるようにすることは、減速装置の用途を拡大する上で好ましいことである。
そこで、駆動軸に偏心カムを取付け、この偏心カムにリンク部材を取付け、このリンク部材をスイングアームに連結し、このスイングアームを第1のワンウェイクラッチを介して受動軸に取付けることで、減速比の大きい減速装置を小型に構成できる。この結果、減速装置を搭載する機器をコンパクトにまとめることができる。
【0008】
また、リンク部材を往復運動可能に案内する案内部材を設け、この案内部材を案内方向と略直交する方向に位置決めする位置決め部材を設け、スイングアームにリンク部材の先端に連結する長孔を設けることで、スイングアームのスイング幅を変えることができる。この結果、駆動軸に対する受動軸の回転数を変化させることができる。すなわち、減速装置の減速比をアジャストすることができる。
【0009】
請求項2は、第1のワンウェイクラッチとは別に逆方向に回転を伝える第2のワンウェイクラッチを受動軸に介在させ、これらの第1・第2のワンウェイクラッチ側にスイングアームを切換える切換え部材を介在させたことを特徴とする。
【0010】
第1のワンウェイクラッチとは別に逆方向に回転を伝える第2のワンウェイクラッチを受動軸に介在させ、これらの第1・第2のワンウェイクラッチ側にスイングアームを切換える切換え部材を介在させることで、受動軸を正逆に回転させることができる。
【0011】
請求項3は、リンク部材に、過大なストレスが受動軸に発生したときに緩衝させる緩衝部を備えたことを特徴とする。
リンク部材に、過大なストレスが受動軸に発生したときに緩衝させる緩衝部を備えることで、偏心カム、第1・第2ワンウェイクラッチなどの構成部材を痛めることを回避することができる。
【0012】
請求項4は、リンク部材を、板ばねにて形成したことを特徴とする。
リンク部材を、板ばねにて形成することでリンク部材に緩衝部を容易に形成することができる。この結果、スイングアーム式減速装置のコストの低減を図ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係る剪定枝葉の破砕装置を搭載した剪定枝葉破砕車両の斜視図である。
剪定枝葉破砕車両10は、車体フレーム11と、この車体フレーム11の下部前側に取付けた前輪12,12(奥の12は不図示)と、車体フレーム11の下部後側に首振り可能に取付けた後輪13と、車体フレーム11に搭載したエンジン14と、このエンジン14に上部に且つ車体フレーム11に搭載した剪定枝葉の破砕装置30と、車体フレーム11から後方に延出した左・右ハンドル16,17と、これらの左・右ハンドル16,17にそれぞれ設けることで走行時に握ったほうに旋回させる左右のクラッチレバー18,19と、左ハンドル16上部に設けることでエンジン14の回転数を調整するスロットルレバー21と、右ハンドル17に設けることで車体を走行させるときに切換える走行クラッチレバー25と、車体フレーム11後部中央に設けることで車両の前進及び後進を切換える前後進切換えレバー23と、右ハンドル17に設けることで車両を停止させるブレーキレバー(不図示)と、左ハンドル16に設けることで剪定枝葉を破砕時に切換える作業クラッチレバー22と、からなる車両である。なお、26,27は剪定枝葉の破砕装置30の内部を覆う左右のサイドカバーである。
【0014】
図2は本発明に係る剪定枝葉の破砕装置の斜視図である。なお、ハウジング42の一部を取外した状態にて図示した。
剪定枝葉の破砕装置30は、エンジン14(図1参照)で回転させる駆動軸31と、この駆動軸31に取付けた回転ハンマ組立体32と、スイングアーム式減速装置80(図7〜図13で詳細に説明する)を介して駆動軸31に接続した受動軸34と、この受動軸34にベルト35(図3参照)を介して接続した一対のピンチローラの一方としての上ローラ36と、この上ローラ36の回転で連れ回る一対のピンチローラの他方としての下ローラ37と、回転ハンマ組立体32と上・下ローラ36,37との間に設けることで、剪定枝葉を複数のハンマ38・・・でたたいたときに剪定枝葉の破砕を容易にする受け刃39と、回転ハンマ組立体32の廻りに設けることで、破砕した剪定枝葉の所定の大きさのピースよりも下回るピースを排出するスクリーン41と、これらの回転ハンマ組立体32、上・下ローラ36,37及び受け刃39を一括して覆い、受け刃39及びスクリーン41を支持し、上ローラ36をスイング自在に支え、且つ駆動軸31、受動軸34及び下ローラ37を回転自在に支持するハウジング42と、からなる。
【0015】
なお、43はハウジング42に形成することで上・下ローラ36,37に剪定枝葉を送り込む投入口、44はハウジング42に形成することで破砕したピースを排出する排出口である。
【0016】
図3は本発明に係る剪定枝葉の破砕装置の平面図である。なお、ハウジング42の一部を取外した状態にて図示した。
駆動軸31は、エンジン14の回転を受けるためのプーリ46を備える。
回転ハンマ組立体32は、駆動軸31廻りに構成する回転ドラム47と、この回転ドラム47の外周部48にスイング自在に取付けることで剪定枝葉をたたき細かいピースに破砕する第1〜第4ハンマ列51〜54と、からなる。
【0017】
回転ドラム47は、駆動軸31に取付けるとともに回転時のハンマ38・・・の略外径の大きさに設定するガイド円板56と、駆動軸31に取付ける左円板57、右円板58及びセンタ円板59と、これらの円板57,58,59の外周57a,58a,59aの近傍に等角度で貫通させる4本のロッド61・・・と、これらのロッド61・・・の雄ねじ部62・・・にねじ込むことでロッド61・・・を左・右円板57,58に取付けるナット63・・・と、からなる。
【0018】
第1ハンマ列51は、ブロック状の複数個のハンマ38・・・をカラー64・・・を介してロッド61に貫通させることで、ハンマ38・・・同士の間隔を確保しつつロッド61にスイング自在に取付けたものである。
【0019】
第2ハンマ列52は、第1ハンマ列51と同様に、複数個のハンマ38・・・をカラー64・・・を介してロッド61に貫通させることで、ハンマ38・・・同士の間隔を確保しつつロッド61にスイング自在に取付けたものであり、第1ハンマ列51のハンマ38・・・の配列に対して第2ハンマ列52のハンマ38・・・がロッド61軸方向に重ならぬように、オフセットさせて配列したものである。
第3ハンマ列53は、第1ハンマ列51と同一のハンマ列であり、第4ハンマ列54は、第2ハンマ列52と同一のハンマ列であり、詳細な説明は省略する。
【0020】
すなわち、剪定枝葉の破砕装置30は、回転ドラム47の外周部48にハンマ38・・・を回転可能に取付けるために軸方向に沿わせた複数のロッド61・・・を備え、これらの各ロッド61・・・に取付けるハンマ38・・・の軸方向取付け位置をそれぞれオフセットさせたものと言える。
各ロッド61・・・に取付けるハンマ38・・・の軸方向取付け位置をそれぞれオフセットさせることで、上・下ローラ(ピンチローラ)36,37にて送り込んだ破砕枝葉をまんべんなく破砕することができる。この結果、剪定枝葉の破砕効率の向上を図ることができる。
【0021】
上ローラ36は、左・右アーム65,66を介して受動軸34側にスイング可能に支持させた部材であり、剪定枝葉に食い込ませるためのローレット67を備え、自重で下ローラ37に向けて押付ける部材である。
左・右アーム65,66は、一端を受動軸34に回転自在に取付け、他端に上ローラ36を回転自在に支持させる部材である。
下ローラ37は、図2に示すように、剪定枝葉に食い込ませるためのローレット68を備える。
【0022】
受け刃39は、剪定枝葉をハンマ38・・・でたたいたときに、剪定枝葉の破砕を容易にするために、上・下ローラ36,37と回転ハンマ組立体32との間に設ける部材であり、言い換えれば、上・下ローラ36,37の下流側に設けた部材であるとも言え、ハウジング42の左右内部に取付けたクロスバー69を介してハウジング42側に取付けた部材である。
スクリーン41は、ハウジング42の排出口44(図2参照)近傍のみに所定の大きさのピースを通過させるピース排出孔71・・・を形成したものである。
【0023】
図4は本発明に係る剪定枝葉の破砕装置の正面図であり、剪定枝葉の破砕装置30は、ハウジング42に、上・下ローラ36,37(図2参照)に剪定枝葉を送り込む投入口43と、ハンマ38・・・で破砕したピースを排出する排出口44とを備え、この排出口44側に所定の大きさのピースのみを排出するスクリーン41を備えたことを示す。
【0024】
ハウジング42の排出口44側に所定の大きさのピースのみを排出するスクリーン41を備えることで、所定の大きさより下回る大きさのピースのみを通過させることができる。なお、ピース排出孔71・・・を通過できなかったピースは、再度ハンマに当たることで細かく破砕され、ピース排出孔71・・・を通過することができる。
【0025】
図5は本発明に係る剪定枝葉の破砕装置の側面図である。なお、ハウジング42の一部を取外した状態にて図示した。
剪定枝葉の破砕装置30は、剪定枝葉を挟み込みつつ所定の速度で送る一対の上・下ローラ(ピンチローラ)36,37と、これらの上・下ローラ36,37の下流に配置することで剪定枝葉を支える受け刃39と、この受け刃39からはみ出した剪定枝葉をたたき落とすことで細かいピースに破砕する複数のハンマ38・・・と、これらのハンマ38・・・を回転可能を回転可能に支える回転ドラム47と、これらの上・下ローラ36,37、受け刃39、複数のハンマ38・・・及び回転ドラム47を一括して覆うハウジング42と、から構成したものと言える。
【0026】
例えば、剪定枝葉をできるだけ均一なピースに破砕することができれば、このピースを運搬したり、燃料等に再利用したりするときに扱いやすい。また、剪定枝葉を破砕するときの負荷を低減することができるとすれば、剪定枝葉の破砕装置を小型にすることができたり、破砕の際の電力や燃料の消費を抑えることができるので好ましい。
【0027】
そこで、上・下ローラ(ピンチローラ)36,37の下流に剪定枝葉を支える受け刃を配置することで、剪定枝葉を複数のハンマ38・・・でたたいたときに、剪定枝葉を破砕しやすいようにした。
【0028】
すなわち、上・下ローラ36,37の下流に剪定枝葉を支える受け刃を配置することで、剪定枝葉をできるだけ均一なピースに破砕することができる。この結果、破砕したピースを運搬したり、燃料等に再利用したりするときに容易に扱うことができる。また、上・下ローラ36,37の下流に剪定枝葉を支える受け刃を配置することで、剪定枝葉を破砕するときの負荷を低減することができる。この結果、破砕の際の電力や燃料の消費を抑えることができる。
なお、72はハウジング42に形成することで、上ローラ36のスイングを許容するスイング孔を示す。
【0029】
以上に述べた剪定枝葉の破砕装置30の作用を次に説明する。
図6(a)〜(c)は本発明に係る剪定枝葉の破砕装置の作用説明図である。
(a)において、停止させた状態の剪定枝葉の破砕装置30を示し、回転ドラム47が停止したときは、ハンマ38・・・に遠心力が加わらないので、ハンマ38・・・は自重で鉛直方向に垂れた状態で停止する。
【0030】
(b)において、回転ドラム47を矢印b1の如く回転させることで、ハンマ38・・・に遠心力が加わり矢印b2・・・に示すようにハンマ38・・・は回転ドラム47のラジアル方向に張り出す。また、上ローラ36を矢印b3の如く回転させることで剪定枝葉78を矢印b4の如く受け刃39に向かって移動させ、受け刃39からはみ出した剪定枝葉78に矢印b5の如くハンマ38・・・でたたく。なお、下ローラ37は、剪定枝葉78の移動で矢印b6の如く連れ回る。
【0031】
(c)において、受け刃39からはみ出した剪定枝葉78に矢印c1の如くたたくことで、細かいピース79・・・に破砕できることを示す。
すなわち、上・下ローラ(ピンチローラ)36,37の下流に剪定枝葉78を支える受け刃39を配置することで、剪定枝葉78を複数のハンマ38・・・でたたいたときに、剪定枝葉78を容易に破砕することができる。
【0032】
以下、スイングアーム式減速装置80を詳細に説明する。
図7は本発明に係るスイングアーム式減速装置の側面図であり、スイングアーム式減速装置80は、駆動軸31に取付けた偏心カム81と、この偏心カム81に取付けたリンク部材82,82(奥の82は不図示)と、これらのリンク部材82,82の先端に連結するスイングアーム83と、このスイングアーム83のスイング幅を設定するとともにリンク部材82,82を往復運動可能に案内するスイング幅調整機構84と、スイングアーム83の先端にクラッチ機構85を介して取付けた受動軸34と、からなる。なお、99は駆動軸31の軸受を示す。
【0033】
図8は本発明に係るスイングアーム式減速装置の分解斜視図である。
偏心カム81は、駆動軸31の中心から所定の距離シフトさせて駆動軸31に一体的に取付けた板状の部材であり、リンク部材82,82に連結するためのリンク連結孔86を形成したものである。
【0034】
リンク部材82は、板ばね等の弾性材料にて形成した部材であり、一端に偏心カム81に連結する若しくはスイングアーム83に連結するための連結孔87を形成し、他端にスイング幅調整機構84を介してスイングアーム83に連結する若しくは偏心カム81に連結するための連結孔88を形成し、リンク部材82自身に過大な負荷が加わった場合に撓みを許容する緩衝部89を設けたものである。
【0035】
すなわち、リンク部材82に、過大なストレスが受動軸34に発生したときに緩衝させる緩衝部89を備えることで、偏心カム81、第1・第2ワンウェイクラッチ121,123などの構成部材を痛めることを回避することができる。
【0036】
また、リンク部材82を、板ばねにて形成することでリンク部材82に緩衝部89を容易に形成することができる。この結果、スイングアーム式減速装置80のコストの低減を図ることができる。
【0037】
スイングアーム83は、リンク部材82,82及びスイング幅調整機構84を連結する長孔91と、クラッチ機構85に嵌合させる略円筒のクラッチ係合部92とを形成したものであり、クラッチ係合部92は、クラッチ機構85の構成部品(後述する切換え部材125)を嵌合させる凹部93,93を備える。
【0038】
図中、94は偏心カム81とリンク部材82,82とを連結する第1連結ピン、95は第1連結ピン94に嵌める止め輪である。また、96は一方のリンク部材82、スイングアーム83、他方のリンク部材82、ワッシャ97及びスイング幅調整機構84の順で連結する第2連結ピン、98は第2連結ピン96に嵌める止め輪である。
【0039】
スイング幅調整機構84は、リンク部材82,82を往復運動可能に案内する案内部材101と、この案内部材101を案内方向と略直交する方向に位置決めする位置決め部材102と、案内部材101を位置決め部材102にスライド可能に取付けるスライドピン103と、このスライドピン103に嵌める止め輪104と、案内部材101を位置決め部材102にスライドさせるとともに所定の位置に固定する段付きボルト105と、この段付きボルト105に嵌合させる化粧ナット106と、からなる。
【0040】
案内部材101は、リンク部材82,82を往復運動可能に案内する縦ガイド孔111と、スライドピン103を貫通させるスライドピン貫通孔112と、段付きボルト105を貫通させるボルト貫通孔113と、を形成した。
位置決め部材102は、ハウジング42(図7参照)側に取付けた略コ字状の部材であり、リンク部材82,82を往復運動に略直交させる方向に形成することで案内部材101を所定位置に設定する横ガイド孔114を形成した。
【0041】
図9は本発明に係るスイングアーム式減速装置のクラッチ機構の分解斜視図である。
クラッチ機構85は、受動軸34に介在させる前進用である第1のワンウェイクラッチ121と、この第1のワンウェイクラッチ121を一体的に嵌合させる前進用円筒部材122と、受動軸34に介在させる後進用である第2のワンウェイクラッチ123と、この第2のワンウェイクラッチ123を一体的に嵌合させる後進用円筒部材124と、これらの前進用・後進用円筒部材122,124のどちらか一方に嵌合させることで第1のワンウェイクラッチ121又は第2のワンウェイクラッチ123側に切換え部材125と、この切換え部材125を前進用円筒部材122に付勢するコイルばね126と、後進用円筒部材124に嵌合させるために切換え部材125を人手で移動させるシフトレバー127と、を主要構成とした機構である。
【0042】
前進用円筒部材122は、切換え部材125を嵌合させる前進側嵌合溝131,131(一方不図示)を備える。
後進用円筒部材124は、切換え部材125を前進用円筒部材122に押付けるためにコイルばね126を支える鍔部132を備え、この鍔部132にスライド部材を嵌合させる後進側嵌合溝133,133を備える。
【0043】
切換え部材125は、前進用嵌合溝131,131及びスイングアーム83の凹部93,93に嵌合させる前進用角部134,134と、後進用嵌合溝133,133に嵌合させる後進用角部135,135と、コイルばね126を受ける受け部136と、を形成したものである。
シフトレバー127は、切換え部材125を動かす爪部137,137を備える。
【0044】
図中、141はクラッチ機構85の構成部品を一括して受動軸34に取付ける止め輪、142は止め輪141と後進用円筒部材124との間に介在したスラストワッシャ、143は後進用円筒部材124とコイルばね126との間に介在させたコイルばね用ワッシャ、144はコイルばね126と切換え部材125との間に介在させたコイルばね用ワッシャ、145はスラストワッシャ142とベアリング146との間に介在させるシール材、147は第1のワンウェイクラッチ121と第2のワンウェイクラッチ123との間に介在させるベアリング、148は第1のワンウェイクラッチ121とシール材149との間に介在させるベアリング、151は受動軸34の根本に取付けるワッシャを示す。
【0045】
図10は本発明に係るスイングアーム式減速装置の第1のワンウェイクラッチの正面断面図であり、前進用としての第1のワンウェイクラッチ121は、円筒状のクラッチケース153に複数のラッチ溝154・・・を形成し、これらのラッチ溝154・・・にローラ155・・・を介在させたものであり、クラッチケース153を矢印▲1▼の如く回転させたときに、ローラ155・・・がラッチ溝154・・・の浅い部分に移動し、クラッチケース153がローラ155・・・を介して受動軸34と一体的にすることで、受動軸34を矢印▲2▼の如く回転させるものである。
【0046】
図11は本発明に係るスイングアーム式減速装置の第2のワンウェイクラッチの正面断面図であり、後進用としての第2のワンウェイクラッチ123は、円筒状のクラッチケース156にラッチ溝154・・・(図10参照)とは逆の複数のラッチ溝157・・・を形成し、これらのラッチ溝157・・・にローラ158・・・を介在させたものであり、クラッチケース156を矢印▲3▼の如く回転させたときに、ローラ158・・・がラッチ溝157・・・の浅い部分に移動し、クラッチケース156がローラ158・・・を介して受動軸34と一体的にすることで、受動軸34を矢印▲4▼の如く回転させるものである。
【0047】
図12は本発明に係るスイングアーム式減速装置の正面断面図であり、クラッチ機構85は、第1のワンウェイクラッチ121とは別に逆方向に回転を伝える第2のワンウェイクラッチ123を受動軸34に介在させ、これらの第1・第2のワンウェイクラッチ121,123側にスイングアーム83を切換える切換え部材125を介在させたものと言える。
【0048】
第1のワンウェイクラッチ121とは別に逆方向に回転を伝える第2のワンウェイクラッチ123を受動軸34に介在させ、これらの第1・第2のワンウェイクラッチ121,123側にスイングアーム83を切換える切換え部材125を介在させることで、受動軸34を正逆に回転させるできる。
【0049】
図13(a),(b)は本発明に係るスイングアーム式減速装置の作用説明図である。
(a)において、駆動軸31を矢印A1の如く回転させ、偏心カム81でリンク部材82,82(一方の82不図示)を矢印A2の如く略直線運動に変換し、これらのリンク部材82,82の動きでスイングアーム83を矢印A3の如くスイングさせ、第1のワンウェイクラッチ121(図10参照)を介して受動軸34を間欠的に矢印A4の如く駆動する。これにより、駆動軸31の回転数を大幅に減速することができる。
【0050】
例えば、ギヤ列を組合わせた減速装置の場合は、減速比を大きくすれば駆動トルクの増大することが、一般的に知られる。スイングアーム式減速装置80は、駆動軸31の回転を間欠的に受動軸34に伝達するものなので、減速による駆動トルクの増大は起こらない。
【0051】
剪定枝葉の破砕装置30(図2参照)では、回転ハンマ組立体32の駆動トルクは大きいほうが剪定枝葉を破砕する上では好ましい。しかし、上ローラ36の駆動トルクは必ずしも大きい必要はない。上ローラ36の駆動トルクが大きい場合には必要以上に剪定枝葉を送り込んでしまうことがあり、回転ハンマ組立体32(図2参照)に剪定枝葉が咬み込むことも考えられ、回転ハンマ組立体32が減速若しくは停止し、破砕作業の効率を悪化することもある。従って、スイングアーム式減速装置80は、剪定枝葉の破砕装置30に好適な減速装置と言うことができる。
【0052】
また、スイングアーム式減速装置80は、駆動軸31に取付けた偏心カム81と、この偏心カム81に取付けたリンク部材82,82(一方の82不図示)と、これらのリンク部材82,82を往復運動可能に案内する案内部材101と、この案内部材101を案内方向と略直交する方向に位置決めする位置決め部材102と、リンク部材82,82の先端に連結する長孔91を備えたスイングアーム83と、このスイングアーム83の先端に第1のワンウェイクラッチ121(図10参照)を介して取付けた受動軸34と、から構成したものと言える。
【0053】
例えば、減速比の大きい減速装置を小型に構成できるとすれば、この減速装置を搭載する機器をコンパクトにまとめることができ好都合であり、また、減速比を簡単にアジャストできるようにすることは、減速装置の用途を拡大する上で好ましいことである。
【0054】
そこで、駆動軸31に偏心カム81を取付け、この偏心カム81にリンク部材82,82を取付け、これらのリンク部材82,82をスイングアーム83に連結し、このスイングアーム83を第1のワンウェイクラッチ121(図10参照)を介して受動軸34に取付けることで、減速比の大きい減速装置を小型に構成できる。この結果、減速装置を搭載する機器をコンパクトにまとめることができる。
【0055】
(b)において、スイング幅調整機構84の化粧ナット106をゆるめ、案内部材101を矢印B1の如く移動させ、スイングアーム83のスイング幅を矢印B2の如く減少させることで、(a)に示す受動軸34の回転数よりも、受動軸34の回転数を矢印B3の如く低く設定する。
【0056】
すなわち、スイングアーム式減速装置80は、リンク部材82,82(一方の82不図示)を往復運動可能に案内する案内部材101を設け、この案内部材101を案内方向と略直交する方向に位置決めする位置決め部材102を設け、スイングアーム83にリンク部材82,82の先端に連結する長孔91を設けることで、スイングアーム83のスイング幅を変えることができる。この結果、駆動軸31に対する受動軸34の回転数を変化させることができ、減速装置80の減速比をアジャストすることができる。
【0057】
尚、実施の形態では図3に示すように、第1〜第4ハンマ列51〜54を設けたが、これに限るものではなく、ハンマ列は、2列、3列又は6列のように、2列以上であればよい。
実施の形態では図1に示すように、剪定枝葉の破砕装置30は剪定枝葉破砕車両10に搭載した形態で説明したが、これに限るものではなく、剪定枝葉の破砕装置は据置き型であってもよい。
【0058】
実施の形態では図2に示すように、スクリーン41のピース排出孔71の形状は丸型であったが、これに限るものではなく、長孔、矩形孔(長四角孔を含む)若しく楕円孔であってもよい。
【0059】
実施の形態では図2に示すように、スイングアーム式減速装置80は剪定枝葉の破砕装置30に搭載した減速装置として説明したが、これに限るものではなく、減速装置を搭載する機器若しくは装置は問わない。
実施の形態では図10及び図11に示すように、第1・第2のワンウイェイクラッチ121,123にローラ155・・・,158・・・を用いたが、これに限るものではなく、ローラは球を含む転動体であればよい。
【0060】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1では、駆動軸に取付けた偏心カムと、この偏心カムに取付けたリンク部材と、リンク部材の先端に連結する長孔を備えたスイングアームと、このスイングアームの先端に第1のワンウェイクラッチを介して取付けた受動軸と、から構成したので、減速比の大きい減速装置を小型に構成できる。この結果、減速装置を搭載する機器をコンパクトにまとめることができる。
【0061】
また、リンク部材を往復運動可能に案内する案内部材と、この案内部材を案内方向と略直交する方向に位置決めする位置決め部材と、リンク部材の先端に連結する長孔を備えたスイングアームと、から構成したので、スイングアームのスイング幅を変えることができる。この結果、駆動軸に対する受動軸の回転数を変化させることができる。すなわち、減速装置の減速比をアジャストすることができる。
【0062】
請求項2では、第1のワンウェイクラッチとは別に逆方向に回転を伝える第2のワンウェイクラッチを受動軸に介在させ、これらの第1・第2のワンウェイクラッチ側にスイングアームを切換える切換え部材を介在させたので、受動軸を正逆に回転させることができる。
【0063】
請求項3では、リンク部材に、過大なストレスが受動軸に発生したときに緩衝させる緩衝部を備えたので、偏心カム、第1・第2ワンウェイクラッチなどの構成部材を痛めることを回避することができる。
【0064】
請求項4では、リンク部材を、板ばねにて形成したので、リンク部材に緩衝部を容易に形成することができる。この結果、スイングアーム式減速装置のコストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る剪定枝葉の破砕装置を搭載した剪定枝葉破砕車両の斜視図
【図2】本発明に係る剪定枝葉の破砕装置の斜視図
【図3】本発明に係る剪定枝葉の破砕装置の平面図
【図4】本発明に係る剪定枝葉の破砕装置の正面図
【図5】本発明に係る剪定枝葉の破砕装置の側面図
【図6】本発明に係る剪定枝葉の破砕装置の作用説明図
【図7】本発明に係るスイングアーム式減速装置の側面図
【図8】本発明に係るスイングアーム式減速装置の分解斜視図
【図9】本発明に係るスイングアーム式減速装置のクラッチ機構の分解斜視図
【図10】本発明に係るスイングアーム式減速装置の第1のワンウェイクラッチの正面断面図
【図11】本発明に係るスイングアーム式減速装置の第2のワンウェイクラッチの正面断面図
【図12】本発明に係るスイングアーム式減速装置の正面断面図
【図13】本発明に係るスイングアーム式減速装置の作用説明図
【図14】従来の減速装置の原理図
【符号の説明】
30…剪定枝葉の破砕装置、31…駆動軸、34…受動軸、36,37…ピンチローラ(上・下ローラ)、38…ハンマ、39…受け刃、41…スクリーン、42…ハウジング、43…投入口、44…排出口、47…回転ドラム、48…外周部、61…ロッド、80…スイングアーム式減速装置、81…偏心カム、82…リンク部材、83…スイングアーム、89…緩衝部、91…長孔、101…案内部材、102…位置決め部材、121,123…第1・第2のワンウェイクラッチ、125…切換え部材。
【発明の属する技術分野】
本発明は、スイングアーム式減速装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
前記国際特許分類を調査分野として、先行技術文献情報の調査を実施したが、該当する文献を見出すことはできなかった。本発明が、ごく特殊な分野の技術であることがその理由であると思われる。
そこで、本発明者等は、先行技術文献情報に代えて、従来の技術を図面を用いて説明する。
【0003】
図14は従来の減速装置の原理図である。
減速装置230は、駆動軸231に駆動ギヤ232を取付け、この駆動ギヤ232に第1大ギヤ233を噛合わせ、この第1大ギヤ233と同軸に且つ一体的に第1小ギヤ234を取付け、この第1小ギヤ234に第2大ギヤ235を噛合わせ、この第2大ギヤ235と同軸に且つ一体的に第2小ギヤ236を取付け、この第2小ギヤ236に第3大ギヤ237を噛合わせ、この第3大ギヤ237と同軸に且つ一体的に第3小ギヤ238を取付け、この第3小ギヤ238に受動ギヤ239を噛合わせ、この受動ギヤ239を受動軸241に取付けることで、駆動軸231の回転を減速しつつ受動軸241に伝達するようにしたものである。
なお、243〜244は第1〜第3支持軸である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の減速装置230では、高速回転させた駆動軸231を低速にして受動軸241に伝えるためには、数多くのギヤ232〜239を使用しなければならず、減速装置230が複雑になるとともに減速装置が大きなものとなる。
また、受動軸241側に大きな負荷がかかった場合に、各ギヤ232〜239の噛合わせ部分にストレスが発生する。このようなストレスについても緩衝させる手段を簡単に構成できることも望まれる。例えば、受動軸241と受動ギヤ239との間に滑りクラッチなどを配置する方法が考えられるが、これでは、コストの高騰を招くことにもなる。
【0005】
そこで、本発明の目的は、減速比の大きい減速装置を小型に構成できるとともに、受動側に大きな負荷がかかったときに伝達経路中でその大きな負荷を緩衝することのできる技術を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1のスイングアーム式減速装置は、駆動軸に取付けた偏心カムと、この偏心カムに取付けたリンク部材と、このリンク部材を往復運動可能に案内する案内部材と、この案内部材を案内方向と略直交する方向に位置決めする位置決め部材と、リンク部材の先端に連結する長孔を備えたスイングアームと、このスイングアームの先端に第1のワンウェイクラッチを介して取付けた受動軸と、から構成した。
【0007】
減速比の大きい減速装置を小型に構成できるとすれば、この減速装置を搭載する機器をコンパクトにまとめることができ好都合であり、また、減速比を簡単にアジャストできるようにすることは、減速装置の用途を拡大する上で好ましいことである。
そこで、駆動軸に偏心カムを取付け、この偏心カムにリンク部材を取付け、このリンク部材をスイングアームに連結し、このスイングアームを第1のワンウェイクラッチを介して受動軸に取付けることで、減速比の大きい減速装置を小型に構成できる。この結果、減速装置を搭載する機器をコンパクトにまとめることができる。
【0008】
また、リンク部材を往復運動可能に案内する案内部材を設け、この案内部材を案内方向と略直交する方向に位置決めする位置決め部材を設け、スイングアームにリンク部材の先端に連結する長孔を設けることで、スイングアームのスイング幅を変えることができる。この結果、駆動軸に対する受動軸の回転数を変化させることができる。すなわち、減速装置の減速比をアジャストすることができる。
【0009】
請求項2は、第1のワンウェイクラッチとは別に逆方向に回転を伝える第2のワンウェイクラッチを受動軸に介在させ、これらの第1・第2のワンウェイクラッチ側にスイングアームを切換える切換え部材を介在させたことを特徴とする。
【0010】
第1のワンウェイクラッチとは別に逆方向に回転を伝える第2のワンウェイクラッチを受動軸に介在させ、これらの第1・第2のワンウェイクラッチ側にスイングアームを切換える切換え部材を介在させることで、受動軸を正逆に回転させることができる。
【0011】
請求項3は、リンク部材に、過大なストレスが受動軸に発生したときに緩衝させる緩衝部を備えたことを特徴とする。
リンク部材に、過大なストレスが受動軸に発生したときに緩衝させる緩衝部を備えることで、偏心カム、第1・第2ワンウェイクラッチなどの構成部材を痛めることを回避することができる。
【0012】
請求項4は、リンク部材を、板ばねにて形成したことを特徴とする。
リンク部材を、板ばねにて形成することでリンク部材に緩衝部を容易に形成することができる。この結果、スイングアーム式減速装置のコストの低減を図ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係る剪定枝葉の破砕装置を搭載した剪定枝葉破砕車両の斜視図である。
剪定枝葉破砕車両10は、車体フレーム11と、この車体フレーム11の下部前側に取付けた前輪12,12(奥の12は不図示)と、車体フレーム11の下部後側に首振り可能に取付けた後輪13と、車体フレーム11に搭載したエンジン14と、このエンジン14に上部に且つ車体フレーム11に搭載した剪定枝葉の破砕装置30と、車体フレーム11から後方に延出した左・右ハンドル16,17と、これらの左・右ハンドル16,17にそれぞれ設けることで走行時に握ったほうに旋回させる左右のクラッチレバー18,19と、左ハンドル16上部に設けることでエンジン14の回転数を調整するスロットルレバー21と、右ハンドル17に設けることで車体を走行させるときに切換える走行クラッチレバー25と、車体フレーム11後部中央に設けることで車両の前進及び後進を切換える前後進切換えレバー23と、右ハンドル17に設けることで車両を停止させるブレーキレバー(不図示)と、左ハンドル16に設けることで剪定枝葉を破砕時に切換える作業クラッチレバー22と、からなる車両である。なお、26,27は剪定枝葉の破砕装置30の内部を覆う左右のサイドカバーである。
【0014】
図2は本発明に係る剪定枝葉の破砕装置の斜視図である。なお、ハウジング42の一部を取外した状態にて図示した。
剪定枝葉の破砕装置30は、エンジン14(図1参照)で回転させる駆動軸31と、この駆動軸31に取付けた回転ハンマ組立体32と、スイングアーム式減速装置80(図7〜図13で詳細に説明する)を介して駆動軸31に接続した受動軸34と、この受動軸34にベルト35(図3参照)を介して接続した一対のピンチローラの一方としての上ローラ36と、この上ローラ36の回転で連れ回る一対のピンチローラの他方としての下ローラ37と、回転ハンマ組立体32と上・下ローラ36,37との間に設けることで、剪定枝葉を複数のハンマ38・・・でたたいたときに剪定枝葉の破砕を容易にする受け刃39と、回転ハンマ組立体32の廻りに設けることで、破砕した剪定枝葉の所定の大きさのピースよりも下回るピースを排出するスクリーン41と、これらの回転ハンマ組立体32、上・下ローラ36,37及び受け刃39を一括して覆い、受け刃39及びスクリーン41を支持し、上ローラ36をスイング自在に支え、且つ駆動軸31、受動軸34及び下ローラ37を回転自在に支持するハウジング42と、からなる。
【0015】
なお、43はハウジング42に形成することで上・下ローラ36,37に剪定枝葉を送り込む投入口、44はハウジング42に形成することで破砕したピースを排出する排出口である。
【0016】
図3は本発明に係る剪定枝葉の破砕装置の平面図である。なお、ハウジング42の一部を取外した状態にて図示した。
駆動軸31は、エンジン14の回転を受けるためのプーリ46を備える。
回転ハンマ組立体32は、駆動軸31廻りに構成する回転ドラム47と、この回転ドラム47の外周部48にスイング自在に取付けることで剪定枝葉をたたき細かいピースに破砕する第1〜第4ハンマ列51〜54と、からなる。
【0017】
回転ドラム47は、駆動軸31に取付けるとともに回転時のハンマ38・・・の略外径の大きさに設定するガイド円板56と、駆動軸31に取付ける左円板57、右円板58及びセンタ円板59と、これらの円板57,58,59の外周57a,58a,59aの近傍に等角度で貫通させる4本のロッド61・・・と、これらのロッド61・・・の雄ねじ部62・・・にねじ込むことでロッド61・・・を左・右円板57,58に取付けるナット63・・・と、からなる。
【0018】
第1ハンマ列51は、ブロック状の複数個のハンマ38・・・をカラー64・・・を介してロッド61に貫通させることで、ハンマ38・・・同士の間隔を確保しつつロッド61にスイング自在に取付けたものである。
【0019】
第2ハンマ列52は、第1ハンマ列51と同様に、複数個のハンマ38・・・をカラー64・・・を介してロッド61に貫通させることで、ハンマ38・・・同士の間隔を確保しつつロッド61にスイング自在に取付けたものであり、第1ハンマ列51のハンマ38・・・の配列に対して第2ハンマ列52のハンマ38・・・がロッド61軸方向に重ならぬように、オフセットさせて配列したものである。
第3ハンマ列53は、第1ハンマ列51と同一のハンマ列であり、第4ハンマ列54は、第2ハンマ列52と同一のハンマ列であり、詳細な説明は省略する。
【0020】
すなわち、剪定枝葉の破砕装置30は、回転ドラム47の外周部48にハンマ38・・・を回転可能に取付けるために軸方向に沿わせた複数のロッド61・・・を備え、これらの各ロッド61・・・に取付けるハンマ38・・・の軸方向取付け位置をそれぞれオフセットさせたものと言える。
各ロッド61・・・に取付けるハンマ38・・・の軸方向取付け位置をそれぞれオフセットさせることで、上・下ローラ(ピンチローラ)36,37にて送り込んだ破砕枝葉をまんべんなく破砕することができる。この結果、剪定枝葉の破砕効率の向上を図ることができる。
【0021】
上ローラ36は、左・右アーム65,66を介して受動軸34側にスイング可能に支持させた部材であり、剪定枝葉に食い込ませるためのローレット67を備え、自重で下ローラ37に向けて押付ける部材である。
左・右アーム65,66は、一端を受動軸34に回転自在に取付け、他端に上ローラ36を回転自在に支持させる部材である。
下ローラ37は、図2に示すように、剪定枝葉に食い込ませるためのローレット68を備える。
【0022】
受け刃39は、剪定枝葉をハンマ38・・・でたたいたときに、剪定枝葉の破砕を容易にするために、上・下ローラ36,37と回転ハンマ組立体32との間に設ける部材であり、言い換えれば、上・下ローラ36,37の下流側に設けた部材であるとも言え、ハウジング42の左右内部に取付けたクロスバー69を介してハウジング42側に取付けた部材である。
スクリーン41は、ハウジング42の排出口44(図2参照)近傍のみに所定の大きさのピースを通過させるピース排出孔71・・・を形成したものである。
【0023】
図4は本発明に係る剪定枝葉の破砕装置の正面図であり、剪定枝葉の破砕装置30は、ハウジング42に、上・下ローラ36,37(図2参照)に剪定枝葉を送り込む投入口43と、ハンマ38・・・で破砕したピースを排出する排出口44とを備え、この排出口44側に所定の大きさのピースのみを排出するスクリーン41を備えたことを示す。
【0024】
ハウジング42の排出口44側に所定の大きさのピースのみを排出するスクリーン41を備えることで、所定の大きさより下回る大きさのピースのみを通過させることができる。なお、ピース排出孔71・・・を通過できなかったピースは、再度ハンマに当たることで細かく破砕され、ピース排出孔71・・・を通過することができる。
【0025】
図5は本発明に係る剪定枝葉の破砕装置の側面図である。なお、ハウジング42の一部を取外した状態にて図示した。
剪定枝葉の破砕装置30は、剪定枝葉を挟み込みつつ所定の速度で送る一対の上・下ローラ(ピンチローラ)36,37と、これらの上・下ローラ36,37の下流に配置することで剪定枝葉を支える受け刃39と、この受け刃39からはみ出した剪定枝葉をたたき落とすことで細かいピースに破砕する複数のハンマ38・・・と、これらのハンマ38・・・を回転可能を回転可能に支える回転ドラム47と、これらの上・下ローラ36,37、受け刃39、複数のハンマ38・・・及び回転ドラム47を一括して覆うハウジング42と、から構成したものと言える。
【0026】
例えば、剪定枝葉をできるだけ均一なピースに破砕することができれば、このピースを運搬したり、燃料等に再利用したりするときに扱いやすい。また、剪定枝葉を破砕するときの負荷を低減することができるとすれば、剪定枝葉の破砕装置を小型にすることができたり、破砕の際の電力や燃料の消費を抑えることができるので好ましい。
【0027】
そこで、上・下ローラ(ピンチローラ)36,37の下流に剪定枝葉を支える受け刃を配置することで、剪定枝葉を複数のハンマ38・・・でたたいたときに、剪定枝葉を破砕しやすいようにした。
【0028】
すなわち、上・下ローラ36,37の下流に剪定枝葉を支える受け刃を配置することで、剪定枝葉をできるだけ均一なピースに破砕することができる。この結果、破砕したピースを運搬したり、燃料等に再利用したりするときに容易に扱うことができる。また、上・下ローラ36,37の下流に剪定枝葉を支える受け刃を配置することで、剪定枝葉を破砕するときの負荷を低減することができる。この結果、破砕の際の電力や燃料の消費を抑えることができる。
なお、72はハウジング42に形成することで、上ローラ36のスイングを許容するスイング孔を示す。
【0029】
以上に述べた剪定枝葉の破砕装置30の作用を次に説明する。
図6(a)〜(c)は本発明に係る剪定枝葉の破砕装置の作用説明図である。
(a)において、停止させた状態の剪定枝葉の破砕装置30を示し、回転ドラム47が停止したときは、ハンマ38・・・に遠心力が加わらないので、ハンマ38・・・は自重で鉛直方向に垂れた状態で停止する。
【0030】
(b)において、回転ドラム47を矢印b1の如く回転させることで、ハンマ38・・・に遠心力が加わり矢印b2・・・に示すようにハンマ38・・・は回転ドラム47のラジアル方向に張り出す。また、上ローラ36を矢印b3の如く回転させることで剪定枝葉78を矢印b4の如く受け刃39に向かって移動させ、受け刃39からはみ出した剪定枝葉78に矢印b5の如くハンマ38・・・でたたく。なお、下ローラ37は、剪定枝葉78の移動で矢印b6の如く連れ回る。
【0031】
(c)において、受け刃39からはみ出した剪定枝葉78に矢印c1の如くたたくことで、細かいピース79・・・に破砕できることを示す。
すなわち、上・下ローラ(ピンチローラ)36,37の下流に剪定枝葉78を支える受け刃39を配置することで、剪定枝葉78を複数のハンマ38・・・でたたいたときに、剪定枝葉78を容易に破砕することができる。
【0032】
以下、スイングアーム式減速装置80を詳細に説明する。
図7は本発明に係るスイングアーム式減速装置の側面図であり、スイングアーム式減速装置80は、駆動軸31に取付けた偏心カム81と、この偏心カム81に取付けたリンク部材82,82(奥の82は不図示)と、これらのリンク部材82,82の先端に連結するスイングアーム83と、このスイングアーム83のスイング幅を設定するとともにリンク部材82,82を往復運動可能に案内するスイング幅調整機構84と、スイングアーム83の先端にクラッチ機構85を介して取付けた受動軸34と、からなる。なお、99は駆動軸31の軸受を示す。
【0033】
図8は本発明に係るスイングアーム式減速装置の分解斜視図である。
偏心カム81は、駆動軸31の中心から所定の距離シフトさせて駆動軸31に一体的に取付けた板状の部材であり、リンク部材82,82に連結するためのリンク連結孔86を形成したものである。
【0034】
リンク部材82は、板ばね等の弾性材料にて形成した部材であり、一端に偏心カム81に連結する若しくはスイングアーム83に連結するための連結孔87を形成し、他端にスイング幅調整機構84を介してスイングアーム83に連結する若しくは偏心カム81に連結するための連結孔88を形成し、リンク部材82自身に過大な負荷が加わった場合に撓みを許容する緩衝部89を設けたものである。
【0035】
すなわち、リンク部材82に、過大なストレスが受動軸34に発生したときに緩衝させる緩衝部89を備えることで、偏心カム81、第1・第2ワンウェイクラッチ121,123などの構成部材を痛めることを回避することができる。
【0036】
また、リンク部材82を、板ばねにて形成することでリンク部材82に緩衝部89を容易に形成することができる。この結果、スイングアーム式減速装置80のコストの低減を図ることができる。
【0037】
スイングアーム83は、リンク部材82,82及びスイング幅調整機構84を連結する長孔91と、クラッチ機構85に嵌合させる略円筒のクラッチ係合部92とを形成したものであり、クラッチ係合部92は、クラッチ機構85の構成部品(後述する切換え部材125)を嵌合させる凹部93,93を備える。
【0038】
図中、94は偏心カム81とリンク部材82,82とを連結する第1連結ピン、95は第1連結ピン94に嵌める止め輪である。また、96は一方のリンク部材82、スイングアーム83、他方のリンク部材82、ワッシャ97及びスイング幅調整機構84の順で連結する第2連結ピン、98は第2連結ピン96に嵌める止め輪である。
【0039】
スイング幅調整機構84は、リンク部材82,82を往復運動可能に案内する案内部材101と、この案内部材101を案内方向と略直交する方向に位置決めする位置決め部材102と、案内部材101を位置決め部材102にスライド可能に取付けるスライドピン103と、このスライドピン103に嵌める止め輪104と、案内部材101を位置決め部材102にスライドさせるとともに所定の位置に固定する段付きボルト105と、この段付きボルト105に嵌合させる化粧ナット106と、からなる。
【0040】
案内部材101は、リンク部材82,82を往復運動可能に案内する縦ガイド孔111と、スライドピン103を貫通させるスライドピン貫通孔112と、段付きボルト105を貫通させるボルト貫通孔113と、を形成した。
位置決め部材102は、ハウジング42(図7参照)側に取付けた略コ字状の部材であり、リンク部材82,82を往復運動に略直交させる方向に形成することで案内部材101を所定位置に設定する横ガイド孔114を形成した。
【0041】
図9は本発明に係るスイングアーム式減速装置のクラッチ機構の分解斜視図である。
クラッチ機構85は、受動軸34に介在させる前進用である第1のワンウェイクラッチ121と、この第1のワンウェイクラッチ121を一体的に嵌合させる前進用円筒部材122と、受動軸34に介在させる後進用である第2のワンウェイクラッチ123と、この第2のワンウェイクラッチ123を一体的に嵌合させる後進用円筒部材124と、これらの前進用・後進用円筒部材122,124のどちらか一方に嵌合させることで第1のワンウェイクラッチ121又は第2のワンウェイクラッチ123側に切換え部材125と、この切換え部材125を前進用円筒部材122に付勢するコイルばね126と、後進用円筒部材124に嵌合させるために切換え部材125を人手で移動させるシフトレバー127と、を主要構成とした機構である。
【0042】
前進用円筒部材122は、切換え部材125を嵌合させる前進側嵌合溝131,131(一方不図示)を備える。
後進用円筒部材124は、切換え部材125を前進用円筒部材122に押付けるためにコイルばね126を支える鍔部132を備え、この鍔部132にスライド部材を嵌合させる後進側嵌合溝133,133を備える。
【0043】
切換え部材125は、前進用嵌合溝131,131及びスイングアーム83の凹部93,93に嵌合させる前進用角部134,134と、後進用嵌合溝133,133に嵌合させる後進用角部135,135と、コイルばね126を受ける受け部136と、を形成したものである。
シフトレバー127は、切換え部材125を動かす爪部137,137を備える。
【0044】
図中、141はクラッチ機構85の構成部品を一括して受動軸34に取付ける止め輪、142は止め輪141と後進用円筒部材124との間に介在したスラストワッシャ、143は後進用円筒部材124とコイルばね126との間に介在させたコイルばね用ワッシャ、144はコイルばね126と切換え部材125との間に介在させたコイルばね用ワッシャ、145はスラストワッシャ142とベアリング146との間に介在させるシール材、147は第1のワンウェイクラッチ121と第2のワンウェイクラッチ123との間に介在させるベアリング、148は第1のワンウェイクラッチ121とシール材149との間に介在させるベアリング、151は受動軸34の根本に取付けるワッシャを示す。
【0045】
図10は本発明に係るスイングアーム式減速装置の第1のワンウェイクラッチの正面断面図であり、前進用としての第1のワンウェイクラッチ121は、円筒状のクラッチケース153に複数のラッチ溝154・・・を形成し、これらのラッチ溝154・・・にローラ155・・・を介在させたものであり、クラッチケース153を矢印▲1▼の如く回転させたときに、ローラ155・・・がラッチ溝154・・・の浅い部分に移動し、クラッチケース153がローラ155・・・を介して受動軸34と一体的にすることで、受動軸34を矢印▲2▼の如く回転させるものである。
【0046】
図11は本発明に係るスイングアーム式減速装置の第2のワンウェイクラッチの正面断面図であり、後進用としての第2のワンウェイクラッチ123は、円筒状のクラッチケース156にラッチ溝154・・・(図10参照)とは逆の複数のラッチ溝157・・・を形成し、これらのラッチ溝157・・・にローラ158・・・を介在させたものであり、クラッチケース156を矢印▲3▼の如く回転させたときに、ローラ158・・・がラッチ溝157・・・の浅い部分に移動し、クラッチケース156がローラ158・・・を介して受動軸34と一体的にすることで、受動軸34を矢印▲4▼の如く回転させるものである。
【0047】
図12は本発明に係るスイングアーム式減速装置の正面断面図であり、クラッチ機構85は、第1のワンウェイクラッチ121とは別に逆方向に回転を伝える第2のワンウェイクラッチ123を受動軸34に介在させ、これらの第1・第2のワンウェイクラッチ121,123側にスイングアーム83を切換える切換え部材125を介在させたものと言える。
【0048】
第1のワンウェイクラッチ121とは別に逆方向に回転を伝える第2のワンウェイクラッチ123を受動軸34に介在させ、これらの第1・第2のワンウェイクラッチ121,123側にスイングアーム83を切換える切換え部材125を介在させることで、受動軸34を正逆に回転させるできる。
【0049】
図13(a),(b)は本発明に係るスイングアーム式減速装置の作用説明図である。
(a)において、駆動軸31を矢印A1の如く回転させ、偏心カム81でリンク部材82,82(一方の82不図示)を矢印A2の如く略直線運動に変換し、これらのリンク部材82,82の動きでスイングアーム83を矢印A3の如くスイングさせ、第1のワンウェイクラッチ121(図10参照)を介して受動軸34を間欠的に矢印A4の如く駆動する。これにより、駆動軸31の回転数を大幅に減速することができる。
【0050】
例えば、ギヤ列を組合わせた減速装置の場合は、減速比を大きくすれば駆動トルクの増大することが、一般的に知られる。スイングアーム式減速装置80は、駆動軸31の回転を間欠的に受動軸34に伝達するものなので、減速による駆動トルクの増大は起こらない。
【0051】
剪定枝葉の破砕装置30(図2参照)では、回転ハンマ組立体32の駆動トルクは大きいほうが剪定枝葉を破砕する上では好ましい。しかし、上ローラ36の駆動トルクは必ずしも大きい必要はない。上ローラ36の駆動トルクが大きい場合には必要以上に剪定枝葉を送り込んでしまうことがあり、回転ハンマ組立体32(図2参照)に剪定枝葉が咬み込むことも考えられ、回転ハンマ組立体32が減速若しくは停止し、破砕作業の効率を悪化することもある。従って、スイングアーム式減速装置80は、剪定枝葉の破砕装置30に好適な減速装置と言うことができる。
【0052】
また、スイングアーム式減速装置80は、駆動軸31に取付けた偏心カム81と、この偏心カム81に取付けたリンク部材82,82(一方の82不図示)と、これらのリンク部材82,82を往復運動可能に案内する案内部材101と、この案内部材101を案内方向と略直交する方向に位置決めする位置決め部材102と、リンク部材82,82の先端に連結する長孔91を備えたスイングアーム83と、このスイングアーム83の先端に第1のワンウェイクラッチ121(図10参照)を介して取付けた受動軸34と、から構成したものと言える。
【0053】
例えば、減速比の大きい減速装置を小型に構成できるとすれば、この減速装置を搭載する機器をコンパクトにまとめることができ好都合であり、また、減速比を簡単にアジャストできるようにすることは、減速装置の用途を拡大する上で好ましいことである。
【0054】
そこで、駆動軸31に偏心カム81を取付け、この偏心カム81にリンク部材82,82を取付け、これらのリンク部材82,82をスイングアーム83に連結し、このスイングアーム83を第1のワンウェイクラッチ121(図10参照)を介して受動軸34に取付けることで、減速比の大きい減速装置を小型に構成できる。この結果、減速装置を搭載する機器をコンパクトにまとめることができる。
【0055】
(b)において、スイング幅調整機構84の化粧ナット106をゆるめ、案内部材101を矢印B1の如く移動させ、スイングアーム83のスイング幅を矢印B2の如く減少させることで、(a)に示す受動軸34の回転数よりも、受動軸34の回転数を矢印B3の如く低く設定する。
【0056】
すなわち、スイングアーム式減速装置80は、リンク部材82,82(一方の82不図示)を往復運動可能に案内する案内部材101を設け、この案内部材101を案内方向と略直交する方向に位置決めする位置決め部材102を設け、スイングアーム83にリンク部材82,82の先端に連結する長孔91を設けることで、スイングアーム83のスイング幅を変えることができる。この結果、駆動軸31に対する受動軸34の回転数を変化させることができ、減速装置80の減速比をアジャストすることができる。
【0057】
尚、実施の形態では図3に示すように、第1〜第4ハンマ列51〜54を設けたが、これに限るものではなく、ハンマ列は、2列、3列又は6列のように、2列以上であればよい。
実施の形態では図1に示すように、剪定枝葉の破砕装置30は剪定枝葉破砕車両10に搭載した形態で説明したが、これに限るものではなく、剪定枝葉の破砕装置は据置き型であってもよい。
【0058】
実施の形態では図2に示すように、スクリーン41のピース排出孔71の形状は丸型であったが、これに限るものではなく、長孔、矩形孔(長四角孔を含む)若しく楕円孔であってもよい。
【0059】
実施の形態では図2に示すように、スイングアーム式減速装置80は剪定枝葉の破砕装置30に搭載した減速装置として説明したが、これに限るものではなく、減速装置を搭載する機器若しくは装置は問わない。
実施の形態では図10及び図11に示すように、第1・第2のワンウイェイクラッチ121,123にローラ155・・・,158・・・を用いたが、これに限るものではなく、ローラは球を含む転動体であればよい。
【0060】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1では、駆動軸に取付けた偏心カムと、この偏心カムに取付けたリンク部材と、リンク部材の先端に連結する長孔を備えたスイングアームと、このスイングアームの先端に第1のワンウェイクラッチを介して取付けた受動軸と、から構成したので、減速比の大きい減速装置を小型に構成できる。この結果、減速装置を搭載する機器をコンパクトにまとめることができる。
【0061】
また、リンク部材を往復運動可能に案内する案内部材と、この案内部材を案内方向と略直交する方向に位置決めする位置決め部材と、リンク部材の先端に連結する長孔を備えたスイングアームと、から構成したので、スイングアームのスイング幅を変えることができる。この結果、駆動軸に対する受動軸の回転数を変化させることができる。すなわち、減速装置の減速比をアジャストすることができる。
【0062】
請求項2では、第1のワンウェイクラッチとは別に逆方向に回転を伝える第2のワンウェイクラッチを受動軸に介在させ、これらの第1・第2のワンウェイクラッチ側にスイングアームを切換える切換え部材を介在させたので、受動軸を正逆に回転させることができる。
【0063】
請求項3では、リンク部材に、過大なストレスが受動軸に発生したときに緩衝させる緩衝部を備えたので、偏心カム、第1・第2ワンウェイクラッチなどの構成部材を痛めることを回避することができる。
【0064】
請求項4では、リンク部材を、板ばねにて形成したので、リンク部材に緩衝部を容易に形成することができる。この結果、スイングアーム式減速装置のコストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る剪定枝葉の破砕装置を搭載した剪定枝葉破砕車両の斜視図
【図2】本発明に係る剪定枝葉の破砕装置の斜視図
【図3】本発明に係る剪定枝葉の破砕装置の平面図
【図4】本発明に係る剪定枝葉の破砕装置の正面図
【図5】本発明に係る剪定枝葉の破砕装置の側面図
【図6】本発明に係る剪定枝葉の破砕装置の作用説明図
【図7】本発明に係るスイングアーム式減速装置の側面図
【図8】本発明に係るスイングアーム式減速装置の分解斜視図
【図9】本発明に係るスイングアーム式減速装置のクラッチ機構の分解斜視図
【図10】本発明に係るスイングアーム式減速装置の第1のワンウェイクラッチの正面断面図
【図11】本発明に係るスイングアーム式減速装置の第2のワンウェイクラッチの正面断面図
【図12】本発明に係るスイングアーム式減速装置の正面断面図
【図13】本発明に係るスイングアーム式減速装置の作用説明図
【図14】従来の減速装置の原理図
【符号の説明】
30…剪定枝葉の破砕装置、31…駆動軸、34…受動軸、36,37…ピンチローラ(上・下ローラ)、38…ハンマ、39…受け刃、41…スクリーン、42…ハウジング、43…投入口、44…排出口、47…回転ドラム、48…外周部、61…ロッド、80…スイングアーム式減速装置、81…偏心カム、82…リンク部材、83…スイングアーム、89…緩衝部、91…長孔、101…案内部材、102…位置決め部材、121,123…第1・第2のワンウェイクラッチ、125…切換え部材。
Claims (4)
- 駆動軸に取付けた偏心カムと、この偏心カムに取付けたリンク部材と、このリンク部材を往復運動可能に案内する案内部材と、この案内部材を案内方向と略直交する方向に位置決めする位置決め部材と、前記リンク部材の先端に連結する長孔を備えたスイングアームと、このスイングアームの先端に第1のワンウェイクラッチを介して取付けた受動軸と、からなるスイングアーム式減速装置。
- 前記第1のワンウェイクラッチとは別に逆方向に回転を伝える第2のワンウェイクラッチを前記受動軸に介在させ、これらの第1・第2のワンウェイクラッチ側に前記スイングアームを切換える切換え部材を介在させたことを特徴とする請求項1記載の減速装置。
- 前記リンク部材は、過大なストレスが前記受動軸に発生したときに緩衝させる緩衝部を備えたことを特徴とする請求項1若しくは請求項2記載のスイングアーム式減速装置。
- 前記リンク部材を、板ばねにて形成したことを特徴とする請求項3記載のスイングアーム式減速装置。
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