JP2004245339A - フロート式スチームトラップ - Google Patents
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Abstract
【課題】多量の低温空気を素早く排出できると共に、休止時に弁孔よりも下の低温復水を排出できるフロート式スチームトラップを提供する。
【解決手段】入口側部材1と出口側部材2から成るケーシングで入口5と弁室6と出口7を形成する。弁室6と出口7を連通する通過面積の大きな大弁孔8を弁室下端に形成する。弁室6内に温度応動部材としての断面形状がほぼU字状のバイメタル9を配置する。バイメタル9に弁部材12を固定する。バイメタル9は高温時にU字状が狭まるように変形して弁部材12で大弁孔8の通過面積を小さくし、低温時にU字状が拡がるように変形して弁部材12で大弁孔8の通過面積を大きくする。弁部材12に大弁孔8よりも通過面積が小さく弁室6と大弁孔8を連通する弁孔13を形成する。弁室6内に弁孔13を開閉する中空球形のフロート14を自由状態で配置する。
【選択図】 図1
【解決手段】入口側部材1と出口側部材2から成るケーシングで入口5と弁室6と出口7を形成する。弁室6と出口7を連通する通過面積の大きな大弁孔8を弁室下端に形成する。弁室6内に温度応動部材としての断面形状がほぼU字状のバイメタル9を配置する。バイメタル9に弁部材12を固定する。バイメタル9は高温時にU字状が狭まるように変形して弁部材12で大弁孔8の通過面積を小さくし、低温時にU字状が拡がるように変形して弁部材12で大弁孔8の通過面積を大きくする。弁部材12に大弁孔8よりも通過面積が小さく弁室6と大弁孔8を連通する弁孔13を形成する。弁室6内に弁孔13を開閉する中空球形のフロート14を自由状態で配置する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、蒸気配管系に発生する復水を自動的に排出するスチームトラップに関し、特に密閉のフロートで直接にあるいは弁部材等を介して弁孔を開閉するフロート式スチームトラップにおいて、低温時に弁孔を開けるようにしたものに関する。フロート式スチームトラップは、蒸気と復水の比重差を利用して蒸気は排出せずに復水のみを自動的に排出するものであるが、弁室内に非凝縮気体である空気が流入すると、蒸気と同様に弁孔を閉じるのでエアバインディングを起こす問題があった。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
実公昭48−8742号公報
そこで、従来は、実公昭48−8742号公報に示されているような技術が用いられていた。これは、ケーシングで入口と弁室と出口を形成し、弁室と出口を連通する弁孔を弁室内に配置したフロートで開閉し、弁室内に配置した温度応動部材で低温時にフロートが弁孔を閉じることを妨げ高温時にフロートに干渉しないようにしたものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のフロート式スチームトラップは、弁室内に配置した温度応動部材で低温時にフロートが弁孔を閉じることを妨げることにより、低温空気を弁孔から排出してエアバインディングを防止するものであるが、弁孔から排出できる低温空気量には限るがあるので、特に配管系の初期立ち上げ時のように多量の低温空気を排出しなければならない場合に時間が掛かる問題があった。また、弁室内の弁孔よりも下に復水が溜まっているので、配管系の送気が止められた休止時に低温復水が凍結してフロートが破損する問題があった。
【0004】
従って、本発明の技術的課題は、多量の低温空気を素早く排出できると共に、休止時に弁孔よりも下の低温復水を排出できるフロート式スチームトラップを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の技術的課題を解決するために講じた本発明の技術的手段は、ケーシングで入口と弁室と出口を形成し、弁室と出口を連通する通過面積の大きな大弁孔を弁室下端に形成し、弁室内に温度応動部材の一端を取り付け、温度応動部材の他端に大弁孔の通過面積を低温時に大きくし高温時に小さくする弁部材を取り付け、弁部材に弁室と大弁孔を連通する弁孔を形成し、弁孔を開閉するフロートを弁室内に配置したことを特徴とするフロート式スチームトラップにある。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明のフロート式スチームトラップは、弁室と出口を連通する通過面積の大きな大弁孔を弁室下端に形成し、弁室内に温度応動部材の一端を取り付け、温度応動部材の他端に大弁孔の通過面積を低温時に大きくし高温時に小さくする弁部材を取り付けたものである。そのため、低温時には通過面積が大きくされた大弁孔から多量の低温空気を素早く排出できる。また、低温となる休止時には弁室下端の大弁孔から低温復水を排出できる。
【0007】
【実施例】
上記の技術的手段の具体例を示す実施例を説明する(図1参照)。図1に本発明のフロート式スチームトラップの断面図を示す。本実施例はフリーフロート式スチームトラップに適用したものである。フリーフロート式スチームトラップのケーシングは入口側部材1と出口側部材2を間に気密を保つためのシール部材3を介在させて取付部材4で固定して形成する。入口側部材1に入口5を形成し、入口側部材1と出口側部材2の間に弁室6を形成し、出口側部材2に出口7と通過面積の大きな大弁孔8を形成する。入口5は弁室6の上部に連通する。弁室6の下端は大弁孔8を介して下方の出口7に連通する。
【0008】
弁室6内に温度応動部材としてのバイメタル9を配置する。バイメタル9は断面形状がほぼU字状で一端側をビス10で出口側部材2に固定し、他端側をビス11で弁部材12に固定する。バイメタル9は高温時にU字状が狭まるように変形して弁部材12で大弁孔8の通過面積を小さくし、低温時にU字状が拡がるように変形して弁部材12で大弁孔8の通過面積を大きくする。高温時に小さくされた大弁孔8の通過面積は蒸気配管系に蒸気が通気されている通常運転時に発生する復水を排出しきれない大きさに形成する。
【0009】
弁部材12に大弁孔8よりも通過面積の小さな弁孔13を形成する。弁室6内に弁孔13を開閉する中空球形のフロート14を自由状態で配置する。フロート14が弁孔13を閉じた位置で当接するフロート座15をフロート14の下方に、図面の手前側と向う側に2つ設ける。
【0010】
上記実施例のフリーフロート式スチームトラップの動作は下記の通りである。蒸気配管系の初期立ち上げ時のように多量の低温の空気と復水が弁室6内に流入する場合、バイメタル9はU字状が拡がるように変形して弁部材12で大弁孔8の通過面積を大きくし、多量の低温の空気と復水を通過面積が大きくされた大弁孔8から素早く出口7に排出する。
【0011】
低温の空気と復水の排出によって弁室6内に流入する復水の温度が高くなると、バイメタル9はU字状が狭まるように変形して弁部材12で大弁孔8の通過面積を小さくし、復水を通過面積が小さくされた大弁孔8から出口7に排出する。通過面積が小さくされた大弁孔8から排出しきれない復水を弁室6内の復水量に応じて浮上降下するフロート14で開閉される弁孔13から大弁孔8を通して出口7に排出する。空気が弁室6内に流入してきて弁室6内の温度が所定以下に低下すると、バイメタル9はU字状が拡がるように変形して弁部材12で大弁孔8の通過面積を大きくし、空気を通過面積が大きくされた大弁孔8から素早く出口7に排出する。
【0012】
配管系の送気が止められた休止時には弁室6内の温度が所定以下に低下すると、バイメタル9はU字状が拡がるように変形して弁部材12で大弁孔8の通過面積を大きくし、低温復水を通過面積が大きくされた大弁孔8から素早く出口7に排出する。
【0013】
上記実施例では、本発明をフリーフロート式スチームトラップに適用したが、レバーフロート式スチームトラップにも適用することができる。
【0014】
【発明の効果】
本発明は下記の特有の効果を生じる。
上記のように本発明によれば、弁室と出口を連通する通過面積の大きな大弁孔を弁室下端に形成し、弁室内に温度応動部材の一端を取り付け、温度応動部材の他端に大弁孔の通過面積を低温時に大きくし高温時に小さくする弁部材を取り付けたことにより、通過面積が大きくされた大弁孔から多量の低温空気を素早く排出できるとともに、休止時に弁室下端の大弁孔から低温復水を排出できるという優れた効果を生じる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフロート式スチームトラップをフリーフロート式スチームトラップに適用した実施例の断面図である。
【符号の説明】
1 入口側部材
2 出口側部材
5 入口
6 弁室
7 出口
8 大弁孔
9 バイメタル
12 弁部材
13 弁孔
14 フロート
【発明の属する技術分野】
本発明は、蒸気配管系に発生する復水を自動的に排出するスチームトラップに関し、特に密閉のフロートで直接にあるいは弁部材等を介して弁孔を開閉するフロート式スチームトラップにおいて、低温時に弁孔を開けるようにしたものに関する。フロート式スチームトラップは、蒸気と復水の比重差を利用して蒸気は排出せずに復水のみを自動的に排出するものであるが、弁室内に非凝縮気体である空気が流入すると、蒸気と同様に弁孔を閉じるのでエアバインディングを起こす問題があった。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
実公昭48−8742号公報
そこで、従来は、実公昭48−8742号公報に示されているような技術が用いられていた。これは、ケーシングで入口と弁室と出口を形成し、弁室と出口を連通する弁孔を弁室内に配置したフロートで開閉し、弁室内に配置した温度応動部材で低温時にフロートが弁孔を閉じることを妨げ高温時にフロートに干渉しないようにしたものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のフロート式スチームトラップは、弁室内に配置した温度応動部材で低温時にフロートが弁孔を閉じることを妨げることにより、低温空気を弁孔から排出してエアバインディングを防止するものであるが、弁孔から排出できる低温空気量には限るがあるので、特に配管系の初期立ち上げ時のように多量の低温空気を排出しなければならない場合に時間が掛かる問題があった。また、弁室内の弁孔よりも下に復水が溜まっているので、配管系の送気が止められた休止時に低温復水が凍結してフロートが破損する問題があった。
【0004】
従って、本発明の技術的課題は、多量の低温空気を素早く排出できると共に、休止時に弁孔よりも下の低温復水を排出できるフロート式スチームトラップを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の技術的課題を解決するために講じた本発明の技術的手段は、ケーシングで入口と弁室と出口を形成し、弁室と出口を連通する通過面積の大きな大弁孔を弁室下端に形成し、弁室内に温度応動部材の一端を取り付け、温度応動部材の他端に大弁孔の通過面積を低温時に大きくし高温時に小さくする弁部材を取り付け、弁部材に弁室と大弁孔を連通する弁孔を形成し、弁孔を開閉するフロートを弁室内に配置したことを特徴とするフロート式スチームトラップにある。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明のフロート式スチームトラップは、弁室と出口を連通する通過面積の大きな大弁孔を弁室下端に形成し、弁室内に温度応動部材の一端を取り付け、温度応動部材の他端に大弁孔の通過面積を低温時に大きくし高温時に小さくする弁部材を取り付けたものである。そのため、低温時には通過面積が大きくされた大弁孔から多量の低温空気を素早く排出できる。また、低温となる休止時には弁室下端の大弁孔から低温復水を排出できる。
【0007】
【実施例】
上記の技術的手段の具体例を示す実施例を説明する(図1参照)。図1に本発明のフロート式スチームトラップの断面図を示す。本実施例はフリーフロート式スチームトラップに適用したものである。フリーフロート式スチームトラップのケーシングは入口側部材1と出口側部材2を間に気密を保つためのシール部材3を介在させて取付部材4で固定して形成する。入口側部材1に入口5を形成し、入口側部材1と出口側部材2の間に弁室6を形成し、出口側部材2に出口7と通過面積の大きな大弁孔8を形成する。入口5は弁室6の上部に連通する。弁室6の下端は大弁孔8を介して下方の出口7に連通する。
【0008】
弁室6内に温度応動部材としてのバイメタル9を配置する。バイメタル9は断面形状がほぼU字状で一端側をビス10で出口側部材2に固定し、他端側をビス11で弁部材12に固定する。バイメタル9は高温時にU字状が狭まるように変形して弁部材12で大弁孔8の通過面積を小さくし、低温時にU字状が拡がるように変形して弁部材12で大弁孔8の通過面積を大きくする。高温時に小さくされた大弁孔8の通過面積は蒸気配管系に蒸気が通気されている通常運転時に発生する復水を排出しきれない大きさに形成する。
【0009】
弁部材12に大弁孔8よりも通過面積の小さな弁孔13を形成する。弁室6内に弁孔13を開閉する中空球形のフロート14を自由状態で配置する。フロート14が弁孔13を閉じた位置で当接するフロート座15をフロート14の下方に、図面の手前側と向う側に2つ設ける。
【0010】
上記実施例のフリーフロート式スチームトラップの動作は下記の通りである。蒸気配管系の初期立ち上げ時のように多量の低温の空気と復水が弁室6内に流入する場合、バイメタル9はU字状が拡がるように変形して弁部材12で大弁孔8の通過面積を大きくし、多量の低温の空気と復水を通過面積が大きくされた大弁孔8から素早く出口7に排出する。
【0011】
低温の空気と復水の排出によって弁室6内に流入する復水の温度が高くなると、バイメタル9はU字状が狭まるように変形して弁部材12で大弁孔8の通過面積を小さくし、復水を通過面積が小さくされた大弁孔8から出口7に排出する。通過面積が小さくされた大弁孔8から排出しきれない復水を弁室6内の復水量に応じて浮上降下するフロート14で開閉される弁孔13から大弁孔8を通して出口7に排出する。空気が弁室6内に流入してきて弁室6内の温度が所定以下に低下すると、バイメタル9はU字状が拡がるように変形して弁部材12で大弁孔8の通過面積を大きくし、空気を通過面積が大きくされた大弁孔8から素早く出口7に排出する。
【0012】
配管系の送気が止められた休止時には弁室6内の温度が所定以下に低下すると、バイメタル9はU字状が拡がるように変形して弁部材12で大弁孔8の通過面積を大きくし、低温復水を通過面積が大きくされた大弁孔8から素早く出口7に排出する。
【0013】
上記実施例では、本発明をフリーフロート式スチームトラップに適用したが、レバーフロート式スチームトラップにも適用することができる。
【0014】
【発明の効果】
本発明は下記の特有の効果を生じる。
上記のように本発明によれば、弁室と出口を連通する通過面積の大きな大弁孔を弁室下端に形成し、弁室内に温度応動部材の一端を取り付け、温度応動部材の他端に大弁孔の通過面積を低温時に大きくし高温時に小さくする弁部材を取り付けたことにより、通過面積が大きくされた大弁孔から多量の低温空気を素早く排出できるとともに、休止時に弁室下端の大弁孔から低温復水を排出できるという優れた効果を生じる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフロート式スチームトラップをフリーフロート式スチームトラップに適用した実施例の断面図である。
【符号の説明】
1 入口側部材
2 出口側部材
5 入口
6 弁室
7 出口
8 大弁孔
9 バイメタル
12 弁部材
13 弁孔
14 フロート
Claims (1)
- ケーシングで入口と弁室と出口を形成し、弁室と出口を連通する通過面積の大きな大弁孔を弁室下端に形成し、弁室内に温度応動部材の一端を取り付け、温度応動部材の他端に大弁孔の通過面積を低温時に大きくし高温時に小さくする弁部材を取り付け、弁部材に弁室と大弁孔を連通する弁孔を形成し、弁孔を開閉するフロートを弁室内に配置したことを特徴とするフロート式スチームトラップ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003036322A JP2004245339A (ja) | 2003-02-14 | 2003-02-14 | フロート式スチームトラップ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003036322A JP2004245339A (ja) | 2003-02-14 | 2003-02-14 | フロート式スチームトラップ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004245339A true JP2004245339A (ja) | 2004-09-02 |
Family
ID=33021435
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003036322A Pending JP2004245339A (ja) | 2003-02-14 | 2003-02-14 | フロート式スチームトラップ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004245339A (ja) |
-
2003
- 2003-02-14 JP JP2003036322A patent/JP2004245339A/ja active Pending
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